JP5286834B2 - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents

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Description

本発明は、紙製チップ型電子部品収納台紙に関するものである。より詳しく述べるならば本発明は、チップが収納される孔をパンチ(貫通孔)またはエンボス(凹部)加工する際の作業性に優れたチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
紙製チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)台紙原紙を所定の幅にスリットする。
(2)所定大きさの角孔と丸孔を開ける(パンチ加工)。角孔はチップ型電子部品収納用で、丸孔(貫通孔)は、電子部品の充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、角孔を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、カバーテープ接着工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を角孔に充填する。
(5)紙製台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザー(実装メーカー)でトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出し、プリント基板に実装される。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には、充填したチップ部品の品質へ悪影響を及ぼさないこと、更に、カバーテープが良好に接着されるよう紙の表面に平滑性を有すること、カセットリールに巻き付けるなど曲げ応力による層間剥離や、台紙割れなどを生じない強度を有すること、チップ部品を挿入する角孔(以下キャビティと記す)の形成精度が良好で、部品の充填、取り外しが良好であること、キャビティ形成に使用する金型の摩耗が少ないこと等が挙げられる。
このうち収納台紙の品質欠陥として問題となるものの1つに、パンチ機またはエンボス機でキャビティ形成時に、壁面がシャープ(正確な寸法)に形成されず、チップ型電子部品の挿入および取り出し不良が発生することがある。すなわちキャビティ形成性が悪化すると、チップメーカーでチップ充填または実装メーカーで部品取出しする際にひっかかりトラブルとなるのは勿論、パンチ加工の段階でも、金型を研磨仕直し、または新調する必要があり、時間ロス、歩留まりロスなど操業性を著しく悪化させ、結局コストがかかるなど大きな問題となっている。
これまで、キャビティ形成方法として特開2000−43975号公報(特許文献1参照)や特開2002−53195号公報(特許文献2参照)のように紙の密度でキャビティの形成性を向上させる方法や、特開2003−95320号公報(特許文献3参照)のように紙の縦方向および横方向の破断伸びでキャビティ加工性を管理する方法が記載されているが、どの方法もパンチ時の切れを良くするためのものではなかった。
特開2000−43975号公報 特開2002−53195号公報 特開2003−95320号公報
チップ部品を収納する角孔(キャビティ)の形成精度が良好で、角孔をパンチ又はエンボス加工する際の作業性に優れ、マウンターでのチップ型電子部品実装時の実装ミス、紙粉発生など異物付着のトラブルを起こしにくいチップ型電子部品収納台紙を提供することである。
本発明者らは、チップ型電子部品収納台紙に使用する原材料の種類と、パンチ加工・エンボス加工時の作業性との関係を鋭意検討することにより、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明から選択される発明である。
(1)多層紙基材に、チップ型電子部品を収納する凹部又は穿孔部が設けられたチップ型電子部品収納台紙であって、
該台紙の表層以外を、JIS P 8220のパルプ離解方法により離解して、JAPAN TAPPI No.52で規定された光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法により測定した繊維長の数平均算出時の繊維長分布において、0.20mm以下の微細繊維の割合が20%以上であることを特徴とする、チップ型電子部品収納台紙。
(2)前記台紙の表層以外が、古紙パルプを5〜70質量%含有する(1)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記台紙の表層以外の、JIS P 8251に準じて測定された灰分量が0.5〜15質量%である(1)または(2)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)前記古紙パルプが、古紙を離解した後に分散処理され、JIS P 8251に準じて測定された灰分量が0.7〜20質量%に調整されていることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙。
本発明は、電子部品収納台紙に電子部品を収納時にスムーズに収納でき、マウンターでの実装時にスムーズに取り出すことができるとともに、紙粉の発生が少なく、電子部品をトラブルなく、効率的に実装可能となる。
本発明では、台紙の表層以外を、JAPAN TAPPI No.52で規定した光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法により測定された繊維長の数平均算出時の繊維長分布において0.20mm以下の微細繊維が20%以上であることが重要である。それを達成するためには、該当部分の原料として古紙パルプを特定量配合するか、若しくは、フレッシュなパルプの叩解を進めることにより達成できる。
本発明のチップ型電子部品収納台紙の坪量は、中に収納するチップ型電子部品の大きさにより決ってくるが、一般に200〜1000g/m2程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い一般に3〜10層の多層抄が好ましい。多層抄により得られた台紙は、層毎に剥がれやすい構造となっているが、本発明では台紙のトップカバーテープに接する面である表層を剥がして、残された部分について特定するものである。多層抄のための抄紙機としては、円網多層抄、円網短網コンビネーション、短網多層抄、長網多層抄、等様々なタイプのものを用いることが可能であり、特に限定するものではない。
本発明で使用される原料パルプは各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、非木材繊維パルプ、古紙パルプ、等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用される古紙パルプは、例えば上白・罫白など、一度使用されているが印刷部分の極めて少ないもの、またカード・模造・色上・ケント・白アートなどの印刷物や色づけされ一度は使用された紙類、印刷用塗工紙、飲料用パック、オフィスペーパー等使用済みの上質系古紙、さらに特上切・別上切・中質反古・ケントマニラ等の事業系中質古紙、新聞・雑誌・雑紙等の一般中質古紙、切茶・無地茶・雑袋・段ボール等の茶系古紙、等から得られた古紙を原料としたパルプである。
本発明に使用される古紙パルプは、印刷されてない紙を離解パルプとして使用するか、もしくは、脱墨過程を経てインク分を取り除いた脱墨古紙パルプが好ましい。キャリアテープとして電子部品を入れるための孔(キャビティ)の中に色のついた汚れ状のものがあると、部品収納時または部品取り出し時に、検査工程の画像処理によって部品と間違って判別される可能性があるためである。一般に、古紙パルプは、離解パルプと脱墨パルプに分けられる。離解パルプの製造工程は、パルパーにて水あるいは水酸化ナトリウムのようなアルカリ成分を含んだ水とで混合・離解し、その後除塵工程(クリーナーやスクリーン)でパルプ繊維以外の異物を取り除く工程により製造される。このパルプはもともと印刷されていない古紙を利用したり、コートボールの中層に使用されるパルプのように、少々黒ずんでいても多層抄のため品質上問題のない部分に使用されるパルプである。一方脱墨パルプは、主に印刷された紙をパルプとして再利用する際の工程であり、離解パルプと同様に、最初にパルパーにて離解後、希釈されて脱墨工程を経る。脱墨工程としては、フローテーターと呼ばれるインキ分離工程、及び/または、ニーダーやディスパーザーと呼ばれる分散機によりインキを人間の目には認識できなくなるまで細かく分散させる、インキ分散工程を持っているのが一般的である。
本発明では、台紙の表層以外に古紙を特定量配合することにより容易に、表層以外の部分の原料パルプの微細繊維量をJAPAN TAPPI No.52で規定された光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法により測定された数的繊維長分布において0.20mm以下の微細繊維が20%以上にすることができる。好ましくは、微細繊維は20%〜70%の範囲がよい。微細繊維が20%未満では、所望の打ち抜き適性が得られない。また、70%以上では原料の濾水性が悪くなり、抄造に支障をきたす恐れがあるためである。
古紙を配合して微細繊維の量を増やすことにより、打ち抜き適性を良化することができるのは以下のように説明できる。フレッシュなパルプ繊維のみであると、繊維が比較的硬く、繊維長が長く断面が真円に近いものが多い。それに対して、古紙パルプの場合は、一度紙になり、それがまた再生される工程の中で、各種パルプ及び製紙に必要な機械による叩解、乾燥、抄紙、離解の各工程(履歴)を繰り返す間に薬品及び機械によるダメージで繊維が短くなり、微細繊維と呼ばれる繊維長が0.20mm以下の繊維の割合が多くなる。これら微細繊維を多く含むことにより、微細繊維がフレッシュパルプのような大きい繊維のネットワークの繊維と繊維交点を補強する役割を果たす。また、パンチ加工時の雄型が降りてきた場合に、フレッシュパルプだけで構成された場合は、太い繊維と繊維が離れやすいのに対し、微細繊維が多く含まれるものは、微細繊維により切り口の部分でも太い繊維同士が結合したままであるため、切り口がシャープになるため精度が良くなっているものと考えられる。
本発明では、古紙を表層以外の部分全体の5〜70質量%含有することが好ましい。5%未満の含有量では所望の効果を得られにくい。
また、古紙の配合は灰分がパルプ繊維と強く結合しているため、歩留まり向上の面からも好ましい。但し、含有率が70質量%を超えると繊維間結合強度が弱くなり過ぎ、層間剥離発生等の問題が発生する可能性があるため好ましくない。灰分を0.5〜15質量%にすることにより、打ち抜き加工適性向上と層間剥離防止の両面がバランスよく改善されることから考えて、古紙を5〜50質量%含有することがさらに好ましい。
一方、古紙を配合した場合、フレッシュな晒化学パルプ(BKP)と比較すると、板紙としての各種強度が低下してしまう。その理由は上記で説明したとおり、紙が再生される際に各種機械的処理を受けているためであるが、それ以外にも、古紙の中には、非塗工紙(原紙の上にピグメント塗工されていない紙)の他、塗工紙(原紙の上にピグメント塗工された紙)も多く含まれるため、塗料の成分である顔料成分、また原紙の中に内添されていた填料成分、等の灰分が含まれているため、本来紙の強度を出すパルプ繊維間の水素結合が阻害される為に、紙として抄かれた場合、強度が出にくくなってしまうことが挙げられる。そのため、本発明では、台紙の灰分含有量が0.5%以上15質量%以下であることが好ましい。古紙を使用すると0.5%未満の達成は経験(事実)上難しく、また15%を越えると、原紙の内部強度、例えばZ軸強度が低下し、電子部品収納台紙がテープ加工・部品の充填・実装時の曲げなどの応力で剥離を起こしやすくなり、好ましくない。
古紙パルプにより、基材の表層以外の部分の灰分を調整することが可能である。古紙パルプは原料となる古紙の灰分が異なり、それぞれ下記に示す製造過程で古紙パルプ中の灰分を調整することが可能である。たとえば、使用する古紙の種類を選択すること、古紙パルプ処理工程の中の、フローテーターに代表される脱墨工程、フォールウォッシャー・バルブレスフィルター等に代表される洗浄工程、または古紙パルプの配合比等により原料パルプ中の灰分を調整することができる。古紙の多配合、原料古紙中の灰分の再利用は、原料のリサイクルなど環境の面からも好ましい。
基材の表層以外の部分の灰分を0.5〜15質量%にするには、各種フレッシュパルプ、例えば化学パルプ・機械パルプ・非木材繊維パルプと、各種古紙パルプ、例えば上質古紙パルプ・新聞脱墨パルプ・雑誌脱墨パルプ・塗工紙脱墨パルプ、等を単独または複数組み合わせて使用することにより適正配合の達成が可能である。
また、本発明で古紙パルプが使用される場合は、古紙処理工程において、分散工程を持っていることが望ましい。その理由は、古紙の中には顔料を含むコート層を持つ、所謂塗工紙が多量に含まれており、古紙離解段階で十分に分散しなかった場合、特に厚いコート層の場合は比較的大きな塊となって残り、このような古紙パルプが配合された台紙にパンチ加工あるいはエンボス加工を行うと、金型の磨耗を早める恐れがあるためである。コート層は極薄い層であるため、除塵設備を通過し、最終原料に残る可能性がある為、種々の分散機により分散されるのが望ましい。分散に使用できる機械としては、ファイナー、コニファイナー、トップファイナー、コニディスク、デフレーカー、コニカルフレーカー、パワーファイナー等の離解機、リファイナー、ダブルディスクリファイナー、ビーター等の叩解機、ニーダー、ディスパーザー、ディスパージャー、ホットディスパージョン設備、ニュータイゼン等の混練・分散機が使用できる。印刷済みの古紙を処理する場合は、フローテーター等による脱墨処理を施した後、残インク分とともに灰分も分散できるという点で、固形分濃度10〜35質量%程度まで濃縮し、上記混練・分散機による処理を施すのが望ましい。
古紙パルプの分散工程に続き、さらに、パルプ洗浄工程を経ることで、古紙中の灰分量をコントロールすることが可能となる。パルプ洗浄工程に使用できる機械としては、DNTウォッシャー、コンパクトウォッシャー、フォールウォッシャー、バリオスプリット、SPフィルター、DPコスモ、ギャップウォッシャー、等の洗浄装置が挙げられるがこれに限定されるわけではなく、灰分を下げることができればどのような構造のものでも良い。一般に、洗浄機に入る前のパルプを希釈し、固形分濃度を下げれば下げるほど、灰分の除去効率は向上する。パルプ分散機と併せてこれらの洗浄装置を使用することにより、灰分量が20質量%を超える古紙を多量に使用する場合でも、原料として古紙パルプの灰分量を0.7%〜20質量%に調整でき、この古紙パルプを台紙の表層以外の部分の原料として配合することにより、該部分の灰分量を0.5%〜15%の範囲にコントロールすることが可能である。
本発明で使用されるパルプは公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解した場合ではカナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましい。560mlよりも高いと強度、得に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、パルプ歩留の低下、原紙の高密度化による量目損の問題が生じ、あまり好ましくない。
また、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・オレフィン酸系樹脂、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明では、灰分により繊維間結合を阻害しているため、それだけでは層間強度を低下させる可能性がある。よって、分子量が200万以上の両性ポリアクリルアミド紙力剤を添加するのが好ましい。両性ポリアクリルアミドはアニオン部でパルプ繊維にアルミニウムを介して吸着、カチオン部では自己吸着でき、古紙および/または填料などに起因する系内pH変化の影響を受け難く、安定して繊維間結合を補強できる。その添加量としては対パルプで0.5〜5.0質量%添加することが好ましい。また、カチオン化デンプン、カチオン化ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ポリビニルアルコール、その他のカチオン性高分子などを添加することも可能である。
本発明での古紙の配合は、表層にも施すことは可能であるが、好ましくは表層以外である。その理由は、電子部品収納台紙の表面には、カバーテープを通常ヒートシールにて接着して使用される品質管理上重要な部分であるため、種々の薬品を塗ることにより、カバーテープを剥がす時のピール強度を調整したり、剥がす時にケバが出ないように表面強度を強くしている。そのため表層に古紙パルプを使用した場合、古紙パルプが薬品の浸透性に影響を及ぼしてこれらの重要品質が変動する可能性があるためである。
本発明ではボトムテープ、カバーテープとの接着性およびケバ防止効果を向上させるために収納台紙の表面、裏面に、ポリビニルアルコール、デンプン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂など必要な薬品を適宜塗布させることが可能である。
また、表面処理剤にはカバーテープとの接着性を向上させ、さらに台紙表面の強度を高めるためにスチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂を含有させることができる。スチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂は疎水基と親水基を有しており、台紙表面に塗工する事により、表面のカバーリングのほか、紙層中に浸透し、親水基であるカルボン酸がパルプ繊維と水素結合を形成し、繊維間を架橋した状態にし、繊維間結合を大幅に向上させる。繊維間結合の向上により、カバーテープを剥がす際の抵抗力が向上し、剥離強度を強くするほかチップ型部品の実装に悪影響するケバとなる繊維の抜けを防止出来る。
本発明において、上記のように台紙表面に表面処理剤を塗布・含浸する手段としては、例えばバーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター等の塗布装置が使用できる。中でも、サイズプレスやキャレンダーコーターがニップ圧により表面処理剤を深く浸透させやすいためが好ましい。
水溶性高分子の塗布量は、0.1g/m2以上1.1g/m2以下であることが好ましく、更に好ましくは0.6g/m2以上1.1g/m2以下である。1.1g/m2を超えて塗布すると、カバーテープとの接着力が著しく弱くなり好ましくない。また、0.1g/m2よりも少ないとケバや紙粉を抑える効果が弱い。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固型分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS P 8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供した。尚、電子部品収納台紙からの表層の取り除き方、パルプの繊維長測定方法、金型打ち抜き適性評価方法、Z軸強度測定方法の詳細は下記の通りである。
<灰分の測定>
灰分は、JIS P 8251に準じて、525℃にて焼成して測定した。
<電子部品収納台紙から表層の取り除き方>
8mm幅のテープ状にスリットしたチップ型電子部品収納用台紙を市販のα-アミラーゼ(ファニガミル、ノボザイムズ社製)を水で10倍に希釈したものの中に一昼夜浸漬し、十分紙が湿潤して台紙が層状に分かれやすくなる状態になった後、表層1層分を剥がして分離し、残された表層以外の部分を測定に供した。
<パルプの繊維長分布の測定>
台紙から表層を取り除いた電子部品収納台紙を使用して、ラボディスインテグレーターを用いた標準法でパルプの離解を行い、Kajaani社製の繊維長分布測定機「Fiber Lab」にて測定を行った。測定繊維本数は10000本以上とした。
<打ち抜き適性評価>
試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 806−3に準拠し、東京ウエルズ社製のTWA−6500型穿孔機で2mm間隔で、幅方向(A値)1.12mm、流れ方向(B値)0.62mmの金型(1005電子部品用)を用いて角孔をあける。20個分の角孔部分を表面から実体顕微鏡で撮影し、拡大写真により角孔寸法を測定する。評価のグレードは次の通りである。評価△までが実用上使用可と判断されるレベルである。
評価◎:
角孔の流れ方向の長さ(b)最狭部の平均値(n=20)が0.58mm以上。
評価○:
角孔の流れ方向の長さ(b)最狭部の平均値(n=20)が0.56mm以上。
評価△ :
角孔の流れ方向の長さ(b)最狭部の平均値(n=20)が0.54mm以上。
評価× :
角孔の流れ方向の長さ(b)最狭部の平均値(n=20)が0.54mm未満。
<Z軸強度>
TAPPI 標準試験法T506に準じて測定した。
実施例1
(古紙パルプAの調製)
パルパーにて雑誌古紙を離解し、除塵装置(クリーナー及びスクリーン)を通過させた後、固形分濃度1%まで水で希釈し脱墨剤を加えて、フローテーターにて脱墨処理を施し、傾斜エキストラクター及びスクリュープレス脱水機で固形分濃度30%程度まで濃縮し、ディスパーザー(相川鉄工製、TL1型)にて分散処理を行い、さらに水で希釈しながらパルプ洗浄機(DNTウォッシャー:相川鉄工製)に通すことにより、古紙パルプAを得た。このパルプの灰分を測定したところ7.3%であった。

(板紙の抄造)
表層、中・裏層でパルプを使い分け、表層用にはNBKP;30質量%、LBKP;70質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)480mlに調製した。また、中・裏層用にはNBKP;10質量%、LBKP;40質量%、古紙パルプA;50質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)450mlに調製した。それぞれのパルプスラリーに硫酸バンドを対パルプ2.0質量%添加し、サイズ剤としてサイズパインN−111(荒川化学工業社製、ロジンエマルジョンサイズ剤)0.50質量%添加し、紙力剤として、ポリストロン1250(荒川化学工業社製、ポリアクリルアミド系紙力剤)を2.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを円網8層抄合わせ抄造機で、それぞれ表層(1層)80g/m2、中層(6層)620g/m2、裏層(1層)100g/m2で抄合わせ、さらにサイズプレス機でケン化度88モル%、重合度1000のポリビニルアルコールを乾燥塗布量として1.0g/m2塗布し、抄紙機に設置された平滑化処理機(マシンカレンダー)で平滑化処理し、坪量800g/m2、厚さ0.95mmのチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例2
(古紙パルプBの調製)
パルパーにて新聞古紙を離解し、除塵装置(クリーナー及びスクリーン)を通過させた後、固形分濃度1%まで水で希釈し脱墨剤を加えて、フローテーターにて脱墨処理を施し、傾斜エキストラクター及びスクリュープレス脱水機で固形分濃度30%程度まで濃縮し、ディスパーザー(相川鉄工製、TL1型)にて分散処理を行い、古紙パルプBを得た。このパルプの灰分を測定したところ5.2%であった。
(板紙の抄造)
中裏層用のパルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;80質量%、古紙パルプB;10質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)450mlに調製すること以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例3
(古紙パルプCの調製)
パルパーにて色上古紙を離解し、除塵装置(クリーナー及びスクリーン)を通過させた後、固形分濃度1%まで水で希釈し脱墨剤を加えて、フローテーターにて脱墨処理を施し、傾斜エキストラクター及びスクリュープレス脱水機で固形分濃度30%程度まで濃縮し、ディスパーザー(相川鉄工製、TL1型)にて分散処理を行い、さらに水で希釈しながらパルプ洗浄機(DNTウォッシャー:相川鉄工製)に通すことにより、古紙パルプCを得た。このパルプの灰分を測定したところ18.8%であった。
(板紙の抄造)
中裏層用のパルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;20質量%、古紙パルプC;70質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)450mlに調製すること以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
実施例4
(古紙パルプDの調製)
パルパーにて印刷されていない模造古紙を離解し、除塵処理を施した後、古紙パルプDを得た。このパルプの灰分を測定したところ1.2%であった。
(板紙の抄造)
中裏層用のパルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;75質量%、古紙パルプD;15質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)450mlに調製すること以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
比較例2
(古紙パルプEの調製)
パルパーにて色上古紙を離解し、除塵装置(クリーナー及びスクリーン)を通過させた後、固形分濃度1%まで水で希釈し脱墨剤を加えて、フローテーターにて脱墨処理を施し、傾斜エキストラクター及びスクリュープレス脱水機で固形分濃度30%程度まで濃縮し、ディスパーザー(相川鉄工製、TL1型)にて分散処理を行うことにより、古紙パルプEを得た。このパルプの灰分を測定したところ22.1%であった。
(板紙の抄造)
中裏層用パルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;10質量%、古紙パルプE;80質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)450mlに調製する以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
参考例
(板紙の抄造)
中裏層用のパルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)350mlに調製する以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
比較例1
(板紙の抄造)
中裏層用のパルプ調製を、配合割合として、NBKP;10質量%、LBKP;90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)550mlに調製すること以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
得られた台紙の、表層を除いた部分の微細繊維割合、表層を除いた部分の灰分、打ち抜き適性評価、Z軸強度を前述の方法で評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005286834
実施例1〜4、参考例及び比較例1,2を比較すると明らかな通り、台紙の表層以外の微細繊維の割合が20%以上であれば、打抜き適性評価が良好である。また、古紙パルプの配合量は5〜70質量%の範囲が好ましく、古紙パルプ配合率を増やすことにより微細繊維の割合が効率的に増え、打ち抜き適性が良好となる。また、台紙の表層以外の灰分量が0.5〜15質量%の範囲に入っていれば、打ち抜き適性とZ軸強度のバランスが良く好ましい。灰分量の調整は、古紙の種類の選択、及び古紙パルプの配合率と、古紙パルプの分散・洗浄処理によりコントロールすることが可能である。
実体顕微鏡で撮影したチップ型電子部品収納角孔の例 チップ型電子部品収納角孔の模式図
符号の説明
b:チップ型電子部品収納角孔の流れ方向最狭部の長さ

Claims (2)

  1. 多層紙基材に、チップ型電子部品を収納する凹部又は穿孔部が設けられたチップ型電子部品収納台紙であって、
    該台紙の表層以外が、古紙パルプを5〜70質量%含有するとともにJIS P 8251に準じて測定された灰分量が0.5〜15質量%の層であり、且つ、該表層以外の層を、JIS P 8220のパルプ離解方法により離解して、JAPAN TAPPI No.52で規定された光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法により測定した繊維長の数平均算出時の繊維長分布において、0.20mm以下の微細繊維の割合が20%以上であることを特徴とする、チップ型電子部品収納台紙。
  2. 前記古紙パルプが、古紙を離解した後に分散処理され、JIS P 8251に準じて測定された灰分量が0.7〜20質量%に調整されていることを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品収納台紙。
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