JP5272838B2 - 繊維シート状物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高強力で形態安定性に優れ、かつ柔軟性に富んだ繊維シート状物の製造方法に関するものである。
従来から人工皮革は、天然皮革に類似した柔軟性と機械的性能を得るために、一般的に極細繊維からなる不織布に高分子弾性体を付与して作られている。このような人工皮革の製造方法については、これまでに種々の方法が提案されている。
例えば、人工皮革がカーシートや椅子などの表皮材に使用される場合には、長期の繰り返し使用により表皮材に歪みが生じてしまうことがあるため、不織布内部もしくは片側に織編物を絡合一体化させることにより、高強力で低伸度かつ柔軟性に富んだ人工皮革とする方法が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1には、この提案の方法を用いることにより、良好な機械的特性をもった人工皮革が得られると記載されているが、織編物と不織布とをニードルパンチにより絡合一体化させる場合に、ニードルによって織編物が損傷を受けるため、織編物が本来持つ機械的特性を十分に活用できないことがある。また、このような損傷を見込んで織編物を増密して強度を補うとすると、今度は織編物の剛性が増して、軽量で柔軟な人工皮革を得る目的において、不利となることがあるという問題がある。
そこで、織編物の機械的特性を高める方法として、織編物を高強力ポリビニルアルコール系合成繊維(高強力ビニロン繊維)や全芳香族性ポリアミド繊維(アラミド繊維)などに代表される高強力繊維で構成し、不織布と絡合一体化してなる人工皮革基体が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案の場合にも、ニードルパンチの際にニードルのバーブが編織物を引っ掛けるような関係にあると、織編物を構成する繊維に損傷を与えてしまうばかりか、ニードルの摩耗を急激に進めてしまうことになり、長尺の繊維シート状物を安定的に加工することさえままならない。
また、ニードルパンチ加工時に織編物がニードルから受ける損傷を最小限に抑制する方法として、織編物を構成する糸条の直径とニードルパンチに使用されるニードルのスロートデプス(スロート深さ)の関係を明示し、強度低下を抑制する製造方法が提案されている(特許文献3参照。)。この特許文献3には、同製造方法を用いることにより、織編物を構成する繊維にニードルが引っ掛かることなく強度低下を防ぐことができると記載されているが、ニードル長さ方向のバーブ深さXの記載がないため、同製造方法の関係式を満たしている場合においてもバーブ深さX寸法が大きくなることにより、なお織編物を構成する繊維の損傷を来す。
特開昭62−78281号公報 特開2005−240197号公報 特公平7−13344号公報
そこで本発明の目的は、高強力で形態安定性に優れ、かつ柔軟性に富んだ不織布と織編物が一体化された繊維シート状物の製造方法を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明の繊維シート状物の製造方法は、不織布と織編物をニードルパンチにより一体化させるシート状物の製造工程において、前記織編物を構成する繊維糸条の繊度が56〜144dtexであり、次式(1)と(2)を満たす条件でニードルパンチすることを特徴とする繊維シート状物の製造方法である。
X≦D/3 (1)
J≦D/2 (2)
但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
J=図1に示すニードルのスロートデプス
D=織編物を構成する繊維糸条の長径
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、ニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が耐摩耗性の皮膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いてニードルパンチすることである。
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の皮膜は硬度が500Hv以上であり、膜厚が1μm以上7μm以下の皮膜である。
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の皮膜は硬質クロムまたはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなるものである。
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、前記の織編物の緯糸に対して平行な角度を0°とし、それに直行する経糸に平行な角度を90°とした場合、ニードルのバーブを|0°〜35°|に方向規制したパンチング用ニードルを用いることである。
本発明によれば、極細繊維からなる不織布の内部もしくは片側にニードルパンチにより織編物(スクリム)を絡合一体化する繊維シート状物において、織編物の損傷を抑制することができるため、スクリム損傷を見越した織編物増密が不要であり、軽量で柔軟性に富む繊維シート状物、すなわち、高強力で形態安定性に優れ、かつ軽量で柔軟性に富んだ皮革様物を得ることができる繊維シート状物が得られる。
本発明により得られる繊維シート状物を人工皮革用基体を用いたスエード調人工皮革および銀つき調人工皮革は、インテリア用途、特にカーシートおよび椅子やソファの表皮材等に最適である。
図1は、本発明のニードルと織編物を構成する繊維糸条との関係を説明するための概略側面図である。 図2は、本発明のニードルボードに植えるバーブの向きとシート状物の進行方向の関係を説明するための概略平面図である。
本発明者らは、極細繊維からなる不織布の内部や片側、もしくは両面に織編物を絡合一体化させて得られる繊維シート状物において、高い柔軟性と形態安定性を合わせて付与すべく鋭意検討し解決策を得た。以下に、その詳細について説明する。
本発明の目的を達成するための具体的な手段の例としては、不織布を形成した後、この不織布と織編物を重ねてニードルパンチし、不織布自体の絡合と、不織布および織編物との絡合を十分高めて不離一体構造を形成する。
このニードルパンチにおいて、使用する針(ニードル)のバーブのスロートデプスJが、織編物を構成する繊維糸条の長径Dに対して、下記の関係式(1)と(2)が同時に満足されていることを骨子とし、これによりバーブによるスクリム糸の損傷を減少させることができる。
X≦D/3 (1)
J≦D/2 (2)
但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
J=図1に示すニードルのスロートデプス
D=織編物を構成する繊維糸条の長径
図1は、本発明のニードルと織編物を構成する繊維糸条との関係を説明するための概略側面図である。図1において、ニードル1はニードル長さ方向のバーブ深さXとスロートデプスJで形成されるハーブを有している。図1は、織編物を構成する繊維糸条2の長径Dと、ハーブの位置関係を示している。
上記の(1)と(2)の関係式でいう繊維糸条の長径Dとは、織編物を構成する繊維糸条の織編物中で実測された実測値の平均値であって、該繊維糸条を構成する個々の単繊維、原糸の繊度および加工条件等より算出された計算値を意味するものではない。この実測値は、織編物をサンプリングし、走査型電子顕微鏡により写真撮影を行い測定されるものであって、また平均値の算出にあたっては、画像中最も太く見える部分と最も細く見える部分とそれ以外の任意の8点計10点の径を測定した平均値と画像上の500μmスケールとの長さを比較し求めるものである。
さらに、本発明において、ニードルを継続使用した場合、摩耗により形状変化が発生して上記(1)と(2)の関係式を満たさなくなることがある。それを避けるようにするため、ニードルに耐摩耗性を有する皮膜を付与することが好ましい。具体的に、好ましくはニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が耐摩耗性の被膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いることができる。
ニードル先端部を被覆する被膜としては、具体的には、硬質クロムやDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の耐摩耗性で低摩擦特性に優れた材質からなる被膜が好ましく、特に一般的で比較的低コストな硬質クロム被膜が好ましく用いられる。また、皮膜の厚みは、バーブの寸法を考慮して1〜7μm程度が好ましく、2〜5μmが最も好適で、また、皮膜の硬度は500Hv以上4500Hv以下のものが好ましく、600Hv〜2000Hvが最も好適である。
具体的に、ニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が硬度500Hv以上の皮膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いてニードルパンチすることである。
本発明によって得られる繊維シート状物を人工皮革用に用いる場合は、織編物の目付を20〜200g/mにすることが望ましく、最も好適には目付が30〜150g/mの範囲の織編物を用いることである。織編物の目付が20g/m未満になると織編物としての形態が極めてルーズになり、織編物を不織布と不織布の中層部にはさみ込んだとき、あるいは織編物を不織布の表面に重ねる際にシワが発生し、均一に広げることが困難になる。また、織編物の目付が200g/mを超えると織編物の組織が密になり、織編物に対する不織布単繊維の貫通が不十分で不織布と織編物との絡合が進まず不離一体化した構造物を作るのが概して困難になる傾向がある。
本発明において用いられる織物は、基本組織として平組織が好ましく用いられる。織物組織としてツイルやサテンを用いても良いが、組織に異方性があるため斜め方向の外力に対して挙動が異なること、また取り扱い上織物密度が低いと目ずれが発生しやすく、したがって平組織が好ましい。編物としては、経編やトリコット編で代表される緯編、レース編およびそれらの編み方を基本とした各種の編物が挙げられる。
本発明で用いられる織編物を構成する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアラミド系繊維等の合成繊維などが好ましく使用される。これら繊維種は、染色堅牢度の点から、不織布を構成する繊維と同様の素材を用いることが好ましい。もちろん、これに限定せず、木綿、羊毛および絹などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、さらにアセテートなどの半合成繊維など、編織可能な繊維ならどのような繊維も使用することができる。また、高強力ポリビニルアルコール系合成繊維(高強力ビニロン繊維)や全芳香族性ポリアミド繊維(アラミド繊維)などに代表される高強力繊維で構成しても何ら問題を生じることはない。
織編物に使用する繊維糸条の種類としては、フィラメントヤーン、紡績糸、革新紡績糸およびフィラメントヤーンと紡績糸の混合複合糸などが挙げられる。紡績糸はその構造上表面に毛羽が多数存在し不織布と織物を絡合する際、その毛羽が脱落し表面に露出すると欠点となるため、フィラメントヤーンを用いることが好ましい。フィラメントヤーンには、大別すると単繊維1本で構成されたモノフィラメントと複数本で構成されたマルチフィラメントがあるが、本発明で用いられる織編物では、マルチフィラメントを用いることが好ましい。モノフィラメントでは、繊維の剛性が高くなりすぎるため人工皮革の風合いを損ねることがある。
本発明で用いられる織編物を構成するマルチフィラメントヤーンは、その単繊維繊度が好ましくは0.0001dtex以上3dtex以下であり、より好ましくは1.5dtex以下であり、さらに好ましくは1dtex以下である。
上記のフィラメントヤーンについての単繊維繊度は、フィラメントヤーン以外の紡績糸や革新紡績糸にも適用される。
また、マルチフィラメントヤーンの総繊度は、56dtex〜144dtexである。総繊度が56dtex未満のマルチフィラメントヤーンを用いた場合、本発明で定めるところの織編物を構成する繊維糸条の長径とニードルサイズとの関係式(1)が満たせなくなることがあり、織編物を構成する繊維糸条がニードルのスロートデプスに掛かりやすくなる。
また、マルチフィラメントヤーンの総繊度が144dtexを超えると織編物の目付が大きくなるため、ひいては人工皮革の目付が大きくなる。それだけでなく、織編物の剛性が高くなるため、結果として人工皮革として満足するほどの十分な柔軟性を得ることができない。
織編物の総繊度は、上記の剛性および目付等の理由から、56dtex〜144dtexである。
マルチフィラメントヤーンの形態は、仮撚加工糸と捲縮を持たない生糸に大別されるが、本発明ではどちらを用いても良い。ただし、仮撚加工糸を用いると捲縮により糸条に膨らみが発生するため、ニードルにより損傷を受けやすくなる傾向がある。従って、本発明では生糸を用いることが好ましい。
本発明で用いられる織編物には、上記の繊維糸条に実撚を施し使用することができる。撚り数は、繊維糸条の収束状態を決定する上で重要であり、かつ繊維糸条の総繊度によりその値は異なるため、下記算式を満たす撚り数とすることが好ましく採用される。
3000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)
T :織編物を構成する繊維糸条の実撚数(T/m)
DT:織編物を構成する繊維糸条の総繊度(dtex)
実撚数Tが1000/(DT1/2)以下であると、繊維の収束状態が弱く、各単糸がばらけた状態となるため、ニードルのバーブに掛かりやすく、単糸が切れたり、損傷を受けたりすることにより強度低下が発生する傾向がある。逆に撚り数が、30000/(DT1/2)以上を超えると緻密充填構造を超えてしまうため、二重旋回構造となることがある。実撚数Tのより好ましい範囲は5000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)であり、さらに好ましい範囲は12000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)である。このとき、経糸と緯糸の実撚数は同じである必要はないが、同じ実撚数とすることが好ましい。
次に、本発明の繊維シート状物の製造方法においては、使用する織編物の織編密度、ニードルパンチに使用するニードルのバーブ位置でのブレード太さ、および織編物を構成する繊維糸条の直径を考慮して条件設定することが特に重要である。
繊維糸条の直径が小さくかつ密度が高い場合、ニードルのバーブに織物を構成する繊維糸条が掛かり易く、繊維が切断されたり、損傷を受けたりしてしまうことがある。
ところが、ニードルのスロートデプスJの値が大きくなると、それに対応して使用する織編物を構成する繊維糸条の長径(糸径)Dを大きくしなければならず、その結果として、織編物の目付を一定にした場合は織編密度を小さくしなければならず、織編密度を一定にした場合は目付を高くしなければならない。一方、ニードルのスロートデプスJの値が小さすぎると、バーブが不織布を構成する繊維を把持する効率が低下し、不織布間および不織布と織編物間の絡合を十分高めることが困難になる。
このような理由から、本発明に用いられるニードルのスロートデプスJは、前述のJ≧D/2の関係式(2)を満足していることが重要である。また、一般にニードルのスロートデプスJの値の下限は数10μmまでが実際的であるが、繊維の絡合および織編物との一体化を進める上では、ニードルのスロートデプスJの範囲は好ましくは30μm〜100μmであり、より好適には50μm〜80μmの範囲のものが使用される。
しかしながら、J≧D/2の関係式(2)を満たしている場合においても、ニードル長さ方向のバーブ深さXの値がD/3より大きいとバーブ先端の角度が鋭利となり、織編物を構成する繊維糸条に刺さり、損傷を来すことがある。よって、X≦D/3とJ≦D/2の両方の関係式を満たすことが重要である。ニードル長さ方向のバーブ深さXの値の下限は製法上0μmが実際的であることから、具体的には、ニードル長さ方向のバーブ深さXの範囲は好ましくは0μm〜70μmであり、より好適には10μm〜60μmの範囲のものが使用される。
また、織編物の緯糸はニードルパンチによるシート幅収縮によって弛みが生じ、ニードルバーブによって不織布の内層部に持ち込まれ、製品表面に織編物の繊維が露出し易い。対する経糸は工程張力によって常に緊張状態にあるため、ニードルバーブによって不織布内層部に持ち込まれ難い。これらのことから、バーブは緯糸を引っ掛け難い方向に向けることが好ましい。具体的には、織編物の緯糸に対して平行な角度を0°とし、それに直行する経糸に平行な角度を90°とした場合、ニードルのバーブを|0°〜35°|に向けることが好ましく、より好ましくは|0°〜20°|、さらに好ましくは|0°〜10°|である。
図2は、本発明で用いられるニードルボードに植えるバーブの向きとシート状物の進行方向の関係を説明するための概略平面図である。図2において、進行する繊維シート状物3に対して、ニードルが植設されたニードルボード4が配置されており、繊維シート状物3の進行方向5に平行な角度を90°とし、進行方向5に直角角度を0°としたとき、ニードルのバーブの角度を|0°〜35°|に向けることがしめされている。
次に、本発明で使用される不織布について説明する。
不織布としては、天然繊維、再生繊維および合成繊維等の短繊維を、カード、クロスラッパーおよびランダムウェバー等を通して積層されたもの、スパンボンドやメルトブローン等のように長繊維が積層されたものが挙げられる。さらに、これらの繊維層が、空気流、液体流およびニードルパンチ等により予め予備的な絡合が付与されたものであってもよい。
また、本発明の繊維シート状物の製造方法によって得られた繊維シート状物を人工皮革の製造に利用する場合、不織布を構成する繊維は、極細繊維または極細化可能な繊維であることが望ましい。
極細繊維または極細化可能な繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸およびポリエステルエラストマ等のポリエステル系重合体、ナイロン6、ナイロン66およびポリアミドエラストマ等のポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリオレフィン系重合体およびアクリロニトリル系重合体などの繊維形成能を有する重合体からなる繊維が好適である。これらの中でも、加工した製品の風合および実用性能の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6およびナイロン66からなる繊維が特に好ましく用いられる。
また、海島型繊維のように複合繊維を構成する一部の重合体を除去または相互に剥離することによって極細繊維化されるものについては、被除去成分として、島成分を構成するポリマーよりも溶解性や分解性の高い化学的性質を有するという点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合成分とした共重合ポリエステル、ポリ乳酸および共重合ポリアミド等の1種または2種を用いることができる。
海成分を溶解する溶剤としては、海成分がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンおよび共重合ポリスチレンの場合は、トルエンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤が用いられ、また、海成分が共重合ポリエステルやポリ乳酸の場合は、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を用いることができ、熱水可溶性のポリエステルやポリビニルアルコールの場合は熱水が用いられ、溶剤や溶液中に海島型複合繊維を浸漬し、窄液を行うことによって、海成分を除去することができる。特に、ニードルパンチしたときの繊維の高絡合化による表面繊維の高密度化の観点から、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共重合ポリエステルおよびポリ乳酸が好ましく使用される。
本発明で用いられる不織布を構成する極細繊維の単繊維繊度は、皮革様物としての性能、すなわち柔軟性、触感、外観品位および強力特性などを高めるために、0.0001dtex以上0.8dtex以下であることが好ましい。
このような極細繊維は、次のような極細繊維発生型繊維から得られる。すなわち、例えば、2種以上の重合体からなる高分子配列体繊維(特公昭44−18369号公報)や、互いに相溶性の小さい2種の重合体が隣接してなる易分割型複合繊維(特公昭53−37456号公報)などである。しかしながら、本発明はこれらにとらわれるものではなく、その技術的思想を基に発展的形態の繊維が適用可能である。
次に、本発明における不織布と織編物の関係についての説明をする。
不織布に対する織編物の重量割合は70%以下であることが望ましく、最も好適には10〜50%である。不織布に対する織編物の重量割合が70%を超えると、不織布表面に織編物を構成する繊維が露出しやすくなるからである。
不織布と織編物の絡み合わせには、不織布の片面もしくは両面に織編物を積層するか、あるいは複数枚の不織布の間に織編物を挟んで、ニードルパンチによって繊維同士を絡ませることができる。
このとき、不織布が前述したような何らかの手段で予備的な絡合が与えられていることが、不織布と織編物をニードルパンチで不離一体化させる際のシワ発生をより防止するために望ましい態様である。その場合、ニードルパンチにより、あらかじめ予備的絡合を与える方法を採用する場合には、そのパンチ密度は20本/cm以上で行なうことが効果的であり、好適には100本/cm以上のパンチ密度で予備絡合を与えることがよく、より好適には300本/cm〜1300本/cmのパンチ密度で予備絡合を与えることである。
予備絡合が、前述の20本/cmより少ないパンチ密度では、不織布の幅が、織編物との絡合時およびそれ以降のニードルパンチにより、狭くなる余地を残しているため、幅の変化に伴い織編物にシワが生じ平滑な繊維シート状物を得ることができなくなるからである。また、予備絡合のパンチ密度が1300本/cmを超えると、不織布自身の絡合が進みすぎて、織編物を構成する繊維との絡合を十分に形成するだけの移動余地が少なくなるので、不織布と織編物が強固に絡合した不離一体構造を実現するには不利となるからである。
織編物と不織布とを絡合一体化させるに際しては、パンチ密度の範囲を300本/cm〜6000本/cmとすることが好ましく、パンチ密度の範囲はより好ましくは1000本/cm〜3000本/cmである。
ニードルによる織編物繊維の損傷の程度は、不織布と織編物とをニードルパンチで絡合一体化させた後の織編物の引張強さ保持率により評価することができる。その値は、次式により算出することができる。
引張強さ保持率=(織物と不織布とを絡合一体化させて得られた複合シート中の織物引張強さ)/(織物自体の引張強さ)
上記式の引張強さ保持率が高いほど、剛軟度の低い柔軟な織編物を設計することが可能となるため、柔軟な人工皮革基体を得るためには、上記式の引張強さ保持率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。
次に、得られた繊維シート状物中の極細繊維発生型繊維を、繊維構成ポリマーのうちの少なくとも1成分(好ましくは海成分構成ポリマー)を溶解剤若しくは分解剤で処理して、または機械的もしくは化学的処理により極細繊維あるいは極細繊維束に変性して人工皮革用基体を得る。このとき、極細繊維発生型繊維の変性処理に前後して、高分子弾性体液を付与するが、この順序についてはどちらも可能である。高分子弾性体液付与前に変性処理を行う場合には、極細繊維と高分子弾性体が接着しないようにポリビニルアルコールなどの溶解除去可能な仮充填剤を不織布に付与した後に高分子弾性体液を付与し、その後に該仮充填剤を除去することが繊維シート状物の柔軟性を得る上で好ましい態様である。また、高分子弾性体を分散剤に溶解あるいは分散させて得た重合体液を不織布に含浸し、高分子弾性体の非溶剤で処理して湿式凝固させるあるいは、そのまま加熱乾燥し、ゲル化させる方法で繊維シート状物を得る。このようにして、人工皮革用基体を製造することができる。
上記で得られた人工皮革用基体は、スエード調人工皮革あるいは銀付き調人工皮革のいずれにも仕上げることができる。スエード調人工皮革に仕上げる場合は、上記の人工皮革用基体をスライスやバフィング等により所望の厚みに調整した後、サンドペーパー等でバフィングすることにより、上記の基体表面の極細繊維束を起毛し、染色することによりスエード調人工皮革となる
また、銀付き調人工皮革に仕上げる場合は、上記の人工皮革用基体をスライス、バフィング等により所望の厚みに調整した後、表面に乾式法や湿式法等の方法により銀面を形成し、銀付き調人工皮革とすることができる。
物性等の測定は、次の方法によった。
[織編物の強力保持率]:
まず、織編物あるいは織編物と不織布とを絡合一体化させて得られた繊維シート状物の引張強さを、次の方法で求めた。不織布部分を除去した織編物単体とパンチ前の織編物をそれぞれからタテ20cm、ヨコ5cmの試験片を切り出し、JIS L1096(1999)のA法にしたがって、テンシロン引張試験機を用い、つかみ間隔10cmで試験片をつかんで、毎分10cmで定速伸長させてタテ方向の強力を測定した。測定はそれぞれ3回行い、平均値を算出した。
この不織布部分を除去した織編物単体の測定値をパンチ前の織編物の測定値で除して強力保持率を百分率で求め、強力保持率が70%以上で判定を合格○とし、69%以下で判定を不合格×とした。
[織編物を構成する緯糸の長径D]:
平らな台の上で織編物組織をサンプリングして、そのサンプルを上から観察するような向きに設置し、走査型電子顕微鏡により100倍程度で写真撮影を行った。最も太く見える部分と最も細く見える部分2点と他の任意の8点計10点を実測し、その平均値を画像上のスケールとの長さ比率から算出した。
[織編物繊維露出]
不織布表面の任意の範囲(10cm×10cm)をマイクロスコープ(モリテックス社製Inf−500、倍率:50倍)で観察し、織編物を構成する繊維が露出した点数。この露出点数は製品の性能には寄与しないが、6点を超えると製品の表面感を損なう可能性があるため、5点以下に抑えることが好ましい。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分としてポリスチレンからなる成分比80/20、島数16、複合繊維の単繊維繊度3.8dtex、繊維長51mm、捲縮数14山/インチの海島型複合繊維の原綿を用いて、カード、クロスラッパーの工程を経て不織布を作成し、次いでプレパンチ300本/cmのニードルパンチを行い、目付重量250g/mの不織布(フェルト)を作成した。
得られた不織布に84dtex(長径D=125μm)−72フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経95×緯76本/cm)を均一に広げて重ね、スロートデプスJ=60μm、バーブ深さX=30μmのニードルをθ=0°方向(図2参照)に植えたニードルボードでまず不織布側から300本/cm、その後織物側から300本/cmと交互に計27000本/cmのニードルパンチを行い、目付重量370g/m、見掛密度0.215g/cmの繊維シート状物を得た。このとき、パンチ前の織物引張強さに対する強力保持率は76%であった。結果を、表1と2に示す。
[実施例2]
上記実施例1において、スロートデプスJ=60μm、バーブ深さX=40μmのニードルに変更したこと以外は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は74%であった。結果を、表1に示す。
[実施例3]
上記実施例1において、スロートデプスJ=75μm、バーブ深さX=50μmのニードルに変更し、144dtex(長径D=151μm)−288フィラメント、撚数2000T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経72×緯63本/cm)に変更したこと以外は、同一条件で加工してシート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は75%であった。結果を、表1に示す。
[実施例4]
上記実施例1において、スロートデプスJ=45μm、バーブ深さX=30μmのニードルに変更、56dtex(長径D=90μm)−12フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経110×緯88本/cm)に変更した他は、同一条件で加工してシート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は71%であった。結果を、表1に示す。
[実施例5]
上記実施例1のニードル全面に膜厚3μmのクロムメッキ処理を施し、表面硬度600Hvのニードルを得た。そのニードルを用いて、パンチの平均速度120m/minで約5000万回パンチ後の寸法はJ=60μm、X=29μmとほぼ変化がなく、織物の強力保持率も76%をキープしていた。結果を、表1に示す。
[実施例6]
上記実施例1において、ニードルをθ=30°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:78%、ヨコ:79%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が3点/100cmとわずかばかり露出が見られた。結果を、表2に示す。
[実施例7]
上記実施例1において、ニードルをθ=45°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:73%、ヨコ:78%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が12点/100cm露出していた。結果を、表2に示す。
[実施例8]
上記実施例1において、ニードルをθ=90°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:80%、ヨコ:72%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が27点/100cm露出していた。結果を、表2に示す。
[比較例1](スロートデプスJの値が外れた場合)
上記実施例1において、スロートデプスJ=80μm、バーブ深さX=30μmのニードルに変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は46%まで低下した。結果を、表1に示す。
[比較例2](バーブ深さXの値が外れた場合)
上記実施例1において、J=60μm、バーブ深さX=55μmのニードルに変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は57%まで低下した。結果を、表1に示す。
[比較例3](実施例1で長径Dを小さくし、スロートデプスJの値が外れた場合)
上記実施例1において、56dtex(長径D=95μm)−12フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経110×緯88本/cm)に変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は37%まで低下した。結果を、表1に示す。
[比較例4](実施例1のニードルが摩耗してXとJの値がともに外れた場合)
上記実施例1において、耐摩耗性皮膜を有していないニードル(材質:ピアノ線)を用いてパンチの平均速度120m/minで約5000万回パンチ後、ニードルがスロートデプスJ=80μm、バーブ深さX=50μmまで摩耗進行した。このニードルで加工した繊維シート状物において、織物の強力保持率は34%まで低下していた。結果を、表1に示す。
Figure 0005272838
Figure 0005272838
表中、関係式の欄において、関係式を満たしている場合を○、満たしていない場合を×表す。
1 ニードル
2 織編物を構成する繊維糸条
3 繊維シート状物
4 ニードルボード
5 シート状物の進行方向
6 バーブ
D 織編物を構成する繊維糸条の長径
J ニードルのスロートデプス
X ニードル長さ方向のバーブ深さ

Claims (5)

  1. 不織布と織編物をニードルパンチにより一体化させるシート状物の製造工程において、前記織編物を構成する繊維糸条の繊度が56〜144dtexであり、次式(1)と(2)を満たす条件でニードルパンチすることを特徴とする繊維シート状物の製造方法。
    X≦D/3 (1)
    J≦D/2 (2)
    但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
    J=図1に示すニードルのスロートデプス
    D=織編物を構成する繊維糸条の長径
  2. ニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が硬度500Hv以上の皮膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いてニードルパンチする請求項1記載の繊維シート状物の製造方法。
  3. 皮膜の膜厚が1μm以上7μm以下である請求項2記載の繊維シート状物の製造方法。
  4. 皮膜が硬質クロムまたはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)である請求項3記載の繊維シート状物の製造方法。
  5. 織編物の緯糸に対して平行な角度を0°とし、それに直行する経糸に平行な角度を90°とした場合、ニードルのバーブを|0°〜35°|に方向規制したパンチング用ニードルを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート状物の製造方法。
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