JPH08101007A - スキャナ装置 - Google Patents

スキャナ装置

Info

Publication number
JPH08101007A
JPH08101007A JP26105594A JP26105594A JPH08101007A JP H08101007 A JPH08101007 A JP H08101007A JP 26105594 A JP26105594 A JP 26105594A JP 26105594 A JP26105594 A JP 26105594A JP H08101007 A JPH08101007 A JP H08101007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
scan
voltage value
signal
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26105594A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Nakamura
泰 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP26105594A priority Critical patent/JPH08101007A/ja
Publication of JPH08101007A publication Critical patent/JPH08101007A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印加電圧に対する圧電体の非線形的な変位量
によって生じる歪を低減して線形的に走査可能なスキャ
ナ装置を提供することを目的とする。 【構成】 印加された走査信号の電圧値と変位量との間
の関係に非線形性およびヒステリシスが存在する圧電体
3に、一定周期の基準信号に同期して電圧値が変化する
走査信号を印加することにより、圧電体3の変位方向に
対象物2を走査させるスキャナ装置1であって、走査時
間に対する圧電体3の変位量が線形性を有するような走
査信号の電圧値列を表す走査電圧データを記憶するメモ
リ12と、基準信号に同期してメモリ12から走査電圧
データを読み出すスキャンコントローラ11と、読み出
した走査電圧データに基づいた電圧値の走査信号を生成
する走査信号生成回路14とを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、走査トンネル
顕微鏡や原子間力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡に適
用され、圧電体を用いて、プローブや試料などを走査さ
せるスキャナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧電体を用いたスキャナ装置と
して、例えば、特開昭62−130302号公報に記載
されているものがあり、この従来のスキャナ装置は、サ
ンプルの表面の像を得るために使用される走査トンネル
顕微鏡の走査用プローブに用いられている。このスキャ
ナ装置では、XYZの各方向に制御されるXYZ駆動装
置にサンプルを保持させるとともに、圧電素子に電圧を
印加して振動させることにより、圧電素子に支持された
片持ち針を振動させている。そして、片持ち針の先端部
分に設けた尖点とサンプルとの間の境界に存在する原子
間力が、片持ち針の振動の振幅を変化させ、この変化に
より発生した修正信号に基づいて、尖点とサンプル間の
距離を制御することにより、尖点の位置情報を求め、こ
の位置情報に基づいて、サンプルの表面をラスタ走査す
ることによりより、サンプルの表面の像が形成されてい
る。前記XYZ駆動装置は一般にPZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)などの圧電体を組み合わせて構成されるもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスキ
ャナ装置において用いられている、PZT(チタン酸ジ
ルコン酸鉛)などの圧電体は、印加電圧の電圧値と、電
圧を印加したときの圧電体の変位量との間の関係に、非
線形性でかつヒステリシスが存在するという特性を有し
ている。したがって、圧電体を用いた従来のスキャナ装
置によって、サンプルの表面をラスタ走査させた場合、
走査量は、走査電圧に対して非線形性を示す。このよう
な非線形性は、走査型プローブ顕微鏡においては観測像
の歪として現れ、定量的に測定できないという問題があ
った。
【0004】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、請求項1に係るスキャナ装置は、印加電
圧に対する圧電体の非線形的な変位量によって生じる歪
を低減して線形的に走査可能なスキャナ装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】請求項2に係る発明は、上記目的に加え、
走査速度に応じて線形的に走査可能なスキャナ装置を提
供することを目的とする。
【0006】また、請求項3に係る発明は、圧電体のヒ
ステリシスによって生じる歪を低減して線形的に走査可
能なスキャナ装置を提供することを目的とする。
【0007】さらに、請求項4に係る発明は、請求項3
に係る発明の目的に加え、走査範囲に応じて線形的に走
査可能なスキャナ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、印加された走査信号の電圧
値と変位量との間の関係に非線形性およびヒステリシス
が存在する圧電体に、一定周期の基準信号に同期して電
圧値が変化する走査信号を印加することにより、圧電体
の変位方向に対象物を走査させるスキャナ装置であっ
て、走査時間に対する圧電体の変位量が線形性を有する
ような走査信号の電圧値列を表す走査電圧データを記憶
するメモリと、基準信号に同期してメモリから走査電圧
データを読み出すスキャンコントローラと、読み出した
走査電圧データに基づいた電圧値の走査信号を生成する
走査信号生成回路とを備えることを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載のス
キャナ装置において、基準信号の周期に応じた利得で走
査信号を増幅する第1利得可変増幅回路を備えたことを
特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、印加された走査信
号の電圧値と変位量との間の関係に非線形性およびヒス
テリシスが存在する圧電体に、一定周期の基準信号に同
期して電圧値が変化する走査信号を印加することによ
り、圧電体の変位方向に対象物を往復走査させるスキャ
ナ装置であって、走査時間に対する電圧値が線形性を有
するような基準走査信号の基準電圧値列を生成する基準
電圧値生成回路と、走査時間に対する圧電体の変位量が
線形性を有するような走査信号の電圧値列と基準電圧値
列との差電圧を表す差電圧データを記憶するメモリと、
基準信号に同期してメモリから差電圧データを読み出す
スキャンコントローラと、対象物の往路走査および復路
走査に応じて、生成された基準電圧値列に読み出した差
電圧データを加減算して走査電圧データを生成する加減
算回路と、生成した走査電圧データに基づいた電圧値の
走査信号を生成する走査信号生成回路とを備えることを
特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項3記載のス
キャナ装置において、メモリから読み出した差電圧デー
タによって表される電圧を、対象物の走査範囲に応じた
利得で増幅する第2利得可変増幅回路を備えたことを特
徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に係るスキャナ装置では、スキャンコ
ントローラが、基準信号に同期して、メモリから走査電
圧データを読み出し、走査信号生成回路が、読み出した
走査電圧データに基づいた電圧値の走査信号を生成して
圧電体に印加する。この印加された走査信号は、走査時
間に対する圧電体の変位量が線形性を有するため、線形
的な走査を行うことができる。このため、例えば、ラス
タスキャン走査などにおいて、印加電圧に対する圧電体
の非線形的な変位量によって生じる歪を低減して線形的
に走査させることができる。
【0013】請求項2に係るスキャナ装置では、第1利
得可変増幅回路が、基準信号の周期に応じた利得で走査
信号を増幅するので、走査速度上げていくと走査範囲が
狭まるという圧電体の特性を補正することができる結
果、走査速度が変わっても、圧電体を線形的に走査させ
ることができる
【0014】請求項3に係るスキャナ装置では、スキャ
ンコントローラが、基準信号に同期して、メモリから差
電圧データを読み出し、加減算回路が、例えば、往路走
査のときは、基準電圧列に読み出した差電圧データを加
算して走査電圧データを生成し、復路走査のときは、基
準電圧列から差電圧データを減算して走査電圧データを
生成する。そして、走査信号生成回路が、生成した走査
電圧データに基づいた電圧値の走査信号を生成する。こ
の生成された走査信号は、走査時間に対する圧電体の変
位量が、線形性を有しかつ圧電体の変位量のヒステリシ
スをキャンセルするように、圧電体を走査させる。この
ため、走査の往路および復路のいずれにおいても、線形
的な走査が行われる。したがって、例えば、対象物を往
復走査させるラスタスキャン走査などにおいて、走査信
号の電圧値に対する圧電体の非線形的な変位量によって
生じる歪を低減して線形的に走査させることができる。
また、通常、圧電体のヒステリシスは、往路走査のとき
と復路走査のときとで対称な特性を示すため、メモリに
記憶させる差電圧データは、往路走査および復路走査の
いずれか一方の差電圧データを記憶すればよいため、メ
モリの記憶容量が少なくてすむことになる。
【0015】請求項4に係るスキャナ装置では、第2利
得可変増幅回路が、メモリ回路から読み出された差電圧
データによって表される電圧を、対象物の走査範囲に応
じた利得で増幅する。この場合、圧電体のヒステリシス
は、通常、走査範囲が拡がるに連れて大きくなるが、走
査範囲に応じた利得で増幅した走査信号を圧電体に印加
することにより、適正な走査範囲を線形的に走査するこ
とができる。
【0016】
【実施例】
[実施例1]図1は、例えば、プローブ顕微鏡に用いら
れるスキャナ装置1を示しており、このスキャナ装置1
は、対象物2をX方向(同図において左右方向)および
Y方向(同図において紙面に垂直方向)に走査させるチ
ューブ型圧電スキャナ3と、チューブ型圧電スキャナ3
をX方向およびY方向にそれぞれ変位(移動)させるX
方向駆動回路4およびY方向駆動回路5を備えている。
【0017】チューブ型圧電スキャナ3は、チューブ状
に形成された圧電体の内周面に単一の電極(図示せず)
を備えており、その外周面には、周方向に4つの駆動電
極(図示せず)を備えている。そして、チューブ型圧電
スキャナ3は、電極に走査信号を印加することによって
X方向およびY方向にそれぞれ変位するようになってい
る。
【0018】X方向駆動回路4とY方向駆動回路5は、
同一に構成されているため、以下、代表してX方向駆動
回路4について説明する。
【0019】X方向駆動回路4は、スキャンコントロー
ラ11、メモリ回路(メモリ)12、信号発生器13、
A/Dコンバータ(走査信号生成回路)14、可変ゲイ
ンアンプ(第1利得可変増幅回路)15、走査範囲演算
回路16およびバッファアンプ17を備えている。
【0020】スキャンコントローラ11は、チューブ型
圧電スキャナ3の変位量を制御するものであり、マイク
ロプロセッサにより構成され、マイクロプロセッサは、
信号発生器13から出力されるクロック信号(基準信
号)の数をカウントするカウント機能を有している。ま
た、スキャンコントローラ11は、クロック信号に同期
してメモリ回路12から後述する走査電圧データを読み
出してA/Dコンバータ14に出力する。
【0021】メモリ回路12は、走査時間に対するチュ
ーブ型圧電スキャナ3の変位量が線形性を有する走査信
号の電圧値を表す走査電圧データを記憶している。
【0022】信号発生器13は、例えば、水晶発振器や
RC発振器などで構成され、チューブ型圧電スキャナ3
の走査速度の基準となるクロック信号を発振する。
【0023】A/Dコンバータ14は、スキャンコント
ローラ11が読み出した走査電圧データをアナログ電圧
に変換して可変ゲインアンプ15に出力する。
【0024】可変ゲインアンプ15は、オペレーショナ
ルアンプで構成され、A/Dコンバータ14から出力さ
れたアナログ電圧を所定の利得で増幅する。また、可変
ゲインアンプ15は、電子ボリュームを備えており、走
査範囲演算回路16から出力される利得指定信号によっ
て、自身の利得を変化させることができるように構成さ
れている。
【0025】走査範囲演算回路16は、可変ゲインアン
プ15の利得を、チューブ型圧電スキャナ3を変位させ
る走査速度に応じて変化させるものであり、信号発生器
13のクロック信号の周期に応じた利得指定信号で可変
ゲインアンプ15の電子ボリュームを制御する。
【0026】バッファアンプ17は、可変ゲインアンプ
15から出力された走査信号を電流増幅する。
【0027】次に、メモリ回路12に記憶されている走
査電圧データについて、具体的に説明する。最初に、圧
電体の変位量特性について説明すると、図2に示すよう
に、圧電体は、印加された電圧値と、電圧値に対する圧
電体の変位量との間の関係に非線形性およびヒステリシ
スが存在するという変位量特性を有している。したがっ
て、圧電体を線形的に走査させるためには、走査時間に
対する圧電体の変位量が線形性を有するような電圧値列
の走査信号を印加する必要がある。
【0028】このため、図3(a)に示すような、電圧
値が走査時間に対して線形的に増減する基準走査信号で
チューブ型圧電スキャナ3を走査させ、走査時間に対す
る変位量特性を求めておく。この変位量特性は、同図
(b)の実線で示すような特性になる。なお、同図に示
す点線は基準走査信号の電圧値を示している。同図
(b)の変位量特性を線形にするためには、非線形性の
変位量を補正できるような走査信号(同図(c)に示す
実線)にする必要がある。
【0029】本実施例においては、同図(c)の実線に
示す走査信号の電圧値列をメモリ回路12に記憶させて
いる。具体的には、同図(c)の走査時間を、例えば、
2000等分すると共に、等分した各走査時間をメモリ
回路12のアドレス「1」〜「2000」(10進数)
に対応させる。そして、等分した各走査時間に対する走
査信号の電圧値を表すディジタルデータを対応するメモ
リ回路12のアドレスに走査電圧データとして記憶させ
ている。
【0030】次に、スキャナ装置1の動作について説明
する。
【0031】スキャンコントローラ11は、信号発生器
13から出力されるクロック信号の数をカウンタによっ
てカウントし、このカウント値に対応するアドレス信号
をメモリ回路12に出力して、走査電圧データを読み出
す。つまり、スキャンコントローラ11は、クロック信
号に同期して走査電圧データを読み出している。次い
で、スキャンコントローラ11は、読み出した走査電圧
データをA/Dコンバータ14に出力する。A/Dコン
バータ14は、走査電圧データをアナログ電圧に変換
し、可変ゲインアンプ15に出力する。そして、このア
ナログ電圧が所定の利得で増幅され、バッファアンプ1
7によって電流増幅されて走査信号になり、この走査信
号が印加されてチューブ型圧電スキャナ3が変位する。
これにより、チューブ型圧電スキャナ3は、走査時間に
対して線形的に変位し、対象物2を走査させる。
【0032】また、チューブ型圧電スキャナ3の圧電体
の電気特性は、コンデンサ成分C(容量値)で表され、
バッファアンプ17の出力インピーダンスR(抵抗値)
との関係により走査周波数を高くした場合、その応答周
波数が低下して走査範囲が狭くなる。この場合、応答周
波数が、1/2πRC以上になると、この現象が顕著に
なる。このため、走査範囲演算回路16では、チューブ
型圧電スキャナ3の応答周波数を記憶または計算し、信
号発生器13のクロック信号の周波数、すなわち走査速
度に応じてチューブ型圧電スキャナ3に印加する走査信
号の電圧値を変化させ、適切な走査範囲を維持させてい
る。より具体的には、走査範囲演算回路16は、走査速
度が高いときは、可変ゲインアンプ15の利得を上げる
ようにし、走査速度が低いときは、可変ゲインアンプ1
5の利得を1にする。
【0033】以上のように、実施例1によれば、チュー
ブ型圧電スキャナ3の変位量が、走査時間に対して線形
的に変化するため、例えば、プローブ型顕微鏡に適用し
た場合、画像の歪がなくなり正確な観測像を得ることが
できる。また、走査速度を変化した場合でも、可変ゲイ
ンアンプ15および走査範囲演算回路16によって、適
切な走査範囲で走査を行うことができ、この結果、走査
速度の変化による画像のズレがなくなり、より正確な観
測像を得ることができる。
【0034】[実施例2]次に、図4を参照して、実施
例2について説明する。実施例2では、実施例1と異な
り、X方向駆動回路21およびY方向駆動回路22が、
スキャン演算コントローラ31および往復判別回路32
をそれぞれ備えている。なお、実施例1と同一の構成要
素については、同一の符号を使用し、その説明を省略す
る。
【0035】スキャン演算コントローラ(スキャンコン
トローラ、加減算回路)31は、マイクロプロセッサに
より構成され、信号発生器13から出力されるクロック
信号の数をカウントし、このカウント値に応じたアドレ
ス信号をメモリ回路12に出力して、後述する差電圧デ
ータを読み出し、読み出した差電圧データをカウント値
に加減算する機能を有している。
【0036】往復判別回路32は、アップダウンカウン
タを主要構成要素としており、信号発生器13から出力
されるクロック信号をカウントし、カウント値が1〜1
000のときは、往路走査と判別し、カウント値が10
01〜2000のときは、復路走査と判別し、判別結果
をスキャン演算コントローラ31に出力する。
【0037】メモリ回路12は、走査時間に対するチュ
ーブ型圧電スキャナ3の変位量が線形性を有するような
走査信号の電圧値列(以下、「変位量が線形性を有する
電圧値列」という)と、走査時間に対する電圧値が線形
性を有するような基準走査信号(図3(a)参照)の基
準電圧値列との差電圧を表す差電圧データを記憶する。
【0038】差電圧データについて、より具体的に説明
する。図2に示すように、圧電体の変位量をyとし、走
査信号の電圧値をxとすると、変位量特性、すなわち圧
電体のヒステリシス特性は、y=xの線形性を有する直
線に対し、往路(同図中符号)と復路(同図中符号
)で対称になっている。実施例2では、このことに着
眼している。図5(a)に示すように、往路の走査時間
を1000等分すると共に、等分した各走査時間をメモ
リ回路12のアドレス「1」〜「1000」(10進
数)に対応させる。そして、等分した各走査時間におけ
る、変位量が線形性を有する電圧値列と前述した基準電
圧列との差の電圧値を求め、求めたすべての差電圧値
が、差電圧データとしてメモリ回路12の対応するアド
レスに記憶されている。
【0039】次に、X方向駆動回路21の動作について
説明する。
【0040】往路走査のときは、往復判別回路32は、
スキャン演算コントローラ31に往路信号を出力する。
スキャン演算コントローラ31は、往路信号を入力した
ときは、信号発生器13から出力されるクロック信号の
数をカウントし、まず最初にカウント値「1」に対応す
るアドレス信号「1」をメモリ回路12に出力して、差
電圧データを読み出す。次いで、スキャン演算コントロ
ーラ31は、カウント値「1」と差電圧データで表され
る差電圧値を加算して、走査電圧データを生成し、A/
Dコンバータ14に出力する。この動作を、カウント値
が「1000」になるまで繰り返す。これにより、A/
Dコンバータ14に出力される走査電圧データは、実施
例1においてメモリ回路12から読み出された走査電圧
データと等しくなる。つまり、カウント値が、図2に示
すy=xの直線と同等の直線性を示しているので、加減
算された走査信号の電圧値は、図3(c)の実線で示す
電圧値になる。そして、A/Dコンバータ14が、アナ
ログ電圧に変換する結果、往路分の走査信号がチューブ
型圧電スキャナ3に印加され、チューブ型圧電スキャナ
3が走査時間に対して線形的に変位する。
【0041】一方、出力されたクロック信号の数が10
01になると、往復判別回路32がスキャン演算コント
ローラ31に対して復路信号を出力する。スキャン演算
コントローラ31は、復路信号を入力したときは、まず
最初に、カウンタをカウントダウンする(この場合に
は、「1」をカウントダウンして、カウント値が「10
00」になる)。そして、アドレス「1」の差電圧デー
タを読み出し、差電圧データで表される差電圧値をカウ
ント値から減算し、走査電圧データを生成する。次に、
クロック信号の数が1002になると、カウント値を
「999」にすると共に、アドレス「2」の差電圧デー
タを読み出し、差電圧データで表される差電圧値をカウ
ント値「999」から減算する。このようにして、カウ
ント値が「2000」になるまで、上述した動作を繰り
返す。これにより、復路走査のときの走査信号の電圧値
も、実施例1において、カウント値が「1001」〜
「2000」のときの走査信号の電圧値と等しくなる。
【0042】出力されたクロック信号の数が2001に
なると、往復判別回路32は、往路信号をスキャン演算
コントローラ31に出力して、前述した往路走査が繰り
返し行われる。これにより、チューブ型圧電スキャナ3
は、走査時間に対して線形的に変位する。なお、実施例
2で説明しなかった他の構成要素は、実施例1で説明し
たのと同じように作動する。
【0043】以上のように、実施例2によれば、往路分
の差電圧データで、チューブ型圧電スキャナ3を往復変
位させることができるので、メモリ回路12のメモリ容
量が、実施例1と比較して半分でよい。この結果、X方
向駆動回路21のコストを低減することができると共
に、装置の小型化を図ることができる。また、同じメモ
リ容量のメモリ回路を使用した場合には、走査信号の電
圧値の分解能を倍にすることができる結果、チューブ型
圧電スキャナ3をより高い分解能で変位(走査)させる
ことができる。
【0044】[実施例3]次に、図6を参照して、実施
例3について説明する。実施例3では、実施例2と異な
り、X方向駆動回路41およびY方向駆動回路42が、
可変ゲイン回路(第2利得可変増幅回路)51をそれぞ
れ備えている。なお、実施例1および実施例2と同一の
構成要素については、同一の符号を使用し、その説明を
省略する。
【0045】可変ゲイン回路51は、ディジタル乗算器
で構成されており、メモリ回路12から読み出した差分
データによって表される差電圧値を所定の乗算値で乗算
した後、スキャン演算コントローラ31に出力する。ま
た、乗算器はスキャン演算コントローラ31の演算部で
共用可能である。
【0046】一般に、圧電体は、印加電圧が大きくなる
ほど、すなわち走査範囲が大きくなるほど、ヒステリシ
ス特性(往路走査と復路走査における変位量の差)が大
きくなることが知られている。実施例3では、この圧電
体の性質を利用して、走査範囲が変化する場合でも、チ
ューブ型圧電スキャナ3を時間に対して線形的に走査し
ている。具体的には、チューブ型圧電スキャナ3が最大
走査範囲を時間に対して線形的に走査させるような差電
圧データを予め求めておき、この差電圧データをメモリ
回路12に記憶させる。そして、図示しない走査範囲指
示手段から走査範囲が指示されたときに、可変ゲイン回
路51が、読み出された差電圧に、指示された走査範囲
に応じた乗算値を乗算する(1次あるいは2次可変す
る)。このように構成することによって、チューブ型圧
電スキャナ3を走査させる範囲が異なる場合でも、メモ
リ回路12に記憶させる差電圧データは、1種類でよい
ことになる。実施例3における他の動作は、実施例2と
同じであるので、説明を省略する。
【0047】以上のように、実施例3によれば、可変ゲ
イン回路51を備えたことで、走査範囲を変更しても、
時間に対して線形性を有する走査をすることができるの
で、プローブ型顕微鏡などに適用した場合、走査範囲の
変更による画像の歪がなくなる。また、走査範囲に対応
した数の差電圧データをメモリ回路12に記憶させる必
要がないため、メモリ回路のメモリ容量が少なくてす
み、この結果、X方向駆動回路21のコストを低減する
ことができると共に、装置の小型化を図ることができ
る。また、同じメモリ容量のメモリ回路を使用した場合
には、走査信号の電圧値の分解能を向上させることがで
きる結果、チューブ型圧電スキャナ3をより高い分解能
で変位させることができる。
【0048】なお、上記実施例では、Y方向駆動回路
5,22,42がX方向駆動回路4,21,41と同一
の構成にした例についてそれぞれ説明したが、これに限
定されず、例えば、Y方向駆動回路5,22,42は、
スキャンコントローラ11(またはスキャン演算コント
ローラ31)、メモリ回路12、信号発生器13をX方
向駆動回路4,21,41とそれぞれ共用することがで
きる。この場合には、スキャンコントローラ11(また
はスキャン演算コントローラ31)が、X方向駆動回路
4,21,41の動作とY方向駆動回路5,22,42
の動作を交互に行うようにすればよい。この場合には、
共用した分だけ、コストの低減を図ることができる。
【0049】また、信号発生器13から出力されるクロ
ック信号は、スキャンコントローラ11(またはスキャ
ン演算コントローラ31)のCPUに用いるクロック信
号を分周することによっても生成することができる。
【0050】実施例2では、差電圧データとして往路に
おける差電圧データをメモリ回路12に記憶させる例に
ついて説明したが、復路における差電圧データを記憶さ
せるようにしてもよい。この場合には、スキャン演算コ
ントローラ31が、往路走査のときに、カウンタ値から
差電圧データで表される差電圧値を減算し、復路走査の
ときに、加算すればよい。
【0051】また、実施例3において、走査速度を上げ
るときは、信号発生器13のクロック周波数を上げると
共に、可変ゲイン回路51の利得を走査速度に応じて上
げるように構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、走査時間に対する圧電体の変位量が線形性を有す
るような走査信号の電圧値列を表す走査電圧データをメ
モリから読み出して走査信号を生成するので、例えば、
ラスタスキャン走査などにおいて、印加電圧に対する圧
電体の非線形的な変位量によって生じる歪を低減して、
圧電体を線形的に走査させることができる。
【0053】請求項2に係る発明によれば、基準信号の
周期に応じた利得で走査信号を増幅する第1利得可変増
幅回路を備えたので、上記効果に加え、走査速度を上げ
ていくと走査範囲が狭まるという圧電体の特性を補正す
ることができる結果、走査速度を変化させた場合でも、
圧電体を線形的に走査させることができる。
【0054】請求項3に係る発明では、往路走査と復路
走査とで、加減算回路が、基準電圧値列に差電圧データ
を加減算し、加減算した走査電圧データに基づいた電圧
値の走査信号が生成されるため、例えば、対象物を往復
走査させるラスタスキャン走査などにおいて、走査電圧
に対して非線形性およびヒステリシスが存在する圧電体
の特性によって生じる歪を低減して、圧電体を線形的に
走査させることができる。また、往路走査および復路走
査のいずれか一方における差電圧データをメモリに記憶
させればよいため、メモリの記憶容量が少なくてすむ。
【0055】請求項4に係る発明によれば、メモリから
読み出した差電圧データによって表される電圧を、圧電
体の走査範囲に応じた利得で増幅する第2利得可変増幅
回路を備えたため、上記請求項3に記載された発明の効
果に加え、走査範囲の変更による圧電体のヒステリシス
特性を除去し、圧電体を線形的に走査させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るスキャナ装置のブロック図であ
る。
【図2】圧電体のヒステリシス特性を示す図である。
【図3】図3(a)は基準走査信号を表す図、同図
(b)は基準走査信号によって走査したときの圧電体の
変位量を示す図、同図(c)は実施例1に係るメモリ回
路に記憶されているデータの内容を説明するための図で
ある。
【図4】実施例2に係るスキャナ装置のブロック図であ
る。
【図5】図5(a)は差電圧データを説明するための
図、同図(b)は実施例2のスキャン演算コントローラ
の動作を説明するための図である。
【図6】実施例3に係るスキャナ装置のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 スキャナ装置 2 対象物 3 チューブ型圧電スキャナ 11 スキャンコントローラ 12 メモリ回路 14 A/Dコンバータ 15 可変ゲインアンプ 31 スキャン演算コントローラ 51 可変ゲイン回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印加された走査信号の電圧値と変位量と
    の間の関係に非線形性およびヒステリシスが存在する圧
    電体に、一定周期の基準信号に同期して電圧値が変化す
    る走査信号を印加することにより、当該圧電体の変位方
    向に対象物を走査させるスキャナ装置であって、 走査時間に対する前記圧電体の変位量が線形性を有する
    ような走査信号の電圧値列を表す走査電圧データを記憶
    するメモリと、 前記基準信号に同期して前記メモリから前記走査電圧デ
    ータを読み出すスキャンコントローラと、 当該読み出した走査電圧データに基づいた電圧値の走査
    信号を生成する走査信号生成回路とを備えることを特徴
    とするスキャナ装置。
  2. 【請求項2】 前記基準信号の周期に応じた利得で前記
    走査信号を増幅する第1利得可変増幅回路を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載のスキャナ装置。
  3. 【請求項3】 印加された走査信号の電圧値と変位量と
    の間の関係に非線形性およびヒステリシスが存在する圧
    電体に、一定周期の基準信号に同期して電圧値が変化す
    る走査信号を印加することにより、当該圧電体の変位方
    向に対象物を往復走査させるスキャナ装置であって、 走査時間に対する電圧値が線形性を有するような基準走
    査信号の基準電圧値列を生成する基準電圧値生成回路
    と、 走査時間に対する前記圧電体の変位量が線形性を有する
    ような走査信号の電圧値列と前記基準電圧値列との差電
    圧を表す差電圧データを記憶するメモリと、 前記基準信号に同期して前記メモリから前記差電圧デー
    タを読み出すスキャンコントローラと、 前記対象物の往路走査および復路走査に応じて、前記生
    成された基準電圧値列に前記読み出した差電圧データを
    加減算して走査電圧データを生成する加減算回路と、 当該生成した走査電圧データに基づいた電圧値の走査信
    号を生成する走査信号生成回路とを備えることを特徴と
    するスキャナ装置。
  4. 【請求項4】 前記メモリから読み出した差電圧データ
    によって表される電圧を、前記対象物の走査範囲に応じ
    た利得で増幅する第2利得可変増幅回路を備えたことを
    特徴とする請求項3記載のスキャナ装置。
JP26105594A 1994-09-30 1994-09-30 スキャナ装置 Withdrawn JPH08101007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26105594A JPH08101007A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 スキャナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26105594A JPH08101007A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 スキャナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08101007A true JPH08101007A (ja) 1996-04-16

Family

ID=17356449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26105594A Withdrawn JPH08101007A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 スキャナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08101007A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010527002A (ja) * 2007-05-07 2010-08-05 ビーコ インストルメンツ インコーポレイテッド クローズドループコントローラを備える高速走査型プローブ顕微鏡とその操作方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010527002A (ja) * 2007-05-07 2010-08-05 ビーコ インストルメンツ インコーポレイテッド クローズドループコントローラを備える高速走査型プローブ顕微鏡とその操作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8164352B2 (en) Capacitance detecting apparatus
JPH0462048B2 (ja)
JP3308642B2 (ja) 垂直偏向波形発生装置
JPH08101007A (ja) スキャナ装置
JPH07120250A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3436005B2 (ja) 波形発生装置
JP2005190228A (ja) アクチュエータ制御方法及びその装置並びに走査型プローブ顕微鏡
JP3645600B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3573479B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびそれを用いる測定方法
JP3051270B2 (ja) タブレット装置および表示一体型タブレット装置
JPH0968472A (ja) 圧力センサ
JP3218449B2 (ja) 静電容量型圧力センサ
JP2009222691A (ja) 角速度データ処理装置および角速度データ処理方法
JP3152319B2 (ja) シリアルプリンタ装置
JPH0712852A (ja) 波形生成機能付き波形測定装置
JP2902520B2 (ja) 映像信号処理装置
JPH02268064A (ja) Ccdラインセンサの出力補償装置
JPH04198702A (ja) 走査型トンネル顕微鏡
JPS63310278A (ja) フォ−カス回路
JPS6150191A (ja) 直線化画像表示装置
SU1231628A1 (ru) Устройство записи информации на запоминающей электронно-лучевой трубке
JPH0690637B2 (ja) 補間方法
JPH07104911A (ja) 座標入力装置
JP2002350318A (ja) スキャナ装置
JPS6148273A (ja) 記録信号補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115