JP2011144830A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕切板の組み付け性を向上させ、仕切部材と各液室とのシール性を確保しつつ、安定した振動吸収性能を得ることができる防振装置を提供する。
【解決手段】仕切板45は、窪み部60とダイヤフラムリング50の内周壁部54との間に挟持された弾性材料からなる仕切板本体46と、仕切板本体46の内部に埋設され、仕切板本体46よりも硬い硬質体で構成された補強部材47とを備え、補強部材47は、外周壁部53の内側に配置された仕切板本体46の周縁部に沿って配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン等の振動発生部を車体等の振動受部にマウントする際に用いられる防振装置に関する。
この種のエンジンマウント(防振装置)として、従来、例えば特許文献1に示されているような、車体等の振動受部に連結される筒状の外筒(第1取付部材)と、エンジン等の振動発生部に連結される内筒(第2取付部材)と、外筒と内筒とを弾性的に連結するとともに、外筒の一方側の開口端を閉塞する弾性体と、外筒の他方側の開放端を閉塞するダイヤフラムと、弾性体とダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と、ダイヤフラムを壁面の一部とする他方側の副液室とに区画する仕切板と、を備えた構成が知られている。上述した外筒の内側には、その下側の開口端から仕切板が圧入されるとともに、その仕切板の後にダイヤフラムが嵌入される。そして、外筒にカップ状のホルダが下側から被せられ、このホルダによってダイヤフラムを下方から押さえる。これにより、弾性体とホルダとの間に積層状態の仕切板とダイヤフラムとが挟持され、上述した構成のエンジンマウントが組み立てられる。上述した構成のエンジンマウントでは、仕切板が総ゴムで形成されているので、キャビテーションによる異音の発生を抑えることができるとされている。
特開2001−165231号公報
しかしながら、上述した従来のエンジンマウントでは、仕切板が総ゴムで形成されている関係で、製造時において仕切板を外筒に組み付ける際、仕切板の外径を外筒の内径よりも大きくして締め代を設け、仕切板を外筒の内側に圧入すると、仕切板に過大な圧入荷重が作用し、仕切板が撓み変形した状態で外筒に組み付けられる虞がある。
一方、仕切板の外径を外筒の内径よりも小さくして隙間を設け、仕切板を外筒の内側に挿入した場合には、部品搬送時等において仕切板が外筒から抜け易くなり、部品搬送が困難になるという問題がある。特に、エンジンマウントを液中で組み立てる場合には、外筒の内側に仕切板が挿入された中間体を液中で移動させる場合があり、この場合に仕切板が外筒から抜けてしまう場合がある。
また、ダイヤフラムを外筒に嵌入させた後、外筒にホルダを組み付ける際に、ホルダによってダイヤフラムが上方に押し込まれ、さらに、そのダイヤフラムによって仕切板が上方に押し込まれているため、その押し込み力を弱くすると、シール性が低下し、液室の密閉性が低下する。したがって、シール性を確保するべく上述した押し込み力を強くする必要があるが、強く押し込むことにより総ゴムの仕切板が圧縮変形する。このため、押し込み具合によって総ゴムの仕切板の変形状態が変化し、特性が安定しないという問題がある。また、仕切板が圧縮変形することにより、エンジンマウントの高さ寸法にばらつきが生じるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、仕切板の組み付け性を向上させ、仕切部材と各液室とのシール性を確保しつつ、安定した振動吸収性能を得ることができる防振装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の防振装置は、振動発生部及び振動受部のうちの何れか一方に連結される筒状の第1取付部材、及び他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを弾性的に連結するするとともに、前記第1取付部材の一方側の開口端を閉塞する弾性体と、前記第1取付部材の他方側の開放端を閉塞するダイヤフラムと、前記弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と、前記ダイヤフラムを壁面の一部とする他方側の副液室とに区画し、かつ前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された仕切部材と、を備えた液体封入型の防振装置において、前記第1取付部材には、径方向内側に突出した突出部と、該突出部よりも前記他方側に配設された第1筒状部と、が、備えられ、前記仕切部材には、前記液室を前記主液室及び前記副液室に区画する仕切板と、前記弾性体よりも硬い硬質体で構成された環状の硬質部材とが備えられ、前記硬質部材には、前記第1筒状部と同軸上に配置された第2筒状部と、該第2筒状部の内側に配置されて前記仕切板を支持する支持部と、が備えられており、前記第1及び第2筒状部のうちの何れか一方の筒状部は他方の筒状部の内側に配置されており、前記第1取付部材及び前記硬質部材のうち、前記他方の筒状部を備える一方の部材には、前記一方の筒状部の何れか一方の端部を係止する係止部と、径方向内側に折り曲げられて前記一方の筒状部の何れか他方の端部を係止するカシメ部と、がそれぞれ形成されており、前記一方の筒状部は、前記係止部と前記カシメ部との間に挟持され、前記仕切板は、前記突出部と前記支持部との間に挟持された弾性材料からなる仕切板本体と、前記仕切板本体の内部に埋設され、前記仕切板本体よりも硬い硬質体で構成された補強部材とを備え、前記仕切板本体は、前記一方の筒状部の内側に配置された前記仕切板本体の周縁部に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、仕切板本体内における周縁部に補強部材が埋設されているため、仕切板を一方の筒状部内へ配置する際の一方の筒状部との接触部分の剛性を高くすることができる。これにより、仕切板本体の組み付け性を向上させることができる。すなわち、仕切板本体と一方の筒状部との組み付け時に仕切板本体の変形等を防ぐことができるので、仕切板と一方の筒状部との密閉性を確保し、液室のシール性を確保することができる。また、仕切板と一方の筒状部とが組み付けられた状態から外れ難くなるので、部品管理が容易になるとともに、部品の搬送が容易になる。
しかも、本発明の構成によれば、突出部と支持部との間に仕切板本体を挟着することで、仕切板本体を軸方向両側から押さえることができるので、仕切板本体のシール性を向上させることができる。これにより、仕切板の圧縮変形を抑えて安定した振動吸収性能を得ることができる。また、仕切板本体の圧縮量を、一方の筒状部の高さによって規制することができるので、防振装置の高さ寸法(軸方向寸法)の均一化を図ることができる。
ここで、本発明に係る防振装置は、前記硬質部材は、環状の底壁部と、該底壁部の外縁部に立設された外周壁状の前記第2筒状部と、前記底壁部の内縁部に立設された内周壁状の前記支持部と、により断面視U字状に形成されており、該断面視U字状の前記硬質部材の開放端が前記仕切板によって閉塞され、該仕切板と前記底壁部と前記第2筒状部と前記支持部とによって囲まれた空間が、前記主液室と前記副液室とを連通する前記制限通路を構成し、前記仕切板本体には、軸方向に沿って貫通し、前記主液室と前記制限通路とを連通する連通部が形成され、前記補強部材は、前記一方の筒状部の内側において環状に延設されており、前記補強部材は、前記仕切板本体の周縁部に沿って配置された第1補強部と、前記第1補強部の両端部を架け渡すように形成され、前記連通部の周縁を囲むように配置された第2補強部とを備えていることを特徴とする。
防振装置では、制限通路と主液室とを連通させる連通部が、仕切板本体を軸方向に貫通して形成されているため、連通部の周縁は突出部により支持されない場合がある。この場合、防振装置に大きな振動が入力されると、仕切板が支持部に対して浮き上がり、仕切板と支持部との当接部分に隙間が生じる(めくれが生じる)虞がある。これにより、仕切板と支持部との間に形成された制限通路と副液室との間のシール性を維持できず、両液室間が制限通路を介さずにリークする虞がある。すなわち、制限通路内を流通する液体が、リーク部分から直接副液室にリークすることで、防振装置の振動吸収性能が低下する原因になる。
そこで、本発明の構成によれば、連通部の周縁を囲むように第2補強部を形成することで、突出部と支持部との間に挟持されていない部分、すなわち仕切板本体における連通部の形成領域を補強することができる。そのため、仕切板における連通部の周縁の剛性を高くして、連通部の周縁を撓み難くすることができる。その結果、防振装置に大きな振動が入力された場合であっても、仕切板が支持部における開放端側の端面から浮き上がることを防止し、連通部と支持部との間のシール性を維持することができる。したがって、制限通路内に存在する液体が、制限通路を介さずに液室内にリークすることを防止することができるので、防振装置の振動吸収性能を向上させることができる。
なお、補強部材は、仕切板本体内に埋設されているので、主液室側には補強部材等の硬質体は露出せず、主液室の内面は弾性材料(弾性体や仕切板本体)によって構成される。したがって、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃は、仕切板本体によって確実に吸収されるので、キャビテーション現象による異音の発生を抑えることができる。
また、本発明に係る防振装置は、前記第2筒状部が前記第1筒状部の内側に配置され、前記第1取付部材に前記係止部及び前記カシメ部がそれぞれ形成され、前記係止部と前記カシメ部との間に前記第2筒状部が挟持されていることが好ましい。
本発明の構成によれば、第1筒状部と第2筒状部との間のシール性を向上させることが容易である。すなわち、第1筒状部を径方向内側に絞り加工することにより第1筒状部と第2筒状部との間のシール性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係る防振装置は、前記硬質部材の径方向内側には、前記副液室内の液圧の変化に応じて変形可能な薄膜状のダイヤフラムゴムが形成されており、前記硬質部材が、前記ダイヤフラムのダイヤフラムリングとなっていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、ダイヤフラムと硬質部材とが一体となり、部品数が減って構成が簡素化されるとともに組み立て工数が削減される。
また、本発明に係る防振装置は、前記第1筒状部と前記第2筒状部との間にゴム層が介在されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、ゴム層が緩衝材となって第1取付部材と硬質部材との当たりによる衝撃が抑えられるとともに、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が第1取付部材に伝播されにくくなり、さらに、第1筒状部と第2筒状部との間のシール性が向上する。
本発明によれば、仕切板本体内における周縁部に補強部材が埋設されているため、仕切板を一方の筒状部内へ配置する際の一方の筒状部との接触部分の剛性を高くすることができる。これにより、仕切板本体の組み付け性を向上させることができる。すなわち、仕切板本体と一方の筒状部との組み付け時に仕切板本体の変形等を防ぐことができるので、仕切板と一方の筒状部との密閉性を確保し、液室のシール性を確保することができる。また、仕切板と一方の筒状部とが組み付けられた状態から外れ難くなるので、部品管理が容易になるとともに、部品の搬送が容易になる。
しかも、本発明の構成によれば、突出部と支持部との間に仕切板本体を挟着することで、仕切板本体を軸方向両側から押さえることができるので、仕切板本体のシール性を向上させることができる。これにより、仕切板の圧縮変形を抑えて安定した振動吸収性能を得ることができる。また、仕切板本体の圧縮量を、一方の筒状部の高さによって規制することができるので、防振装置の高さ寸法(軸方向寸法)の均一化を図ることができる。
本発明の第1実施形態におけるエンジンマウントの全体構成を示す断面図である。 図1のA部拡大図である。 第1実施形態における補強部材の斜視図である。 第1実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 第1実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 第1実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 第1実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の第2実施形態におけるエンジンマウントの全体構成を示す断面図である。 第2実施形態における補強部材の斜視図である。 図8に相当するエンジンマウントの断面図であり、仕切板の動作を説明するための説明図である。 第2実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 第2実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 第2実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するためのエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するためのエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するためのエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するためのエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するためのエンジンマウントの一部分を拡大した断面図である。 従来のエンジンマウントの一部分を拡大した断面図であり、仕切板の動作を説明するための説明図である。
次に、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態におけるエンジンマウントの断面図である。
なお、本実施形態では、図1における下側をバウンド側、つまりエンジンマウントを設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向とし、また、図1における上側をリバウンド側、つまり静荷重の入力方向の反対側とする。また、図1に示す符号Lは後述する外筒6の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Lと記す。
図1に示すように、エンジンマウント1は、振動発生部の一例であるエンジンを振動受部の一例である車体にマウントさせる際に用いられるものであり、振動発生部の振動を減衰させるための装置である。
エンジンマウント1は、本体ゴム2に仕切部材4及びダイヤフラム5がそれぞれ組み付けられた構成になっている。具体的に、エンジンマウント1は、図示しない車体ブラケットを介して図示しない車体に連結される外筒(第1取付部材)6と、外筒6の軸線L方向上方に配設されて図示しないエンジンブラケットを介して図示しないエンジンに連結される内筒(第2取付部材)7と、外筒6と内筒7との間に配置されたゴム弾性体からなる弾性体8と、外筒6の軸線L方向下端に設けられたダイヤフラム5と、弾性体8とダイヤフラム5との間に形成された液室9を主液室9Aと副液室9Bとに区画し、かつ主液室9Aと副液室9Bとを連通するオリフィス通路(制限通路)10が形成された仕切部材4と、を主に備えている。なお、上述した本体ゴム2は、外筒6と内筒7と弾性体8とにより構成されている。
外筒6は、軸線L方向両端がそれぞれ開放された略円筒状の金具である。具体的に、外筒6は、軸線L方向の中間部分に配設された環状の窪み部60(突出部、係止部)と、窪み部60よりも軸線L方向上側に形成された円筒状の上側筒状部61と、窪み部60よりも下側に形成された円筒状の下側筒状部62(第1筒状部)とを備えている。
窪み部60は、上側筒状部61及び下側筒状部62よりも径方向内側に突出形成されたものであって、後述するダイヤフラムリング(硬質部材)50の外周壁部(第2筒状部)53の軸線L方向上端部を係止するようになっている。具体的に、窪み部60は、円筒状の外筒6を絞るように径方向内側に屈曲変形させてなり、上側筒状部61と下側筒状部62との間に外筒6の全周に亘って形成されている。下側筒状部62は、上側筒状部61よりも大径の円筒部であり、その内側にはダイヤフラム5(ダイヤフラムリング50)が嵌合されている。
図2は図1のA部拡大図である。
図1,2に示すように、外筒6(下側筒状部62)の軸線L方向下端部には、径方向内側に所定角度(例えば45度)で折り曲げられたカシメ部64が形成されている。このカシメ部64は、ダイヤフラムリング50の外周壁部53の軸線L方向下端部にカシメ固定されるものであり、外筒6の全周に亘って形成されている。また、カシメ部64の内周面には、全周に亘って延在する凸部65が突設されている。
内筒7は、軸線Lに直交する方向(紙面奥行き方向)に延在する部材であり、その延在方向両端がそれぞれ開放された断面視略矩形の貫通孔70を有している。貫通孔70の内周面及び内筒7の外周面には、被覆ゴム71,72がそれぞれ形成されている。貫通孔70の内周面を被覆する被覆ゴム71には、軸線Lに直交する方向に延在する凸条部73が間隔をあけて複数並列に形成されている。また、内筒7の軸線L方向下部には、下方に向けて突出した突部74が設けられている。
弾性体8は、略肉厚筒状に形成されており、その外径が軸線L方向上端側から下端側へ向かって拡大している。弾性体8には、下端面中央部に凹状の液室形成部34が形成されるとともに、この液室形成部34の外周側から下方へ延出する薄肉円筒状の被覆ゴム63が一体的に形成されている。被覆ゴム63の外周面は、外筒6の下側筒状部62の内周面に加硫接着されている。弾性体8は、軸線L方向下端側の外周面が外筒6における上側筒状部61及び窪み部60の内周側に加硫接着されており、外筒6の内部空間は、窪み部60のところで段差状に縮径された形状になっている。一方、弾性体8の軸線L方向上端側の内周面は、内筒7の突部74の外周側を包み込むように加硫接着されている。これにより、上側筒状部61の軸線L方向上端側は弾性体8によって閉塞されるとともに、外筒6と内筒7とは弾性的に連結される。
ダイヤフラム5は、外筒6の軸線L方向下端側の開口端を閉塞するものであり、外筒6の下側筒状部62の内側に嵌合されたダイヤフラムリング50と、ダイヤフラムリング50の径方向内側に形成されたダイヤフラムゴム51と、を備えている。
ダイヤフラムリング50は、軸線Lを中心軸線にして配設された円環状のリング金具であり、弾性体8や後述する仕切板本体46等を構成するゴム弾性体よりも硬い硬質体で構成された環状の硬質部材である。具体的に、ダイヤフラムリング50は、断面視U字状に形成された部材であり、軸線Lと同軸上に配設された円環状の底壁部52と、底壁部52の外縁部に軸線L方向に沿って立設された円筒状の外周壁部53と、底壁部52の内縁部に軸線L方向に沿って立設された円筒状の内周壁部(支持部)54とを備えている。すなわち、ダイヤフラムリング50は、底壁部52と外周壁部53と内周壁部54とで囲まれたU字溝57が周方向に延在した構成になっている。
外周壁部53は、外筒6の下側筒状部62の内側に配置されており、外筒6の窪み部60とカシメ部64との間に挟持されている。具体的に、外周壁部53の上端面は、窪み部60を被覆する被覆ゴム(ゴム層)63の下面に当接されており、外周壁部53の下端面は、後述するダイヤフラムリング50の被覆ゴム(ゴム層)55を介してカシメ部64の内周面に当接されている。内周壁部54は、外周壁部53よりも軸線L方向の長さ寸法が短くなっており、内周壁部54の上端面と窪み部60を被覆する被覆ゴム63の下面との間には、仕切部材4の後述する仕切板45が介在する隙間が空けられている。また、内周壁部54には、後述するオリフィス通路10と副液室9Bとを連通する図示しない副液室側オリフィス開口が形成されている。この副液室側オリフィス開口は、内周壁部54の一部分が径方向に沿って切欠き形成されたものであり、この副液室側オリフィス開口を介してダイヤフラムリング50のU字溝57の内側と副液室9Bとが連通している。
ダイヤフラムリング50の表面には、ダイヤフラムゴム51と一体に形成された被覆ゴム55が形成されている。具体的に、被覆ゴム55は、底壁部52の上下面、外周壁部53の内外周面、及び内周壁部54の内外周面に対してそれぞれ全周に亘って加硫接着されている。また、被覆ゴム55の外側面には、外筒6の凸部65に掛止される凸部56が全周に亘って形成されている。具体的に、ダイヤフラムリング50の凸部56は、被覆ゴム55のうち、底壁部52と外周壁部53との角部分に形成されている。
図1に示すように、ダイヤフラムゴム51は、副液室9B内の液圧(内圧)の変化に応じて変形可能な薄膜ゴムであり、上方に向けて丸皿状に膨出されている。このダイヤフラムゴム51の外周部には、全周に亘ってダイヤフラムリング50の被覆ゴム55が一体化されており、このダイヤフラムゴム51によってダイヤフラムリング50の内側が閉塞されている。具体的に、ダイヤフラムゴム51の外周部は、被覆ゴム55のうち、底壁部52と内周壁部54との角部分に連結されている。
弾性体8の液室形成部34とダイヤフラム5とに囲まれた領域は、液体が封入された液室9として構成されている。そして、液室9は、その内部に配設された仕切部材4によって、リバウンド側の主液室9Aとバウンド側の副液室9Bとに区画されている。主液室9Aは、隔壁の一部(上壁)が弾性体8で形成されており、主液室9Aの内容積は、弾性体8の変形により変化する。副液室9Bは、隔壁の一部(下壁)がダイヤフラム5で形成された室であり、副液室9Bの内容積は、副液室9B内の液圧(内圧)の変化によってダイヤフラムゴム51が変形することで変化する。なお、液室9内に充填される流体としては、エチレングリコール、水等が用いられる。
(仕切部材)
ここで、仕切部材4は、上述したダイヤフラムリング50及びそれを被覆する被覆ゴム55と、ダイヤフラムリング50のU字溝57を閉塞するように配置された仕切板45とで構成されている。
仕切板45は、軸線Lと同軸上に配置された円盤状の仕切板本体46と、仕切板本体46内に埋設された補強部材47とで構成されている。
仕切板本体46は、全体がゴム弾性体で構成された弾性変形容易な部材である。具体的に、仕切板本体46は、円形の基盤部40における径方向中央部分の下面に基盤部40よりも小径の略円形の突部41が突設された構成からなる。基盤部40は、ダイヤフラムリング50の外周壁部53の上端部の内側に圧入固定されており、基盤部40の外周面は外周壁部53の上端部の内周面に密接している。
そして、基盤部40によって断面視U字状のダイヤフラムリング50の開放端が閉塞されることで、主液室9Aと副液室9Bとを連通する断面視略矩形のオリフィス通路10を構成している。すなわち、オリフィス通路10は、基盤部40と底壁部52と外周壁部53と内周壁部54とによって囲まれた空間であり、外筒6及びダイヤフラムリング50の周方向に沿って延在されている。そして、基盤部40には、オリフィス通路10と主液室9Aとを連通する主液室側オリフィス開口42が形成されている。この主液室側オリフィス開口42は、基盤部40の外周部の一部分が切欠き形成されたものであり、主液室9A及びU字溝57内に向けて軸線L方向に沿って開口している。すなわち、この主液室側オリフィス開口42を介してダイヤフラムリング50のU字溝57の内側と主液室9Aとが連通している。
このように、オリフィス通路10は、基盤部40に形成された主液室側オリフィス開口42を介して主液室9Aに連通されており、内周壁部54に形成された副液室側オリフィス開口(不図示)を介して副液室9Bに連通している。このオリフィス通路10は、エンジンマウント1に振動が入力された際にオリフィス通路10を流通する液体に液柱共振(共振現象)を生じさせて振動を減衰させるための液路であり、大振幅かつ低周波数域(例えば8Hz〜12Hz)の共振振動であるシェイク振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)されている。
また、仕切板本体46の突部41は、ダイヤフラムリング50の内周壁部54の上端部の内側に圧入嵌合されており、突部41の外周面は内周壁部54の上端部の内周面に密接(当接)されている。上述した構成からなる仕切板45は、外筒6の窪み部60とダイヤフラムリング50の内周壁部54との間に挟持されている。具体的に、基盤部40の外周部の上面は、窪み部60を被覆する被覆ゴム63の下面に当接されており、突部41の外周の基盤部40の下面は、ダイヤフラムリング50の被覆ゴム55を介して内周壁部54の上端面に当接されている。
図3は、補強部材の斜視図である。
ここで、図1,3に示すように、補強部材47は、金属等の硬質体からなり、仕切板本体46における基盤部40の外周縁に沿って埋設されている。補強部材47は、平面視(軸方向から見て)C字状に形成された平板状の円弧部76を備え、オリフィス通路10と平面視で重なるように配置されている。具体的に、円弧部76は、平面視において、径方向内側の周縁がダイヤフラムリング50の内周壁部54と重なる位置まで延在している一方、径方向外側の周縁は窪み部60の先端と重なる位置まで延在している。
すなわち、円弧部76は、オリフィス通路10の上方において、オリフィス通路10と同軸上に配置されている。また、円弧部76の周方向両端部は主液室側オリフィス開口42の周方向両側の周縁まで延設されている。なお、補強部材47は、その全周がゴム弾性体からなる仕切板本体46内に埋設されており、液室9やオリフィス通路10には、補強部材47は露出していない。
また、補強部材47には、厚さ方向(軸線L方向)に沿って貫通する複数の貫通孔79が周方向に沿って形成されている。この貫通孔79には、補強部材47を仕切板本体46内に加硫形成する際に、仕切板本体46の構成材料(加硫ゴム)が充填されるようになっている。
(エンジンマウントの製造方法)
次に、上述したエンジンマウント1の製造方法について説明する。
まず、外筒6と内筒7と弾性体8とからなる本体ゴム2を形成する工程を行う。
具体的に、弾性体8、内筒7の被覆ゴム71,72、及び外筒6の被覆ゴム63を成形するための金型の中に外筒6及び内筒7をそれぞれ所定位置に配置するとともに、外筒6の内周面、内筒7の外周面、及び内筒7の貫通孔70の内周面に、接着剤をそれぞれ塗布する。その後、上述した金型の中に加硫ゴムを流し込んで弾性体8及び各被覆ゴム63,71,72をそれぞれ加硫成形する。そして、上述した弾性体8等の硬化後に金型を取り外す。これにより、本体ゴム2が製作される。
一方、ダイヤフラムリング50及びダイヤフラムゴム51からなるダイヤフラム5を形成する工程を行う。
具体的に、ダイヤフラムゴム51、及びダイヤフラムリング50の被覆ゴム55を成形するための金型の中に、ダイヤフラムリング50を所定位置に配置するとともに、ダイヤフラムリング50の表面に接着剤を塗布する。その後、金型の中に加硫ゴムを流し込んでダイヤフラムゴム51及び被覆ゴム55をそれぞれ加硫成形する。そして、ダイヤフラムゴム51等の硬化後に金型を取り外す。これにより、ダイヤフラム5が製作される。
このように、ダイヤフラムゴム51とダイヤフラムリング50とが、被覆ゴム55により一体形成されているので、エンジンマウント1を構成する部品点数を削減することができ、エンジンマウント1の構成が簡素化されるとともに組み立て工数が削減される。したがって、エンジンマウント1の製造コストの低減を図ることができ、また、エンジンマウント1の生産性を向上させることができる。
続いて、補強部材47及び仕切板本体46からなる仕切板45を形成する工程を行う。
具体的に、仕切板本体46を成形するための金型の中に、補強部材47を所定位置に配置した後、金型の中に加硫ゴムを流し込んで仕切板本体46をそれぞれ加硫成形する。この時、金型の中に加硫ゴムを流し込むと、補強部材47の貫通孔79内にも加硫ゴムが充填されることになる。その結果、仕切板本体46の上下面におけるゴム弾性体が貫通孔79内で連結されることになる。これにより、補強部材47に接着剤処理を施すことなく、仕切板本体46内における補強部材47の軸線方向及び周方向への移動を規制することができるので、材料コストを低減することができる。そのため、補強部材47追加に伴う製造コストを最小限に抑えることができる。
そして、仕切板本体46の硬化後に金型を取り外す。これにより、仕切板45が製作される。
次に、上述したダイヤフラム5に仕切板45を組み付けて、仕切部材4を製作する工程を行う。
具体的に、ダイヤフラムリング50の外周壁部53の上端部の内側に仕切板45の基盤部40を圧入嵌合させるとともに、ダイヤフラムリング50の内周壁部54の上端部の内側に仕切板の突部41を圧入嵌合させる。これにより、内周壁部54の上端面に基盤部40が載置されるとともに、基盤部40の外周面が外周壁部53の内周面に密接し、オリフィス通路10が形成される。このとき、オリフィス通路10の流路長が所定の長さになるように、仕切板本体46に形成された主液室側オリフィス開口42と、ダイヤフラムリング50に形成された副液室側オリフィス開口(不図示)との相対的な位置決めを行う。
次に、上述したように仕切部材4及びダイヤフラム5を本体ゴム2に組み付ける工程を行う。
具体的に、下側筒状部62の内側にダイヤフラムリング50を圧入嵌合し、ダイヤフラムリング50の外周壁部53の外周面の被覆ゴム55を下側筒状部62の内周面の被覆ゴム63に密接させるとともに、ダイヤフラムリング50の外周壁部53の上端面、及び基盤部40の外周部の上面を窪み部60の被覆ゴム63の下端面に当接させる。これにより、外周壁部53の上端が窪み部60に係止されるとともに、仕切板45の外周部が窪み部60と内周壁部54との間に挟持される。このように、窪み部60と内周壁部54との間に仕切板45を挟着することで、仕切板45を軸線L方向両側から押さえることができるので、仕切板45のシール性を向上させることができる。
続いて、下側筒状部62の下端部(カシメ部64)を径方向内側に折り曲げて、カシメ部64の凸部65とダイヤフラムリング50の被覆ゴム55の凸部56とを掛止させ、下側筒状部62の下端部と外周壁部53の下端部とをカシメ固定する。これにより、外周壁部53が窪み部60とカシメ部64との間に挟持される。このとき、カシメ部64の折り曲げ具合を調整することにより、窪み部60とカシメ部64とによる外周壁部53の挟着力を容易に調整することができるので、所望の挟着力によってシール性を確保することができる。また、上述したようにカシメ部64の折り曲げ具合を変化させて外周壁部53の挟着力を強くしても、内周壁部54と窪み部60とによる仕切板45の挟着力は強くならず、仕切板45に与える影響は殆んど無い。さらに、仕切板本体46の圧縮量を、外周壁部53の高さによって規制することができるので、エンジンマウント1の高さ寸法(軸方向寸法)の均一化を図ることができる。
次に、外筒6の下側筒状部62を径方向内側に縮径させる工程(絞り加工)を行う。
具体的に、例えば八方絞り等によって、下側筒状部62に径方向外側から径方向内側に向けて圧力を加えて下側筒状部62を縮径させる。これにより、下側筒状部62と外周壁部53との間に介在された被覆ゴム55,63に予圧縮力が付与され、下側筒状部62と外周壁部53との間のシール性が向上する。このシール性は、上述した絞り加工による縮径量を調整することにより適宜調整される。また、上述したように絞り加工を行っても、内周壁部54と窪み部60とによる仕切板45の狭着力はほとんど変化しないので、仕切板45に与える影響は少ない。なお、下側筒状部62の内側に外周壁部53を圧入嵌合させるだけで十分なシール性を発揮できる場合には、絞り加工の工程を省略することも可能である。
次に、液室9内に液体を封入する工程を行う。
具体的に、外筒6の内側に形成された液室9内を真空にし、その真空状態の液室9内に図示せぬ液体注入口から液体を注入して液室9内に液体を充填し、その後、液体注入口を閉塞させて液室9を封止する。
以上により、エンジンマウント1の製造が完了する。
(作用)
次に、エンジンマウント1の作用について説明する。
上述したエンジンマウント1では、車両におけるエンジンからの振動が図示しないエンジンブラケットを介して内筒7に伝達され、さらに内筒7から弾性体8に伝達され、弾性体8が弾性変形する。このとき、弾性体8は振動吸収主体として作用し、弾性体8の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、外筒6から図示しない車体ブラケットを介して車体側へ伝播する振動が低減される。
また、エンジンマウント1に、相対的に周波数が低く振幅が大きいシェイク振動が入力されると、このシェイク振動によって弾性体8が弾性変形し、主液室9A内に、相対的に大きな液圧変化が生じ、主液室9A内の液圧は周期的に大きな昇降を繰り返す。このとき、液室9内の液体がオリフィス通路10を通って主液室9Aと副液室9Bとの間で液体が相互に流通する。オリフィス通路10はシェイク振動に対応するようにチューニングされているため、上述したように液室9内の液体がオリフィス通路10を通って主液室9Aと副液室9Bとの間を往来する際、オリフィス通路10を流通する液体に液柱共振が生じる。このため、エンジンマウント1に入力されたシェイク振動は、オリフィス通路10における液柱共振によって減衰され、車体側に伝達されるシェイク振動は低減される。
一方、エンジンマウント1に、相対的に高い周波数(例えば20Hz〜40Hz)で振幅が小さいアイドル振動が入力されると、このアイドル振動によって弾性体8が弾性変形し、主液室9A内に、相対的に小さな液圧変化が生じ、主液室9A内の液圧は周期的に小さい昇降を繰り返す。このとき、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス通路10には液体が流れ難くなる。しかしながら、仕切板45が主液室9Aの液圧変化に同期して軸線L方向に振動することにより、主液室9A内の液圧変化が緩和される。このため、エンジンマウント1に入力されたアイドル振動は、仕切板45の振動によって減衰され、車体側に伝達されるアイドル振動は低減される。
また、エンジンマウント1に大きなバウンド方向の振動が入力されて主液室9Aの液圧が急激に上昇した後、その反動で、リバウンド方向に振動が入力されて主液室9Aが負圧になったとき、主液室側オリフィス開口42から主液室9Aにかけて液中に多数の気泡が生成されるキャビテーション現象が発生する場合がある。本実施形態のエンジンマウント1では、仕切板45の仕切板本体46が総ゴムで形成されているため、主液室9Aには、金属等の硬質部材が露出されない。これにより、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が仕切板本体46で吸収される。
このように、本実施形態では、基盤部40の外周縁に沿って金属等の硬質体からなる補強部材47を埋設する構成とした。
この構成によれば、仕切板本体46内における外周縁に補強部材47が埋設されているため、仕切板45をダイヤフラムリング50(外周壁部53)内へ圧入する際の圧入部分の剛性を高くすることができる。これにより、ダイヤフラムリング50と仕切板45との組み付け時に仕切板本体46に作用する圧入荷重を増加させ、仕切板本体46を外周壁部53内に圧入する際の組み付け性を向上させることができる。すなわち、仕切板本体46とダイヤフラムリング50との組み付け時に仕切板本体46の変形等を防ぐことができるので、仕切板45とダイヤフラムリング50との密閉性を確保し、液室9のシール性を確保することができる。また、仕切板45とダイヤフラムリング50とが組み付けられた状態から外れ難くなるので、部品管理が容易になるとともに、部品の搬送が容易になる。
また、ダイヤフラム5の外周壁部53が外筒6の下側筒状部62の内側に配置され、外筒6に窪み部60及びカシメ部64がそれぞれ形成され、これら窪み部60とカシメ部64との間に外周壁部53が挟持されているため、外筒6とダイヤフラム5との間のシール性を向上させることが容易である。すなわち、上述したように下側筒状部62を絞り加工することによりシール性を向上させることが可能であるので、総ゴムの仕切板本体46の狭着力を変えずにシール性だけを容易に向上させることができる。
さらに、ダイヤフラムリング50が断面視U字状に形成され、その断面視U字状のダイヤフラムリング50の開放端が仕切板45によって閉塞され、仕切板45とダイヤフラムリング50とによってオリフィス通路10が形成されているので、オリフィス通路が形成された別体のオリフィス部材等が不要となる。その結果、部品点数を削減でき、エンジンマウント1の構成が簡素化されるとともに組み立て工数が削減される。したがって、エンジンマウント1のコストダウンを図ることができ、また、エンジンマウント1の生産性を向上させることができる。
また、上述したエンジンマウント1によれば、ダイヤフラムリング50の外周壁部53と外筒6の下側筒状部62との間に被覆ゴム55,63が介在されているので、これらの被覆ゴム55,63が緩衝材となって外周壁部53と下側筒状部62との当たりによる衝撃が抑えられるとともにキャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃が外筒6に伝播されにくくなり、異音の発生を十分に抑えることができる。また、被覆ゴム55,63により密着性が高まり、外周壁部53と下側筒状部62との間のシール性が向上し、液室9の密封性を確保することができる。
図4〜7は、第1実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの拡大図である。
なお、上述した実施形態では、平板状の補強部材47を基盤部40の外周縁に沿って配置する構成について説明したが、図4に示すように、線材状の補強部材80を基盤部40の外周縁に沿って平面視略C字状に配置したり、軸線L方向に沿って長く形成された筒状の補強部材81を平面視略C字状に形成し、この補強部材81を基盤部40と同軸上に配置したりする構成にしても構わない。この場合も上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、仕切板45の外周縁であれば、突部41の外周縁に補強部材82を埋設する構成にしても構わない。具体的には、図6に示すように、突部41の外周縁において突部41と同軸上に筒状の補強部材82を埋設する構成にしても構わない。
この構成によれば、仕切板45の突部41をダイヤフラムリング50(内周壁部54)内へ圧入する際の圧入部分の剛性を高くすることができ、仕切板本体46を内周壁部54内に圧入する際の組み付け性を向上させることができる。この場合、特に突部41と内周壁部54との間の密閉性を確保することができるので、副液室9Bとオリフィス通路10との間のシール性を確保することができる。
さらに、図7に示すように、基盤部40の外周縁から突部41の外周縁に至るように補強部材83を埋設しても構わない。具体的に、補強部材83は、基盤部40の外周縁に沿って配置された大径筒部84と、突部41の外周縁に沿って配置された小径筒部85と、大径筒部84の下端部と小径筒部85の上端部を連結する連結部86とを備えている。大径筒部84及び小径筒部85は、軸線L方向に沿って互いに平行に延出する筒状のものであり、平面視略C字状に形成されている。連結部86は、平面視略C字状に形成された平板であり、平面視においてオリフィス通路10から内周壁部54を跨ぐように配置されている。
この構成によれば、基盤部40と外周壁部53及び突部41と内周壁部54における圧入荷重を増加することができるので、ダイヤフラムリング50と仕切板45との更なる組み付け性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態におけるエンジンマウントの断面図であり、図9は補強部材の斜視図である。上述した実施形態では、本実施形態では仕切板本体46の周方向全周に亘って埋設された環状の補強部材を用いる点で、上述した第1実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
図8,9に示すように、本実施形態におけるエンジンマウント100の補強部材147は、金属等の硬質体からなり、仕切板本体46の基盤部40内における外周側に埋設された部材である。具体的に、補強部材147は、オリフィス通路10と平面視で重なるように配置された第1円弧部76と、第1円弧部(第1補強部)76の周方向両端において径方向内側に向けて延出する一対の延出部177と、延出部177間を架け渡し、ダイヤフラムリング50の内周壁部54と平面視(軸方向から見て)で重なるように配置された第2円弧部(第2補強部)178とを備えている。すなわち、補強部材147は、主液室側オリフィス開口42の形成領域を避けた状態で、仕切板本体46の外周縁に沿って連続的に形成された環状(平面視略D字状)の部材である。
まず、第1円弧部76は、上述した第1実施形態における円弧部76と同様の構成である。
延出部177は、金属等の硬質体からなり、第1円弧部76と一体形成されており、その先端が仕切板本体46における主液室側オリフィス開口42の周方向両側の周縁部を通って副液室9Bを臨む位置まで延設されている。
第2円弧部178は、金属等の硬質体からなり、仕切板本体46における主液室側オリフィス開口42の周縁部を取り囲むように埋設されている。具体的に、第2円弧部178は、周方向において主液室側オリフィス開口42の形成範囲よりも僅かに広い角度範囲で形成された円弧状の平板である。また、第2円弧部178は、ダイヤフラムリング50の内周壁部54と平面視で重なるように配置されている。具体的に、第2円弧部178は、内周縁が平面視で副液室9Bを臨む位置まで延出している一方、外周縁はダイヤフラムリング50の内周壁部54上に配置されている。そして、第2円弧部178の周方向両端部は、主液室側オリフィス開口42の周方向両側において、延出部177の先端に連結されている。
このように、第2円弧部178が仕切板本体46内における主液室側オリフィス開口42の径方向内側の周縁部に配置される一方、延出部177が仕切板本体46における主液室側オリフィス開口42の周方向両側の周縁部に配置されることで、主液室オリフィス開口42の周縁部を取り囲むように補強部材47が配置されている。
図19は従来のエンジンマウントの一部分を拡大して示す断面図である。なお、本実施形態のエンジンマウント100と従来のエンジンマウント600とは、仕切板本体46内に補強部材147が埋設されているか否かで相違している。そのため、以下の説明では、上述した第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、従来のエンジンマウント600では、図19に示すように、内筒(不図示)が外筒6に対して相対的に上方に大きく移動して、エンジンマウント600にリバウンド方向の振動が入力された場合、仕切板45がダイヤフラムリング50に対して浮き上がり、仕切板45とダイヤフラムリング50との当接部分に隙間Sが生じる虞がある。その結果、仕切板45とダイヤフラムリング50との間に形成されたオリフィス通路10と副液室9Bとの間のシール性を維持できず、両液室9A,9B間がオリフィス通路10を介さずにリークする虞がある。その結果、オリフィス通路10内を流通する液体が、リーク部分から直接副液室9Bにリークすることで、(図19中矢印T参照)、エンジンマウント600の振動吸収性能が低下する原因になる。
図10は、図8に相当するエンジンマウントの断面図であり、仕切板の動作を説明するための説明図である。
ここで、図10に示すように、エンジンマウント100にリバウンド方向の振動が入力された場合、仕切板45の径方向中央部が上方に向けて湾曲することになる。この場合、仕切板45の仕切板本体46は総ゴムで形成されているので、主液室9Aの液圧の変化に追従するようにスムーズに湾曲することになるが、仕切板本体46内の主液室側オリフィス開口42の周縁部に補強部材147(第2円弧部178)を埋設することで、オリフィス通路10と窪み部60との間に挟持されていない部分、すなわち主液室側オリフィス開口42の周縁部を補強することができる。すなわち、第2円弧部178及び延出部177によって仕切板本体46における主液室側オリフィス開口42の周縁の剛性を高くして、主液室側オリフィス開口42の周縁を撓み難くすることができる。その結果、エンジンマウント100に大きな振動が入力された場合であっても、仕切板45がダイヤフラムリング50の内周壁部54における上端部面から浮き上がることを防止し、主液室側オリフィス開口42とダイヤフラムリング50の内周壁部54との間のシール性を維持することができる。なお、補強部材147のうち、延出部177及び第2円弧部178は主液室側オリフィス開口42の周縁部のみにしか配置されていないので、仕切板本体46の弾性変形が阻害されることがない。
このように、本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、エンジンマウント100に大きな振動が入力された場合であっても、仕切板45がダイヤフラムリング50の内周壁部54における上端部面から浮き上がることを防止し、主液室側オリフィス開口42とダイヤフラムリング50の内周壁部54との間のシール性を維持することができる。
その結果、オリフィス通路10内に存在する液体が、オリフィス通路10を介さずに副液室9B内にリークすることを防止することができるので、エンジンマウント1の振動吸収性能を向上させることができる。なお、補強部材47は、仕切板本体46内に埋設されているので、主液室9A側には補強部材47等の硬質部材は露出せず、主液室9Aの隔壁はゴム弾性体(弾性体8や仕切板本体46)のみによって構成される。したがって、キャビテーション現象の気泡崩壊時の衝撃は、仕切板本体46によって確実に吸収されるので、キャビテーション現象による異音の発生を抑えた上で、仕切部材4のシール性を維持することができる。
しかも、本実施形態では、上述した第1円弧部76と第2円弧部178とが補強部材147として一体形成されているので、部品点数及び組付工数の削減を図ることができる。したがって、製造コストの低減が可能になるとともに、仕切板本体46内における補強部材147のガタツキを防止することができる。
図11,12は、第2実施形態の他の構成を示すエンジンマウントの断面図である。
なお、本実施形態においても、補強部材の形状、配置位置等については適宜設計変更が可能である。すなわち、図11に示すように、線材状の補強部材180を基盤部40の外周縁及び主液室側オリフィス開口42の周縁に沿って環状に延設させたり、図12に示すように、筒状の補強部材181を基盤部40の外周縁及び主液室側オリフィス開口42の周縁に沿って環状に延設させたりする構成にしても構わない。この場合も上述した第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、図13に示す補強部材183は、上述した大径筒部84、小径筒部85、及び連結部86を環状に構成する一方、補強部材183における主液室側オリフィス開口42に相当する領域の連結部86の一部、大径筒部84及び小径筒部85が切除されている。すなわち、補強部材183は、主液室側オリフィス開口42に相当する領域において連結部86の残存部分により主液室側オリフィス開口42の周縁部を囲むように延設されることになる。
この構成によれば、ダイヤフラムリング50と仕切板45との更なる組み付け性の向上を図った上で、仕切板45がダイヤフラムリング50の内周壁部54における上端面から浮き上がることを防止することができる。
以上、本発明に係るエンジンマウントの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態では、内筒7に、振動発生源である図示しないエンジンがエンジン側ブラケットを介して連結され、外筒6に、振動受部である図示しない車体が車体側ブラケット等を介して連結されているが、本発明は、内筒7に振動受部が連結され、外筒6にエンジン側ブラケット等を介して振動発生源が連結されていてもよい。
また、上述した実施形態では、車両のエンジンマウントとして適用される防振装置について説明しているが、本発明に係る防振装置はエンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、本発明に係る防振装置を、建設機械に搭載された発電機のマウントとして適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントとして適用することも可能である。
また、上述した実施形態では、内筒7が軸線Lに直交する方向に延在されており、内筒7の内側にエンジン側ブラケットの圧入部が圧入される構成になっているが、本発明は、外筒6と同軸上に内筒7が配設されていてもよく、或いは、雌ねじ部が形成された内筒が備えられ、その雌ねじ部にボルトを螺着させることでブラケットが取り付けられる構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、中央部分が上方に向かって膨出した形状のダイヤフラムゴム51を有するダイヤフラム5が備えられているが、本発明におけるダイヤフラムは、上述した構成に限定されず、ダイヤフラムゴムの中央部分に膨出した部分が形成されてなく、ダイヤフラムゴムが弛緩した状態でダイヤフラムリング50の内側に張設された構成にすることも可能である。
また、上述した実施形態では、本体ゴム2と仕切部材4とダイヤフラム5とを組み立てた後、液室9内を真空にして液体を注入する真空注入法を採用しているが、本発明は、液室9内に充填する液体の中で、上述した本体ゴム2と仕切部材4とダイヤフラム5とを組み立てることで、液室9内に液体を充填する液中組み立て法を採用することも可能である。
この場合、上述したエンジンマウント1では仕切板本体46内に円弧部76が配置されているので、仕切板45とダイヤフラムリング50との組み付け後、仕切板45とダイヤフラムリング50とが外れ難くなるので、液中搬送時において部品の搬送が容易になる。
また、上述した実施形態では、主液室9Aが鉛直方向上側に位置し、且つ副液室9Bが鉛直方向下側に位置するように取り付けられて設置される圧縮式のエンジンマウント1について説明しているが、本発明は、主液室9Aが鉛直方向下側に位置し、且つ副液室9Bが鉛直方向上側に位置するように取り付けられて設置される吊り下げ式のエンジンマウントに適用することも可能である。
また、上述した実施形態では、外筒6に、径方向内側に縮径された窪み部60が形成され、この窪み部60によって、外周壁部53を挟持するとともに仕切部材4を挟持しているが、本発明は、上述した窪み部60が形成されたものに限定されず、外周壁部53の上端を係止する係止部や仕切板45を挟持するための突出部として他の形状の係止部や突出部が形成されていてもよい。例えば、上述した係止部や突出部として、図14に示すように、上側筒状部61と下側筒状部62との間に段差部160が形成された外筒106であってもよく、また、図15に示すように、外筒206の内周面に突設されたフランジ部260が形成されていてもよい。
また、本発明は、外周壁部53の上端を係止する係止部と、仕切板45を挟持するための突出部と、をそれぞれ別途に形成されていてもよい。例えば、図16に示すように、外筒306に中間部分に、段差状の係止部360Aが形成され、外筒306の上端部に、下方に向かうに従い漸次縮径されたテーパー状の突出部360Bが形成された構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、ダイヤフラムリング50の外周壁部(第2筒状部)53が外筒6の下側筒状部(第1筒状部)62の内側に配置され、外筒6に窪み部60及びカシメ部64がそれぞれ形成され、これら窪み部60とカシメ部64との間に外周壁部53が挟持されているが、本発明は、第1筒状部が第2筒状部の内側に配置されていてもよい。例えば、図17に示すように、外筒406の下側筒状部62をダイヤフラムリング250の外周壁部53の内側に嵌合させることができる。この場合、ダイヤフラムリング250の底壁部52が係止部となり、下側筒状部62の下端が底壁部52の上面に当接される。また、外周壁部53の上端部にカシメ部257が形成され、このカシメ部257によって下側筒状部62の上端部にカシメ固定される。これにより、上述した底壁部52とカシメ部257との間に下側筒状部62が挟持される。ただし、この場合、上述した実施の形態のように外周壁部53を絞り加工することが難しいため、シール性を容易に向上させることはできなくなる。したがって、上述した実施の形態のように外周壁部53が下側筒状部62の内側に配置されていることが好ましい。
また、上述した実施形態では、外筒6が、上側筒状部61と下側筒状部62との間に窪み部60が設けられた構成になっているが、本発明は、上側筒状部61を省略することも可能である。例えば、図18に示すように、外筒506(第1筒状部562)の上端に径方向内側に突出したフランジ部560(突出部、係止部)が設けられ、外筒506(第1筒状部562)の下端にカシメ部64が設けられた構成であってもよい。これにより、エンジンマウント1の軸線L方向の長さを短縮させて小型化を図ることができる。第1筒状部562を径方向内側に絞ってから図示せぬブラケットの内側に圧入する。
また、上述した実施形態では、ダイヤフラムゴム51とダイヤフラムリング50とが一体形成されているが、本発明は、ダイヤフラムリング50をダイヤフラムゴム51とは別に設けることも可能である。
また、上述した実施形態では、断面視U字状のダイヤフラムリング50の開放端が仕切板45によって閉塞され、仕切板45と底壁部52と外周壁部53と内周壁部54とによってオリフィス通路10が形成されているが、本発明は、上述した形状のダイヤフラムリング50に限定されるものではなく、他の形状のダイヤフラムリング50であってもよい。
また、上述した実施形態では、下側筒状部62の内周面に被覆ゴム63が形成され、外周壁部53の外周面に被覆ゴム55が形成されており、下側筒状部62と外周壁部53との間に被覆ゴム55,63が介在された構成になっているが、本発明は、下側筒状部62及び外周壁部53のうちの何れか一方にのみ被覆ゴムが形成された構成であってもよく、或いは、下側筒状部62と外周壁部53との間にゴム層が介在されていない構成にすることも可能である。
また、補強部材47が液室9やオリフィス通路10内に露出することは好ましくないが、補強部材47の外周縁がダイヤフラムリング50の外周壁部53の内周面に向けて露出することは構わない。この場合、外周壁部53の内側に仕切板45を圧入する際に金属同士が接触しながら圧入されることになるので、仕切板45の圧入荷重を増加させ、ダイヤフラムリング50と仕切板45とを確実に組み付けることができる。
仕切板の組み付け性を向上させ、仕切部材と各液室とのシール性を確保しつつ、安定した振動吸収性能を得ることができる。
1,100 エンジンマウント(防振装置)
4 仕切部材
6,106,206,306,406,506 外筒(第1取付部材)
7 内筒(第2取付部材)
8 弾性体
9 液室
9A 主液室
9B 副液室
10 オリフィス通路(制限通路)
42 主液室側オリフィス開口(連通部)
45 仕切板
46 仕切板本体
47,147 補強部材
50,150,250 ダイヤフラムリング(硬質部材)
52 底壁部
53 外周壁部(第2筒状部)
54 内周壁部(支持部)
55 被覆ゴム(ゴム層)
60 窪み部(突出部、係止部)
62 下側筒状部(第1筒状部)
63 被覆ゴム(ゴム層)
64 カシメ部
76 第1円弧部(第1補強部、補強部材)
154 支持部
160 段差部(突出部、係止部)
177 延出部(補強部材)
178 第2円弧部(第2補強部)
257 カシメ部
260,560 フランジ部(突出部、係止部)
360A 係止部
360B 突出部
562 第1筒状部

Claims (5)

  1. 振動発生部及び振動受部のうちの何れか一方に連結される筒状の第1取付部材、及び他方に連結される第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材とを弾性的に連結するするとともに、前記第1取付部材の一方側の開口端を閉塞する弾性体と、
    前記第1取付部材の他方側の開放端を閉塞するダイヤフラムと、
    前記弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成されて液体が封入された液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と、前記ダイヤフラムを壁面の一部とする他方側の副液室とに区画し、かつ前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された仕切部材と、を備えた液体封入型の防振装置において、
    前記第1取付部材には、径方向内側に突出した突出部と、該突出部よりも前記他方側に配設された第1筒状部とが、備えられ、
    前記仕切部材には、前記液室を前記主液室及び前記副液室に区画する仕切板と、前記弾性体よりも硬い硬質体で構成された環状の硬質部材とが備えられ、
    前記硬質部材には、前記第1筒状部と同軸上に配置された第2筒状部と、該第2筒状部の内側に配置されて前記仕切板を支持する支持部と、が備えられており、
    前記第1及び第2筒状部のうちの何れか一方の筒状部は他方の筒状部の内側に配置されており、
    前記第1取付部材及び前記硬質部材のうち、前記他方の筒状部を備える一方の部材には、前記一方の筒状部の何れか一方の端部を係止する係止部と、径方向内側に折り曲げられて前記一方の筒状部の何れか他方の端部を係止するカシメ部と、がそれぞれ形成されており、
    前記一方の筒状部は、前記係止部と前記カシメ部との間に挟持され、
    前記仕切板は、前記突出部と前記支持部との間に挟持された弾性材料からなる仕切板本体と、
    前記仕切板本体の内部に埋設され、前記仕切板本体よりも硬い硬質体で構成された補強部材とを備え、
    前記補強部材は、前記一方の筒状部の内側に配置された前記仕切板本体の周縁部に沿って配置されていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置において、
    前記硬質部材は、環状の底壁部と、該底壁部の外縁部に立設された外周壁状の前記第2筒状部と、前記底壁部の内縁部に立設された内周壁状の前記支持部と、により断面視U字状に形成されており、
    該断面視U字状の前記硬質部材の開放端が前記仕切板によって閉塞され、該仕切板と前記底壁部と前記第2筒状部と前記支持部とによって囲まれた空間が、前記主液室と前記副液室とを連通する前記制限通路を構成し、
    前記仕切板本体には、軸方向に沿って貫通し、前記主液室と前記制限通路とを連通する連通部が形成され、
    前記補強部材は、前記一方の筒状部の内側において環状に延設されており、
    前記補強部材は、前記仕切板本体の周縁部に沿って配置された第1補強部と、前記第1補強部の両端部を架け渡すように形成され、前記連通部の周縁を囲むように配置された第2補強部とを備えていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の防振装置において、
    前記第2筒状部が前記第1筒状部の内側に配置され、前記第1取付部材に前記係止部及び前記カシメ部がそれぞれ形成され、前記係止部と前記カシメ部との間に前記第2筒状部が挟持されていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の防振装置において、
    前記硬質部材の径方向内側には、前記副液室内の液圧の変化に応じて変形可能な薄膜状のダイヤフラムゴムが固着されていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載の防振装置において、
    前記第1筒状部と前記第2筒状部との間にゴム層が介在されていることを特徴とする防振装置。
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