JP5272661B2 - アクリル系エラストマ - Google Patents

アクリル系エラストマ Download PDF

Info

Publication number
JP5272661B2
JP5272661B2 JP2008282224A JP2008282224A JP5272661B2 JP 5272661 B2 JP5272661 B2 JP 5272661B2 JP 2008282224 A JP2008282224 A JP 2008282224A JP 2008282224 A JP2008282224 A JP 2008282224A JP 5272661 B2 JP5272661 B2 JP 5272661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
repeating unit
unit represented
represented
acrylic elastomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008282224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010106220A (ja
Inventor
幸彦 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2008282224A priority Critical patent/JP5272661B2/ja
Publication of JP2010106220A publication Critical patent/JP2010106220A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5272661B2 publication Critical patent/JP5272661B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、アクリル系エラストマに関し、詳しくは接着性、強靱性、及び耐熱性に優れ、応力緩和材や、他の樹脂に混合することによる強靭性付与材や柔軟性付与材として有用な新規なアクリル系エラストマに関する。
従来より、種々の電子機器や半導体装置などにおいて、半導体チップ間の接着剤又は液晶ディスプレイに用いる緩衝材に使用するエラストマとしてシリコーンやウレタンを用いたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、従来のエラストマは、柔軟性、耐熱性においては優れているものの、接着性、他の樹脂との混合性(相溶性)においては十分な性能が得られず、接着性、強靱性、及び耐熱性のすべてにおいて満足するものはなく、これらすべての特性を満足する材料の出現が望まれていた。
特開2002−309221号公報 特開2005−194366号公報
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
本発明は、接着性、強靱性、及び耐熱性に優れたアクリル系エラストマを提供することにある。
前記課題を解決するための手段は以下に通りである。
(1)下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位と、下記一般式(4)及び下記一般式(5)で表される繰り返し単位の少なくとも一方とを有することを特徴とするアクリル系エラストマ。
Figure 0005272661
[一般式(1)〜(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは2級アミンを有する炭化水素基を表し、Rは3級アミンを有する炭化水素基を表す。a、b、c、d、eはそれぞれ各繰り返し単位の存在比を示し、0.4≦a+b≦0.9945であり、a+b+c+d+e=1である。また、nは0〜7の整数を表す。]
(2)前記一般式(4)のRで表される2級アミンを有する炭化水素基が、下記構造式(1)で表されることを特徴とする前記(1)に記載のアクリル系エラストマ。
Figure 0005272661
(3)前記一般式(5)のRで表される3級アミンを有する炭化水素基が、下記構造式(2)で表されることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のアクリル系エラストマ。
Figure 0005272661
(4)前記一般式(1)で表される繰り返し単位の存在比(a)と、前記一般式(2)で表される繰り返し単位の存在比(b)との比(a/b)が99〜0.01であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル系エラストマ。
(5)前記一般式(3)で表される繰り返し単位の存在比(c)が0.01〜0.3であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のアクリル系エラストマ。
(6)前記一般式(4)で表される繰り返し単位と、前記一般式(5)で表される繰り返し単位とをともに有し、それぞれの存在比(d:e)が、1:40〜40:1であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のアクリル系エラストマ。
本発明によれば、接着性、強靱性、及び耐熱性に優れたアクリル系エラストマを提供することができる。
本発明のアクリル系エラストマは、下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位と、下記一般式(4)及び下記一般式(5)で表される繰り返し単位の少なくとも一方とを有することを特徴としている。
Figure 0005272661
[一般式(1)〜(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは2級アミンを有する炭化水素基を表し、Rは3級アミンを有する炭化水素基を表す。a、b、c、d、eはそれぞれ各繰り返し単位の存在比を示し、0.4≦a+b≦0.9945であり、a+b+c+d+e=1である。また、nは0〜7の整数を表す。]
本発明のアクリル系エラストマは、前記一般式(1)〜(3)で表される各繰り返し単位と、下記一般式(4)及び下記一般式(5)で表される繰り返し単位の少なくとも一方とをセグメントとするエラストマであり、詳細は後述するように接着性、強靱性、及び耐熱性に優れているため、応力緩和剤、他の樹脂に混合することによる強靭性付与材や柔軟性付与材等として有用である。
以下に、各繰り返し単位について説明する。
一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位は、エラストマとしての主成分である。
一般式(1)中、Rは、炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基を表し、直鎖でも分岐していてもよく、また環を形成していてもよく、具体的には、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ラウリル基等が挙げられ、中でも、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、が好ましい。
一般式(2)中のシロキサン部位のnは0〜7であるが、0〜5が好ましく、0〜4がより好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)のそれぞれで表される繰り返し単位の合計存在比(a+b)は、0.4〜0.9945であり、0.6〜0.997であることが好ましく、0.7〜0.994であることがより好ましい。
また、一般式(1)で表される繰り返し単位の存在比(a)と、一般式(2)で表される繰り返し単位の存在比(b)との比は、柔軟性、接着性、他の樹脂との相溶性という観点から99〜0.01であることが好ましく、20〜0.05であることがより好ましい。
一般式(3)で表される繰り返し単位はアクリル酸由来の単位であり、酸成分であることからアルカリ可溶セグメントとしての役割を果たす。当該一般式(3)で表される繰り返し単位の存在比(c)は、他の樹脂との相溶性、有機溶媒やアルカリへの溶解性、当該エラストマ自体の凝集力と強靭性、基材への接着性という観点から、0.01〜0.3であることが好ましく、0.03〜0.2であることがより好ましい。
一般式(4)及び一般式(5)で表される繰り返し単位は、それぞれ、2級アミンを有する炭化水素基、3級アミンを有する炭化水素基を有し、当該繰り返し単位により分子間又は分子内においてカルボキシル基との間に生じる相互作用により凝集効果を働かせる役割を果たす。つまり、本発明のアクリル系エラストマは、単独では、分子間力が働くことにより分子の凝集力が働き、外力による抵抗が生じるために強靭性が高くなる。また、基材との接着においては、分子間力により生じた強靭性により破壊されにくくなり接着性が向上する。また、分子にあるカルボキシル基による基材との間に水素結合のような相互作用が生じることにより接着力自体も向上する。さらに、他の樹脂との混合においては、他の樹脂がカルボキシル基やフェノール性水酸基を有している場合は、当該エラストマに存在する3級アミン又は2級アミンと相互作用することができ、他の樹脂がローンペアを有する原子団であるエステル基、エーテル基、アミド基、ウレタン基等を有している場合は、当該エラストマ中に存在するカルボキシル基が相互作用することができる。この様に形成される相互作用により他の樹脂との相溶性が向上する。ひいては透明性も向上する。また、当該エラストマ中のカルボキシル基又は3級アミン又は2級アミンの量を制御することにより均一相溶から非相溶状態までを制御できる。特に非常に微細なドメイン(直径40nmから400nm程度)を形成させることも可能である。この様な相分離状態を形成している場合、外力が生じた際にその外力によるドメインを形成しているエラストマのセグメントのブラウン運動が活発化することで外力を熱として発散することにより外力による応力を緩和することができる。
本発明に係るアクリル系エラストマは、一般式(4)及び一般式(5)の両方又は一方を有していればよいが、それら両方有することが強靱性をさらに向上させることができるため好ましい。
一般式(4)、(5)中のR、Rで表される、2級アミンを有する炭化水素基、3級アミンを有する炭化水素基としては、例えば、以下の構造式(1)〜(5)で表される基が挙げられる。
Figure 0005272661
上記構造式(1)〜(5)の中でも、ピペリジン環骨格(2級アミン)、N−メチルピペリジン環骨格(3級アミン)を有する、構造式(1)、構造式(2)で表される基が好ましい。
一般式(4)及び一般式(5)で表される繰り返し単位をともに有する場合、それぞれの存在比(d:e)は、1:40〜40:1であることが好ましく、1:30〜30:1であることがより好ましく、1:20〜20:1であることがさらに好ましい。
以上の一般式(1)〜(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。すなわち、各繰り返し単位の主鎖は、Rが水素原子の場合はアクリル酸に、メチル基の場合はメタクリル酸に由来する。
以上の一般式(1)〜(5)で表される繰り返し単位により、本発明に係るアクリル系エラストマは、当該エラストマ中に存在するカルボキシル基と3級アミン又2級アミンとの相互作用により凝集力が生じることによる強靭性の向上と共に基材との間に生じる相互作用のため、接着性に優れている。また、カルボキシル基と3級アミン又は2級アミン間の相互作用により電荷密度が変化することで酸化反応を受けにくくなるため、耐熱性に優れている。
一般式(3)で表される繰り返し単位は酸由来であり、また一般式(4)及び一般式(5)で表される繰り返し単位はアルカリ由来であることから、本発明に係るアクリル系エラストマは、酸セグメント及びアルカリセグメントの両方を有する。従って、併用するポリマー等が酸又はアルカリの官能基を有していれば、相溶性が向上し、ひいては透明性を向上させることができる。
本発明のアクリル系エラストマの重量平均分子量(MW)は、溶解性、作業性、接着性、強靭性、他の樹脂との相溶性等の観点から、2000〜500000であることが好ましく、3000〜300000でることがより好ましく、4000〜200000であることがさらに好ましい。
本発明のアクリル系エラストマは、溶媒ともに他の樹脂と混合した混合物をすることができ、当該混合物は溶媒を揮発させることのみで硬化させ固形物を形成することができる。併用し得る他の樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂 ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明のアクリル系エラストマは、その効果を損なわない範囲で、耐熱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、スリップ剤、結晶核剤、粘着性付与剤、離型剤、可塑剤、顔料、染料、などの添加剤を添加することができる。
<合成方法>
次に、本発明のアクリル系エラストマの合成方法について説明する。
本発明のアクリル系エラストマは、適当な溶媒を用い、前記一般式(1)〜(5)で表される繰り返し単位に由来するモノマー成分を所望の比率となるように重合開始剤等とともに混合、攪拌し、加熱して共重合して得ることができる。
一般式(1)で表される繰り返し単位に由来するモノマーは、アクリル酸ブチルであり、一般式(2)で表される繰り返し単位に由来するモノマーは、メタクリルシリコーン(ただし、Si−O結合を含む繰り返し単位の数は0〜7である。)である。また、一般式(3)で表される繰り返し単位に由来するモノマーは、アクリル酸であり、一般式(4)、一般式(5)で表される繰り返し単位に由来するモノマーは、それぞれ、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジルアクリレートである。
混合に用いる溶媒としては、特に制限はない。例えば、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイゾブチルケトン、キシレン、ジメチルアセトアミド、γ―ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、ブタノール、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、水等を用いることができる。ここに示した例は一例であり、これらに制限されるものではない。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス化合物、キュメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、ラウロイルポーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物等、が挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。
その他の添加剤としては、シランカップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー等を用いることができる。
共重合反応は、上記の重合開始剤存在下に、乳化重合、けん濁重合、溶液重合、塊状重合などの方法で行うことができる。ラジカル重合、アニオン重合、リビングラジカル重合等の反応機構を利用することができる。その際の重合温度は、一般には−80〜150℃であり、0〜100℃とすることが好ましい。
その他、共重合に際し、一般式(1)〜一般式(5)に記載した単量体以外に共重合可能な単量体を発明の効果が低下しない範囲で共重合性反応性比を調節し円滑に反応させる目的で用いることも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
500mlの三口フラスコにトルエン75g、イソプロパノール(IPA)75gを秤取し、別途に秤取したアクリル酸ブチル(BA)66.7g、メタクリルシリコーン(X−22−2475,n=0)11.8g、アクリル酸(AA)11.8g、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジルメタアクリレート(LA82)9.8g、及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.13gからなるモノマー混合物を加えた。このモノマー混合物に対し、室温にて約270rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/minの流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を停止し、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。そして、同温度を14時間保持して重合反応を行い、目的の応力緩和材料を得た。この際の重合率は97%であった。また、重量平均分子量(MW)は、約27000であった。
反応混合物の所定量(約2g)をアルミパンに秤取し180℃に加熱したホットプレート上で30分間過熱し、揮発成分を除去し、固形分量を測定した後、以下の式に従って重合率を算出した。
重合率(%)=((固形分重量)/(反応混合物量))/0.2×100
なお、分子量の測定は、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて行った。ポンプはHITACHI製L6200 RI測定装置はHITACHI製L3300を用いた。
[実施例2]
モノマー混合物として、アクリル酸ブチル67.1g、メタクリルシリコーン(X−22−2475)11.8g、アクリル酸11.8g、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタアクリレート(LA87)9.3g、及びAIBN 0.13gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と全く同様に行った。この際の重合率は97.5%であった。MWは27000であった。MWは約28000であった。
[実施例3]
モノマー混合物として、アクリル酸ブチル66.9g、メタクリルシリコーン(X−22−2475)11.8g、アクリル酸11.8g、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジルメタアクリレート(LA82)4.9g、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタアクリレート(LA87)4.6g、及びAIBN 0.13gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と全く同様に行った。この際の重合率は98.1%であった。MWは約28000であった。
[比較例1]
モノマー混合物として、アクリル酸ブチル71.6g メタクリルシリコーン(X−22−2475)12.6g、アクリル酸15.8g、及びAIBN 0.13gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と全く同様に行った。この際の重合率は98%であった。MWは約30000であった。
[比較例2]
モノマー混合物として、アクリル酸ブチル52.4g、メタクリルシリコーン(X−22−2475)9.2g、2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジルメタアクリレート(LA82)38.4g、及びAIBN 0.13gからなる混合物を用いたこと以外は実施例1と全く同様に行った。MWは、約25000であった。
<評価>
(1)強靱性
強靭性(強度、弾性率、破断伸び)の測定は、以下の方法に従い行った。即ち、各実施例・比較例で得られた反応混合物を離型処理を施したPETフィルム上に流延し、100℃にて30分、180℃にて1時間、更に220℃にて1時間乾燥した。その後、室温まで冷却後PETから取り外し、約30ミクロン厚のフィルムを作製した。これを所定のサイズに裁断して試験用サンプルとした。
得られた試験用サンプルについて、強度、弾性率、破断伸びをINSTRON社製 MICROTESTERを用いて測定した。測定は、室温にて、チャック間距離25mm、試験片の幅は5mm、テストススピード5mm/分の条件で行った。測定結果を表1に示す。
(2)接着性
接着性の測定は、以下の方法に従い行った。即ち、実施例1で得られた反応混合物をガラスプレート上に流延し、100℃にて30分、180℃にて1時間、220℃にて1時間乾燥してガラスプレート上に約30ミクロン厚のフィルムを作製した。ガラスプレート上のフィルムを接着させたまま、所定の幅にフィルムのみを切断し、接着力測定用サンプルとした。
得られた接着力測定用サンプルに対し、オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用いて接着性の測定を行った。測定は、室温にてテストスピード50mm/分の条件で90°ピールを測定した。測定結果を表1に示す。
(3)耐熱性
耐熱性の測定は、接着性の測定に用いたものと同様の方法で作製し、乾燥後280℃に過熱したホットプレート上に1時間放置した後の色相変化を測定した。測定には日本電色工業社製、SE6000を用いて加熱前後の色相変化を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005272661
表1より、実施例1〜3においては、強靱性(強度、破断伸び)、接着性、及び耐熱性のすべてにおいて比較例よりも勝っていることが分かる。特に、いずれの比較例も、強靱性において極めて劣っていた。
[実施例4]
実施例3で調製したモノマー混合物から得られたエラストマと、各種ポリマー(フェノールノボラック樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂)の溶液とをその固形分比率が20/80になるように混合し、ガラスプレート上に流延した。次いで、所定の温度プロファイルで溶媒を除去しフィルムを作製し、その状態のヘイズ値を、日本電色工業社製(NDH5000)を用いて測定し又は目視にて観察した。結果を表2に示す。
なお、フェノールノボラック樹脂の場合は、溶媒に乳酸エチルを、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂の場合には溶媒にジメチルアセトアミドを用いた。
ポリアミド樹脂は、イソフタル酸クロライド(1.0mol)、ジアミノジフェニルエーテル(0.3mol)、ジアミノジフェニルスルフォン(0.2mol)の組成のものを用いた。ポリイミド樹脂は、ピロメリット酸無水物(1.0mol)、ジアミノジフェニルエーテル(0.3mol)、ジアミノジフェニルスルフォン(0.2mol)の組成のものを用いた。
[比較例4]
比較例1で得られたモノマー混合物を用いたこと以外は実施例4と同様にしてフィルムを作製した。結果を表2に示す。
Figure 0005272661
表2より、他の樹脂と混合した際の相溶性が大きく向上していることが分かる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位と、下記一般式(4)及び下記一般式(5)で表される繰り返し単位の少なくとも一方とを有し、
    前記一般式(4)のRで表される2級アミンを有する炭化水素基が、下記構造式(1)で表され、前記一般式(5)のRで表される3級アミンを有する炭化水素基が、下記構造式(2)で表されることを特徴とするアクリル系エラストマ。
    Figure 0005272661
    [一般式(1)〜(5)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を表し、Rは2級アミンを有する炭化水素基を表し、Rは3級アミンを有する炭化水素基を表す。a、b、c、d、eはそれぞれ各繰り返し単位の存在比を示し、0.4≦a+b≦0.9945であり、a+b+c+d+e=1である。また、nは0〜7の整数を表す。]
    Figure 0005272661
    Figure 0005272661
  2. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位の存在比(a)と、前記一般式(2)で表される繰り返し単位の存在比(b)との比(a/b)が99〜0.01であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル系エラストマ。
  3. 前記一般式(3)で表される繰り返し単位の存在比(c)が0.01〜0.3であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクリル系エラストマ。
  4. 前記一般式(4)で表される繰り返し単位と、前記一般式(5)で表される繰り返し単位とをともに有し、それぞれの存在比(d:e)が、1:40〜40:1であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアクリル系エラストマ。
JP2008282224A 2008-10-31 2008-10-31 アクリル系エラストマ Expired - Fee Related JP5272661B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008282224A JP5272661B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 アクリル系エラストマ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008282224A JP5272661B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 アクリル系エラストマ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010106220A JP2010106220A (ja) 2010-05-13
JP5272661B2 true JP5272661B2 (ja) 2013-08-28

Family

ID=42295988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008282224A Expired - Fee Related JP5272661B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 アクリル系エラストマ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5272661B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5381030B2 (ja) * 2008-11-10 2014-01-08 日立化成株式会社 樹脂組成物
CN103906785A (zh) * 2011-11-02 2014-07-02 日立化成株式会社 环氧树脂组合物、半固化环氧树脂组合物、固化环氧树脂组合物、树脂片、预浸料坯、层叠板、金属基板、配线板、半固化环氧树脂组合物的制造方法以及固化环氧树脂组合物的制造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2632675B2 (ja) * 1986-02-04 1997-07-23 大日本インキ化学工業株式会社 被覆用樹脂組成物
JP2002206042A (ja) * 2000-11-13 2002-07-26 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸エステル系樹脂組成物
JP2006265560A (ja) * 2001-12-26 2006-10-05 Nippon Paint Co Ltd アクリル樹脂及び防汚塗料
JP4480932B2 (ja) * 2001-12-26 2010-06-16 三菱レイヨン株式会社 水性低汚染被覆材
JP4403355B2 (ja) * 2002-09-13 2010-01-27 Dic株式会社 カラーレジスト組成物
JP4043938B2 (ja) * 2002-12-26 2008-02-06 ライオン株式会社 撥水処理剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010106220A (ja) 2010-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011007861A1 (ja) 粘着テープ、積層体及び画像表示装置
TWI751199B (zh) 光學透明黏合劑組合物,包含其之光學透明黏合膜,及平板顯示裝置
JPWO2011115224A1 (ja) 光学部材用粘着剤組成物及び光学部材用粘着テープ
TWI825426B (zh) 黏著保護膜、包括其的光學構件以及包括其的光學顯示器
JP6708158B2 (ja) 粘着剤組成物およびこの組成物を用いてなるフィルム
KR20150113884A (ko) 점착제 조성물, 점착 편광판 및 액정 표시 장치
TW201132721A (en) Adhesive composition and optical member using the same
JP2008074969A (ja) 接着剤組成物
JP5272661B2 (ja) アクリル系エラストマ
TW201819577A (zh) 光學透明黏著劑組成物、包括該組成物之光學透明黏著性膜、及平板顯示器
US11130886B2 (en) Adhesives
JP2012121950A (ja) 硬化性シリコーン組成物及びシリコーン樹脂硬化物
JP2008115239A (ja) 接着剤組成物
WO2015019512A1 (ja) 光導波路用樹脂組成物、並びにそれを用いた光導波路用樹脂フィルム、光導波路及び光電気複合配線板
KR101161434B1 (ko) 공중합을 이용한 고내열성 점착 수지 조성물 및 그 제조방법
CN109536085B (zh) 一种有机硅改性聚丙烯酸酯压敏胶制备方法及所得压敏胶
JP5381030B2 (ja) 樹脂組成物
JP5391590B2 (ja) アクリル系共重合体の製造方法
JP6675820B2 (ja) アクリル樹脂組成物及び電子部品
JP5298704B2 (ja) アクリル樹脂組成物
JPH03172338A (ja) アクリルゴム組成物
JP2020189946A (ja) (メタ)アクリル系樹脂組成物
JP2008208149A (ja) アクリル共重合体の製造方法
TWI810308B (zh) 黏著劑組成物、黏著偏光板及液晶顯示裝置
KR20090061359A (ko) 아크릴계 점착제 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130429

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5272661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371