JP5286148B2 - 防振装置の製造方法 - Google Patents
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Description
ところで、このような防振装置の製造方法として、防振装置を液中で組み立てる方法が知られている。この方法は、まず、第1取付け部材と第2取付け部材とが弾性体を介して連結された防振装置本体を作製する工程を行う。次に、防振装置本体を、封入液を貯留したプールの中に入れ、このプール内(封入液中)で防振装置本体に仕切り部材を組み付ける工程を行う。これにより、液室内に封入液を封止することができる。
本発明に係る防振装置の製造方法は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とを弾性的に連結する弾性体と、前記第1取付け部材内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備え、前記液室に、互いに非相溶性を有する第1液体および第2液体を少なくとも含有する封入液が封入され、前記仕切り部材に、前記主液室と前記副液室とを連通しかつ前記封入液が流通することで液柱共振を生じさせる制限通路が形成された液体封入型の防振装置の製造方法であって、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とを前記弾性体により連結して防振装置本体を作製する防振装置本体作製工程と、前記防振装置本体を前記第1液体中に入れた状態で、前記防振装置本体における前記液室の形成予定部内に前記第2液体を注入する液体注入工程と、前記防振装置本体を前記第1液体中に入れた状態で、前記防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付け、前記液室の形成予定部を密閉して前記液室を形成するとともに該液室内に前記第1液体および前記第2液体を封止する液中組立工程と、を備え、前記液体注入工程は、前記液室の形成予定部に形成された収納凹部に前記第2液体を注入することを特徴とする。
また、収納凹部が弾性体の前記他方側を向く表面に形成されているので、収納凹部が弾性体に形成されていない場合に比べて弾性体の使用量を低減することが可能となり、この防振装置の軽量化および低コスト化を図ることができる。
すなわち、液中組立工程において第1取付け部材の前記他方側の開口部を通して仕切り部材を進入させる際に前記液室の形成予定部内で生じる第1液体の流動に伴って、収納凹部に収納された第2液体が前記液室の形成予定部内から流出してしまう場合には、第2液体が収納凹部から流出した後、第1取付け部材の内周面を前記軸方向の他方側に向けて伝うように流動しながらこの内周面と仕切り部材との間を通った後に、前記他方側の開口部を通って流出することになる。ここで、収納凹部が、弾性体の前記他方側を向く表面における中央部に形成されているので、収納凹部から流出した第2液体が、前述のように前記液室の形成予定部から流出するには、まず、径方向の外側に向けて第1取付け部材の内周面まで流動する必要がある。従って、例えば収納凹部が、弾性体の前記他方側を向く表面における外周縁部に形成されている場合に比べて、第2液体が、前記液室の形成予定部内から流出するまでに流動する必要がある距離を長くすることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る防振装置の製造方法により製造された防振装置を、図1を参照して説明する。
防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11、および他方に連結される第2取付け部材12と、これらの第1取付け部材11と第2取付け部材12とを弾性的に連結する弾性体13と、第1取付け部材11の内部に形成された液室17を後述する主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、第2取付け部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第1取付け部材11が図示しないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達されるのを抑えられるようになっている。
第2取付け部材12は、前記中心軸線O方向に延在し前記振動発生部に連結される取付け筒部12aと、この取付け筒部12aにおける前記中心軸線O方向の他方側の他端部に前記他方側に向けて突設された補強筒部12bと、を備えている。取付け筒部12aの内周面には、雌ねじ部が形成されており、前記振動発生部は、雌ねじ部に螺着されることで第2取付け部材12に連結される。また、取付け筒部12aは、前記中心軸線O方向における一方側の端部である一端部が、第1取付け部材11の前記中心軸線O方向における一方側に位置する一端開口面よりも前記中心軸線O方向の外側(一方側)に突出している。補強筒部12bは、有底筒状に形成されており、その底壁部が取付け筒部12aの前記他端部側の開口部を閉塞している。また、補強筒部12bの周壁部は、前記中心軸線O方向の一方側から他方側に向かうに従って漸次拡径している。
また、弾性体13の前記他端面13aの外周縁部には、前記中心軸線O回りに全周にわたって連なる切り欠き部13bが形成されている。この切り欠き部13bは、径方向の内側から外側に向かうに従って漸次前記中心軸線O方向における他方側から一方側に向けて深く(大きく)なるように形成されている。
そして、ダイヤフラムリング19aが第1取付け部材11の大径部11bの前記中心軸線O方向における他方側の端部であるカシメ部11dにカシメ固定されることで、ダイヤフラム19は、第1取付け部材11の他端開口部11Bを閉塞している。カシメ部11dは、その全周にわたって径方向の内側に向けて屈曲されている。
封入液Lは、非相溶性を有する、つまり互いに不溶な第1液体L1(図2参照)および第2液体L2(図2参照)を含有している。第2液体L2は、第1液体L1よりも封入液L中に含まれる重量比率が小さくなっている。また、第2液体L2は、少なくとも−30℃以上100℃以下の温度範囲で、第1液体L1よりも蒸気圧が高く、かつ蒸発潜熱が小さくなっている。例えば、第2液体L2の蒸気圧は第1液体L1の蒸気圧の2倍以上とされ、また第1液体L1の1kg当たりの蒸発潜熱は、第2液体L2の1kg当たりの蒸発潜熱の2倍以上となっている。なお、第2液体L2は、第1液体L1よりも粘度が低くなっている。
さらに、封入液Lは、少なくともこの防振装置10に路面の凹凸等により大きな振動(荷重)が入力されたときに、第2液体L2が第1液体L1に対して分離した状態で第1液体L1中に多数箇所にわたって分散された態様になる。
仕切り部材16は、円環状の仕切り部材本体16aと、前記中心軸線O方向に互いに間隔をあけて配置された第1仕切り板16bおよび第2仕切り板16cと、これらの仕切り板16b、16cの間に配置されたメンブラン16dと、を備えている。
そして、このように形成された仕切り部材16は、第1取付け部材11の大径部11b内に嵌合されることで、前記液室17を主液室14と副液室15とに区画している。なお図示の例では、第1仕切り板16bが主液室14側に配置されているとともに、第2仕切り板16cが副液室15側に配置されている。
図示の例では、仕切り部材本体16aの外周面には、前記制限通路24となる周溝が形成されており、この周溝が前記被覆膜13cによって仕切り部材16の径方向の外側から閉塞されることで制限通路24が形成されている。
さらに、液室17(主液室14)に封入された封入液Lが、互いに不溶でかつ蒸気圧が異なる第1液体L1および第2液体L2を含有しているので、この封入液L全体の蒸気圧が、第1液体L1単体の蒸気圧および第2液体L2単体の蒸気圧よりも高くなる。
従って、例えば大きな振動(荷重)の入力に起因して主液室14の液圧が大きく低下する過程で、封入液L中における第1液体L1と第2液体L2との界面領域でキャビテーション(多数の気泡の生成)が発生し始める液圧が、主液室14に第1液体L1単体もしくは第2液体L2単体を封入した場合と比べて高くなる。
従って、第1液体L1中にキャビテーションが発生するのを抑えることが可能になり、第2液体L2の含有重量が第1液体L1の含有重量よりも少なくなっていることと相俟って、封入液L全体で気泡が生成されるのを抑制することができる。
また、第1液体L1よりも蒸気圧が高くキャビテーションが発生し易い第2液体L2の封入液L中に含まれる重量が、第1液体L1よりも少なくなっていることから、前述の作用効果を確保した上で、想定される通常の大きさの振動が入力されたときにもキャビテーションが発生し易くなるのを防ぐことが可能になり、封入液Lが制限通路24を流通して生じる液柱共振により発揮される防振装置10の減衰性能を確実に確保することができる。
具体的に説明すると、まず、弾性体13および被覆膜13cを形成するための図示しない防振装置本体金型の中に第1取付け部材11および第2取付け部材12をそれぞれ所定位置に配置するとともに、第1取付け部材11および第2取付け部材12にそれぞれ接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、前記防振装置本体金型の中に未加硫ゴムを射出して弾性体13を成形するとともに、この弾性体13と一体に被覆膜13cを成形する。続いて、これらの弾性体13および被覆膜13cに硫黄ガス、圧力および熱をそれぞれ加えて加硫する。そして、前記防振装置本体金型の脱型を行うことにより、防振装置本体20が作製される。
そして、この液室の形成予定部17Aには、後述する液体注入工程で第2液体L2が注入される環状凹部(収納凹部)21が形成されている。本実施形態では、環状凹部21は、弾性体13の前記他端面13aにおける外周縁部に形成されており、前記他端面13aに形成された切り欠き部13bの表面および第1取付け部材11の小径部11aの内周面を壁面として円環状に画成されている。なお、無負荷状態での環状凹部21の内容積は、無負荷状態での液室17の内容積の1%以上であることが好ましい。
具体的に説明すると、ダイヤフラム19を形成するための図示しないダイヤフラム金型の中にダイヤフラムリング19aを所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング19aの表面に接着下地処理を施した後に接着剤を塗布する。その後、前記ダイヤフラム金型の中に未加硫ゴムを射出してダイヤフラム19を成形した後、そのダイヤフラム19に硫黄ガス、圧力および熱をそれぞれ加えて加硫する。そして、前記ダイヤフラム金型の脱型を行うことにより、外周縁部にダイヤフラムリング19aが埋設されたダイヤフラム19が作製される。
具体的に説明すると、まず、プールP内に貯留された第1液体L1に防振装置本体20を浸漬するとともに、前記液室の形成予定部17A内などに空気が残留しないように防振装置本体20を第1液体L1中で適宜揺動させる。その後、第1取付け部材11の前記他端開口部11Bに対する環状凹部21の鉛直方向の位置が、第1液体L1と第2液体L2との比重差に対応するように防振装置本体20を第1液体L1中に配置する。本実施形態では、第2液体L2の比重が第1液体L1の比重より高いので、第1取付け部材11の前記他端開口部11B側が鉛直方向上側を向き環状凹部21が前記他端開口部11Bに対して鉛直方向下側に位置するように防振装置本体20を配置する。
以上により、第1液体L1中に防振装置本体20、仕切り部材16およびダイヤフラム19が配置される。
具体的に説明すると、まず、第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通して、前記液室の形成予定部17A内にノズルNを差し込む。この際、ノズルNの先端が、環状凹部21の鉛直方向上側もしくは環状凹部21の内部に位置するようにノズルNを差し込む。また、ノズルNに、ノズルNの先端から第2液体L2を注出させる図示しない注出器を接続する。そして、ノズルNを差し込むとともにノズルNに前記注出器を接続した後、このノズルNから環状凹部21に向けて第2液体L2を注出する。ここで、本実施形態では、第2液体L2の比重が第1液体L1の比重より高くなっているので、ノズルNから注出された第2液体L2が第1液体L1中で沈降して環状凹部21の底部に注入される。そして、環状凹部21に第2液体L2を所定量注入した後、図3に示すように、前記液室の形成予定部17AからノズルNを退避させる。
具体的に説明すると、まず、プールP内に貯留された第1液体L1中で、第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通して仕切り部材16を第1取付け部材11内に進入させ、第1取付け部材11内に嵌合させる。次いで、プールP内に貯留された第1液体L1中で、第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通してダイヤフラム19を第1取付け部材11内に進入させる。そして、第1取付け部材11のカシメ部11dを全周にわたって径方向の内側に屈曲させてダイヤフラムリング19aをカシメ部11dにカシメ固定することで、ダイヤフラム19により第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを閉塞して前記液室の形成予定部17Aを密閉して前記液室17を形成するとともに、仕切り部材16により前記液室17を主液室14と副液室15とに区画する。
以上により、プールP内に貯留された第1液体L1中で防振装置10が形成される。
以上に示した本実施形態に係る防振装置10の製造方法によれば、液体注入工程時に、環状凹部21に第2液体L2を注入するので、液中組立工程時に防振装置本体20における液室の形成予定部17A内に生じる第1液体L1の流動によって第2液体L2が前記液室の形成予定部17A内から流出するのを抑制することができる。従って、第1液体L1および第2液体L2を所定の比率で前記液室17内に封止することが可能となり、防振装置10の性能安定性を向上させることができる。つまり、本実施形態では、防振装置10は、液柱共振により発揮される減衰性能を確実に確保しつつ、キャビテーションを起因として異音が発生するのを抑制することができる。
また、液体注入工程時に、防振装置本体20の第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通して環状凹部21に第2液体L2を注入し、液中組立工程時に、前記他端開口部11Bを通して仕切り部材16を第1取付け部材11内に進入させて組み付けながら前記他端開口部11Bを閉塞して前記液室の形成予定部17Aを密閉し、前記液室17を形成しかつ主液室14と副液室15とに区画するので、例えば環状凹部21と外部とを連通する連通路を防振装置本体20に形成してこの連通路を通して第2液体L2を環状凹部21に注入した後にこの連通路を閉塞する必要がなく、防振装置10の構造の簡素化および防振装置10の製造の簡便化を図ることができる。
また、水溶性のエチレングリコール等の第1液体L1中で液中組立工程を行うので、防振装置10の表面に油系の第2液体L2(シリコーンオイルやフッ素オイル)が付着せず、防振装置10の表面を洗浄する際、例えば水などで容易に洗い流すことができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る防振装置の製造方法により製造された防振装置を、図4を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
以上のように形成された防振装置30において、環状凹部21は、中央凹部31を径方向の外側から囲うように形成されている。
具体的に説明すると、まず、第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通して、前記液室の形成予定部17A内にノズルNを差し込むとともに、このノズルNに前記注出器を接続する。この際、ノズルNの先端が中央凹部31の鉛直方向上側もしくは中央凹部31の内部に位置するようにノズルNを差し込む。その後、このノズルNから中央凹部31に向けて第2液体L2を注出する。そして、中央凹部31に第2液体L2を所定量注入した後、前記液室の形成予定部17AからノズルNを退避させる。
また、中央凹部31が、弾性体13の前記他端面13aにおける中央部に形成されているとともに、液体注入工程時に、中央凹部31に第2液体L2を注入するので、例えば、弾性体13の前記他端面13aにおける外周縁部に形成された環状凹部21に第2液体L2を注入して収納する場合に比べて、第2液体L2が、前記液室の形成予定部17A内から流出するまでに流動する必要がある距離を長くすることが可能となり、第2液体L2の流出を確実に抑制することができる。
すなわち、液中組立工程において第1取付け部材11の前記他端開口部11Bを通して仕切り部材16を進入させる際に前記液室の形成予定部17A内で生じる第1液体L1の流動に伴って、中央凹部31に収納された第2液体L2が前記液室の形成予定部17A内から流出してしまう場合には、第2液体L2が中央凹部31から流出した後、第1取付け部材11の内周面を前記中心軸線O方向の他方側に向けて伝うように流動しながらこの内周面と仕切り部材16との間を通った後に、前記他端開口部11Bを通って流出することになる。ここで、中央凹部31が、弾性体13の前記他端面13aにおける中央部に形成されているとともに、液体注入工程時に、中央凹部31に第2液体L2を注入するので、中央凹部31から流出した第2液体L2が、前述のように前記液室の形成予定部17Aから流出するには、まず、径方向の外側に向けて第1取付け部材11の内周面まで流動する必要がある。従って、環状凹部21に第2液体L2を収納する場合に比べて、第2液体L2が、前記液室の形成予定部17A内から流出するまでに流動する必要がある距離を長くすることできる。
例えば、封入液Lに含有される液体は、二種類の液体(第1液体L1、第2液体L2)に限らず、三種類以上の液体を含有する封入液であってもよい。
また、前記各実施形態では、封入液Lは、少なくともこの防振装置10、30に路面の凹凸等により大きな振動(荷重)が入力されたときに、第2液体L2が第1液体L1に対して分離した状態で第1液体L1中に多数箇所にわたって分散された態様になるものとしたが、これに限られるものではない。
なお、第2液体L2の比重が第1液体L1の比重より低い場合には、第2液体L2が第1液体L1中で浮上するので、前記液中配置工程時に、収納凹部としての環状凹部21あるいは中央凹部31が前記他端開口部11Bに対して鉛直方向上側に位置するように防振装置本体20、30を配置すれば良い。
また、前記各実施形態では、弾性体13は、第1取付け部材11の前記一端開口部11Aを閉塞しているものとしたが、第1取付け部材11と第2取付け部材12とを弾性的に連結するとともに、主液室14の壁面の一部を構成するものであれば、これに限られるものではない。
また、防振装置10として吊下式を示したが、主液室14が鉛直方向上側に位置しかつ副液室15が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式の防振装置にも適用可能である。
この検証試験では、互いに異なる4種類の封入液がそれぞれ封入された防振装置を用い、各防振装置において、封入液の体積に対する第2液体の体積の比率を変化させ、その封入液が封入された状態で振動が入力されたときに発生する振動加速度(以下、単に振動加速度という)を測定した。
なお、図5の例では、第1液体としてエチレングリコール、第2液体としてフッ素オイルを、図6の例では、第1液体としてエチレングリコール、第2液体としてシリコーンオイルを、図7の例では、第1液体としてエチレングリコールおよびプロピレングリコール、第2液体としてフッ素オイルを、図8の例では、第1液体としてエチレングリコールおよびプロピレングリコール、第2液体としてシリコーンオイルを、それぞれ含有する封入液用いた。また、封入液の体積に対する第2液体の体積の比率の測定は、いずれの場合も室温で行った。
ここで、振動加速度は、防振装置への振動入力時における異音の発生と相関があり、振動加速度が大きいほど、異音が発生しやすくなる。
11 第1取付け部材
11A 一端開口部(第1取付け部材の軸方向における一方側の開口部)
11B 他端開口部(第1取付け部材の軸方向における他方側の開口部)
12 第2取付け部材
13 弾性体
13a 弾性体の他端面(弾性体の他方側を向く表面)
14 主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 液室
17A 防振装置本体における液室の形成予定部
20 防振装置本体
21 環状凹部(収納凹部)
24 制限通路
31 中央凹部(収納凹部)
L 封入液
L1 第1液体
L2 第2液体
Claims (5)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、
前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とを弾性的に連結する弾性体と、
前記第1取付け部材内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備え、
前記液室に、互いに非相溶性を有する第1液体および第2液体を少なくとも含有する封入液が封入され、
前記仕切り部材に、前記主液室と前記副液室とを連通しかつ前記封入液が流通することで液柱共振を生じさせる制限通路が形成された液体封入型の防振装置の製造方法であって、
前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とを前記弾性体により連結して防振装置本体を作製する防振装置本体作製工程と、
前記防振装置本体を前記第1液体中に入れた状態で、前記防振装置本体における前記液室の形成予定部内に前記第2液体を注入する液体注入工程と、
前記防振装置本体を前記第1液体中に入れた状態で、前記防振装置本体に少なくとも前記仕切り部材を組み付け、前記液室の形成予定部を密閉して前記液室を形成するとともに該液室内に前記第1液体および前記第2液体を封止する液中組立工程と、を備え、
前記液体注入工程は、前記液室の形成予定部に形成された収納凹部に前記第2液体を注入することを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1記載の防振装置の製造方法であって、
前記液体注入工程は、前記液室の形成予定部内にノズルを差し込み、このノズルから前記収納凹部に向けて前記第2液体を注出することを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項1又は2記載の防振装置の製造方法であって、
前記弾性体は、前記第1取付け部材の軸方向における一方側の開口部を閉塞するとともに、前記軸方向における他方側を向く表面が、前記液室を画成する壁面の一部を構成し、
前記収納凹部は、前記弾性体の前記他方側を向く表面に形成され、
前記液体注入工程は、前記防振装置本体の第1取付け部材の軸方向における他方側の開口部を通して前記収納凹部に前記第2液体を注入し、
前記液中組立工程は、前記第1取付け部材の前記他方側の開口部を通して前記仕切り部材を前記第1取付け部材内に進入させて組み付けながら前記他方側の開口部を閉塞して前記液室の形成予定部を密閉し、前記液室を形成しかつ前記主液室と前記副液室とに区画することを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項3記載の防振装置の製造方法であって、
前記収納凹部は、前記弾性体の前記他方側を向く表面における中央部に形成されていることを特徴とする防振装置の製造方法。 - 請求項4記載の防振装置の製造方法であって、
前記弾性体の前記他方側を向く表面には、前記収納凹部を径方向の外側から囲う環状凹部が形成されていることを特徴とする防振装置の製造方法。
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