JP5600196B1 - 耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体並びにこれらの構造体を用いた外張り耐震断熱構造 - Google Patents

耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体並びにこれらの構造体を用いた外張り耐震断熱構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 木造建築物の新たな外張り耐震断熱構造を提供する。
【解決手段】 本発明の第1の態様においては、木造建築物の外張り耐震断熱構造を構築するために躯体の外面に取り付けられる耐震断熱パネル構造体を提供する。耐震断熱パネル構造体は、構造用面材と、構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された断熱層と、断熱層の構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された網状部材と、網状部材の断熱層と接する面とは反対側の面から、網状部材の少なくとも一部の周縁部が露出するように塗布された中塗層とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木造建築物の外張り耐震断熱構造に関し、より具体的には、木造建築物の躯体の外面に耐震断熱パネル構造体を取り付けるとともに、耐震断熱パネル構造体の間に断熱構造体を取り付けることによって構築される耐震断熱構造に関する。
構造用面材と断熱材とを有する断熱パネル構造体を、木造建築物の躯体の外面に取り付けて、外張り断熱構造を有する木造建築物を構築することは、従来知られている。例えば特許文献1は、図7に示されるように、浅木間に断熱材を介在させ、片面に板材を接合して形成された断熱パネル構造体を提案する。パネル構造体側端の浅木には、隣接するパネル構造体同士を連結するためのダボ孔を有する。板材と、浅木によって形成される枠体とは、板材の4つの側端部のうち隣接する2つの側端部が枠体から突出するようにずらして接合される。パネル構造体の施工時には、板材の突出辺が浅木の露出面に載置されるように組み合わされる。
また、断熱性だけでなく耐震性も備えた耐震断熱パネル構造体を、木造建築物の躯体の外面に取り付けて、外張り耐震断熱構造を有する木造建築物を構築することも、知られている。例えば特許文献2は、図8に示されるように、基材と被覆材とを接着して一体化させた耐震断熱パネル構造体を、対となる柱及び間柱、対となる横架材に固定具で取り付けた外張り外壁構造を提案する。基材は平板状の鋼板からなり、断熱層は基材の一方面の全域に配される。この技術においては、パネル構造体の面材として鋼板を用いることによって、耐震性を維持しながら、収縮による反りがないため耐久性に優れ、壁全体の気密性を向上させることができる。
実開昭57−139509号 特開平11−159032号
特許文献1に提案される断熱パネル構造体は、木造軸組構造に用いる場合には軸組の外面に取り付けられることになる。したがって、本来であれば不要な浅木が用いられていることになり、パネル構造体の重量が過大である。また、この断熱パネル構造体は、木製の浅木の部分が熱橋となり、夏期には室外から室内への熱流が、冬期には室内から室外への熱流が生じる。したがって、この断熱パネル構造体を用いた外張り断熱構造においては、室内の快適な熱環境の維持が困難となる。さらに、この断熱パネル構造体は、パネルの間の部分において塗装にひび割れが生じる場合があり、これが断熱性、耐久性の低下をもたらす恐れがある。さらに、この断熱パネル構造体は、耐震性を確保できる構造ではないため、木造建築物の耐震性維持は躯体側で実施しなければならない。
特許文献2に記載の耐震断熱パネル構造体は、基材が鋼板であるため、厚みがあれば耐震性の付加に寄与するものの、重量が増大して、コストが高くなり施工性が低下するし、逆にコスト及び施工性を考慮して薄くすると、耐震性の付加に寄与しない。また、この耐震断熱パネル構造体は、パネル間の隙間の部分において断熱性が低下するおそれがあるとともに、隙間上に位置する塗装にひび割れが生じる場合がある。さらに、この耐震断熱パネル構造体は、鋼板からなる基材が室内側に配置されるため、室内からの湿気(水蒸気)が室外に透過しない。したがって、特許文献2に記載のとおり断熱層と基材との間には結露が生じる可能性は低いものの、基材の室内側の面に結露が発生する恐れがある。さらに、室内側に鋼板が配設されるため、室内の音が反射されて室内にこもることになる。さらに、この耐震断熱パネル構造体の被覆材の外側には、外装仕上げ材の配設が必須であり、この外装仕上げ材は、これを支持する胴縁を介して施工する必要がある。したがって、このパネル構造体を用いた外張り耐震断熱構造の施工は、工数が多く、作業性が悪い。
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決した、木造建築物の新たな外張り耐震断熱構造を提供することである。本発明の別の目的は、木造建築物の新たな外張り耐震断熱構造を実現するための耐震断熱パネル構造体と、この耐震断熱パネル構造体間に配設される断熱構造体とを提供することである。
第1の態様においては、本発明は、木造建築物の外張り耐震断熱構造を構築するために躯体の外面に取り付けられる耐震断熱パネル構造体を提供する。耐震断熱パネル構造体は、構造用面材と、構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された断熱層と、断熱層の構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された網状部材と、網状部材の断熱層と接する面とは反対側の面から、網状部材の少なくとも一部の周縁部が露出するように塗布された中塗層とを備える。
一実施形態においては、耐震断熱パネル構造体は、構造用面材と断熱層との間に、透湿防水層が設けられていてもよい。一実施形態においては、構造用面材の少なくとも一部の端部には、構造用面材を躯体に固定するのに用いられる固定部材が挿入される複数の挿入孔が設けられることが好ましい。一実施形態においては、耐震断熱パネル構造体は、中塗層の透湿抵抗が断熱層の透湿抵抗より小さくなるように設計されることが好ましい。
第2の態様においては、本発明は、木造建築物の外張り耐震断熱構造を構築するために木造建築物の躯体の外面に取り付けられた耐震断熱パネル構造体に隣接して取り付けられる断熱構造体を提供する。断熱構造体は、断熱層と、断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された網状部材と、網状部材の断熱層と接する面とは反対側の面から、網状部材と断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された中塗層とを備える。
第3の態様においては、本発明は、木造建築物の外張り耐震断熱構造を提供する。外張り耐震断熱構造は、複数の耐震断熱パネル構造体と複数の断熱構造体とを備える。複数の耐震断熱パネル構造体の各々は、構造用面材と、構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第1の断熱層と、第1の断熱層の構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された第1の網状部材と、第1の網状部材の第1の断熱層と接する面とは反対側の面から、第1の網状部材の周縁部が露出するように塗布された第1の中塗層とを備え、構造用面材の少なくとも一部の端部が、一方の面の反対側の面が木造建築物の躯体に接するように該躯体に固定されている。複数の断熱構造体の各々は、さらに、第2の断熱層と、第2の断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第2の網状部材と、第2の網状部材の第2の断熱層と接する面とは反対側の面から、第2の網状部材と第2の断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された第2の中塗層とを備え、複数の耐震断熱パネル構造体の1つ又は複数に隣接して、構造用面材の端部上の空間に取り付けられている。外張り耐震断熱構造は、これらの耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体の上に塗布された仕上層をさらに備えることができる。
一実施形態においては、複数の耐震断熱パネル構造体の各々は、構造用面材と第1の断熱層との間に透湿防水層が設けられていてもよい。第1の網状部材の露出した周縁部には、第2の網状部材の突出した少なくとも一部の端部を重ねることが好ましい。
第4の態様においては、木造建築物の外張り耐震断熱工法を提供する。木造建築物の外張り耐震断熱工法は、複数の耐震断熱パネル構造体と複数の断熱構造体とを準備する工程を含む。複数の耐震断熱パネル構造体の各々は、構造用面材と、構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第1の断熱層と、第1の断熱層の構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された第1の網状部材と、第1の網状部材の第1の断熱層と接する面とは反対側の面から、第1の網状部材の周縁部が露出するように塗布された第1の中塗層とを備える。複数の断熱構造体の各々は、第2の断熱層と、第2の断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第2の網状部材と、第2の網状部材の第2の断熱層と接する面とは反対側の面から、第2の網状部材と第2の断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された第2の中塗層とを備える。
外張り耐震断熱工法は、さらに、複数の耐震断熱パネル構造体を躯体に固定する工程を含み、この工程では、構造用面材の少なくとも一部の端部を、一方の面の反対側の面が木造建築物の躯体に接するように該躯体に固定する。外張り耐震断熱工法は、さらに、複数の断熱構造体を取り付ける工程を含み、この工程では、複数の断熱構造体の各々を、複数の耐震断熱パネル構造体の1つ又は複数に隣接して、構造用面材の少なくとも一部の端部上の空間に取り付ける。外張り耐震断熱工法は、さらに、複数の耐震断熱パネル構造体及び複数の断熱構造体の上に仕上層を塗布する工程を含む。
本発明によれば、予め工場内で生産された均一な品質の耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体を木造建築物の躯体に取り付けるだけで、躯体に筋交いを配することなく、耐震性、断熱性及び透湿性が付与された建築物を容易に構築することができる。耐震断熱パネル構造体は、構造用面材の端部を躯体に直接固定するため、確実かつ容易に躯体に取り付けることができる。本発明を既存の木造建築物に適用した場合には、耐震性が要求される前の既存の建築物の外壁を、建築物を解体することなく構造躯体のみを残して取り壊し、耐震性、断熱性及び透湿性が付与された建築物に改修することができる。
本発明に係る耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体を取り付けた木造建築物は、躯体外面に連続して断熱層を配設することができ、熱橋が存在しないため、断熱性に優れており、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内熱環境を創出することができる。断熱層の境界部分では網状部材が重なって配置されるため、塗装のひび割れを防止することができる。また、重なった網状部材によって断熱層間の隙間に空気が閉じ込められるため、隙間が空気層を有する閉鎖空間となり、隙間部分における断熱効果の低下がない。また、本発明に係る耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体を取り付けた木造建築物は、室内側の構造用面材と室外側の継ぎ目のない断熱層とによって、気密性、遮音性、断熱性に優れた室内環境を実現することができる。耐震断熱パネル構造体は、構造用面材として軽量な素材を用いているとともに、躯体の柱、土台及び胴差間の距離に対応した大きさであるため、取り扱い性及び取り付け性に優れる。
本発明によれば、断熱層の室外側に、透湿抵抗が断熱層より小さい中塗層が配置された耐震断熱パネル構造体を用いているため、室内の湿気を自然に排出することができ、室内を適切な湿度環境に維持することができる。また、構造体内の結露を防止することができるため、カビの発生や木材の腐食を防ぎ、木造建築物を健康的に高寿命化することができる。また,透湿防水層を構造用面材に積層した場合には、切れ目のない透湿防水層を形成することができ、構造用面材への含水を少なくして、建築物の長寿命化が可能となる。
本発明の一実施形態による耐震断熱パネル構造体((A)及び(B))と、それを間柱に取り付けた状態(C)とを示す図である。 本発明の一実施形態よる断熱構造体を示す図である。 耐震断熱パネル構造体及び断熱構造体を木造建築物の躯体外面に取り付けた状態の一例を示す図である。 耐震断熱パネル構造体と断熱構造体とを柱に取り付ける際の施工方法を示す図である。 出隅における外張り耐震断熱構造を示す図である。 開口部における外張り耐震断熱構造を示す図である。 特許文献1に記載の従来技術を説明するための図である。 特許文献2に記載の従来技術を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
本発明は、木造建築物の外壁に耐震性及び断熱性を付与するとともに、さらに透湿性も付与することができる、外張り耐震断熱構造を実現するものである。本発明は、新築の木造建築物だけでなく、既存の木造建築物の増改築や改修にも適用可能である。本発明を用いることによって、耐震性が要求される前の既存の建築物の外壁を、建築物を解体することなく、構造躯体のみを残して取り壊した後、耐震性、断熱性及び透湿性を付与して改修することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る耐震断熱パネル構造体1(図1(A)及び図1(B))と、それを柱62に取り付けた状態の詳細(図1(C))とを示す。図2は、本発明の一実施形態に係る断熱構造体2を示す。本発明は、木造建築物の躯体の外面に、耐震断熱パネル構造体1と断熱構造体2とを取り付けることによって、木造建築物における外張り耐震断熱構造を実現するものである。
[耐震断熱パネル構造体]
本発明の一実施形態に係る耐震断熱パネル構造体1は、図1(A)及び(B)に示されるように、構造用面材10と、断熱層(第1の断熱層)12と、網状部材(第1の網状部材)14と、とが、この順で積層され、さらにその上から中塗層(第1の中塗層)16が塗布されて構成される。各部材の主面(すなわち、部材の各々の面のうち面積が最大の面)の面積は、構造用面材10、断熱層12及び網状部材14、中塗層16の順に大きい。耐震断熱パネル構造体1の形状は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、取り付けられる箇所の形状に応じた形状とすることができる。短辺の長さ(w1)、長辺の長さ(h1)及び厚さ(d1)は、取り付けられる箇所に応じて適宜設計することができ、一実施形態においては、例えば、短辺の長さ(w1)は910mm、長辺の長さ(h1)は3,030mm、厚さ(d1)は50mmとすることができる。耐震断熱パネル構造体1の短辺及び長辺の長さは、要するに、それぞれ構造用面材10の短辺及び長辺の長さである。
断熱層12は、構造用面材10の一方の面11の上に、該一方の面11の周縁部を露出させることによって、構造用面材10の端部11a〜11dの少なくとも一部が突出した状態となるように積層される。図1においては、端部がすべて突出するように描かれているが、この形態に限定されるものではなく、端部のいずれか一部、例えば端部11aのみや、端部11aのさらに一部のみが突出するようにする場合もある。構造用面材10と断熱層12とは、例えば接着剤を用いて接合することができる。端部11a〜11dは、木造建築物の躯体に固定される箇所であり、端部11a〜11dの突出長(すなわち、長辺又は短辺と直交する方向の長さ)は、固定される箇所に合わせて適宜設計することができ、すべての端部11a〜11dの突出長を同じ長さとすることも、それぞれ別個に異なる長さとすることもできる。一実施形態においては、耐震断熱パネル構造体1の長辺部分の端部すなわち端部11a及び11bの突出長は、50mmであり、短辺部分の端部すなわち端部11c及び11dの突出長(すなわち、短辺と直交する方向の長さ)は、100mmすることができる。端部11a〜11dには、耐震断熱パネル構造体1を躯体に固定するための第1の固定部材18(例えば、JIS A5508に適合する釘)を通す複数の孔10aを予め設けておいてもよい。孔10aを予め設けておかずに、第1の固定部材18を躯体への取り付け時に直接打ち込みしてもよい。一実施形態においては、孔10aの間隔(又は、第1の固定部材18の間隔)は、100mmとすることが好ましい。
本発明に係る耐震断熱パネル構造体1においては、構造用面材10は、所定の規格寸法を有し、耐力壁としての強度、耐衝撃性及び寸法安定性と透湿性とを備えたものであればよい。透湿性を有する構造用面材10を用いることによって、室内の水蒸気が室外に排出されるため、結露を防ぎ、カビの発生や躯体の腐食を防止することができる。構造用面材10は、例えば、硅砂、消石灰、パルプを水に分散させて紙を漉く要領で層状に成形し、オートクレーブ養生によって発生するカルシウムと化合して生ずる硅酸カルシウムの基材に、バーミキュライト(Va)を加えた、軽量(例えば、13.2kg/m)かつ高強度(100kgf/cm)のケイ酸カルシウム板とすることができる。これ以外に、構造用面材10として、一般的に用いられる市販の材料、例えば、構造用合板、構造用パネル、両面ガラス繊維混入フェノール樹脂板、火山性ガラス質複層板などを用いることができる。
本発明の一実施形態においては、構造用面材10として、例えば三菱マテリアル建材株式会社製のモイスTM(商標)を用いることができる。モイスTMは、ケイ酸カルシウムの基材に天然の粘土鉱物であるバーミキュライトを加えて構成された肉厚9.5mmの天然建材である。モイスTMを幅910mm、長さ3,030mmの構造用面材10として利用し、長さ50mmの釘(JIS A5508)を用いて、外周を100mm間隔、中通を200mm間隔で釘止めすると、壁倍率が2.7となり、耐震性に優れた耐震断熱パネル構造体を実現することができる。
必要に応じて、構造用面材10の上に全面を覆うように透湿防水層13を積層することもできる。透湿防水層13は、建築物の外部からの水分の浸入を防止する防水性と内部の湿気を外部に逃がす透湿性とを兼ね備えた層である。この層を構造用面材10に積層することによって、切れ目のない防湿透水層を形成することができ、構造用面材10への含水が少なくなり、建築物の長寿命化が可能となる。透湿防水層13は、市販の透湿防水シートを構造用面材10に積層したり、市販の透湿防水材料を構造用面材10に塗布したりすることによって、形成することができる。透湿防水層13は、透湿防水材料を構造用面材10に吹き付けることによって形成されることが好ましい。透湿防水材料を構造用面材に塗布する方法の場合には、その上に積層される断熱層12と構造用面材10との接着性が向上する。
断熱層12は、構造用面材10と接合させて一体化させることができる保形性を備えた板状材であればよく、例えば、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム等といった、JIS A9511に適合する発泡プラスチック系断熱材を用いることができる。断熱層12の形状は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、構造用面材10及び/又は取り付けられる箇所の形状に応じた形状とすることができる。短辺の長さ、長辺の長さ及び厚さは、取り付けられる箇所に応じて適宜設計することができ、一実施形態においては、例えば、短辺の長さが810mm、長辺の長さが2,830mm、厚さが40mmの押出法ポリスチレンフォーム板を用いることができる。
構造用面材10及び断熱層12の短辺方向の中央部には、長辺に平行な線上に、構造用面材10及び断熱層12を躯体に固定するための第2の固定部材19を通す複数の孔10bを予め設けておいても良い。第2の固定部材19の詳細については後述される。孔10bを予め設けておかずに、第2の固定部材19を躯体への取り付け時に直接打ち込みしてもよい。一実施形態においては、孔10bの間隔(又は第2の固定部材19)は、200mmとすることが好ましい。
網状部材14は、断熱層12の構造用面材10と接する面とは反対側の面に、該反対側の面の概ね全面を覆うように積層される。網状部材14によって、耐震断熱パネル構造体1に施される塗装の強度が維持されるとともに、塗装の剥離が防止される。網状部材14の形状は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、断熱層12の形状に応じた形状とすることができる。網状部材14として、建築分野でも用いられる一般的なメッシュ材料、例えば、グラスファイバメッシュ、メタルラスなどを用いることができ、本発明の一実施形態においては、グラスファイバメッシュを用いることが好ましい。
中塗層16は、網状部材14の断熱層12と接する面とは反対側の面から、網状部材14の周縁部14a〜14dの少なくとも一部が露出した状態となるように塗布される。この図においては、周縁部がすべて露出するように描かれているが、この形態に限定されるものではなく、周縁部のいずれか一部、例えば周縁部14aのみや、周縁部14aのさらに一部のみが露出されるようにする場合もある。網状部材14は、中塗層16を塗布することによって断熱層12に密着する。すなわち、中塗層16を網状部材14に塗布することによって、中塗層16が網状部材14の目から断熱層12側に入り込み、その結果、中塗層16が網状部材14を断熱層12に密着させることになる。網状部材14は、中塗層に用いられる材料と同様の材料を断熱層12に塗布し、その上に網状部材14を積層し、さらにその上から中塗層16を塗布することによって、断熱層12と密着させるようにしてもよい。なお、図1においては、網状部材14の上に中塗層16が完全に別の層として積層されるように描かれているが、これに限定されるものではなく、中塗層16の厚み方向のいずれかの位置に網状部材14が存在するようになっている場合もあり得る。
中塗層16は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではない。周縁部14a〜14dは、後述される断熱構造体2の網状部材24の端部24a〜24dのいずれかと重ねられる部分である。したがって、周縁部14a〜14dの露出長(すなわち、長辺又は短辺と直交する方向の長さ)は、網状部材24の対応する端部24a〜24dの突出長と同一となるように設計されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、すべての周縁部14a〜14dの露出長を同じ長さとすることも、それぞれ別個に異なる長さとすることもできる。本発明の一実施形態においては、網状部材14の長辺部分の周縁部すなわち周縁部14a及び14bの露出長(すなわち、長辺と直交する方向の長さ)は、約50mmであり、短辺部分の周縁部すなわち周縁部14c及び14dの露出長(すなわち、短辺と直交する方向の長さ)は、約100mmとすることができる。
中塗層16は、アクリル系の撥水性を有する材料であればよく、一般的な中塗り用途で用いられる材料を用いることができる。本発明の一実施形態においては、中塗層16として、例えばドイツのシュトー社製の材料を用いることができる。本発明の一実施形態においては、中塗層16の厚さは、約3mmとすることができる。
本発明に係る外張り耐震断熱構造は、木造建築物に多く見られる通気層を備えた通気構造ではなく、室内の湿気(水蒸気)が外壁構成材料を自然に透過する密着型透湿構造である。この構造においては、断熱層の室外側に断熱層より透湿抵抗の大きな部材が配置されると、冬期において断熱層と室外側の部材との境界面における結露水の凍結及び融解の繰り返しによって、仕上層の損傷が生じる場合がある。したがって、本発明の一実施形態による耐震断熱パネル構造体1おいては、断熱層12の室外側に、断熱層12より透湿抵抗が小さい中塗層16が配置されることが好ましい。例えば、一実施形態においては、透湿抵抗は、構造用面材10が5.3mhmmHg/g、断熱層12が11.6mhmmHg/g、中塗層16が1.5mhmmHg/gである。
[断熱構造体]
本発明の一実施形態に係る断熱構造体2は、図2に示されるように、断熱層(第2の断熱層)22と、網状部材(第2の網状部材)24と、中塗層(第2の中塗層)26とが、この順で積層されて構成される。一実施形態においては、各部材の主面の面積は、網状部材24、断熱層22、中塗層26の順に大きい。別の実施形態においては、断熱層22と中塗層26は、主面の面積を同一とすることもできる。断熱構造体2の形状は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、取り付けられる箇所の形状に応じた形状とすることができ、短辺の長さ(w2)、長辺の長さ(h2)及び厚さ(d2)は、取り付けられる箇所に応じて適宜設計することができる
断熱層22は、耐震断熱パネル構造体1の断熱層12と同じ材料を用いることが好ましいが、本発明の効果を奏するものであれば、異なる材料を用いてもよい。一実施形態においては、断熱層12は、短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、取り付けられる箇所の形状に応じた形状とすることができる。短辺の長さ、長辺の長さ及び厚さは、取り付けられる箇所に応じて適宜設計することができるが、少なくとも厚さは、耐震断熱パネル構造体1の断熱層12と同じであることが好ましい。一実施形態においては、断熱層22は、厚さが40mmの押出法ポリスチレンフォーム板を用いることができる。
網状部材24は、断熱層22の一方の面21に、網状部材24の端部24a〜24dの少なくとも一部が突出した状態になるように積層される。図2においては、端部がすべて突出するように描かれているが、この形態に限定されるものではなく、端部のいずれか一部、例えば端部24aのみや、端部24aのさらに一部のみが突出するようにする場合もある。網状部材24は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、取り付けられる箇所の形状に応じた形状とすることができる。網状部材24の端部24a〜24dは、前述の耐震断熱パネル構造体1の網状部材14のいずれかの周縁部14a〜14dの上に重ねられる部分である。したがって、網状部材24の端部24a〜24dの突出長(すなわち、長辺又は短辺と直交する方向の長さ)は、それぞれ耐震断熱パネル構造体1における網状部材14の対応する周縁部14a〜14dの露出長と概ね同一となるように設計されることが好ましい。網状部材24は、耐震断熱パネル構造体1の網状部材14と同じ材料を用いることが好ましいが、本発明の効果を奏するものであれば、異なる材料を用いてもよい。
中塗層26は、網状部材24の断熱層22と接する面とは反対側の面から、網状部材24と断熱層22とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布される。網状部材24は、中塗層26を塗布することによって断熱層22に密着する。すなわち、中塗層26を網状部材24に塗布することによって、中塗層26が網状部材24の目から断熱層22側に入り込み、その結果、中塗層26が網状部材24を断熱層22に密着させることになる。網状部材24は、中塗層に用いられる材料と同様の材料を断熱層22に塗布し、その上に網状部材24を積層し、さらにその上から中塗層26を塗布することによって、断熱層22と密着させるようにしてもよい。なお、図2においては、網状部材24の上に中塗層26が完全に別の層として積層されるように描かれているが、これに限定されるものではなく、中塗層26の厚み方向のいずれかの位置に網状部材24が存在するようになっている場合もあり得る。中塗層26は、一実施形態においては短辺と長辺とを有する長方形形状とすることができるが、これに限定されるものではない。中塗層26は、耐震断熱パネル構造体1の中塗層16と同じ材料を用いることが好ましいが、本発明の効果を奏するものであれば、異なる材料を用いてもよい。
[外張り耐震断熱構造及びその施工方法]
図3は、本発明の一実施形態に係る耐震断熱パネル構造体1及び断熱構造体2の使用状態の例を示す。この例においては、耐震断熱パネル構造体1、1’、1”と、断熱構造体2とが躯体に取り付けられる。耐震断熱パネル構造体1は、構造用面材10の端部11aを柱61に取り付け、端部10bを間柱62又は間柱62に接して配置される場合がある補強材67に取り付けることができる。すなわち、耐震断熱パネル構造体1は、図3において端部11aが左端となり、端部11bが右端となるように躯体に取り付けることができる。端部11aは、左端の長辺が柱61の左右方向中央部に位置するように取り付けられ、端部11bは、右端の長辺が間柱62又は補強材67の右端に位置するように取り付けられる。
耐震断熱パネル構造体1の取り付けの際には、例えば長さ50mmの複数の第1の固定部材(例えば釘)18を、互いに概ね100mmの間隔で端部11a及び11bに用いることが好ましい。また、耐震断熱パネル構造体1の左右方向中央部は、複数の第2の固定部材19を、互いに概ね200mmの間隔で用いて、間柱62に固定することが好ましい。
ここで、図2(C)を用いて、本発明に係る第2の固定部材19の詳細を説明する。第2の固定部材19は、この一本で、耐震断熱パネル構造体1の断熱層12、構造用面材10及び間柱62を互いに固定することができるように構成されている。第2の固定部材19は、第1の軸部19bと、第1の軸部19bの一方の端部に設けられた第1の頭部19aと、第1の軸部19bの他方の端部に設けられた第2の頭部19cと、第2の頭部19cから第1の軸部19bとは反対側に延びる第2の軸部19dとを備える。第1の頭部19aの径は、第1の軸部19bより大きい。第2の頭部19cの径は、第1の軸部19bの径より大きく、第1の頭部19aの径より小さい。一実施形態においては、第2の固定部材19は、第1の頭部19aの径を12mm、第1の軸部19bの径を5.2mm、第2の頭部19cの径を7mm、第2の軸部19dの径を5mmとすることができる。
図2(C)に示されるように、第2の固定部材19は、第1の頭部19aから第2の頭部19cまでの長さが、概ね断熱層12の厚さに対応するように設計され、使用時には、第1の頭部19aから第2の頭部19cまでの第1の軸部19bは、中塗層16、網状部材14及び断熱層12を貫通することになる。第2の頭部19cから先端までの第2の軸部19dは、構造用面材10及び柱61に埋設され、第1の頭部19aは、中塗層16内に埋設される。第2の軸部19dには、より確実に構造用面材10と柱61とが互いに固定されるように、ネジ部19eを形成することができる。
図2(C)に示されるように、第2の固定部材19が断熱層12の表面から挿入される際には、断熱層12の内部を小径の第2の頭部19cが進行する。第2の頭部19cが構造用面材10の一方の面11に達したときに、第2の頭部19cより大径の第1の頭部19aは、第2の頭部19cの貫通した孔と第1の軸部19bとの間に生じた隙間を塞ぐことになる。このように、本発明に係る第2の固定部材19は、第2の頭部19cが構造用面材10を固定し、第1の頭部19aが断熱層12を固定するため、断熱層12、構造用面材10及び柱61を、互いに確実に固定することができる。
図3に戻ると、耐震断熱パネル構造体1は、構造用面材10の端部11dを土台60に取り付け、端部11cを胴差63に取り付けることができる。すなわち、耐震断熱パネル構造体1は、図3において端部11cが上端となり、端部11dが下端となるように躯体に取り付けることができる。端部11cは、上端の短辺が胴差63の上下方向中央部に位置するように取り付けられ、端部11dは、下端の短辺が土台60の下端に位置するように取り付けられる。取り付けの際には、例えば長さ50mmの第1の固定部材(例えば釘)18を、互いに概ね100mmの間隔を空けて用いることが好ましい。
耐震断熱パネル構造体1’、1”は、耐震断熱パネル構造体1とは形状が異なるだけであり、いずれも突出した構造用面材10の端部と、露出した網状部材の周縁部とを有している。耐震断熱パネル構造体1’は、その左端及び右端における構造用面材10の突出した端部が、柱61と間柱62又は補強材67とに取り付けられる。開口部4の上方に取り付けられる耐震断熱パネル構造体1’は、その上端における構造用面材10の突出した端部が胴差63に取り付けられ、下端における端部が開口部4のまぐさ65に取り付けられる。耐震断熱パネル構造体1”は、開口部4に相当する部分を切り欠いた形状を有しており、この部分においても、構造用面材10の端部が突出し、網状部材の周縁部が露出している。この部分の構造用面材10の端部は、開口部4のまぐさ65、窓台64、及び間柱62に取り付けられる。
このようにして複数の耐震断熱パネル構造体1、1’、1”が取り付けられた躯体においては、2つの耐震断熱パネル構造体が隣接する柱61、間柱62若しくは補強材67、又は胴差63に対応する部分と、1つの耐震断熱パネル構造体に隣接する出隅の部分と、1つの耐震断熱パネル構造体に隣接する開口部4の縁部とにおいて、断熱層がない箇所が存在することになる。これらの部分には、本発明に係る断熱構造体2が取り付けられる。以下に、これらの箇所における外張り耐震断熱構造の施工方法を説明する。なお、以下においては、耐震断熱パネル構造体1のみを例示して説明する。
図4は、2つの耐震断熱パネル構造体1が隣接する柱61の部分における施工方法を説明するものである。図4(A)に示されるように、柱61には、2つの耐震断熱パネル構造体1が、互いの端部11aと11bとが側面で接するように取り付けられる。端部11a及び11bは、第1の固定部材(例えば釘)18を用いて柱61に取り付けることができる。この状態では、この端部11a及び11bの上の空間には、断熱層が存在しない。この空間に、図2及び図4(C)に示される断熱構造体2が取り付けられる。
断熱構造体2の断熱層22の大きさは、図4(B)に示されるように、端部11a及び11bの上の空間に断熱層22が適合するように設計されている。図4(B)及び図4(C)に示されるように、断熱構造体2は、耐震断熱パネル構造体1の網状部材14の露出した周縁部14aの上に、断熱構造体2の網状部材24の突出した端部24bが重なり、網状部材14の周縁部14bの上に、網状部材24の端部24aが重なるように取り付けられる。断熱構造体2は、第1の固定部材18又は第2の固定部材19と必要に応じて接着剤とを用いて、構造用面材10及び柱61に固定することができる。第1の固定部材18又は第2の固定部材19は、適宜な間隔(例えば200mm)で用いることができる。このように、耐震断熱パネル構造体1と断熱構造体2との境界部分において、各々の構造体の網状部材が重ねられることによって、境界部分における塗装のひび割れを防止することができる。
図5は、木造建築物の出隅における外張り耐震断熱構造を示す。出隅においては、外張り耐震断熱構造が以下のように施工される。本発明に係る2つの耐震断熱パネル構造体1は、各々の構造用面材10の端部11a及び11bを、その左端又は右端の長辺が柱61の隣接する2面61a及び61bの中央部に位置するように、第1の固定部材18を用いて柱61に取り付けることができる。この時点で、柱61は、隣接する2面61a及び61bの各々の半分が構造用面材10で覆われ、残りの半分は露出している。次いで、面61a及び61bの露出部分に、構造用面材の小片10a及び10bが、第1の固定部材18を用いて取り付けられる。この時点で、面61a及び61bは、その全面が構造用面材によって覆われていることになる。
次いで、面61a及び61bを覆う構造用面材上に、構造用面材の全面を覆うように、断熱層22を有する断熱構造体2が取り付けられる。図5に示される実施形態の場合には、2つの断熱構造体2が取り付けられる。これらの断熱構造体2は、断熱構造体2同士が接している出隅の角に位置する部分では、網状部材22の端部は突出していない。断熱構造体2は、構造用面材の上に、第2の固定部材19と必要に応じて接着剤とを併用して取り付けることができる。第2の固定部材19は、適宜の間隔(例えば200mm)で用いることができる。最後に、網状部材の露出面に中塗層を積層することができる。
図6は、開口部4における外張り耐震断熱構造を示すものであり、図6(A)は開口部4の両側部における構造、図6(B)は開口部4の上部における構造、図6(C)は開口部4の下部における構造を示す。開口部4には、一般に、樹脂製又はアルミニウム製の窓枠41〜43が配置される。窓枠41〜43は、それぞれ、まぐさ65、窓台64及び柱61に、取付材70を介して取り付けられる。
開口部4の両側部においては、図6(A)に示されるように、耐震断熱パネル構造体1の構造用面材10の端部11b(又は11a)が、柱61又は間柱62の一面全体を覆うように、第1の固定部材(例えば釘)18を用いて柱61又は間柱62に取り付けられる。次いで、端部11b(又は11a)上に、好ましくは端部11b(又は11a)の突出長(例えば50mm)より幅が広い断熱層22を有する断熱構造体2が取り付けられる。第1の網状部材14の周縁部14b(又は14a)の上には、第2の網状部材24の端部24aが重ねられる。断熱構造体2は、第2の固定部材19と必要に応じて接着剤とを用いて、取り付けることができる。この時点で露出している網状部材24の上には、中塗層が塗布される。断熱層22と窓枠43との間の隙間は、適切なシーリング材で充填される。
開口部4の上部においては、図6(B)に示されるように、耐震断熱パネル構造体1の構造用面材10の端部11dが、まぐさ65の一面全体を覆うように、まぐさ65に積層される。次いで、端部11d上に、好ましくは端部11dの突出長(例えば100mm)より幅が広い断熱層22を有する断熱構造体2が取り付けられる。第1の網状部材14の周縁部14dの上には、第2の網状部材24の端部24a(又は端部24b)が重ねられる。断熱構造体2は、第2の固定部材19と必要に応じて接着剤とを用いて取り付けることができる。この時点で露出している網状部材24の上には、中塗層が塗布される。断熱層22と窓枠41との間の隙間は、適切なシーリング材で充填される。
開口部4の下部においては、図6(C)に示されるように、耐震断熱パネル構造体1の構造用面材10の端部11cが、窓台64の一面全体を覆うように、窓台64に積層される。次いで、端部11c上に、好ましくは端部11cの突出長(例えば100mm)より幅が広い断熱層22を有する断熱構造体2が取り付けられる。第1の網状部材14の周縁部14cの上には、第2の網状部材24の端部24a(又は端部24b)が重ねられる。断熱構造体2は、第2の固定部材19と必要に応じて接着剤とを用いて取り付けることができる。この時点で露出している網状部材24の上には、中塗層が塗布される。断熱層22と窓台42との間の隙間は、適切なシーリング材で充填される。
以上のようにして、取り付けられた耐震断熱パネル構造体1及び断熱構造体2の中塗層の上には、仕上層が塗布され、木造建築物の外張り断熱構造が完成する。
1 耐震断熱パネル構造体
10 構造用面材
11 構造用面材10の一方の面
11a〜11d 突出した端部
12 断熱層(第1の断熱層)
14 網状部材(第1の網状部材)
14a〜14d 露出した周縁部
16 中塗層(第1の中塗層)
18 第1の固定部材
19 第2の固定部材
19a 第1の頭部
19b 第1の軸部
19c 第2の頭部
19d 第2の軸部
2 断熱構造体
22 断熱層(第2の断熱層)
24 網状部材(第2の網状部材)
24a〜24d 突出した端部
26 中塗層(第2の中塗層)
60 土台
61 柱
62 間柱
63 胴差
64 窓台
65 まぐさ
67 補強材

Claims (13)

  1. 木造建築物の外張り耐震断熱構造を構築するために躯体の外面に取り付けられる耐震断熱パネル構造体であって、
    構造用面材と、
    前記構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって前記構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された断熱層と、
    前記断熱層の前記構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された網状部材と、
    前記網状部材の前記断熱層と接する面とは反対側の面から、前記網状部材の少なくとも一部の周縁部が露出するように塗布された中塗層と、
    を備えることを特徴とする耐震断熱パネル構造体。
  2. 前記構造用面材と前記断熱層との間に透湿防水層が積層されたことを特徴とする、請求項1に記載の耐震断熱パネル構造体。
  3. 前記構造用面材の前記少なくとも一部の端部に、前記構造用面材を躯体に固定するのに用いられる固定部材が挿入される複数の挿入孔が設けられたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の耐震断熱パネル構造体。
  4. 前記中塗層の透湿抵抗は、前記断熱層の透湿抵抗より小さいことを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の耐震断熱パネル構造体。
  5. 木造建築物の外張り耐震断熱構造を構築するために木造建築物の躯体の外面に取り付けられた耐震断熱パネル構造体に隣接して取り付けられる断熱構造体であって、
    断熱層と、
    前記断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された網状部材と、
    前記網状部材の前記断熱層と接する面とは反対側の面から、前記網状部材と前記断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された中塗層と、
    を備えることを特徴とする断熱構造体。
  6. 木造建築物の外張り耐震断熱構造であって、
    構造用面材、
    前記構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって前記構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第1の断熱層、
    前記第1の断熱層の前記構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された第1の網状部材、及び
    前記第1の網状部材の前記第1の断熱層と接する面とは反対側の面から、前記第1の網状部材の少なくとも一部の周縁部が露出するように塗布された第1の中塗層
    を各々が備え、前記構造用面材の前記少なくとも一部の端部が、前記一方の面の反対側の面が前記木造建築物の躯体に接するように該躯体に固定された、複数の耐震断熱パネル構造体と、
    第2の断熱層、
    前記第2の断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第2の網状部材、及び
    前記第2の網状部材の前記第2の断熱層と接する面とは反対側の面から、前記第2の網状部材と前記第2の断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された第2の中塗層
    を各々が備え、前記複数の耐震断熱パネル構造体の1つ又は複数に隣接して、前記構造用面材の前記少なくとも一部の端部上の空間に取り付けられた、複数の断熱構造体と、
    前記複数の耐震断熱パネル構造体及び前記複数の断熱構造体の上に塗布された仕上層と、
    を備えることを特徴とする外張り耐震断熱構造。
  7. 前記構造用面材と前記第1の断熱層との間に透湿防水層が積層されたことを特徴とする、請求項6に記載の外張り耐震断熱構造。
  8. 前記第1の網状部材の露出した前記少なくとも一部の周縁部に、前記第2の網状部材の突出した前記少なくとも一部の端部が重なっていることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の外張り耐震断熱構造。
  9. 前記中塗層の透湿抵抗は、前記断熱層の透湿抵抗より小さいことを特徴とする、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の外張り耐震断熱構造。
  10. 木造建築物の外張り耐震断熱工法であって、
    構造用面材、
    前記構造用面材の一方の面に、該一方の面の周縁部を露出させることによって前記構造用面材の少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第1の断熱層、
    前記第1の断熱層の前記構造用面材と接する面とは反対側の面に積層された第1の網状部材、及び
    前記第1の網状部材の前記第1の断熱層と接する面とは反対側の面から、前記第1の網状部材の少なくとも一部の周縁部が露出するように塗布された第1の中塗層
    を各々が備えた、複数の耐震断熱パネル構造体と、
    第2の断熱層、
    前記第2の断熱層の一方の面に、少なくとも一部の端部が突出した状態になるように積層された第2の網状部材、及び
    前記第2の網状部材の前記第2の断熱層と接する面とは反対側の面から、前記第2の網状部材と前記第2の断熱層とが接する面積と同じか又はそれより小さい面積を覆うように塗布された第2の中塗層
    を各々が備えた、複数の断熱構造体と、
    を準備する工程と、
    前記複数の耐震断熱パネル構造体の各々における前記構造用面材の前記少なくとも一部の端部を、前記一方の面の反対側の面が前記木造建築物の躯体に接するように該躯体に固定する工程と、
    前記複数の断熱構造体の各々を、前記複数の耐震断熱パネル構造体の1つ又は複数に隣接して、前記構造用面材の前記少なくとも一部の端部上の空間に取り付ける工程と、
    前記複数の耐震断熱パネル構造体及び前記複数の断熱構造体の上に仕上層を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする外張り耐震断熱工法。
  11. 前記構造用面材と前記第1の断熱層との間に透湿防水層が積層されたことを特徴とする、請求項10に記載の外張り耐震断熱工法。
  12. 前記複数の断熱構造体の各々を前記複数の耐震断熱パネル構造体の1つ又は複数に隣接して取り付ける工程は、前記第1の網状部材の露出した前記少なくとも一部の周縁部に、前記第2の網状部材の突出した前記少なくとも一部の端部を重ねる工程を含むことを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載の外張り耐震断熱工法。
  13. 前記中塗層の透湿抵抗は、前記断熱層の透湿抵抗より小さいことを特徴とする、請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の外張り耐震断熱工法。
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