JP5287144B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みおよびリムクッション部の変形を抑制できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、リムクッション部の変形を抑制するためにビードベース部に有機繊維材から成る補強層を有している。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開平07−276930号公報
また、一般に空気入りタイヤが装着されるリム10は、リム本体11およびリムリング12を有しており、リム本体11の一部とリムリング12とがリム10の左右のリムフランジ部を構成している(図9参照)。そして、これらのリムフランジ部にタイヤ20のビード部が組み付けられて、タイヤのリム組みが行われる。
ところで、特定の市場では、リムリング12の割り位置へのビード部の食い込みを抑制するために、リムリング12の割り位置とビード部との間にゴムシートが挿入される場合がある。すると、荷重の負荷時にてリムクッション部のひずみが大きくなり、タイヤとリムとの嵌合状態が不均一となる。そして、タイヤの乗心地性能が低下するおそれがあり、また、走行時にて故障(カーカス層や補強層のエッジ部におけるゴム層のセパレーション)が発生するおそれがある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みおよびリムクッション部の変形を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアと、これらのビードコア間に架け渡されたカーカス層とを備えると共に、前記カーカス層の端部がタイヤ幅方向外側に巻き返されて前記ビードコアを包み込む空気入りタイヤであって、前記カーカス層の巻き返し部に配置されて前記カーカス層を補強するカーカス補強層と、タイヤのリム組み状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されてリムクッション部を補強する複数のリムクッション補強層とを有し、且つ、前記リムクッション補強層のタイヤ径方向内側の端部と、前記カーカス補強層のタイヤ径方向内側の端部とのタイヤ径方向の距離が、±5[mm]以内の範囲にあることを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層がタイヤのリム組状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されるので、リムクッション部が補強される。かかる構成では、タイヤのリム組み状態にてリムリングの割り位置へのビード部の食い込みが抑制される。これにより、リムリングの割り位置とビード部との間へのゴムシートの挿入措置などが不要となるので、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。例えば、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みを抑制するためにリムリングの割り位置とビード部との間にゴムシートが挿入される構成では、荷重の負荷時にてリムクッション部のひずみが大きくなり、リムクッション部の変形が過大となりやすい。また、カーカス補強層とリムクッション補強層とがそれぞれ配置されるので、リムクッション部が効果的に補強される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。また、この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層が単層構造を有する構成と比較して、リムクッション部が効果的に補強される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層のタイヤ径方向内側の端部の位置が適正化されるので、リムクッション補強層のタイヤ径方向内側の端部を起点としたクラックの発生が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層が配列されたコード材から成ると共に、複数の前記リムクッション補強層がコード材の繊維方向を相互に交差させて積層される。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層がコード材の繊維方向を同一方向に向けて積層されている構成と比較して、リムクッション補強層の剛性が増加する。これにより、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、積層された前記リムクッション補強層のコード材の繊維方向がタイヤ周方向に対して0[deg]以上40[deg]以下の範囲内で傾斜する。
この空気入りタイヤでは、コード材の傾斜角度が低く設定されることにより、ビード部の剛性が増加する。これにより、ビード部の耐久性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、積層された複数の前記リムクッション補強層のうち少なくともタイヤ幅方向外側の2層の前記リムクッション補強層が有機繊維材から成る。
この空気入りタイヤでは、タイヤ幅方向外側のリムクッション補強層がスチール繊維材から成る構成と比較して、リムクッション補強層の端部におけるゴム材のセパレーションが抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ビードコアの重心位置からタイヤ径方向に引いた垂線とビードベース部との交点Bをとるときに、交点Bから前記リムクッション補強層のタイヤ径方向外側の端部までのタイヤ径方向の距離Hと、交点Bから荷重負荷時におけるリムおよびタイヤの離反点までの距離RHとが1.0≦H/RH≦1.5の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層のタイヤ径方向外側の端部とリムおよびタイヤの離反点との位置関係H/RHが適正化されるので、タイヤのリム組み状態にてリムリングの割り位置へのビード部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、少なくとも一対の前記リムクッション補強層が5[mm]以上のステップ幅を隔てつつ積層されて配置される。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層の端部が同一位置にある構成と比較して、リムクッション補強層の端部を起点としたクラックの発生が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層がタイヤ全周に渡って配置される。
この空気入りタイヤでは、タイヤのリム組み時にて、リムクッション補強層とリムリングの割り位置との位置あわせが不要となるので、タイヤのリム組み作業が容易となる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層がタイヤ周方向の一部にのみ配置される。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層がタイヤ周方向の一部にのみ配置されても良い。かかる構成では、リムクッション補強層の設置範囲が小さいので、タイヤの材料コストが低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層のタイヤ周方向の幅WがW≧20[mm]の範囲にある。
この空気入りタイヤでは、リムクッション補強層の幅Wが適正化されるので、リムリングの割り位置におけるリムクッション部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層がタイヤ片側にのみ配置される。
この空気入りタイヤでは、タイヤ両側面のうちリムクッション部とリムリングとが接触する側面にのみリムクッション補強層が配置されることにより、タイヤの材料コストが低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記リムクッション補強層の位置を示すインジケータを有する。
この空気入りタイヤでは、タイヤのリム組み時にてリムクッション補強層6とリムリングの割り位置との位置合わせが容易となる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記カーカス層の端部および前記カーカス補強層の端部をタイヤ幅方向外側から覆って配置される端部補強層を有する。
この空気入りタイヤでは、ビード部の倒れ込みが低減されてカーカス層の巻き返し端部の歪みが抑制されるので、ビード部の耐久性が確保される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、重荷重用ラジアルタイヤに適用される。
重荷重用ラジアルタイヤでは、より多くの荷重がリムクッション部に負荷される。したがって、かかる空気入りタイヤを適用対象とすることにより、リムクッション部の変形の抑制効果がより顕著に得られる利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、リムクッション補強層がタイヤのリム組状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されるので、リムクッション部が補強される。かかる構成では、タイヤのリム組み状態にてリムリングの割り位置へのビード部の食い込みが抑制される。これにより、リムリングの割り位置とビード部との間へのゴムシートの挿入措置などが不要となるので、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。例えば、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みを抑制するためにリムリングの割り位置とビード部との間にゴムシートが挿入される構成では、荷重の負荷時にてリムクッション部のひずみが大きくなり、リムクッション部の変形が過大となりやすい。また、カーカス補強層とリムクッション補強層とがそれぞれ配置されるので、リムクッション部が効果的に補強される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1および図2は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのビード部を示すタイヤ子午線方向の断面図(図1)および拡大側面図(図2)である。図3〜図7は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図8は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。図9は、リムリングの一般的な構成を示す説明図である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、ビードフィラー3と、カーカス層4とを含んで構成される(図1参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー3は、ビードコア2のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのビード部を補強する。カーカス層4は、左右のビードコア2、2間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層4の両端部は、ビードフィラー3を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。なお、この実施例では、カーカス層4が単層構造を有するスチール製のカーカスプライにより構成されている。
[ビード部の補強層]
また、空気入りタイヤ1は、カーカス補強層5をビード部に有する(図1参照)。カーカス補強層5は、カーカス層4の巻き返し部に配置されてカーカス層4を補強する。例えば、この実施例では、カーカス補強層5が単層構造を有するスチール製の補強プライにより構成されている。また、カーカス補強層5がカーカス層4の巻き返し部の外側に積層されてビードコア2を包み込むように配置されている。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカス補強層5のタイヤ幅方向外側の端部とカーカス層4の端部とが略近傍かつタイヤ径方向に位置をずらして配置されている。なお、カーカス補強層5は、カーカス層4の端部からビードコア2を包み込むように配置されていても良いし(図1参照)、カーカス層4の巻き返し部分にのみ配置されていても良い(図示省略)。
また、空気入りタイヤ1は、複数のリムクッション補強層6を有する(図1および図2参照)。リムクッション補強層6は、タイヤのリム組状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されて、ビード部のリムクッション部を補強する。例えば、この実施例では、リムクッション補強層6がナイロン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードまたはスチールなどの金属繊維コードから成り、これらのコード材をすだれ状に配列したものをコートゴムで覆って構成されている。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、リムクッション補強層6がビード部のタイヤ幅方向外側の表面ゴム層(カーカス層4およびカーカス補強層5よりも外側のゴム層)に配置されており、ビードベース部からカーカス層4の巻き返し端部付近までタイヤ経方向に延在している。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6がタイヤのリム組状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されるので、リムクッション部が補強される(図1および図2参照)。かかる構成では、タイヤのリム組み状態にてリムリング12の割り位置へのビード部の食い込みが抑制される。これにより、リムリングの割り位置とビード部との間へのゴムシートの挿入措置などが不要となるので、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。例えば、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みを抑制するためにリムリングの割り位置とビード部との間にゴムシートが挿入される構成では、荷重の負荷時にてリムクッション部のひずみが大きくなり、リムクッション部の変形が過大となりやすい。また、カーカス補強層5とリムクッション補強層6とがそれぞれ配置されるので、リムクッション部が効果的に補強される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。
なお、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6が多層構造を有する(図1参照)。かかる構成では、リムクッション補強層が単層構造を有する構成と比較して、リムクッション部が効果的に補強される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。
[付加的事項]
例えば、この実施例では、一対のリムクッション補強層6,6が積層されて配置されている(図1参照)。また、これらのリムクッション補強層6,6がコード材の繊維方向を相互に交差させて積層されている(図2参照)。かかる構成では、リムクッション補強層がコード材の繊維方向を同一方向に向けて積層されている構成と比較して、リムクッション補強層6,6の剛性が増加する。これにより、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。なお、単一のリムクッション補強層6のみが配置される構成(図示省略)では、リムクッション補強層6がコード材の繊維方向をタイヤ周方向に向けて配置される。
また、上記の構成では、リムクッション補強層6のコード材の繊維方向がタイヤ周方向に対して0[deg]以上70[deg]以下(さらに、0[deg]以上40[deg]以下)の範囲内で傾斜することが好ましい。かかる構成では、コード材の傾斜角度が低く設定されることにより、ビード部の剛性が増加する。これにより、ビード部の耐久性が向上する利点がある。なお、コード材の傾斜角度は、0[deg]以上20[deg]以下の範囲内にあることがより好ましい。
また、この上記の構成では、積層された複数のリムクッション補強層6、6のうち少なくともタイヤ幅方向外側(リムクッション部の表面側)の2層のリムクッション補強層6,6が有機繊維材から成ることが好ましい(図1参照)。かかる構成では、タイヤ幅方向外側のリムクッション補強層がスチール繊維材から成る構成と比較して、リムクッション補強層の端部におけるゴム材のセパレーションが抑制される利点がある。
例えば、この実施例では、一対のリムクッション補強層6,6が配置されており、これらがいずれも有機繊維材により構成されている(図1参照)。また、例えば、3層のリムクッション補強層6が積層されて配置される構成(図3参照)では、タイヤ幅方向外側の2層が有機繊維材により構成され、タイヤ幅方向内側の一層がスチール繊維材により構成されている。
また、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6がコートゴム材に被覆され、このコートゴム材のJIS−A硬度(JIS−K6253準拠)が60以上95以下の範囲内にあることが好ましい。これにより、リムクッション補強層6の硬度が確保されるので、タイヤのリム組み状態にてリムリング12の割り位置へのビード部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。
また、タイヤ子午線方向の断面視にて、ビードコア2の重心位置からタイヤ径方向に引いた垂線とビードベース部との交点Bをとる。このとき、この空気入りタイヤ1では、交点Bからリムクッション補強層6のタイヤ径方向外側の端部までのタイヤ径方向の距離Hと、交点Bから荷重負荷時におけるリムおよびタイヤの離反点までの距離RHとが1.0≦H/RH≦1.5の関係を有することが好ましい(図1参照)。かかる構成では、リムクッション補強層6のタイヤ径方向外側の端部とリムおよびタイヤの離反点との位置関係H/RHが適正化されるので、タイヤのリム組み状態にてリムリング12の割り位置へのビード部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。例えば、H/RH<1.0では、リムクッション補強層が離反点よりもタイヤ径方向内側にあるため、過積載時や低空気圧での使用時にてリムリングの割り位置へのビード部の食い込みが発生し易い。
なお、リムとタイヤとの離反点は、空気入りタイヤ1が中国国家標準規格(GB規格)の規定リムにリム組みされて、この空気入りタイヤ1に同規定のsingle最大荷重および空気圧がタイヤに負荷された状態で測定される。
また、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6のタイヤ径方向内側の端部がビード部に配置された他の補強層(カーカス補強層5)のタイヤ径方向内側端部の近傍にあることが好ましい(図1参照)。ここで、タイヤ径方向内側端部の「近傍」とは、±5[mm]以内の範囲をいう。かかる構成では、リムクッション補強層6のタイヤ径方向内側の端部の位置が適正化されるので、リムクッション補強層6のタイヤ径方向内側の端部を起点としたクラックの発生が抑制される利点がある。例えば、この実施例では、ビードベース部からリムクッション補強層6のタイヤ径方向内側の端部までのタイヤ径方向の距離H’が、カーカス補強層5のタイヤ径方向内側の端部よりもタイヤ径方向外側に配置されている。
また、この空気入りタイヤ1では、少なくとも一対のリムクッション補強層6,6が5[mm]以上のステップ幅S1,S2を隔てつつ積層されて配置されることが好ましい(図4参照)。すなわち、リムクッション補強層6,6の端部が所定のステップ幅S1,S2をずらして配置される。かかる構成では、リムクッション補強層の端部が同一位置にある構成と比較して、リムクッション補強層の端部を起点としたクラックの発生が抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6がタイヤ全周に渡って配置されることが好ましい(図2および図5参照)。かかる構成では、タイヤのリム組み時にて、リムクッション補強層6とリムリング12の割り位置との位置あわせが不要となるので、タイヤのリム組み作業が容易となる利点がある。
しかし、これに限らず、リムクッション補強層6がタイヤ周方向の一部にのみ配置されても良い(図6参照)。かかる構成では、リムクッション補強層6の設置範囲が小さいので、タイヤの材料コストが低減される利点がある。
また、上記の構成では、リムクッション補強層6のタイヤ周方向の幅WがW≧20[mm]の範囲にあることが好ましい(図7参照)。かかる構成では、リムクッション補強層6の幅Wが適正化されるので、リムリング12の割り位置におけるリムクッション部の食い込みが効果的に抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6がタイヤ片側にのみ配置されることが好ましい。かかる構成では、タイヤ両側面のうちリムクッション部とリムリング12とが接触する側面にのみリムクッション補強層6が配置されることにより、タイヤの材料コストが低減される利点がある。なお、これに限らず、リムクッション補強層6がタイヤの両側面に配置されても良い。
また、この空気入りタイヤ1では、リムクッション補強層6の位置を示すインジケータを有することが好ましい(図示省略)。かかる構成では、タイヤのリム組み時にてリムクッション補強層6とリムリング12の割り位置との位置合わせが容易となる利点がある。なお、インジケータには、ゴム材の色彩を部分的に変更した構成やリムクッション部の表面に凹凸を形成した構成などが採用され得る。
また、この空気入りタイヤ1は、端部補強層7をビード部に有することが好ましい(図1参照)。端部補強層7は、カーカス層4の端部およびカーカス補強層5の端部をタイヤ幅方向外側から覆って配置されて、ビード部を補強する。例えば、この実施例では、カーカス層4の巻き返し部にカーカス補強層5が積層されており、これらがビードコア2およびビードフィラー3を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されている。このとき、端部補強層7がカーカス層4の端部およびカーカス補強層5の端部の双方を覆うようにビードフィラー3のタイヤ幅方向外側に配置されている。また、この端部補強層7は、スチール製であり、また、多層構造を有する(図1参照)。例えば、この実施例では、一対の端部補強層7、7が積層されて配置されている。また、タイヤ子午線方向の断面視にて、端部補強層7がカーカス補強層5とリムクッション補強層6との間に配置されている。
かかる構成では、端部補強層7がカーカス層4の端部とカーカス補強層5の端部とをタイヤ幅方向外側から覆って配置されるので、ビード部の倒れ込みが低減される(図1参照)。これにより、カーカス層4の巻き返し端部の歪みが抑制されるので、ビード部の耐久性が確保される利点がある。特に、リムクッション補強層6と端部補強層7とをそれぞれ有する構成では、これらの相乗効果によりビード部の剛性が確保される。これにより、リムクッション部の変形が効果的に抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1は、重荷重用ラジアルタイヤを適用対象とすることが好ましい。かかる空気入りタイヤでは、より多くの荷重がリムクッション部に負荷される。したがって、かかる空気入りタイヤを適用対象とすることにより、リムクッション部の変形の抑制効果がより顕著に得られる利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、リムクッション部の変形量に関する性能試験が行われた(図9参照)。この性能試験では、タイヤサイズ1100R20の空気入りタイヤがリムサイズ20×8.00Vのリムに組み付けられ、2−Dトラックである試験車両に装着される。また、この空気入りタイヤに830[kPa]の空気圧および中国国家標準規格(GB規格)のsingle最大荷重が負荷される。そして、市場モニターによる6ヶ月の走行後にリムクッション部の変形量が観察される。リムクッション部の変形量は、3[mm]未満であれば、合格水準にあると判定される。また、リムクッション補強層の端部におけるクラックの発生の有無が観察される。
従来例1および従来例2の空気入りタイヤでは、カーカス層の端部がタイヤ幅方向外側に巻き返されてビードコアを包み込んでいる。また、カーカス層の巻き返し部に配置されてカーカス層を補強するカーカス補強層が設けられている。また、従来例2の空気入りタイヤでは、リムクッション部とリムリングの割り位置との間にゴムシートが挟み込まれている。これにより、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みが抑制されている。
一方、発明例1〜8の空気入りタイヤ1では、従来例の空気入りタイヤの構成に加えて、タイヤのリム組み状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されてリムクッション部を補強するリムクッション補強層6が設けられている(図1および図2参照)。
試験結果に示すように、発明例1〜8の空気入りタイヤ1では、リムクッション部の変形量が低減されることが分かる(図8参照)。また、発明例1と発明例2を比較すると、リムクッション補強層6,6がコード材の繊維方向を相互に交差させて積層されていることにより、リムクッション部の変形量がさらに低減されることが分かる。また、発明例2〜発明例4を比較すると、タイヤ周方向に対するリムクッション補強層6のコード材の傾斜角度が適正化されることにより、リムクッション部の変形量が効果的に低減されることが分かる。また、発明例1と発明例5とを比較すると、リムクッション補強層6のタイヤ径方向外側の端部とリムおよびタイヤの離反点との位置関係H/RHが適正化されることにより、リムクッション部の変形量が効果的に低減されることが分かる。また、発明例1と発明例6とを比較すると、さらにスチール繊維材から成るリムクッション補強層6が配置されることにより、リムクッション部の変形量がさらに低減されることが分かる。なお、発明例6では、一枚のスチール繊維材から成るリムクッション補強層6がタイヤ幅方向内側に配置され、二枚の有機繊維材から成るリムクッション補強層6がタイヤ幅方向外側に配置されている(図3参照)。また、発明例7と発明例8とを比較すると、リムクッション補強層6がタイヤ周方向の一部にのみ配置されるときに、リムクッション補強層6のタイヤ周方向の幅Wが適正化されることにより、リムクッション部の変形量が効果的に低減されることが分かる。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、リムリングの割り位置へのビード部の食い込みおよびリムクッション部の変形を抑制できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのビード部を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのビード部を示す拡大側面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 リムリングの一般的な構成を示す説明図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 カーカス補強層
6 リムクッション補強層
7 端部補強層
10 リム
11 リム本体
12 リムリング

Claims (13)

  1. 一対のビードコアと、これらのビードコア間に架け渡されたカーカス層とを備えると共に、前記カーカス層の端部がタイヤ幅方向外側に巻き返されて前記ビードコアを包み込む空気入りタイヤであって、
    前記カーカス層の巻き返し部に配置されて前記カーカス層を補強するカーカス補強層と、タイヤのリム組み状態にてリムフランジ部に接触する領域に配置されてリムクッション部を補強する複数のリムクッション補強層とを有し、且つ、
    前記リムクッション補強層のタイヤ径方向内側の端部と、前記カーカス補強層のタイヤ径方向内側の端部とのタイヤ径方向の距離が、±5[mm]以内の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記リムクッション補強層が配列されたコード材から成ると共に、複数の前記リムクッション補強層がコード材の繊維方向を相互に交差させて積層される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 積層された前記リムクッション補強層のコード材の繊維方向がタイヤ周方向に対して0[deg]以上40[deg]以下の範囲内で傾斜する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 積層された複数の前記リムクッション補強層のうち少なくともタイヤ幅方向外側の2層の前記リムクッション補強層が有機繊維材から成る請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ビードコアの重心位置からタイヤ径方向に引いた垂線とビードベース部との交点Bをとるときに、
    交点Bから前記リムクッション補強層のタイヤ径方向外側の端部までのタイヤ径方向の距離Hと、交点Bから荷重負荷時におけるリムおよびタイヤの離反点までの距離RHとが1.0≦H/RH≦1.5の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 少なくとも一対の前記リムクッション補強層が5[mm]以上のステップ幅を隔てつつ積層されて配置される請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記リムクッション補強層がタイヤ全周に渡って配置される請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記リムクッション補強層がタイヤ周方向の一部にのみ配置される請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記リムクッション補強層のタイヤ周方向の幅WがW≧20[mm]の範囲にある請求項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記リムクッション補強層がタイヤ片側にのみ配置される請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記リムクッション補強層の位置を示すインジケータを有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記カーカス層の端部および前記カーカス補強層の端部をタイヤ幅方向外側から覆って配置される端部補強層を有する請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 重荷重用ラジアルタイヤに適用される請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
JP2008277216A 2008-10-28 2008-10-28 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5287144B2 (ja)

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