JP5286794B2 - 紙幣処理装置 - Google Patents
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このような紙幣処理装置は、例えば所定の搬送監視時間内に、一の搬送監視センサが紙幣の後端が通過したことを検知してから次の搬送監視センサがその紙幣の先端を検知すること、およびその搬送監視センサが紙幣の先端を検知してからその紙幣の後端を検知することを監視するようにしている。
この搬送監視時間は、短くすると搬送速度のばらつき等に起因して搬送異常が発生していないにもかかわらず搬送異常が発生しているとする誤検出が発生し易くなり、長くすると紙幣の詰まりが発生した場合に後続の紙幣が追突して詰まった紙幣の損傷が大きくなりその紙幣の除去が難しくなるため、搬送監視センサごとに適切な余裕時間を考慮して実験等を行い算出するようにしている。
また、このように搬送の異常が検知された紙幣は搬送路のガイドに接触して搬送される速度が低下することにより、所定の搬送監視時間内に搬送監視センサを通過することができず、紙幣詰まりでないにもかかわらず紙幣詰まりと誤って検知されてしまうことがあるという問題がある。
図1において、1は紙幣処理装置であり、現金自動預払機、現金処理機、自動券売機等に搭載され、紙幣の入金処理、出金処理、補充処理や回収処理等を行うものである。
12は鑑別部であり、分離部11から繰り出された紙幣の真偽、金種等の鑑別および計数を行うものである。この鑑別部12は光学式センサ等により通過する紙幣の画像データ等を取得し、その画像データ等と図示しない紙幣鑑別データベースに予め登録された画像データ等を照合して紙幣の真偽、金種等の鑑別および計数を行う。
14は異常券集積部であり、鑑別部12で搬送異常券と鑑別された紙幣を集積するものである。この異常券集積部14は、正常券集積部13と同様に例えば内部に配置されたステージが図示しない昇降機構により上下動し、ローラ等の集積機構により収納される紙幣はこのステージ上に集積されるようになっている。
なお、連鎖した紙幣の長さおよび斜行した紙幣の角度を計測する搬送状態計測手段を鑑別部12として説明するが、鑑別部12に替えて分離部11の出口付近に配置された搬送監視センサ17aとしてもよい。
図2において、141はステージであり、図示しない昇降機構により上下動可能に構成され、紙幣搬送路15cで搬送された異常紙幣Pを集積するためのものである。異常紙幣Pを集積する場合、ステージ141を上下動させてそのステージ141に搬送された異常紙幣Pを集積するための領域である異常券プール領域142を形成する。
145は異常券集積部14の入口付近の紙幣搬送路15c上に対向して配置されたフィードローラであり、搬送ローラ143で搬送された異常紙幣Pを挟持して異常券プール領域142へ送り出すものである。
なお、正常券集積部13も異常券集積部14と同様に構成されている。
図3において、分離部11は、繰り出しローラ等の分離機構を制御し、集積された紙幣を1枚ずつ分離して紙幣搬送路15aへ繰り出す動作を行う。
鑑別部12は、上述したとおり光学式センサ等により通過する紙幣の画像データ等を取得し、その画像データ等と図示しない紙幣鑑別データベースに予め登録された画像データ等を照合して紙幣の真偽、金種等の鑑別および計数を行う。
搬送部15は、図示しないモータ等の駆動手段により紙幣搬送路15a、15c、15c等を制御し、紙幣を搬送する動作を行うとともに搬送される紙幣の搬送状態を搬送監視センサ17等により監視する。この搬送部15は鑑別部12の鑑別結果にしたがって切替ガイド16を切り替え、正常紙幣を正常紙幣集積部13、異常紙幣を異常紙幣集積部14に搬送する。
21は記憶部であり、半導体メモリ等で構成され情報を記憶し、記憶した情報を読取ることができるものである。この記憶部21には紙幣処理装置1全体の動作を制御する制御プログラム(ソフトウェア)や搬送部15が紙幣の搬送状態を監視するための監視時間値等を記憶する。
また、制御部22は図示しないタイマ等の時間計測手段を備え、その信号は搬送部15へ供給され、搬送部15はその信号を利用して紙幣の搬送状態を監視することができるようになっている。
上述した構成の作用について説明する。
制御部22の指示により、分離部11は集積された紙幣を1枚ずつ分離して紙幣搬送路15aへ繰り出し、搬送部15は繰り出された紙幣を紙幣搬送路15aで鑑別部12へ搬送する。
鑑別部12により搬送された紙幣が搬送異常券でない、すなわち搬送正常券と鑑別された場合、制御部22の指示により搬送部15はその搬送正常券が正常券集積部13へ搬送されるように切替ガイド16を切替え、また鑑別部12により搬送された紙幣が搬送異常券と鑑別された場合、搬送部15はその搬送異常券が異常券集積部14へ搬送されるように切替ガイド16を切替える。
異常券集積部14は、搬送ローラ143およびフィードローラ145で搬送され、異常券集積プール部142に送り出された搬送異常券の後端部を回転する羽根車146の弾性部材で叩き落してステージ141上に集積させる。なお、搬送正常券を正常券集積部13に集積する場合も同様である。
鑑別部12で鑑別された搬送異常券は紙幣搬送路15aおよび紙幣搬送路15cにより搬送されるが、このとき搬送監視センサ17b、17e、17fでその搬送状態が監視される。
搬送監視センサ17bでは、搬送異常券の後端が鑑別部12を通過してからその搬送異常券の先端を当該センサが検知するまでの時間が所定の監視時間(Tb1)内にあることを監視し、その搬送異常券の先端を検知してから後端の通過を検知するまでの時間が所定の監視時間(Tb2)内にあることを監視する。
さらに、搬送監視センサ17fでは、搬送異常券の後端が搬送監視センサ17eを通過してからその搬送異常券の先端を当該センサが検知するまでの時間が所定の監視時間(Tf1)内にあることを監視し、その搬送異常券の先端を検知してから後端の通過を検知するまでの時間が所定の監視時間(Tf2)内にあることを監視する。
なお、余裕時間Nb、Ne、Nfも搬送速度等のばらつきを考慮して決定されるものとする。
以上説明したように、第1の実施例では、搬送監視センサ17eの下流の搬送監視センサ17fで搬送異常券の先端を検知してから後端の通過を検知するまでの監視時間(Tf2)を、搬送異常券が搬送監視センサ17eを通過するに必要な時間Te0に余裕時間Nfを加算して算出するようにしたことにより、紙幣詰まりの誤検知を防止することができるという効果が得られる。
余裕時間テーブル50は、例えば図5に示すように傾き角度θが大きくなるに連れて余裕時間Nfが長くなり、また紙幣の長さ(搬送方向の長さ)Lαが長くなるにつれて余裕時間Nfが長くなるようにしたものである。
第2の実施例の構成の作用は、第1の実施例の構成の作用と搬送部15が行う搬送異常券の搬送監視における監視時間Tf2の算出方法が異なるのでその異なる部分について以下に説明する。
制御部22の指示により搬送部15は、搬送状態計測手段としての鑑別部12で計測した搬送異常券の搬送異常状態、例えば斜行した搬送異常券の場合、搬送方向と搬送される搬送異常券の短手方向の傾き角度θ、連鎖した搬送異常券の場合、搬送監視センサを通過する紙幣の長さ(搬送方向の長さ)Lα、に基づいて図5に示す余裕時間テーブル50を検索して余裕時間Nfを抽出する。例えば、θが15度の場合、余裕時間Nfは75ミリ秒となり、またLαが130ミリメートルの場合、余裕時間Nfは105ミリ秒となる。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、搬送異常券の搬送異常状態に応じて余裕時間Nfを決定するようにしたことにより、さらに紙幣詰まりの誤検知を防止することができるという効果が得られる。
第3の実施例の構成の作用は、第1の実施例および第2の実施例の構成の作用と搬送部15が行う搬送異常券の搬送監視処理が異なるのでその異なる部分について図6の第3の実施例における放出確認センサの搬送監視処理を示すフローチャートのSで表すステップにしたがって説明する。
S1:搬送部15は、監視時間Tf1を記憶部21から読出し、搬送異常券の後端が搬送監視センサ17eを通過してからその搬送異常券の先端を搬送監視センサ17fが検知するまでの時間を監視する搬送異常券の搬送監視(放出確認センサオン監視)を開始する。
S3:搬送異常券の詰まりが発生したものとして搬送部15は紙幣搬送路15a、15cを停止させ、紙幣詰まりが発生したことを制御部22へ通知する。
なお、監視時間Tf2は、搬送される搬送異常券が搬送監視センサ17eの光軸を遮る時間Te0を搬送部15が計測し、その時間Te0に余裕時間Nfを加算して算出されたものとし、その余裕時間Nfは第1の実施例に示すように固定値としてもよく、また第2の実施例に示すように余裕時間Nfを鑑別部12で計測した搬送異常券の搬送異常状態、例えば斜行した搬送異常券の場合、搬送方向と搬送される搬送異常券の短手方向の傾き角度θ、連鎖した搬送異常券の場合、搬送監視センサを通過する紙幣の長さ(搬送方向の長さ)Lα、に基づいて図5に示す余裕時間テーブル50を検索して抽出した余裕時間Nfとしてもよい。
S7:監視時間Tf2を超えていないと判定されると搬送部15は搬送監視センサ17fで搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができたか否かを判定する。その判定の結果、搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができたと判定されると処理を終了し、搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができていないと判定されると処理をS6へ移行して監視を継続する。
一方、搬送部15が鑑別部12で新たに鑑別され、後続する搬送異常券が紙幣搬送路15aおよび紙幣搬送路15cに搬送されることを検知した場合、搬送部15は搬送監視センサ17eでその搬送異常券の先端を検知したとき、その搬送異常券が搬送異常券に追突しない最適な待ち時間である監視時間Tf3を算出する(例えば、搬送監視センサ17eと搬送監視センサ17fとの距離をDf、搬送異常券の搬送速度をSとすると距離Dfを搬送速度Sで除算して算出する)とともに搬送異常券の後端の通過を搬送監視センサ17fが検知するまでの時間を監視する搬送異常券の搬送監視(放出確認センサオフ監視)を開始する。
以上説明したように、第3の実施例では、第1の実施例および第2の実施例の効果に加え、搬送異常券の先端を検知してから後端の通過を搬送監視センサ17fが検知するまでの時間が監視時間Tf2を超えた場合であっても、搬送監視センサ17eで後続する搬送異常券の先端を検知するまでの間は紙幣詰まりと判定しないようにすることにより、異常券集積プール部42に完全に送り出されていない搬送異常券の後端部を羽根車146の弾性部材で叩き落す時間を長くすることができ、その搬送異常券を異常券集積プール部42に押し込み易くなるという効果が得られる。
第4の実施例の構成の作用は、第1の実施例および第2の実施例の構成の作用と搬送部15が行う搬送異常券の搬送監視処理が異なるのでその異なる部分について図7の第4の実施例における放出確認センサの搬送監視処理を示すフローチャートのSで表すステップにしたがって説明する。
S21〜S24:図6におけるS1〜S4と同様なのでその説明を省略する。
S25:搬送異常券の先端(放出確認センサオン)を検知することができると搬送部15は、鑑別部12で鑑別された後続する搬送異常券が鑑別部12の下流の紙幣搬送路15aおよび紙幣搬送路15cに存在するか否かを判定する。その結果、後続する搬送異常券が紙幣搬送路15aおよび紙幣搬送路15cに存在すると判定されると処理をS23へ移行して紙幣詰まりとし、存在しないと判定されると処理をS26へ移行する。
一方、搬送部15が鑑別部12で新たに鑑別され、後続する搬送異常券が紙幣搬送路15aおよび紙幣搬送路15cに搬送されることを検知した場合、搬送部15は搬送監視センサ17eでその搬送異常券の先端を検知したとき、搬送監視センサ17fが先行する搬送異常券の後端の通過を検知しているか否かを判定する。その結果、通過を検知していると判定されると後続する搬送異常券の搬送監視を行い、通過を検知していないと判定されると搬送部15は、搬送異常券の後端の通過を搬送監視センサ17fが検知することを監視(放出確認センサオフ監視)しながら処理をS26へ移行する。
S28:すべての紙幣の分離が終了していると判定されると搬送部15は搬送監視センサ17fで搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができたか否かを判定する。その判定の結果、搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができたと判定されると処理を終了し、搬送異常券の後端(放出確認センサオフ)を検知することができていない、すなわち搬送異常券が紙幣搬送路15cに残留していると判定されると処理をS23へ移行して紙幣詰まりとする。
なお、後続する搬送異常券で搬送監視センサ17f付近に滞留している搬送異常券を異常券集積プール部42へ押し出す回数が増加すると紙幣詰まりが発生した場合、詰まった紙幣を除去することは困難になるため、押し出す回数に制限を設けるようにしてもよい。
なお、第1の実施例から第4の実施例において、搬送異常券の搬送監視処理について説明したが、搬送正常券に適用するようにしてもよい。
11 分離部
12 鑑別部
13 正常券集積部
14 異常券集積部
15 搬送部
15a、15b、15c 紙幣搬送路
16 切替ガイド
17a、17b、17c、17d、17e、17f 搬送監視センサ
21 記憶部
22 制御部
141 ステージ
142 異常券プール領域
143 搬送ローラ
144 フィードローラ
146 羽根車
Claims (8)
- 紙幣を搬送する紙幣搬送路に備えられた搬送監視センサで搬送される紙幣の先端および後端を検知し、該紙幣の先端を検知してから後端を検知するまでの時間が所定の搬送監視時間以下であることを監視する紙幣処理装置において、
搬送される紙幣の先端を検知してから該紙幣の後端を検知するまでの時間を計測する上流の搬送監視センサとしての計測手段と、
前記計測手段が計測した時間に基づいて搬送監視時間を算出する搬送監視時間算出手段とを設け、
前記搬送監視時間算出手段が算出した搬送監視時間を前記上流の搬送監視センサより下流の搬送監視センサにおける搬送監視時間とするようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項1に記載の紙幣処理装置において、
搬送される紙幣の搬送状態を計測する搬送状態計測手段を設け、
前記搬送監視時間は、前記計測手段が計測した時間に余裕時間を加算して算出した時間であって、
前記余裕時間を、前記搬送状態計測手段が計測した紙幣の搬送状態に応じて変化させるようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項2に記載の紙幣処理装置において、
前記搬送状態計測手段が重なって搬送される紙幣の長さまたは斜行して搬送される紙幣の角度を計測し、その長さまたは角度が大きくなるにつれて前記余裕時間を長くするようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置において、
搬送される紙幣の後端を前記搬送監視時間内に前記下流の搬送監視センサで検知できず、かつ後続する紙幣が存在することを検知した場合に、紙幣詰まりと判定することを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置において、
前記上流の搬送監視センサで後続する紙幣の先端を検知してから所定時間内に、前記下流の搬送監視センサで先行する紙幣の後端を検知できなかった場合に、紙幣詰まりと判定することを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の紙幣処理装置において、
前記下流の搬送監視センサを、搬送された紙幣が集積部へ放出されたことを確認する紙幣搬送路の最下流の搬送監視センサとしたことを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置において、
前記搬送監視時間算出手段が算出した搬送監視時間内に、前記下流の搬送監視センサで搬送される紙幣の後端を検知できない場合であっても、搬送部が後続する紙幣を搬送し、その後続する紙幣で先行する紙幣を集積部に押し出すようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。 - 請求項7に記載の紙幣処理装置において、
前記押し出す回数に、制限を設けたことを特徴とする紙幣処理装置。
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