JP2010527412A - 繊維中の有機夾雑物を制御する方法 - Google Patents

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Abstract

繊維中の有機夾雑物を制御する方法を記載する。一方法は繊維を、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物と、繊維中に存在する有機夾雑物を制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることを含む。この方法は、再生繊維を用いて形成される製紙工場完成紙料中の粘着物を低減するのに効果的である。リポキシゲナーゼをさらに組成物に加えることによって、未使用繊維を用いて形成される製紙工場完成紙料においてピッチを制御する方法も提供される。また、処理繊維を用いて形成され、得られる紙製品を、それを製造する方法と共に記載する。
【選択図】なし

Description

本発明は製紙プロセスに関し、より詳細には紙を製造するために使用される或る特定の種類の繊維、又は同様の種類の繊維含有製品中に存在する有機夾雑物を制御することに関する。
本願は、2007年5月16日付で出願された先の米国仮特許出願第60/930,363号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
紙パルプ中に存在する有機夾雑物は、加工面及び装置上に堆積し易く、整備上の問題及び製造効率の低下を引き起こす。この点に関して大いに懸念される有機夾雑物は、概して再生パルプ源に関連する「粘着物(stickies)」、及び未使用(virgin)パルプ供給品に関連するピッチ(pitch)を含む。
古新聞印刷用紙、古段ボール箱、及び混合オフィス古紙(officewaste)のような古紙製品の通常の再生処理は、多くの紙含有製品の一部を紙製品に含有される再生繊維とするという環境的要求から、今日の製紙工場で重要な側面である。したがって、製紙工場は、紙製品の再生処理が必要不可欠な状態にある。しかしながら、紙製品の再生処理は一般に、紙製品で使用可能な繊維にするための付加的な処理工程を必要とする。
新聞印刷用紙の製造で最初に使用する種類の繊維に匹敵する繊維を得るための古新聞紙の通常の再生処理は、当該技術分野では「脱墨(de-inking)」として知られ、典型的にはパルプ化、一般に界面活性剤による洗浄、スクリーニング、一般に強苛性処理による不溶性夾雑物の可溶化、洗浄、及び苛性処理による黄ばみを中和する繊維の漂白を包含する。
一般に、通常の再生処理の第一工程は、紙を水により個々の繊維へと分離して、パルプスラリーを形成することであり、続いてスクリーニング、遠心分離クリーニング(centrifugal cleaning)、洗浄、浮選等の様々な処理工程の組み合わせにより繊維からインク及び夾雑物を除去する。スクリーニング工程及び遠心分離クリーニング工程では、ペーパークリップ、ステープル、プラスチック等の大きな夾雑物が除去される。洗浄工程及び浮選工程の主目的は夾雑物を水に可溶化及び/又は懸濁させ、水から夾雑物を除くことである。界面活性剤及び苛性剤は、繊維からの夾雑物の可溶化及び分離を促進するために添加される。苛性剤を使用すると繊維に多少の黄ばみが生じ、繊維の漂白が必要になる。この繊維は典型的には未使用繊維と混合された後、繊維の性質に適した製紙プロセスで使用される。紙廃棄物の脱墨における近年の発展により、繊維からのインクの剥離除去を促進するために酵素が利用されている。これらのプロセスが示すのは、特定の種類の酵素を使用すると、塊状のインク粒子を除去する浮選の使用に伴う苛性処理が白色度に悪影響を与えることなく、インク除去が促進されるということである。
「粘着物」として知られる有機夾雑物を除去するために、以前より苛性剤等の化学添加物が添加されていた。粘着物は一般に接着剤、グルー、ホットメルト、コーティング、コーティング結合剤(coating binders)、残インク、脱墨化学物質、木材樹脂、ロジン、及びパルプ化されていない湿潤強力樹脂(unpulpedwet strength resins)であり、典型的には再生される繊維と共に存在するものである。これらの有機夾雑物は、典型的には後続処理工程に影響しないよう相当量を除去しなければならない。このような有機夾雑物をより有効に環境に優しい方法で除去する新しい方法の開発が、製紙業界で常に望まれている。
「粘着物」は一般に、再生紙システムに見られる粘着性のある疎水性の柔軟な有機物質と説明することができる。粘着物の融点は広い範囲にあり、粘着度は粘着物の組成により異なる。温度、pH、濃度、サイズ、及び組成が粘着物の粘着性に影響し得る。粘着物の可変性は、粘着物の制御又は除去が困難且つ予測不能であり得ることの理由の1つである。また、再生繊維の使用は増えてきており、増加し続けると予想されるため、粘着物がより重大な問題となっている。
再生紙の繊維は、再生繊維プラント内で再パルプ化されるときに粘着物となる多くの成分を含有する。再生完成紙料は数十もの異なる種類の粘着物を有することもあり、粘着物にはそれぞれに特有の性質がある。粘着物の起源には接着剤、ホットメルト、コーティング結合剤、残インク、脱墨化学物質、木材樹脂、ロジン、ピッチ、及び湿潤強力樹脂のいずれかが含まれ得る。抄紙機に実際に見られる粘着性堆積物は、タルク、クレイ、又は炭酸カルシウム等の無機粒子に加えてこれらの有機夾雑物をいくつか組合せたものであり得る。
粘着物は機械の表面、ファブリック、ワイヤ、フェルト、ロール、及びドライヤに堆積し、ウェットエンド中断、プレスルーム故障(pressroom breaks)、ドライヤセクション中断(dryer sectionbreaks)、穴、シート傷、及び汚れの増加等の問題になる。これらの堆積物及び関連する問題は、年間でかなりの量のダウンタイムになる。粘着物のコストは、ダウンタイムコスト、化学薬品コスト、生産ロス、不合格材料、及び顧客の苦情を考慮すると、米国で年間5億ドルを越えると見積もられている。
粘着物の除去には典型的には、機械的方法及び化学的方法という2つの主要な方法がある。機械的方法には、スクリーニング、クリーニング、洗浄、浮選、及びディスパージング(disperging)が含まれ、各方法は異なるサイズの夾雑物の除去するように設計されている。スクリーニングは典型的には大きい又は巨大な(0.004インチ又は100ミクロン超)粘着物を除去する。フォワードクリーナー及びリバースクリーナーを使用することができる。遠心力を使用して密度差に基づいて、フォワードクリーナーは水より重い夾雑物を除去し、リバースクリーナーは水より軽い粒子を除去する。この方法は、微細粘着物より巨大粘着物を除去する。浮選は中間サイズの粘着物(50ミクロン〜300ミクロン)を除去するが、それが厄介なのは、この粘着物が小さすぎてスクリーニング及びクリーニングでは受け止められないが、洗浄で除去するには大きすぎるからである。ディスパージングでは、紙料は濃縮され、高温、高圧、高剪断速度で装置を通され、それにより粘着物を含む有機夾雑物が粉砕される。
様々な化学的方法を使用することができる。例えば、パシフィケーション(pacification)では、タルク、クレイ、非イオン性有機ポリマー、及び他の無機粒子のような添加物が粘着物の粘着性を弱めるために使用される。分散では、分散剤、界面活性剤、及び溶剤が粘着物をより小さくするために使用される。
固定では、粘着物に電荷を与えるカチオン性水溶性ポリマーを使用して粘着物を紙シートに付着させる。分散及び固定では、分散剤を最初に添加して粘着物のサイズを減少させ、その後カチオン性ポリマーを使用して粘着物をシートに固定する。パシベーション(passivation)では、分散剤、溶剤、及び低分子量カチオン性ポリマーの使用により抄紙機が受ける粘着物の影響を少なくする。
粘着物を除去するために好まれるアプローチは、機械的クリーニング装置により可能な限り多くの「粘着物」を除去することができるように、紙料調製エリア(preparea)内の粘着物を大きい状態に保つことである。その後、残留する全ての粘着物が機械的又は化学的に分散され、繊維に固定され、シートと共に送り出すことができる。
可能な限り多くの粘着物を機械的に除去した後、以前は機械的に、化学的に、又は両者を組合せて使用することにより残りを分散させてきた。分散させた後、これらの粒子がシートに保持されるように、粒子を最小状態に安定させるポリマーの添加が使用されてきた。
再生紙製造プロセスにおける粘着物の調整及び制御は常に難題であった。再生紙の質の変化及び製造されるパルプ1トン当たりに組み込む紙廃棄物の量を増加させる傾向は、それぞれこの難題への取り組みをさらに困難にする要因である(非特許文献1)。これらの変化は、工場システムに入る粘着物の量の予測を煩雑にする。これらの粘着物がシステムに入ると、より大きな夾雑物、又は巨大粘着物は機械的に除去されることが多い。しかしながら、高い完成紙料稠度のようなスクリーン及びクリーナーバンク(cleaner banks)への付加的ストレス、不適切なインスクリーン(in-screen)希釈、不適切な排斥率、及び圧力差制御の問題が、形成される巨大粘着物の通過(acceptance)を助長する(Gallagher, 1997)。巨大粘着物とは0.10mmのスクリーンプレート上に保持される粘着物であると定義されている(Heise, 1998)。接着剤、コーティング、結合剤、及び他の物質に由来するこれらの夾雑物がパルプ化プロセス中に完成紙料に組み込まれ、ファブリック、プレスフェルト、ドライヤファブリック、プレスセクションピックロール、Uhleボックス、及びカレンダースタック上に堆積する(Douek, 1997)。これらの物質は製紙プロセスにおいて粘着性を保ち、「粘着物」ラベルになる(Doshi, 1997)。物質が完成紙料に組み込まれると、除去するのが困難なのは、自然には分解せず、水の比重力に近いことが多いからである。これらの物理的特徴が異なるスクリーニング及びクリーニングにとって難題となるのは、これらの夾雑物が、水及び繊維を通すように設計されるスクリーン及びクリーナーを通り抜けるからである(Scholz, 1997)。この事実の結果、スクリーニング後のプロセスに巨大粘着物が入る。
クリーニングシステム及びスクリーニングシステムが適切に行われ、ほとんどの巨大粘着物を除去しても、残存する微細粘着物が問題を引き起こす可能性がある。微細粘着物の塊、0.1mmスクリーン上に保持されない粘着物は、後で機械上に及びファクリック表面上に堆積する巨大粘着物の形成につながる可能性がある(Doshi, 1997)。微細粘着物は、小さいままであれば問題とならない。しかしながら、製紙プロセスにおいて微細粘着物の凝集が起こることが多く、巨大粘着物が形成される。
粘着物の堆積にかかるコストはかなり大きい。ある情報源は、当業界に対する粘着物問題のコストを機械のダウンタイムの見地から、主要な再生紙グレードに関して年間5億ドルを越えると見積もっている(Friberg, 1997)。巨大粘着物がスクリーニングシステム及びクリーニングシステム後の完成紙料中に存在すると、粘着物除去の機械的手段が消耗する。微細粘着物の凝集の防止もまた微細粘着物の問題に加えて問題である。これらの問題にそれぞれ対処するために、化学的制御による解決が必要になることが多い。
特許文献1は、パルプ及び製紙工場システムにおける粘着物の濃度を低減するために、少なくとも1つのエステラーゼ又はリパーゼを含む組成物を使用することを記載している。特許文献2は、製紙工場処理装置上への粘着物の堆積を抑制するために、水溶性セルロース誘導体を使用することを記載している。
また、未使用パルプ供給品を用いる製紙システムにおける処理装置上へのピッチの堆積は、作業上の問題及び製造効率の低下をもたらし得る。ピッチは木材パルプにおいて自然に発生する物質である。ピッチは、例えば処理ラインにおいて使用されるスクリーン上に堆積して、そのスループットを低減し、及び/又は装置プローブ等の処理制御装置上に堆積して、それを操作不可能にし得る。ピッチの堆積は、システムにおいて金属表面上だけでなく、抄紙機(machining)ワイヤ、フェルト、フォイル、uhleボックス、及びヘッドボックス部品等のプラスチック表面及び合成表面でも起こり得る。ピッチの堆積はまた、中断して最終紙製品の汚点及び欠陥を生じ、紙の品質を低下させる。界面活性剤、アニオン性ポリマー、及びアニオン性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーが、金属せっけん及び他の樹脂性ピッチ成分のピッチ堆積を防止するために広く使用されてきた。特許文献3は、製紙工場処理装置へのピッチの堆積を抑制するためにメチルセルロース誘導体を使用することを記載している。
米国特許出願第6,471,826号明細書 米国特許第4,698,133号明細書 米国特許第5,074,961号明細書
Pulp and Paper Fact Book, 2000
本発明の特徴は、有機夾雑物を含有する繊維中に存在する有機夾雑物を制御する方法を提供することである。本発明のさらなる特徴は、再生及び/又は未使用パルプ繊維中に存在する有機夾雑物が制御されるように、再生及び/又は未使用パルプ繊維を処理する方法を提供することである。
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の記載で一部説明され、一部は記載より明らかであるか、又は本発明の実施により理解され得る。本発明の目的及び他の利点は、本明細書及び添付の特許請求の範囲内で詳しく示される要素及び組合せにより実現及び達成される。
これら及び他の利点を達成するために、且つ本発明の目的に従って、本明細書中に具体化され、広く記載されるように、本発明は有機夾雑物を含有する繊維中に存在する有機夾雑物を制御する方法に関する。該方法は、繊維を、少なくとも1種の水溶性セルロース誘導体及び少なくとも1種のエステル加水分解酵素を含む組成物と、繊維中に存在する有機夾雑物を制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることを含む。
具体的な実施の形態では、方法は、再生繊維を、少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体及び少なくとも1つのエステル加水分解酵素を含む組成物と、再生繊維中に存在する粘着物を制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることを含む。より具体的な実施の形態では、水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素(リパーゼ等)との組み合わせにより、どちらか一方の薬剤単独の使用と比較して、再生繊維からの粘着物の量が相乗的に低減する。
他の利益及び利点の中でも、水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素との組み合わせにより粘着物の制御が改善するが、これは酵素又は水溶性セルロースのいずれか単独によりもたらされる制御レベルより大きい。該方法は、例えば古新聞紙、古段ボール箱、及び混合オフィス古紙等を利用する製紙工場完成紙料中の粘着物を低減するのに効果的である。
別の具体的な実施の形態では、方法は、未使用繊維を、少なくとも1種の水溶性セルロース誘導体、少なくとも1種のエステル加水分解酵素、及び任意で少なくとも1種のリポキシゲナーゼを含む組成物と、未使用繊維中に存在するピッチを制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることを含む。
本発明の方法の利益には、例えばダウンタイムの低減、抄紙機の操作性(machine runnability)の向上、完成紙料コストの低減、加工効率の改善、白色度の増大、残留インク効果濃度(effective residual ink concentration)の改善、紙品質(sheet quality)の改善、及び/又は溶剤使用量の低減が含まれる。本方法は、従来の粘着物又はピッチ制御プログラムと比較して費用効果的であり得る。
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は共に例示的及び説明的であるに過ぎず、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図するものと理解されよう。添付の図面は、本願に援用されてその一部を構成し、本発明の実施形態の幾つかを示し、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素とを組合せた組成物を用いた、再生パルプ完成紙料における、3つのサイズ範囲での有機夾雑物の総数に基づく有機夾雑物の減少を示す棒グラフである。 水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素とを組合せた組成物を用いた、再生パルプ完成紙料における、3つのサイズ範囲での有機夾雑物のppmに基づく有機夾雑物の減少を示す棒グラフである。 幾つかの異なる水溶性セルロース誘導体の1つとエステル加水分解酵素とを組合せた組成物を用いた、再生パルプ完成紙料における、3つのサイズ範囲での有機夾雑物の総数に基づく有機夾雑物の減少を示す棒グラフである。 水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素とを組合せた組成物を用いて、稠度40%のサーモメカニカルパルプの木材繊維から除去される分散有機夾雑物の増加に伴う濁度(NTUで表す)の増大を示す棒グラフである。
各々の図面において、水溶性セルロース又はエステル加水分解酵素の一方のみを含有する比較試料、いずれも含有しない対照、及び成分を処理紙料に別個に添加した1つの試料を用いて比較を行なうが、その他の点では比較目的のために比較試料、対照試料、及び発明試料は同じである。
本発明は、有機夾雑物を含有する繊維中に存在する有機夾雑物を、水溶性セルロース誘導体、エステル加水分解酵素、及び任意でリポキシゲナーゼをさらに含む組成物で繊維を処理することにより制御する方法に関する。繊維は再生繊維、未使用木材セルロース繊維、又はそれらの組み合わせ等のセルロース繊維であり得る。
再生繊維の処理
一実施形態では、繊維、例えば再生繊維を、粘着物制御の改善がもたらされることが見出されている、水溶性セルロース誘導体(複数可)とエステル加水分解酵素(複数可)との組み合わせと接触させる方法が提供される。達成される粘着物制御は、酵素又は水溶性セルロース誘導体単独によりもたらされる制御レベルより大きい。粘着物レベルの相乗的な低減は、組成物が少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体と少なくとも1つのエステル加水分解酵素(リパーゼ等)との組み合わせである場合に達成され得る。該方法は、製紙工場完成紙料中の粘着物の量を低減すること、及び/又は残存粘着物を非粘着化する(detackifies)ことにより残存粘着物の堆積を抑制する。
再生繊維は板紙、新聞印刷用紙、トイレットペーパー(sanitary)、及び他の紙製品等の多様な紙製品又は繊維含有製品から得ることができる。これらの製品には、例えば古段ボール箱(OCC)、古新聞印刷用紙(ONP)、混合オフィス古紙(MOW)、又はそれらの組み合わせが含まれ得る。これらの種の紙含有製品は、典型的には紙製品に存在する多量の有機夾雑物を含有している。これらの種の紙製品を再生した場合、これらの有機夾雑物は製紙プロセスのパルプ化段階中に形成された繊維と共に存在する。これらの有機夾雑物は、もし十分に取り除かれることがなければ、形成された紙シートの質及び/又は製紙に使用される機器類に影響を与えることで、製紙プロセスの後の段階を著しく妨げる可能性がある。つまり、このような有機夾雑物が繊維中に存在する場合、有機夾雑物の排除が製紙プロセスに重要となる。
本発明の目的では、有機夾雑物の例としては、当業界では「粘着物」として知られるもの、接着剤等に由来する合成ポリマー、グルー、ホットメルト、コーティング、コーティング結合剤、残インク、脱墨化学物質、木材樹脂、ロジン、感圧結合剤、そしてパルプ化されていない湿潤強力樹脂が挙げられるが、これに限定されない。これらの種類の物質は典型的には、新聞紙、段ボール箱、混合オフィス古紙といった紙含有製品に見られる。これらの有機夾雑物は、スチレンブタジエンゴム、アクリル酸ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、天然ゴム、エチルビニルアセテート、ポリビニルアセテート、エチルビニルアルコール、ポリビニルアルコール、スチレンアクリレート等の天然(present)ポリマー、及び/又は他の合成系ポリマーを有し得る。
本発明の一方法(process)では、これらの有機夾雑物は、有機夾雑物を含有する繊維を、少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体及び少なくとも1つのエステル加水分解酵素を含有する組成物と、繊維中に存在する有機夾雑物を制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることにより制御される。本発明の組成物は、有機夾雑物を製紙プロセスに影響を与えない有機種に分散又は変換することができる。例えば、ポリ酢酸ビニルは、製紙プロセスに影響を与えないポリビニルアルコールに分散及び/又は変換することができる。組成物により有機夾雑物の制御を達成するこの方法は、浮選による夾雑物の回収とは全く異なる。
水溶性セルロース誘導体
本発明の方法では、活性組成物の補助成分(co-ingredients)の1つとしてセルロースの誘導体を使用する。この用途に効果的な物質は、セルロースの水溶性誘導体である。セルロースの低級及び高級アルキル(例えばC、C、C、C、C、C、C、C、又はC10以上)エーテル誘導体及び/又はエーテル以外のアルキル結合体(linkages)を、それらが水溶性である限り使用することができる。セルロースの水溶性誘導体は、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシブチルメチルセルロースとして市販されている。これらのセルロースの非置換体又は置換体を使用してもよい。
セルロースのメチルエーテル誘導体(又はアルキルエーテル誘導体)は、セルロースを苛性ソーダの存在下で適切な試薬と反応させることにより作製することができる。メチルセルロースは塩化メチルを用いて作製することができ、ヒドロキシエチルメチルセルロースはエチレンオキシド及び塩化メチルを用いて作製することができ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはプロピレンオキシド及び塩化メチルを用いて作製することができ、またヒドロキシブチルメチルセルロースはブチレンオキシド及び塩化メチルを用いて作製することができる。これら3つの種類の間には、約10000〜約246000にわたる分子量の変動があるが、これは約53〜約1280の無水グルコシド単位の重合度に対応する。セルロースポリマーの無水グルコシド単位上の置換基の数は、溶解性に影響を与え得るが、水溶性である全ての置換レベルが本発明に含まれる。セルロース誘導体はメチルエーテル置換、若しくはヒドロキシルエチルエーテル置換、若しくはヒドロキシルプロピルメチルエーテル置換、若しくはヒドロキシルブチルエーテル置換を含有してもよく、又はこの目的でセルロース誘導体の効力に影響を与えないセチルヒドロキシルエチル若しくは他の基が付加してもよい。本発明の組成物において使用することのできる市販の水溶性セルロースには、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのMethocel F50、メチルセルロースのMethocel F15AV、及びヒドロキシエチルメチルセルロースのCellosize QP−1500−Hヒドロキシエチルセルロース等のMethocel製品(全てDow Chemical Co.(Midland MI)から入手可能である)、並びにセチルヒドロキシエチルセルロースのNatrosol 330 Plus(Hercules Inc.(Wilmington、DE)から入手可能であり、米国特許出願公開第2004/0231816号明細書に記載される)が含まれる。本発明に包含される水溶性セルロース誘導体は概して、本質的に非イオン性であり、アルキルエーテル部分のアルキル基は非置換であっても、又は置換であってもよい。水溶性セルロース誘導体の好ましい量は、処理される乾燥繊維1トン当たり約0.002ポンド〜約2ポンド、より好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.004ポンド〜約1ポンド、最も好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.01ポンド〜約0.4ポンドである。アルキルエーテルセルロースは、同様に作製することができる。2種以上(例えば2種類、3種類、又は4種類)のメチル(又はアルキル)エーテルセルロース誘導体を使用することができる。これらのメチル(又はアルキル)エーテルセルロース誘導体は、製紙プロセスにおいて組成物を形成する際及び/又は組成物(又はその成分)に導入する際に、予め合わせておいてもよく、又は別個に添加してもよく、又は任意の順序で導入してもよい。
エステル加水分解酵素
水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、高濃度のエステル加水分解酵素を含有するのが好ましい。エステラーゼ、リパーゼ、及びクチナーゼは、本発明の方法において単独で、又はそれらの任意の組み合わせで使用され得るエステル加水分解酵素の非限定的な例である。エステラーゼは、トリグリセリド(すなわち脂肪又は脂質)又はエステルを、カルボン酸(脂肪酸)並びにモノグリセリド及びジグリセリドに開裂する酵素である。リパーゼは、中性脂質及びリン脂質のエステル結合に作用する加水分解酵素である。リパーゼはトリグリセリド、すなわち脂肪を、グリセロール及び脂肪酸に加水分解する。クチナーゼは、ヒドロキシ及びエポキシ脂肪酸から成るポリエステルである高等植物のクチクラポリマー、クチンを分解する加水分解酵素である。クチンの脂肪酸は通常、n−C16及びn−C18であり、1個〜3個のヒドロキシル基を含有する。
リパーゼは、膵臓源(例えば膵臓リパーゼ)又は様々な菌類及び/又は細菌、及び/又は他の微生物に由来するか、又はそれから単離することができる。例としては、トリアシルグリセロールアシルヒドロラーゼ及びトリアシルグリセロールリパーゼが挙げられるが、これらに限定されない。また、トリグリセリドをグリセロール及び脂肪酸に加水分解可能な任意のリパーゼ又はエステラーゼを使用することができる。エステラーゼ又はリパーゼを含有する市販の製品を使用してもよい。例えば、Buckman Laboratories International, Incから入手可能な製品であるOptimyze(登録商標)、Busperse(登録商標)2528、Buzyme(登録商標)2515及びBuzyme(登録商標)2517を使用することができる。これらの製品は、安定性のためにリパーゼ又はエステラーゼ酵素を溶剤及び界面活性剤と組み合わせたものであり得る。Resinase HT、Resinase A2X、Novocor ADL、Pancreatic Lipase 250、Lipase G−1000、Greasex 50L、及びGreasex 100L製品のような酵素を含有する製品が本発明の方法において使用され得る。このような製品は、Genencor、Novo Nordisk、及びNovozymes, Incのような商業的供給源から入手可能である。エステラーゼ源は、NovozymesIncにより商業的に製造されるNS51032又はNS51060と称される製品として入手可能である。米国特許第5,507,952号明細書及び同第5,356,800号明細書及び米国特許出願公開第2003/0051836号明細書及び同第2004/0226672号明細書に記載されるエステラーゼ又はリパーゼが本発明において使用され得るが、これらの特許は本願において言及される任意の他の特許出願と共に、その全体が参照により本明細書中に援用される。脂肪分解酵素が本発明において使用され得る。エステル加水分解酵素は概して、液体形態又は固体形態等の任意の形態で使用することができる。好ましくは、本発明の方法において使用されるエステル加水分解酵素の量は、繊維中に存在する有機夾雑物を制御するのに十分な量である。本発明において使用される酵素は、任意の量の活性を有し得る。例えば活性は、1分当たり、1g当たりのリパーゼ単位(LU/g/分)として規定すると、少なくとも5.0LU/g/分、例えば少なくとも10LU/g/分、又は少なくとも15LU/g/分、例えば15.0LU/g/分〜30.0LU/g/分である。本発明において使用されるリパーゼ、例えばトリアシルグリセロールリパーゼ及び他のリパーゼは、この活性を有し得る。例えば、Novozyme製のResinase A2Xリパーゼは、1分当たり、1g当たりのリパーゼ単位(LU/g/分)として規定すると、約15.0LU/g/分〜20.0LU/g/分の活性を有する。別の例としては、クチナーゼは、ポリ酢酸ビニルを脱エステル化するその酢酸ビニルエステラーゼ活性に基づいて評価することができる。したがって、クチナーゼは、1分当たり、1g当たりで酢酸(mmol)を遊離させるか又は生成するその能力について分析することができる。この活性は、少なくとも10mmol/g/分、又は少なくとも15mmol/g/分、又は少なくとも20mmol/g/分の遊離酢酸に相当し得る。例えば、Optimyzeの活性は、21.0mmol/g/分〜23.0mmol/g/分の遊離酢酸に相当し得る。エステル加水分解酵素の好ましい(総)量は、処理される乾燥繊維1トン当たり約0.005ポンド〜約4ポンド、より好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.01ポンド〜約2ポンド、最も好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.05ポンド〜約0.5ポンドである。2種以上(例えば2種類、3種類、又は4種以上)の酵素を使用することができる。1種又は複数種の酵素は、組成物を形成する際、又は組成物(又はその成分)を製紙プロセスに導入する際に、予混合物の一部として添加してもよく、又は別個に添加してもよく、又は任意の順序で添加してもよい。
エステル加水分解酵素は、米国特許第5,356,800号明細書及び同第5,780,283号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載される製剤を用いて安定化させたエステラーゼ及び/又はリパーゼ組成物であってもよい。少なくとも1つのポリマーは、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物と共に、ほぼ同時に添加することができる。代替的又は付加的には、1つ又は複数のポリマーを酵素(複数可)の導入前又は導入後に添加することができる。例えば、ポリマー(複数可)は酵素(複数可)の繊維への導入前又は導入後1時間以内に添加することができる。ポリマーはカチオン性水溶性ポリマー等の水溶性ポリマーであり得る。このようなポリマーの例としては、エピクロルヒドリン/ジメチルアミンポリマー(EPI−DMA)及びその架橋溶液、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、DADMAC/アクリルアミド共重合体、イオネンポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。イオネンポリマーの例としては、米国特許第5,681,862号明細書及び同第5,575,993号明細書(共にその全体が参照により本明細書中に援用される)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、米国特許第5,256,252号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載のポリマーも同様に使用することができる。本発明の方法において使用される場合、ポリマーは任意の量、好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.1ポンド〜約15ポンド、より好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.25ポンド〜約10ポンド、より好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約1ポンド〜約5ポンドの用量範囲で使用され得る。
本発明の目的では、有機夾雑物を有する繊維中に存在する有機夾雑物の制御とは、以下の1つ又は複数として理解される:夾雑物粒子のサイズの低減、存在する測定可能な粒子の数又は量の低減、及び/又は有機夾雑物の粘着性の低減。好ましくは、有機夾雑物を本発明の方法を用いて制御する場合、これら全ての低減が起こる。好ましくは、夾雑物粒子のサイズは、エステル加水分解酵素及び水溶性セルロース誘導体が存在しない場合と比較して少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%低減する。同様に、繊維中に存在する有機夾雑物の数又は量は、水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素とを組合せた組成物で処理していない繊維と比較して少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%低減する。また、有機夾雑物の粘着性は、組成物で処理していない繊維と比較して好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%低減する。
水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は任意で、1つ又は複数の界面活性剤、溶剤、懸濁助剤、充填剤、キレート剤(chelants)、防腐剤、緩衝剤、水、及び/又は安定剤等(これらに限定されない)の他の従来の紙処理用化学物質又は成分も含有し得る。これらの付加的成分は従来の量で含まれ得る。
本発明の方法において、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、製紙プロセスの一環として、有機夾雑物を含有する繊維の処理における任意の時点で導入することができる。一般に、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、有機夾雑物を含有する繊維に任意の形で導入するか、又はそれと接触させる。例えば、有機夾雑物を含有する繊維が再生される製品に由来する場合、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物はパルプ化段階の前、パルプ化段階中、及び/又はパルプ化段階後に導入することができる。水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物をパルプ化段階の前に導入する場合、組成物は典型的には、パルパーに導入される紙含有製品上に噴霧又は他の手段により導入される。さらに、又は代替的には、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、メカニカルパルプ化、完全化学的パルプ化、又はそれらの組み合わせ等の任意の従来のパルプ化技法によるものであり得るパルプ化段階中にパルパーに存在するか、又はそれに導入することができる。水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、製紙プロセスの紙料調製段階中に導入することができる。水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物と、有機夾雑物を含有する繊維との接触時間は最大限にするのが好ましい。酵素を含有する組成物は概して、十分な反応時間、酸化剤の最小濃度、並びに適切なpH及び温度範囲をもたらすように使用される。これらの要件は概して、酵素にも適用される。酵素を変性させる必要はない。酵素活性に関して最適なpHは、様々な酵素によって異なり得る。一般に、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は概して約6.8〜約9.5のpH範囲、及び約4℃〜約65℃の温度範囲にわたって効果がある。接触時間は、繊維と共に存在する有機夾雑物を、有機夾雑物が実質的に制御されるように制御するのに十分であるのが好ましい。好ましくは、接触時間は約1分間〜約8時間、より好ましくは約10分間〜約4時間、最も好ましくは約20分間〜約2時間である。
水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、濃厚紙料貯蔵段階中及び/又は浮選脱墨段階前に有機夾雑物を含有する繊維に導入するか、又はそれと接触させることができる。好ましくは、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、製紙プロセスにおいて浮選段階後に導入される。より好ましくは、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、浮選段階後且つ抄紙機ヘッドボックスの前に導入される。一部の製紙プロセスでは、OCCの再生に伴うような浮選工程はない。したがって、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は好ましくは、パルパーの中又は後、及び/又はヘッドボックスの中又は前に添加される。組成物は抄紙機白水に添加することもできる。
水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物を、有機夾雑物を含有する繊維に導入するか、又はそれと接触させる方法は、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物を処理を受ける領域に注入針(injection points)により投入する、及び/又は再パルプ化可能な乾燥又は液体酵素のバッグを使用する等の任意の形であり得る。水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物の導入は、即時、徐放(slow release)、持続放出(timed release)、断続的、及び/又は連続的であり得る。
本発明の方法では、水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物は、製紙作業の複数の時点又は単一の時点で導入され得る。また、有機夾雑物を有する繊維中に存在する有機夾雑物を制御するために、2種以上の水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物を使用することができ、混合物を使用することができ、又は少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素を含有する組成物が何らかの形で導入される限り、任意の他の変形形態を使用することができる。組成物(又は混合物)を製紙作業に導入する前に予め形成してもよく、又は組成物の個々の成分を別個に添加するか、又は予め合わせて供給ラインに添加するか、又は任意の順序若しくは組み合わせで添加してもよい。添加はバッチ、連続的、半連続的、又は任意のそれらの組み合わせによるものであり得る。組成物は清水(fresh water)又は処理水で希釈しても、又は希釈しなくてもよい。
本発明の方法では、有機夾雑物を有する繊維中に存在する有機夾雑物の制御は、任意の製紙作業に組み込むことができる。典型的には、当業者に既知の製紙作業の残りの局面を紙製品を形成するために使用することができる。したがって、紙料調製中に製紙パルプと共に使用される従来の付加物質を、本発明において同様に使用することができる。次に、連続的又は非連続的な抄紙機により、長網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機、又は丸網抄紙機、又は他の製紙装置が関わる従来既知の作業を用いて、繊維及び他の成分の水性懸濁液を乾燥紙シートに加工することができる。所望の特性を達成するための紙シートの後続処理(紙シートの機械カレンダ加工及び/又はコーティング等)も本発明において使用され得る。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の方法において使用される水溶性セルロース誘導体とエステル加水分解酵素とを組合せた組成物は、以下の機構又は効果の少なくとも1つ又は複数により粘着物問題を軽減及び/又は抑制すると考えられている:粘着物の紙廃棄物からの分離を補助すること、粘着物を繊維及び脱墨プロセスから除去すること、パルプ中の残留粘着物の凝集を防止すること、ファブリック、フェルト、及びドライヤ上への堆積を防止すること、及び/又はシート中の微小粘着物を、製造問題又は加工問題を引き起こさないほど小さいサイズに保つこと。
未使用繊維の処理
別の実施形態では、繊維、特に未使用繊維を水溶性セルロース誘導体、エステル加水分解酵素、及び任意でピッチ制御を改善することが見出されているリポキシゲナーゼの組み合わせと接触させる方法が提供される。達成されるピッチ制御は、酵素及び/又は水溶性セルロース誘導体単独でもたらされる制御レベルより大きい。リパーゼ等のエステル加水分解酵素を使用して、パルプ及び製紙工場システムにおける脂肪酸エステルの濃度を低減することができる。脂肪酸エステルはパルプ及び製紙工場において非常に堆積し易く、脂肪酸エステル含量を低減することで、堆積の低減が見られると予想されている。しかしながら、これは事実であると証明されていない。酵素の脂肪酸エステルとの作用による反応生成物である脂肪酸は多くの場合堆積し、工場において作業及び品質上の問題を引き起こす。エステル加水分解酵素、任意でリポキシゲナーゼ酵素と、水溶性セルロース誘導体との組み合わせは、所与の総使用量に関していずれかの化合物単独よりも予想以上にピッチ制御の改善をもたらす。これらの酵素と水溶性セルロース誘導体との組み合わせにより、製紙工場完成紙料中のピッチの量が低減し、また残存ピッチが非粘着化され、これにより残存ピッチの堆積が抑制される。処理プロセスの有用性は、パルプが軟材、硬材、又はそのブレンドのいずれに由来するかに依存しないと考えられる。この用途の目的で、未使用繊維とは再生繊維以外のセルロース系繊維を指し、さらし又は未さらしKraft、亜硫酸パルプ又は他のケミカルパルプ、及び砕木(GW)又は例えばサーモメカニカルパルプ(TMP)等の他のメカニカルパルプを含み得る。
リポキシゲナーゼ
リポキシゲナーゼは、多価不飽和脂肪酸の二原子酸素添加を触媒して脂肪酸ヒドロペルオキシドを生成する鉄含有酵素である。リポキシゲナーゼは植物及び動物において見られる。リポキシゲナーゼの好ましい量は、処理される乾燥繊維1トン当たり約0.004ポンド〜約4ポンド、より好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.01ポンド〜約2ポンド、最も好ましくは処理される乾燥繊維1トン当たり約0.05ポンド〜約0.5ポンドである。水溶性セルロース誘導体及びエステル加水分解酵素は、好ましくは再生繊維の処理に使用される組成物に関して上記したものと同様の各範囲量のリポキシゲナーゼをさらに含むこの組成物中で使用され得る。2種以上(例えば2種類、3種類、又は4種以上)のリポキシゲナーゼを使用することができる。リポキシゲナーゼは、水溶性セルロース誘導体及び/又はエステル加水分解酵素と予め合わせてもよく、又は供給流若しくはパルプ流若しくは他所に別個に添加してもよい。
本発明の本実施形態のエステル加水分解酵素、任意でリポキシゲナーゼ酵素、及び水溶性セルロース誘導体を含有する組成物は、Kraft、亜硫酸パルプ、砕木、及び他のメカニカルパルプの製紙システム等の製紙システムにおけるピッチ堆積の制御に効果的である。例えば、Kraft製紙プロセスの褐色紙料洗浄機、スクリーンルーム、及びデッカーシステムにおけるピッチ堆積が制御され得る。用語「製紙システム」は、全てのパルププロセスを含むと意図される。一般に、これらのポリマーは、多様なpH及び条件下で、パルプ製造機から抄紙機のリールまでの全ての接液面上のピッチ堆積を防止するために利用することができると考えられている。より具体的には、これらの組成物は金属表面だけでなく、抄紙機ワイヤ、フェルト、フォイル、uhleボックス及びヘッドボックス部品等のプラスチック表面及び合成表面上でも、金属せっけん及び他の樹脂性ピッチ成分の堆積を効果的に低下させる。本発明の本実施形態の組成物は、製紙システムの任意の段階でパルプに添加することができる。本実施形態の組成物は、乾燥微粒子形態で、又は希釈水溶液として添加することができる。添加されるこれらの組成物の有効量は、多くの場合システムのpHを含む多数の変数に依存するピッチ問題の重大性に依存する。
本発明の目的では、ピッチを有する繊維中に存在するピッチの制御は、以下の1つ又は複数として理解される:ピッチ粒子のサイズの低減、存在する測定可能な粒子の数又は量の低減、及び/又はピッチの粘着性の低減。好ましくは、本発明の方法を用いてピッチを制御する場合、これら全ての低減が起こる。好ましくは、ピッチ粒子のサイズは、エステル加水分解酵素、水溶性セルロース誘導体、及びリポキシゲナーゼが存在しない場合と比較して、少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%低減する。同様に、繊維中に存在するピッチの数又は量は、水溶性セルロース誘導体と、エステル加水分解酵素と、リポキシゲナーゼとを組合せた組成物で処理していない繊維と比較して、少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%(例えば重量で)低減する。また、ピッチの粘着性は、組成物で処理していない繊維と比較して、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは約10%〜約75%低減する。
単に本発明の例示であると意図される以下の実施例により本発明をさらに明確に説明するが、特に指定のない限り、部とは重量による割合である。
実施例1
以下の試験試料において、酵素及び水溶性セルロースを様々な組み合わせで、個々に、又はいずれか一方のみ含有する組成物について、再生紙における夾雑物制御を調べた。以下の試験試料の各々において、使用済みホットメルト接着(hot melt glued)両面段ボール箱から得られた抄紙機チェスト紙料は、工場から得られ、約3重量%〜約5重量%の稠度の繊維又は固形物を有していた。次に、この紙料を稠度1重量%に希釈して、pHを7.4に調整した後、約50℃〜60℃に加熱した。1000mLの希釈紙料の試料を次にホットプレート上に置いて50℃〜60℃の温度に維持し、希釈紙料を約100rpm〜150rpmの定速で混合した。その後、様々な組み合わせの異なる種類のエステル加水分解酵素及び水溶性セルロースを、完成紙料に別々に添加し、得られた各試料を1時間〜2時間混合した。本実施例及び参照の図面においては、試験組成物は試料1〜試料8として示す。試験したエステル加水分解酵素は、トリアシルグリセロールリパーゼ(本明細書においては酵素「E1」と略す)、及びエステラーゼ源(Optimyze(登録商標);安定性のために溶剤及び界面活性剤と共に、Novozymes Inc.からNovozymes NS51032として得られるエステラーゼを約10%含有する;本明細書においては酵素源「E2」と略す)であった。試験試料において使用した際には、酵素E1及び酵素E2の各々は、乾燥繊維1トン当たり酵素約0.05ポンド〜約0.5ポンドで投与した。水溶性セルロース成分は、Methocell F50(Dow Chemical Co.(Midland MI)として得られるヒドロキシプロピルメチルセルロース(本明細書においては「HPMC」と略す)であった。使用の際には、Methocellは乾燥繊維1トン当たりMethocell約0.01ポンド〜約0.5ポンドで投与した。
各々の試験試料に含まれる酵素(複数可)及び水溶性セルロースは、以下の通りであった:
試料1:E1
試料2:対照(酵素又は水溶性セルロースを含まない)
試料3:E1、E2、HPMC
試料4:E2
試料5:E2、HPMC
試料6:MC
試料7:E1、HPMC
試料8:E2、HPMC。
試料8に関しては、E2及びHPMCは完成紙料に別個に添加した。試料5に関しては、E2及びHPMCは、完成紙料に添加した試料において予め合わせておいた。
次に、水を加えて試料を10Lに希釈した後、これらの試料を0.004インチのスクリーンを用いるPulmacのMasterscreenを通してスクリーニングした。濾過パッド(filterpad)上に回収された夾雑物を炉内で乾燥させた。きれいな黒色濾紙片及び炭酸カルシウムを有する未使用炭酸カルシウム加工紙を、回収パッドと接触させて回収パッドの上に置いた後、これらの紙片をCarver Pressに置き、300゜F(135℃)、10000psiの圧力で3分間加圧した。次に、トップフィルタ及び炭酸カルシウム加工紙をはがし、夾雑物の量(数及びppm)をOptimax Flatbed Scannerを用いて測定した。これと同じ設定を図1に報告した「数」を求めるために使用した。夾雑物をサイズによって1級、2級、及び3級に分類したが、ここで1級は0.02mm〜0.10mmのサイズを有する「小型」の粘着物であり、2級は0.10mm〜1.00mmのサイズを有する中間又は「中型」の粘着物であり、3級は1.00mm以上のサイズを有する「大型」の粘着物であった。
結果を図1及び図2に示し、対照(試料2)と比較するが、完成紙料に酵素も水溶性セルロースも添加しない以外は上記と同じ手順に従った。図から分かるように、エステル加水分解酵素と水溶性セルロースとを併せて含有する組成物を使用した場合に、有機夾雑物又は「粘着物」の量(数及びppm)は有意に低減した。HPMC試料以外のいずれの試料にも大型粘着物は観察されなかった。しかしながら、中間及び小型サイズの粘着物に関して、エステル加水分解酵素と水溶性セルロースとを併せて含有する組成物、特に試料7のリパーゼと水溶性セルロースとの組み合わせ(すなわち「E1+HPMC」)は、対照又は単独で使用した化合物と比較して有意な粘着物の低減をもたらした。図1を参照すると、例えば本発明を代表する試料7は、試料1の酵素単独(E1)又は試料6の水溶性セルロース単独(HPMC)と比較して、有機夾雑物数を少なくとも約20%低減した。図2を参照すると、例えば本発明を代表する試料7は、試料1の酵素単独(E1)又は試料6の水溶性セルロース単独(HPMC)と比較して、有機夾雑物の量(ppm)を少なくとも約500重量%低減した。したがって、本発明は、有機夾雑物を含有する繊維中の有機夾雑物の量の低減について非常に効果的である。
実施例2
3つの異なる種類の水溶性セルロースを研究に加えた以外は、実施例1に記載のものと同様の手順を用いて付加的実験を行なった。これらの付加的実験において、試料9は酵素も水溶性セルロースも含有しない対照であり、試料10は酵素源E2を含有するが水溶性セルロースを含有せず、試料11は酵素源E2及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含有し、試料12は酵素源E2及びDow Chemical Co.からCellosize QP−1500−Hヒドロキシエチルセルロースとして得られるヒドロキシエチルメチルセルロース(HEC)を含有し、試料13は酵素源E2及びDow Chemical Co.からMethocel F15AVとして得られるメチルセルロース(MC)を含有していた。実施例1において使用される物質の略号は、本実施例又は後続の実施例にある場合も同じ意味を有する。
試料9〜試料13が示す様々なサイズの粘着物の数を図3に示す。図3の結果から分かるように、エステル加水分解酵素と3つの異なる水溶性セルロースのいずれか1つとの両方を含有する研究された試料11、試料12、及び試料13は、酵素しか含有しない対照の試料9又は試料10と比較して、優れた粘着物の全体的制御をもたらした。
実施例3
以下の試験試料において、酵素及び水溶性セルロースを様々な組み合わせで、個々に、又はいずれか一方のみ含有する組成物についてピッチ制御効果を調べた。ピッチ制御効果に関して酵素及び水溶性セルロースを試験する手順は以下の通りである。10g(乾燥重量)のサーモメカニカルパルプ(TMP、稠度約40%)を秤量し、温水で1Lに希釈した。温度を50℃に設定し、攪拌器速度を150RPMに設定した攪拌器/ホットプレートを用いた。必要量の生成物を記載のように添加し、1時間攪拌した。1時間後、パルプスラリーの一部を#4Whatman濾紙を通して濾過し、Hachの2100P Turbidity Meterで濁度を調べ、結果を比濁計濁度単位(NTU)で記録した。生成物供給速度は、2%酵素(含まれる場合)及び6%水溶性セルロース(含まれる場合)を含有する生成物2ポンドを送る速度として算出した。これらの実験の目的ではサーモメカニカルパルプ(TMP)を使用するが、同様のプロトコルを未乾燥の未使用砕木、又はさらし若しくは未さらしKraft若しくは亜硫酸パルプ等の異なる未使用繊維源にも適用してもよい。
これらの実験において試料14〜試料21を試験した。これらの試料の生成物の詳細は以下の通りであった:
試料14:対照(酵素又は水溶性セルロースを含まない)
試料15:E2
試料16:E2、HPMC
試料17:E2、HEC
試料18:E2、MC
試料19:E2、B1(ここで、B1はリパーゼ源(Busperse(登録商標)2528、安定性のために溶剤及び界面活性剤と共に、Novozymes Inc.からNovozyme Resinase HTとして得られるリパーゼを約30%含有する)である)
試料20:B1
試料21:B1、HPMC。
試料14〜試料21に関する濁度の結果を図4に示す。これらの結果においては、濁度の上昇は、稠度40%のサーモメカニカルパルプにおいて木材繊維表面から除去される分散有機夾雑物の増加と関連する。図4の結果から分かるように、リパーゼB1と水溶性セルロースHPMCとの組み合わせでパルプを処理した試料21は、リパーゼB1単独でパルプを処理した試料20、及び対照試料14より高い濁度を示した。エステラーゼE2と水溶性セルロースHPMC、HEC、又はMCの1つとでパルプを処理した試料16〜試料18は、エステラーゼE2単独でパルプを処理した試料15、及び対照試料14より高い濁度を示した。
出願人は、全ての引用文献の内容全体をこの開示に具体的に援用する。さらに、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータは範囲、好ましい範囲、又は好ましい最大値及び好ましい最小値の羅列のいずれかで与えられる場合、任意の上限範囲又は好ましい値と任意の下限範囲又は好ましい値との任意の組から成る全範囲を、範囲が別個に開示されるか否かにかかわらず、具体的に開示するものと理解される。数値範囲が本明細書中で列挙される場合、特に指定のない限り、この範囲はその端点、並びに範囲内の全ての整数値及び分数値を含むと意図される。本発明の範囲は、範囲を規定する際に列挙される具体的な値に限定されると意図されるものではない。
当業者には、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び変形を本発明の実施形態に加えることができることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限り本発明の他の変更形態及び変形形態を包含すると意図される。

Claims (25)

  1. 製紙システムにおいて繊維からの有機夾雑物の堆積を制御する方法であって、前記繊維を、少なくとも1つの水溶性セルロース誘導体及び少なくとも1つのエステル加水分解酵素を含む組成物と、該繊維中に存在する該有機夾雑物を制御するのに十分な時間且つ十分な量で接触させることを含む、方法。
  2. 前記有機夾雑物が接着剤、グルー、ホットメルト、コーティング、コーティング結合剤、脱墨化学物質、残インク、木材樹脂、ロジン、コンタクト接着剤(contact adhesive binders)、パルプ化されていない湿潤強力樹脂、ピッチ、又はそれらの組み合わせに由来する合成ポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記繊維が再生繊維を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記有機夾雑物が粘着物を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 該エステル加水分解酵素がリパーゼを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 該水溶性セルロース誘導体がメチルセルロース、ヒドロキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシブチルメチルセルロース単独、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項3に記載の方法。
  7. 有機夾雑物を含有する前記繊維が古段ボール箱、古新聞印刷用紙若しくは古新聞紙、混合オフィス古紙、又はそれらの任意の組み合わせに由来する繊維を含む、請求項3に記載の方法。
  8. 該有機夾雑物が、少なくとも該繊維中に存在する有機夾雑物の量を低減することにより制御される、請求項3に記載の方法。
  9. 該有機夾雑物が、少なくとも該繊維中に存在する該有機夾雑物のサイズを低減することにより制御される、請求項3に記載の方法。
  10. 該有機夾雑物が、少なくとも該繊維中に存在する該有機夾雑物の粘着性を低減することにより制御される、請求項3に記載の方法。
  11. 前記組成物をパルプ化段階前に導入する、請求項3に記載の方法。
  12. 前記組成物をパルプ化段階中に導入する、請求項3に記載の方法。
  13. 前記組成物を紙料調製段階中、又はその直前に導入する、請求項3に記載の方法。
  14. 前記組成物を浮選段階又は脱墨段階の後に導入する、請求項3に記載の方法。
  15. 前記組成物を、乾燥繊維1トン当たり約0.002ポンド〜約2ポンドの水溶性セルロース誘導体、及び処理される乾燥繊維1トン当たり約0.005ポンド〜約4ポンドのエステル加水分解酵素をもたらす量で導入する、請求項3に記載の方法。
  16. 前記組成物を該繊維と約1分〜約8時間の間接触させる、請求項3に記載の方法。
  17. 前記繊維を紙製品又は板紙製品に成形することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  18. 前記組成物を抄紙機ヘッドボックスの前で導入する、請求項3に記載の方法。
  19. 前記組成物を抄紙機白水中に導入する、請求項3に記載の方法。
  20. 前記繊維が未使用繊維を含み、前記有機夾雑物がピッチを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記組成物がリポキシゲナーゼをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 該エステル加水分解酵素がエステラーゼ、リパーゼ、又はクチナーゼを単独で、又はそれらの任意の組み合わせで含む、請求項20に記載の方法。
  23. 該水溶性セルロース誘導体がメチルセルロース、ヒドロキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシブチルメチルセルロース単独、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項20に記載の方法。
  24. 前記組成物を、処理される乾燥繊維1トン当たり約0.002ポンド〜約2ポンドの水溶性セルロース誘導体、処理される乾燥繊維1トン当たり約0.005ポンド〜約4ポンドのエステル加水分解酵素、及び処理される乾燥繊維1トン当たり約0.004ポンド〜約4ポンドのリポキシゲナーゼをもたらす量で導入する、請求項21に記載の方法。
  25. 前記水溶性セルロース誘導体がメチルエーテルセルロース誘導体である、請求項1に記載の方法。
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