JP5291627B2 - Pwm信号生成装置、及びこのpwm信号生成装置を備えたインバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パルス波形を生成するPWM信号生成装置、及びこのPWM信号生成装置を備えたインバータ装置に関する。
従来、燃料電池や太陽電池などによって生成される直流電力を商用電力系統に連系させて電力を供給する系統連系インバータ装置が開発されている。この系統連系インバータ装置において、スイッチング素子のスイッチング回数を低減することによりスイッチングロスを低減する技術が提案されている。
例えば、特開平11−53042号公報には、インバータ出力電力Poutが定格値Prの30%〜80%の範囲外ではスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するための三角波の周波数を20kHzとし、インバータ出力電力Poutが定格値Prの30%〜80%の範囲(以下、「実使用領域」という。)では三角波の周波数をそれよりも低い周波数(例えば、15kHz)に切り替えることにより、実使用領域におけるスイッチング素子のスイッチング回数を低減し、スイッチングロスを低減する技術が記載されている。
また、特開平11−53042号公報に記載の方法よりもスイッチング素子のスイッチング回数をより低減することのできる方法として、ヒステリシス方式による電流制御法と呼ばれる方法が知られている。
ヒステリシス方式による電流制御法とは、図15に示す方法によってPWM信号を生成し、このPWM信号によってスイッチング素子のオン・オフを制御するものである。
図15において、実線の曲線Aは出力電流の基本波成分の制御目標値の波形を示し、点線で示す曲線AU,ADはそれぞれ出力電流の基本波成分が変動した場合の許容範囲の上限と下限の波形を示している。また、一点鎖線で示す折れ線Bはインバータ装置から出力される電流値の波形である。
ヒステリシス方式による電流制御法では、インバータ装置から出力される電流値が許容範囲ΔIの上限値Iupまで上昇すると、PWM信号のレベルが直流電力のインバータへの供給を停止させるようにスイッチング素子を制御するレベル(図15では「ローレベル」で表示)に切り替えられ、インバータ装置から出力される電流値が許容範囲ΔIの下限値Idownまで下降すると、PWM信号のレベルがインバータに直流電力を供給するようにスイッチング素子を制御するレベル(図15では「ハイレベル」で表示)に切り替えられる。
特開平11−53042号公報
系統連系インバータ装置には、系統に連系させるためのガイドラインが設けられている。例えば、出力電流に対して、基本波成分(関西地域では60Hz、関東地域では50Hz)の実効値を所定の許容範囲内に保持することや、5次、7次、13次の高調波成分を各々1%以内、総合で3%以内に抑制することが要求されている。
インバータ装置の性能に対しては、一般に出力の高精度化、高速応答性、高効率などが要求される。系統連系インバータ装置は系統への電力供給を主目的とするので、モータ制御用のインバータ装置とは異なり、高効率化の要求が出力の高精度化や高速応答性よりも優先されている。従って、系統連系インバータ装置においては、上記のガイドラインを満足することを条件に、可能な限りスイッチング回数を低減して高効率化を図ることが望まれる。
ヒステリシス方式による電流制御法は、系統連系インバータ装置から出力される電流値が制御目標値の許容範囲ΔI内(例えば、制御目標値±3%内)で可能な限りスイッチング素子のスイッチング周波数を低下させ、スイッチングロスを低減する方法であるので、ガイドラインを満足することを条件とした高効率化の観点から見れば、特開平11−53042号公報に記載の方法よりも系統連系インバータ装置に適したPWM信号生成方法ということができる。
しかしながら、ヒステリシス方式による電流制御法には、以下のような問題がある。
(1)系統連系インバータ装置から実際に出力される交流電流が許容範囲を逸脱するか否かを常時監視するための回路を必要とする。
(2)系統連系インバータ装置から実際に出力される交流電流が許容範囲を逸脱するか否かによってPWM信号のパターンを生成する構成を、ディジタル制御系によって構成することが困難である。このため、ディジタル制御系の設計における高汎用性、高柔軟性といった利点を生かすことができない。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ヒステリシス方式の電流制御法の欠点を解消し、かつ、ディジタル化された制御系により周期を長くしたPWM信号を生成するPWM信号生成装置及びこのPWM信号生成装置を備えたインバータ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるPWM信号生成装置は、第1のパルス波形を生成する第1のパルス波形生成手段と、前記第1のパルス波形の生成開始時から予め設定された遅延時間が経過したときに、第2のパルス波形を生成する第2のパルス波形生成手段と、前記第1のパルス波形生成手段により生成された前記第1のパルス波形と前記第2のパルス波形生成手段により生成された前記第2のパルス波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、を備え、前記第1のパルス波形生成手段は、前記合成パルス波形の終了時に次の第1のパルス波形を生成する。
この構成によると、前記第1のパルス波形生成手段が生成する第1のパルス波形より周期の長い合成パルス波形が生成されるので、周期の長いPWM信号を生成することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス波形は、予め設定された第1のパルス周期を有し、その第1のパルス周期内の中間部分でハイレベルとなり、両端部分でローレベルになる波形であり、前記第2のパルス波形は、予め設定された第2のパルス周期を有し、その第2のパルス周期内の前側部分でハイレベルとなり、後側部分でローレベルになる波形であり、前記合成パルス波形は、前記第1のパルス波形のハイレベル期間に前記第2のパルス波形を接続した当該第1のパルス波形と同じタイプの波形である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス周期と前記第2のパルス周期とが同一である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス波形のハイレベル期間は前記第1のパルス周期の中央に配置されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遅延時間は、前記第1のパルス波形生成手段により生成される前記第1のパルス波形がハイレベルになっている期間に前記第2のパルス波形の生成を開始するという条件を満たす時間である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記遅延時間は、前記遅延時間は、前記第1のパルス周期の1/2の時間である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス波形生成手段は、前記第1のパルス周期の開始時に、前記第1のパルス波形がハイレベルとなるべき第1のオン時間を演算する第1のオン時間演算手段と、前記第1のオン時間と前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの位置とに基づいて、前記第1のパルス周期において前記第1のパルス波形のレベルがローレベルからハイレベルに反転する第1の反転タイミングを決定する第1の反転タイミング決定手段と、を備え、前記第2のパルス波形生成手段は、前記第1のパルス周期の開始から前記遅延時間が経過したときに、前記第2のパルス波形がハイレベルとなるべき第2のオン時間を演算する第2のオン時間演算手段と、前記第2のオン時間に基づいて、当該第2のオン時間が演算された第2のパルス周期において前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルからローレベルに反転する第2の反転タイミングを決定する第2の反転タイミング決定手段と、を備え、前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス周期の開始時を基準とした前記第1,第2の反転タイミングを検出する反転タイミング検出手段と、前記第1のパルス周期の開始時は出力レベルをローレベルとし、その後に前記第1の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをハイレベルに反転し、その後に前記第2の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをローレベルに反転して、前記第1のパルス波形と前記第2のパルス波形とを合成したパルス信号を生成し、前記PWM信号の各パルスとして出力するPWM信号出力手段と、を備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の反転タイミング決定手段は、前記第1のオン時間が演算される毎に、前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの中心の位置までの時間からその演算された第1のオン時間の1/2の時間を差し引いた残りの時間が前記第1のオン時間の演算開始時から経過したときを前記第1の反転タイミングとして決定し、前記第2の反転タイミング決定手段は、前記第2のオン時間が演算される毎に、当該第2のオン時間の演算開始時から演算された第2のオン時間が経過したときを前記第2の反転タイミングとして決定する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス波形の周期が終了する毎に、前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルであるか否かを判別する判別手段と、前記第1のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルの場合に限り、当該第1のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形生成手段に再度第2のパルス波形を生成させるパルス波形再生成手段と、を更に備え、前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス波形に前記生成された第2のパルス波形と当該再度生成された第2のパルス波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記パルス波形再生成手段により再度、前記第2のパルス波形の生成が行われた場合、先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に再度生成された第2のパルス波形のレベルがハイレベルであるか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、前記パルス波形再生成手段は、前記先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に前記再度生成された第2のパルス波形のレベルがローレベルとなるまで、前記先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形生成手段に再度第2のパルス波形を生成させる動作を繰り返し、前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス波形に前記生成された第2のパルス波形と当該再度生成された1又は2以上の第2のパルス波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のパルス波形生成手段は、前記第1のパルス周期の開始時に、前記第1のパルス波形がハイレベルとなるべき第1のオン時間を演算する第1のオン時間演算手段と、前記第1のオン時間と前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの位置とに基づいて、前記第1のパルス周期において前記第1のパルス波形のレベルがローレベルからハイレベルに反転する第1の反転タイミングを決定する第1の反転タイミング決定手段と、を備え、前記第2のパルス波形生成手段は、前記第1のパルス周期の開始から前記遅延時間が経過したときと、前記パルス波形再生成手段により前記第2のパルス波形の生成が再度行われる場合には、前記第1のパルス周期の終了時および先に生成された第2のパルス波形の周期が終了したときに、前記第2のパルス波形がハイレベルとなるべき第2のオン時間を演算する第2のオン時間演算手段と、前記第2のオン時間演算手段により最後に演算された第2のオン時間に基づいて、当該第2のオン時間が演算された第2のパルス周期において前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルからローレベルに反転する第2の反転タイミングを決定する第2の反転タイミング決定手段と、を備え、前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス周期の開始時を基準とした前記第1,第2の反転タイミングを検出する反転タイミング検出手段と、前記第1のパルス周期の開始時は出力レベルをローレベルとし、その後に前記第1の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをハイレベルに反転し、生成された1又は2以上の前記第2のパルス波形に基づき前記出力レベルをハイレベルに保持し、その後に前記第2の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをローレベルに反転して、前記第1のパルス波形と1又は2以上の前記第2のパルス波形とを合成したパルス信号を生成し、前記PWM信号の各パルスとして出力するPWM信号出力手段と、を備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の反転タイミング決定手段は、前記第1のオン時間が演算される毎に、前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの中心の位置までの時間からその演算された第1のオン時間の1/2の時間を差し引いた残りの時間が前記第1のオン時間の演算開始時から経過したときを前記第1の反転タイミングとして決定し、前記第2の反転タイミング決定手段は、最後の第2のオン時間の演算開始時から当該最後に演算された第2のオン時間が経過したときを前記第2の反転タイミングとして決定する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のオン時間演算手段は、制御対象に入力される状態変数が前記第1のパルス波形である状態方程式から導出される前記第1のパルス波形の第1のオン時間を入力変数とした第1の状態方程式の解を求める第1の演算式を用いて、前記第1のオン時間を演算し、前記第2のオン時間演算手段は、前記制御対象に入力される前記状態変数が前記第2のパルス波形である状態方程式から導出される前記第2のパルス波形の第2のオン時間を入力変数とした第2の状態方程式の解を求める第2の演算式を用いて、前記第2のオン時間を演算する。
本発明の第2の側面によって提供されるインバータ装置は、直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源から出力される直流電圧を交流電圧に逆変換するための、複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるブリッジ回路と、前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御することにより前記ブリッジ回路の逆変換動作を制御する制御回路と、前記ブリッジ回路から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去するフィルタ回路と、前記フィルタ回路から出力される交流電圧を変成して負荷に出力する変圧器と、を備えたインバータ装置であって、前記制御回路は、請求項1に記載のPWM信号生成装置を備え、前記PWM信号生成装置が生成するPWM信号により前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記直流電源は太陽電池からなるとともに、前記ブリッジ回路は三相ブリッジ回路からなり、前記変圧器から出力される交流電圧は商用電力系統に連系させて出力される三相交流電圧である。
本発明に係る単相のインバータ装置の一実施形態の回路構成を示す図である。 インバータ制御部で生成されるPWM信号の生成方法を説明するための図である。 PWM信号の生成において使用される2種類のパルス波形を説明するための図である。 インバータ出力電圧を示すパルス電圧を説明するための図である。 簡略化したインバータ装置のモデルを示す回路図である。 インバータ制御部のPWM信号生成機能を示すブロック図である。 切替部の機能を説明するための図である。 インバータ制御部におけるPWM信号の生成手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の出力パルス波形を説明するための図である。 第3実施形態を出力パルス波形を説明するための図である。 第4実施形態を出力パルス波形を説明するための図である。 本発明に係る三相インバータ装置の一実施形態の回路構成を示す図である。 従来の三相インバータ装置のPWM信号生成部の基本構成を示すブロック図である。 本発明に係る三相インバータ装置のPWM信号生成部の基本構成を示すブロック図である。 ヒステリシス方式による電流制御法を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るインバータ装置の一実施形態の回路構成を示す図である。同図に示すインバータ装置1は、直流電力を商用電力系統に連系させて電力を供給する単相の系統連系インバータ装置である。
インバータ装置1は、直流電力を出力する直流電源2、この直流電源2から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ回路3、このインバータ回路3内のスイッチング素子TR1〜TR4のオン・オフ動作を制御するインバータ制御部4、このインバータ回路3から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去するフィルタ回路5、このフィルタ回路5から出力される交流電圧を系統電圧に合わせて系統9(インバータ装置1に対する負荷に相当)に出力するための変圧器6、及び、この変圧器6から出力される電流(以下、「出力電流」という。)を検出する出力電流検出器7及び系統9(インバータ装置1に対する負荷に相当)の電圧を検出する系統電圧検出器8を備えている。
インバータ装置1は、インバータ制御部4がインバータ回路3からの発生電圧を制御することにより、出力電流を系統に連系するための目標電流に制御している。インバータ制御部4は、出力電流及び目標電流を出力電圧及び目標電圧に変換し、これらを用いた所定の演算により生成した信号を用いて、インバータ回路3からの発生電圧を制御する。本発明は、インバータ制御部4での出力電圧及び目標電圧を用いた演算に特徴が有るので、以下の説明では、出力電流及び目標電流を出力電圧及び目標電圧に変換する処理は説明を簡単にするために省略している。
直流電源2は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光電池211を備えている。なお、太陽光電池211の出力ラインに設けられたダイオードD1は、インバータ回路3側から太陽光電池211に電流が逆流するのを防止するためのものである。
インバータ回路3は、電圧制御型インバータ回路によって構成されている。すなわち、インバータ回路3は、4個のスイッチング素子TR1〜TR4がブリッジ接続されたものである。各スイッチング素子TR1,TR2,TR3,TR4にはそれぞれ帰還ダイオードD2,D3,D4,D5が並列に接続されている。スイッチング素子としては、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果形トランジスタ、サイリスタなどの半導体スイッチング素子が用いられ、図1は、トランジスタを用いた例を示している。
スイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の直列接続と、スイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の直列接続の両端に直流電源2から出力される直流電圧Vdcが供給され、スイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の接続点aと、スイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の接続点bからインバータ回路3によって変換された交流電圧が出力される。
4個のスイッチング素子TR1〜TR4は、インバータ制御部4から出力されるPWM信号によってそれぞれオン・オフ動作が制御される。具体的には、インバータ制御部4からは相互に位相が反転した2つのPWM信号を1組として、パルス幅の異なる2組のPWM信号が出力される。一方の組のPWM信号をS11,S12とし、他方の組のPWM信号をS21,S22とすると、PWM信号S11,S12はそれぞれスイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の制御端子(図1では、トランジスタのベース)に入力され、PWM信号S21,S22はそれぞれスイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の制御端子(図1では、トランジスタのベース)に入力される。
スイッチング素子TR1〜TR4のオン(ON)状態を「導通状態」とし、オフ(OFF)状態を「遮断状態」とすると、インバータ回路3のスイッチング素子TR1及びスイッチング素子TR2の直列接続(以下、この回路部分を「第1アーム」という。)は、動作状態において、(TR1,TR2)=(ON,OFF)の状態と(TR1,TR2)=(OFF,ON)の状態とが交互に繰り返される。図1のブリッジ接続から明らかなように、(TR1,TR2)=(ON,OFF)の状態は、太陽光電池211から直流電力をインバータ回路3に供給する回路状態であり、(TR1,TR2)=(OFF,ON)の状態は、その直流電力のインバータ回路3への供給を遮断する回路状態である。
同様に、スイッチング素子TR3及びスイッチング素子TR4の直列接続(以下、この回路部分を「第2アーム」という。)も、動作状態において、(TR3,TR4)=(ON,OFF)の状態と(TR3,TR4)=(OFF,ON)の状態とが交互に繰り返される。(TR3,TR4)=(ON,OFF)の状態は、太陽光電池211から直流電力をインバータ回路3に供給する回路状態であり、(TR3,TR4)=(OFF,ON)の状態は、その直流電力のインバータ回路3への供給を遮断する回路状態である。
なお、PWM信号S11,S12とPWM信号S21,S22は、周期は変化するが、その周期は相互に同期して変化し、デューティ比だけが相互に異なる。例えば、ある周期において、PWM信号S11,S12のデューティ比がPWM信号S21,S22のデューティ比よりも大きい場合(PWM信号S11のON期間がPWM信号S21のON期間よりも長い場合)は、(TR1,TR2)=(ON,OFF)の回路状態が(TR3,TR4)=(ON,OFF)の回路状態よりも長くなるので、スイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の接続点aの電圧Vaはスイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の接続点bの電圧Vbよりも高くなり、例えば、接続点bを電圧の基準点(0V)とすると、インバータ回路3からは(Va−Vb)(>0)の電圧が出力されることになる。
一方、逆に、PWM信号S11,S12のデューティ比がPWM信号S21,S22のデューティ比よりも小さい場合は、(TR1,TR2)=(ON,OFF)の回路状態が(TR3,TR4)=(ON,OFF)の回路状態よりも短くなるので、接続点aの電圧Vaは接続点bの電圧Vbよりも低くなり、インバータ回路3からは(Va−Vb)(<0)の電圧が出力されることになる。
そして、PWM信号S11,S12のデューティ比とPWM信号S21,S22のデューティ比は周期毎に連続的に変化するので、これによりインバータ回路3から出力され、フィルタ回路5を通過した電圧voutは正弦波状に変化することになる。
インバータ制御部4は、上記のように、第1アーム及び第2アームに対応して2個のPWM信号生成部41,42を備え、これらのPWM信号生成部41,42で4個のPWM信号S11,S12,S21,S22を生成し、これらのPWM信号S11,S12,S21,S22によってインバータ回路3の直流−交流変換動作を制御する。インバータ制御部4は、主としてマイクロコンピュータによって構成されている。インバータ制御部4は、出力電流検出器7より入力される出力電流から変換された出力電圧のデータを用いて、予め設定されたプログラムにより所定の演算処理を実行することによりPWM信号S11,S21のオン・タイミングとオフ・タイミングとを算出し、この算出結果に基づいてリアルタイムでレベルをハイレベルとローレベルとに切り替えることによりPWM信号S11,S21を生成する。また、インバータ制御部4は、これらのPWM信号S11,S21の位相を反転してPWM信号S12,S22を生成する。PWM信号S11又はPWM信号S21の生成方法については後述する。
フィルタ回路5は、2個のインダクタLF1,LF2を一対の出力ラインのそれぞれに直列接続し、出力側にキャパシタCFを並列接続してなるローパスフィルタで構成されている。図1では、フィルタ回路5を平衡回路で表しているので、同一のインダクタLF1,LF2がそれぞれ一対の出力ラインにそれぞれに直列接続された構成となっているが、不平衡回路で表した場合は、インダクタLF(=LF1+LF2)とキャパシタCFを逆L型に接続した回路となる。
インバータ回路3から出力される交流電圧には、PWM信号によるスイッチング素子TR1〜TR4のスイッチングノイズが含まれるので、そのスイッチングノイズを除去するために、フィルタ回路5のカットオフ周波数はPWM信号の最低周波数以下に設定されるべきである。しかし、後述するように、本実施形態に係るPWM信号の周期は状況により延長されていくので、最低周波数を特定することができない。従って、経験上取り得る範囲の最低周波数(例えば、2kHz)よりも小さく、系統電圧の周波数(50Hzまたは60Hz)よりも大きい適当な周波数が、フィルタ回路5のカットオフ周波数として設定されている。
変圧器6は、フィルタ回路5から出力される交流電圧(正弦波電圧)を系統電圧とほぼ同一のレベルに昇圧または降圧する。出力電流検出器7は、変圧器6の一対の出力ラインの一方に設けられ、当該出力ラインに流れる交流電流(出力電流)を検出する。系統電圧検出器8は、変圧器6の一対の出力ラインの両端間に設けられ、当該出力ラインから出力される交流電圧(出力電圧)を検出する。なお、インバータ装置1の出力電圧は系統9の電圧とほぼ同一になるように制御されるので、系統電圧検出器8によって検出される電圧は、系統9の電圧とも言える。出力電流検出器7によって検出された出力電流は、インバータ制御部4に入力され、出力電圧に変換されて、PWM信号S11,S21を生成するために利用される。系統電圧検出器8によって検出された出力電圧もインバータ制御部4に入力され、位相を検出するために利用される。
次に、インバータ制御部4におけるPWM信号の生成方法について説明する。
インバータ装置1は、非線形動作を行うインバータ回路3と線形動作を行うフィルタ回路5及び変圧器6を結合したシステム(すなわち、線形回路と非線形回路の混合システム)である。現代制御理論によれば、制御システムを線形システムにモデル化するとともに、その線形システムモデルを示す状態方程式を作成し、その状態方程式の解として制御値を求める方法によってディジタル制御系を構築することが提唱されている。
本発明では、インバータ装置1の線形回路に入力される電圧がパルス電圧であることに注目し、パルス電圧の周期と波形を予め設定することによって、PWMホールド法を適用する。すなわち、予め設定されたサンプリング期間Tにおけるパルス電圧がハイレベルとなる時間(以下、「オン時間」という。)TONを状態変数とし、このオン時間TONのハイレベル期間(以下、「オン期間」という。)の位置に基づいた状態方程式で、インバータ装置1の制御システムを表現し、この状態方程式を離散時間システムの状態方程式に変換して解くことによってオン時間TONを求める。なお、この状態方程式およびその解法については後述する。算出されたオン時間TON、サンプリング期間T及びオン期間の周期内における位置とからPWM信号の各パルスを生成する方法を採用することで、インバータ装置1の制御系(PWM信号を生成する制御系)をディジタル制御系で構築することができる。
しかしながら、上記の方法では、サンプリング周期Tをパルス電圧の周期Tとして選択する必要があり、この周期Tは固定であるから、PWM信号の各パルスの周期を変動させることはできない。これは、サンプリング周期Tの開始時にオン時間TONを演算すると、その算出時のインバータシステムの状態がサンプリング周期T内で変化しないと仮定し、算出したオン時間TONのオン期間を有するパルス電圧でサンプリング周期T内を制御することを前提としているからである。
本発明は、サンプリング期間Tの開始時にオン時間TONを演算して次のサンプリング期間Tの開始時までのパルス電圧の波形を決定するが、サンプリング期間Tの期間内でオン時間TONを再演算し、パルス電圧のオン期間が終了するタイミング(オフ・タイミング)の修正を行う。サンプリング期間T内で状態が変化していなければ、再演算したオン時間TONによって得られるオフ・タイミング(修正オフ・タイミング)は最初に演算したオン時間TONによって得られるオフ・タイミング(初期のオフ・タイミング)と略同じになるはずであるが、サンプリング期間T内で状態が変化していれば、修正オフ・タイミングは初期のオフ・タイミングと異なることになる。修正オフ・タイミングが初期のオフ・タイミングに対して変化するか否かに関係なく、先に決定されたパルス波形は、再演算されたオン時間TONによって決定されたパルス波形によって修正される。これにより、PWM信号の各パルスの周期がサンプリング周期Tよりも長いものとなる。
パルス波形には、
(1)1周期の両側はローレベルで、中間部分でハイレベルになる波形(周期の途中でハイレベルに反転した後、ローレベルに戻るタイプ。以下、「Aタイプ」という。)
(2)1周期の前側部分でハイレベルになり、後側部分でローレベルになる波形(周期開始時にハイレベルに反転し、周期の中間でローレベルに反転するタイプ。以下、「Bタイプ」という。)
(3)1周期の前側部分でローレベルになり、後側部分でハイレベルになる波形(周期開始時にローレベルに反転し、周期の中間でハイレベルに反転するタイプ。以下、「Cタイプ」という。)
がある。
先に決定されるパルス波形と再演算により決定されるパルス波形の組み合わせには、これらA,B,Cタイプの組み合わせが考えられる。しかし、例えば、先に決定されるパルス波形および再演算により決定されるパルス波形がともにAタイプの場合、修正されたパルス波形は周期の中に2つのパルスを有するものとなり、PWM信号の各パルスの周期はサンプリング周期Tより短いものとなる。したがって、PWM信号の各パルスの周期を長くするためには、先に決定されるパルス波形のオン期間に再演算が行われ、かつ、再演算により決定されるパルス波形が周期の開始時にハイレベルとなっているBタイプである必要がある。
また、例えば、先に決定されるパルス波形および再演算により決定されるパルス波形がともにBタイプの場合、先に決定されるパルス波形のオン期間は周期の前側部分でオン期間の終了時期が不定なので、再演算を行うタイミングは先に決定されるパルス波形の周期の前側の限られた期間に限定される。この場合、先に行われた演算と再演算の間隔が短くなり、修正されたパルス波形の周期をあまり長くすることができない。また、先に決定されるパルス波形がCタイプで、再演算により決定されるパルス波形がBタイプの場合、先に決定されるパルス波形のオン期間は周期の後側部分でオン期間の開始時期が不定なので、再演算を行うタイミングは先に決定されるパルス波形の周期の後側の限られた期間に限定される。これらのことから、先に決定されるパルス波形がAタイプであり、再演算により決定されるパルス波形がBタイプの場合が、最も適した組み合わせとなる。
先に決定されるパルス波形と再演算により決定されるパルス波形のそれぞれの周期は、異なる周期としても構わないが、演算処理の簡略化のためには同一周期とするのが望ましい。また、先に決定されるパルス波形のオン期間の位置は限定されないが、演算処理の精度を向上するために、周期の中央に配置されるのが望ましい。また、再演算のタイミングも、先に決定されるパルス波形のオン期間内であれば限定されないが、先の演算と再演算の演算周期を一定とするためには、先に決定されるパルス波形の周期の中間のタイミングとすることが望ましい。
以下に、図2および図3を参照して、インバータ制御部4で生成されるPWM信号の生成方法について詳しく説明する。以下では、先に決定されるパルス波形がAタイプで、再演算により決定されるパルス波形がBタイプであり、それぞれのパルス波形の周期が同一周期であり、先に決定されるパルス波形のオン期間の位置が周期の中央に配置され、再演算のタイミングが先に決定されるパルス波形の周期の中間のタイミングとされている場合を第1実施形態として説明する。
図2は、インバータ制御部4で生成されるPWM信号の生成方法を説明するための図である。図2の(a)は、2種類のパルス波形から出力パルス波形が合成される様子を示す波形図である。また、図2の(b)は、出力パルス波形とインバータ回路3の出力電流Iとの関係を示す図で、図15に相当する図である。
図3は、PWM信号の生成において使用される2種類のパルス波形を説明するための図である。なお、以下の説明では、PWM信号S11について説明するが、同様の方法がPWM信号S21の生成にも適用される。
まず、図2において、時刻t=t0において、予め設定された初期周期T(例えば0.17ms)を1周期とした場合のオン時間が演算により算出される。この演算は出力電流Iを許容範囲内に保つためのPWM信号のパルス波形のオン時間を求めるためのもので、オン時間は、前回算出したオン時間と、出力電流検出器7により検出された出力電流から変換された出力電圧と、目標電圧とから算出される。なお、このオン時間の演算式は、インバータ回路1の状態方程式から求められたものであり、この演算式の算出方法は後述する。
次に、算出されたオン時間のオン期間が中央に位置するパルス波形(図3(a)参照。以下、「第1のパルス波形」という。また、第1のパルス波形を生成するために演算されるオン時間を「第1のオン時間」という。)が生成される。この第1のパルス波形は、算出された第1のオン時間をΔT1とすると、このΔT1を演算した時刻t0から時間(1/2)・(T-ΔT1)経過後にオンとなり、時間(1/2)・(T+ΔT1)経過後にオフとなる(図2のパターン1の左側のパルス波形参照)。
次に、時刻t0から時間(1/2)・T経過後のt=t1において、再度、Tを1周期とした場合のオン時間が演算される。
図2(b)の例では、t=t1のときの出力電流IはI1であり、このとき出力電流Iが許容範囲ΔIに収まるような最適なオン時間が算出される。なお、演算時間が足りず、オン時間が算出されなかった場合は、先に生成された第1のパルス波形を延長することができないので、以下の処理を行わずに上記生成された第1のパルス波形が出力パルス波形とされる。
t=t1の演算でオン時間が算出された場合、算出されたオン時間のオン期間が先端側に位置するパルス波形(図3(b)参照。以下、「第2のパルス波形」という。また、第2のパルス波形を生成するために演算されるオン時間を「第2のオン時間」という。)が生成される。この第2のパルス波形は、算出された第2のオン時間をΔT2とすると、オン時間を演算した時刻t1からオンとなり、ΔT2経過後にオフとなる(図2のパターン2の左側のパルス波形参照)。
そして、インバータ制御部4では上記2つのパルス波形が合成された出力パルス波形が生成され、出力パルス波形に基づいてPWM信号が出力される(図2の出力パルス波形の左側のパルス波形参照)。この出力パルス波形は、時刻t=t0から時間(1/2)・(T-ΔT1)経過後(以下、この時刻を「ta」とする。)にオンとなり、時間(1/2)・T+ΔT2経過後(以下、この時刻を「tb」とする。)にオフとなる、オン時間が(1/2)・ΔT1+ΔT2のパルス波形である。また、図2から明らかなように、この出力パルス波形の周期は(3/2)・Tとなる。
なお、t=t0では、前回の演算処理によって生成された出力パルス波形に基づいてインバータ制御部4から出力されるPWM信号のレベルが制御されており、図2ではローレベルとなっている。t=t0以降は、基本的にt=t0の演算処理で算出された第1のパルス波形に基づいてインバータ制御部4から出力されるPWM信号のレベルが制御されるが、第1のパルス波形はt=t0〜taでローレベルであるので、インバータ制御部4から出力されるPWM信号はローレベルに保持され、t=t0での演算結果に基づきt=taでPWM信号のレベルがローレベルからハイレベルに反転される。
ハイレベルに反転されたPWM信号のレベルは、t=ta+ΔT1まで継続されることになるので、t=t1ではPWM信号のレベルはハイレベルに保持されている。t=t1の演算処理でΔT2が算出される場合は、そのΔT2に基づく第2のパルス波形は、t=t1からt=tb(=t1+ΔT2)までハイレベルで、t=tbからt=t3までローレベルとなるので、PWM信号のレベルは、t=t1以降もハイレベルが保持され、t=tbで第2のパルス波形に基づくローレベルに反転される。
そして、インバータ制御部4から出力されるPWM信号のレベルが制御されることにより、インバータ回路3の出力電流Iは、図2(b)の実線で示すNのようになる。なお、t=t1でオン時間の修正をするための演算処理をせず、t=t2で次のパルス波形の演算処理をした場合は、インバータ回路3の出力電流Iは、図2(b)の点線で示すN’のようになる。
上記のように、第1のパルス波形は、周期Tの中央部でハイレベルとなり、両端部でローレベルとなるので、第1のパルス波形を求める演算処理は、PWM信号がローレベルになっているタイミングで行う必要がある。一方、第2のパルス波形は、上記のように、周期Tの先端側でハイレベルとなり、後端側でローレベルとなるので、本願発明は、基本的に第1のパルス波形を生成した後、当該第1のパルス波形に基づいてPWM信号がハイレベルとなる期間に第2のパルス波形を生成する演算処理を行い、第2のパルス波形が得られた場合は、その第2のパルス波形を第1のパルス波形に合成することにより出力パルス波形の周期を延長する。
このように、再演算により第2のオン時間ΔT2が算出された場合には、出力パルス波形の周期は初期周期Tより(1/2)・T延長される。これにより、インバータ制御部4は、各パルスの周期が延長されたPWM信号を生成することができる。したがって、本実施形態に係るインバータ装置1では、PWM信号の各パルスの周期をTに固定した場合に比べて、スイッチング素子TR1〜TR4のスイッチング回数が低減され、スイッチングロスを低減することができ、電圧の変換効率を良くすることができる。
また、本実施形態では各オン時間の演算タイミングが固定されており、外部から入力される測定値は各オン時間の演算のときのみ使用されるので、その測定値を常時監視する必要はない。また、インバータ制御部4をディジタル制御系によって構成することができるので、設計における汎用性、柔軟性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、第1のパルス波形のオン期間が周期の中央に配置される。したがって、第1のオン時間ΔT1が算出されたときに第1のパルス波形のオン期間の開始時刻を経過していたり、そのオン期間が1周期をはみ出す結果となるなどの不都合が生じにくい。また、第1のオン時間ΔT1の演算式における誤差が最も小さくなるので、算出された第1のオン時間ΔT1の精度が良くなる。
また、本実施形態においては、第2のオン時間ΔT2の演算が第1のパルス波形の周期の中央で行われる。したがって、第2のパルス波形のオン期間の開始時刻に第1のパルス波形のオン期間が終了しているなどの不都合が生じにくい。また、第1のオン時間ΔT1と第2のオン時間ΔT2の演算周期が一定となるので、制御精度がよくなる。
また、本実施形態においては、出力パルス波形の周期をさらに延長させるための方法を採用している。
第2のオン時間ΔT2が(1/2)・Tよりも短い場合、第1のパルス波形の演算に用いた周期Tの終了時点でPWM信号はローレベルとなる。また、周期Tの終了時点から延長した(1/2)・Tの期間についても、第2のパルス波形によりPWM信号をローレベルとする出力パルス波形が求められている。したがって、この延長期間(1/2)・Tが終了した時点で、次の第1のパルス波形の演算処理が行われることになる(図2(a)のt=t0〜t3のパターン1,2の波形参照)。
一方、第2のパルス波形のオン時間ΔT2が(1/2)・Tよりも長い場合は、第1のパルス波形の演算に用いた周期Tの終了時点ではPWM信号はハイレベルとなっているので、この周期Tの終了時点で再度第2のパルス波形の演算処理をすることができる。そこで、本実施形態では、第1のパルス波形の周期Tの終了時点で第2のパルス波形がハイレベルとなる場合には、再度第2のパルス波形の演算処理を行い、その演算処理でオン時間が算出されると、1回目の第2のパルス波形が合成されたパルス波形にさらに2回目の第2のパルス波形を合成することにより、出力パルス波形の周期を更に延長するようにしている。
すなわち、図2のt=t3において、次の第1のパルス波形の演算処理が行われ、第1のオン時間ΔT1’を有する第1のパルス波形が生成された後、t=t4(=t3+(1/2)・T)において、第2のパルス波形の演算処理が行われる。この演算処理で算出される第2のオン時間ΔT2’は、(1/2)・T以上なので、t=t5において再度、第2のオン時間ΔT3’が演算されている。このときΔT3’が算出されない場合は、オン時間ΔT1’の第1のパルス波形(図2のパターン1の右側のパルス波形参照)とオン時間ΔT2’の第2のパルス波形(図2のパターン2の右側のパルス波形参照)とを合成したパルス波形が出力パルス波形として生成される。
t=t5においてΔT3’が算出された場合で、ΔT3’が(1/2)・Tより短い場合は、オン時間ΔT1’の第1のパルス波形、オン時間ΔT2’の第2のパルス波形及びオン時間ΔT3’の第2のパルス波形を合成したパルス波形が出力パルス波形として生成される(図2の出力パルス波形の右側のパルス波形参照)。この出力パルス波形は、時刻t=t3から時間(1/2)・(T-ΔT1’)経過後(以下、この時刻を「tc」とする。)にオンとなり、時間T+ΔT3’経過後(以下、この時刻を「td」とする。)にオフとなる、オン時間が(1/2)・T+(1/2)・ΔT1’+ΔT3’のパルス波形となる。また、図2から明らかなように、この出力パルス波形の周期は2・Tとなる。
そして、インバータ回路3の出力電流Iは、図2(b)の実線で示すNのようになる。なお、t=t4でオン時間の修正をするための演算処理をしなかった場合は、インバータ回路3の出力電流Iは、図2(b)の点線で示すN”のようになる。また、t=t5でオン時間の修正をするための演算処理をしなかった場合は、インバータ回路3の出力電流Iは、図2(b)の点線で示すN'''のようになる。
ΔT3’が(1/2)・T以上の場合は、第2のパルス波形の演算に用いた周期Tの終了時点ではPWM信号はハイレベルとなっているので、この周期Tの終了時点t=t6(=t5+(1/2)・T)において再度、第2のオン時間が演算される。以下、同様に、第2のオン時間が算出され、そのオン時間が(1/2)・T以上であれば、その演算処理が行われた時刻から(1/2)・T経過した時刻で再度第2のオン時間の演算が行われる。この第2のオン時間の演算処理は、第2のオン時間が算出されないか、算出された第2のオン時間が(1/2)・T以下となるまで繰り返される。
このように、本実施形態では、第2のオン時間が算出され、その第2のオン時間が(1/2)・T以上である限り、すなわち、先の第2のパルス波形の周期Tの終了時点で後の第2のパルス波形がハイレベルとなる限り、出力パルス波形のオン時間及び周期は延長される。これにより、PWM信号の各パルスの周期の長さは(1/2)・mT(mは2以上の自然数)となり、PWM信号の周期をTに固定した場合に比べて、スイッチング素子TR1〜TR4の平均的なスイッチング回数が低減され、スイッチングロスを低減することができ、電圧の変換効率を良くすることができる。
次に、オン時間の演算について説明する。
本実施形態では、PWM信号の生成を主として演算処理により行うために、上述したように、PWMホールド法を用いて、インバータ装置1のインバータ回路3〜変圧器6の回路を線形システムにモデル化している。すなわち、本実施形態では、インバータ回路の出力電圧(パルス電圧)を入力とする状態方程式を変形して、当該出力電圧のパルスのオン時間を入力とする状態方程式(線形システムモデルを示す状態方程式)を導き、この状態方程式から解を得る式を求め、その式を用いてオン時間をほぼリアルタイムで演算している。
まず、インバータ出力電圧を入力とする状態方程式から、出力パルスのオン時間を入力とする状態方程式を導く方法を説明する。
現代制御理論においては、制御対象の数式モデルとその数式モデルの入出力関係を求め、動作状態における方程式(状態方程式)を導き、この状態方程式を解くことにより制御対象の動作特性を解析する各種の手法が研究されている。
そして、制御対象が下記(1),(2)の微分状態方程式で表される1入力1出力システムの場合、状態変数x(t)、出力y(t)の解は下記(3),(4)式で表されることが知られている。
Figure 0005291627
Figure 0005291627
なお、インバータ装置において入力ベクトルu(t)はインバータ回路から出力されるパルス電圧vi(t)である。この入力パルスの周期をTとし、t0=kTの状態からt=(k+1)・Tのときの状態を考える。上記(3)式において、u(t)をvi(t)とし、t0=kT,t=(k+1)・Tとおくと、下記(5)式が得られる。
Figure 0005291627
ここで、入力量であるインバータ出力電圧は、図4に示すように、大きさVDC、幅ΔTのパルス電圧であって、そのパルス波形はオン期間が中央に位置されたAタイプのパルス波形である。従って、kT≦τ<kT+(1/2)・(T−ΔT),kT+(1/2)・(T+ΔT)≦τ<(k+1)・Tの場合、vi(τ)=0となり、kT+(1/2)・(T−ΔT)≦τ<kT+(1/2)・(T+ΔT)の場合、vi(τ)=VDCとなる。これにより、上記(5)式は下記(6)式に変形される。このようにして、入力パラメータをインバータの電圧からパルス幅へと変換することができる。
Figure 0005291627
上記(6)式を変形して下記(7)式とし、x[k]=x(kT)とすると、下記(8)式が得られる。以上より、インバータ装置1は、入力をオン時間ΔTとした線形システムとして表現された。
Figure 0005291627
Figure 0005291627
次に、具体的なインバータ装置の状態方程式からオン時間を演算する式を求める。図5に示す簡略化したインバータ装置のモデルの電気回路式は、キルヒホッフの法則より、下記(9)式で表される。なお、vi(t),v0(t)は、それぞれ図5における点Vi
,V0の時間tにおける電圧値である。
Figure 0005291627
上記(9)式に上記PWMホールド法を適用して、入力をオン時間ΔT[k]とすると、下記(10)式となる。なお、行列の各要素を計算の簡略化のためφ11,φ12,φ21,φ22,g1,g2で表している。
Figure 0005291627
本実施形態では、デッドビート制御により制御を行っている。デッドビート制御の場合、上記(10)式を展開することにより、オン時間ΔT[k]を演算する式を求めることができる。上記(10)式を展開すると、下記(11)式、(12)式となる。下記(11)式、(12)式の両辺にそれぞれφ22,φ12を掛けて、(k+1)をkに置き換えると、下記(13)式、(14)式となる。
Figure 0005291627
上記(13)式、(14)式をまとめると、下記(15)式が得られ、上記(11)式に代入して、変形すると、下記(16)式が得られる。
Figure 0005291627
上記(16)式により、今回のサンプリング時のオン時間ΔT[k]は、前回のサンプリング時のオン時間ΔT[k−1]と出力電圧v0[k−1]、今回のサンプリング時の出力電圧v0[k]、次回のサンプリング時の目標出力電圧v0[k+1]から演算することができる。
上記説明したオン時間ΔT[k]の演算式は、図3(a)のオン期間が中央に位置する第1のパルス波形の第1のオン時間ΔT1[k]の演算のためのものである。図3(b)のオン期間が先端側に位置するBタイプのパルス波形を有する第2のパルス波形の第2のオン時間ΔT2[k]の演算式は、(8)式においてBT=eAT・B・VDCとした式を用いて、同様に求めることができる。
なお、上記演算式は、デッドビート制御を用いる場合のものである。本発明は、他の制御においても適用することができるが、他の制御を用いる場合にはその制御に応じた方法で、オン時間ΔT[k]を演算する必要がある。
上記説明においては、PWM信号の生成方法を概念的に説明するために、2つのパルス波形を生成して合成した出力パルス波形を生成することで説明した。実際には、インバータ制御部4は図6のブロック図に示す機能ブロックで構成されており、演算された第1のオン時間ΔT1[k]からオン・タイミングを設定し、最後に演算された第2のオン時間ΔT2[k+r](rは第2のオン時間が最演算された回数)からオフ・タイミングを設定し、これらのタイミングでPWM信号の出力レベルを切り替えて出力している。
図6は、インバータ制御部4のPWM信号生成機能を示すブロック図である。
インバータ制御部4は、PWM信号を生成するための機能ブロックとして、第1のオン時間演算部401、第2のオン時間演算部402、記憶部403、目標電圧値設定部404、切替調整部405、切替部406、比較部407、カウンタ408、初期周期設定部409、オン・タイミング設定部410、オフ・タイミング設定部411、計時部412、パルス信号生成部413を備えている。
第1のオン時間演算部401は、第1のオン時間ΔT1[k]を演算するものである。第1のオン時間演算部401は、切替部406から選択信号が入力されている場合に、計時部412から計時信号を入力されたときに、第1のオン時間ΔT1[k]を演算する。第1のオン時間演算部401は、第1のオン時間ΔT1[k]の演算式である上記(16)式を用いて、出力電流検出器7から入力され変換された出力電圧信号からA/D変換された出力電圧値v0[k]、記憶部403から入力される前回の演算に使用された出力電圧値(以下、「前回出力電圧値」という。)v0[k−1]と前回算出されたオン時間(以下、「前回オン時間」という。)ΔT[k−1]、及び、目標電圧値設定部404から入力された目標電圧値v0[k+1]から、今回のサンプリング時の第1のオン時間ΔT1[k]を演算する。
第1のオン時間演算部401は、演算により算出した第1のオン時間ΔT1[k]をオン・タイミング設定部410及びオフ・タイミング設定部411に出力し、切替部406に切替信号を、カウンタ408にリセット信号を出力する。また、第1のオン時間演算部401は、算出した第1のオン時間ΔT1[k]と演算に用いた出力電圧値v0[k]とを、記憶部403に出力する。これらの第1のオン時間ΔT1[k]、出力電圧値v0[k]は、次回のサンプリング時の第1のオン時間ΔT1[k+1]又は第2のオン時間ΔT2[k+1]を演算する際に前回オン時間ΔT1[k],ΔT2[k]と前回出力電圧値v0[k]として利用される。
第2のオン時間演算部402は、第2のオン時間ΔT2[k]を演算するものである。第2のオン時間演算部402は、切替部406から選択信号が入力されている場合に、計時部412から計時信号を入力されたときに、第2のオン時間ΔT2[k]を演算する。第2のオン時間演算部402は、上記(16)式と同様の第2のオン時間ΔT2[k]の演算式を用いて、出力電圧信号からA/D変換された出力電圧値v0[k]、記憶部403から入力される前回出力電圧値v0[k−1]と前回オン時間ΔT[k−1]、及び、目標電圧値設定部404から入力された目標電圧値v0[k+1]から第2のオン時間ΔT2[k]を演算する。
第2のオン時間演算部402は、第2のオン時間ΔT2[k]を算出したときにカウンタ408にカウント信号を出力し、算出した第2のオン時間ΔT2[k]を比較部407及びオフ・タイミング設定部411に出力する。また、第2のオン時間演算部402は、算出した第2のオン時間ΔT2[k]と演算に用いた出力電圧値v0[k]とを、記憶部403に出力する。これらの第2のオン時間ΔT2[k]、出力電圧値v0[k]は、次回のサンプリング時の第1のオン時間ΔT1[k+1]又は第2のオン時間ΔT2[k+1]を演算する際に前回オン時間ΔT1[k],ΔT2[k]と前回出力電圧値v0[k]として利用される。
記憶部403は、第1のオン時間演算部401または第2のオン時間演算部402から入力されるオン時間ΔT1[k],ΔT2[k]と出力電圧値v0[k]とを、記憶しているオン時間(前回オン時間ΔT1[k−1],ΔT2[k−1])と出力電圧値(前回出力電圧値v0[k−1])に上書きして記憶する。また、記憶部403は、記憶しているオン時間ΔT1[k],ΔT2[k]と出力電圧値v0[k]とを、前回オン時間と前回出力電圧値として、第1のオン時間演算部401及び第2のオン時間演算部402に出力する。
目標電圧値設定部404は、計時部412から計時信号を入力されたときに、予め設定されている出力電圧の目標波形の対応する目標電圧値を第1のオン時間演算部401及び第2のオン時間演算部402に出力する。
切替調整部405は、第2のオン時間演算部402で第2のパルス波形のオン時間ΔT2を演算した後、第1のオン時間演算部401で第1のパルス波形のオン時間ΔT1を演算するまでの時間を調整するために、切替部406の切替えを調整するためのものである。切替調整部405は、切替部406から選択信号が入力されている場合に、計時部412から計時信号を入力されたときに、切替部406に切替信号を出力する。
切替部406は、オン時間を演算する方法を切り替えるためのものである。切替部406は、第1のオン時間演算部401、第2のオン時間演算部402、切替調整部405のうち選択されているものに選択信号を出力する。切替部406は、第1のオン時間演算部401、切替調整部405、比較部407、計時部412から切替信号が入力されると、選択信号の出力先を変更する。
切替部406は、第1のオン時間演算部401が選択されているときに、第1のオン時間演算部401から切替信号が入力されると、選択先を第2のオン時間演算部402に変更する。また、第2のオン時間演算部402が選択されているときに、比較部407から切替信号が入力されると選択先を切替調整部405に変更し、計時部412から切替信号が入力されると選択先を第1のオン時間演算部401に変更する。また、切替調整部405が選択されているときに、切替調整部405から切替信号が入力されると選択先を第1のオン時間演算部401に変更する。
図7は、切替部406の機能を説明するための図である。なお、図7では、第1のオン時間をΔTaで示し、第2のオン時間をΔTbで示している。図7では、第2のオン時間ΔTbが算出されなかった場合(出力パルス波形A)と、算出された第2のオン時間ΔTbが初期周期Tの半分よりも短い場合(出力パルス波形B)と、初期周期Tの半分よりも長い場合(出力パルス波形C)の出力パルス波形を示している。
出力パルス波形Aは、第1のオン時間ΔTaの算出後、第2のオン時間ΔTbが算出されなかった場合の出力パルス波形である。この出力パルス波形Aが生成されるときの切替部406の選択切替えについて説明する。
最初、切替部406は、第1のオン時間演算部401を選択している。従って、t=t0のとき計時部412から計時信号を入力されると、第1のオン時間演算部401は第1のオン時間ΔTaを演算する。第1のオン時間演算部401が第1のオン時間ΔTaを算出して、切替部406に切替信号を出力すると、切替信号を入力された切替部406は選択先を第2のオン時間演算部402に変更する。次に、t=t1のとき計時部412から計時信号を入力されると、第2のオン時間演算部402は第2のオン時間ΔTbを演算する。しかし、第2のオン時間ΔTbが算出されずにオフ・タイミングに達したので、計時部412は切替部406に切替信号を出力する。切替信号を入力された切替部406は選択先を第1のオン時間演算部401に変更する。次に、t=t2のとき計時部412から計時信号を入力されると、第1のオン時間演算部401は第1のオン時間ΔTaを演算する。
図6に戻って、比較部407は、第2のオン時間演算部402から入力された第2のオン時間ΔT2と初期周期設定部409に設定されている初期周期Tとを比較するものである。比較部407は、第2のオン時間ΔT2が(1/2)・Tより小さい場合、切替部406に切替信号を出力し、オフ・タイミング設定部411に第2のオン時間ΔT2を出力する。なお、第2のオン時間ΔT2が(1/2)・T以上の場合、再度第2のオン時間演算部402で第2のオン時間ΔT2を演算するので切替信号は出力しない。
図7において、出力パルス波形Bは、第1のオン時間ΔTaの算出後、第2のオン時間ΔTbが算出され、そのΔTbが(1/2)・Tより短かった場合の出力パルス波形である。t=t1のときに第2のオン時間演算部402が第2のオン時間ΔTbを演算するまでは、上記の出力パルス波形Aの生成時の説明と同様である。第2のオン時間ΔTbが算出されたので、第2のオン時間ΔTbが比較部407に入力される。第2のオン時間ΔTbが(1/2)・Tより小さいので、比較部407は、切替部406に切替信号を出力する。切替信号を入力された切替部406は選択先を切替調整部405に変更する。t=t2のとき計時部412から計時信号を入力された切替調整部405は、切替部406に切替信号を出力する。切替部406は、切替調整部405から切替信号が入力されると選択先を第1のオン時間演算部401に変更する。次に、t=t3のとき計時部412から計時信号を入力されると、第1のオン時間演算部401は第1のオン時間ΔTaを演算する。
出力パルス波形Cは、第1のオン時間ΔTaの算出後、第2のオン時間ΔTbが算出され、そのΔTbが(1/2)・T以上であり、再度第2のオン時間が演算されたが、ΔTbが算出されなかった場合の出力パルス波形である。t=t1のときに算出された第2のオン時間ΔTbが比較部407に入力されるまでは、上記の出力パルス波形Bの生成時の説明と同様である。ΔTbが(1/2)・T以上なので、比較部407は、切替部406に切替信号を出力しない。t=t2のとき計時部412から計時信号を入力されると、第2のオン時間演算部402は第2のオン時間ΔTbを演算する。しかし、第2のオン時間ΔTbが算出されずにオフ・タイミングに達したので、計時部412は切替部406に切替信号を出力する。切替信号を入力された切替部406は選択先を第1のオン時間演算部401に変更する。次に、t=t3のとき計時部412から計時信号を入力されると、第1のオン時間演算部401は第1のオン時間ΔTaを演算する。
図6に戻って、カウンタ408は、第2のオン時間演算部402が第2のオン時間を算出した回数をカウントするものである。カウント数は、第1のオン時間演算部401からリセット信号が入力されるとn=0に初期化され、第2のオン時間演算部402からカウント信号が入力されるたびに1ずつ増加される。
初期周期設定部409は、PWM信号の基本周期である初期周期Tを設定するものである。なお、初期周期Tは、予め、使用者により経験に基づいて決定され、本実施形態では、0.17msが設定されている。
オン・タイミング設定部410は、次のオン・タイミングの時刻を設定するものであり、オフ・タイミング設定部411は、次のオフ・タイミングの時刻を設定するものである。
オン・タイミング設定部410は、第1のオン時間演算部401から入力された第1のオン時間ΔT1と初期周期設定部409に設定されている初期周期Tとから時間(1/2)・(T-ΔT1)を演算する。この時間を、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻に加算して得た次のオン・タイミングの時刻を設定する。例えば、図2(a)においては、算出された時刻ta,tcが設定される。設定されたオン・タイミングの時刻は、計時部412に入力される。
オフ・タイミング設定部411は、第1のオン時間演算部401から第1のオン時間ΔT1が入力されたときに、入力された第1のオン時間ΔT1と初期周期設定部409に設定されている初期周期Tとから時間(1/2)・(T+ΔT1)を演算する。この時間を、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻に加算して得た次のオフ・タイミングの時刻を設定する。設定されたオフ・タイミングの時刻は、計時部412に入力される。
また、オフ・タイミング設定部411は、設定されたオフ・タイミングの時刻になる前に、第2のオン時間演算部402から第2のオン時間ΔT2が入力されたときに、入力された第2のオン時間ΔT2と初期周期設定部409に設定されている初期周期Tとカウンタ408から入力されたカウント数nとから時間(1/2)・n・T+ΔT2を演算する。この時間を、第2のオン時間ΔT2を演算した時刻に加算して得た次のオフ・タイミングの時刻を設定する。例えば、図2(a)においては、算出された時刻tb,tdが設定される。設定されたオフ・タイミングの時刻は、計時部412に入力される。なお、設定されたオフ・タイミングの時刻になる前に、新たに第2のオン時間演算部402から第2のオン時間ΔT2が入力された場合は、オフ・タイミングが再設定される。
計時部412は、オン・タイミング設定部410から入力されるオン・タイミングの時刻とオフ・タイミング設定部411から入力されるオフ・タイミングの時刻を計時する。計時部412は、オン・タイミングの時刻を計時する毎に、その計時信号をパルス信号生成部413に出力する。計時部412は、オフ・タイミングの時刻を計時する毎に、その計時信号をパルス信号生成部413に出力し、切替信号を切替部406に出力する。また、計時部412は、初期周期設定部409に設定されている初期周期Tの半分の時間(1/2)・T経過毎に計時信号を、第1のオン時間演算部401、第2のオン時間演算部402、目標電圧値設定部404、及び切替調整部405に出力する。
パルス信号生成部413は、計時部412からオン・タイミングの計時信号が入力されると、レベルをハイレベルに切り替え、計時部412からオフ・タイミングの計時信号が入力されると、レベルをローレベルに切り替えることによりパルス信号を生成する。このパルス信号は、PWM信号S11としてインバータ回路3のスイッチング素子TR1に出力される。また、そのパルス信号は反転されてインバータ回路3のスイッチング素子TR2に出力される。
次に、インバータ制御部4におけるPWM信号の生成手順を、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明では、PWM信号S11を例に説明する。
図8に示すフローチャートは、実際の時間経過におけるインバータ制御部4でのPWM信号の生成処理を示している。
まず、予め設定された初期周期Tを1周期とした場合の第1のオン時間ΔT1が演算される(S1)。算出された第1のオン時間ΔT1のオン期間が中央に位置する第1のパルス波形が生成され、出力される(S2)。
次に、第1のオン時間ΔT1が演算されてから(1/2)・Tの時間が経過したか否かが判別される(S3)。経過していなければ(S3:NO)ステップS3に戻り、経過していれば(S3:YES)第2のオン時間ΔT2が演算される(S4)。すなわち、第1のオン時間ΔT1が演算されてから、(1/2)・T経過後に第2のオン時間ΔT2が演算される。
次に、第2のオン時間ΔT2が算出されたか否かが判別される(S5)。出力パルス波形を延長することが可能な場合は、第2のオン時間ΔT2が算出され、出力パルス波形を延長することが不可能な場合は、第2のオン時間ΔT2が算出されない。第2のオン時間ΔT2が算出された場合(S5:YES)は、算出された第2のオン時間ΔT2のオン期間が先端側に位置する第2のパルス波形が生成され、出力される(ステップS6)。すなわち、出力パルス波形のオン期間が延長されることになる。
次に、第2のオン時間ΔT2が(1/2)・T以上であるか否かが判別される(S7)。ΔT2≧(1/2)・Tの場合(S7:YES)、出力パルス波形のオフ・タイミングより第2のオン時間ΔT2の演算から(1/2)・T経過する方が早いので、再度出力パルス波形の延長が可能か否か判別するために、ステップS3に進む。すなわち、第2のオン時間ΔT2が演算されてから、(1/2)・T経過後に再度、第2のオン時間ΔT2が演算される。これは、算出される第2のオン時間ΔT2が(1/2)・T以上である限り繰り返され、出力パルス波形は延長される。
図2(a)の右側の出力パルス波形は、最初に算出された第2のオン時間ΔT2が(1/2)・T以上であり、再度、第2のオン時間ΔT2が演算されたものである。
ステップS7において、ΔT2<(1/2)・Tの場合(S7:NO)、第2のオン時間ΔT2の演算から(1/2)・T経過する前に出力パルス波形がオフとなるので、再度、第2のオン時間ΔT2を演算することなく、ステップ8に進む。
ステップS8において、第2のオン時間ΔT2が演算されてからTの時間が経過したか否かが判別される(S8)。経過していなければ(S8:NO)ステップS8に戻り、経過していれば(S8:YES)ステップS1に戻る。すなわち、最後の第2のオン時間ΔT2が演算されてからT経過後に、次の出力パルス波形を生成するために第1のオン時間ΔT1が演算される。
図2(a)の左側の出力パルス波形は、最初に算出された第2のオン時間ΔT2が(1/2)・Tより小さかった場合のものである。また、図2(a)の右側の出力パルス波形は、2回目に算出された第2のオン時間ΔT2が(1/2)・Tより小さかった場合のものである。
ステップS5において、第2のオン時間ΔT2が算出されない場合(S5:NO)は、第2のオン時間ΔT2が演算されてから(1/2)・Tの時間が経過したか否かが判別される(S9)。経過していなければ(S9:NO)ステップS9に戻り、経過していれば(S9:YES)ステップS1に戻る。すなわち、第2のオン時間ΔT2が演算されてから(1/2)・T経過後、次の出力パルス波形を生成するために第1のオン時間ΔT1が演算される。
上記のように、本発明に係るインバータ装置1によれば、予め設定された初期周期TをPWM信号の各周期の基本周期とし、演算により算出したオン時間に基づいて、PWM信号の各周期の長さを延長していく。初期周期Tを比較的短く設定していると、オン・タイミングとなる時間までに第1のオン時間ΔT1の演算が終了しなかったり、オフ・タイミングまでに演算を終了できずに周期を延長することができなくなる。一方、初期周期Tを比較的長く設定していると、出力電流を許容範囲内に保つためのオン時間を求めることができなくなる可能性がある。
従って、初期周期Tは、実験やシミュレーションなどによって適当な値が設定されるが、インバータ装置1に初期周期Tを変更するための操作部材を設け、ユーザが適当な値に調整できるようにしてもよい。
また、本発明に係るインバータ装置1によれば、PWM信号の各周期の長さは延長されているが、制御周期は延長されない初期周期Tの場合と同様となるので、理論的には制御精度の低下は生じない。また、周期の延長が行なわれる場合、第2のオン時間ΔT2の演算は出力パルス波形がオン期間の継続中に行われるので、実質的な演算遅れが生じない。
シミュレーションによると、初期周期T=0.17msで周期の延長を行わなかった場合には出力電圧の1周期内に120回のスイッチングが行われたが、本実施形態のインバータ装置においては同条件で74回のスイッチングとなり、スイッチング回数が低減された。なお、他の制御(フィードバック制御、2自由度制御)においても、同様の効果が得られた。
上記第1実施形態では、第1のパルス波形はオン期間が1周期の中央に位置するパルス波形として生成されているが、これに限るものではない。すなわち、オン期間が1周期内の任意の位置にあるパルス波形を第1のパルス波形にすることができる。
上記の(1)式〜(8)式の式展開によって、インバータ装置1は、入力をオン時間ΔTとした線形システムとして表現できることを示したが、その式展開では、第1のパルス波形をオン期間が1周期の中央に位置するパルス波形としたので、(6)式の第2項の積分の範囲は((1/2)・(T−ΔT),(1/2)・T+ΔT))となっていた。
本発明においては、第1のパルス波形は、オン期間が周期T内の任意の位置に配置されたパルス波形として定義することができる。すなわち、第1のパルス波形は、オン期間の中央がh・T(0<h<1)に位置するパルス波形として定義でき、そのパルス波形を求めるための(8)式は、(6)式の第2項の積分範囲を((h・T−(1/2)・ΔT),(h・T+(1/2)・ΔT)として求めることができる。
従って、(6)式の第2項の積分の範囲を、例えば、((1/3)・T−(1/2)・ΔT),((1/3)・T+(1/2)・ΔT)として(8)式に相当する式を求め、(9)式〜(16)式の式展開と同様の方法でその式からΔTを求める式を求めれば、そのΔTの算出式は、第1のパルス波形をオン期間の中央が1周期内の(1/3)・Tに位置するパルス波形としたときのものとなる。
なお、第1のパルス波形は、算出されるオン時間ΔTのオン期間の中央を周期T内のh・T(0<h<1)に配置したときにそのオン期間が周期Tからはみ出すことは許されないから、0<h<1/2では、0<h・T−(1/2)・ΔT、1/2<h<1では、h・T+(1/2)・ΔT<Tを満たす必要がある。例えば、オン期間の中央が1周期内の(1/3)・Tに位置するパルス波形を第1のパルス波形とする場合は、0<(1/3)・T−(1/2)・ΔT、すなわち、ΔT<(2/3)・Tを満たす必要がある。
図9は、第1のパルス波形をオン期間が1周期の中央からずれたパルス波形にする場合(以下、この場合を「第2実施形態」とする。)を説明するための図である。
同図(a)に示すように、第1のパルス波形は、第1のオン時間ΔT1のオン期間の中央が(1/3)・Tに位置するパルス波形として生成される。この第1のパルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(1周期Tの開始時刻)から時間{(1/3)・T-(1/2)・ΔT1}経過後にオンとなり、時間{(1/3)・T+(1/2)・ΔT1}経過後にオフとなる。この場合も、時間(1/2)・T経過後にTを1周期とした場合の第2のオン時間ΔT2が演算される。
図9(b)は、第2のオン時間ΔT2のオン期間を有する第2のパルス波形である。この第2のパルス波形は、第2のオン時間ΔT2を演算した時刻(1周期T内の(1/2)・Tの時刻))にオンとなり、時間ΔT2経過後にオフとなる。そして、インバータ制御部4からは上記2つのパルス波形が合成された出力パルス波形(図9(c)参照)が出力される。この出力パルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(1周期Tの開始時刻)から時間{(1/3)・T-(1/2)・ΔT1}経過後にオンとなり、時間{(1/2)・T+ΔT2}経過後にオフとなる、オン時間が{(1/6)・T+(1/2)・ΔT1+ΔT2}のパルス波形である。
また、図9(c)から明らかなように、この出力パルス波形の周期は(3/2)・Tとなる。なお、第2のオン時間ΔT2が(1/2)・Tより長い場合、すなわち、第1のパルス波形の周期Tの終了時点で第2のパルス波形がハイレベルとなる場合は、第1実施形態と同様に再度第2のオン時間ΔT2が演算され、出力パルス波形の周期が更に延長されることになる。
上記のように、本発明は、予め設定された周期Tの予め設定された位置に配置されたオン時間ΔTを求めることによってPWM信号のパルス波形を1パルス分ずつ生成する。そして、その1パルス分のパルス波形の生成処理において、各周期でT/2が経過する毎にオン時間ΔTを再演算し、その再演算結果に基づいて各周期をT/2単位で延ばすようにするものである。
従って、第2実施形態においても、第1実施形態同様に、出力パルス波形の周期を延長することができる。また、周期を延長するための第1のオン時間ΔT1と第2のオン時間ΔT2の演算周期が一定である。
しかし、第1のパルス波形のオン期間が1周期の中央に位置しないことにより、第1のオン時間ΔT1の演算式における誤差が増加するので、第2実施形態は、第1実施形態に比べて、算出された第1のオン時間の精度が悪くなる。また、本発明においては、第1のパルス波形のオン期間の位置を周期のどの位置とするかを予め定めなければならない(すなわち、hの値を予め定めなければならない)が、この位置を先端側付近に設定すると(すなわち、hを0に近付けると)、第1のオン時間ΔT1が算出された時には第1のパルス波形のオン期間の開始時刻を経過してしまっている場合やそのオン期間が1周期をはみ出す結果となる場合が生じるという不都合がある。
本発明においては、第1のパルス波形のオン期間を周期T内のどの位置に配置するかはPWM信号におけるパルス周期Tを延長できるか否かには直接関係しない。従って、上記の不都合を可及的に回避するために、第1のパルス波形はオン期間が1周期の中央に位置するパルス波形として生成されることが望ましい。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、第2のオン時間ΔT2の演算タイミングを第1のオン時間ΔT1の演算から時間(1/2)・T経過後にしているが、このタイミングに限られない。第2のオン時間ΔT2の演算を第1のオン時間ΔT1の演算から予め定めた所定のタイミングで行う構成としてもよい。
図10は、第2のオン時間ΔT2の演算を第1のオン時間ΔT1の演算から予め定めた所定のタイミングで行う場合(以下、「第3実施形態」という。)を説明するための図である。
図10(a)は、オン期間が1周期の中央に位置するパルス波形とした第1のオン時間ΔT1のオン期間を有する第1のパルス波形である。この第1のパルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(第1のパルス波形の周期Tの開始時刻)から時間(1/2)・(T−ΔT1)経過後にオンとなり、時間(1/2)・(T+ΔT1)経過後にオフとなる。
この例では、第1のパルス波形の周期Tの開始時刻から時間(1/3)・T経過後にTを1周期とした場合の第2のオン時間ΔT2が演算される。図10(b)は、第2のオン時間ΔT2のオン期間を有する第2のパルス波形である。この第2のパルス波形は、第2のオン時間ΔT2を演算した時刻にオンとなり、時間ΔT2経過後にオフとなる。そして、インバータ制御部4からは上記2つのパルス波形が合成された出力パルス波形(図10(c)参照)が出力される。この出力パルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(第1のパルス波形の周期Tの開始時刻)から時間(1/2)・(T−ΔT1)経過後にオンとなり、時間{(1/3)・T+ΔT2}経過後にオフとなる、オン時間が{−(1/6)・T+(1/2)・ΔT1+ΔT2}のパルス波形である。
また、図10(c)から明らかなように、この出力パルス波形の周期は(4/3)・T(=(1/3)・T+T)となる。なお、第2のオン時間ΔT2が(2/3)・Tより長い場合、すなわち、第1のパルス波形の周期Tの終了時点で第2のパルス波形がハイレベルとなる場合は、第1実施形態と同様に再度第2のオン時間ΔT2が演算され、出力パルス波形の周期が更に延長されることになる。
第2のオン時間ΔT2の演算をするタイミングを、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(第1のパルス波形の周期Tの開始時刻)から時間(1/2)・T経過後より離れた時刻とすると、第2のパルス波形のオン期間の開始時刻に第1のパルス波形のオン期間が終了している場合が生じるという不都合がある。この不都合を避けるために、第2のオン時間ΔT2の演算をするタイミングは、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻から時間(1/2)・T経過後に近い時刻とすべきである。
第3実施形態においても、出力パルス波形の周期を延長することができる。しかし、周期を延長するための第1のオン時間ΔT1と第2のオン時間ΔT2の演算周期が一定しないので、第1実施形態と比べて、制御精度が悪くなる。従って、第2のオン時間ΔT2を演算するタイミングは、第1のオン時間演算から時間(1/2)・T経過後とすることが望ましい。
また、第1のパルス波形が、オン期間の位置が中央からずれたパルス波形として生成され、第2のオン時間ΔT2の演算を第1のパルス波形のオン期間の中央の位置のタイミングで行う構成としてもよい。
図11は、この構成(以下、「第4実施形態」という。)として説明するための図である。
図11(a)は、第1のオン時間ΔT1のオン期間の位置が中央からずれて生成された第1のパルス波形であり、オン期間の中央が(1/3)・Tに位置するパルス波形の場合の例である。この第1のパルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(1周期Tの開始時刻)から時間{(1/3)・T-(1/2)・ΔT1}経過後にオンとなり、時間{(1/3)・T+(1/2)・ΔT1}経過後にオフとなる。
この例では、第1のパルス波形の周期Tの開始時刻から時間(1/3)・T経過後にTを1周期とした場合の第2のオン時間ΔT2が演算される。図11(b)は、第2のオン時間ΔT2のオン期間を有する第2のパルス波形である。この第2のパルス波形は、第2のオン時間ΔT2を演算した時刻にオンとなり、時間ΔT2経過後にオフとなる。そして、インバータ制御部4からは上記2つのパルス波形が合成された出力パルス波形(図11(c)参照)が出力される。この出力パルス波形は、第1のオン時間ΔT1を演算した時刻(第1のパルス波形の周期Tの開始時刻)から時間{(1/3)・T-(1/2)・ΔT1}経過後にオンとなり、時間{(1/3)・T+ΔT2}経過後にオフとなる、オン時間が{(1/2)・ΔT1+ΔT2}のパルス波形である。
また、図11(c)から明らかなように、この出力パルス波形の周期は(4/3)・T(=(1/3)・T+T)となる。なお、第2のオン時間ΔT2が(2/3)・Tより長い場合、すなわち、第1のパルス波形の周期Tの終了時点で第2のパルス波形がハイレベルとなる場合は、第1実施形態と同様に再度第2のオン時間ΔT2が演算され、出力パルス波形の周期が更に延長されることになる。
なお、第2実施形態の説明で言及した、第1のパルス波形のオン期間の位置を1周期の先端側付近を避ける点は、第4実施形態においても同様である。また、第4実施形態においても、出力パルス波形の周期を延長することができるが、第1のオン時間ΔT1と第2のオン時間ΔT2の演算周期が一定しない点は第3実施形態と同様であるので、第1実施形態と比べて、制御精度が悪くなる。従って、これらの事情を考慮して第4実施形態においても、第1のパルス波形はオン期間が1周期の中央に位置するパルス波形として生成されることが望ましい。
なお、第4実施形態において、第2のオン時間ΔT2の演算を第1のパルス波形のオン期間の中央の位置のタイミングではなく、第1のパルス波形の周期の開始点から任意のタイミングとしてもよい。
上述した実施形態では説明の便宜上、単相の系統連系インバータ装置について説明したが、本発明を図12に示す三相のインバータ装置1’に適用することができることはいうまでもない。
なお、図12において、図1のインバータ装置1と同一の機能を果たす回路には同一の符号を付している。インバータ回路3には、第1,第2アームの加えてスイッチング素子TR5及びスイッチング素子TR6の直列接続からなる第3アームが設けられている。第1アーム、第2アーム及び第3アームの各接続点a,b,cからU相、V相、W相の出力電圧の出力ラインが出力されている。3本の出力ラインにはそれぞれインダクタLFが直列に接続されるとともに、各出力ライン間にキャパシタCFが接続されている。各出力ライン間のインダクタLFとキャパシタCFの逆L字型接続によりU相、V相、W相の各相の出力ラインのローパスフィルタが構成されている。従って、フィルタ回路5は、U相、V相、W相の各相に対応して3個のローパスフィルタを有している。
同様に、出力電流検出器7及び系統電圧検出器8もそれぞれ3個の検出器を備え、各検出器によりU相、V相、W相の出力電流を検出し、それらの検出値をインバータ制御部4に入力する。
また、インバータ制御部4は、第1アーム、第2アーム及び第3アームに対応して3個のPWM信号生成部41,42,43を備えている。すなわち、インバータ制御部4は、U相、V相、W相の各出力電流を制御するためのPWM信号を生成する3個のPWM信号生成部41,42,43を備えている。PWM信号生成部41,42,43から出力される3個のPWM信号は、相互に120度ずつ位相がずれている点を除いて同一である。従って、PWM信号生成部41,42,43の具体的な機能ブロックは、図6に示したものと同一であるので、インバータ制御部4についての詳細説明は省略する。
三相のインバータ装置1’においても、上記実施形態のインバータ装置1と同様に、インバータ制御部4が各パルスの周期が延長されたPWM信号を生成する。したがって、インバータ装置1’のスイッチング素子TR1〜TR6のスイッチング回数は低減され、スイッチングロスを低減することができ、電圧の変換効率を良くすることができる。
三相のインバータ装置1’のPWM信号生成部は、一般に、図13のフィードバック制御を適用しているPWM信号生成部のブロック図に示すように、dq変換器11、FB制御器12及び逆dq変換器13を有し、三相を二相に変換してdq軸上で制御信号を生成する機能を備えている。同図に示すPWM信号生成部では、フィードバックされたU相、V相、W相の出力電圧の検出値vU,vV,vWがdq変換器11により下記(17)式により二相の電圧値vd,vqに変換され、これらの電圧値vd,vqと制御目標値vdo,vqoとの偏差量を用いてFB制御器12により制御信号ed,eqが生成される。これらの制御信号ed,eqは、逆dq変換器13により三相の制御信号eu,eV,eWに変換され、これらの制御信号eu,eV,eWからPWM回路14によりU相、V相、W相の各出力電流を制御するためのPWM信号が生成される。
Figure 0005291627
本発明に係る三相のインバータ装置1’ではPWM信号を生成するための演算処理をdq軸上でも行うことができるので、図13に対応するブロック図は図14のようになる。なお、同図において、オン時間演算回路15とパルス波形生成回路16とが、図6に示したインバータ制御部4の機能ブロック図全体に対応するものであり、算出された二相のオン時間ΔTd,ΔTqが逆dq変換器13により三相のオン時間ΔTu,ΔTv,ΔTwに変換される。
本発明に係る三相インバータ装置1’においても出力電流の制御目標値をdq軸上の制御目標値として入力することができるので、従来の三相インバータ装置と同様にdq変換の考え方を本発明に係る三相インバータ装置にも適用することができる。なお、dq変換を用いて制御信号の基本波成分をDC成分に変換することにより、出力電圧を離散化する場合に生じるモデル化誤差は抑制されるので、スイッチング周期の長いシステムに対しても誤差を小さく実現することができる。
なお、上述した実施形態では、系統を負荷とする系統連系インバータ装置について説明したが、本発明は、系統以外の負荷に交流電力を供給するためのインバータ装置、例えばモータ駆動用のインバータ装置にも適用することできる。但し、本発明は、高効率化の要求が出力の高精度化や高速応答性よりも優先されている場合に、より有効に機能する。
また、本発明のPWM信号生成装置は、インバータ装置に限らず、入力されるPWM信号の周期を設定された条件の下で可及的に長くすることに効果があるシステムにも適用することができる。
なお、上述した実施形態では、系統連系インバータ装置に本発明のPWM信号生成装置を用いた場合について説明したが、従来のPWM信号生成装置に上述した方法でPWM信号を生成させるプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したROMなどの記録媒体から当該プログラムをコンピュータに読み込んで、そのプログラムを実行させることにより、本発明のPWM信号生成装置を実現してもよい。

Claims (15)

  1. 第1のパルス信号の1周期のパルス波形である第1のパルス波形を生成する第1のパルス波形生成手段と、
    前記第1のパルス波形の生成開始時から予め設定された遅延時間が経過したときに、第2のパルス信号の1周期のパルス波形である第2のパルス波形を生成する第2のパルス波形生成手段と、
    前記第1のパルス波形生成手段により生成された前記第1のパルス波形の全体波形と前記第2のパルス波形生成手段により生成された前記第2のパルス波形の全体波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    を備え、
    前記第1のパルス波形生成手段は、前記合成パルス波形の終了時に次の第1のパルス波形を生成する、
    PWM信号生成装置。
  2. 前記第1のパルス波形は、前記第1のパルス信号の周期である第1のパルス周期内の中間部分でハイレベルとなり、両端部分でローレベルになる波形であり、
    前記第2のパルス波形は、前記第2のパルス信号の周期である第2のパルス周期内の前側部分でハイレベルとなり、後側部分でローレベルになる波形であり、
    前記合成パルス波形は、前記第1のパルス波形のハイレベル期間に前記第2のパルス波形を接続した当該第1のパルス波形と同じタイプの波形である、請求項1に記載のPWM信号生成装置。
  3. 前記第1のパルス周期と前記第2のパルス周期とが同一である、請求項2に記載のPWM信号生成装置。
  4. 前記第1のパルス波形のハイレベル期間は前記第1のパルス周期の中央に配置されている、請求項2に記載のPWM信号生成装置。
  5. 前記遅延時間は、前記第1のパルス波形生成手段により生成される前記第1のパルス波形がハイレベルになっている期間に前記第2のパルス波形の生成を開始するという条件を満たす時間である、請求項4に記載のPWM信号生成装置。
  6. 前記遅延時間は、前記第1のパルス周期の1/2の時間である、請求項5に記載のPWM信号生成装置。
  7. 前記第1のパルス波形生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始時に、前記第1のパルス波形がハイレベルとなるべき第1のオン時間を演算する第1のオン時間演算手段と、
    前記第1のオン時間と前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの位置とに基づいて、前記第1のパルス周期において前記第1のパルス波形のレベルがローレベルからハイレベルに反転する第1の反転タイミングを決定する第1の反転タイミング決定手段と、を備え、
    前記第2のパルス波形生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始から前記遅延時間が経過したときに、前記第2のパルス波形がハイレベルとなるべき第2のオン時間を演算する第2のオン時間演算手段と、
    前記第2のオン時間に基づいて、当該第2のオン時間が演算された第2のパルス周期において前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルからローレベルに反転する第2の反転タイミングを決定する第2の反転タイミング決定手段と、を備え、
    前記PWM信号生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始時を基準とした前記第1,第2の反転タイミングを検出する反転タイミング検出手段と、
    前記第1のパルス周期の開始時は出力レベルをローレベルとし、その後に前記第1の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをハイレベルに反転し、その後に前記第2の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをローレベルに反転して、前記第1のパルス波形と前記第2のパルス波形とを合成したパルス信号を生成し、前記PWM信号の各パルスとして出力するPWM信号出力手段と、
    を備えている、請求項2に記載のPWM信号生成装置。
  8. 前記第1の反転タイミング決定手段は、前記第1のオン時間が演算される毎に、前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの中心の位置までの時間からその演算された第1のオン時間の1/2の時間を差し引いた残りの時間が前記第1のオン時間の演算開始時から経過したときを前記第1の反転タイミングとして決定し、
    前記第2の反転タイミング決定手段は、前記第2のオン時間が演算される毎に、当該第2のオン時間の演算開始時から演算された第2のオン時間が経過したときを前記第2の反転タイミングとして決定する、
    請求項7に記載のPWM信号生成装置。
  9. 前記第1のパルス波形の周期が終了する毎に、前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルであるか否かを判別する判別手段と、
    前記第1のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルの場合に限り、当該第1のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形生成手段に再度第2のパルス波形を生成させるパルス波形再生成手段と、
    を更に備え、
    前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス波形に前記生成された第2のパルス波形と当該再度生成された第2のパルス波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成する、請求項2に記載のPWM信号生成装置。
  10. 前記パルス波形再生成手段により再度、前記第2のパルス波形の生成が行われた場合、先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に再度生成された第2のパルス波形のレベルがハイレベルであるか否かを判別する第2の判別手段を更に備え、
    前記パルス波形再生成手段は、前記先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に前記再度生成された第2のパルス波形のレベルがローレベルとなるまで、前記先に生成された第2のパルス波形の周期の終了時に前記第2のパルス波形生成手段に再度第2のパルス波形を生成させる動作を繰り返し、
    前記PWM信号生成手段は、前記第1のパルス波形に前記生成された第2のパルス波形と当該再度生成された1又は2以上の第2のパルス波形とを合成した合成パルス波形に基づいてPWM信号を生成する、請求項9に記載のPWM信号生成装置。
  11. 前記第1のパルス波形生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始時に、前記第1のパルス波形がハイレベルとなるべき第1のオン時間を演算する第1のオン時間演算手段と、
    前記第1のオン時間と前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの位置とに基づいて、前記第1のパルス周期において前記第1のパルス波形のレベルがローレベルからハイレベルに反転する第1の反転タイミングを決定する第1の反転タイミング決定手段と、を備え、
    前記第2のパルス波形生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始から前記遅延時間が経過したときと、前記パルス波形再生成手段により前記第2のパルス波形の生成が再度行われる場合には、前記第1のパルス周期の終了時および先に生成された第2のパルス波形の周期が終了したときに、前記第2のパルス波形がハイレベルとなるべき第2のオン時間を演算する第2のオン時間演算手段と、
    前記第2のオン時間演算手段により最後に演算された第2のオン時間に基づいて、当該第2のオン時間が演算された第2のパルス周期において前記第2のパルス波形のレベルがハイレベルからローレベルに反転する第2の反転タイミングを決定する第2の反転タイミング決定手段と、を備え、
    前記PWM信号生成手段は、
    前記第1のパルス周期の開始時を基準とした前記第1,第2の反転タイミングを検出する反転タイミング検出手段と、
    前記第1のパルス周期の開始時は出力レベルをローレベルとし、その後に前記第1の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをハイレベルに反転し、生成された1又は2以上の前記第2のパルス波形に基づき前記出力レベルをハイレベルに保持し、その後に前記第2の反転タイミングが検出されると前記出力レベルをローレベルに反転して、前記第1のパルス波形と1又は2以上の前記第2のパルス波形とを合成したパルス信号を生成し、前記PWM信号の各パルスとして出力するPWM信号出力手段と、
    を備えている、請求項10に記載のPWM信号生成装置。
  12. 前記第1の反転タイミング決定手段は、前記第1のオン時間が演算される毎に、前記第1のパルス周期における前記ハイレベルの中心の位置までの時間からその演算された第1のオン時間の1/2の時間を差し引いた残りの時間が前記第1のオン時間の演算開始時から経過したときを前記第1の反転タイミングとして決定し、
    前記第2の反転タイミング決定手段は、最後の第2のオン時間の演算開始時から当該最後に演算された第2のオン時間が経過したときを前記第2の反転タイミングとして決定する、請求項11に記載のPWM信号生成装置。
  13. 前記第1のオン時間演算手段は、
    制御対象に入力される状態変数が前記第1のパルス波形である状態方程式から導出される前記第1のパルス波形の第1のオン時間を入力変数とした第1の状態方程式の解を求める第1の演算式を用いて、前記第1のオン時間を演算し、
    前記第2のオン時間演算手段は、
    前記制御対象に入力される前記状態変数が前記第2のパルス波形である状態方程式から導出される前記第2のパルス波形の第2のオン時間を入力変数とした第2の状態方程式の解を求める第2の演算式を用いて、前記第2のオン時間を演算する、請求項7に記載のPWM信号生成装置。
  14. 直流電圧を出力する直流電源と、
    前記直流電源から出力される直流電圧を交流電圧に逆変換するための、複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるブリッジ回路と、
    前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御することにより前記ブリッジ回路の逆変換動作を制御する制御回路と、
    前記ブリッジ回路から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路から出力される交流電圧を変成して負荷に出力する変圧器と、
    を備えたインバータ装置であって、
    前記制御回路は、請求項1に記載のPWM信号生成装置を備え、前記PWM信号生成装置が生成するPWM信号により前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御することを特徴とするインバータ装置。
  15. 前記直流電源は太陽電池からなるとともに、前記ブリッジ回路は三相ブリッジ回路からなり、前記変圧器から出力される交流電圧は商用電力系統に連系させて出力される三相交流電圧である、請求項14に記載のインバータ装置。
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