JP5289647B1 - ニューラルネットワーク回路の学習方法 - Google Patents

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Abstract

パルスタイミングによる学習動作をより少ない数の素子の構成で実現することができるニューラルネットワーク回路の学習方法を提供する。シナプス回路(20)は、可変抵抗素子(10)を具備し、ニューロン回路(30)は、双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧(以下、所定のパルス電圧)を発生させる波形発生回路(32)を備え、第1入力信号(他のニューラルネットワーク回路素子(40)の出力信号)が所定のパルス電圧波形を有するように構成され、可変抵抗素子(10)と同じニューラルネットワーク回路素子(40)内で生成された所定のパルス電圧波形の時間的な中間点を中間点とし、その中間点を基準として前後に所定の時間幅を有する期間(以下、入力許容期間)、可変抵抗素子(10)の制御電極(15)に、第1入力信号を入力可能とすることで、入力許容期間に対する第1入力信号の入力タイミングに依存して生じる第1電極(13)と制御電極(15)との間の電位差によって、可変抵抗素子(10)の抵抗値を変化させる。

Description

本発明は、ニューラルネットワーク回路の学習方法に関する。
現在、コンピュータの発展は目覚しく、日常の様々な場面で利用されている。しかし、これまでのコンピュータの処理能力の発展は部品の微細化とアルゴリズムの進化によって達成されたものであり、基本的な情報処理の原理は変化していない。一方で、これらのコンピュータは、その処理方式の特性のため、人が容易に行うことができる動作を非常に不得意としている。例えば、リアルタイムでの顔認識や、空間構造の把握などが挙げられる。こういった処理能力は、最新のアルゴリズムと最大規模のコンピュータを用いても人間の処理速度に及ばない。
これに対して、生体の脳の情報処理方式を模倣したコンピュータの研究が行われている。この処理モデルの最も基本となるものがニューラルネットワーク(neural network)である。
ニューラルネットワークは生体の神経回路網を模したものである。ここで、生体の神経細胞では、ほぼ一定形状のパルス(スパイクパルス)をやり取りしていることがわかっている。そこで、ニューラルネットワークを実現するニューラルネットワーク回路として、生体の神経回路をより忠実に真似て、パルスを直接扱うモデルが提案されている。例えば、特許文献1には、パルス密度を用いて情報を表現するモデル(パルス密度モデル)が開示されている。このモデルは、例えばある一定時間に伝播されるパルスの数を用いてアナログ情報を表現するモデルである。また、特許文献2にはパルスタイミングを用いて情報を表現するモデル(パルスタイミングモデル)が開示されている。このモデルは、パルスとパルスの時間的間隔とを用いてアナログ情報を表現するモデルである。これらパルス信号を扱うモデルでは、ニューロン(neuron)間でやり取りする信号が一定波形の信号であるため、ハードウェア化が容易であるという利点がある。しかし、特許文献1のようなパルス密度モデルでは密度を抽出する必要があるため、情報を表現するために一定の時間を要する。そのため、ニューロンの細かい時間スケールでの振る舞いを表現することはできないという欠点がある。一方、特許文献2のようなパルスタイミングモデルは、1つ1つのパルスによって情報を表現できるため、パルス密度モデルよりも高速な情報処理が可能である。例えば、非特許文献1には、パルスタイミングモデルを用いることで、パルス密度モデルを用いた場合よりも高い性能が得られることが開示されている。
特開平7−114524号公報 特開2010−146514号公報
W. Maass、"Networks of Spiking Neurons: The Third Generation of Neural Network Models、" Neural Networks、 vol. 10、 no. 9、 pp. 1659−1671、 1997.
しかしながら、特許文献2のようなパルスタイミングモデルを実現するニューラルネットワーク回路では、ニューラルネットワーク回路全体の回路面積が大きくなるという課題を有していた。
本発明の目的は、パルスタイミングによる学習動作をより少ない数の素子の構成で実現することができるニューラルネットワーク回路の学習方法およびニューラルネットワーク回路を提供することである。
上記課題を解決するための一の態様に係るニューラルネットワーク回路の学習方法は、複数のニューラルネットワーク回路素子(40)が接続されて構成されるニューラルネットワーク回路の学習方法であって、前記複数のニューラルネットワーク回路素子(40)のそれぞれは、他のニューラルネットワーク回路素子(40)の出力信号(以下、第1入力信号)が入力される少なくとも1つのシナプス回路(20)と、前記少なくとも1つのシナプス回路(20)の出力信号が入力される1つのニューロン回路(30)と、を具備し、前記シナプス回路(20)は、半導体膜(11)上に形成された第1電極(13)および第2電極(14)と、前記半導体膜(11)の主面に強誘電体膜(12)を介して形成された制御電極(15)とを備え、前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差に応じて前記第1電極(13)と前記第2電極(14)との間の抵抗値が変化する可変抵抗素子(10)を具備し、前記ニューロン回路(30)は、双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧(以下、所定のパルス電圧)を発生させる波形発生回路(32)を備え、前記第1入力信号が前記所定のパルス電圧波形を有するように構成され、前記可変抵抗素子(10)と同じニューラルネットワーク回路素子(40)内で生成された前記所定のパルス電圧波形の時間的な中間点を中間点とし、その中間点を基準として前後に所定の時間幅を有する期間(以下、入力許容期間)、前記可変抵抗素子(10)の前記制御電極(15)に、前記第1入力信号を入力可能とすることで、前記入力許容期間に対する前記第1入力信号の入力タイミングに依存して生じる前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差によって、前記可変抵抗素子(10)の抵抗値を変化させるものである。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、パルスタイミングによる学習動作をより少ない数の素子の構成で実現することができる。
図1は、実施の形態における、ニューラルネットワーク回路素子のブロック図を示す。 図2Aは、実施の形態における、第1入力信号電圧および第3入力信号電圧に用いる双極性ノコギリ形パルス電圧の形状を示す。 図2Bは、実施の形態における、第1入力電圧および第3入力電圧に用いるメキシカンハット形パルス電圧の形状を示す。 図2Cは、実施の形態における、第2入力電圧に用いる方形波パルス電圧の形状を示す。 図3は、実施の形態における、第1スイッチにおいて、図2Aに示す双極性ノコギリ形パルス電圧VPREの導通と非導通を、図2Cに示す方形波パルス電圧VPOST2を用いて、スイッチする動作を示す。 図4は、実施の形態における、第1スイッチにおいて、図2Bに示すメキシカンハット形パルス電圧VPREの導通と非導通を、図2Cに示す方形波パルス電圧VPOST2を用いて、スイッチする動作を示す。 図5Aは、実施の形態における、可変抵抗素子の断面図を示す。 図5Bは、実施の形態における、可変抵抗素子の回路記号を示す。 図6は、実施例における、STDPの評価回路を示す。 図7Aは、実施例1における、第1入力信号電圧に用いる双極性ノコギリ形パルス電圧の形状を示す。 図7Bは、実施例1における、第2入力電圧に用いる方形波パルス電圧の形状を示す。 図7Cは、実施例1における、非対称型STDPを示す。 図8は、実施例1における、積分動作の評価に用いた回路を示す。 図9は、実施例1における、非対称型STDPを示す。 図10Aは、実施例2における、第1入力信号電圧に用いるメキシカンハット形パルス電圧の形状を示す。 図10Bは、実施例2における、第2入力電圧に用いる方形波パルス電圧の形状を示す。 図10Cは、実施例2における、対称型STDPを示す。 図11Aは、階層型ニューラルネットワークを説明するための概略図を示す。 図11Bは、相互結合型ニューラルネットワークを説明するための概略図を示す。 図12は、一般的なニューロンの動作を説明するための概略図を示す。 図13は、積分発火型ニューロンの動作を説明するための概略図を示す。 図14Aは、STDPを説明するための概略図を示す。 図14Bは、非対称型STDPの特徴を示す概略図を示す。 図14Cは、対称型STDPを示す概略図を示す。 図15は、特許文献2に開示された、抵抗変化形メモリ素子の断面図を示す。 図16Aは、特許文献2に開示された、従来のSTDPニューラルネットワーク回路素子を示すブロック図を示す。 図16Bは、特許文献2に開示された、従来のシナプス回路のSTDP部を示すブロック図を示す。 図16Cは、特許文献2に開示された、従来のシナプス回路のSTDP部を示すブロック図を示す。 図17は、実施の形態における、信号発生回路を示す。
[ニューラルネットワークの説明]
まず、本発明の実施の形態の前提となるニューラルネットワークおよびこれを実現するための従来におけるニューラルネットワーク回路の課題についてより詳しく説明する。ニューラルネットワークは生体の神経回路網を模したものである。ニューラルネットワークは、神経回路網における機能単位である神経細胞を模したニューロンを機能単位とし、複数のニューロンをネットワーク状に配置して情報処理を行う。例えば、図11Aに示すようにニューロン100を階層状に接続した階層型ニューラルネットワークや、図11Bに示すようにニューロン100同士を相互に接続した相互結合型ニューラルネットワーク(ホップフィールドネットワーク)がある。
ニューラルネットワークは、大きく2つの機能を有する。1つ目は、入力から出力を得る「処理」機能であり、2つ目は、ニューラルネットワーク全体の入出力の関係を所望のものに設定する「学習」機能である。
[処理機能]
ここでは階層型ニューラルネットワーク回路を例に、情報処理の動作について説明する。図11Aに示した階層型ニューラルネットワークは、入力層400、中間層500、出力層600の3つの層を備えている。各層には少なくとも1つのニューロン100が含まれる。入力層400は中間層500の各ニューロン100と接続され、同様に、中間層500の各ニューロン100は出力層の各ニューロン100と接続されている。入力信号200は入力層400へ入力され、中間層500、出力層600と順に伝播し、出力層600から出力される。ニューロン100では、入力値に対して後述する所定の演算が行われ、その出力値を次の層のニューロンへ伝播する。従って、出力層600からの出力値が、ネットワークの最終出力300となる。この一連の動作がニューラルネットワークの情報処理であり、中間層500に含まれるニューロンを十分多くとると、任意の入出力が実現される。図11Aに示した階層型ニューラルネットワークは3つの層を備えているが、中間層500を複数備えることもできる。
続いて、ニューラルネットワークの構成単位であるニューロンについて説明する。図12は、ニューロンの模式図である。ニューロン100は、シナプス(synapse)部121、122とニューロン部130を備えている。なお、シナプス部の数は前段に接続されたニューロンの数、つまり入力信号の数に等しい。シナプス部121、122は外部からの複数の入力信号111、112それぞれに対して重み付けを行う。重み付けの値(w、w)を結合荷重と呼ぶ。ニューロン部130は、シナプス部によって重み付けされた入力信号の和を計算し、和の値を非線形演算した値を出力する。ここで、外部からの入力信号をそれぞれx(1、2、・・・、n)と表すとする。nは入力信号の数に等しい。式1に示すように、シナプス部は各入力信号に対して、対応する結合荷重の値w(1、2、・・・、n)を乗算し、ニューロン部はそれらの和Vを計算する。
=Σw (式1)
ここで、Σはiについての和記号である。
さらにニューロン部は、求めた和Vに対して非線形演算fを行った結果を出力値yとする。従ってニューロンの出力yは式2のように表される。
y=f(V) (式2)
非線形関数fには、飽和特性を持つ単調増加関数が用いられる。例えば、ステップ関数(階段関数)やシグモイド関数(sigmoid function)が用いられることが多い。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンが同時に演算を行うことができるため、並列処理性を持つ。つまり、従来型コンピュータの逐次情報処理とは異なり、並列情報処理が可能であることが特長である。
[学習機能]
ニューラルネットワークの重要な特徴は、上述したように入力から出力を得る「処理」機能だけでなく、「学習」機能を備えている点である。ここで述べる学習とは、上述したシナプスの結合荷重を更新することで、ニューラルネットワーク全体の入出力の関係を所望のものに設定することである。
[パルスニューロンモデル]
ここまでニューラルネットワークの処理機能と学習機能について詳述してきた。これまでの説明に用いたモデルにおいては、ニューロン間で伝播する信号は、電流や電位の値をアナログ値で表現したものであった。これに対して、生体の神経細胞では、ほぼ一定形状のパルス(スパイクパルス)をやり取りしていることがわかっている。そこで、生体の神経回路をより忠実に真似て、パルスを直接扱うモデルが提案されている。例えば、特許文献1には、パルス密度を用いて情報を表現するモデル(パルス密度モデル)が開示されている。このモデルは、例えばある一定時間に伝播されるパルスの数を用いてアナログ情報を表現するモデルである。また、特許文献2にはパルスタイミングを用いて情報を表現するモデル(パルスタイミングモデル)が開示されている。このモデルは、パルスとパルスの時間的間隔を用いてアナログ情報を表現するモデルである。これらパルス信号を扱うモデルでは、ニューロン間でやり取りする信号が一定波形の信号であるため、後述するハードウェア化が容易であるという利点がある。しかし、パルス密度モデルでは密度を抽出する必要があるため、情報を表現するために一定の時間を要する。そのためニューロンの細かい時間スケールでの振る舞いを表現することはできないという欠点がある。一方、パルスタイミングモデルは、1つ1つのパルスによって情報を表現できるため、パルス密度モデルよりも高速な情報処理が可能である。例えば、非特許文献1には、パルスタイミングモデルを用いることで、パルス密度モデルを用いた場合よりも高い性能が得られることが開示されている。
上述のような、パルスを用いた情報表現に適用できるニューロンの動作モデルとして、積分発火モデルが提案されている。ここでは、2つの入力端子を有するニューロンの積分発火動作について、図13を用いて説明する。
図13に示すように、外部もしくは他のニューロンから、シナプス1に入力パルスxが入力され、シナプス2に入力パルスxが入力されると、パルスが入力されたタイミングで、それぞれのシナプス部において単峰性の電圧変化が現れる。このようなシナプス部の電位をシナプス後電位(Post-synaptic potential、以下、「PSP」と略記する)と呼ぶ。図13にシナプス1およびシナプス2でのPSPの時間変化P(t)とP(t)を示す。PSPの高さはシナプス結合強度に比例する。ここでtは時間を表す。
ニューロンは、接続しているすべてのシナプスからのPSPの総和を演算する。これを、ニューロンの内部電位V(t)と呼ぶ。ニューロンへの入力端子が2つの場合、図13に示すように、内部電位V(t)はP(t)とP(t)の和となる。一般的に表すと、内部電位V(t)は式3のように表される。
(t)=ΣP(t) (式3)
ここで、PはシナプスiでのPSPであり、Σはiについての和記号である。
図13に示すように、内部電位Vnがあらかじめ定められた閾値Vthを越えると、そのニューロンはパルス信号yを出力する。これをニューロンの「発火」と呼ぶ。パルス出力yはニューロンから出力され、一定の伝達時間tDelayを経た後に、他のニューロンに入力される。
パルスタイミングによる情報表現を用いる場合、学習動作におけるシナプス結合荷重の更新においてもパルスタイミングを利用することができる。特に、スパイクタイミングシナプス可塑性(Spike-timing dependent synaptic plasticity、以下では「STDP」と略記する)と呼ばれる性質を用いた学習動作が注目を浴びている。STDPとは、あるシナプス1に着目したとき、シナプス1に信号を送るニューロン(前ニューロン)が発火するタイミングと、シナプス1に重み付けされた信号を受け取るニューロン(後ニューロン)が発火するタイミングに依存して、シナプス1のシナプス結合荷重が変化する特徴である。実際の生物の神経細胞においても、いくつかの種類のSTDPが観測されている。
ここで図14Aを用いて、STDPについて説明する。図14Aに示すように、シナプス120に接続された前ニューロンが発火するタイミングをtPREとし、後ニューロン発火するタイミングをtPOSTとする。STDPとは、このときのtPREとtPOSTとの時間差tPOST−tPREを関数として、シナプスの結合強度wが変化する特性のことである。STDPには大きく分けて、2種類のものが知られている。図14Bに示した特性が非対称型STDPであり、シナプス結合強度の変化量Δwが2つのパルスの時間差tPOST−tPREに加えて、両パルスの時間順序にも依存する。図14Cに示した特性が対称型STDPであり、シナプス結合強度の変化量Δwが2つのパルスの時間差tPOST−tPREだけの関数で決まり、パルスの順番に依存しない。
[集積回路化]
ここまででニューラルネットワークの概要について詳述したが、ニューラルネットワークを構成するにあたっては、上述したニューロンの機能をどのようにして実現するかが問題となる。これまで、従来型コンピュータを用い、ソフトウェア処理にてニューロンの機能を実現する手法を用いることが多かった。しかし、この場合、複数のニューロンにおける処理をCPUが時分割で実行することになるため、本来の並列情報処理がなされない。
そのため、ハードウェアを用いてニューロンを構成し集積回路化することが必須である。
上述のように、パルスタイミングによる情報表現に基づくニューラルネットワークは高い性能を実現できることが示唆されている。また、ニューロン間でやり取りする信号が一定波形の信号であるため、ハードウェア化が容易である。そのため、近年ではSTDPを用いた学習機能を実装したニューラルネットワークのハードウェア化、すなわちニューラルネットワーク回路の実現に関する研究が盛んである。STDPを用いた学習機能を含む従来のニューラルネットワーク回路においては、シナプス結合強度をアナログ量として記憶することに適した素子を実現することが最大の課題である。これについて、例えば特許文献2では、可変抵抗型メモリ素子の可変抵抗値をシナプス結合荷重として記憶させる手法が開示されている。図15は特許文献2に開示された可変抵抗型メモリ素子720の断面模式図である。可変抵抗型メモリ素子720は金属酸化膜722を上部電極721と下部電極723で挟んだ構造を有する。上部電極721と下部電極723との間に電圧を印加すると、流した電流値に依存して上部電極721と下部電極723との間の抵抗値が不揮発に変化する素子である。
図16Aは特許文献2に開示された従来のSTDPニューラルネットワーク回路素子のブロック図である。ここで、ニューラルネットワーク回路素子とは、ニューラルネットワークの機能単位であるニューロンをハードウェアで再現したものである。ニューラルネットワーク回路素子700は、複数のシナプス回路710と、1つのニューロン回路730と、を備えている。シナプス回路710は、可変抵抗型メモリ素子720を用いてシナプス結合荷重を記憶している。また、上述した手法で、可変抵抗型メモリ素子720の抵抗値を変更することによって、学習機能を実現している。図16Bおよび図16Cは、図16A中に示されたSTDP部の具体的な構成について、特許文献2に例示された回路図である。
図11Aおよび図11Bからわかるように、ニューラルネットワーク回路を構成するには、1つのニューロン回路に対して複数の入力端子が必要となる。また、ニューラルネットワーク回路全体のニューラルネットワーク回路素子の数が増えるに従って、1つのニューロン回路に対して必要となる入力端子の数は増加する。1つのニューロン回路に対して、入力端子の数と同数のシナプス回路が必要となる。そのため多数のニューラルネットワーク回路素子からなるニューラルネットワーク回路を構成すると、非常に多くのシナプス回路が必要となる。例えば、図11Bに示した相互結合型ニューラルネットワークでは、ニューロンの数をnとしたときに必要なシナプスの数はnの2乗となる。従って、ニューラルネットワーク回路をより小面積化するにはシナプス回路の構成を簡略化することが重要である。
従来のニューラルネットワーク回路素子700では、ニューロン回路730へ伝播させる信号および、STDPによって抵抗変化型メモリ素子720のシナプス荷重を更新するための信号を、シナプス回路710の中で生成している。例えば、図16A中のパルス発生部やSTDP部で波形を生成している。そのため、シナプス回路内に図16Bおよび図16Cに示すような信号発生器や演算回路が必要となり、シナプス回路710の構成が大規模なものとなってしまっていた。
以上の点から、従来のシナプス回路710およびその駆動法では、シナプス回710の面積が極めて大きくなるという課題を有しており、これを用いたニューラルネットワーク回路も大規模になっていた。
上記従来の課題に対して、本発明の発明者らは、鋭意研究の末、STDPによる学習動作をより少ない数の素子の構成で実現することができるニューラルネットワーク回路の学習方法およびニューラルネットワーク回路として、以下のような態様を想到するに至った。
本発明の発明者らは、従来のニューラルネットワーク回路素子700において、シナプス回路710内でシナプス荷重を更新するための非線形波形を生成しているのは、シナプス回路730に入力される他のニューラルネットワーク回路素子からの信号(ここでは他の入力信号と称する)がスパイクパルスそのもの(図11における入力パルスx)であることに起因するものであることに着目した。つまり、従来の構成においては、他の入力信号がスパイクパルスであることにより、入力された当該シナプス回路710と同じニューラルネットワーク回路素子700で生成されたスパイクパルス(ここでは自己の入力信号と称する)と比較するために、他の入力信号をトリガとして当該シナプス回路710で非線形波形を新たに生じさせる必要性が生じていた。
そこで、本発明の発明者らは、ニューラルネットワーク回路素子の出力信号自体を非線形波形とすることで他の入力信号をニューラルネットワーク回路素子のシナプス回路が受信してから非線形波形に変換する必要性をなくすことができるという知見を得た。さらに、非線形波形同士を比較する際に、入力タイミング差を有効に検出するために、当該非線形波形として、後述する双極性ノコギリ形波形(bipolar sawtooth waveform)またはメキシカンハット形波形(mexican-hat waveform)が好適に採用できるという知見を得るに至った。
以下、本発明の実施の形態によるニューラルネットワーク回路の学習方法を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態によるニューラルネットワーク回路素子40のブロック図を示す。1つのニューラルネットワーク回路素子40は少なくとも1つの入力端子51と、入力端子51の数と同数のシナプス回路20と、1つのニューロン回路30と、1つの出力端子52と、を備えている。また、ニューラルネットワーク回路は、図11A、図11Bに示すように、複数のニューラルネットワーク回路素子40が接続されることで構成される。具体的には、ニューラルネットワーク回路素子40の出力端子52は、他のニューラルネットワーク回路素子40の入力端子51に接続される。
ニューラルネットワーク回路素子40の入力端子51は、シナプス回路20の第1入力端子41に接続されている。シナプス回路20の出力端子44は、ニューロン回路30の入力端子45に接続されている。ニューロン回路30の第1出力端子46は、ニューラルネットワーク回路素子40の出力端子52に接続されている。なお、図1では、図面の見易さのため、1つのニューロン回路30および1つのシナプス回路20のみが記載されているが、実際には、1つのニューロン回路30に対して複数のシナプス回路20が接続される。
ニューロン回路30は、積分回路31と、波形発生回路32と、遅延回路33と、を備える。
ニューロン回路30の入力端子44は、積分回路31に接続されている。積分回路31は、ニューロン回路30に接続されている複数のシナプス回路20から流れ込む電流の和を演算する。そして、演算値が所定の値を超えたときに、波形発生回路32へ信号(トリガ信号)を出力する。
信号発生回路32は、積分回路31からの信号をトリガとして、非線形波形パルス電圧VPOST1およびスイッチングパルス電圧VPOST2を生成する。非線形波形パルス電圧VPOST1は、例えば、図2Aや図2Bに示した形状、またはそれらを符号反転させた形状である。ここで図2Aに示した非線形波形パルス電圧を「双極性ノコギリ形パルス電圧」と呼ぶこととする。双極性ノコギリ形パルス電圧の特徴は、初めは0ボルトである電位が、時間経過と共に所定の負の電位まで低下し、その後、所定の正の電位まで上昇した後に、再び0ボルトに戻ることである。一方、図2Bに示した非線形波形パルス電圧を「メキシカンハット形パルス電圧」と呼ぶこととする。メキシカンハット形パルス電圧の場合は、初めは0ボルトである電位が、時間経過と共に所定の負の電位まで低下した後、所定の正の電位まで上昇する。その後、電位は、所定の負の値まで低下した後、再び0ボルトに戻る。スイッチングパルス電圧VPOST2には、例えば図2Cに示した方形波パルス電圧が用いられ得る。
例えば、信号発生回路32は、図17に示すように、積分回路31からの出力信号をトリガとして駆動するデジタル/アナログコンバータ321と、双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧を生成するためのデジタル波形データが記憶されたデジタルメモリ322とを備えている。デジタル/アナログコンバータ321は、積分回路31からの出力信号が入力されると、デジタルメモリ322からデジタル波形データを読み出し、これをアナログ波形に変換して出力する。
非線形波形パルス電圧VPOST1は、遅延回路32によって所定の遅延時間を経過した後、第1出力端子45に出力される。ニューロン回路30の第1出力端子45は、ニューラルネットワーク回路素子40の出力端子52に接続されているので、遅延回路33の出力信号がニューラルネットワーク回路素子40の出力信号となる。そして、この出力信号が他のニューラルネットワーク回路素子(図示省略)におけるシナプス回路の第1入力端子に第1入力信号電圧(すなわち、非線形波形パルス電圧VPRE)として入力されることとなる。スイッチングパルス電圧VPOST2は、ニューロン回路30の第2出力端子46に出力される。第2出力端子46は、ニューロン回路30に接続された、すべてのシナプス回路20の第2入力端子42に接続され、第2入力信号電圧60として入力される。
シナプス回路20は、第1スイッチ22と、第2スイッチ21と、後述する可変抵抗素子10と、所定の直流電圧源23と、を備える。シナプス回路20の第1入力端子41は、第1スイッチ22の入力端子26に接続されている。シナプス回路20の第2入力端子42は、第1スイッチの制御端子28に接続されている。
第1スイッチ22の出力端子27は、可変抵抗素子10の制御電極15に接続されている。シナプス回路20の出力端子43は、可変抵抗素子10の第2電極14に接続されている。シナプス回路20の出力端子43は、ニューロン回路30の入力端子44に接続されている。シナプス回路20の第1入力信号電圧60は、他のニューラルネットワーク回路素子(図示省略)からの非線形波形パルス電圧VPREである。またシナプス回路20の第2入力端子42への第2入力信号電圧70は、同じニューラルネットワーク回路素子40内のニューロン回路30の波形生成回路32が生成したスイッチングパルス電圧VPOST2である。
ここで、本実施の形態のニューラルネットワーク回路素子40の構成において重要な点は、波形生成はすべてニューロン回路30で行い、生成した非線形波形パルス電圧VPOST1(他のニューラルネットワーク回路素子40に入力される非線形波形パルス電圧VPREとなる)とスイッチングパルス電圧VPOST2を用いて処理および学習動作を行うことである。これによってシナプス回路20を簡略化することができる。
次に、可変抵抗素子10について説明する。図5Aおよび図5Bは、それぞれ、可変抵抗素子10の断面模式図および回路記号を示す。可変抵抗素子10は、半導体膜11、強誘電体膜12、第1電極13、第2電極14および制御電極15を具備する。Z軸は強誘電体膜12の法線方向である。X軸はZ軸に直交する方向である。また、可変抵抗素子10の回路記号を図5Bのように表記することとする。図1には、図5Bの表記に基づいて当該可変抵抗素子10が組み込まれたニューラルネットワーク回路素子40が示されている。
半導体膜11の材料の例は、ZnO、GaN、またはInGaZnOである。強誘電体膜12の材料の例は、Pb(Zr、Ti)O、Sr(Bi,Ta)O、またはBi12TiO20である。第1電極13、第2電極14および制御電極15の例は、白金膜およびチタン膜から構成される積層体である。
半導体膜11、強誘電体膜12および制御電極15はZ軸に沿って積層されている。半導体膜11の表側の面に、第1電極13および第2電極14が配置されている。
次に、本実施の形態における、可変抵抗素子10の可変抵抗値について、図5Aを用いて説明する。可変抵抗素子10の可変抵抗値とは、第1電極13と第2電極14との間の抵抗値である。強誘電体膜12の一部分が上方向の分極方向を有する場合、当該一部分の上に積層している半導体膜11の部分は低い抵抗を有する。一方、強誘電体膜12の一部分が下方向の分極方向を有する場合、当該一部分の上に積層している半導体層11の部分は高い抵抗を有する。このとき、第1電極13と第2電極14との間の抵抗値は、第1電極13と第2電極14とに挟まれた領域の半導体の抵抗値となる。従って、当該領域の下に積層されている強誘電体膜12のうち上方向と下方向の分極方向を有する領域の割合によって、第1電極13と第2電極14との間の抵抗値は連続的に変化する。
次に、本実施の形態による可変抵抗素子10の抵抗値の制御方法について、図5Aを用いて説明する。可変抵抗素子10では、第1電極13および第2電極14と制御電極15との間に電位差を設けることで、強誘電体膜12の分極方向を変化させ、第1電極13と第2電極14との間の抵抗値が制御される。例えば、第1電極13および第2電極14を基準として、両電極と制御電極15との間に正の電位差を設けると、強誘電体膜12の分極による電場の向きが上方向(半導体膜11側)に向きやすくなる。反対に、負の電位差を設けると、強誘電体膜12の分極による電場の向きが下方向(制御電極15側)に向きやすくなる。また、与える電位差の絶対値が大きいほど、電位差による強誘電体膜12の分極の変化量が大きくなる。したがって、正の電位差を設けると第1電極13と第2電極14との間の抵抗値は減少し、負の電位差を設けると第1電極13と第2電極14との間の抵抗値は増加し、それら抵抗値の変化は与えた電位差の絶対値が大きいほど顕著になる。ここで、上方向とは半導体膜11が積層されている方向であり、下方向とは制御電極15が積層されている方向を意味している。
次にニューラルネットワーク回路素子40の動作の詳細について説明する。
まず、処理動作について説明する。
「処理」動作の間は、シナプス回路の第2入力信号電圧70によって、第1スイッチ22は、可変抵抗素子10の制御電極15と、シナプス回路20の第1入力端子41と、の間が非導通である状態を保つ。
また、第2スイッチ21は、第1入力信号である非線形波形パルス電圧VPREがシナプス回路20に入力されている間、直流電圧源(第1基準電圧源)23と可変抵抗素子10の第1電極13とを接続する。すなわち、他のニューラルネットワーク回路素子(図示省略)から、非線形波形パルス電圧VPREが第1入力信号電圧60としてシナプス回路20へ入力されると、その非線形波形パルス電圧VPREによって第2スイッチ21が開閉される。例えば第2スイッチ21は、非線形波形パルス電圧VPREが所定の電圧以上となるHIレベルの期間に閉状態となり、それ以外の期間に開状態となる。また、シナプス回路20の第2電極14は、グランド電圧(第1基準電圧と異なるように、第2基準電圧源から供給される第2基準電圧)と等電位となる。
第2スイッチ21が閉状態になると、直流電圧源23と可変抵抗素子10の第1電極13とが接続される。可変抵抗素子10は、前述したように第1電極13と第2電極14との間の抵抗値が可変する特性を有している。第2スイッチ21が閉状態になることにより、可変抵抗素子10の第1電極13と第2電極14との間に電源電圧VDDが印加され、直流電圧源23から可変抵抗素子10の第2電極14へ、可変抵抗素子10の現時点の伝導率(抵抗値の逆数)に比例した電流が流れ、ニューロン回路30に入力される。ニューロン回路30に入力される電流の大きさは、シナプス結合荷重wに比例しており、図13のPSP(P(t),P(t))を表現している。従って、本実施の形態では、可変抵抗素子10の伝導率(抵抗値の逆数)がシナプス結合荷重wに相当することとなる。
このようなニューロン回路30への入力は、複数の他のニューラルネットワーク回路素子からシナプス回路20を介して非同期的に与えられる。これら複数のシナプス回路20からの入力電流が、ニューロン回路30の積分回路31において時空間加算される。時空間加算によって生じる積分電圧は内部電位Vとみなせる。内部電位Vが所定の閾値電圧VTHを超えると、波形発生回路32がパルス電圧(VPOST1,VPOST2)を生成する。このうち、波形発生回路32で生成された非線形波形パルス電圧VPOST1は、遅延回路33により設定された所定の遅延時間が経過した後、他のニューラルネットワーク回路素子回路(図示省略)のシナプス回路の第1入力端子へ第1入力信号電圧VPREとして印加される。この遅延時間はニューロンモデルにおける伝達遅延時間tDelayに相当する。
次に、学習動作、特にSTDPを利用した学習動作について説明する。
「学習」動作時には、ニューロン回路30の波形発生回路32は非線形波形パルス電圧VPOST1と同時にスイッチングパルス電圧VPOST2を生成する。例えば、図2Aおよび図2Bまたは図2Cのそれぞれに点線で示される時刻Tinが同じ時刻となるように、パルス電圧を出力する。スイッチングパルス電圧VPOST2は第2入力信号電圧70としてシナプス回路20の第1スイッチ22の制御端子28へ与えられる。また他のニューラルネットワーク回路素子の非線形波形パルス電圧VPREが、第1入力信号電圧60としてシナプス回路20の第1スイッチ22の入力端子26に入力される。シナプス回路20では、スイッチングパルス電圧VPOST2によって、第1スイッチ22を切り替える。スイッチングパルス電圧VPOST2は、同じニューラルネットワーク回路素子40内で生成された非線形波形パルス電圧VPREの時間的な中間点を中間点とし、その中間点を基準として前後に所定の時間幅を有する期間、所定の電圧レベル(HIレベル)となる。
次に、可変抵抗素子10を具備するシナプス回路20において、STDPを実現する方法について、図1を用いて説明する。例えば、スイッチングパルス電圧VPOST2がHIレベルの期間は、第1スイッチ22によって、可変抵抗素子10の制御電極15と、シナプス回路20の第1入力端子41とが接続される場合を考える。すなわち、スイッチングパルス電圧VPOST2がHIレベルの期間、可変抵抗素子10の制御電極15に第1信号電圧VPREが入力可能な入力許容期間となる。この場合、スイッチングパルス電圧VPOST2によって、第1スイッチ22が可変抵抗素子10の制御電極15と第1入力端子41とを導通させている間に、非線形波形パルス電圧VPREが入力されると、その間だけ可変抵抗素子10の制御電極15にパルス電圧が印加される。従って、非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2が時間的に重なって入力されることで、可変抵抗素子10の制御電極15に有限の電圧が印加される。つまり、第1電極13および第2電極14と制御電極15との間に電位差が設けられるので、この電位差によって可変抵抗素子10の抵抗値が変更される。上述のとおり、本実施の形態においては、可変抵抗素子10の抵抗値の逆数(伝導率)がシナプス結合強度を表わしているので、その抵抗値の変化によりシナプス回路20のシナプス結合強度を更新する「学習」動作が可能となる。
また、非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2とが印加されるタイミングによって、可変抵抗素子10の制御電極15に印加されるパルス電圧の波形は変化する。上述のように、可変抵抗素子10の抵抗値変化の程度は印加される電圧の大きさ、つまり電圧波形に依存する。このため、2つのパルス電圧が印加されるタイミングによって変化する生成波形の形状に依存して、抵抗値変化の程度も変化する。本実施形態では、図2Aに示した双極性ノコギリ形パルス電圧を非線形波形パルス電圧として用いることで、図14Bに示した非対称型のSTDPを実現することができ、図2Bに示したメキシカンハット形パルス電圧を非線形波形パルス電圧として用いることで、図14Cに示した対称型のSTDPを実現することができる。
非線形波形パルス電圧VPREを図2Aに示す双極性ノコギリ形パルス電圧とし、スイッチングパルス電圧VPOST2を図2Cに示す方形波パルス電圧としたときの、第1スイッチ22の動作について、図3にまとめた。ここでは、スイッチングパルス電圧VPOST2がHIの期間だけ、非線形波形パルス電圧VPREが可変抵抗素子10の制御電極15に印加される場合を考える。第1スイッチ22の動作によって制御電極15に印加される電圧をVsampleとする。非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2の入力タイミング差tPOST2−tPREが変化すると、Vsampleの波形も変化する。例えばtPOST2−tPRE<0のとき(非線形波形パルス電圧VPREがスイッチングパルス電圧VPOST1より早く入力されるとき)、非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2が時間的に重なると、Vsampleの負方向の電位差変化が大きくなる。可変抵抗素子10の、第1電極13および第2電極14と、制御電極15との間に設けられる負の電位差が大きくなるほど、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく減少する。従って、Vsampleの負方向の変化が大きくなると、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく減少する。一方、tPOST2−tPRE>0のとき(非線形波形パルス電圧VPREがスイッチングパルス電圧VPOST1より遅く入力されるとき)は、非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2が時間的に重なると、Vsampleは、正方向の電位差変化が大きくなる。可変抵抗素子10の、第1電極13および第2電極14と、制御電極15との間に設けられる正の電位差が大きくなるほど、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく増加する。従って、Vsampleの正方向の変化が大きくなると、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく増加する。
同様に非線形波形パルス電圧VPREを図2Bに示すメキシカンハット形パルス電圧とし、スイッチングパルス電圧VPOST2を図2Cに示す方形波パルス電圧としたときの、第1スイッチ22の動作について、図4にまとめた。ここでも、スイッチングパルス電圧VPOST2がHIの期間(すなわち、前述の入力許容期間)だけ、非線形波形パルス電圧VPREが可変抵抗素子10の制御電極15に印加される場合を考える。非線形波形パルス電圧VPREとスイッチングパルス電圧VPOST2の入力タイミング差tPOST2−tPREが変化すると、Vsampleの波形も変化する。例えば、非線形波形パルス電圧VPREの電位が正の値をとるタイミングに、スイッチングパルス電圧VPOST2が印加されると、Vsampleの正方向の電位差変化が大きくなる。可変抵抗素子10の、第1電極13および第2電極14と、制御電極15との間に設けられる正の電位差が大きくなるほど、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく増加する。従って、Vsampleの正方向の変化が大きくなると、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく増加する。一方、非線形波形パルス電圧VPREの電位が負の値をとるタイミングに、スイッチングパルス電圧VPOST2が印加されると、Vsampleは、負方向の電位差変化が大きくなる。可変抵抗素子10の、第1電極13および第2電極14と、制御電極15との間に設けられる負の電位差が大きくなるほど、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく減少する。従って、Vsampleの負方向の変化が大きくなると、伝導率(抵抗値の逆数)が大きく減少する。
このようにスイッチングパルス電圧VPOST2を用いて第1スイッチ22を切り替えることで、同じニューラルネットワーク回路素子40内で生成されたスイッチングパルス電圧(第2入力信号電圧)VPOST2と他のニューラルネットワーク回路素子から入力された非線形波形パルス電圧(第1入力信号電圧)VPREの入力タイミング差に基づいて、可変抵抗素子10の第1電極13および第2電極14と制御電極15との間に、当該入力タイミング差に依存した電位差が設けられる。このようにして設けられた電位差によって、可変抵抗素子10において入力タイミング差に依存した抵抗値の変調が実現される。
このように、他のニューラルネットワーク回路素子から入力される双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧である非線形パルス波形電圧VPREを、同じニューラルネットワーク回路素子40内のニューロン回路30で生成される双極性ノコギリ形パルス電圧VPOST1の生成タイミングに応じたスイッチングパルス電圧VPOST2と比較するため、当該比較用の波形をシナプス回路20自身で生成する必要がなくなり、シナプス回路20の面積を小さくすることができる。これにより、ニューラルネットワーク回路素子40自体の回路面積を小さくすることができる。従って、パルスタイミングによる学習動作をより少ない数の素子の構成で実現することができる。
また、比較対象となる非線形パルス波形電圧VPREとして、2つの極性を有し、0ボルトの地点を基準として点対称となるような双極性ノコギリ形パルス電圧波形または0ボルトの時間を基準として線対称となるようなメキシカンハット形パルス電圧波形を用いている。このため、第1入力信号電圧VPREと比較される第2入力信号電圧であるスイッチングパルス電圧VPOST2との間のタイミングずれを容易に可変抵抗素子10の抵抗値の変調に反映させることができる。
非線形パルス波形電圧VPRE,VPOST1の波形は、それぞれ上記のような双極性ノコギリ形パルス電圧波形またはメキシカンハット形パルス電圧波形である限り特に限定されないが、例えば、双極性ノコギリ形パルス電圧であれば、図2Aに示すように、各極性の頂点と0ボルトの地点との間を結ぶ線分の傾きが他の部分の傾きより急峻であるような波形が採用可能である。0ボルトの地点に近い領域の傾きが急峻であることにより、第1入力信号電圧VPREと第3入力信号電圧VPOST1との入力タイミング差がわずかである場合でも電位差Veffectの変化が大きくなるため、入力タイミング差に対して感度を高めることができる。同様に、メキシカンハット形パルス電圧であれば、図2Bに示すように、各極性の頂点同士の間を結ぶ線分の傾きが急峻であることにより、第1入力信号電圧VPREと第3入力信号電圧VPOST1との入力タイミング差がわずかである場合でも電位差Veffectの変化が大きくなるため、入力タイミング差に対して感度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、非線形波形パルス電圧VPREを用いて、シナプス回路20の第2スイッチ21を開閉したが、例えば非線形波形パルス電圧VPREが入力されている間、所定の電圧となるような方形波パルス電圧を用いて第2スイッチ21を開閉してもよい。
(実施例)
以下の実施例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
(可変抵抗素子10の作製)
厚さ30nmのルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)からなる酸化物導電膜を、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)からなる(001)単結晶基板上に、パルスレーザデポジション(以下PLD)法によって堆積した。堆積時の基板の温度は700℃であった。堆積後、フォトリソグラフィおよびイオンミリング法によって制御電極15を形成した。
基板の温度が700℃である状態で、PLD法を用いてSRO上に厚さ450nmのジルコニウム酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)からなる強誘電体膜12を堆積した。その後、基板の温度を400℃まで下げた。次いで、厚さ30nmの酸化亜鉛(ZnO)からなる半導体膜11を堆積した。
半導体膜11上にパターニングされたレジストを形成した後、厚さ5nmのチタン膜と、厚さ30nmの白金膜から構成される積層体を、室温下で電子ビーム蒸着法によって堆積した。堆積後、リフトオフ法によって第1電極13と第2電極14を形成した。このようにして、可変抵抗素子10を得た。
(シナプス回路の評価)
図6に示したシナプス回路を構成し、上述の可変抵抗素子10を用いたシナプス回路のSTDP特性を評価した。VDDには0.1ボルトの直流電圧源を接続した。第1スイッチには図6に示すようなスイッチ回路25を用いた。スイッチ回路25はスイッチングパルス電圧VPOST2がHIの期間だけ、非線形波形パルス電圧VPREが可変抵抗素子10の制御電極15に印加され、それ以外の期間は可変抵抗素子10の制御電極15は接地されるような動作を行う。なお、図6においては図1における第2スイッチ21の構成は省略している。
本実施例では、図7Aに示す波形を非線形波形パルス電圧VPREとし、図7Bに示す波形をスイッチングパルス電圧VPOST2とし、スイッチ回路25を図1における第1スイッチ22として用いることで図3に示したようなスイッチング動作を実現した。印加する非線形波形パルス電圧VPREおよびスイッチングパルス電圧VPOST2のタイミングを変えながら、両パルス電圧を印加する前後の伝導率(抵抗値の逆数)の変化を測定すると、図7Cに示したように、図14Bのような非対称形のSTDPが得られた。
(積分動作の評価)
次に、図8に示したような、1つのシナプス回路20に積分回路31を接続した回路を作製し、STDPによる可変抵抗素子10の抵抗変化に伴う積分動作の変化について評価した。
積分回路31は、オペアンプ53、キャパシタ36および抵抗37から構成される。キャパシタ36の容量値は1ピコファラッドとし、抵抗37の抵抗値は1メガオームとした。積分回路31は、シナプス回路20から入力される電流を用いてキャパシタ36を充電する。この動作によって、電流の時間積分の演算結果が積分電位Vとして出力される。またキャパシタ36は、オペアンプ35の負極性入力端子(−)および出力端子間に配置されている。またオペアンプ35の出力信号は抵抗37を介して負極性入力端子(−)に戻る。その結果、オペアンプ35のフィードバック機能により、負極性入力端子(−)への入力が仮想接地となる。
オペアンプ35の負極性入力端子(−)への入力が仮想接地となるため、シナプス回路20の数やキャパシタ36の積分電位に関わらず、所定の電源電圧と可変抵抗素子20の抵抗値によって決まる一定電流が、各シナプス回路20を通して、ニューロン回路30へ入力される。
図8に示すシナプス回路20の第1スイッチ22として図6と同様の回路25を用い、第2スイッチ21として電界効果トランジスタ24を用いた。電界効果トランジスタ24のゲート端子には非線形波形パルス電圧VPREが印加される。本実施例に用いた電界効果トランジスタ24は、非線形波形パルス電圧VPREがHIのときにオンし、それ以外ではオフする。電界効果トランジスタ24のオン抵抗は可変抵抗素子10の抵抗値の100分の1以下であるため、直流電圧源23とオペアンプ35の負極製入力端子(−)の間の抵抗値はおよそ可変抵抗素子10の抵抗値に等しい。したがって、非線形波形パルス電圧VPREがHIの期間だけ、可変抵抗素子10にパルス電流が流れる。パルス電流の大きさはおよそ可変抵抗素子10の抵抗値の逆数(伝導率)に比例する。
ニューロン回路20に入力されたパルス電流は、積分回路31のキャパシタ36を充電するため、時間積分結果が出力Vとして出力される。非線形波形パルス電圧VPREが印加されて20マイクロ秒後の積分電圧Vについて評価した。
本実施例では、図7Aに示す波形を非線形波形パルス電圧VPREとし、図7Bに示す波形をスイッチングパルス電圧VPOST2とした。印加する非線形波形パルス電圧およびスイッチングパルス電圧のタイミングを変えながら、両パルス電圧を印加する前後の積分電圧Vの変化を測定した。図9の左軸に積分電圧の変化量を示す。図9の右軸には、参考のため、図7Cに示した伝導率の変化量と同じものをプロットした。積分電圧の変化量は、伝導率の変化量に対応した特性を示し、可変抵抗素子10のSTDP特性が積分回路31の積分動作にも反映されていることが示された。
(実施例2)
(シナプス回路100の評価)
実施例1と同様に、図6に示したシナプス回路を構成し、可変抵抗素子10を用いたシナプス回路のSTDP特性を評価した。
図10Aに示す波形を非線形波形パルス電圧VPREとし、図10Bに示す波形をスイッチングパルス電圧VPOST2として印加する前後の伝導率(抵抗値の逆数)の変化を測定した。図10Cの左軸に示すように、図14Cのような対称形のSTDP特性が得られた。
(積分動作の評価)
次に、実施例1と同様に、図8に示したような、1つのシナプス回路20に積分回路31を接続した回路を作製し、STDPによる可変抵抗素子10の抵抗変化に伴う積分動作の変化について、非線形波形パルス電圧VPREが印加されて20マイクロ秒後の積分電圧Vから評価した。
図10Cの右軸に積分電圧の変化量を示す。積分電圧の変化量は、伝導率の変化量に対応した特性を示し、可変抵抗素子10の対称形STDP特性が積分回路31の積分動作にも反映されていることが示された。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、ニューラルネットワーク回路の荷重更新動作に用いられ得る。
10 可変抵抗素子
11 半導体膜
12 強誘電体膜
13 第1電極
14 第2電極
15 制御電極
20 シナプス回路
21 第2スイッチ
22 第1スイッチ
23 直流電圧源(第1基準電圧源)
30 ニューロン回路
31 積分回路
32 波形発生回路
33 遅延回路
40 ニューラルネットワーク回路素子
54 グランド電圧源(第2基準電圧源)
321 デジタル/アナログコンバータ
322 デジタルメモリ

Claims (5)

  1. 複数のニューラルネットワーク回路素子(40)が接続されて構成されるニューラルネットワーク回路の学習方法であって、
    前記複数のニューラルネットワーク回路素子(40)のそれぞれは、
    他のニューラルネットワーク回路素子(40)の出力信号(以下、第1入力信号)が入力される少なくとも1つのシナプス回路(20)と、
    前記少なくとも1つのシナプス回路(20)の出力信号が入力される1つのニューロン回路(30)と、を具備し、
    前記シナプス回路(20)は、
    半導体膜(11)上に形成された第1電極(13)および第2電極(14)と、前記半導体膜(11)の主面に強誘電体膜(12)を介して形成された制御電極(15)とを備え、前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差に応じて前記第1電極(13)と前記第2電極(14)との間の抵抗値が変化する可変抵抗素子(10)を具備し、
    前記ニューロン回路(30)は、双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧(以下、所定のパルス電圧)を発生させる波形発生回路(32)を備え、前記第1入力信号が前記所定のパルス電圧波形を有するように構成され、
    前記可変抵抗素子(10)と同じニューラルネットワーク回路素子(40)内で生成された前記所定のパルス電圧波形の時間的な中間点を中間点とし、その中間点を基準として前後に所定の時間幅を有する期間(以下、入力許容期間)、前記可変抵抗素子(10)の前記制御電極(15)に、前記第1入力信号を入力可能とすることで、前記入力許容期間に対する前記第1入力信号の入力タイミングに依存して生じる前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差によって、前記可変抵抗素子(10)の抵抗値を変化させる、ニューラルネットワーク回路の学習方法。
  2. 前記シナプス回路(20)は、入力された前記第1入力信号を前記可変抵抗素子(10)の前記制御電極(15)に入力可能とするか否かを切り替える第1スイッチ(22)を備え、
    前記ニューロン回路(30)は、前記第1スイッチ(22)を、前記入力許容期間、前記第1入力信号が前記制御電極(15)に入力可能な状態となるように切り替えるための第2入力信号を生成するよう構成される、請求項1に記載のニューラルネットワーク回路の学習方法。
  3. 前記ニューロン回路(30)は、
    前記少なくとも1つのシナプス回路(20)の前記可変抵抗素子(10)を流れる電流値を積分する積分回路(31)と、
    前記波形発生回路(32)で発生させた前記双極性ノコギリ形パルス電圧を所定時間遅延させて前記ニューラルネットワーク回路素子(40)の出力信号として出力する遅延回路(33)と、を具備し、
    前記波形発生回路(32)は、前記積分回路(31)で積分された電流値に応じた前記所定のパルス電圧を発生させる、請求項1に記載のニューラルネットワーク回路の学習方法。
  4. 前記シナプス回路(20)は、一端が第1基準電圧源(23)に接続され、他端が前記可変抵抗素子(10)の前記第1電極(13)に接続される第2スイッチ(21)を備え、
    前記第2スイッチ(21)は、前記第1入力信号が入力されている間、前記第1基準電圧源(23)と前記第1電極(13)とを接続するように構成される、請求項1に記載のニューラルネットワーク回路の学習方法。
  5. 複数のニューラルネットワーク回路素子(40)が接続されて構成されるニューラルネットワーク回路であって、
    前記複数のニューラルネットワーク回路素子(40)のそれぞれは、
    他のニューラルネットワーク回路素子(40)の出力信号(以下、第1入力信号)が入力される少なくとも1つのシナプス回路(20)と、
    前記少なくとも1つのシナプス回路(20)の出力信号が入力される1つのニューロン回路(30)と、を具備し、
    前記シナプス回路(20)は、半導体膜(11)上に形成された第1電極(13)および第2電極(14)と、前記半導体膜(11)の主面に強誘電体膜(12)を介して形成された制御電極(15)とを備え、前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差に応じて前記第1電極(13)と前記第2電極(14)との間の抵抗値が変化する可変抵抗素子(10)を具備し、
    前記ニューロン回路(30)は、双極性ノコギリ形パルス電圧またはメキシカンハット形パルス電圧(以下、所定のパルス電圧)を生成する波形発生回路(32)を備え、前記第1入力信号が前記所定のパルス電圧波形を有するように構成され、
    前記可変抵抗素子(10)と同じニューラルネットワーク回路素子(40)内で生成された前記所定のパルス電圧波形の時間的な中間点を中間点とし、その中間点を基準として前後に所定の時間幅を有する期間(以下、入力許容期間)、前記可変抵抗素子(10)の前記制御電極(15)に、前記第1入力信号を入力可能とすることで、前記入力許容期間に対する前記第1入力信号の入力タイミングに依存して生じる前記第1電極(13)と前記制御電極(15)との間の電位差によって、前記可変抵抗素子(10)の抵抗値を変化させる、ニューラルネットワーク回路。
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