JP4035452B2 - 壁構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーのために、住宅の高断熱化・高気密化が図られている。そのため、例えば、住宅の壁構造は、屋外側から屋内側に外壁、外装下地材、繊維系断熱材や発泡系断熱材等の断熱材、内装下地材、内装仕上げ材が順に並んで形成されたものとなっている。
【0003】
しかし、住宅の高断熱化・高気密化に伴い、壁の内部で結露が生じるおそれが生じた。つまり、外装下地材と内装材との間に温度差が生じることにより、室内から壁内へ侵入した湿気が凝結するのである。そこで、室内の湿気が壁内に侵入することを防ぐために、壁には防湿性を有する防湿気密層が設けられた(例えば、非特許文献1)。一般的に、防湿気密層は、内装下地材の屋外側の面に設けられることが多い。それにより、室内の湿気が壁内へ侵入することを防ぎ、壁内で結露が発生することを防止している。
【0004】
【非特許文献1】
「平成13年度版木造住宅工事共通仕様書(解説付)」,財団法人住
宅金融普及協会,p.92−102,106
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この防湿気密層を設けるための施工の精度は施工業者間で個人差があり、これは結露防止の観点から好ましくない。
【0006】
また、従来から、壁の耐力を向上させるために、柱等の間に筋交いが設けられたり、柱等に面材が張られているが、関西・淡路大震災の発生以降、住宅の強度に関する要求がさらに高まり、壁の耐力のさらなる向上が求められている。
【0007】
また、壁に十分な断熱性を付与するために、壁に用いられる繊維系断熱材や発泡系断熱材等の断熱材は、例えば50〜100mm程度の厚さを有している。しかし、そのような厚さがあっても、壁の耐力の向上に寄与することはできなかった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防湿気密層を設けることなく内部での結露を防止するとともに、耐力を向上させる壁構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る壁構造は、屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなる断熱材を備えたものである。
【0010】
これにより、断熱材が透湿抵抗が小さいインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材を介して屋外に排出することができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部の結露を防止することができる。
【0011】
また、断熱材が調湿性を有するインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材内に蓄えることができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部での結露を防止することができる。
【0012】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、断熱材としてグラスウールや発泡系断熱材を用いる場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0013】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、上記断熱材と同程度の積層方向の厚さを有する断熱材を1つのインシュレーションファイバーボードで形成した場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0014】
本発明に係る壁構造は、枠部と、該枠部内に配され、屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードとからなる断熱材を備えたものである。
【0015】
これにより、断熱材が透湿抵抗が小さいインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材を介して屋外に排出することができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部の結露を防止することができる。
【0016】
また、断熱材が調湿性を有するインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材内に蓄えることができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部での結露を防止することができる。
【0017】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、断熱材としてグラスウールや発泡系断熱材を用いる場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0018】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、上記断熱材と同程度の積層方向の厚さを有する断熱材を1つのインシュレーションファイバーボードで形成した場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る壁構造は、枠部と、該枠部内に充填された木質繊維と、該木質繊維の屋外側の面と屋内側の面とに配されたインシュレーションファイバーボードとからなる断熱材を備えたものである。
【0020】
これにより、断熱材が透湿抵抗が小さい木質繊維及びインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材を介して屋外に排出することができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部の結露を防止することができる。
【0021】
また、断熱材が調湿性を有する木質繊維及びインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材内に蓄えることができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部での結露を防止することができる。
【0022】
また、断熱材が、木質繊維の屋外側の面と屋内側の面とに設けられたインシュレーションファイバーボードを有しているため、断熱材としてグラスウールや発泡系断熱材を用いる場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る壁構造は更に、上記断熱材の屋外側の面に設けられた屋外側固定部材と、上記断熱材の屋内側の面に設けられた屋内側固定部材とを備えたものである。
【0024】
これにより、屋外側固定部材及び屋内側固定部材で断熱材を挟むことにより、断熱材を固定することができる。
【0025】
本発明に係る壁構造は更に、上記屋外側固定部材が、上記インシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有する外装下地材によって構成されているものである。
【0026】
これにより、屋外側固定部材がインシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有する外装下地材によって構成されているため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材及び外装下地材を介して屋外に確実に排出することができる。したがって、本発明によれば、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部の結露をより確実に防止することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、断熱材が透湿抵抗が小さいインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材を介して屋外に排出することができる。したがって、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部の結露を防止することができる。
【0028】
また、断熱材が調湿性を有するインシュレーションファイバーボードからなるため、壁構造の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材内に蓄えることができる。したがって、防湿気密層を設けることなく、壁構造の内部での結露を防止することができる。
【0029】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、断熱材としてグラスウールや発泡系断熱材を用いる場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0030】
また、断熱材が屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなるため、上記断熱材と同程度の積層方向の厚さを有する断熱材を1つのインシュレーションファイバーボードで形成した場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1に示すように、住宅等の建物の壁構造1は、室外(屋外)側から室内(屋内)側に外壁3、外装下地材5、断熱材7、及び内装材9が順に並んで形成されている。
【0033】
外壁3は、例えば、窯業系サイディング等で形成されている。サイディングとは、建物の外壁に用いられる耐水性及び耐天候性に富む板である。外壁3が窯業系サイディングで形成されている場合、外壁3は12mm以上であることが好ましい。なお、外壁3の材料は、窯業系サイディングと同様の機能を有するものであれば、窯業系サイディング以外の如何なるものであってもよい。
【0034】
外壁3と外装下地材5との間には、通気層11が形成されている。通気層11は、外壁3の室内側の面と外装下地材5の屋外側の面との間に胴縁や通気用金物等を介することにより形成される。通気層11は、外装下地材5等を通過した湿気を屋外に排出するためのものである。通気層11はその幅が10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。
【0035】
外装下地材5は、柱27・門柱等の縦軸材(図3参照)と土台13・梁15・桁等の横架材とからなる軸組材12の屋外側の面に固定されている。外装下地材5は、透湿防水シート(例えば、デュポン(株)製、製品名タイベックシート)、インシュレーションファイバーボード、インシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有するもの等で形成されている。なお、本発明に係る屋外側固定部材は外装下地材5に対応する。
【0036】
外装下地材5が透湿防水シートのみで形成されている場合、断熱材7が膨らむことにより通気層11がつぶれてしまうおそれがある。そこで、強度を有する面材を更に設けることにより、通気層11がつぶれることを防止することができる。
【0037】
外装下地材5が透湿防水シート、インシュレーションファイバーボード(10mm以上)、インシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有するもので形成されている場合、壁1内に侵入した湿気を屋外に排出しやすくなり、壁1内での結露を防止することができる。
【0038】
なお、外装下地材5は、筋交いを用いた壁構造1にも適用することができる。
【0039】
断熱材7は直方体状に形成され、軸組材12の中空部12aに挿入されている。断熱材7は外壁3及び内装材9の間の熱の伝導を遮断するものである。
【0040】
断熱材7は複数枚のインシュレーションファイバーボード(IB)7aを重ね合わせたものによって形成されている。言い換えれば、断熱材7は室外から室内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードによって形成されている。本実施形態では、断熱材7が9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものによって形成されている。
【0041】
断熱材7に用いられるインシュレーションファイバーボード7aは、JIS A 5905で規定されているもののうち、インシュレーションファイバーボードに区分されたものである。インシュレーションファイバーボードは、繊維状の木材にバインダー等を添加したものを絡み合わせて、マット状に成形したものである。このようなインシュレーションファイバーボードとしては、例えば、タタミボード(例えば、大建工業(株)製、製品名ダイケンタタミボードSS・製品名軽量タタミボード・製品名活性炭入りボードSX)、A級インシュレーションボード(例えば、大建工業(株)製、製品名アセダスR)、シージングボード(例えば、大建工業(株)製、製品名シージングボードIC・製品名アセダスD)などが挙げられる。
【0042】
インシュレーションファイバーボード7aは高い透湿機能と高い調湿(蓄湿)機能とを有する。表1は、主な壁1構成材料の透湿抵抗の値を示したものである。
【0043】
【表1】
Figure 0004035452
【0044】
表1から明らかなように、インシュレーションファイバーボード7aは、合板・防湿層付グラスウール・防湿材・発泡系断熱材などに比べて、透湿抵抗の値が小さい。
【0045】
断熱材7に用いられるインシュレーションファイバーボード7aは、その厚さが9mm、10mm、12mm、15mm、18mm、20mm等のいずれであってもよい。本実施形態では、20mmのインシュレーションファイバーボード7aが用いられている。
【0046】
断熱材7の積層方向の厚さは40mm以上である。また、断熱材7の積層方向の厚さは100mm以上であることがより好ましい。断熱材7の積層方向の厚さは、以下の方法により決定されている。
【0047】
表2は、主な断熱材の断熱性能(熱抵抗値)を示したものである。
【0048】
【表2】
Figure 0004035452
【0049】
表2から明らかなように、タタミボード・A級インシュレーションボード・シージングボードを重ね合わせることにより断熱材7を形成している場合、その厚さが40〜65mmのときに、新省エネルギー基準(IV地域)を満たす。具体的には、その厚さが40〜65mmのときに、断熱材7の熱抵抗値が0.8〜1.2m2・K/Wとなる。また、その厚さが100〜115mmのときに、次世代エネルギー基準(IV地域)を満たす。具体的には、その厚さが100〜115mmのときに、断熱材7の熱抵抗値が2.2m2・K/Wとなる。このように、タタミボード・A級インシュレーションボード・シージングボードを重ね合わせることにより断熱材7を形成している場合、その厚さが40mm以上であれば、断熱材7は高性能グラスウール16Kや押出法ポリスチレンフォーム3種等の他の断熱材と同様の熱抵抗値を有することになる。なお、「新省エネルギー基準」とは、「住宅の省エネルギー基準」 を平成4年に改定したものである。「次世代省エネルギー基準」とは、平成11年に建設省・通商産業省から告示されたものである。「IV地域」とは、東京都・千葉県等を含む地域である。
断熱材7を構成している9枚のインシュレーションファイバーボード7aは、互いに接着剤・両面テープ等で貼り合わされている。なお、断熱材7が透湿性を失わないように、各インシュレーションファイバーボード7aは、他のインシュレーションファイバーボード7aと対向する面の一部分に接着剤・両面テープ等等を塗布・貼付等している。各インシュレーションファイバーボード7aをそれぞれ貼り合わせるために用いられる接着剤・両面テープとしては、ゴム系・アクリル系・シリコン系・ブチル系・アスファルト系の接着剤・両面テープ等が挙げられる。接着剤の樹脂としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、アクリル酸エステル、スチレンアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル等が挙げられる。接着剤の粘着付与材としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂等が挙げられる。
【0050】
なお、各インシュレーションファイバーボード7aは接着剤・両面テープ等によって貼り合わされていなくてもよい。このとき、何らかの手段で、各インシュレーションファイバーボード7aの間に隙間が生じないように断熱材7を軸組材12の中空部12aに固定する必要がある。
【0051】
図1に示すように、断熱材7と内装材9との間には、水平方向に延びる複数の横胴縁17が設けられている。横胴縁17は柱27等の縦軸材の室内側の面に釘等で固定されている。横胴縁17は、例えば、その断面が15×45mm以上のものである。横胴縁17は、例えば、互いに300mmの間隔をあけて縦軸材に取り付けられている。本発明に係る屋内側固定部材は横胴縁17に対応する。
【0052】
なお、断熱材7は、外装下地材5及び横胴縁17で挟み込むことにより、軸組材12の中空部12aに固定されている。
【0053】
内装材9は天井部19と床部21との間に設けられ、横胴縁17の室内側の面に固定されている。内装材9は、石膏ボード、珪酸カルシウム板等によって形成されている。内装材9が石膏ボードによって形成されている場合、石膏ボードはその厚さが9mm以上であることが好ましい。また、内装材9は、調湿性(吸放湿性)を有する内装下地材の室内側の表面にクロスを施したもの(例えば、大建工業(株)製、製品名エアスマイル)によって形成されてもよい。さらに、内装材9は、吸放湿性(調湿性)を有する内装下地材の室内側の表面に透湿塗装を施したもの(例えば、大建工業(株)製、製品名アートスマイル)や、呼吸建材(例えば、(株)INAX製、製品名エコカラット)などによって形成されてもよい。
【0054】
本実施形態によれば、断熱材7が透湿抵抗が小さいインシュレーションファイバーボード7aによって形成されているため、壁構造1の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材7及びインシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有する外装下地材5を介して屋外に確実に排出することができる。したがって、防湿気密層を設けることなく、壁構造1の内部の結露を確実に防止することができる。
【0055】
また、断熱材7が調湿性を有するインシュレーションファイバーボード7aによって形成されているため、壁構造1の内部に湿気が侵入したとしても、その湿気を断熱材7内に蓄えることができる。したがって、防湿気密層を設けることなく、壁構造1の内部の結露を防止することができる。
【0056】
また、断熱材7が9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものによって形成されているため、断熱材7としてグラスウールや発泡系断熱材を用いた場合と比較して、壁構造1の耐力を向上させることができる。例えば、建築基準法施工令第46条第3項及び建築省告示第1100号により定められた工法を用いて壁構造1を構成するとともに、断熱材7を9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものによって形成することにより、壁倍率が0.1〜1.0ポイント上昇する。
【0057】
また、断熱材7が9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものによって形成されているため、上記断熱材7と同程度の積層方向の厚さを有する断熱材を1枚のインシュレーションファイバーボードで形成した場合と比較して、壁構造の耐力を向上させることができる。
【0058】
また、断熱材7を9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものによって形成することにより壁構造1の耐力が向上するため、面材・筋交い等を設けることなく、壁構造1の耐力を向上させることができる。
【0059】
また、外装下地材5及び横胴縁17で断熱材7を挟むことにより、断熱材7を軸組材12の中空部12aに固定することができる。
【0060】
また、断熱材7が発泡系断熱材より安価なインシュレーションファイバーボード7aによって形成されているため、壁構造1の製造コストの低減を図ることができる。
【0061】
また、断熱材7がインシュレーションファイバーボード7aによって形成されているため、廃棄等の際に断熱材7を燃やしても、ダイオキシン等の有害ガスが発生しにくい。
【0062】
また、断熱材7がインシュレーションファイバーボード7aによって形成されているため、断熱材7をファイバーボード等の原料として再利用することができる。
【0063】
(実施形態2)
図2に示すように、外壁3と断熱材7との間には、水平方向に延びる複数の横胴縁23が設けられている。横胴縁23は柱27等の縦軸材の屋外側の面に釘等で固定されている。横胴縁23は、例えば、その断面が15×45mm以上のものである。横胴縁23は、例えば、互いに300mmの間隔をあけて縦軸材に取り付けられている。なお、本発明に係る屋外側固定部材は横胴縁23に対応する。
【0064】
外壁3と断熱材7との間には、通気層11が形成されている。
【0065】
なお、本実施形態に係る壁構造1には、外装下地材5が設けられていない。
【0066】
断熱材7は、横胴縁17及び横胴縁23で挟み込むことにより、軸組材12の中空部12aに固定されている。
【0067】
その他の点に関しては、実施形態1の壁構造1とほぼ同様である。
【0068】
(実施形態3)
図3に示すように、外壁3と断熱材7との間には、鉛直方向に延びる複数の縦胴縁25が設けられている。縦胴縁25は、柱27等の縦軸材と断熱材7とに跨るように、縦軸材及び断熱材7に固定されている。縦胴縁25は、例えば、その断面が15×100mm以上のものである。なお、本発明に係る屋外側固定部材は縦胴縁25に対応する。
【0069】
断熱材7は、8枚のインシュレーションファイバーボード7aによって形成されている。
【0070】
断熱材7は、横胴縁17及び縦胴縁25で挟み込むことにより、軸組材12の中空部12aに固定されている。
【0071】
その他の点に関しては、実施形態2の壁構造1とほぼ同様である。
【0072】
(実施形態4)
図4及び図5に示すように、本実施形態に係る断熱材7は、9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたもの(図6参照)を枠7b内に挿入したパネルにより構成されている。その他の点に関しては、実施形態1の壁構造1とほぼ同様である。
【0073】
図7に示すように、枠7bは中空直方体状に形成されている。枠7bは熱抵抗が大きく(熱伝導率の小さく)、且つ、所定以上の強度を有するもの、例えば、木材・発泡樹脂等で形成されている。なお、枠7bは、壁構造1の断熱性の観点から、金属等の熱抵抗の小さい(熱伝導率の大きい)ものによって形成してはならない。
【0074】
また、枠7bが大きすぎると壁1の熱抵抗が低下するため、住宅の断熱性が低下する。したがって、枠7bを構成している板の厚さは100mm以下であることが好ましい。本実施形態では、枠7bを構成している板は、例えば、その厚さが50mmのものである。
【0075】
図4に示すように、9枚のインシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものは、枠7b内に接着剤等で固定されている。
【0076】
なお、本実施形態では、図5に示すように、断熱材7が外装下地材5及び横胴縁17で挟み込まれているが、実施形態2のように断熱材7が横胴縁17及び横胴縁23で挟み込まれてもよく、実施形態3のように横胴縁17及び縦胴縁25で挟み込まれてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、図7に示すように、枠7bが中空直方体状に形成されているが、図8に示すように、枠7b内に鉛直方向に延びる長方形状の板7cをさらに設けたものであってもよい。このとき、枠7bの形状に合わせて、インシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものの形状も変更する。
【0078】
(実施形態5)
図9に示すように、本実施形態に係る断熱材7は、2枚のインシュレーションファイバーボード7aを枠7bの両面に各々貼り合わせ、内部の空間に木質繊維7dを充填することにより構成されている。その他の点に関しては、実施形態4の壁構造1とほぼ同様である。
【0079】
木質繊維7dは、インシュレーションファイバーボードの主原料である木質繊維を粉体のまま用いるものであるが、セルロースファイバー等の吸放湿性を有する繊維状物で代用することもできる。
【0080】
(実施形態6)
図10〜図12に示すように、本実施形態の軸組材12の内周面の室内側には、受材31が設けられている。その他の点に関しては、実施形態1の壁構造1とほぼ同様である。
【0081】
受材31は、例えば、その断面が20mm×20mm〜80mm×80mm程度のものである。
【0082】
インシュレーションファイバーボード7aを重ね合わせたものを軸組材12の中空部12aに固定することができる限り、受材31は軸組材12の内周面のいずれの部分に設けてもよい。例えば、図10に示すように、軸組材12の内周面の水平部分(土台13・梁15等の横架材の内周面)のみ、軸組材12の内周面の鉛直部分(柱27等の縦軸材の内周面)のみ、あるいは軸組材12の内周面の全体に、受材31を設けることが考えられる。
【0083】
受材31は軸組材12の内周面に釘等で固定されている。
【0084】
断熱材7は、6枚のインシュレーションファイバーボード7aによって形成されている(図11及び図12参照)。
【0085】
本実施形態では、インシュレーションファイバーボード7aの寸法(幅・高さの寸法)は、中空部12aの寸法より1〜5mm程度大きい。ここで、インシュレーションファイバーボード7aは弾性を有するため、インシュレーションファイバーボード7aの固定時にインシュレーションファイバーボード7aを押さえ付けること等により、インシュレーションファイバーボード7aを軸組材12の中空部12aに隙間なく挿入することができる。
【0086】
断熱材7を軸組材12の中空部12aに固定する方法は、以下のようなものが挙げられる。
【0087】
断熱材7を受材31に当たるまで軸組材12の中空部12aに挿入した後、断熱材7を受材31に対して押さえ付けることにより、断熱材7を軸組材12の中空部12aに固定する。
【0088】
また、断熱材7を受材31に当たるまで中空部12aに挿入した後、断熱材7を金物で柱27に固定することにより、断熱材7を中空部12aに固定してもよい。
【0089】
また、図11に示すように、断熱材7を受材31に当たるまで中空部12aに挿入し、外装下地材5を軸組材12の屋外側の面に固定した後、外装下地材5の屋外側の面から釘33等を受材31に打ち込むことにより、断熱材7を中空部12aに固定してもよい。
【0090】
また、図12に示すように、断熱材7を受材31に当たるまで中空部12aに挿入し、釘33等を断熱材7を介して受材31に打ち込んだ後、外装下地材5を軸組材12の屋外側の面に固定することにより、断熱材7を中空部12aに固定してもよい。
【0091】
また、図12に示すように、断熱材7を受材31に当たるまで中空部12aに挿入し、梁15等の横架材及び断熱材7に跨る固定具35を横架材及び断熱材7に打ち込んだ後、外装下地材5を軸組材12の屋外側の面に固定することにより、断熱材7を中空部12aに固定してもよい。図12及び図13に示すように、固定具35は長方形状の板と、2本の釘等によって構成されている。板の上部及び下部にはそれぞれ貫通孔が形成され、その貫通孔にそれぞれ釘が通されている。
【0092】
なお、外装下地材5を設けない場合には、実施形態2のように横胴縁23を柱27等の縦軸材に固定することにより、あるいは、実施形態3のように縦胴縁25を柱27等の縦軸材と断熱材7とに跨るように固定することにより、断熱材7を軸組材12の中空部12aに固定することもできる。
【0093】
(実施形態7)
図16に示すように、本実施形態に係る壁構造1は、柱27,27間に間柱28が設けられ、断熱材7が柱27と間柱28との間の中空部12aに挿入されたものである。その他の点に関しては、実施形態1の壁構造1とほぼ同様である。
【0094】
断熱材7は、9枚のインシュレーションファイバーボード7aによって形成されている。
【0095】
断熱材7は、以下の方法により軸組材12の中空部12aに固定されている。まず、断熱材7を中空部12aに挿入し、柱27及び断熱材7に跨る第1固定具35aを柱27及び断熱材7に打ち込み、且つ、断熱材7、間柱28、及び断熱材7に跨る第2固定具35bを断熱材7、間柱28、及び断熱材7に打ち込む。その後、外装下地材5を軸組材12の屋外側の面に固定する。
【0096】
第1固定具35aは長方形状の板と、2本の釘等によって構成されている。板の上部及び下部にはそれぞれ貫通孔が形成され、その貫通孔にそれぞれ釘が通されている。
【0097】
第2固定具35bは長方形状の板と、3本の釘等によって構成されている。板の上部、中部及び下部にはそれぞれ貫通孔が形成され、その貫通孔にそれぞれ釘が通されている。
【0098】
本実施形態では、インシュレーションファイバーボード7aの寸法は中空部12aの寸法より1〜5mm程度大きい。ここで、インシュレーションファイバーボード7aは弾性を有するため、インシュレーションファイバーボード7aの固定時にインシュレーションファイバーボード7aを押さえ付けることにより、インシュレーションファイバーボード7aを軸組材12の中空部12aに隙間なく挿入することができる。
【0099】
(実施形態8)
図14に示すように、柱27の内周面の屋外側には、鉛直方向に延びる切り欠き部27aが形成されている。その他の点に関しては、実施形態3の壁構造1とほぼ同様である。
【0100】
切り欠き部27aは、例えば、その幅が10〜30mmのものである。また、柱27の内周面の屋外側に切り欠き部27aを形成したことにより、柱27の内周面の屋内側には段差部27bが生じている。
【0101】
断熱材7は、7枚のインシュレーションファイバーボード7aによって形成されている。
【0102】
断熱材7は、切り欠き部27a,27aの間に挿入されている。
【0103】
断熱材7は、縦胴縁25及び段差部27bで挟み込むことにより、軸組材12の中空部12aに固定されている。
【0104】
(実施形態9)
図15に示すように、本実施形態に係る壁構造1は、柱27が室内に剥き出しになった真壁で構成されている。
【0105】
柱27の内周面には、鉛直方向に延びる受材31が設けられている。受材31は、例えば、その断面が20mm×20mm〜80mm×80mmのものである。
【0106】
内装材9は柱27,27間に設けられ、受材31に固定されている。
【0107】
断熱材7は、外装下地材5及び内装材9で挟み込むことにより、軸組材12の中空部12aに固定されている。
【0108】
なお、本実施形態に係る壁構造1には外装下地材5が設けられているが、外装下地材を設けなくてもよい。このとき、外装下地材5の代わりに、横胴縁17又は縦胴縁25が設けられる。そして、横胴縁17が設けられたとき、断熱材7は横胴縁17及び内装材9で挟み込まれる。また、縦胴縁25が設けられたとき、断熱材7は縦胴縁25及び内装材9で挟み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る壁構造の縦断面図である。
【図2】実施形態に係る壁構造の縦断面図である。
【図3】実施形態に係る壁構造の横断面図である。
【図4】実施形態に係るパネルの斜視図である。
【図5】実施形態に係る壁構造の縦断面図である。
【図6】実施形態に係るインシュレーションファイバーボードの斜視図である。
【図7】実施形態に係る枠の斜視図である。
【図8】枠の変形例の斜視図である。
【図9】実施形態に係るパネルの斜視図である。
【図10】実施形態に係る梁・土台・柱の正面図である。
【図11】実施形態に係る壁構造の縦断面図である。
【図12】実施形態に係る壁構造の縦断面図である。
【図13】実施形態に係る固定具の正面図である。
【図14】実施形態に係る壁構造の横断面図である。
【図15】実施形態に係る壁構造の横断面図である。
【図16】実施形態に係る壁構造の横断面図である。
【符号の説明】
1 壁構造
3 外壁
5 外装下地材(屋外側固定部材)
7 断熱材
11 通気層
13 土台
15 梁
27 柱

Claims (5)

  1. 屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードからなる断熱材を備えた壁構造。
  2. 枠部と、該枠部内に配され、屋外から屋内に向かう方向に積層された複数のインシュレーションファイバーボードとからなる断熱材を備えた壁構造。
  3. 枠部と、該枠部内に充填された木質繊維と、該木質繊維の屋外側の面と屋内側の面とに配されたインシュレーションファイバーボードとからなる断熱材を備えた壁構造。
  4. 上記断熱材の屋外側の面に設けられた屋外側固定部材と、上記断熱材の屋内側の面に設けられた屋内側固定部材とを備えた請求項1〜3のいずれか1つに記載の壁構造。
  5. 上記屋外側固定部材は、上記インシュレーションファイバーボードと同等以下の透湿抵抗を有する外装下地材によって構成されている請求項4記載の壁構造。
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