以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明をその都度繰返すことはしない。
[画像形成装置150]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置150の外観構成を示す斜視図である。図2は、画像形成装置150の内部構成を簡略化して示す図である。図1及び図2を参照して、画像形成装置150は、画像読取部151、画像形成部154、給紙部156、及び、排紙処理装置158を備える。画像読取部151は、自動原稿搬送装置152を備える。
画像形成装置150の上部に設けられる画像読取部151には、例えば、自動原稿搬送装置152を使用できない本等の厚手の原稿を載置するための透明ガラスからなる原稿台153が設けられる。原稿台153の下方には、露光用ランプ及びレンズ等の光学系、並びに、CCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ等を含むスキャナユニット155が設けられる。原稿台153の上方には、自動原稿搬送装置152が取り付けられる。自動原稿搬送装置152は、原稿台153上の所定の原稿読取部290の位置に原稿を自動で搬送する。図1に示すように、自動原稿搬送装置152は斜め上方へ回動自在に構成され、原稿台153の上方を開放することによって、ユーザが原稿を原稿台153上に手動で載置できるようになっている。自動原稿搬送装置152の開閉は、自動原稿搬送装置152の内部に設けられる開閉検知センサ(図示せず。)によって検知され、検知結果は後述する制御部310(図6参照)に対して出力される。自動原稿搬送装置152の詳細については後述する。
以下、印刷処理時における動作説明を行なうことによって、画像形成装置150の内部構成の説明とする。
画像形成装置150において、原稿台153に載置された原稿の画像、又は、自動原稿搬送装置152によって自動搬送された原稿の画像は、画像読取部151のスキャナユニット155によって画像データとして読取られる。読取られた画像データは、図6に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU(Central Processing Unit)300に入力され、ここ(又は画像処理部320)で各種の画像処理が施された後、画像形成部154に対して出力される。上記したように、原稿の画像が読取られる場合には、原稿台153に載置された原稿が静止した状態で読取られる場合(以下「原稿台153からのスキャン動作」と記す場合がある。)と、自動原稿搬送装置152によって自動搬送される原稿が搬送途中で読取られる場合(以下「自動原稿搬送装置152によるスキャン動作」と記す場合がある。)と、がある。
画像形成部154は、画像データに基づいて原稿の画像を記録用紙に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、及び、図示しない除電装置等を備える。
画像形成部154には、主搬送路236及び反転搬送路238が設けられ、給紙部156から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部156は、用紙カセット240に収納された記録用紙、又は、手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して画像形成部154の主搬送路236へと送り出す。
画像形成部154の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中、すなわち、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、更に定着装置234を通過する際に、記録用紙に対する原稿画像の印刷が行なわれる。
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、加圧ローラ250によって加圧される。これによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234から送出される記録用紙が排紙トレイ246又は排紙処理装置158の方へと導かれる。
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過し、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送される。記録用紙は、主搬送路236における再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246又は排紙処理装置158の方へと導かれる。
上記のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246又は排紙処理装置158の方へと導かれて排紙トレイ246に排出される、又は、排紙処理装置158の各排紙トレイ168のいずれかに排出される。
排紙処理装置158では、複数の記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、及び、各記録用紙にステープルする処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ168に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ168に仕分けして排出し、排紙トレイ168ごとに、排紙トレイ168上の各記録用紙にパンチング処理又はステープル処理を施して印刷物を作成する。
[自動原稿搬送装置152]
<自動原稿搬送装置152の構成>
図3は、画像形成装置150の画像読取部151における自動原稿搬送装置152の内部構成を簡略化して示す図である。図3を参照して、自動原稿搬送装置152は、原稿(1枚であっても2枚以上の原稿束であっても構わない。)を載置(セット)するための原稿トレイ252と、原稿トレイ252上の原稿の有無を検出するための原稿有無センサ253と、原稿トレイ252上の原稿の搬送方向の長さを検知するための原稿長さ検知センサ254,255と、駆動ローラであるピックアップローラ256と、2枚以上の原稿束から原稿を1枚ずつ分離する駆動ローラである給紙ローラ257及びこれと対をなすセパレーションローラ258と、を備える。ピックアップローラ256は、給紙時には原稿に接する位置まで下降し、給紙時以外においては上昇して待機する。
自動原稿搬送装置152は、さらに、第1搬送路259に設けられる、原稿を第1搬送路259に沿って搬送するために駆動されるターンコロ260と、給紙ローラ257から送り出された原稿を検知するとともに、ランダム給紙時等において、原稿の原稿搬送方向の長さを検知するための原稿搬送センサ261と、PS(Paper Stop)ローラ262(及びこれと対をなすPS従動ローラ263)と、PSローラ262の原稿搬送方向手前の原稿を検知する原稿搬送センサ264と、を備える。ここで、ランダム給紙時とは、原稿トレイ252に、異なるサイズの原稿が混ぜてセットされた場合を示す。
自動原稿搬送装置152は、さらに、第2搬送路265に設けられる、駆動ローラである読取前ローラ266(及びこれと対をなす搬送従動ローラ267)と、読取前ローラ266の原稿搬送方向手前の原稿、すなわち、原稿読取部290の手前にある原稿を検知する原稿搬送センサ268と、原稿読取部290の位置に設けられるプラテンローラ269と、原稿読取部290の位置から原稿を排出する駆動ローラである読取後ローラ270(及びこれと対をなす搬送従動ローラ271)と、原稿読取部290の位置から排出され、反転ゲート280,281の原稿搬送方向手前にある原稿を検知する原稿搬送センサ272と、自動原稿搬送装置152から排出された原稿が載置される原稿出紙トレイ273と、原稿出紙トレイ273に原稿を排出するための駆動ローラである排紙ローラ274(及びこれと対をなす排紙従動ローラ275)と、を備える。
自動原稿搬送装置152は、さらに、両面原稿の第1面が読取られた後に、その裏面である第2面を読取るために原稿を表裏反転させて原稿読取部290の位置まで搬送する反転搬送路276を備える。
自動原稿搬送装置152は、さらに、両面原稿の反転時に自動原稿搬送装置152から一時的に排出される原稿を載置する原稿反転トレイ277と、原稿反転トレイ277に原稿を一時的に排出するための駆動ローラである一時排紙ローラ278(及びこれと対をなす搬送従動ローラ279)と、原稿の排出先が原稿出紙トレイ273及び原稿反転トレイ277のいずれかになるように制御する反転ゲート280,281と、を備える。
自動原稿搬送装置152は、さらに、反転搬送路276に設けられる、駆動ローラであるパス部搬送ローラ282(及びこれと対をなす搬送従動ローラ283)と、反転された原稿を検知するための原稿搬送センサ284と、を備える。
このように、第1搬送路259は、原稿トレイ252からPSローラ262の手前まであり、第2搬送路265は、PSローラ262から排紙ローラ274の手前までであり、反転搬送路276は、一時排紙ローラ278の手前からPSローラ262の手前までである。
自動原稿搬送装置152は、上述した構成により、原稿トレイ252にセットされた原稿を、画像読取部151の原稿読取部290の位置まで自動で搬送して、原稿出紙トレイ273へ排出する。なお、図3に示す自動原稿搬送装置152における、各ローラの配置及びその駆動形態(駆動ローラと従動ローラとの組合せ)は一例であって、本発明がこのような自動原稿搬送装置152に限定されるものではない。また、自動原稿搬送装置152は、反転搬送路276を備えないものであってもよい。
<原稿トレイ252上の原稿のサイズの検知>
図4は、自動原稿搬送装置152の上面図である。自動原稿搬送装置152においては、原稿トレイ252上に原稿がセットされた際に、原稿のサイズが検知される。図4を参照して、原稿トレイ252上には、上記した原稿長さ検知センサ254,255と、原稿ガイド285A,285Bと、原稿幅検知センサ286と、原稿給紙部カバー287と、が設けられる。
原稿長さセンサ254,255は、原稿有無センサ253側から原稿の搬送方向に沿ってこの順に並んで設けられる。原稿長さセンサ254,255はその上に何もない場合にはOFFの状態であり、その上に原稿がセットされた場合にはONの状態になる。
原稿ガイド285A,285Bは、原稿トレイ252にセットされた原稿を、幅方向(原稿の搬送方向に対して垂直な方向)両側から挟むようにスライド可能に設けられる。すなわち、原稿ガイド285A,285Bは、セットされた原稿の幅方向のサイズに合わせて、スライド調整される。原稿ガイド285A,285Bは、また、原稿が正常に搬送方向に搬送されるように原稿を導く役割を果たす。
原稿幅検知センサ286は、原稿の幅方向における、原稿ガイド285A,285Bの離間距離を検知することで、原稿幅を検知する可変抵抗器(ボリューム)である。
原稿給紙部カバー287は、原稿有無センサ253及び給紙ローラ257等の上方に、開閉可能に設けられるカバー部材である。原稿給紙部カバー287は、原稿の紙詰まりに対する処置を行なう場合、及び、給紙ローラ257を清掃する場合等にユーザよって開放される。原稿給紙部カバー287の開閉は、原稿給紙部カバー287の下方に設けられるカバースイッチ(図示せず。)によって検知され、検知結果は制御部310(図6参照)に対して出力される。
原稿長さセンサ254,255及び原稿幅検知センサ286(以下これらの組合せを「原稿サイズ情報センサ」と記す場合がある。)は、原稿トレイ252上にセットされた原稿の長さ及び幅をそれぞれ検知すると、検知結果を示す原稿長さ検知信号及び原稿幅検知信号を、制御部310に対してそれぞれ出力する。制御部310は、原稿サイズ情報センサの検知結果及び後述する原稿サイズ検知テーブルに基づいて、原稿サイズを決定する。
なお、原稿トレイ252に異なるサイズの原稿が混ぜてセットされた場合(ランダム給紙時)には、原稿サイズ情報センサによって、最大サイズの原稿のサイズのみが検知される。この場合、原稿サイズ情報センサによる検知のみでは、原稿サイズの検知を正確に行なうことはできない。したがって、原稿搬送センサ261においても、原稿サイズの検知が行なわれる。すなわち、原稿搬送センサ261は、搬送途中の原稿の先端及び後端を検知することで原稿の搬送方向の長さを検知し、検知結果を含む信号を、制御部310に対して出力する。制御部310は、原稿搬送センサ261から入力される信号及び給紙ローラ257等を駆動するステッピングモータのステップ数等に基づいて、原稿の搬送方向の長さを測定する。
[原稿サイズ検知テーブル]
図5は、原稿サイズ検知テーブルの一例を示す図である。図5(A)及び図5(B)を参照して、原稿サイズ検知テーブルは、後述するHDD(Hard Disk Drive)302又はROM(Read Only Memory)306(図6参照)等の不揮発性記憶デバイスに記憶されるテーブルである。上記したように、原稿トレイ252上にセットされた原稿のサイズは、制御部310が、原稿サイズ情報センサの検知結果を基に、この原稿サイズ検知テーブルを用いて決定する。図5(A)には、INCH系サイズに対応するテーブルを示し、図5(B)には、日本工業規格(JIS)によって規定されるAB系サイズに対応するテーブルを示す。
操作装置166に対するユーザの入力操作によって、原稿サイズとしてINCH系サイズを使用することを要求する指示がなされた場合、制御部310は、図5(A)に示す原稿サイズ検知テーブルを使用して原稿サイズを決定する。例えば、原稿幅検知センサ286による検知結果が247.0mm未満であって、かつ、原稿長さセンサ(図中、単に「センサ」と記す。)254,255が両方ともOFFである場合、原稿は、5.5インチ×8.5インチの請求書(Invoice)サイズであると決定される。原稿幅検知センサ286による検知結果が247.0mm未満であって、かつ、原稿長さセンサ254のみがONである場合、原稿は、8.5インチ×11インチのレター(Letter)サイズであると決定される。原稿幅検知センサ286による検知結果が247.0mm未満であって、かつ、原稿長さセンサ254,255が両方ともON、又は、原稿長さセンサ255のみがON(原稿が正常に載置されていれば、通常はあり得ない状態)である場合には、原稿は、予め設定された所定の設定にしたがって、8.5×14インチのLegalサイズ、8.5インチ×13インチのFoolscapサイズ、8.5インチ×13.4インチのMexican−Legalサイズ、及び、8.5インチ×13.5インチのAsian−Legalサイズのいずれかのサイズであると決定される。
操作装置166に対するユーザの入力操作によって、原稿サイズとしてAB系サイズを使用することを要求する指示がなされた場合、制御部310は、図5(B)に示す原稿サイズ検知テーブルを使用して原稿サイズを決定する。例えば、原稿幅検知センサ286による検知結果が288.0mm以上であって、かつ、原稿長さセンサ254,255が両方ともOFFである場合、原稿はA4サイズであると決定される。原稿幅検知センサ286による検知結果が288.0mm以上であって、かつ、原稿長さセンサ254のみがON、原稿長さセンサ254,255が両方ともON、又は、原稿長さセンサ255のみがON(原稿が正常に載置されていれば、通常はあり得ない状態)である場合、原稿は、A3サイズであると決定される。
[ハードウェア構成]
図6は、画像形成装置150のハードウェア構成を示すブロック図である。図6を参照して、画像形成装置150は、画像形成処理に関する各機能の設定が可能な操作装置166と、CPU300を主たる構成とする制御部310と、画像読取部(スキャナ部)151と、画像処理部320と、画像記憶部330と、画像形成部154と、光学センサ部340(例えば、原稿有無センサ253、原稿搬送センサ261,264,268,272,284、及び、原稿長さ検知センサ254,255が光学的に原稿を検出する場合には、これらのセンサが該当する。)と、モータ用のドライバ350,352と、ドライバ350に接続されるプラテン原稿走査部駆動モータ360と、ドライバ352に接続されるピックアップローラ上下動移動モータ362及び原稿搬送ローラ駆動モータ364と、を含む。
原稿搬送ローラ駆動モータ364は、ターンコロ260、PSローラ262、読取前ローラ266、プラテンローラ269及び読取後ローラ270等の駆動ローラを回転させる。上述したように、原稿搬送ローラ駆動モータ364としては、例えばステッピングモータが用いられる。
制御部310は、CPU300に加えて、例えば、通電が遮断された場合であってもコンピュータプログラム(以下単に「プログラム」と記す場合がある。)及びデータ等を記憶可能な不揮発性記憶デバイスであるHDD302と、入出力インターフェイスであるI/O(Input/Output)304と、プログラム等を記憶するためのROM306と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308と、をさらに含む。CPU300、HDD302、I/O304、ROM306及びRAM308は、図示しないバスで接続される。
ROM306には、画像形成装置150の一般的な動作を制御するのに必要なプログラム及びデータ等とともに、後述する原稿有無判断処理を実現するためのプログラムが記憶される。CPU300は、ROM306に格納されているプログラム及びデータに従って、画像形成装置150の各機能に関する制御を実行する。
RAM308は、CPU300による演算及び処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
画像読取部151、画像形成部154、操作装置166の板状の操作パネル170及び表示パネル172、並びに、ROM306、HDD302及びRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。
操作装置166は、操作装置166の表面の右側の領域に配置される、テンキー及びその他の種々の操作ボタンであるハードウェアボタンが備えられる板状の操作パネル170と、操作装置166の中央部から左側の領域に配置される、小型のタッチパネル一体型液晶表示装置から構成される表示パネル172と、を含む。操作パネル170と表示パネル172とは一つの筐体に保持され、全体として一体となるように構成される。操作パネル170には、スキャン処理を含む印刷処理の開始を要求するためのスタートキーが設けられる。
表示パネル172には、画像形成装置150の状態(例えば、原稿トレイ252上の原稿の有無状態)、ジョブの処理状況、並びに、消耗部品の交換及びメンテナンス作業の要請を促すメッセージ等が表示される。表示パネル172の液晶表示装置の表示領域上には選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネルがその押された位置を検出する。プログラム上で選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合することにより、画像形成装置150の機能設定及び動作指示等が行なわれる。
なお、図6に示すように、画像処理部320と外部機器390とは画像データバス370によって接続され、制御部310と外部機器390とは通信ライン380によって接続される。この図6に示すブロック図は一例であって、本発明はこのようなブロック図に限定されるものではない。
[コピー設定画面600]
図7は、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600の一例を示す図である。図7(A)及び図7(B)を参照して、コピー設定画面600は、原稿トレイ252上の原稿の有無状態を表示する原稿有無表示領域602と、原稿トレイ252上にセットされた原稿のサイズを表示する原稿サイズ表示領域604と、を含む。原稿トレイ252上に原稿がセットされていない場合(原稿無し状態の場合)には、原稿有無表示領域602及び原稿サイズ表示領域604には何も表示されない(図7(A)参照)。一方、原稿トレイ252上に原稿がセットされた場合(原稿有り状態の場合)には、原稿有無表示領域602には原稿が有る状態であることを示すマーク(以下「原稿有りマーク」と記す。)606が表示され、原稿サイズ表示領域604には原稿サイズを示すマーク(以下「原稿サイズマーク」と記す。)608が表示される(図7(B)参照)。
[ソフトウェア構成]
原稿トレイ252上に原稿がセットされる前、又は、スタートキーが押下される前には、ユーザによって、原稿ガイド285A,285Bのスライド調整が行なわれる可能性が高い。また、原稿トレイ252上に原稿をセットするとき、原稿有無センサ253がONになるより先に、原稿長さセンサ254,255がONになる可能性が高い。以下、これらの特性を利用して、ユーザが意図しない原稿のスキャン動作が行なわれることを確実に防止するためのプログラムの制御構造について説明する。
図8は、原稿有無判断処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。上記したようにROM306に記憶されるプログラムは、原稿有無判断処理を実行するようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部310を実質的に構成するCPU300を含むコンピュータが、上記プログラムに従って、画像形成装置150の各部の動作を制御することによって、ハードウェアとプログラムとの協働により実現する各機能によって実行される。
原稿有無判断処理を実現するためのプログラムは、ユーザによって画像形成装置150の電源が投入されることによって起動される。図8を参照して、このプログラムは、計測タイマをONにして時間計測を開始するステップS101と、原稿サイズ情報センサから、少なくとも原稿長さ検知信号又は原稿幅検知信号が入力されたか否かを判定するステップS102と、ステップS102にて、少なくとも原稿長さ検知信号又は原稿幅検知信号が入力されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、入力された信号から検知結果を取得するとともに計測タイマから現在時刻を取得し、取得した検知結果及び現在時刻を含むデータ(以下「原稿サイズ情報センサデータ」と記す。)をHDD302に保存するステップS103と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS102にて、少なくとも原稿長さ検知信号又は原稿幅検知信号が入力されていないと判定された場合(NOの場合)、又は、ステップS103の処理後に実行され、スタートキーが押下されたか否かを判定するステップS104を含む。ステップS104にて、スタートキーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)、制御はステップS102に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS104にて、スタートキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、原稿有り状態であるか否かを判定するステップS105と、ステップS105にて、原稿有り状態ではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、予め定める過去規定時間内にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがあるか否かを判定するステップS106と、を含む。
このプログラムはさらに、ステップS106にて、予め定める過去規定時間内にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、待機タイマを予め定める所定時間にセットしてスタートさせるステップS107と、待機タイマがアップしたか否かを判定するステップS108と、ステップS108にて、待機タイマがアップしていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、原稿有り状態であるか否かを判定するステップS109と、を含む。ステップS109にて、原稿有り状態ではないと判定された場合(NOの場合)、制御はステップS108に戻る。
このプログラムはさらに、ステップS105又はステップS109にて、原稿有り状態であると判定された場合(YESの場合)に実行され、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始させるステップS110を含む。
このプログラムはさらに、ステップS106にて、予め定める過去規定時間内にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがないと判定された場合(NOの場合)、又は、ステップS108にて、待機タイマがアップしたと判定された場合(YESの場合)に実行され、原稿台153からのスキャン動作を開始させるステップS111を含む。
[スキャン処理時の動作]
図9は、ユーザが原稿のセットを開始してから完了するまでの様子を示す図である。
図1〜図9を参照して、自動原稿搬送装置152を備える画像形成装置150は、スキャン処理を含む印刷処理時において以下のように動作する。なお、以下に示す動作を除く、画像形成装置150の一般的な動作は、従来の画像形成装置の動作と同じである。
ユーザによって、画像形成装置150の電源が投入されると、制御部310は、計測タイマをONにして時間計測を開始する(S101)。このとき、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600には、原稿有りマーク606及び原稿サイズマーク608は表示されていない(図7(A)参照)。
図9(A)を参照して、ユーザは、まず、原稿ガイド285A,285Bを原稿900の幅に合わせてスライド調整する。この調整に応答して、原稿幅検知センサ286は、原稿ガイド285A,285Bの離間距離を検知することで原稿幅を検知し、原稿幅検知信号を制御部310に対して出力する。制御部310は、原稿幅検知センサ286から原稿幅検知信号が入力されたと判定し(S102にてYES)、原稿サイズ情報センサデータを取得するとともに、HDD302に保存する(S103)。
原稿ガイド285A,285Bの調整後、ユーザは、原稿トレイ252に対し原稿900のセットを開始する。原稿900は、原稿有無センサ253に到達する前に、原稿長さ検知センサ254,255の上を通過する。原稿長さ検知センサ254,255は、原稿900がその上を通過する際に原稿900を検知してONとなり、原稿長さ検知信号を制御部310に対してそれぞれ出力する。制御部310は、原稿長さ検知センサ254,255それぞれから原稿長さ検知信号が入力されたと判定し(S102にてYES)、原稿サイズ情報センサデータを取得するとともに、HDD302に保存する(S103)。
ユーザは、原稿900をセットする途中で、すなわち、原稿900が原稿有無センサ253に到達する前に、スタートキーを押下する。本実施の形態においては、ユーザが、原稿ガイド285A,285Bの調整を行なってからスタートキーを押下するまでに2秒かかったものとする。
制御部310は、スタートキーが押下されたと判定し(S104にてYES)、原稿有り状態であるか否かを判定する(S105)。このとき、原稿有無センサ253はOFFであり、原稿サイズも確定されていないので、制御部310は、原稿有り状態ではないと判定し(S105にてNO)、予め定める過去規定時間内(本実施の形態ではスタートキーが押下された時点から遡って3秒以内)に、HDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがあるか否かを判定する(S106)。HDD302には、スタートキーが押下された時点から遡って2秒以内に保存された原稿サイズ情報センサデータが存在するので、制御部310は、予め定める過去規定時間内(3秒以内)にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがある(S106にてYES)、すなわち、ユーザは原稿トレイ252に原稿900をセットする可能性が高い、と判断し、待機タイマを予め定める所定時間(本実施の形態では1秒)にセットしてスタートさせる(S107)。
図9(B)を参照して、ユーザは、スタートキーの押下後1秒以内に、原稿900を正しくセットする。このとき、原稿有無センサ253は、原稿900を検知してONになる。原稿有無センサ253がONになったことに応答して、原稿幅検知センサ286及び原稿長さ検知センサ254,255は、この時点の原稿の幅及び長さを検知し、原稿幅検知信号及び原稿長さ検知信号を制御部310に対して出力する。制御部310は、入力された検知信号及び原稿サイズ検知テーブルに基づいて原稿サイズを確定し、確定した情報(以下「原稿サイズ情報」と記す。)をHDD302に記憶する。制御部310は、原稿サイズを確定した時点で、自動原稿搬送装置152は原稿有り状態であると判断し、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600に対し、原稿有りマーク606及び原稿サイズマーク608を表示させる(図7(B)参照)。
制御部310は、また、待機タイマがアップしていないと判定し(S108にてNO)、かつ、原稿有り状態であると判定すると(S109にてYES)、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始させる(S110)。すなわち、自動原稿搬送装置152は、原稿トレイ252にセットされた原稿900を、画像読取部151の原稿読取部290の位置まで自動で搬送して、原稿出紙トレイ273へ排出する。原稿900の画像は、原稿読取部290の位置にて画像読取部151のスキャナユニット155によって画像データとして読取られる。その後、上記した画像形成装置150の各部の動作によって、画像データに基づく画像が記録用紙上に印刷される。
なお、ユーザが原稿台153からのスキャン動作を所望する場合には、原稿トレイ252には原稿900がセットされないので、原稿サイズ情報センサ及び制御部310による原稿サイズ情報センサデータの取得及び保存は行なわれない。したがって、制御部310は、スタートキーが押下されたと判定した後(S104にてYES)、原稿有り状態ではないと判定するとともに(S105にてNO)、予め定める過去規定時間内(本実施の形態では3秒以内)に、HDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがないと判定し(S106にてNO)、予め定める所定時間待機することなく、原稿台153からのスキャン動作を開始する(S111)。また、例えば、ユーザが原稿900を正しくセットしておらず、原稿無し状態のまま待機タイマがアップしたと判定された場合には(S108にてYES)、原稿台153からのスキャン動作が実行される(S111)。
また、原稿有無センサ253がONである間は、原稿サイズ情報センサ及び制御部310は、予め定める所定期間毎に、上記と同様にして原稿サイズの検知及び確定を行ない、HDD302に記憶される原稿サイズ情報を更新する。また、原稿有無センサ253がONからOFFに変わった場合、制御部310は、自動原稿搬送装置152は原稿無し状態であると判断し、原稿有りマーク606及び原稿サイズマーク608の表示を終了させる。
このように、自動原稿搬送装置152は、原稿無し状態において、ユーザが原稿トレイ252に原稿900をセットする可能性が高いと判断した場合に、予め定める所定時間の間、原稿台153からのスキャン動作を開始せず、原稿有り状態への変化を待つ。したがって、例えば、原稿をセットする途中の状態であるため原稿無し状態となっているときにスタートキーが押下された場合においても、原稿台153からのスキャン動作が実行されてしまうことを回避できる。
また、ユーザが原稿トレイ252に原稿900をセットする可能性が高いと判断した場合のみに待機するので、スタートキー押下後常に待機する場合と比べて、原稿台153からのスキャン動作の開始を速くすることができる。
−第1の変形例−
画像形成装置150の第1の変形例は、原稿有無判断処理を実現するためのプログラムが異なる点を除いて、上記実施の形態に係る画像形成装置150と同一の構成である。
[ソフトウェア構成]
図10は、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。図10を参照して、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムにおいて、ステップS210及びステップS211の処理を除く各処理は、図8に示すプログラムによって実行される各処理と同じである。以下、異なる処理について説明する。
このプログラムは、ステップS209にて、原稿有り状態であると判定された場合(YESの場合)に実行され、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、後述する選択メッセージ1100及び選択ボタンを表示させる(図11参照)ステップS210と、選択ボタンのうち「はい」ボタン1102Aが選択されたか否かを判定するステップS211と、を含む。ステップS211において、「はい」ボタン1102Aが選択されたと判定された場合(YES)の場合には、制御はステップS212に移り、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作が開始される。ステップS211において、「はい」ボタン1102Aが選択されず「いいえ」ボタン1102Bが選択されたと判定された場合(NOの場合)には、原稿台153からのスキャン動作が開始される。
[選択メッセージ1100及び選択ボタン]
図11は、コピー設定画面600上に表示される選択メッセージ1100及び選択ボタンの一例を示す図である。図11を参照して、待機タイマがアップしておらず、かつ、制御部310にて原稿有り状態であると判断された場合には、コピー設定画面600上に、選択メッセージ1100、並びに、選択ボタンである「はい」ボタン1102A及び「いいえ」ボタン1102Bが表示される。選択メッセージ1100とは、例えば「自動原稿搬送装置を使用しますか?」等の、ユーザに対し、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始してよいかどうかを確認するメッセージのことである。
[スキャン処理時の動作]
図10及び図11を参照して、画像形成装置150の第1の変形例は、スキャン処理を含む印刷処理時において以下のように動作する。なお、以下に示す動作を除いた画像形成装置150の第1の変形例の動作は、上記実施の形態に係る画像形成装置150の動作と同じである。
制御部310は、待機タイマがアップしていないと判定し(S208にてNO)、かつ、原稿有り状態であると判定すると(S209にてYES)、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、選択メッセージ1100及び選択ボタン(図11参照)を表示させる(S210)。
ユーザは、選択メッセージ1100を確認して、選択ボタンのうち「はい」ボタン1102Aを選択して押下する。制御部310は、「はい」ボタン1102Aが選択されたと判定し(ステップS211にてYES)、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始させる(S212)。
一方、ユーザが選択ボタンのうち「いいえ」ボタン1102Bを選択して押下した場合には、制御部310は、「いいえ」ボタン1102Bが選択されたと判定し(ステップS211にてNO)、原稿台153からのスキャン動作を開始させる(S213)。
このように、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始する前に、選択メッセージ1100及び選択ボタンを表示してユーザの判断を促すので、ユーザが意図しない原稿のスキャン動作が行なわれることをより一層確実に防止できる。
−第2の変形例−
画像形成装置150の第2の変形例は、原稿有無判断処理を実現するためのプログラムが異なる点を除いて、上記実施の形態に係る画像形成装置150と同一の構成である。
[ソフトウェア構成]
図12は、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。図12を参照して、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムにおいて、ステップS307〜ステップS311の処理を除く各処理は、図8に示すプログラムによって実行される各処理と同じである。以下、異なる処理について説明する。
このプログラムは、ステップS306にて、予め定める過去規定時間内にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、選択メッセージ1100及び選択ボタンを表示させる(図11参照)ステップS307と、選択ボタンのうち「はい」ボタン1102Aが選択されたか否かを判定するステップS308と、を含む。ステップS308において、「はい」ボタン1102Aが選択されず「いいえ」ボタン1102Bが選択されたと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS313に移り、原稿台153からのスキャン動作が開始される。
このプログラムはさらに、ステップS308において、「はい」ボタン1102Aが選択されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、原稿有り状態であるか否かを判定するステップS309と、ステップS309にて、原稿有り状態ではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、後述する警告メッセージ1200を表示させる(図13参照)ステップS310と、スタートキーが押下されるまで待機するステップS311と、を含む。ステップS311にて、スタートキーが押下されたと判定された場合(YESの場合)、制御はステップS309に戻る。ステップS309にて、原稿有り状態であると判定された場合(YESの場合)には、制御はステップS312に移り、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作が開始される。
[警告メッセージ1200]
図13は、コピー設定画面600上に表示される警告メッセージ1200の一例を示す図である。図13を参照して、コピー設定画面600上に表示された「はい」ボタン1102A(図11参照)が押下されたにもかかわらず、制御部310によって、原稿有り状態ではないと判断された場合には、コピー設定画面600上に、警告メッセージ1200が表示される。警告メッセージ1200とは、例えば「自動原稿搬送装置に原稿を再セットし、スタートキーを押してください。」等の、ユーザに対し、原稿の再セットを促すメッセージのことである。
[スキャン処理時の動作]
図11〜図13を参照して、画像形成装置150の第2の変形例は、スキャン処理を含む印刷処理時において以下のように動作する。なお、以下に示す動作を除いた画像形成装置150の第2の変形例の動作は、上記実施の形態に係る画像形成装置150の動作と同じである。
制御部310は、予め定める過去規定時間内(3秒以内)にHDD302に保存された原稿サイズ情報センサデータがある(S306にてYES)、すなわち、ユーザは原稿トレイ252に原稿900をセットする可能性が高い、と判定すると、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、選択メッセージ1100及び選択ボタン(図11参照)を表示させる(S307)。
ユーザは、選択メッセージ1100を確認して、選択ボタンのうち「はい」ボタン1102Aを選択して押下する。このとき、ユーザは、原稿900を正しくセットできておらず、制御部310によって原稿無し状態と判断されたままである。制御部310は、「はい」ボタン1102Aが選択されたと判定するとともに(ステップS308にてYES)、原稿有り状態ではないと判定し(S309にてNO)、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、警告メッセージ1200を表示させる(図13(A)参照)(S310)。
ユーザは、警告メッセージ1200を確認して、原稿900を正しくセットし直す。これによって、原稿有無センサ253がONとなり、原稿サイズ情報センサ及び制御部310によって原稿サイズが確定される。制御部310は、原稿サイズを確定した時点で、自動原稿搬送装置152は原稿有り状態であると判断し、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600に対し、原稿有りマーク606及び原稿サイズマーク608を表示させる(図13(B)参照)。
ユーザは、原稿900をセットし直すと、スタートキーを押下する。制御部310は、スタートキーが押下されたと判定するとともに(S311にてYES)、原稿有り状態であると判定すると(S309にてYES)、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を開始させる。
なお、ユーザが選択ボタンのうち「いいえ」ボタン1102Bを選択して押下した場合には、制御部310は、「いいえ」ボタン1102Bが選択されたと判定し(ステップS308にてNO)、原稿台153からのスキャン動作を開始させる(S312)。
このように、本変形例では、ユーザによって、自動原稿搬送装置152によるスキャン動作を指示する「はい」ボタン1102Aが選択されたにもかかわらず、制御部310が、原稿有り状態ではないと判定した場合に、原稿の再セットを促す警告メッセージ1200を表示させる。これによって、ユーザが原稿を正しくセットしていないために原稿無し状態であると判断され、原稿台153からのスキャン動作が実行されてしまうことを防止できる。したがって、ユーザが意図しない原稿のスキャン動作が行なわれることをより一層確実に防止できる。
−第3の変形例−
画像形成装置150の第3の変形例は、原稿有無判断処理を実現するためのプログラムが異なる点を除いて、上記実施の形態に係る画像形成装置150と同一の構成である。
[ソフトウェア構成]
図14は、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。図14を参照して、本変形例に係る原稿有無判断処理を実現するためのプログラムにおいて、ステップS406の処理を除く各処理は、図12に示すプログラムによって実行される各処理と同じである。以下、異なる処理について説明する。
このプログラムは、ステップS405において、原稿有り状態ではないと判定された場合(NOの場合)に実行され、原稿サイズ情報センサが、原稿トレイ252上にセットされた原稿のサイズ(長さ及び幅)を検知しているか否かを判定するステップS406を含む。ステップS406において、原稿サイズ情報センサが、原稿のサイズを検知していると判定された場合(YESの場合)には、制御はステップS407に移り、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、選択メッセージ1100及び選択ボタンが表示される(図11参照)。一方、ステップS406において、原稿サイズ情報センサが、原稿のサイズを検知していないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS413に移り、原稿台153からスキャン動作が開始される。
[スキャン処理時の動作]
図14を参照して、画像形成装置150の第3の変形例は、スキャン処理を含む印刷処理時において以下のように動作する。なお、以下に示す動作を除いた画像形成装置150の第3の変形例の動作は、上記第2の変形例に係る画像形成装置150の動作と同じである。
制御部310は、原稿サイズ情報センサが、原稿トレイ252上にセットされた原稿のサイズ(長さ及び幅)を検知している(S406にてYES)、すなわち、ユーザは原稿トレイ252に原稿900をセットする可能性が高い、と判定すると、表示パネル172に表示されるコピー設定画面600上に、選択メッセージ1100及び選択ボタン(図11参照)を表示させる(S407)。一方、制御部310は、原稿サイズ情報センサが、原稿トレイ252上にセットされた原稿のサイズ(長さ及び幅)を検知していない(S406にてNO)と判定すると、原稿台153からのスキャン動作を開始させる(S413)。
このように、第3の変形例においては、原稿あり状態ではないと判断された場合に、原稿サイズ情報センサの検知状態を確認することで、原稿がセットされる可能性が高いか否かを判定する。したがって、予め定める過去規定時間内に保存された原稿サイズ情報センサデータがない場合においても、ユーザが意図しない原稿のスキャン動作が行なわれることをより一層確実に防止できる。
<作用・効果>
上記実施の形態及びその変形例によれば、自動原稿搬送装置152は、原稿画像を読取るための原稿読取部290に対して原稿を自動で搬送する自動原稿搬送装置であって、搬送される原稿を載置するための原稿トレイ252と、原稿トレイ252上の原稿の有無を検知するための原稿有無センサ253と、原稿トレイ252上の原稿のサイズ情報を検知するための原稿サイズ情報センサと、原稿画像の読取開始の要求を受付ける操作装置166のスタートキーと、スタートキーが要求を受付けたことに応答して、原稿有無センサ253及び原稿サイズ情報センサの検知結果に基づいて、原稿有り状態であるか否かを判定する制御部310の判定機能と、原稿有り状態であると判定された場合に、原稿の搬送を実行させる制御部310の制御機能と、判定機能によって原稿有り状態ではないと判定された場合であって、原稿サイズ情報センサが原稿トレイ252上の原稿のサイズ情報を検知した場合には、原稿有り状態になる可能性が高いと判断する制御部310の判断機能と、を含む。
このように、自動原稿搬送装置152は、原稿有り状態ではないと判定された場合であって、原稿サイズ情報センサが原稿のサイズ情報を検知した場合には、原稿有り状態になる可能性が高いと判断する。これによって、例えば、スタートキーが要求を受付けた時点において、原稿が正しくセットされていない状態、又は、原稿をセットする途中の状態等であるために原稿有無センサ253が原稿を検知しない場合においても、原稿無し状態であると誤判断されることを防止することができる。また、原稿が正しくセットされた後であって原稿サイズの確定前である状態であるために原稿無し状態であると誤判断されることを防止することができる。したがって、原稿有無の判断を正確に行なうことができる。
また上記実施の形態及びその変形例によれば、制御部310の制御機能は、原稿有り状態ではないと判定された場合には、原稿の搬送を実行させない。これによって、原稿が無い状態で原稿の搬送処理が行なわれることを確実に防ぐことができるので、無駄な動作が行なわれることを防止できる。
また上記実施の形態及び第1の変形例によれば、自動原稿搬送装置152の制御部310は、制御部310の判断機能によって原稿有り状態になる可能性が高いと判断された場合に、予め定める所定時間待機し、待機中に、原稿有無センサ253及び原稿サイズ情報センサの検知結果に基づいて、原稿有り状態であるか否かを判定する再判定機能をさらに含む。これによって、原稿をセットする途中の状態、又は、原稿が正しくセットされた後であって原稿サイズの確定前である状態等であるために原稿無し状態であると誤判断されることをより一層確実に防止することができる。
また上記第1の変形例によれば、自動原稿搬送装置152は、再判定機能によって原稿有り状態であると判定された場合に、ユーザに対し、原稿の搬送を実行するか否かを選択させるための選択メッセージ1100を通知する表示パネル172と、選択メッセージ1100に基づくユーザの選択結果を受付ける「はい」ボタン1102Aを含む選択ボタンと、をさらに含み、制御部310の制御機能は、「はい」ボタン1102Aが受付けた選択結果に基づいて、原稿の搬送を実行させる。このように、原稿有り状態であると判定された場合に、選択メッセージ1100によって、ユーザに原稿の搬送を実行するか否かを選択させるので、原稿有無の判断をさらに正確に行なうことができる。
また上記第2の変形例によれば、自動原稿搬送装置152は、制御部310の判断機能によって、原稿有り状態になる可能性が高いと判断された場合に、ユーザに対し、原稿の搬送を実行するか否かを選択させるための選択メッセージ1100を通知する表示パネル172と、選択メッセージ1100に基づくユーザの選択結果を受付ける「はい」ボタン1102Aを含む選択ボタンと、をさらに含み、制御部310の制御機能は、「はい」ボタン1102Aが受付けた選択結果に基づいて、原稿の搬送を実行させる。このように、原稿有り状態になる可能性が高いと判断された場合に、選択メッセージ1100によって、ユーザに原稿の搬送を実行するか否かを選択させるので、原稿有無の判断をより一層正確に行なうことができる。
また上記第2の変形例及び第3の変形例によれば、自動原稿搬送装置152は、原稿有り状態ではないと判定された場合に、ユーザに対し、原稿の再載置を促す警告メッセージ1200を通知する表示パネル172をさらに含む。これによって、原稿が正しくセットされていない状態であるために原稿無し状態であると誤判断されることをより一層確実に防止することができる。
また上記実施の形態、第1の変形例、及び、第2の変形例によれば、制御部310の判断機能は、スタートキーが要求を受付けた時点から予め定める規定時間以内に、原稿サイズ情報センサが原稿トレイ252上の原稿のサイズ情報を検知した場合には、原稿有り状態になる可能性が高いと判断する。これによって、ユーザが原稿をセットする前の状態、又は、セットする途中の状態等であるために原稿無し状態であると誤判断されることをさらに確実に防止することができる。
また上記実施の形態及び変形例によれば、画像読取部151は、原稿を載置するための原稿台153と、原稿台153上の所定の原稿読取部290に対して原稿を自動で搬送する自動原稿搬送装置152と、自動原稿搬送装置152によって原稿が搬送される場合には、原稿読取部290からの原稿画像の読取りを実行し、自動原稿搬送装置152によって原稿が搬送されない場合には、原稿台153からの原稿画像の読取りを実行する制御部310の読取制御機能と、を含む。このように、画像読取部151は、原稿有無の判断を正確に行なうことのできる自動原稿搬送装置152を含むので、原稿画像の読取処理を正確に行なうことができる。
また上記実施の形態及び変形例によれば、画像形成装置150は、画像読取部151を含む。このように、画像形成装置150は、原稿画像の読取処理を正確に行なうことができる画像読取部151を含むので、何も印字されない白紙印字が行なわれたり、原稿台に載置されたユーザの意図しない原稿が印字されたりすることを防止できる。したがって、ユーザの利便性がより一層向上する。
なお、上記実施の形態及び変形例において、予め定める過去規定時間は3秒であり、予め定める所定時間は1秒であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。
また、上記実施の形態及び変形例において、原稿長さ検知センサ254,255及び原稿幅検知センサ286に対する過去規定時間は同じ3秒であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、原稿長さ検知センサ254,255に対する過去規定時間を3秒とし、原稿幅検知センサ286に対する過去規定時間を4秒としてもよい。
また、上記第2の変形例及び第3の変形例において、警告メッセージ1200は、「はい」ボタン1102Aが押下されたときに表示されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、予め定める所定時間の経過後において、制御部310によって原稿有り状態ではないと判定された場合に表示されてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例において、画像形成装置150は、電子写真方式の画像形成装置であったが、本発明はこのような実施の形態には限定されない。例えば、複写機(コピー機)、ファクシミリ装置及びスキャナ装置等のうちのいずれかであってもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。