JP5289655B2 - 室内空気処理装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明の少なくとも一つの態様は、室内空気処理装置に関する。
【従来の技術】
最近の住宅産業においては、工法の合理化や効率化によるコストの削減が進められる一方で、建材の高性能化および品質の安定化が図られるとともに、省エネルギーの観点から、室内空間の高気密化や高断熱化を高めるように設計・施工されることが多くなってきている。
それに伴い、VOC(揮発性有機化合物)による室内空気の汚染、ひいてはそれによる居住者の健康への被害がいわゆる「化学物質過敏症」「シックハウス症候群」として問題となっている。例えば、合板等の建材から、またこれらの建材の施工時に、或いは調度品の家具類の組み立て等に使用された接着剤等から発生するホルムアルデヒド、室内での喫煙に起因するアセトアルデヒドの他、塗料の溶剤としてのトルエン、キシレン、芳香剤に含まれるパラジクロロベンゼン等が、人体に例えば呼吸困難、めまい、吐き気、痙攣・硬直・ショック等のさまざまな全身症状、うつ、視力の低下等の悪影響を及ぼす原因となることが知られている。
このような室内空気の汚染を防止する対策として、例えば換気することによって室内の汚染濃度を希釈する方法が提案されている。また、各建材メーカーは、前記VOCを発生させず、室内に充満するVOCを吸着、捕捉、分解等し、通常の使用条件で再放出しない性能を有する消臭性に優れた建築材料を多種にわたり開発してきている。
断熱性および経済性に優れ、ある程度の通気性を有する内装用下地材として広く使用されている石膏系建材、特に石膏ボードにおいても、前記のようなVOCを捕捉し消臭機能を付与する種々の試みが行われている。例えば、特開平9−207298号公報には、ホルムアルデヒドを捕捉することを目的として石膏ボード表面を構成する石膏ボード用原紙にアミノ化合物、尿素等を添加することが提案されており、また特開平11−303303号公報には、石膏ボードにカテキンおよびシリカゲルを添加することにより消臭および抗菌等の機能を付与することが提案されている。
また、特に梅雨の時期には、室内でのカビやダニの発生が大きな問題となる。室内が、このような高湿条件となるのを回避するために、建築業界では種々の試みがなされている。
しかしながら、前記の換気による方法では、室内空気中のVOCの希釈には効果はあるものの、根本的な解決策とはいえず、また絶えず室内の空気を外気と入れ替える必要がある点で省エネルギー上も問題がある。
また、各種の消臭性に優れた建材を使用した場合であっても、実際の施工においては、内装下地として壁面、天井面等に配設された前記建材の表面に化粧仕上げを施すことが一般的であり、せっかくの優れた消臭性能を当該建材自体が有していたとしても、前記化粧仕上げ材で室内側を覆ってしまい、室内空気と上記建材とを実質的に遮断することとなるために前記性能がほとんど活かされないという問題があった。
この問題は、優れた吸放湿性を有する建築用面材についても同様であった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、室内空気処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、壁面、天井面、及び床面からなる群より選択された第一の室内区画面に設けられた室内の空気を吸い込むための吸込口、前記第一の室内区画面と同一の又は異なる、壁面、天井面、及び床面からなる群より選択された第二の室内区画面に設けられた空気を吹き出すための吹出口、並びに、前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面を構成する建築用面材により前記室内と隔てられ、前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面の前記室内側と反対側に設けられた、前記吸込口及び前記吹出口を連通させる風道を備える、室内空気処理装置であって、前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面を構成する建築用面材のうち前記風道に面する側に配設される少なくとも一つの建築用面材が、JIS A 6901に規定された石膏を基材とする石膏ボードであり、前記石膏ボードは、通気性を有すると共に、前記石膏ボードに少なくとも一種類のヒドラジド化合物が配合されており、前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物は、少なくとも前記石膏ボードの表面材である石膏ボード用原紙に添加されており、前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の分子は、少なくとも一個以上のヒドラジド基を有しており、前記石膏ボードに配合された前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の量は、前記石膏の100重量部当たり0.01重量部以上10重量部以下である、室内空気処理装置である。
本発明の第二の態様は、室内区画面として室内に張り出した柱及び梁並びに室内に備え付けのクローゼットからなる群より選択された第一の部材の表面に設けられた室内の空気を吸い込むための吸込口、前記第一の部材と同一の又は異なる、室内区画面として室内に張り出した柱及び梁並びに室内に備え付けのクローゼットからなる群より選択された第二の部材の表面に設けられた空気を吹き出すための吹出口、並びに、前記第一の部材及び前記第二の部材を構成する建築用面材により前記室内と隔てられ、前記第一の部材及び前記第二の部材の前記室内側と反対側の面に設けられた、前記吸込口及び前記吹出口を連通させる風道を備える、室内空気処理装置であって、前記第一の部材及び前記第二の部材を構成する建築用面材のうち前記風道に面する側に配設される少なくとも一つの建築用面材が、JIS A 6901に規定された石膏を基材とする石膏ボードであり、前記石膏ボードは、通気性を有すると共に、前記石膏ボードに少なくとも一種類のヒドラジド化合物が配合されており、前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物は、少なくとも前記石膏ボードの表面材である石膏ボード用原紙に添加されており、前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の分子は、少なくとも一個以上のヒドラジド基を有しており、前記石膏ボードに配合された前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の量は、前記石膏の100重量部当たり0.01重量部以上10重量部以下である、室内空気処理装置である。

【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態(実施形態)を説明する。
(室内空気処理装置)
この発明の実施形態は、住宅等の建物の区画面内又は該区画面を構成する一部の部材に組み込まれる室内空気処理装置に係り、臭気、特にVOC(揮発性有機化合物)で汚染された室内空気を浄化再生し、及び/または室内空気の調湿を行う室内空気処理装置に関する。
本発明の実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたもので、臭気、特にVOCで汚染された室内空気を、換気に頼ることなく、浄化再生する機能を備えた室内区画の内部、その表面の一部又は当該一部に設けられる室内空気処理装置を提供することを目的としている。また、前記室内空気浄化再生機能とともに、調湿機能を有する室内空気処理装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、発明の第一の実施形態に係る室内空気処理装置は、室内を構成するいずれか1の区画面に設けられた室内空気の吸込口と、前記室内区画面若しくは他の室内区画面に設けられた清浄空気の吹出口と、前記区画内部に設けられ、前記吸込口と前記吹出口とを連通させる風道とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記室内区画面に積層配設され、当該区画面を構成する前記建築用面材のうち最内層に配設される建築用面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用建材であることを特徴としている。
また、発明の第二の実施形態に係る室内空気処理装置は、室内区画面を構成する一部の部材の少なくとも1面に設けられた室内空気の吸込口と、同一面または前記部材を構成する別の少なくとも1面に設けられた吹出と、前記部材内に設けられ、前記吸込口と吹出口とを連通可能とさせる風道とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記部材表面を構成する積層配設された建築用面材のうち最内層に配設される面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用面材であることを特徴としている。
さらに、発明の第三の実施形態に係る室内空気処理装置は、室内区画面を構成する一部の部材であって、当該部材の少なくとも1面に設けられた室内空気の吸込口と、同一面または前記部材を構成する別の少なくとも1面に設けられた吹出とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記部材内部に配設される建築用面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用面材であることを特徴としている。
また、前記の各発明の実施形態の装置に使用される建築用面材が、少なくとも1種類の吸放湿性を有する面材であること及び当該面材が消臭性及び吸放湿性を有する少なくとも1種類の面材であることを特徴としている。
以下、図面を用いて各発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明の第一の実施形態の室内空気処理装置の構成において、室内を構成する区画面としては、例えば壁面、天井面等の他、場合によっては床面を例示することができる。
本発明の実施形態の室内空気処理装置においては、当該区画面のいずれかの位置に室内空気の吸込口を、また同じく同一区画面または別の区画面のいずれかの位置に吹出口を設け、前記吸込口と前記吹出口とを連通させる風道とを有するものである。即ち、前記吸込口と吹出口とは、同一壁面、別々の壁面、壁面と天井面、柱と梁、柱と壁等前記例示した室内区画面のうち、同一の区画面内において、または別個の区画面の組合せにおいてそれぞれいずれかの位置に設けることができる。この吸込口または吹出口の大きさについては、特に限定されないが、実際の設計や施工を考慮して標準的のサイズのものを使用するのが好ましい。
また、これら吸込口及び吹出口となる室内区画面における開口部前面には、当該区画面の美観を保つためにルーバーを設けてもよい。尚、床面に前記開口部を設ける場合には、エキスパンドメタルやグレーチングなどをルーバーに代えて使用することができる。このルーバーとともに、本発明の実施形態に係る装置への室内空気中の塵埃等の流出入を抑えるためにフィルターを設けてもよい。
さらに、前記開口部内部には、前記風道内に空気を導き入れ、該風道内における空気の流れを確保すべく、ファン等の送風手段を設けることができる。かかる送風手段は、常識的なサイズ、送風能力であれば足り、前記吸込口及び吹出口のいずれか一方または双方に取付けることができる。
図1は、発明の第一の実施形態に係る室内空気処理装置1を示しており、同一の間仕切り壁面(区画面)に上記装置を組み込んだものである。当該間仕切り壁で区切られる一方の部屋(向かって右側)について前記間仕切壁面に吸込口2及び吹出口3を、前記吸込口2及び前記吹出口3には、それぞれルーバー11及び17を、また前記吸込口2にはファン12を取り付けたものである。室内の自然対流を利用することができる場合には、このファン12を設けなくてもよい。間仕切り壁を構成する建築用面材14及び15のうち、面材14が消臭性を有する建築用面材である。
前記吸込口2周辺の室内空気が、ルーバー11を経て内部のファン12の吸引力によってこの処理装置内に流入する。その際に、フィルター13により、空気中の塵埃等がろ過される。この流入した室内空気が風道17内を上方に移動する際に、消臭性を有する建築用面材14に接し、空気中の汚染物質であるVOCが当該面材14によって捕捉される。また、消臭性を有する面材とともに吸放湿性を有する面材が併用(混在)されている場合やそれ自体が消臭性及び吸放湿性を有する面材である場合には、浄化とともに調湿が行われる。このように浄化及び/または調湿された室内空気は、吹出口に向かい、フィルター16及びルーバー17を通過し、再び室内に戻される。
本発明の実施形態に係る処理装置に使用することができる消臭性を有する建築用面材としては、無機質材料、例えば石膏やセメント等を基材とし、加水成型、抄造成型、押出し成型、モールド成型、圧縮成型等の手段を用いて板状体とした建材にアミン系、メラミン系、アミド系、イミド系等の有機化合物、活性炭、木炭等の有機質炭化物、シリカゲル、ゼオライト等の消臭剤の他、後述するヒドラジド化合物を内添したものを例示することができる。これらの建築用面材は、前記装置内に少なくとも1種類配設し、または積層配設することができる。尚、これらの建築用面材は、いずれも通常の製造ラインで製造することができるものである。
例えば、石膏を基材とする石膏系建材の場合であれば、前記消臭剤を添加した石膏芯が石膏ボード用原紙で被覆されて形成されたせっこうボード(JIS A 6901)、吸音用穴あきせっこうボード(JIS A 6301)を始めとして、木毛石膏板、繊維強化石膏板、ガラス繊維布入り石膏板等が挙げられる。
ここで、ガラス繊維布入り石膏板とは、石膏である芯材および少なくともその一面中に埋封されたガラス繊維不織布等の繊維不織布からなる建築板であって、当該不織布の両面においてそれぞれ密接する表層をなす石膏層と芯層を構成する石膏層の密度を容易に制御でき、表面硬度を高くできる他、広範な板厚の板状体をえることができるものである。又、当該建築板を構成する石膏芯には、ガラス繊維、有機繊維等の混和材を添加することができる。
なお、上記の石膏には、大きく分けて、二水石膏、半水石膏および無水石膏の三つの形態があり、粉末状の建築用面材には、天然石膏、リン酸石膏および排脱石膏に代表される化学石膏を単独又は組み合わせて焼成処理された公知のβ型半水石膏、α型半水石膏又はこれらの混合物の半水石膏が主材として用いられる。また、形状が板状を成す建築用面材の芯材は、上記半水石膏が主材として用いられ、これに加水混練し、成型した後、硬化することにより得られたものであり、また、直ちに使用できる状態に練られてある建築用面材には、焼成前の石膏、所謂二水石膏が使用される。
また、セメントを基材とした板状の建材としては、木毛セメント板(JIS A 5426)、パルプセメント板(JIS A 5414)、ALCパネル(JIS A 5416)、繊維強化セメント板(JIS A 5430)、スレート(JIS A 5102)等があり、これらにも前記消臭剤を用意に内添することができる。
更に、石灰、ドロマイト、無機質炭酸塩、無機質珪酸塩鉱物等を基材とした板状又は粉末状若しくはペースト状の建材であってもよい。
本発明の実施形態において前記建築用面材にVOC、特にアルデヒド類の捕捉を目的として内添されるのに好適な物質として、ヒドラジド化合物がある。このヒドラジド化合物には、分子中に少なくとも1個以上のヒドラジド基を有する化合物、即ち分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物および分子中に3個のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物等がある。
モノヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、一般式
R−CO−NHNH (1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有することのあるアリール基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(1)において、Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基およびn−ウンデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキル基を挙げることができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基等を挙げることができ、これらの中でもフェニル基が好ましい。また、アリール基の置換基としては、例えば、水酸基、フッ素、塩素および臭素等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基或いはiso−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることができる。
より具体的には、上記一般式(1)のヒドラジド化合物としては、ラウリル酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、ナフトエ酸ヒドラジドおよび3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド等を例示することができる。
ジヒドラジド化合物の具体例としては、例えば、一般式
NHN−X−NHNH (2)
(式中、Xは基−CO−又は基−CO−A−CO−を示す。Aはアルキレン基又はアリーレン基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(2)において、Aで示されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、へキサメチレン基、へプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基およびウンデカメチレン基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキレン基を挙げることができる。アルキレン基の置換基としては、例えば水酸基等を挙げることができる。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基およびフェナントリレン基等を挙げることができ、これらの中でもフェニレン基およびナフチレン基が好ましい。アリーレン基の置換基としては、上記アリール基の置換基と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(2)のジヒドラジド化合物は、具体的には、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン−2酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジドおよび2,5−ナフトエ酸ジヒドラジド等の2塩基酸ジヒドラジド等が挙げられる。さらに、特公平2−4607号公報に記載されている各種2塩基酸ジヒドラジド化合物又は2,4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジン等も本発明の実施形態のジヒドラジドとして用いることができる。
ポリヒドラジド化合物は、具体的には、ポリアクリル酸ヒドラジド等を例示することができる。
これらのヒドラジド化合物のなかでも、本発明の実施形態の添加物質としてはジヒドラジド化合物が好ましく、特に2塩基酸ジヒドラジドが好ましい。
本発明の実施形態における建築用建材にヒドラジド化合物を内添する方法としては特に限定されない。粉末の状態又は水性スラリー若しくは水溶液の状態で基材に添加してもよく、また、建築用面材に含有させる後述のような混和材等と予め混合し練り合わせて使用してもよい。さらには該混和材にコーティングして基材へ添加してもよい。また、板状またはパテ状の建築用面材等に上記化合物を含浸させてもよい。さらには、建築用面材が石膏ボードであれば、その表面材である石膏ボード用原紙の抄造時に、離解したパルプ繊維に該化合物を水性スラリーの状態で添加してもよい。
尚、本発明の実施形態においては、上記ヒドラジド類は、1種又は2種以上を建築用面材に添加することができる。
ヒドラジド化合物の添加量としては、基材100重量部当り0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部がよい。ヒドラジド化合物は、建築用面材への添加量を多くするほど消臭性を向上させることができるが、該化合物は非常に高価であるため、経済性に劣ることになるので好ましくない。一方、0.01重量部未満の添加では、添加量が少な過ぎて、明らかな消臭性効果を発現させるには至らない。
前記消臭性を有する建築用面材以外にも、後述する優れた吸放湿性を有する物質を添加して得られる吸放湿性を有する建築用面材を本発明の実施形態に係る装置に使用することができる。また、上記面材においてヒドラジド化合物では捕捉できない他のVOCを効果的に捕捉することを目的として、前記吸放湿性に優れるとともに、消臭性に優れた物質を使用することもできる。このような物質としては、有機質炭化物、無機系吸放湿性物質等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて前記面材に添加してもよい。前記の有機質炭化物や無機系吸放湿性物質のなかには、その優れた吸着能により、消臭性とともに吸放湿性を兼ね備えたものが多い。従って、そのような物質を1種または2種以上添加内添することによって、本発明の実施形態に使用する建築用面材は、それ自体が消臭性とともに吸放湿性をも備えたものとなり得る。また、前記ヒドラジド化合物とこれらの1種または2種以上を併用してもよい。さらに、前記面材の寸法安定性を向上させるため、撥水性付与剤を添加したものであってもよい。
次に、これらの物質及び本発明の実施形態の装置への使用に適したそれらの添加量等について説明する。
本発明の実施形態の建築用面材に使用される有機質炭化物としては、白炭、黒炭、低温炭化木炭、竹炭、オガ炭の他、炭化・賦活化された活性炭等生産地、炭化法、炭化の進行度、原料等によって分類されているあらゆるものうちから選択した1種又は2種以上の炭化物を使用することができる。一般に、木炭や活性炭等の炭は、炭化温度が約600〜700℃で炭化したものが最高の吸着性能を示すことが知られているが、このような優れた吸着性能を有するものも好適に使用することができる。又、近年ゼロエミッションの観点から、森林の間伐材、流木、雑草等を始め、茶ガラ、コーヒー粕、野菜屑、菜実粕、残飯、紙、古紙類(この中には、廃石膏ボードの原紙も含む。)、パルプ残渣、製紙工場から発生する汚泥等の炭化物や活性炭としてこれらを処理したものも、一般的な松、楢、くぬぎ等の木炭、竹炭、活性炭等と同様に本発明の実施形態に使用することができる。
有機質炭化物の添加方法としては、特に限定されず、粉末の状態又はスラリー状にて基材に添加してもよく、建築用面材に含有させる混和材等に予め混合し、練り合わせる等してもよく、さらに石膏ボードの表面材として使用される石膏ボード用原紙に内添してもよい。
この有機質炭化物は、添加量を増すほど得られる建築用面材の吸着性能は向上するが、反面得られる建築用面材の機械的強度は低下することになる。従って、その添加量としては、0.1〜20重量部、望ましくは0.1〜10重量部、更に望ましくは0.1〜7重量部が適している。0.1重量部未満では、当該炭化物添加の有無による消臭性に有意差が認められず、上記範囲を超えて添加した場合、消臭性能は向上するものの、機械的強度等他の物性の低下につながるためである。
本発明の実施形態の建築用面材に使用される無機系吸放湿性物質としては、置かれる環境条件によって吸放湿性を呈するあらゆる物質を使用することができる。例えば、シリカゲル、ゼオライト群、珪藻土(例えば、稚内層珪藻頁岩等)、アパタルジャイトおよびモンモリロナイト(酸性白土)等の粘土鉱物が一般的に知られており、本発明の実施形態においては、これらをいずれも使用することができる。特に、これらをか焼処理又は酸処理したものは、未処理品よりも優れた吸放湿性能を示すことが知られており特に好適である。例えば、酸性白土等を酸処理した活性白土も好適に使用できる。勿論、上記したような無機系吸放湿性物質を1種或いは2種以上添加して使用することができる。
無機系吸放湿性物質の添加方法としては、特に限定されず、粉末の状態又はスラリー状で基材に添加してもよく、建築用面材に含有させる混和材等に予め混合し、練り合わせる等してもよく、さらに建築用面材が表面材を積層して構成される場合にあっては、その表面材に内添してもよい。
無機系吸放湿性物質の添加量としては、基材100重量部当り3〜60重量部、好ましくは5〜20重量部である。これらの無機系吸放湿性物質は、添加量を多くするほど吸放湿性能を増加させることができるが、その反面、上記範囲を超えて添加すると、建築用面材の強度を低下させることとなるので好ましくない。 一方、3重量部未満の添加量では、建築用面材に明らかな吸放温性能の向上を発現させるには至らない。
撥水性付与剤としては、公知となっているあらゆる種類のものを使用することができるが、本発明の発明者らは、性能、価格および養生時間等を勘案しつつ検討したところ、下記に挙げるようなシリコーン系撥水性付与剤および/又はパラフィン系撥水性付与剤が適していることが分かった。
シリコーン系撥水性付与剤の好適なものとしては、具体的には、例えば、特許第2739872号公報に記載されているオルガノシロキサンおよび特許第2686792号公報に記載されているオルガノボリシロキサン等を挙げることができる。
また、パラフィン系撥水性付与剤の好適なものとしては、特公平7−61889号公報に記載されている融点40〜90℃のワックス類とオレフィンー無水マレイン酸誘導体等を、アルカリ性下で水中に乳化してなるエマルションにボリビニルアルコールを含有させてなるエマルション等を挙げることができる。
撥水性付与剤を本発明の実施形態の消臭性建築用面材に添加する方法としては、基材又は混和材等に添加するのみならず、得られる基材の硬化、成型体に含浸してもよく、これらに限定されない。
撥水性付与剤の添加量は、特に限定されないが、建築用面材の吸湿時の伸長率を抑制できればよく、例えば、石膏ボード類の2時間水中浸漬時の全吸水率を10%以下に(JIS A 6901準拠)、2時間全吸水時の伸長率を0.1%以下に抑制できる量であればよい。その添加量は、シリコーン系撥水性付与剤であれば、基材100重量部当り0.05〜1重量部、好ましくは0.3〜0.7重量部とし、パラフィン系撥水性付与剤であれば基材100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは2〜4重量部とすることができる。これらの撥水性付与剤の量は、添加量を多くすると、上記で述べた2時間全吸水率および2時間全吸水時の伸長率を低下させることができ、撥水性および寸法安定性が良好になるが、上記範囲を超えて添加しても、効果の割に材料にかかる費用が高価となり、経済性に劣ることとなる。一方、いずれの撥水性付与剤においても、添加量が少な過ぎると、所望する撥水性および寸法安定性が得られない。
前記の消臭性、吸放湿性、寸法安定性等に優れた建築用面材は、いずれも、前記のように通常行われる製造ラインで製造することができる。
例えば、前記建築用面材が石膏ボードの場合であれば、通常の石膏ボード製造ラインで製造することができる。当該製造ラインにおいては、ヒドラジド化合物は焼石膏や通常使用される混和材等の何れか又はそれぞれに添加し、および/又は該化合物を内添した石膏ボード用原紙を使用して本発明の実施形態に内包される消臭性の石膏ボードを製造することができる。また、同様に前記の炭化物、無機系吸放湿性物質および/又は撥水性付与剤を前記方法により添加することにより、高い吸放湿性および/又は寸法安定性を有する石膏ボードを得ることができる。
各種セメント板も、又加水混練後、圧縮成型、押出し成型、抄造等の手段を用いて通常の製造ラインで製造することができる。そして、石膏ボードの場合と同様に、上記ヒドラジド化合物等の成分は、セメント原料や通常使用される混和材等の何れか又はそれぞれに添加することにより、所望の消臭性を有する各種セメント板を得ることができる。
なお、上記した板状の建築用面材の製造ラインでは、石膏、セメント等の基材や前記ヒドラジド化合物、吸放湿性物質、撥水性付与剤等の他、パルプ繊維又はガラス繊維等の公知の混和材や公知の発泡剤、凝結調整剤或いは接着増強剤等を適宜添加することができることはいうまでもない。
次に、本発明の第二の実施形態の室内空気処理装置の構成において、室内を構成する区画面の一部としては、例えば室内に張り出した柱や梁などや室内に備え付けのクローゼットや扉などを例示することができる。本発明の実施形態の室内空気処理装置においては、当該区画面のいずれかの位置に室内空気の吸込口を、また同じく同一区画面または別の区画面のいずれかの位置に吹出口を設け、前記吸込口と前記吹出口とを連通させる風道とを有するものである。即ち、前記吸込口と吹出口とは、柱の一方向に向いた面内に若しくは別個の面に、梁の一方向を向いた面内に若しくは別個の面に設けてもよいのは、前記発明の第一の実施形態と同様であり、それらの面のいずれかの位置に設けることができる。また、特に集合住宅等においては、必ずクローゼットが設けられているといえるほどになっており、その出入り口によろい戸が設けられている場合、容易に本発明の実施形態に係る室内空気処理装置とすることができる点で好適である。即ち、かかる空間の出入り口以外の壁面のいずれか1面または前面に前記消臭性を有する建築用面材を配設するのみで本発明の実施形態の目的を達成することができる。
さらに、例えば扉であれば、そのいずれか一面または両面に吸込口及び吹出口となる開口部を空け、それぞれに羽根板を取付け、前記扉内部に前記した風道となる中空層を設けた上で前記中空層の幅方向の中間に前記消臭性を有する建築用面材を固定することで、前記クローゼットと同様、本発明の実施形態の室内空気処理装置を得ることができる。尚、扉はその開閉方式等を一切問わない。
図2(a)は、室内に張り出した柱内に組み込んだ室内空気処理装置の1例を例示している。また、図2(b)は、図2(a)中のA−A’断面図を示している。吸込口5及び吹出口6は、前記柱の別個の面にそれぞれ設けられている。また、前記柱表面を構成する建築用面材23及び24のうち、面材23が消臭性を有する面材若しくは吸放湿性を有する面材、または消臭性及び吸放湿性を有する面材である。尚、符号25は、高層オフィスビル等で一般的に使用されるH型鋼を示している。柱内部の骨組みは、前記鋼材に限られず、木質構造材であってもよいことは言うまでもない。
室内空気は、吸込口5内部のファン(不図示)または自然対流によってからルーバー21を経て前記吸込口5から流入し、柱内の空間を風道として柱内を上方に移動する。その際に、消臭性を有する建築用面材23に空気が接し、当該空気中のVOC等の汚染物質成分が面材23に捕捉される。また、前記面材23が、吸放湿性を有する面材、または消臭性及び吸放湿性を有する面材の場合には、その表面において空気の調湿または空気の浄化が行われる。また、消臭性を有する面材とともに吸放湿性を有する面材が併用(混在)されている場合やそれ自体が消臭性及び吸放湿性を有する面材である場合には、浄化とともに調湿が行われる。このように浄化または/及び調湿された室内空気は、吹出口6からルーバー22を通して室内に戻される。
フィルター等の構成要素は、前記本発明の第一の実施形態の構成に準じて設けてもよい。また、消臭性を有する建築用面材については、発明の第一の実施形態に係るそれらと同様である。
図3は、発明の第二の実施形態に係る装置の別の1例であるドア7の断面図を示している。
この例では、消臭性を有する建築用面材が、その内部に固定されている。また、この例では、ドアの片面のみを発明の第二の実施形態に係る装置としたものであるが、このドアの反対面にも吸込口及び吹出口を設けた構成であってもよい。
この例では、室内空気は、ルーバー31を通して吸込口8から流入し、ドア表面材33と前記面材32の間の空隙(風道)内を上方に移動し、その際面材32と接し、前記空気が浄化される。また、消臭性を有する面材とともに吸放湿性を有する面材が併用(混在)されている場合やそれ自体が消臭性及び吸放湿性を有する面材である場合には、浄化とともに調湿が行われる。その後、ルーバー34を経て吹出口9より再び室内に戻される。
図4は、発明の第三の実施形態に係る装置の1変形例であるドア10の断面図を示している。この例では、よろい戸のような形状を呈しているが、前記したドア7と異なり、本発明の実施形態においては前記の中空層を設けず、本ドアを構成する羽根板間の空間を開口部兼風道とし、前記羽根板で挟まれた空間においてVOC捕捉及び調湿を行うものである。図中、符号44及び45が、消臭性を有する建築用面材を示している。室内空気は、このドアの両面において羽根板46,47,48及び49を通して内部の面材44及び45と接し、その表面にて汚染物質の浄化が行われる。また、消臭性を有する面材とともに吸放湿性を有する面材が併用(混在)されている場合やそれ自体が消臭性及び吸放湿性を有する面材である場合には、浄化とともに調湿が行われる。
前記例示したように、これらの空気処理装置を室内の壁、柱、ドア等に設けることにより、VOCで汚染された室内空気は、当該装置内に設けられた風道に取り込まれて、前記の消臭性を有する建築用面材に接することにより汚染物質であるVOCが当該面材に捕捉される。VOCが捕捉されることにより、VOCで汚染された室内空気は浄化再生される。また、前記フィルターを設けることにより、塵埃等も効果的にろ過することが可能である。このようにろ過、浄化された室内空気は、前記風道内を移動し、吹出口から室内に戻される。
この室内空気の流れは、室内空気の自然対流によって、または冷暖房運転等によって発生するものであるが、前記のとおり小型のファン等の送風手段を設けることによりさらに効果的に室内空気の流量を増すことができ、その結果VOC捕捉性能が発揮されることとなり、より迅速に、より広い室内空間に存在する空気を浄化させることが可能となる。
また、前記壁面や天井面等の区画面を適宜組合せ、かつ本発明の実施形態に係る装置を複数設置することにより、室内のみならず建築物内部全体の空気の浄化が可能となる。しかも、換気等にたよることがないため、省エネルギーの点からも効果的な室内空気の浄化、調湿を行うことができる。
また、本発明の第二の実施形態及び本発明の第三の実施形態の構成は、さらに安価にVOCで汚染された室内空気を浄化し、調湿するのに適している。
[付記]
付記(1):室内を構成するいずれか1の区画面に設けられた室内空気の吸込口と、前記室内区画面若しくは他の室内区画面に設けられた清浄空気の吹出口と、前記区画内部に設けられ、前記吸込口と前記吹出口とを連通させる風道とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記室内区画面に積層配設され、当該区画面を構成する前記建築用面材のうち最内層に配設される建築用面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用建材であることを特徴とする室内空気処理装置。
付記(2):室内区画面を構成する一部の部材の少なくとも1面に設けられた室内空気の吸込口と、同一面または前記部材を構成する別の少なくとも1面に設けられた吹出口と、前記部材内に設けられ、前記吸込口と吹出口とを連通可能とさせる風道とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記部材表面を構成する積層配設された建築用面材のうち最内層に配設される面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用面材であることを特徴とする室内空気処理装置。
付記(3):室内区画面を構成する一部の部材であって、当該部材の少なくとも1面に設けられた室内空気の吸込口と、同一面または前記部材を構成する別の少なくとも1面に設けられた吹出口とを備えてなる室内空気処理装置であって、前記部材内部に配設される建築用面材が、少なくとも1種類の消臭性を有する建築用面材であることを特徴とする室内空気処理装置。
付記(4):前記最内層または前記部材内部に配設される建築用面材が、消臭性を有する建築用面材とともに、吸放湿性を有する建築用建材をも混在させてなる付記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の室内空気処理装置。
付記(5):前記最内層または前記部材内部に配設される建築用面材が、消臭性及び吸放湿性を有する少なくとも1種類の建築用面材である付記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の室内空気処理装置。
付記(6):前記吸込口及び前記吹出口の少なくとも一方に、送風手段を備えてなる付記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の室内空気処理装置。
付記(7):前記部材が、ドアである付記(2)〜(6)のいずれか1つに記載の室内空気処理装置。
【発明の効果】
本発明の第一の態様又は本発明の第二の態様によれば、室内空気処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る間仕切り壁に組み込んだ装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】
図2は、本発明の第二の実施形態に係る装置を柱内に組み込んだ概略構成を示す図である。図2(a)は、斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A’断面図である。
【図3】
図3は、ドアに組み込んだ室内空気処理装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図4】
図4は、ドアに組み込んだ室内空気処理装置(変形例)の概略構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1、4 室内空気処理装置
2、5、8 吸込口
3、6、9 吹出口
7、10 ドア
11、17、21、22、31、34 ルーバー
12 ファン
13、16 フィルター
14、15、23、24、32、44、45 建築用面材
25 H型鋼
33、35 ドア表面材
41、42、43 ドア枠材
46、47、48、49 羽根

Claims (7)

  1. 壁面、天井面、及び床面からなる群より選択された第一の室内区画面に設けられた室内の空気を吸い込むための吸込口、
    前記第一の室内区画面と同一の又は異なる、壁面、天井面、及び床面からなる群より選択された第二の室内区画面に設けられた空気を吹き出すための吹出口、並びに、
    前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面を構成する建築用面材により前記室内と隔てられ、前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面の前記室内側と反対側に設けられた、前記吸込口及び前記吹出口を連通させる風道
    を備える、室内空気処理装置であって、
    前記第一の室内区画面及び前記第二の室内区画面を構成する建築用面材のうち前記風道に面する側に配設される少なくとも一つの建築用面材が、JIS A 6901に規定された石膏を基材とする石膏ボードであり、
    前記石膏ボードは、通気性を有すると共に、
    前記石膏ボードに少なくとも一種類のヒドラジド化合物が配合されており、
    前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物は、少なくとも前記石膏ボードの表面材である石膏ボード用原紙に添加されており、
    前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の分子は、少なくとも一個以上のヒドラジド基を有しており、
    前記石膏ボードに配合された前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の量は、前記石膏の100重量部当たり0.01重量部以上10重量部以下である、
    室内空気処理装置。
  2. 室内区画面として室内に張り出した柱及び梁並びに室内に備え付けのクローゼットからなる群より選択された第一の部材の表面に設けられた室内の空気を吸い込むための吸込口、
    前記第一の部材と同一の又は異なる、室内区画面として室内に張り出した柱及び梁並びに室内に備え付けのクローゼットからなる群より選択された第二の部材の表面に設けられた空気を吹き出すための吹出口、並びに、
    前記第一の部材及び前記第二の部材を構成する建築用面材により前記室内と隔てられ、前記第一の部材及び前記第二の部材の前記室内側と反対側の面に設けられた、前記吸込口及び前記吹出口を連通させる風道
    を備える、室内空気処理装置であって、
    前記第一の部材及び前記第二の部材を構成する建築用面材のうち前記風道に面する側に配設される少なくとも一つの建築用面材が、JIS A 6901に規定された石膏を基材とする石膏ボードであり、
    前記石膏ボードは、通気性を有すると共に、
    前記石膏ボードに少なくとも一種類のヒドラジド化合物が配合されており、
    前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物は、少なくとも前記石膏ボードの表面材である石膏ボード用原紙に添加されており、
    前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の分子は、少なくとも一個以上のヒドラジド基を有しており、
    前記石膏ボードに配合された前記少なくとも一種類のヒドラジド化合物の量は、前記石膏の100重量部当たり0.01重量部以上10重量部以下である、
    室内空気処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の室内空気処理装置において、
    前記石膏ボードに、少なくとも一種類の有機質炭化物が配合されている、室内空気処理装置。
  4. 請求項3に記載の室内空気処理装置において、
    前記石膏ボードに配合された前記少なくとも一種類の有機質炭化物の量は、前記石膏の100重量部当たり0.1重量部以上20重量部以下である、室内空気処理装置。
  5. 請求項1から4までいずれか一項に記載の室内空気処理装置において、
    前記石膏ボードに加えて吸放湿性を有する建築用面材がさらに配設される、室内空気処理装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の室内空気処理装置において、
    前記石膏ボードに、シリカゲル、ゼオライト群、珪藻土、アパタルジャイト、及びモンモリロナイトからなる群より選択された少なくとも一種以上の吸放湿性を呈する物質が配合されている、室内空気処理装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の室内空気処理装置において、
    前記室内から前記吸込口を通じて前記風道へ空気を送る第一の送風手段及び前記風道から前記吹出口を通じて前記室内へ空気を送る第二の送風手段の少なくとも一方を備える、室内空気処理装置。
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