JP5272838B2 - 繊維シート状物の製造方法 - Google Patents
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Description
J≦D/2 (2)
但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
J=図1に示すニードルのスロートデプス
D=織編物を構成する繊維糸条の長径
本発明の繊維シート状物の製造方法の好ましい態様によれば、ニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が耐摩耗性の皮膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いてニードルパンチすることである。
X≦D/3 (1)
J≦D/2 (2)
但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
J=図1に示すニードルのスロートデプス
D=織編物を構成する繊維糸条の長径
図1は、本発明のニードルと織編物を構成する繊維糸条との関係を説明するための概略側面図である。図1において、ニードル1はニードル長さ方向のバーブ深さXとスロートデプスJで形成されるハーブを有している。図1は、織編物を構成する繊維糸条2の長径Dと、ハーブの位置関係を示している。
3000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)
T :織編物を構成する繊維糸条の実撚数(T/m)
DT:織編物を構成する繊維糸条の総繊度(dtex)
実撚数Tが1000/(DT1/2)以下であると、繊維の収束状態が弱く、各単糸がばらけた状態となるため、ニードルのバーブに掛かりやすく、単糸が切れたり、損傷を受けたりすることにより強度低下が発生する傾向がある。逆に撚り数が、30000/(DT1/2)以上を超えると緻密充填構造を超えてしまうため、二重旋回構造となることがある。実撚数Tのより好ましい範囲は5000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)であり、さらに好ましい範囲は12000/(DT1/2)≦T≦30000/(DT1/2)である。このとき、経糸と緯糸の実撚数は同じである必要はないが、同じ実撚数とすることが好ましい。
引張強さ保持率=(織物と不織布とを絡合一体化させて得られた複合シート中の織物引張強さ)/(織物自体の引張強さ)
上記式の引張強さ保持率が高いほど、剛軟度の低い柔軟な織編物を設計することが可能となるため、柔軟な人工皮革基体を得るためには、上記式の引張強さ保持率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。
また、銀付き調人工皮革に仕上げる場合は、上記の人工皮革用基体をスライス、バフィング等により所望の厚みに調整した後、表面に乾式法や湿式法等の方法により銀面を形成し、銀付き調人工皮革とすることができる。
まず、織編物あるいは織編物と不織布とを絡合一体化させて得られた繊維シート状物の引張強さを、次の方法で求めた。不織布部分を除去した織編物単体とパンチ前の織編物をそれぞれからタテ20cm、ヨコ5cmの試験片を切り出し、JIS L1096(1999)のA法にしたがって、テンシロン引張試験機を用い、つかみ間隔10cmで試験片をつかんで、毎分10cmで定速伸長させてタテ方向の強力を測定した。測定はそれぞれ3回行い、平均値を算出した。
平らな台の上で織編物組織をサンプリングして、そのサンプルを上から観察するような向きに設置し、走査型電子顕微鏡により100倍程度で写真撮影を行った。最も太く見える部分と最も細く見える部分2点と他の任意の8点計10点を実測し、その平均値を画像上のスケールとの長さ比率から算出した。
不織布表面の任意の範囲(10cm×10cm)をマイクロスコープ(モリテックス社製Inf−500、倍率:50倍)で観察し、織編物を構成する繊維が露出した点数。この露出点数は製品の性能には寄与しないが、6点を超えると製品の表面感を損なう可能性があるため、5点以下に抑えることが好ましい。
島成分としてポリエチレンテレフタレート、海成分としてポリスチレンからなる成分比80/20、島数16、複合繊維の単繊維繊度3.8dtex、繊維長51mm、捲縮数14山/インチの海島型複合繊維の原綿を用いて、カード、クロスラッパーの工程を経て不織布を作成し、次いでプレパンチ300本/cm2のニードルパンチを行い、目付重量250g/m2の不織布(フェルト)を作成した。
上記実施例1において、スロートデプスJ=60μm、バーブ深さX=40μmのニードルに変更したこと以外は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は74%であった。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、スロートデプスJ=75μm、バーブ深さX=50μmのニードルに変更し、144dtex(長径D=151μm)−288フィラメント、撚数2000T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経72×緯63本/cm)に変更したこと以外は、同一条件で加工してシート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は75%であった。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、スロートデプスJ=45μm、バーブ深さX=30μmのニードルに変更、56dtex(長径D=90μm)−12フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経110×緯88本/cm)に変更した他は、同一条件で加工してシート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は71%であった。結果を、表1に示す。
上記実施例1のニードル全面に膜厚3μmのクロムメッキ処理を施し、表面硬度600Hvのニードルを得た。そのニードルを用いて、パンチの平均速度120m/minで約5000万回パンチ後の寸法はJ=60μm、X=29μmとほぼ変化がなく、織物の強力保持率も76%をキープしていた。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、ニードルをθ=30°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:78%、ヨコ:79%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が3点/100cm2とわずかばかり露出が見られた。結果を、表2に示す。
上記実施例1において、ニードルをθ=45°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:73%、ヨコ:78%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が12点/100cm2露出していた。結果を、表2に示す。
上記実施例1において、ニードルをθ=90°方向に植えた場合においても織物の強力保持率はタテ:80%、ヨコ:72%と強力保持できていた。但し、不織布側の表面には織物の繊維(緯糸)が27点/100cm2露出していた。結果を、表2に示す。
上記実施例1において、スロートデプスJ=80μm、バーブ深さX=30μmのニードルに変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は46%まで低下した。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、J=60μm、バーブ深さX=55μmのニードルに変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は57%まで低下した。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、56dtex(長径D=95μm)−12フィラメント、撚数2500T/mのポリエチレンテレフタレート生糸使いの平織物(織密度:経110×緯88本/cm)に変更した他は、同一条件で加工して繊維シート状物を得た。このとき、織物の強力保持率は37%まで低下した。結果を、表1に示す。
上記実施例1において、耐摩耗性皮膜を有していないニードル(材質:ピアノ線)を用いてパンチの平均速度120m/minで約5000万回パンチ後、ニードルがスロートデプスJ=80μm、バーブ深さX=50μmまで摩耗進行した。このニードルで加工した繊維シート状物において、織物の強力保持率は34%まで低下していた。結果を、表1に示す。
2 織編物を構成する繊維糸条
3 繊維シート状物
4 ニードルボード
5 シート状物の進行方向
6 バーブ
D 織編物を構成する繊維糸条の長径
J ニードルのスロートデプス
X ニードル長さ方向のバーブ深さ
Claims (5)
- 不織布と織編物をニードルパンチにより一体化させるシート状物の製造工程において、前記織編物を構成する繊維糸条の繊度が56〜144dtexであり、次式(1)と(2)を満たす条件でニードルパンチすることを特徴とする繊維シート状物の製造方法。
X≦D/3 (1)
J≦D/2 (2)
但し、X=図1に示すニードル長さ方向のバーブ深さ
J=図1に示すニードルのスロートデプス
D=織編物を構成する繊維糸条の長径 - ニードル先端部から少なくとも最も遠いバーブまでの部分が硬度500Hv以上の皮膜で被覆されたパンチング用ニードルを用いてニードルパンチする請求項1記載の繊維シート状物の製造方法。
- 皮膜の膜厚が1μm以上7μm以下である請求項2記載の繊維シート状物の製造方法。
- 皮膜が硬質クロムまたはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)である請求項3記載の繊維シート状物の製造方法。
- 織編物の緯糸に対して平行な角度を0°とし、それに直行する経糸に平行な角度を90°とした場合、ニードルのバーブを|0°〜35°|に方向規制したパンチング用ニードルを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート状物の製造方法。
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