JP5282651B2 - シート材排出装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
ところで、小型のプリンターは、その設置場所の広狭、高さ等が多様であるため、様々な設置場所に適応できることが求められている。
操作部がプリンターの前面側に位置している一方で、シート材排出口が機器の背面側に位置する場合には、排出口から排出されたシート材を受けるための排紙トレイのシート積載面の傾斜角度は水平面に対して緩やかに上向き傾斜しているのが一般的である。この場合、排紙トレイの長さ分だけ背部に設置スペースが必要になってしまうというデメリットがある。さらに、プリンターを床面に設置した場合や、高さのある棚上に設置した場合は、ユーザーは、排出されたシート材を取るために、しゃがんだり、立ち上がる等の動作をする必要が生じ、設置場所によって使い勝手が悪くなってしまう。
また、特開平05−105299号公報では、スタック不良を防止するために、スタック量を検知する手段の検知結果に基づき、排出ローラ対の従動ローラ側を上下方向に回動させて、スタック量に応じてシート材排出角度を変化させて、スタック性を改善している。排出ローラ(従動)は上下方向に回転して排出角度を変えるが、シート材を積載する排紙トレイ自体の角度は変化しない。
しかし、上記何れの従来例においても、装置本体を高い台の上に設置した場合に排紙トレイが上向傾斜したままとなり、スタック性と取出し操作性が悪化することがあった。
しかし、排紙トレイの傾斜角度を変更させる操作が容易でなく、しかも傾斜角度を二段階にしか切替えできないという不便があった。装置本体の設置高さ、周辺の障害物の有無等の状況に応じて、上向き傾斜、下向き傾斜を夫々複数段階に切替えすることはできない。また、排紙トレイ上が下向き傾斜している時に、装置本体の排紙口から排紙トレイ上に排出されてくる通常の用紙は略水平方向へ排出されてくるため、下向き傾斜している排紙トレイの上面から離間した方向へ排出されることとなり、排紙トレイを越えて飛び出してしまう虞がある。特に、厚紙が排紙トレイ上に排出される場合には厚紙はその自重によって撓みにくいため、略水平方向へ向けて排出された際に下向き傾斜した排紙トレイの上面に向けて撓み変形して落下せずに、そのまま略水平方向へ飛び出してしまい、スタックできなくなる可能性が高くなる。
請求項2の発明は、前記可動ガイドは、前記排紙トレイの傾斜角度の変化に連動して回動し、前記排紙トレイが下向き傾斜している時には排出されてくるシート材と接して前記排紙トレイ上にガイドし、前記排紙トレイが上向き傾斜している時には前記シート材排出経路から退避するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート材排出装置。
請求項4の発明は、前記可動ガイドは、弾性部材によって加圧されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のシート材排出装置。
請求項5の発明は、前記可動ガイドに、表面が弾性部材で形成された回転可能なローラを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のシート材排出装置。
請求項7の発明は、前記フェンス部材は、前記排紙トレイのシート積載面に対して並行に収納可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のシート材排出装置。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載のシート材排出装置と、画像情報に応じて搬送されたシート材に画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
図1は本発明に係るシート材排出装置を適用する画像形成装置の構成例を示した図であり、図2(a)(b)及び(c)は排紙トレイの傾斜角度を変化させた場合の構成を示す図であり、図3はシート材排出装置における排紙トレイの傾斜角度調整機構の構成例を示す斜視図であり、図4(a)及び(b)は傾斜角度調整機構の要部構成説明図であり、図5(a)及び(b)は傾斜角度調整機構の反対側に設けたロック補助機構の構成説明図である。
この画像形成装置では、装置背面、又は前面側にシート材を積載する排紙トレイ11が配置される。このため、装置本体の設置高さの高低によっては排紙トレイ上のシート材の取出し操作性が悪化することがあり、また排紙トレイの横方向への突出長が大きい場合には占有スペースの増大をもたらす。本発明では、排紙トレイ11の傾斜角度を多段階(三段階以上)に、且つほぼワンタッチによって操作性よく調整することを可能とすることにより、このような不具合を解消している。
更に、シート材排出口10からのシート材排出経路上には上下方向へ回動可能に軸支された可動ガイド50を備え、可動ガイド50は、シート材排出経路から退避可能に構成されている点も特徴的である。可動ガイド50は、排紙トレイ11の傾斜角度の変化に連動して回動し、排紙トレイが下向き傾斜している時には排出されてくるシート材と接して排紙トレイ上にガイドし、排紙トレイが上向き傾斜している時にはシート材排出経路から退避するように構成されている。
図2に示すように、本実施例のシート材排出装置20は、排紙トレイ11のシート積載面の傾斜角度を3段階に設定可能な構成である。図2(a)はシート材積載面の傾斜角度が上方向に10°傾いて固定された姿勢、図2(b)はシート積載面の傾斜角度が上方向に60°傾いて固定された姿勢、図2(c)はシート積載面の傾斜角度が下方向に60°傾いて固定された姿勢を夫々示す。
図2において、画像形成部Aにおいて画像形成されたシート材Pは、排出ローラ9によりシート材排出口10から送り出され、排紙トレイ11に順次、積載される。図3に示すように排紙トレイ11の基端部に設けた軸支部21は本体側面の軸受け部によって回動自在に軸支されており、排紙トレイ11は本体側面に対して上下方向へ回動可能に支持される。排紙トレイの回動動作は、ユーザーの手動操作によって行われる。また、排紙トレイの軸支部21は、排出ローラ対の設けられている排出口10よりも下方に設けられる。また、排紙トレイの先端部には排出されてきたシート材先端が突き当たるフェンス部材22が設けられている。
図3に示した傾斜角度調整機構30において、装置本体側面右側の軸受け部には、装置本体側面に固定されて回転しない略円筒状の固定カム31が配置される。固定カム31はその周面に3つの係止突起32を有し、固定カム31の各係止突起32に対して、排紙トレイに設けられたレバー35の爪35aが引っかかり、排紙トレイ11が自重により回転することを妨げて、排紙トレイ11を複数の異なった傾斜角度にてロックする。レバー35、固定カムの係止突起32等は、ロック機構を構成している。
即ち、本実施例において、排紙トレイ11には、弾性部材37によって一方向へ付勢されたレバー35が回動(揺動)自在に設けられており、レバーはその一部が排紙トレイの上面から突出した押圧部35bを有し、弾性部材37によって爪35aが突起32と係止する方向へ付勢されている。レバーは支持軸36を中心に回動可能な構成であり、弾性部材37によって加えられる回転モーメントによってレバー35の爪35aが固定カム31に押し付けられている。この時、排紙トレイは、自重や積載したシート材の重さによって図4中における反時計回りへの回転力が発生するが、爪35aが固定カム31の係止突起32に引っかかることによって排紙トレイの回転を防ぎ、排紙トレイの姿勢は固定される。
図5(a)は正面図、図5(b)は斜視図である。図4で説明した構成では、排紙トレイ11の右端側がロックされており、左端側はフリーの状態であるため、ねじり方向への負荷に対して不安定になる懸念がある。この対策として、排紙トレイの左端側にも、同様のロック機構を配置することが考えられるが、レバー35が2個になってしまい、排紙トレイを回転させる際に、排紙トレイ両端のレバー2個を同時に押しながら操作する必要が発生し、操作性が低下する。特に本発明で想定しているような狭いスペース内に手を差し入れての操作はしづらい。
そこで、本実施例では、図5のように、3パターンの傾斜姿勢夫々の傾斜角度での固定を手動操作することなく補助するロック補助機構40を、傾斜角度調整機構30とは反対側に設けることで排紙トレイの固定を補助すると共に、傾斜角度調整のための操作に必要なレバー35は排紙トレイ11の片端に一つのみとなるような構成とする。
3パターンの傾斜姿勢に対応する孔30を夫々、孔46a、孔46b、孔46cとして図示する。また、ピン46は先端が半球形状であり、孔内に嵌合した状態にある時に排紙トレイ11を回転させる方向に力を加えると、ピンが孔からすべりながら出て、排紙トレイ内側に押し込まれることにより、破損することなくロックを解除することが可能である。この構成によって、排紙トレイの左端に設けられたレバーを操作するだけで安定して排紙トレイ11の傾斜角度を変更し、決定することが可能である。孔46a、孔46b、孔46cは、軸支部21を中心とした円弧状の軌跡に沿って配置される。
可動ガイド50は、軸部50aを中心として上下方向へ回動可能に軸支された本体50bを備えており、且つシート材排出経路内の位置と退避した位置との間を進退可能に構成されている。更に、可動ガイド50は、排紙トレイ11の傾斜角度の変化に連動して回動し、排紙トレイが下向き傾斜している時には本体50bが排出されてくるシート材と接して排紙トレイ上にガイドし、排紙トレイが上向き傾斜している時にはシート材排出経路から退避するように構成されている。
図6(a)の排紙トレイ下向き傾斜状態では、可動ガイド50はシート材排出経路の延長線上に位置し、画像形成されたシート材の搬送方向をシート材積載面に倣う下方向に変える役割を持つ。この可動ガイド50により、図6(a)において、シート材Pが排出経路の延長線上に進み、スタックされずに外部に飛び出してしまうことを防ぐ。
特許文献3の排紙トレイは、本発明の如き可動ガイドを有しないため、水平方向へ排出された用紙は下向き傾斜した排紙トレイ上に適正に落下することができなかった。これに対して、本発明においては、排紙トレイ上が下向き傾斜している時に、装置本体の排紙口から排紙トレイ上に排出されてくる用紙は可動ガイド50によって下向きに進路を変更されるため、排紙トレイ面と平行に排出されて適正にスタックされる。厚紙についても同様である。
可動ガイド作動機構60は、装置本体側の軸受部によって支持された排紙トレイの軸支部21の回動による駆動力を伝達部材62を介して可動ガイドの軸部50aに伝達する構成を備えており、軸支部21には、駆動力を伝達部材62に伝達しない非伝達領域が設けられている。
即ち、可動ガイド作動機構60は、軸支部21と一体化された第1のギヤ61と、第1のギヤ61と噛合して回転する第2のギヤである伝達部材62と、軸部50aと一体化して第2のギヤ62と噛合する第3のギヤ63と、を備えている。
第1のギヤ63は、ギヤ部61aと、非ギヤ部(非伝達領域)61bとを有しており、ギヤ部61aと第2のギヤ62とが噛合している時には排紙トレイ11の回転駆動力がガイド部材50に伝達される一方で、非ギヤ部61bと第2のギヤ62とが対応している時には排紙トレイ11の回転駆動力がガイド部材50に伝達されない。
図7(a)の様に、排紙トレイ11のシート積載面の傾斜角度が水平面に対して下方向を向いている場合には第1のギヤ61の非ギヤ部61bが第2のギヤ62と向き合っており、第1のギヤ61から第3のギヤ63へは駆動力は伝達されない。
また、可動ガイド50は、軸部50aに設けたトーションスプリング(図示せず)によってシート材排出方向に向き合う方向(時計回り方向)へ加圧されている。これにより、搬送されたシート材が可動ガイドに突入したとき、可動ガイド本体50bがシート材先端に押されて逃げることで可動ガイドとの衝突時にシート材にかかる負荷を軽減する。
次に、図9(a)及び(b)は本発明の変形例であり、排紙トレイ11の先端部に起倒自在にフェンス部材56を軸支している。排紙トレイ11は、その先端がフェンス部材56と共にシート材搬送方向に伸縮可能である。排紙トレイ11の長さは図示していない爪機構によりロックされて決まる。このように、排紙トレイ11が伸縮することにより、シート材のサイズに合わせて排紙トレイの長さを変えることができ、装置背部のスペースを確保することができる。また、シート材先端が突き当たるフェンス部材56は、排紙トレイ上に回動可能な軸56aによって支持されており、開閉可能な構成となっている。排紙トレイ11のシート積載面の傾斜角度が水平面に対して上方向を向く場合、シート材の落下を阻止するフェンス部材56は必要ないため、閉じて使用することができ、シート材の長さが排紙トレイ11の長さより長い場合でもシート材を積載することが可能となる。
また本発明は、レーザープリンタだけでなく、インクジェット方式など異なる画像形成プロセスを用いる画像形成装置においても、排紙トレイが装置背部もしくは装置前面に位置するものであれば適用可能である。
排紙トレイの固定を解除する解除機構を、排紙トレイの角度の片端に設置することで、片手で固定を解除しながら排紙トレイを回動させる操作を行うことが可能になる。
シート材排紙口の下流に可動ガイドを設けることで、排紙トレイのシート材積載面の傾斜角度が水平面に対して下向きの場合においても、シート材が外部に飛び出すことなく、シート材積載面に沿ってスタックされるように搬送方向を誘導することが可能になる。また、排紙トレイの角度が水平面より上方向になる場合は、ガイド部材によるガイド方向とシート積載面の角度が異なるため、可動ガイドがシート材の搬送を妨げてしまう。そこで、可動ガイドを可動式にすることによって、排紙トレイのシート材積載面の傾斜角度が水平面に対して上向きの場合には、可動ガイドを退避させてシート材との接触を回避させる。
可動ガイドと排紙トレイの傾斜角度との連動を、排紙トレイの傾斜角度に応じて連動する領域と連動しない領域とに分割することで、排紙トレイがある角度以上回転しても、可動ガイドの位置はそのまま保持される、或いは、ある角度以上回転すると、可動ガイドが動き始めるといった動きが可能になり、不必要な領域での可動ガイドの可動を制限し、可動ガイドの可動スペースを省くことが可能になる。
可動ガイドを弾性体によって加圧することでシート材突入時の負荷を低減することができる。
可動ガイドに従動ローラを設けることで、シート材への負荷を低減することができる。
排紙トレイとフェンス部材を伸縮可能にすることで、シート材の長さが短い場合は、排紙トレイの長さを短くして、使用スペースを減らすことができる。
フェンス部材を排紙トレイに収納可能にすることで、排紙トレイのシート積載面の傾斜角度が水平面に対して上方向を向いている場合は、フェンス部材を収納して、シート材の先端が排紙トレイから飛び出した状態でスタックすることができ、ユーザーが積載されたシート材を取り出しやすくなる。
Claims (8)
- 画像形成装置のシート材排出口の下方に設けた軸支部によってシート材積載面の傾斜角度を変更可能に支持された排紙トレイと、前記排紙トレイを複数の異なった傾斜角度にて固定する傾斜角度調整機構と、を備え、
前記傾斜角度調整機構は、前記排紙トレイのシート材積載面を、少なくとも、水平面より下方向に傾斜した下向き傾斜角度と、該水平面より上方向に傾斜した上向き傾斜角度にて固定するように構成されており、
前記排紙トレイの幅方向一端寄り位置には、前記傾斜角度調整機構による前記排紙トレイの傾斜角度の固定を補助するロック補助機構を備え、
前記シート材排出口からのシート材排出経路上には上下方向へ回動可能に軸支された可動ガイドを備え、前記可動ガイドは、前記シート材排出経路から退避可能に構成されていることを特徴とするシート材排出装置。 - 前記可動ガイドは、前記排紙トレイの傾斜角度の変化に連動して回動し、
前記排紙トレイが下向き傾斜している時には排出されてくるシート材と接して前記排紙トレイ上にガイドし、前記排紙トレイが上向き傾斜している時には前記シート材排出経路から退避するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート材排出装置。 - 前記可動ガイドは、前記軸支部によって支持された前記排紙トレイの回動軸の回動による駆動力を伝達部材を介して受けて回動する構成を備え、
前記回動軸には、駆動力を前記伝達部材に伝達しない非伝達領域が設けられていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のシート材排出装置。 - 前記可動ガイドは、弾性部材によって加圧されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のシート材排出装置
- 前記可動ガイドに、表面が弾性部材で形成された回転可能なローラを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のシート材排出装置。
- 前記排紙トレイは、先端部にシート材排出方向と直交する面を有するフェンス部材を有し、シート材の排出方向に伸縮可能な構成であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のシート材排出装置。
- 前記フェンス部材は、前記排紙トレイのシート積載面に対して並行に収納可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のシート材排出装置。
- 請求項1乃至7の何れか一項に記載のシート材排出装置と、画像情報に応じて搬送されたシート材に画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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