JP5279999B2 - 住宅建築工法 - Google Patents

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本発明は、一階と二階の間に設ける胴差の下方及び上方に壁を施工する際に用いて好適な住宅建築工法に関する。
一般に、木造住宅を建造する際に用いる建築工法の一つとして、軸組工法が広く知られている。この軸組工法は、土台,柱,胴差,筋交い等を用いて木造住宅の骨組を建造し、この骨組に対して、内側から内装材(内装面)を施工するとともに、外側から外装材(外装面)を施工し、また、内装面と外装面間には、断熱材等を充填することにより断熱性及び遮音性等を確保している。
しかし、このような建築工法は、木造住宅ではあるが木材は主に骨組に使用するため、天然木材の利点、例えば、湿度の調整作用や木の香りの発散作用等を十分に得ることができないとともに、結露やカビが発生しやすい。また、断熱材には主に発泡樹脂等の非天然材料を使用するとともに、施工には合成接着剤等を多用するため、シックハウス症候群等の原因になる有害な化学物質が浮遊しやすい。しかも、骨組部材を多く用いるため、施工に時間がかかる。などの問題がある。
そこで、本出願人は、既にこの問題を有効に解決する住宅建築工法を、特開2005−83164号公報により提案した。この住宅建築工法は、下方に位置する土台(下方に位置する梁を含む)と上方に位置する梁の間に壁を施工するに際し、土台と梁の間であって、壁を構成する外装面の内方に、天然杉を使用し、かつ厚さを略2〜4〔cm〕に選定した厚質板材による中核壁を施工するようにしたものである。
特開2005−83164号
しかし、上述した従来の住宅建築工法(特許文献1)は、住宅に要求される居住性(快適性)、即ち、天然木材の特長である湿度の調整作用や木の香りの発散作用等を十分に得ることができ、しかも、天然杉の内部に形成される十分な空気層により、発泡樹脂等の断熱材を用いなくても十分な断熱効果及び遮音効果を得れるなどの様々な特長は有しているが、木造住宅故の耐震対策、特に、より優れた耐震構造を得る観点からの更なる改善すべき課題も残されていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した住宅建築工法の提供を目的とするものである。
本発明に係る住宅建築工法は、上述した課題を解決するため、胴差3の下方及び上方に壁Wを施工するに際し、胴差3から上方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置Su及び胴差3から下方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置Sdにおける相隣る柱5,5…間に、水平な補強材6u…,6d…を架設することにより胴差3と相隣る柱5,5…と補強材6u…,6d…による上下の矩形枠部F…を施工し、かつ少なくとも矩形枠部F…の中側に、天然杉を使用し、かつ厚さを略2〜4〔cm〕に選定した厚質板材B…による中核壁Wmを施工するとともに、各矩形枠部F…の中側であって中核壁Wmの外面側及び内面側のいずれか一方又は双方に、当該矩形枠部F…における一対の対角線上に所定の筋交い材7p,7qa,7qb…によりX形に構成する筋交い部7…を施工する。
加えて、本発明に係る住宅建築工法では、筋交い部7と胴差3間,筋交い部7pと筋交い部7qa(7qb)間に、支持材11,12vを介装するとともに、筋交い部7p(7qa,7qb)と支持材11間に、支持材12hを介装するようにした。
このような手法による本発明に係る住宅建築工法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 胴差3から上方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置Su及び胴差3から下方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置Sdにおける相隣る柱5,5…間に水平な補強材6u…,6d…を架設することにより胴差3と相隣る柱5,5…と補強材6u…,6d…による上下の矩形枠部F…を施工し、かつ各矩形枠部F…の中側に筋交い部7を施工するとともに、少なくとも矩形枠部F…の中側に所定の板材による中核壁Wmを施工するため、木造住宅における比較的地震に弱いとされる胴差3回りの強度を大幅に高めることができ、もって、木造住宅の耐震強度を飛躍的に高めることができる。
(2) 中核壁Wmには、天然杉を使用し、かつ厚さを略2〜4〔cm〕に選定した厚質板材B…により施工したため、天然木材の特長である湿度の調整作用や木の香りの発散作用等を十分に得ることができるとともに、結露やカビの発生を回避できる。特に、天然杉は、他の木材に比べ木繊維が粗いため、厚さLtが略2〜4〔cm〕となる比較的厚手に選定し、住宅の壁Wや屋根に用いることにより、天然杉の内部に形成される粗い空気層によって効果的な湿度調整作用が発揮される。また、天然杉の内部に形成される十分な空気層により、発泡樹脂等の断熱材を用いなくても十分な断熱効果及び遮音効果を得ることができる。
(3) 筋交い部7…は、矩形枠部F…における一対の対角線上に所定の筋交い材7p,7qa,7qb…によりX形に施工したため、より強度に優れた耐震構造とすることができる。しかも、筋交い部7と胴差3間,筋交い部7pと筋交い部7qa(7qb)間に、支持材11,12vを介装するとともに、筋交い部7p(7qa,7qb)と支持材11間に、支持材12hを介装するため、より望ましい強度を得ることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る住宅建築工法に用いる主要材料について、図1〜図7を参照して説明する。
図4には、厚質板材B…,土台2及び胴差3(補強材6u,6d)をそれぞれ示す。厚質板材B…は、厚さLtを略2〜4〔cm〕、望ましくは、3〔cm〕に選定した天然杉を用いる。縦横の寸法は、例えば、180×910〔mm〕など、任意に選定できる。また、厚質板材B…は、一対の長端辺の双方に段差部Bs,Bsを形成したものと一方に段差部Bsを形成したものの二種類を用意する。これにより、段差部Bsを長端辺の一方に形成したものは最上部と最下部に使用し、段差部Bs,Bsを長端辺の双方に形成したものは中間部に使用する。この場合、長端辺の双方に形成する段差部Bs,Bsは、それぞれ向きが反対となり、かつ突き合わせた際には相嵌合する形状に形成する。
土台2は、端面寸法を、120×120〔mm〕に選定した栗ノ木材,桧葉材等の硬木を使用する。なお、必要により任意の木材を用いることができる。そして、この土台2の上面における中央位置には、長手方向に沿った嵌合溝2sを形成する。この嵌合溝2sの端面寸法は、15×30〔mm〕に選定する。この嵌合溝2sには上述した厚質板材Bの長端辺を差し込むことができる。
胴差3は、基本的に土台2と同様に形成する。即ち、土台2と同じ材料を使用し、端面寸法を土台2と同じ、120×120〔mm〕に選定する。しかし、土台2の場合、上面にのみ嵌合溝2sを設けたが、胴差3では、嵌合溝2sと同じ嵌合溝3s…を上面と下面の双方に形成する。また、補強材6u,6dは、厚質板材B又は胴差3と同じ材料を使用し、端面寸法を胴差3と同じ120×120〔mm〕に選定するとともに、嵌合溝3s…と同じ嵌合溝6us…,6ds…を上面と下面の双方に形成する。さらに、柱5(図3参照)は、補強材6u…と同じ材料を使用し、端面寸法を土台2と同じ、120×120〔mm〕に選定するとともに、嵌合溝2sと同じ嵌合溝5s…を一方の側面と反対の側面(通柱の場合は隣の側面)の双方に形成する。
図5には、筋交い材7p,7qa(7qb)と支持材11,12hを示す。筋交い材7p,7qa(7qb)は、端面寸法を45×90〔mm〕に選定する。また、図2及び図5に示すように、一方の筋交い材7pの長さは、後述する矩形枠部Fの一方の対角線上に配し、かつ矩形枠部Fの隅部内面間に介装できる長さに選定する。そして、長手方向の両端面には、45〔゜〕に傾斜させた際に矩形枠部Fの隅部内面に面接触させるための三角山状の係合面7ps,7ptをそれぞれ形成するとともに、長手方向の略中央位置には三角切欠状の係合凹部7pu,7pvを上下面にそれぞれ形成する。
他方の筋交い材7qaの長さは、矩形枠部Fの他方の対角線上に配し、かつ筋交い材7pと矩形枠部Fの一方の隅部内面間に介装できる長さに選定する。そして、長手方向一端には、45〔゜〕に傾斜させた際に矩形枠部Fの隅部内面に面接触する三角山状の係合面7qsを形成するとともに、長手方向他端には筋交い材7pの長手方向中間位置に形成した係合凹部7puに面接触により係合する三角山状の係合面7qtを形成する。なお、筋交い材7qa…は二本用意し、一本を筋交い材7qbとして用いる。筋交い材7p,7qa,7qbは組合わせることによりX形の筋交い部7を構成することができる。
支持材11は、筋交い部7と胴差3(補強材6u,補強材6d)間に介装するものであり、一つの短形枠部F当たり垂直方向(鉛直方向)に二本使用する。また、支持材12hは、支持材11と筋交い材7p(7qa,7qb)間に介装するものであり、一つの短形枠部F当たり水平方向に四本使用する。さらに、12v(図2参照)は筋交い材7pと7qa(7qb)間に介装する支持材であり、一つの短形枠部F当たり垂直方向に二本使用する。なお、これらの支持材11,12h,12vは使用することにより、より望ましい強度を得ることができる。
次に、本実施形態に係る住宅建築工法による壁Wの施工方法について、図1〜図7を参照して説明する。
図1に示す住宅Hの主要部において、Mは基礎を示し、この基礎Mの上面には、嵌合溝2sを上向きにした土台2を設置する。そして、この土台2の上面に一階部分を構成する複数の柱5…を起設する。この柱5…には、土台2に沿う方向に面した両側面のそれぞれに嵌合溝5s…を有する(図3参照)。なお、土台2の隅部に起設する柱5…は通柱となる。一方、相隣る柱5,5間に所定枚数の厚質板材B…を順次介装した後、柱5,5間に水平な補強材6dを架設するとともに、さらに、この補強材6dの上方における柱5,5間にも所定枚数の厚質板材B…を順次介装した後、柱5…の上端に上面及び下面に嵌合溝3s…を有する胴差3を横架する。この場合、厚質板材B…は、相隣る柱5,5における嵌合溝5s,5s間に、柱5,5の上端から順次差し込んで行く。この際、土台2の上面,補強材6dの下面及び上面,胴差3の下面に係合する厚質板材B…は、下端辺又は上端面の一方のみに段差部Bs…を形成したものを用いる。
また、補強材6dは、胴差3から下方に略40〜80〔cm〕離間した位置、望ましくは60〔cm〕離間した所定位置Sdに架設する。これにより、胴差3と相隣る柱5,5と補強材6dによる矩形枠部Fが形成される。所定位置Sdとして、胴差3から下方に略40〜80〔cm〕離間した位置、望ましくは60〔cm〕離間した位置を選定すれば、窓やドアなどの施工に対する影響が最小限となる最適な位置を選定できる利点がある。
同様に、胴差3の上面には二階部分を構成する複数の柱5…を起設し、相隣る柱5,5間に所定枚数の厚質板材Bを順次介装した後、柱5,5間に水平な補強材6uを架設するとともに、さらに、この補強材6uの上方における柱5,5間に所定枚数の厚質板材B…を順次介装した後、柱5…の上端に下面に嵌合溝21sを有する梁21を横架する。この場合、補強材6uは、胴差3から上方に略30〜90〔cm〕離間した位置、望ましくは60〔cm〕離間した所定位置Suに架設する。これにより、胴差3と相隣る柱5,5と補強材6uによる矩形枠部Fが形成される。なお、矩形枠部Fの基本的な構成は、土台2と胴差3間の構成と同じである。
よって、このような施工により、土台2と胴差3間、及び胴差3と梁21間には、厚質板材B…による中核壁Wmが建造される。各厚質板材B…同士は、段差部Bs…とBs…が相嵌合するため、各厚質板材B…間には隙間が生じないとともに、中核壁面Wmにおける全体の平面性も高められる。中核壁Wmの施工に際しては釘等を使用し、合成接着剤は使用しない。
また、矩形枠部Fの中側には図2に示す筋交い部7を施工する。図2は胴差3の上側に設けた矩形枠部F、即ち、図1中、一点鎖線円Kの部分を示すが、他の矩形枠部F…も基本的な構成は同じとなる。筋交い部7は、矩形枠部Fにおける一対の対角線上に所定の筋交い材7p,7qa,7qbによりX形に施工するとともに、中核壁Wmの外面側及び内面側の双方に施工する。筋交い部7を施工するに際しては、図2に示すように、まず、筋交い材7pを矩形枠部Fの一方の対角線上に配して矩形枠部Fの隅部内面間に介装する。これにより、三角山状の係合面7ps,7ptが矩形枠部Fの対向する隅部内面にそれぞれ面接触する。次いで、筋交い材7qa及び7qbを、それぞれ矩形枠部Fの他方の対角線上に配し、一方の筋交い材7qaを筋交い材7pの係合凹部7puと矩形枠部Fの一方の隅部内面間に介装するとともに、他方の筋交い材7qbを筋交い材7pの係合凹部7pvと矩形枠部Fの他方の隅部内面間に介装する。筋交い部7…をこのような筋交い材7p,7qa,7qb…を用いてX形に施工すれば、より強度に優れた耐震構造とすることができる利点がある。
さらに、図2及び図3に示すように、中核壁Wm及び筋交い部7に対して、支持材11…,12h…,12v…を付設する。即ち、補強材6dと筋交い部7の交点間及び胴差3と筋交い部7の交点間には、計二本の支持材11…をそれぞれ垂直方向(鉛直方向)に付設する。また、支持材11と筋交い材7p(7qa,7qb)間には、計四本の支持材12h…をそれぞれ水平方向に付設するととともに、筋交い材7pと7qa(7qb)間には、計二本の支持材12v…をそれぞれ垂直方向に付設する。なお、筋交い部7及び支持材11…,12h…,12v…を施工する際しては釘等を使用し、合成接着剤は使用しない。
以上が本実施形態に係る住宅建築工法の主要工程となる。これにより、胴差3の上方及び下方にはそれぞれ複数の矩形枠部F…が設けられる。図1に例示する住宅Hの場合、正面において、胴差3の上方に四つの矩形枠部F…が、胴差3の下方に三つの矩形枠部F…がそれぞれ設けられている。このような矩形枠部F…は例示のように、必ずしも全ての位置に設けることを要しないが、多く設けるほど強度的に有利となる。よって、このような住宅建築工法によれば、胴差3から上方に略60〔cm〕離間した所定位置Su及び胴差3から下方に略60〔cm〕離間した所定位置Sdにおける相隣る柱5,5…間に水平な補強材6u…,6d…を架設することにより胴差3と相隣る柱5,5…と補強材6u…,6d…による上下の矩形枠部F…を施工し、かつ各矩形枠部F…の中側に筋交い部7を施工するとともに、少なくとも矩形枠部F…の中側に所定の板材による中核壁Wmを施工するため、木造住宅における比較的地震に弱いとされる胴差3回りの強度を大幅に高めることができ、もって、木造住宅の耐震強度を飛躍的に高めることができる。
一方、残りの壁面Wも、図1に示すように、厚質板材B…による中核壁Wmを同様に施工し、必要により筋交い22…,23…を付設する。この場合、一階部分は強度が要求されるため、X形の筋交い22…を施工するとともに、二階部分は一階よりも強度が要求されないため、I形(一本)の筋交い23…を施工する。
他方、図6及び図7に示すように、中核壁面Wmの外側には防湿シート24を付設し、中核壁面Wmに対して外方の全面を覆う。なお、25…は、筋交い部7…,筋交い22…及び23…の無い位置に配した間柱である。この防湿シート24は、この外側に配した縦仕切材26…と間柱25…間に挟まれて固定される。そして、縦仕切材26…に外装材27…を付設して外装面4を構成する。このような構造により、外装面4と防湿シート24間に外側通気路28が形成され、外気Ao…は、図6に点線矢印で示した経路により流通する。なお、寒冷地においては、必要により中核壁面Wmと防湿シート24間に、断熱材を収容することもできる。
中核壁面Wmの内側(室内側)は、厚質板材B…の内面となる天然杉の木目が現れるため、そのまま内装面とすることができる。しかし、実施形態のように、必要により内装材31を付した内装面32を設けることもできる。内装面32を設ける際には、内側間柱33…を介設するとともに、内側間柱33…に対して交差するように横枠材34…を架設する。そして、この内側間柱33…と横枠材34…を利用して内装材31を付設する。また、内装材31の下部側と上部側には、それぞれ通気孔部35…を設け、これにより、内装面32と中核壁面Wm間に内側通気路36を形成する。したがって、室内空気Ai…は、図6に点線矢印で示した経路により流通する。
よって、このような壁Wを施行することにより、天然杉の特長である湿度の調整作用や木の香りの発散作用等を十分に得ることができるとともに、結露やカビの発生を回避できる。特に、天然杉は、前述したように、他の木材に比べ木繊維が粗いため、厚さLtを3〔cm〕となる比較的厚手に選定すれば、天然杉の内部に形成される粗い空気層は、湿度の高い湿った日には水分を吸収し、湿度の低い乾燥した日には水分を放出するため、十分な湿度調整効果を得れる。具体的には、6畳2面壁面により略5〔リットル〕程度の水分が吸収される。また、天然杉の内部に形成される粗い空気層により、発泡樹脂等の断熱材を用いなくても十分な断熱効果及び遮音効果を得ることができる。
さらに、天然杉(天然木材)の香りセドロールは、交感神経を抑制することにより、血圧,心拍数及び呼吸数を低下させ、体をリラックスさせる効果があると言われているが、本実施形態に係る住宅建築工法によれば、一定量以上の天然杉が用いられるため、このリラックス効果を十分に得ることができる。しかも、筋交い等の骨組部材が不要となり、施工の容易化,作業工数及び施工コストの低減、更には荷重に対する十分な強度を容易に確保できるとともに、合成接着剤を用いることなく施工可能になり、シックハウス症候群等の原因になる有害な化学物質の浮遊を回避できる。加えて、外装面4と中核壁面Wm間には、外気Aoが流通する外側通気路28を設けるとともに、中核壁面Wmの内側に内装面32を施工し、この内装面32と中核壁面Wm間に、室内空気Aiが流通する内側通気路36を設けたため、結露やカビの発生をより効果的に回避できる。
なお、屋根41を施行するに際しては、図2に示す厚質板材B…を使用した下側野地板42…を設置するとともに、下側野地板42…の上面であって、厚質板材B…の方向に対して直交する方向に、複数の垂木43…を一定間隔おきに設置する。下側野地板42…の構成は、前述した中核壁面Wmと基本的に同じになる。また、垂木43…の上には、上側野地板44…を設置する。このような屋根41の構造により、上側野地板44…と下側野地板42…間には、外気Ao…が流通する上側通気路45が形成されるため、結露やカビの発生をより効果的に回避できる。なお、図6中、46は、下側野地板42…に形成した通気孔であり、この通気孔46を介して外側通気路28と上側通気路45が連通する。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施形態は、二階建形式の住宅Hを例示したが、三階建形式の住宅にも同様に適用できる。また、筋交い部7…は、中核壁Wmの外面側及び内面側の双方に施工する場合を例示したが、いずれか一方であってもよい。
本発明の最良の実施形態に係る住宅建築工法により建造した住宅の主要部を示す正面図、 図1中一点鎖線円K部分の抽出拡大図、 図2中I−I線断面図、 同住宅建築工法に用いる厚質板材,土台及び胴差(補強材)の斜視図、 同住宅建築工法に用いる筋交い材及び支持材の斜視図、 同住宅建築工法により施工した主要部以外の他の壁構造の縦断面図、 図6中J−J線端面図、
符号の説明
3:胴差,5…:柱,6u…:補強材,6d…:補強材,7…:筋交い部,7p:筋交い材,7qa:筋交い材,7qb:筋交い材,11:支持材,12v:支持材,12h:支持材,W:壁,Wm:中核壁,Su:所定位置,Sd:所定位置,F…:矩形枠部,B…:厚質板材

Claims (1)

  1. 胴差の下方及び上方に壁を施工する際における住宅建築工法において、前記胴差から上方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置及び前記胴差から下方に略40〜80〔cm〕離間した所定位置における相隣る柱間に、水平な補強材を架設することにより前記胴差と前記相隣る柱と前記補強材による上下の矩形枠部を施工し、かつ少なくとも前記矩形枠部の中側に、天然杉を使用し、かつ厚さを略2〜4〔cm〕に選定した厚質板材による中核壁を施工するとともに、各矩形枠部の中側であって前記中核壁の外面側及び内面側のいずれか一方又は双方に、当該矩形枠部における一対の対角線上に所定の筋交い材によりX形に構成する筋交い部を施工し、前記筋交い部と前記胴差間,前記筋交い部と筋交い部間に、支持材を介装するとともに、前記筋交い部と前記支持材間に、支持材を介装することを特徴とする住宅建築工法。
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