JP2011188638A - 電力変換回路の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個のチョッパ回路部を備えるマルチフェーズコンバータについて、各チョッパ回路部のコイルを流れる電流の増減周期の出現タイミングを均等化することが困難なこと。
【解決手段】マスタ相の電流の変化速度の反転タイミング間の時間間隔T1を計測する。第m(m=2〜n)のスレーブ相については、マスタ相のコイルを流れる電流がゼロとなるタイミングから、「T1(m−1)/n」だけ遅延したタイミングをコイルを流れる電流がゼロとなる目標タイミングTMに設定する。実際のタイミングT(m)を目標タイミングTMにフィードバック制御すべく、スレーブ相のスイッチング素子のオン時間を操作する。
【選択図】 図11
【解決手段】マスタ相の電流の変化速度の反転タイミング間の時間間隔T1を計測する。第m(m=2〜n)のスレーブ相については、マスタ相のコイルを流れる電流がゼロとなるタイミングから、「T1(m−1)/n」だけ遅延したタイミングをコイルを流れる電流がゼロとなる目標タイミングTMに設定する。実際のタイミングT(m)を目標タイミングTMにフィードバック制御すべく、スレーブ相のスイッチング素子のオン時間を操作する。
【選択図】 図11
Description
本発明は、チョッパ制御によりチョッパ回路部のコイルを流れる電流を増減させつつ蓄電手段の電圧を入力電圧に対して所望に変換して且つ、前記チョッパ回路部を複数個備える電力変換回路について、前記コイルを流れる電流の値およびその変化の符号によって規定される規定タイミングを前記複数個のチョッパ回路部で互いにずらすようにスイッチング素子を操作することで、前記蓄電手段の電圧を制御する電力変換回路の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、2個のチョッパ回路部を備えて構成されたブーストコンバータにおいて、各チョッパ回路部におけるスイッチング素子のオン状態からオフ状態への切り替えタイミングを、チョッパ回路部同士で互いにずらすことで、スイッチング状態の切り替えタイミングを等間隔とするものも提案されている。このように、スイッチング状態の切り替えタイミングが等間隔で生じる場合には、チョッパ回路部のコイルを流れる電流の増加および減少の周期が互いに同一であって且つ、この電流の周期的な増加および減少が等間隔に生じるようになる。特に、同電流がピークとなるタイミングが等間隔で生じるようになる。これにより、ブーストコンバータ内のリップル電流を低減することが可能となる。
ところで、上記制御装置では、一方のチョッパ回路部のコイルを流れる電流がゼロとなったタイミングでそのスイッチング素子をオン状態に切り替えて且つ、このタイミングから所定時間経過することで他方のチョッパ回路部のオン状態への切り替えを行っている。ただし、この場合、他方のチョッパ回路部のオン状態への切り替えタイミングが必ずしもそのコイルを流れる電流がゼロとなったタイミングとならない。このため、オン状態への切り替えに伴うノイズが増大する等の問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、チョッパ制御によりチョッパ回路部のコイルを流れる電流を増減させつつ蓄電手段の電圧を入力電圧に対して所望に変換して且つ、前記チョッパ回路部を複数個備える電力変換回路について、前記コイルを流れる電流の値およびその変化の符号によって規定される規定タイミングを前記複数個のチョッパ回路部で互いにずらすようにスイッチング素子を操作する処理をより適切に行なうことのできる電力変換回路の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、チョッパ制御によりチョッパ回路部のコイルを流れる電流を増減させつつ蓄電手段の電圧を入力電圧に対して所望に変換して且つ、前記チョッパ回路部を複数個備える電力変換回路について、前記コイルを流れる電流の値およびその変化の符号によって規定される規定タイミングを前記複数個のチョッパ回路部で互いにずらすようにスイッチング素子を操作することで、前記蓄電手段の電圧を制御する電力変換回路の制御装置において、前記複数個のチョッパ回路部のうちの所定のチョッパ回路部における隣接する前記一対の規定タイミング間の時間間隔を計測する計測手段と、前記所定のチョッパ回路部における規定タイミングと別のチョッパ回路部における規定タイミングとの時間差を、前記計測手段によって計測された時間間隔未満であって且つ前記計測された時間間隔を前記複数個で除算した値の整数倍の時間間隔に制御すべく、前記別のチョッパ回路部のスイッチング素子を操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
一対の規定タイミング間の間隔をモデル予測等によって算出する場合、予測誤差等によって上記ずれの低減制御の制御性が低下するおそれがある。この点、上記発明では、計測手段によって計測される一対の規定タイミング間の時間間隔を用いることでこうした問題を回避することができる。
なお、上記規定タイミングは、蓄電手段の電圧を制御するための前記絶対値の周期的な増減の一周期内の特定のタイミング(位相)を定めることによって、前記絶対値の周期的な増減の周期の出現タイミングを定義するものである。規定タイミングを定める電流の値としては、固定値に限らず、例えば変動する極値(電流の変化速度の変極点)であってもよい。また、上記所定のチョッパ回路部の一対の規定タイミング間の間隔が均等分割された各タイミングは、残りのチョッパ回路部に割り振られるものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記チョッパ制御における前記チョッパ回路部のそれぞれのスイッチング素子のオン・オフ操作の一周期は、前記スイッチング素子をオン状態とすることで前記コイルの電流の絶対値を漸増させた後、前記スイッチング素子をオフ状態とすることで前記コイルの電流を漸減させて前記オン状態における前記電流とは符号が逆であって且つ前記オン状態におけるその最大値よりも絶対値が小さい電流を流すことによって前記コイルを流れる電流の符号が1度ずつ正および負となる期間であることを特徴とする。
上記発明では、電流の符号が逆となるまで電流を漸減させることで、その後スイッチング素子をオン状態に切り替える際のスイッチング素子の入力端子および出力端子間の電圧を低減させることができ、ひいてはスイッチング損失を低減させることができる。ただし、この場合、規定タイミング間の時間間隔は、モデル予測等によっては誤差が特に生じやすいものとなる。このため、計測手段の計測結果を用いる上記操作手段の利用価値が特に大きい。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記計測手段は、前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が負から正に反転するタイミングを検出する手段を備え、隣接する一対の前記反転するタイミング間の時間間隔を計測するものであることを特徴とする。
チョッパ制御によるスイッチング周波数が高い場合、コイルを流れる電流の検出値に基づき規定タイミングを検出する場合、規定タイミングの検出精度を高めるうえで要求される電流の検出値のサンプリング速度等が大きくなる。このため、こうした要求を実現する上でのハードウェア手段の構成が複雑化したり制御装置のコストアップにつながったりする問題が生じる。上記発明では、この点に鑑み電流の変化速度の符号の反転タイミングを検出することでこうした問題を好適に抑制する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が正から負に反転するタイミングを検出する反転検出手段を備え、
前記所定のチョッパ回路部および前記別のチョッパ回路部の前記スイッチング素子のオン操作は、該当するチョッパ回路部についての前記反転検出手段によって反転が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでなされることを特徴とする。
前記所定のチョッパ回路部および前記別のチョッパ回路部の前記スイッチング素子のオン操作は、該当するチョッパ回路部についての前記反転検出手段によって反転が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでなされることを特徴とする。
上記発明では、オン状態への切り替えを、電流値が所定値となるタイミングではなく、電流の変化速度の反転タイミングからの経過時間によって定める。このため、検出速度が非常に高い電流検出手段を備える要求が生じない。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記反転検出手段は、前記チョッパ回路部のコイルの両端の電圧の反転を検出するものであることを特徴とする。
コイルの両端の電圧の符号と、コイルを流れる電流の変化速度の符号とには、一義的な関係がある。上記発明では、この点に鑑み、コイルを流れる電流の変化速度の符号の反転を検出する。
請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記別のチョッパ回路部における前記コイルを流れる電流の絶対値をオン操作によって増加させるスイッチング素子についてのオン操作の継続時間を操作することで、前記所定のチョッパ回路部における規定タイミングと別のチョッパ回路部の規定タイミングとの実際の時間差を制御することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記チョッパ回路部は、前記スイッチング素子がオフ状態とされることで前記コイルの電流が漸減する期間において前記コイルとともに閉ループ回路を構成するフリーホイールダイオードを備えることを特徴とする。
フリーホイールダイオードに順方向電流が流れた後、これがゼロとなると逆方向の電流(リカバリ電流)が流れる。このため、フリーホイールダイオードを流れる順方向電流が漸減することでコイルを流れる電流がゼロとなると、リカバリ電流が流れることでコイルを流れる電流の符号が反転する。したがって、コイルを流れる電流がゼロとなることでスイッチング素子をオン状態に切り替えてコイルを流れる電流を漸増させようとしても、リカバリ電流のために実際にはコイルに逆方向の電流が流れる期間が生じるおそれがある。この点、上記発明では、コイルに流れる電流が漸減してゼロとなりその符号が逆となった後にオン状態に切り替えることでこうした問題が生じることはない。
請求項8記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が負から正に反転するタイミングを検出する反転検出手段を備え、前記別のチョッパ回路部の前記スイッチング素子のオン状態への切り替えは、該当するチョッパ回路部についての前記反転検出手段によって反転が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでなされ、前記操作手段は、前記所定のチョッパ回路部におけるオン状態への切り替えタイミングから前記整数倍の時間間隔だけ経過したタイミングを前記別のチョッパ回路部のオン状態への切り替えの目標タイミングとして且つ、該目標タイミングと実際の切り替えタイミングとの差に基づき、前記所定のチョッパ回路部において前記絶対値を漸増させるためのスイッチング素子のオン操作時間を補正したものを前記別のスイッチング素子のオン操作時間として設定することを特徴とする。
上記発明では、上記差に基づきオン操作時間を補正することで、上記整数倍の時間間隔への制御を好適に行なうことができる。
請求項9記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記所定のチョッパ回路部における前記スイッチング素子のオフ状態への切り替えタイミングから前記整数倍の時間間隔が経過するタイミングを前記別のチョッパ回路部における前記オフ状態への切り替えタイミングとすることを特徴とする。
上記発明では、上記整数倍の時間間隔への制御を簡易に行なうことができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記複数個のチョッパ回路部のうちの特定のものをマスタ回路部として且つ、残りをスレーブ回路部とし、前記複数個のチョッパ回路部の出力電流の指令値を算出する算出手段と、前記マスタ回路部のスイッチング素子を、前記指令値に基づき操作するマスタ操作手段とを更に備え、前記操作手段は、スレーブ回路部のスイッチング素子を操作することを特徴とする。
出力電流の指令値への制御と、操作手段による操作とは互いに干渉し得る。上記発明では、この点に鑑み、複数個のチョッパ回路部を、指令値への制御を行うマスタ回路部と、操作手段によるスイッチング素子の操作がなされるスレーブ回路部とに分割することで、上記干渉を排除することができる。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記所定のチョッパ回路部が、前記マスタ回路部であることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項10または11記載の発明において、前記マスタ操作手段は、前記マスタ回路部の出力電流についての前記一対の規定タイミング間の時間間隔における平均値を、前記指令値に基づき制御することを特徴とする。
チョッパ制御では、通常、スイッチング素子のオン・オフ操作に伴って電力変換回路を流れる電流が変動する。そしてこの場合には、出力電流も変動する。このため、微視的なタイムスケールでは、出力電流をその指令値とすることができない。この点、上記発明では、オン・オフ操作の一周期における出力電流の平均値を指令値とすることで、極力短いタイムスケールで出力電流を指令値に一致させることができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の発明において、前記チョッパ制御によって、前記電力変換回路およびこれに接続される負荷間に交流電流を流すべく前記蓄電手段の電圧が制御されることを特徴とする。
上記制御のためには、規定タイミング間の間隔を大きく変動させることが望まれる傾向がある。このため、上記発明では、操作手段の利用価値が特に高いものとなっている。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記蓄電手段の電圧は、回転機の端子に印加されることを特徴とする。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電力変換回路の制御装置に関する第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる電力変換回路の制御装置に関する第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態の制御システムの全体構成を示す。
電動機10は、3相電動機であり、ここでは、永久磁石同期モータ(PMSM)を例示している。電動機10は、電力変換回路(PC14)を介して、バッテリ12に接続されている。ここで、バッテリ12は、2次電池である。なお、電動機10は、例えば車載主機としての電動機であってもよく、また、車載電動パワーステアリングの電動機であってもよい。もっとも、車両に搭載されるものにも限らない。後述するようにPC14が電動機10に対する印加電圧を連続的に変化させることができることに起因してサージの発生を抑制することができるメリットを有することに鑑みれば、視聴覚機器においてディスク媒体を回転させる電動機や、医療機器に搭載される電動機等、ノイズの抑制が所望される機器に搭載される電動機とすることで、PC14の適用価値が特に大きいものとなる。
上記PC14は、電動機10の各相に接続される各別のマルチフェーズコンバータMCVを備えて構成され、各相に印加する電圧を連続的に調節することが可能なものである。図2に、本実施形態にかかるマルチフェーズコンバータMCVの回路構成を示す。図示されるように、マルチフェーズコンバータMCVは、コンデンサCを備え、コンデンサCの電圧をバッテリ12の電圧に対して所望に変換する非反転形バックブーストコンバータである。更に、マルチフェーズコンバータMCVは、コンデンサCおよびバッテリ12間に備えられるチョッパ回路部CPを複数個(n個)備えている。これらチョッパ回路部CPは、周知のDCDCコンバータからコンデンサCを除いた回路構成となっている。すなわち、各チョッパ回路部CPは、「i=1〜n」を用いて、上記バッテリ12に並列接続されるスイッチング素子Saiおよびスイッチング素子Sbiの直接接続体と、コンデンサCに並列接続されるスイッチング素子Sciおよびスイッチング素子Sdiの直接接続体と、上記2つの直列接続体の接続点間を接続するコイルLiaとを備えて構成されている。ここで本実施形態では、スイッチング素子Sai,Sbi,Sci,Sdiとして、パワーMOSFETを例示している。詳しくは、スーパージャンクションMOSFETを想定している。これら各スイッチング素子Sai,Sbi,Sci,Sdiには、ダイオードDai,Dbi,Dci,Ddiが並列接続されている。なお、ダイオードDai,Dbi,Dci,Ddiは、パワーMOSFETのボディダイオードである。また、各スイッチング素子Sai,Sbi,Sci,Sdiには、スナバコンデンサCsが並列接続されている。スナバコンデンサCsは、並列接続されるスイッチング素子のオフ状態への切り替えをゼロボルトスイッチング(ZVS)とするための蓄電手段である。なお、以下では、n個のチョッパ回路部CPを区別すべく、各チョッパ回路部CPを、第1相、第2相、…、第n相のチョッパ回路部CPと命名する。
本実施形態にかかる制御システムは、その内部の各種状態を検出するための手段として、次のものを備えている。まず、図2に示されるように、マルチフェーズコンバータMCVの入力電圧Vinとしてのバッテリ12の電圧を検出する電圧センサ16を備えている。また、マルチフェーズコンバータMCVの各相のコイルLiaを流れる電流の変化速度の反転(変極点)を検出する変極点検出回路60を備えている。この変極点検出回路60は、コイルLiaと磁気結合されたコイルLibの両端の電圧の反転に基づき上記反転を検出し、変極点検出信号iLaとして出力するものである。また、マルチフェーズコンバータMCVのコンデンサCの電圧(出力電圧Vout)を検出する電圧センサ24を備えている。更に、先の図1に示すように、電動機10に関する状態として、各相の電流を検出する電流センサ17,18,19を備えている。
一方、図1に示す制御装置20は、電動機10を制御対象とする制御装置であり、上記各種センサの検出値を取り込み、これらに基づき、PC14を操作する。詳しくは、電動機10の各相に対応するマルチフェーズコンバータMCVの各スイッチング素子Sai,Sbi,Sci,Sdiをオン・オフ操作するチョッパ制御によって、バッテリ12の電圧を所望に変換して、電動機10の各相への印加電圧を制御する。
図3に、本実施形態にかかるチョッパ制御の態様を示す。なお、図3においては、マルチフェーズコンバータMCVを構成するn個のチョッパ回路部CPのうちの1つを示す。そして、図3においては、各素子の符号から相の番号を除いた符号を付する。すなわち例えば、スイッチング素子Sa1〜Sanについては、スイッチング素子Saと表記する。なお、図3においては、説明の便宜上、マルチフェーズコンバータMCVおよびこれに接続される電動機10の端子間の電荷の流出入量が無視できるほど小さい場合を示す。また、図3では、スペースの都合上、スナバコンデンサCsの記載を省略している。以下では、チョッパ回路部CPからチョッパ回路部CPおよびコンデンサC間への出力電流(チョッパ回路部CPの出力電流)の符号が正である場合を説明した後、負である場合を説明する。
まず初めに、図3(a)、図3(b)に基づき、上記出力電流が正である場合の処理について説明する。図3(a)に示されるように、スイッチング素子Sa,Sdがオン状態とされると、バッテリ12、スイッチング素子Sa、コイルL、およびスイッチング素子Sdを備えて構成される閉ループ回路に電流が流れる。その後、図3(b)に示されるように、スイッチング素子Sa,Sdがオフ状態とされると、コイルLの逆起電力によって、コイルL、ダイオードDc、コンデンサC,およびダイオードDbを備えて構成される閉ループ回路に電流が流れる。これにより、コンデンサCが充電される。
次に、図3(c)、図3(d)に基づき、上記出力電流が負である場合の処理について説明する。図3(c)に示されるように、スイッチング素子Sb,Scがオン状態とされると、コンデンサC、スイッチング素子Sc、コイルL、およびスイッチング素子Sbを備えて構成される閉ループ回路に電流が流れる。これにより、コンデンサCの電荷が放出される。その後、図3(d)に示されるように、スイッチング素子Sb,Scがオフ状態とされると、コイルLの逆起電力によって、コイルL,ダイオードDa、バッテリ12、およびダイオードDdを備えて構成される閉ループ回路に電流が流れる。
このように、チョッパ制御によって、直流電源(バッテリ12)の電圧を変換して出力することで、換言すればコンデンサCの電圧を調節することで、電動機10に印加する電圧値をアナログ値とすることができる。ただし、実際には、マルチフェーズコンバータMCVおよび電動機10間での電荷の流出入に起因して、コンデンサCの電圧の上昇および低下のそれぞれと、チョッパ回路部CPの出力電流の符号とが1対1に対応しない。本実施形態では、こうした状況にあっても、コンデンサCの電圧を適切に制御することができるように、マルチフェーズコンバータMCVを操作する。図4に、マルチフェーズコンバータMCVの操作信号の生成処理を示す。
図示されるマスタ相パルス幅算出処理部30は、スイッチング素子Sa1,Sb1、Sc1,Sd1を備えて構成される第1相のチョッパ回路部CPについて、スイッチング素子Sa1,Sb1、Sc1,Sd1のオン時間ton(1)を算出する処理を行う。ここで、オン時間ton(1)は、実際には、電動機10の各相毎に各別に算出されるものである。この処理は、先の図2に示した電圧センサ24によって検出される出力電圧Vout(電動機10の該当する相に接続されるマルチフェーズコンバータMCVのコンデンサCの電圧)と、出力電流Iout(電流センサ17〜19によって検出される相電流iMu,iMv,iMw)と、入力電圧Vinとに基づき行われる。
これに対し、スレーブ相パルス幅算出処理部32は、残りのチョッパ回路部のスイッチング素子Sam,Sbm,Scm,Sdm(m=2〜n)のオン時間ton(2)〜ton(n)を算出する。スレーブ相パルス幅算出処理部32は、「n−1」個のパルス幅算出部を備え、それぞれが、変極点検出信号iLmと、変極点検出信号iL1と、マスタ相のオン時間ton(1)とに基づき、オン時間ton(m)を算出する。
操作信号生成部34では、変極点検出回路60によって検出される電流iL1〜iLmと、オン時間ton(i)とに基づき、電動機10の3相のそれぞれについて、マルチフェーズコンバータMCVの各相のスイッチング素子Sai,Sbi,Sci,Sdiの操作信号を生成する。
以下では、まずマスタ相パルス幅算出処理部30の算出するオン時間ton(1)に基づくマスタ相のチョッパ制御について説明した後、スレーブ相のチョッパ制御について説明する。
<マスタ相のチョッパ制御>
図5に、上記マスタ相パルス幅算出処理部30の処理の詳細を示す。なお、この処理は、実際には、電動機10の各相のそれぞれについての処理となるが、これらは同一の処理となるため、ここでは、これらの1相分の処理のみを示す。
<マスタ相のチョッパ制御>
図5に、上記マスタ相パルス幅算出処理部30の処理の詳細を示す。なお、この処理は、実際には、電動機10の各相のそれぞれについての処理となるが、これらは同一の処理となるため、ここでは、これらの1相分の処理のみを示す。
指令電圧設定部40では、電動機10の各相の電流iMu,iMv,iMw(マルチフェーズコンバータMCVの出力電流Iout)と、要求トルクとに基づき、マルチフェーズコンバータMCVに対する出力電圧の指令値(指令電圧Vc)を設定する。この処理は、周知の電流フィードバック制御によって行えばよい。すなわち、相電流iMu,iMv,iMwを2相変換して得られるdq軸上の実電流を要求トルクに応じて算出されるdq軸上の指令電流にフィードバック制御するための固定3次元座標系上の操作量として、電動機10の各相の指令電圧Vcを算出すればよい。ここで、フィードバック制御としては、例えば比例積分制御とすればよい。こうして設定される指令電圧Vcは、正弦波等の交流信号となる。
オフセット補正部42では、指令電圧Vcに、オフセット電圧Δを加算する補正を行う。これは、指令電圧Vcがゼロボルトを振幅中心とする正弦波等の交流信号であるという条件下、コンデンサCの電圧の極性を固定するためになされるものである。このようにオフセット電圧Δを加算する補正を行うことで、コンデンサCの電圧は、オフセット電圧Δを振幅中心として変動するように制御されることとなる。なお、コンデンサCの極性を固定するためには、オフセット電圧Δは、指令電圧Vcの振幅の最大値以上とすれば足りるが、本実施形態では、更に、振幅の最大値よりも規定電圧だけ高い電圧をオフセット電圧Δとしている。これは、チョッパ制御による電流の変化がコンデンサCの電圧とバッテリ12の電圧とによって定まることに鑑み、チョッパ制御の電流の変化速度を規定速度以上とするための設定である。
オフセット補正された指令電圧Vcは、偏差算出部44に取り込まれる。偏差算出部44は、オフセット補正部42の出力から、マルチフェーズコンバータMCVの出力電圧Vout(電動機10の各相に印加される電圧VCu、VCv,VCw)を減算する。偏差算出部44の出力は、フィードバック制御部46に取り込まれる。ここでは、比例制御がなされる。ここで、比例ゲインKは、コンデンサCの容量と、コンデンサCの電圧の要求変化速度とに基づき設定されるものである。フィードバック制御部46の出力は、フィードフォワード補正部48に取り込まれる。フィードフォワード補正部48では、フィードバック制御部46の出力に上記出力電流Ioutを加算することで、コンデンサCおよび電動機10側への出力指令値iCcを算出する。この出力指令値iCcは、コンデンサCへの供給電流量と電動機10の端子への供給電流量との和の指令値となっている。そして、パルス幅算出部50では、出力指令値iCcや、電圧センサ16によって検出されるバッテリ12の電圧(入力電圧Vin)、出力電圧Voutに基づき、コンデンサCおよび電動機10側への出力電流が出力指令値iCcの「1/n」となるように、スイッチング素子Sa1,Sd1のオン時間tonまたはスイッチング素子Sb1,Sc1のオン時間tonを算出する。これにより、n個のチョッパ回路部CPの出力電流の総量を、出力指令値iCcに制御する。
次に、図6に基づき、パルス幅算出部50の処理について詳述する。
図6(a)は、出力電流iCが正である場合にコイルL1に流れる電流を示している。ここで、オン時間tonは、スイッチング素子Sa1、Sd1のオン時間を示している。図示されるように、スイッチング素子Sa1、Sd1がオン操作されると、先の図2(a)に示した回路部分に電流が流れることで、コイルL1に流れる電流が漸増する。そして、オン時間tonが経過すると、スイッチング素子Sa1、Sd1がオフ操作されるために、先の図2(b)に示した回路部分に電流が流れ、コイルL1の電流は漸減する。そして、本実施形態では、コイルL1を流れる電流がゼロとなった後、上記スイッチング素子Sa1、Sd1のオン操作に伴う漸増期間とは電流の符号が一旦逆となった後、再度ゼロとなるタイミングで、スイッチング素子Sa1、Sd1をオン状態に切り替える。
ちなみに、上記電流の符号が一旦逆となる期間においては、コンデンサCおよび電動機10間側に電流は流れず、スイッチング素子Sd1に並列接続されるスナバコンデンサCsの電荷がスイッチング素子Sb1に並列接続されるスナバコンデンサCsに流れ込むことでコイルL1に電流が流れる。これにより、スイッチング素子Sa1、Sd1に並列接続されるスナバコンデンサCsの電圧を、スイッチング素子Sa1、Sd1をオン状態に切り替えるに先立って低下させることができる。特に、本実施形態では、スイッチング素子Sa1〜Sd1としてスーパージャンクションMOSFETを想定していることに起因してリカバリ電流が大きいため、スイッチング素子Sa1、Sd1をオン状態に切り替えるに先立ってスナバコンデンサCsの電荷を略ゼロとすることができる。
ここで、コンデンサCおよび電動機10間側に電流が流れるのがスイッチング素子Sa1、Sd1がオフ状態であって且つ漸減した電流が最初にゼロとなるまでの期間であるため、微視的なタイムスケールでは、この電流を出力指令値iCcとすることはできない。そこで本実施形態では、コンデンサCおよび電動機10間側に出力される電流の所定期間における平均値を、出力指令値iCcとする。そして、この所定期間を、スイッチング素子Sa1、Sb1のオン・オフ操作の一周期とする。図6(a)では、コンデンサCおよび電動機10間側に供給される電荷量を、斜線部分の面積として示している。この面積が、スイッチング素子Sa1、Sd1のオン・オフの一周期にわたる出力指令値iCcの積分値の「1/n」に等しくなるなら、コンデンサCおよび電動機10間側への実際の出力電流の一周期における平均値を、出力指令値iCcの「1/n」とすることができる。これは、上記電流の符号が一旦逆となる時間(共振時間Tres)を用いると、オン時間tonを以下のように設定することで実現することができる。
漸増および漸減を繰り返しつつ流れるコイルL1のピーク電流Ipは、コイルL1のインダクタンスL、オン時間tonおよび入力電圧Vinを用いて、以下の式にて表現される。
Vin=L・Ip/ton …(c1)
また、このピーク電流Ipは、オフ期間のうちのコイルL1の電流が漸減してゼロとなるまでの時間(ゼロ到達時間t0)と、コンデンサCの電圧(出力電圧Vout)とを用いて、以下の式にて表現される。
また、このピーク電流Ipは、オフ期間のうちのコイルL1の電流が漸減してゼロとなるまでの時間(ゼロ到達時間t0)と、コンデンサCの電圧(出力電圧Vout)とを用いて、以下の式にて表現される。
Vout=L・Ip/t0 …(c2)
上記の式(c1)、(c2)から、オン時間tonとゼロ到達時間t0との関係が下記の式(c3)となる。
上記の式(c1)、(c2)から、オン時間tonとゼロ到達時間t0との関係が下記の式(c3)となる。
Vin/Vout=t0/ton …(c3)
ここで、上記一周期におけるコンデンサCおよび電動機10間側への供給電流の平均値は、下記の式(c4)にて表現される。
ここで、上記一周期におけるコンデンサCおよび電動機10間側への供給電流の平均値は、下記の式(c4)にて表現される。
Ip・t0/{2・(ton+t0+Tres)}
=ton・Vin・Vin/[2・L・Vout{ton+(Vin/Vout)ton+Tres}] …(c4)
これが、出力指令値iCcの「1/n」と等しいとすると、下記の式(c5)が得られる。
=ton・Vin・Vin/[2・L・Vout{ton+(Vin/Vout)ton+Tres}] …(c4)
これが、出力指令値iCcの「1/n」と等しいとすると、下記の式(c5)が得られる。
一方、図6(b)は、出力電流iCが負である場合のコイルL1に流れる電流を示している。ここで、オン時間tonは、スイッチング素子Sb1、Sc1のオン時間を示している。図示されるように、スイッチング素子Sb1、Sc1がオン操作されると、先の図2(c)に示した回路部分に電流が流れることで、コイルLに流れる電流の絶対値が漸増する。ただし、コンデンサCの両電極のうちの電動機10との接続側へ流れる方向を電流の正の向きとしているために、図6(c)では、電流がゼロを下回って漸減すると記載している。そして、オン時間tonが経過すると、スイッチング素子Sb1、Sc1がオフ操作されるために、先の図2(d)に示した回路部分に電流が流れ、コイルL1の電流の絶対値は漸減する。そして、本実施形態では、コイルL1を流れる電流がゼロとなった後、上記スイッチング素子Sb1、Sc1のオン操作に伴う漸増期間とは電流の符号が一旦逆となった後、再度ゼロとなるタイミングで、スイッチング素子Sb1、Sc1をオン状態に切り替える。
ちなみに、上記電流の符号が一旦逆となる期間においては、コンデンサCおよび電動機10間側に電流は流れず、スイッチング素子Sb1に並列接続されるスナバコンデンサCsの電荷がスイッチング素子Sd1に並列接続されるスナバコンデンサCsに流れ込むことでコイルL1に電流が流れる。これにより、スイッチング素子Sb1、Sc1に並列接続されるスナバコンデンサCsの電圧を、スイッチング素子Sb1、Sc1をオン状態に切り替えるに先立って低下させることができる。特に、本実施形態では、スイッチング素子Sa1〜Sd1としてスーパージャンクションMOSFETを想定していることに起因してリカバリ電流が大きいため、スイッチング素子Sb1、Sc1をオン状態に切り替えるに先立ってスナバコンデンサCsの電荷を略ゼロとすることができる。
ここでも、コンデンサCおよび電動機10間側への出力電流の所定期間における平均値を、出力指令値iCcの「1/n」とすべく、オン時間tonにおいてコンデンサCおよび電動機10間側から引き抜かれる電荷量(斜線部分の面積)を、スイッチング素子Sb1、Sc1のオン・オフの一周期にわたる出力指令値iCcの積分値の「1/n」に等しくする。これは、オン時間tonを以下の式(c6)とすることで実現することができる。
上記の式(c6)においては、コンデンサCおよび電動機10間側に電流が流れる方向を正としているため、出力指令値iCcに「−1」を乗算することで、オン時間tonを正としている。上記の式(c5)および式(c6)からわかるように、共振時間Tres、出力指令値iCc、入力電圧Vin、および出力電圧Voutを入力とすることで、オン時間ton,tonを算出することができる。ここで、上記の式(c5)のオン時間tonを用いるか、上記の式(c6)のオン時間tonを用いるかは、出力指令値iCcの符号によって定まる。そして、上記一対のオン時間tonのうち出力指令値iCcに基づき選択されたものが、マスタ相パルス幅算出処理部30の出力するオン時間ton(1)となる。なお、共振時間Tresは、コイルL1の電気的な状態量(印加電圧、電流)に依存することに鑑み、入力電圧VinやコイルL1を流れる電流に基づき算出される。なお、この際、コイルL1のインダクタンスLを変化させる要因となる温度を更に考慮することが望ましい。
本実施形態では、マスタ相においてスイッチング素子Sa1,Sb1,Sc1,Sd1をオン状態に切り替えるタイミングを、共振時間Tresの途中において変極点検出回路60によって電流の変化速度の符号が反転することが検出されるタイミングから所定の長さを有する時間待機した時点とする。ここではまず、変極点検出回路60の構成について説明する。
図7に、本実施形態にかかる変極点検出回路60の構成を示す。図示されるように、コイルLibの両端の電圧は、差動増幅回路62を介して一対のコンパレータ64,66に取り込まれる。ここで、コンパレータ64は、差動増幅回路62の電圧が増加する側に反転する場合に対応する反転タイミングを検出するためのものである。一方、コンパレータ66は、差動増幅回路62の電圧が減少する側に反転する場合に対応する反転タイミングを検出するためのものである。これら一対のコンパレータ64,66を用いるのは、差動増幅回路62の電圧が増加する側に反転する場合に対応する反転タイミングと、差動増幅回路62の電圧が減少する側に反転する場合に対応する反転タイミングとの検出精度を同一とするための設定である。すなわち、例えばコンパレータ64のみを用いる場合、差動増幅回路62の電圧が減少する側に反転するタイミングの検出と比較して、差動増幅回路62の電圧が増加する側に反転するタイミングの検出に遅延を伴うこととなる。
図8に、変極点検出回路60の入力端子の電圧、出力端子の電圧、コイルLを流れる電流、および変極点検出回路60の出力する変極点検出信号iLiの推移を示す。ただし、図では、変極点検出信号iLiとして、上記コンパレータ64,66のいずれか一方の出力を示している。
上記変極点検出信号iLiによって電流の変化速度の反転タイミング(変極点)を検出することで、スイッチング素子Sa1、Sd1やスイッチング素子Sb1,Sc1をオン状態に切り替えるタイミングを算出することができる。なお、コイルL1を流れる電流が小さい場合、スイッチング周波数が過度に大きくなることを回避すべくオン状態への切り替えを禁止する。ここで、コイルL1を流れる電流がスイッチング周波数の過度の上昇のおそれが生じるほど小さいか否かを、本実施形態では、上記オン時間ton(1)によって判断する。そして、オン時間tonが下限値未満となる場合にオン状態への切り替えを禁止する。このため、スイッチング素子Sa1、Sd1やスイッチング素子Sb1,Sc1を用いたチョッパ制御の開始に際しては例外的な処理が必要となる。
そこで本実施形態では、図9に示すように、定常時のチョッパ制御がなされるモード3と、上記オン状態への切り替えが禁止されるモード1とに加えて、モード1からモード3へと移行する際のモード2を設ける。ここで、モード2は、オン時間ton(1)が下限値以上となることと、スイッチング素子Sa1、Sd1やスイッチング素子Sb1,Sc1の切り替えが2度オン状態に切り替えられるタイミング前であることとの論理積が真である期間とする。
図10に、上記オン時間ton(1)に基づくマスタ相のチョッパ回路部CPのチョッパ制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置20によって例えば所定周期で実行される。
この一連の処理では、まずステップS10においてモード3であるか否かを判断する。モード3であると判断される場合、ステップS12において変極点が検出されるまで待機する。なお、ここでの変極点は、スイッチング素子Sa1、Sd1やスイッチング素子Sb1,Sc1のオン操作に伴う漸増期間とは電流の符号が一旦逆となる期間におけるものとする。続くステップS14においては、変極点の検出タイミングからの待機時間を計時する待機カウンタをインクリメントする。そしてステップS16においては、待機カウンタが閾値時間Twait以上であるか否かを判断する。ここで、閾値時間Twaitは、変極点となるタイミングから電流がゼロとなるタイミングまでに要すると想定される時間に応じて設定される。閾値時間Twaitは、コイルL1の電気的な状態量(印加電圧、電流)に依存することに鑑み、入力電圧VinやコイルL1を流れる電流に基づき算出すればよい。なお、この際、コイルL1のインダクタンスLを変化させる要因となる温度を更に考慮することが望ましい。
上記ステップS16において閾値時間が経過すると判断される場合、ステップS20において、オン時間ton(1)が上記下限時間以上であるか否かを判断する。そして下限時間以上であると判断される場合、ステップS22においてオン時間ton(1)が上限値以下であるか否かを判断する。ここで、上限値は、コイルLiを流れる電流が過度に大きくなることで、コイルLiにおいて磁気飽和が生じることとなる下限値に基づき設定される。なお、実際には、コイルLiを流れる電流のピーク値は、オン時間ton(1)によっては一義的に定まらず、入力電圧Vinや出力電圧Voutに依存する。このため、上限値を、出力指令値iCcが正である場合には、入力電圧Vinによって可変設定し、出力指令値iCcが負である場合には、出力電圧Voutによって可変設定することが望ましい。
そして、オン時間ton(1)が上限値を上回ると判断される場合、ステップS24においてオン時間ton(1)を上限値に設定する。一方、上限値以下であると判断される場合や、ステップS24の処理が完了する場合には、ステップS26においてモード1であるか否かを判断する。そして、モード1であると判断される場合には、ステップS28においてモード2に移行する。これに対し、モード1ではないと判断される場合、ステップS30においてモード2であるか否かを判断する。そして、モード2であると判断される場合、ステップS32においてモード3に移行させる。
上記ステップS28,S32の処理が完了する場合や、ステップS30において否定判断される場合には、ステップS34に移行する。ステップS34では、出力指令値iCcがゼロ以上であるか否かを判断する。そして、ステップS34においてゼロ以上であると判断される場合、ステップS36においてスイッチング素子Sa1,Sd1をオン状態に切り替える。これに対し、ステップS34においてゼロ未満であると判断される場合、ステップS38においてスイッチング素子Sb1,Sc1をオン状態に切り替える。
そしてステップS36,S38の処理が完了する場合、ステップS40においてオン時間を計時するオン時間カウンタをインクリメントする。そして、オン時間カウンタがオン時間ton(1)以上であると判断される場合、ステップS44において、ステップS36,S38においてオン状態に切り替えたスイッチング素子をオフ状態に切り替えるとともに、オン時間を計時するオン時間カウンタを初期化する。
一方、上記ステップS20において否定判断される場合には、ステップS46においてモード1に移行する。
なお、上記ステップS44、S46の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
<スレーブ相のチョッパ制御>
上記態様にて電動機10の各相に指令電圧Vcを印加すべく、マルチフェーズコンバータMCVを操作する場合、出力指令値iCcが大きく変動することに起因して、チョッパ制御態様も大きく変動する。このため、各スレーブ相についてもマスタ相と同様に出力指令値iCcに基づきチョッパ制御を行ったのでは、リップル電流が大きくなるおそれがある。
<スレーブ相のチョッパ制御>
上記態様にて電動機10の各相に指令電圧Vcを印加すべく、マルチフェーズコンバータMCVを操作する場合、出力指令値iCcが大きく変動することに起因して、チョッパ制御態様も大きく変動する。このため、各スレーブ相についてもマスタ相と同様に出力指令値iCcに基づきチョッパ制御を行ったのでは、リップル電流が大きくなるおそれがある。
上記リップル電流を低減するためには、各相のコイルLiを流れる電流の絶対値の増減周期が均等に生じることが望まれる。ここで、リップル電流を低減するうえでの上記「均等」を定義するためには、周期的に増減する電流の一周期の出現タイミングを定義することが望ましい。そこで本実施形態では、コイルLiを流れる電流の値およびその変化の符号が規定されたものとなるタイミングを規定タイミングとし、これによって出現タイミングを定義する。この規定タイミングは、出力電圧Voutを制御するうえで周期的に増減を繰り返すコイルLiの電流の一周期内に一度生じるものである。規定タイミングは、マルチフェーズDCDCコンバータにおいて、通常、「位相」と呼ばれているものに対応している。ここで、電流の値とは、固定値に限らない。例えば規定タイミングを、電流がピーク値となるタイミングと定義してもよい。この場合、規定タイミングは、電流の変化の符号が正から負になるタイミングとして定義されることとなる。
こうして定義された規定タイミングのうち隣接する一対の規定タイミング間の間隔は、漸減および漸増を周期的に繰り返す電流の一周期となる。そして、スレーブ相の規定タイミングを、マスタ相の上記電流の一周期を均等分割したタイミングに割り振ることでリップル電流を低減することができると考えられる。
ここで、規定タイミングをどのように定義したとしても、一対の規定タイミング間の時間間隔は、同一となる。ただし、上記のように共振時間Tresを含む本実施形態にあっては、実際の時間間隔をモデル予測によって高精度に把握することは困難である。そこで本実施形態では、上記共振時間Tres内において変極点となるタイミングのうちの隣接するタイミング間の時間間隔を計測する。これは、変極点検出回路60が比較的簡素な構成であるにもかかわらず、変極点を迅速に検出することが可能であることによる。ちなみに、本実施形態では、スイッチング周波数が非常に高くなりうる(例えば、1MHz以上)ため、特定の電流値となるタイミングを遅延なく検出することはハードウェアに対する要求を過大なものとする要因となる。
図11(a)に、隣接する一対の規定タイミング間の時間間隔T1の計測手法を示す。図示されるように、これは、変極点検出信号iLのエッジによって検出することが可能である。
そして、本実施形態では、上記規定タイミングが等間隔で生じるように、マスタ相の隣接する一対の規定タイミング間を、n個に均等分割した各タイミングに、「n−1」個のスレーブ相の規定タイミングを割り振る処理(均等化処理)を行う。ただし、マスタ相の一対の規定タイミング間の時間間隔自体、出力指令値iCcに応じて変化するものである。このため、上記均等化処理に、マスタ相の一対の規定タイミング間の間隔が変化することに起因してスレーブ相の規定タイミングが均等分割されたタイミングからずれる場合に、このずれを低減する処理を含める。
図11(b)に、上記均等化処理手法を示す。図示されるように、第m相のスレーブ相のオン状態への切り替えを、マスタ相のオン状態への切り替えを基準にして、上記時間間隔T1を「(m−1)/n」倍した時間だけ遅延させたタイミングに設定することを考える。これにより、マスタ相における上記一対の規定タイミング間の時間間隔T1が変化しないなら、スレーブ相のオン時間ton(m)をマスタ相のオン時間ton(1)とすることで、マスタ相の一対の規定タイミング間の時間間隔T1を「n」等分した各タイミングがスレーブ相の規定タイミングに割り振られると考えられる。これは、マルチフェーズコンバータMCVが全て同一(コイルLiのリアクトルやスイッチング素子特性等)であることを前提としたものである。
上記処理を行なうべく、本実施形態では、第m相のスレーブ相のオン状態への切り替えについての目標タイミングTMを、マスタ相のオン状態への切り替えを基準にして、上記時間間隔T1を「(m−1)/n」倍した時間だけ遅延させたタイミングに設定する。ここで、目標タイミングTMを設定する際に利用される時間間隔T1は、マスタ相の前回の規定タイミング間の間隔である。このため、マスタ相の一対の規定タイミング間の時間間隔が変化しないなら、スレーブ相のオン時間ton(m)をマスタ相のオン時間ton(1)とすることで、目標タイミングTMと実際のタイミングT(m)とは一致すると考えられる。一方、マスタ相における前回の時間間隔T1が伸長すると、今回の目標タイミングTMよりも実際の切り替えタイミングT(m)が遅角する。また、マスタ相の前回の時間間隔T1が縮小すると、今回の目標タイミングTMよりも実際のタイミングT(m)が進角する。
そこで、第m相の実際のオン状態への切り替えタイミングT(m)から目標タイミングTMを減算した時間差Tdを、均等化処理にとっての誤差として、これをゼロとするように、第m相のオン時間ton(m)を設定する。具体的には、マスタ相のオン時間ton(1)を時間差Tdに応じて補正することで第m相のオン時間ton(m)を算出する。
詳しくは、本実施形態では、時間差Tdに比例係数kを乗算した値によってオン時間ton(m)を補正する。そして、この比例係数kを、マスタ相が次回オン状態に切り替えられるまでの一周期の時間が変化しないとした場合に、次回の目標タイミングTMと実際のオン状態への切り替えタイミングT(m)とが一致すると想定される値に設定する。具体的には、比例係数kは、出力指令値iCcが正である場合に「Vout/(Vin+Vout)」として且つ、出力指令値iCcが負である場合に「Vin/(Vin+Vout)」とすればよい。
すなわち、出力指令値iCcが正である場合、オン時間tonとゼロ到達時間t0との和を時間差Tdだけ変化させるために必要なオン時間の補正量Δは、上記の式(c3)より以下となる。
Δ(1+Vin/Vout)=Td
Δ=Vout・Td/(Vin+Vout) …(c7)
上記の式(c7)における時間差Tdの係数が比例係数kである。なお、出力指令値iCcが負である場合も同様にして導出することができる。
Δ=Vout・Td/(Vin+Vout) …(c7)
上記の式(c7)における時間差Tdの係数が比例係数kである。なお、出力指令値iCcが負である場合も同様にして導出することができる。
これにより、スレーブ相における次回の切り替えタイミングT(m)は、このタイミングを挟むマスタ相の一対の切り替えタイミング間の時間間隔が前回から変化しない場合には、これら一対の時間間隔を均等分割したタイミングとなると考えられる。すなわち、マスタ相の隣接する一対の規定タイミング間の間隔を均等分割した各タイミングをスレーブ相の規定タイミングとすることができると考えられる。
図12に、先の図11に示した態様にてなされる本実施形態にかかるスレーブ相のチョッパ制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、モード2であるか否かを判断する。そしてモード2であると判断される場合、ステップS52において、オン状態とするまでの待機時間である閾値時間を、「T1(m−1)/n」に設定するとともに、待機カウンタを初期化する。この処理は、先の図10のステップS28によってモード2に移行した時点においては、未だスレーブ相のチョッパ制御がなされていないことに鑑みたものである。このため、上記閾値時間を「T1(m−1)/n」に設定する。また、この際、オン時間ton(m)を、マスタ相のオン時間ton(1)に設定する。
続くステップS54では、待機カウンタをインクリメントし、さらにステップS56では、待機カウンタが上記閾値時間以上であるか否かを判断する。
そして、待機カウンタが閾値時間「T1・(m−1)/n」以上となることで、ステップS58に移行する。ステップS58では、出力指令値iCcがゼロ以上であるか否かを判断する。そしてステップS58においてゼロ以上であると判断される場合、ステップS60において、スイッチング素子Sa1,Sd1をオン状態に切り替える。一方、ステップS58において否定判断される場合、ステップS62において、スイッチング素子Sb1,Sc1をオン状態に切り替える。そして、ステップS60,S62の処理が完了する場合、ステップS64において、オン時間を計時するオン時間カウンタをインクリメントする。そして、オン時間カウンタがオン時間ton(m)以上となることで(ステップS66:Yes)、スイッチング素子をオフ状態に切り替えるとともに、オン時間カウンタをリセットする。
一方、上記ステップS50において否定判断される場合、ステップS70において、モード3であるか否かを判断する。そして、モード3でない場合には、ステップS68に移行する。これに対し、モード3である場合には、ステップS72において、共振時間Tres内の変極点が検出されたか否かを判断する。そして、変極点が検出されたと判断される場合、ステップS74において、変極点の検出タイミングからスイッチング素子をオン状態とするまでの時間を計時する待機カウンタを初期化する。そして、ステップS76では、待機カウンタをインクリメントする。さらに、ステップS78では、待機カウンタが閾値時間Twait以上であるか否かを判断する。ここで、閾値時間Twaitは、変極点となるタイミングから電流がゼロとなるタイミングまでに要すると想定される時間に応じて設定される。閾値時間Twaitは、コイルLmの電気的な状態量(印加電圧、電流)に依存することに鑑み、入力電圧VinやコイルLmを流れる電流に基づき算出すればよい。なお、この際、コイルLmのインダクタンスLを変化させる要因となる温度を更に考慮することが望ましい。ちなみに、スレーブ相の閾値時間Twaitの設定手段は、先の図10のステップS16におけるマスタ相の閾値時間Twaitの設定手段と同一とすればよい。
そして、待機カウンタが閾値時間Twait以上となることで、ステップS58に移行する。
図13に、上記一連の処理によるモード1からモード3への移行を示す。
図14に、本実施形態の効果を示す。
図14(a)に示されるように、本実施形態では、スイッチング素子Sa1,Sd1やスイッチング素子Sb1,Sc1をオン状態に切り替えるに際し良好なソフトスイッチングを行なうことができ、サージの発生を抑制することができる。
これに対し、図14(b)に、コイルLを流れる電流が漸減してゼロとなったタイミングでスイッチング素子Sai,Sdiやスイッチング素子Sbi,Sciをオン状態に切り替える場合を示す。この場合、まず第1に電流がゼロとなったタイミングを遅延なく検出することが困難であるため、オン状態への実際の切り替えタイミングが電流がゼロとなるタイミングからずれることでゼロ電流スイッチング(ZCS)を行なうことが困難である。また、コイルLiを流れる電流がゼロとなることでダイオードDb,Dcや、ダイオードD1,Ddにリカバリ電流が流れることが、ゼロ電流スイッチングを行なうことをいっそう困難なものとする。特に本実施形態のようにスーパージャンクションMOSFETを用いる場合、リカバリ電流が大きくなるため、この問題は深刻である。このため、オン状態への切り替えに際してサージが大きくなり、また、スイッチング損失が増大する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)マスタ相の規定タイミング同士の時間間隔の計測結果に基づきスレーブ相の規定タイミングを設定した。これにより、スレーブ相の規定タイミングを、モデル予測誤差等を有することなく、高精度に設定することができる。
(2)チョッパ回路部CPのそれぞれのスイッチング素子のオン・オフ操作の一周期を、共振時間Tresの設定期間についての隣接する一対の期間のそれぞれの変極点となるタイミング間とした。このように、スイッチング素子をオフとすることで、コイルLiの電流をその符号が逆となるまで漸減させることで、その後スイッチング素子をオン状態に切り替える際のスイッチング素子の入力端子および出力端子間の電圧を低減させることができ、ひいてはスイッチング損失を低減させることができる。ただし、この場合、規定タイミング間の時間間隔T1が、モデル予測等によっては誤差が特に生じやすいものとなる。このため、時間間隔T1の計測結果を利用した制御の利用価値が特に大きい。
(3)共振時間Tresの設定期間についての隣接する一対の期間のそれぞれの変極点となるタイミング間の時間間隔T1を計測した。これにより、比較的簡素なハードウェアによって、隣接する一対の規定タイミング間の時間間隔を計測することができる。
(4)共振時間Tresの設定期間において変極点が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでスイッチング素子をオン状態へと切り替えた。これにより、オン状態への切り替えを電流値が所定値となるタイミングとする場合のように、検出速度が非常に高い電流検出手段を備える要求が生じない。
(5)変極点検出回路60を、チョッパ回路部CPのコイルLiの両端の電圧の反転を検出するものとした。これにより、変極点検出回路60を簡素に構成することができる。
(6)スレーブ相のオン時間ton(m)を操作することで、均等化処理を行った。これにより、オン状態への切り替えタイミングについてはソフトスイッチングの要請によって設定することができる。
(7)スイッチング素子Sa〜Sdとして、スーパージャンクションMOSFETを採用した。この場合、フリーホイールダイオードに順方向電流が流れた後、これがゼロとなる際に生じるリカバリ電流が特に大きくなるため、スイッチング素子をオン状態に切り替えるに先立ち、これに並列接続されるスナバコンデンサCsの電荷を十分に放電させることができる。
(8)目標タイミングTMとスレーブ相の実際のオン状態への切り替えタイミングT(m)との差に基づき、スレーブ相のオン時間ton(m)を補正した。これにより、目標タイミングからのずれを好適に低減することができる。
(9)複数個のチョッパ回路部CPのうちの特定のものをマスタ相として且つ、残りをスレーブ相とし、複数個のチョッパ回路部CPから該回路部およびコンデンサC間へと出力される電流の指令値(出力指令値iCc)に基づきマスタ相を操作し、スレーブ相については、マスタ相の操作に基づき操作した。これにより、出力指令値iCcへの制御と均等化処理との干渉を排除することができる。
(10)マスタ相の出力電流についての規定タイミングの周期(出力電圧の制御のためのオン・オフ操作の一周期)における平均値を、出力指令値iCcに基づき制御した。これにより、極力短いタイムスケールで出力電流を指令値に一致させることができる。
(11)チョッパ制御によって、マルチフェーズコンバータMCVおよび電動機10間に交流電流が流れるようにコンデンサCの電圧を制御した。これにより、規定タイミング間の間隔を大きく変動させることが望まれることとなるため、上記均等化処理の利用価値が特に高いものとなっている。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図15に、本実施形態にかかる均等化処理手法を示す。図示されるように、本実施形態では、第m相のスレーブ相のオフ状態への切り替えタイミングを、マスタ相のオフ状態への切り替えタイミングから所定時間「(m−1)T1/n」だけ経過したタイミングとする。
図16に、先の図15に示した態様にてなされる本実施形態にかかるスレーブ相のチョッパ制御の処理手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図16において、先の図12に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS52aにおいて、閾値時間の設定や待機カウンタの初期化の処理を行なう。一方、ステップS60,S62の処理が完了する場合、ステップS80において、先の図15に示したオフ状態への切り替えタイミングを示すフラグTofftrgが「1」であるか否かを判断し、「1」である場合、ステップS68に移行してスイッチング素子をオフ状態に切り替える。
図17に、フラグTofftrgを「0」または「1」に設定する処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS90において、第m相のスイッチング素子がオン状態であるか否かを判断する。そして、オン状態の場合、ステップS92においてマスタ相のスイッチング素子がオフ状態であるか否かを判断する。そして、マスタ相のスイッチング素子がオフ状態であると判断される場合、ステップS94においてマスタ相のスイッチング素子がオフ状態となってからの時間を計時するオフタイミングカウンタを初期化する。続くステップS96では、オフタイミングカウンタをインクリメントする。そして、ステップS98において、オフタイミングカウンタが所定時間「(m−1)T1/n」以上であるか否かを判断する。そしてステップS98において肯定判断される場合、ステップS100において、フラグTofftrgを「1」に設定する。これに対し、ステップS90、S92において否定判断される場合、フラグTofftrgを「0」に設定する。なお、ステップS100,S102の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(7)、(9)〜(11)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(12)マスタ相のスイッチング素子のオフ状態への切り替えタイミングから「(m−1)T1/n」が経過したタイミングをオフ状態への切り替えタイミングとした。これにより、均等化処理を簡易に行なうことができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
<フィードバック均等化手法について>
第m相の規定タイミングを、マスタ相の規定タイミングよりも時間間隔T1の「(m−1)/n」倍の値だけずらしたタイミングにフィードバック制御する手法としては、時間差Tdをゼロにフィードバック制御するものに限らない。例えば、マスタ相とスレーブ相とのそれぞれにおける反転タイミング同士の時間差を、直接「T1・(m−1)/n」にフィードバック制御してもよい。
<オン状態への切り替えの設定について>
スイッチング素子のオン状態への切り替えとしては、コイルLを流れる電流がゼロとなると想定されるタイミングに限らない。例えば、ゼロとなる以前における電流が所定値となるタイミングであってもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
<フィードバック均等化手法について>
第m相の規定タイミングを、マスタ相の規定タイミングよりも時間間隔T1の「(m−1)/n」倍の値だけずらしたタイミングにフィードバック制御する手法としては、時間差Tdをゼロにフィードバック制御するものに限らない。例えば、マスタ相とスレーブ相とのそれぞれにおける反転タイミング同士の時間差を、直接「T1・(m−1)/n」にフィードバック制御してもよい。
<オン状態への切り替えの設定について>
スイッチング素子のオン状態への切り替えとしては、コイルLを流れる電流がゼロとなると想定されるタイミングに限らない。例えば、ゼロとなる以前における電流が所定値となるタイミングであってもよい。
また、電流の変化速度の符号の反転タイミングから閾値時間Twaitが経過したタイミングを想定されるタイミングとするものにおいて、閾値時間Twaitを開ループ制御によって設定するものに限らない。例えば開ループ制御によって設定される閾値時間Twait経過時の電流値を検出し、この電流値をゼロにフィードバック制御すべく上記開ループ制御によって設定される閾値時間Twaitを補正してもよい。
<マスタ相のオン時間の設定処理について>
上記各実施形態では、マスタ相のスイッチング素子のオン時間ton(1)を上記の式(c5)、(c6)によって設定したがこれに限らない。例えば演算負荷を低減すべく、前回のオン時間ton(1)をオン時間ton0と定義して且つこれが今回のオン時間ton(1)に等しいと近似することで、上記の式(c4)の以下の近似式(c4´)を用いてもよい。
<マスタ相のオン時間の設定処理について>
上記各実施形態では、マスタ相のスイッチング素子のオン時間ton(1)を上記の式(c5)、(c6)によって設定したがこれに限らない。例えば演算負荷を低減すべく、前回のオン時間ton(1)をオン時間ton0と定義して且つこれが今回のオン時間ton(1)に等しいと近似することで、上記の式(c4)の以下の近似式(c4´)を用いてもよい。
Ip・t0/{2・(ton+t0+Tres)}
=ton・Vin・Vin/[2・L・Vout{ton+(Vin/Vout)ton+Tres・ton/ton0}] …(c4)
この場合、上記の式(c5)は、以下の式(c5´)として近似される。
=ton・Vin・Vin/[2・L・Vout{ton+(Vin/Vout)ton+Tres・ton/ton0}] …(c4)
この場合、上記の式(c5)は、以下の式(c5´)として近似される。
ton
=2LiCc{(Vin+Vout)+TresVout/ton0}/VinVin
…(c5´)
なお、式(c6)についても同様に近似することができる。
<ソフトスイッチング手法について>
ソフトスイッチングを行なうための手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば特開2009−213215号公報に記載されているように、コイルLiを流れる電流がゼロとなった後、符号が反転して電流が流れることを助長するように、マルチフェーズコンバータMCVの入力電圧および出力電圧のうちの一方を選択的にコイルLiに印加する処理を行ってもよい。すなわち例えば、先の図3(b)に示す処理と図3(a)に示す処理との間に、スイッチング素子Sb、Scをオン状態とする期間を設けてコイルLにコンデンサCの電圧を印加するようにしてもよい。
<電流の変化速度の符号の反転を検出する手段について>
変極点検出回路60の構成としては、一対のコンパレータ64,66を備えるものに限らず、そのうちの一方のみを備えるものであってもよい。
<そのほか>
・上記各実施形態では、マスタ相の出力電流が「iCc/n」となるようにオン時間ton(1)を設定したがこれに限らない。ここで、上記第1の実施形態では、出力指令値iCcの変化に応じてマスタ相のコイルL1の電流の増減周期(規定タイミングの周期)が変化する場合、スレーブ相のチョッパ回路部CPの出力する電流が出力指令値iCcの「1/n」に一致しなくなる。このため、チョッパ回路部CPの数が多いほど、出力電流の制御性が低下することが懸念される。こうした観点から、出力指令値iCcの変化量に基づき、マスタ相のオン時間ton(1)を設定してもよい。すなわち、出力指令値iCcが変化する場合には、その変化量に応じて、マスタ相の周期が変化した場合に均等化処理によってスレーブ相の周期が変化することを見越して、これらマスタ相およびスレーブ相の出力電流の変化が出力指令値iCcの変化に等しくなるように、マスタ相のオン時間ton(1)を設定することも有益である。
=2LiCc{(Vin+Vout)+TresVout/ton0}/VinVin
…(c5´)
なお、式(c6)についても同様に近似することができる。
<ソフトスイッチング手法について>
ソフトスイッチングを行なうための手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば特開2009−213215号公報に記載されているように、コイルLiを流れる電流がゼロとなった後、符号が反転して電流が流れることを助長するように、マルチフェーズコンバータMCVの入力電圧および出力電圧のうちの一方を選択的にコイルLiに印加する処理を行ってもよい。すなわち例えば、先の図3(b)に示す処理と図3(a)に示す処理との間に、スイッチング素子Sb、Scをオン状態とする期間を設けてコイルLにコンデンサCの電圧を印加するようにしてもよい。
<電流の変化速度の符号の反転を検出する手段について>
変極点検出回路60の構成としては、一対のコンパレータ64,66を備えるものに限らず、そのうちの一方のみを備えるものであってもよい。
<そのほか>
・上記各実施形態では、マスタ相の出力電流が「iCc/n」となるようにオン時間ton(1)を設定したがこれに限らない。ここで、上記第1の実施形態では、出力指令値iCcの変化に応じてマスタ相のコイルL1の電流の増減周期(規定タイミングの周期)が変化する場合、スレーブ相のチョッパ回路部CPの出力する電流が出力指令値iCcの「1/n」に一致しなくなる。このため、チョッパ回路部CPの数が多いほど、出力電流の制御性が低下することが懸念される。こうした観点から、出力指令値iCcの変化量に基づき、マスタ相のオン時間ton(1)を設定してもよい。すなわち、出力指令値iCcが変化する場合には、その変化量に応じて、マスタ相の周期が変化した場合に均等化処理によってスレーブ相の周期が変化することを見越して、これらマスタ相およびスレーブ相の出力電流の変化が出力指令値iCcの変化に等しくなるように、マスタ相のオン時間ton(1)を設定することも有益である。
・上記各実施形態では、予めマスタ相を定義したがこれに限らない。例えば、各チョッパ回路部CPを出力指令値iCcに基づき操作する際に均等なタイミングとのずれが所定以上となると判断される場合、その判断されたタイミングにおいてオン時間を設定するチョッパ回路部CPの直前にオン時間が設定されているチョッパ回路部CPをマスタ相と定義し、以後、ずれが所定未満に回復するまで残りのチョッパ回路部CPをスレーブ化してもよい。
・出力電圧Voutのフィードバック制御手法としては、上記比例制御に限らない。例えば、比例積分制御や、比例積分微分制御等であってもよい。
・電動機10に対する指令電圧に基づく出力指令値iCcの算出手法としては、上記指令電圧Vcと出力電圧Voutとの差に基づくものに限らない。例えば、指令電圧Vcの変化量がコンデンサCに要求される電荷量と相関を有することに鑑み、この変化量に基づき算出してもよい。この場合であっても、現在の相電流iMu,iMv,iMwを加味するなら、電動機10の制御に際して力率を可変とする場合であっても、出力指令値iCcを適切に算出することができる。また、こうした開ループ制御としては、他にも例えば、現在の出力電流Ioutや、過去の出力指令値iCc等と、コンデンサCの容量とに基づき、コンデンサCの電圧を算出しつつ、これが指令電圧Vcとなるようにフィードフォワード制御を行ってもよい。更に、フィードフォワード制御と、これをフィードバック補正するフィードバック制御とを併せ用いてもよい。
・指令電圧Vcに基づき上記出力指令値iCcを算出する電流指令値算出手段としては、電動機10の各相を流れる電流を直接のパラメータとするものに限らない。例えば、力率を固定する制御を行うなら、指令電圧Vcに電動機10を流れる電流の位相情報が含まれるため、電動機10を流れる電流を直接の入力パラメータとすることなく、指令電圧Vcに基づき出力指令値iCcを算出することもできる。
・非絶縁型コンバータとしては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば図18に示すブーストコンバータであってもよい。ここでは、バッテリ12に並列接続されるスイッチング素子Sai,Sbiの直列接続体と、直列接続体の接続点をコンデンサCに接続するコイルLiと、スイッチング素子Sai,Sbiに並列接続されるダイオードDai,Dbiとを備えるチョッパ回路部CPをn(≧2)個備えるものを例示している。また例えば図19に示す昇圧コンバータであってもよい。ここでは、コンデンサCに並列接続されるスイッチング素子Sai,Sbiの直列接続体と、直列接続体の接続点をバッテリ12に接続するコイルLiと、スイッチング素子Sai,Sbiに並列接続されるダイオードDai,Dbiとを備えるチョッパ回路部CPをn(≧2)個備えるものを例示している。また、図20に示すバックブーストコンバータであってもよい。ここでは、バッテリ12の正極およびコンデンサCの一方の電力間を接続するスイッチング素子Sai,Sbiの直列接続体と、これらの接続点をバッテリ12の負極およびコンデンサCの他方の電極間に接続するコイルLiと、スイッチング素子に並列接続されるダイオードDai,Dbiとを備えるチョッパ回路部CPをn(≧2)個備えるものを例示している。
・PCとしては、電動機10の各相に接続される非絶縁型コンバータを備えるものに限らない。例えば、絶縁型のコンバータを備えるものであってもよい。
・回転機としては、3相電動機に限らず、例えば単相電動機や5相電動機であってもよい。また、電動機に限らず、発電機であってもよい。
・電力変換回路としては、回転機の端子に接続されるものに限らない。例えば、交流信号を出力する無停電電源装置(UPS)に搭載されるものであってもよい。また、交流信号を出力するものにも限らず、例えば車載回転機に接続されるインバータと高圧バッテリとの間に接続されるDCDCコンバータであってもよい。
10…電動機、12…バッテリ、14…PC、20…制御装置(電力変換回路の制御装置の一実施形態)、60…変極点検出回路(反転検出手段の一実施形態)、MCV…マルチフェーズコンバータ、CP…チョッパ回路部。
Claims (14)
- チョッパ制御によりチョッパ回路部のコイルを流れる電流を増減させつつ蓄電手段の電圧を入力電圧に対して所望に変換して且つ、前記チョッパ回路部を複数個備える電力変換回路について、前記コイルを流れる電流の値およびその変化の符号によって規定される規定タイミングを前記複数個のチョッパ回路部で互いにずらすようにスイッチング素子を操作することで、前記蓄電手段の電圧を制御する電力変換回路の制御装置において、
前記複数個のチョッパ回路部のうちの所定のチョッパ回路部における隣接する前記一対の規定タイミング間の時間間隔を計測する計測手段と、
前記所定のチョッパ回路部における規定タイミングと別のチョッパ回路部における規定タイミングとの時間差を、前記計測手段によって計測された時間間隔未満であって且つ前記計測された時間間隔を前記複数個で除算した値の整数倍の時間間隔に制御すべく、前記別のチョッパ回路部のスイッチング素子を操作する操作手段とを備えることを特徴とする電力変換回路の制御装置。 - 前記チョッパ制御における前記チョッパ回路部のそれぞれのスイッチング素子のオン・オフ操作の一周期は、前記スイッチング素子をオン状態とすることで前記コイルの電流の絶対値を漸増させた後、前記スイッチング素子をオフ状態とすることで前記コイルの電流を漸減させて前記オン状態における前記電流とは符号が逆であって且つ前記オン状態におけるその最大値よりも絶対値が小さい電流を流すことによって前記コイルを流れる電流の符号が1度ずつ正および負となる期間であることを特徴とする請求項1記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記計測手段は、前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が負から正に反転するタイミングを検出する手段を備え、隣接する一対の前記反転するタイミング間の時間間隔を計測するものであることを特徴とする請求項2記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が負から正に反転するタイミングを検出する反転検出手段を備え、
前記所定のチョッパ回路部および前記別のチョッパ回路部の前記スイッチング素子のオン状態への切り替えは、該当するチョッパ回路部についての前記反転検出手段によって反転が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでなされることを特徴とする請求項3記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記反転検出手段は、前記チョッパ回路部のコイルの両端の電圧の反転を検出するものであることを特徴とする請求項4記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記操作手段は、前記別のチョッパ回路部における前記コイルを流れる電流の絶対値をオン操作によって増加させるスイッチング素子についてのオン操作の継続時間を操作することで、前記所定のチョッパ回路部における規定タイミングと別のチョッパ回路部の規定タイミングとの実際の時間差を制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記チョッパ回路部は、前記スイッチング素子がオフ状態とされることで前記コイルの電流が漸減する期間において前記コイルとともに閉ループ回路を構成するフリーホイールダイオードを備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記コイルを流れる電流の符号が前記漸増させる期間のものとは逆となる期間において、前記チョッパ回路部の前記コイルを流れる電流についての前記漸増させる期間における変化速度の符号を正と定義した場合についての前記符号が負から正に反転するタイミングを検出する反転検出手段を備え、
前記別のチョッパ回路部の前記スイッチング素子のオン状態への切り替えは、該当するチョッパ回路部についての前記反転検出手段によって反転が検出されるタイミングから所定の長さを有する時間が経過することでなされ、
前記操作手段は、前記所定のチョッパ回路部におけるオン状態への切り替えタイミングから前記整数倍の時間間隔だけ経過したタイミングを前記別のチョッパ回路部のオン状態への切り替えの目標タイミングとして且つ、該目標タイミングと実際の切り替えタイミングとの差に基づき、前記所定のチョッパ回路部において前記絶対値を漸増させるためのスイッチング素子のオン操作時間を補正したものを前記別のスイッチング素子のオン操作時間として設定することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記操作手段は、前記所定のチョッパ回路部における前記スイッチング素子のオフ状態への切り替えタイミングから前記整数倍の時間間隔が経過するタイミングを前記別のチョッパ回路部における前記オフ状態への切り替えタイミングとすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記複数個のチョッパ回路部のうちの特定のものをマスタ回路部として且つ、残りをスレーブ回路部とし、
前記複数個のチョッパ回路部の出力電流の指令値を算出する算出手段と、
前記マスタ回路部のスイッチング素子を、前記指令値に基づき操作するマスタ操作手段とを更に備え、
前記操作手段は、スレーブ回路部のスイッチング素子を操作することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記所定のチョッパ回路部が、前記マスタ回路部であることを特徴とする請求項10記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記マスタ操作手段は、前記マスタ回路部の出力電流についての前記一対の規定タイミング間の時間間隔における平均値を、前記指令値に基づき制御することを特徴とする請求項10または11記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記チョッパ制御によって、前記電力変換回路およびこれに接続される負荷間に交流電流を流すべく前記蓄電手段の電圧が制御されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記蓄電手段の電圧は、回転機の端子に印加されることを特徴とする請求項13記載の電力変換回路の制御装置。
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