JP5272361B2 - スパッタ成膜装置およびスパッタ成膜装置用のバッキングプレート - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)および電子デバイス等の作製に用いられるスパッタ成膜装置およびスパッタ成膜装置用バッキングプレートに関するものである。
III族窒化物化合物半導体は、可視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップをもち高効率な発光が可能であるため、LEDやLDとしての製品化が成されている。また、電子デバイスとしても従来のIII−V族化合物半導体では得られない特性が得られるポテンシャルを持っている。
一般的に、III族窒化物化合物半導体は有機金属化学気相成長(MOCVD)法によって製造されている。MOCVD法は、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウムおよびアンモニアを原料とし、キャリアガスに原料の蒸気を含ませて基板表面に運搬し、加熱された基板との反応により原料を分解して結晶を成長させる方法である。精密な膜厚および組成制御を行うことができるというメリットを有する代わりに、成膜時間が長くなることおよび制御パラメータの操作が困難であるというようなデメリットがある。
そのため、III族窒化物化合物半導体をスパッタ法によって製造する研究も行われている。スパッタ法は、成膜速度を上げることができ、また制御パラメータの操作も簡易であるので、素子の生産性に大いに効果を発するためである。GaN膜をスパッタ法により成膜し、平滑性の良い膜を形成できたとの報告もある(非特許文献1および非特許文献2)。
非特許文献1には、Nガスを用いた高周波マグネトロンスパッタリングによってSi(100)およびサファイア(Al)(0001)上にGaN膜を成膜したとの記載がある。成膜条件としては、全ガス圧力は2mTorr、投入電力は100Wとし、基板温度を室温から900℃まで変化させている。論文に掲げられた図によれば、用いた装置はターゲットと基板を対向させている。
また、非特許文献2では、カソードとターゲットを向かい合わせ、基板とターゲットの間にメッシュを入れた装置でGaNを成膜したとの記載がある。成膜条件はNガス中で圧力を0.67Paとし、基板温度は84から600℃であり、投入電力は150W、基板とターゲット間の距離は80mmとされている。
更に、GaNを用いたIII族窒化物化合物半導体の積層構造体の製造において、MOCVD法に加えてスパッタ法も合わせて行うことにより、精密な膜厚、組成制御とともに、成膜スピードを上げかつ欠陥の無い平滑な成膜を行うというような生産性の向上に大いに寄与する研究も行われ始めている。
特許文献1および2において、サファイア基板上にGaN膜を積層する場合において、AlNのようなバッファ層を導入することによって、GaNとサファイア層との間の格子不整合の問題を解消し、GaNの結晶性を上げることが報告されている(特許文献1,2)。また、高周波スパッタ法を用いバッファ層の成膜を行い、そのバッファ層上に同じ組成の結晶をMOCVD法により成長させ、エピタキシャル成長をさせることができる旨の報告がされている(特許文献3)。その成膜工程においてバッファ層のアニール処理を導入するとエピタキシャル成長の特性を向上させられるとの報告がなされ(特許文献4)、更に、バッファ層を400℃以上の温度でDCスパッタにより成膜するとエピタキシャル成長の特性が向上させられるとの報告もなされている(特許文献5)。
このように、III族窒化物化合物半導体をスパッタ法により成膜する技術の重要性は高まっており、特にGaNをスパッタ法により成膜する技術の重要性が高まっている。しかし、Gaは常温で液体であるため、従来、Gaをターゲットとして成膜するときには、これを冷却して固体状態にして、スパッタ成膜をする必要があった。しかし、ターゲットの冷却が不十分であったり、投入するプラズマのパワーを上げたりした場合に、Gaの状態が固体から突然液体に状態変化し、成膜をうまく制御できない場合があった。
従来のバッキングプレートは、Gaを固体状態で用いることを前提に作られているので、液体状態となったGaとの濡れ性を考慮していない。濡れ性が悪い材料がバッキングプレートのGaと接触する面に使われている場合、熱がGaからバッキングプレートにうまく逃げず、熱がこもりGaを溶解させたり、冷却材によって冷やされたバッキングプレートの冷却効果がGaにうまく伝わらず、Gaを冷却することができなかったりする場合がある。そのような場合、Gaが固体から突然液体に状態変化し、成膜制御を不安定にさせる。また、Gaが液体状態のとき、Gaは表面張力によって液滴となって寄り集まり、バッキングプレートの面を露出させる。その結果、バッキングプレート面の構成元素が一緒にスパッタされる弊害をもたらす。実際に、バッキングプレート表面が露出した状態でスパッタした場合、成膜したものを分析すると、バッキングプレートを構成する元素が不純物として混入している場合があった。
従って、Gaが固体状態および液体状態のいずれの状態においても、Gaとバッキングプレートとの間の熱伝導を均一に行うことによって、成膜を安定して行なわせる必要がある。また、Gaが液体状態のときには、バッキングプレートのスパッタ面に液体状態のGaを均一に広げ、バッキングプレート表面が露出しない状態で成膜を行わせることによって、不純物を含まないGa窒化物化合物半導体を形成させる必要がある。
特許第3026087号公報 特開平4−297023号公報 特公平5−86646号公報 特許第3440873号公報 特許第3700492号公報 21世紀連合シンポジウム論文集、Vol.2nd、p.295(2003) バキューム(Vacuum)、Vol.66、p.233(2002)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、Gaを安定して保持することが可能なスパッタ装置用のバッキングプレートおよびこのバッキングプレートを備えたスパッタ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。
(1) Gaを含むターゲット材料を保持するバッキングプレートを具備してなり、少なくとも前記バッキングプレートの前記ターゲット材料と接する接触面が、液体状態のGaとの接触角が90°以下となる易濡れ性材料で構成されており、かつ、前記バッキングプレートに前記易濡れ性材料がコーティングされて前記接触面が形成されていることを特徴とするスパッタ成膜装置。
(2) 前記易濡れ性材料が、シリコン、カーボン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、および酸化シリコンからなる群より選ばれる1種の材料からなることを特徴とする(1)に記載のスパッタ成膜装置
(3) 基板上にGaを含むIII族窒化物化合物半導体からなる層を成膜する際に用いられることを特徴とする(1)または(2)に記載のスパッタ成膜装置。
(4) Gaを含むターゲット材料を保持するスパッタ成膜装置用のバッキングプレートであって、前記バッキングプレートの前記ターゲット材料と接する接触面が、液体状態のGaとの接触角が90°以下となる易濡れ性材料で構成されており、かつ、前記バッキングプレートに、前記易濡れ性材料がコーティングされて前記接触面が形成されていることを特徴とするスパッタ成膜装置用のバッキングプレート。
(5) 前記易濡れ性材料が、ポリシリコン、カーボンおよび石英からなる群より選ばれる1種の材料からなることを特徴とする(4)に記載のスパッタ成膜装置用のバッキングプレート
上記の構成によれば、液体Gaとの接触角が90°以下である易濡れ性材料によってバッキングプレートの接触面を形成するので、Gaが液体の場合であっても接触面を露出させることなく、Gaを安定して保持することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。図1は、バッキングプレート1の一例を示す断面図である。図1に示すバッキングプレート1は、易濡れ性材料からなるバッキングプレート本体1aから構成されている。バッキングプレート本体1aには、ターゲット材料を保持するための凹部1bが設けられている。この凹部の内面1cが、ターゲット材料との接触面とされている。図1に示すバッキングプレート1では、バッキングプレート本体1aを易濡れ性材料で形成することによって、凹部1bの内面1cである接触面が、易濡れ性材料で構成されることになる。
図2には、バッキングプレートの別の例を示す。図2に示すバッキングプレート11は、バッキングプレート本体11aと、コーティング層11bとから構成されている。バッキングプレート本体11aには、その上面側11cにターゲット材料を保持するための凹部11dが設けられている。また、コーティング層11bは、易濡れ性材料からなるものであって、厚みが0.1μm〜1mm程度の薄膜である。このコーティング層11bは凹部11dの内部の全面に形成されていれば良いが、凹部11dの周りの上面側11cに形成されていても良い。図2に示すバッキングプレート11では、凹部内面に形成されたコーティング層11bの表面がターゲット材料との接触面となる。
図1におけるバッキングプレート本体1aまたは図2におけるコーティング層11bを構成する易濡れ性材料とは、液体状態のGaとの接触角が90°以下となる材料である。
ここで、「濡れ性」は、液体と固体表面との間で一意に決まる物理量であり、「濡れ性」が高いとは、液体が固体表面に広がる現象をいい、「濡れ性」が低いとは、固体表面が液体をはじくような現象をいう。「濡れ性」の程度は、一般に接触角θで定義される。接触角θとは、固体または液体表面と液滴とが接するときに、液面と固体面とのなす角で液体を含む側の角をいう。θはYoungの式γsv=γlvcosθ+γslにより、固気、気液および固液界面自由エネルギー(γsv、γlv、γsl)と関連づけられる。
接触角θ=180°のときは、全く濡れ性が無い状態であり、θが小さくなれば、濡れ性が高くなり、θ=0°のとき、完全に濡れることをさす。本発明のバッキングプレート1、11では、Gaと易濡れ性材料との接触角は基本的に小さければ小さいほど良く、90°以下であることが望ましい。更に望ましくは、60°以下であり、30°以下であることが、特に望ましい。
次に、易濡れ性材料の具体例としては、たとえば、シリコン、カーボン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、および酸化シリコンを例示でき、好ましくはシリコン、カーボンを例示できる。また、図1のようにバッキングプレートそのものとして用いる場合には、成形できる程度の剛性を有する材料を用いることが好ましい。
ここでいうシリコンとは、単結晶であっても構わないし、多結晶であっても良い。価格の面から多結晶シリコンを用いることが望ましいが、含有される不純物を適切に制御する必要があることは言うまでもない。また、導電性を持つ材料とすることが望ましい。このことは、図1のようにバッキングプレート自体をシリコンで形成する場合でも、図2のように他の材料で作製したバッキングプレートをシリコンでコートする場合でも同様である。コート材料の場合は、ポリシリコンとすることが現実的であり、望ましい。
ここでいうカーボンとは、グラファイトカーボンであることが、価格、加工性、導電性の面から望ましい。この場合も、含有される不純物を適切に制御する必要がある。また、コート用の材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC)と呼ばれる材料も用いることができる。コートは、カーボンで作製したバッキングプレートに施すことも可能である。
図1または図2のバッキングプレート1、11の凹部1b、11dに充填されるターゲット材料は、Ga単独でもかまわないが、Gaに他の元素を混合させたものでも良い。他の元素としては、Mg、SiおよびAlなど、GaNのドーパントとして用いられるものを使用できる。また、Gaは液体として用いられてもよく、固体として用いられても良い。
Gaに他の元素を混合して使用する場合で、ターゲットを液体状態で使用したいときには、Gaに他の元素を完全に溶融させて化合物や合金とすることが望ましい。
Gaに他の元素を完全に溶融させることができず、固体としてGaに他の元素を分散させる必要がある場合には、スパッタが進行してもターゲット面におけるGaと他の元素の面積比が変化しないような工夫が必要である。例えば、スパッタによりターゲット表面が削られても、Gaと他の元素の面積比が変化しないように、他の元素の塊を、ターゲットの深さ方向に対して同じ断面積を呈するような形状として、固定して混入する。また、粒子状の他の元素をターゲット中に均一に分散させるなどの方法も取ることができる。もちろん、混合物として均一に混ざった状態で使用しても良い。
たとえば、GaにMg、AlもしくはInを混合する場合は、GaとMg、AlやInとの相溶性が高いので、GaにMg、AlもしくはInを溶解させて用いるか、あるいはそれを固化させたものを用いることができる。
また、GaにSiを混合する場合は、GaとSiとの相溶性が低いので、Siを粒状または粉状にして、固体状態のGaに均一に分散させたものを用いればよい。これは、液体状態のGaに粒状のSiを混ぜて冷やし固めることによって作製すればよい。また、Gaを液体で使用したいときは、Siのターゲットを別途設けて、同時スパッタする、などの方法を取ることが望ましい。
上記のターゲット材料を、図1あるいは図2に示すバッキングプレート1,11の凹部1b、11dに充填することによって、スパッタ成膜装置に用いられるスパッタターゲットが構成される。
図3は、図1に示すバッキングプレート1を用いてスパッタターゲット26を製造する方法を説明する工程図である。まず、図3(a)に示すように易濡れ性材料からなる塊状の母材22aを用意する。次に、図3(b)に示すように、その母材22を成形加工することによって、凹部1bを形成する。凹部1bの成形加工方法は、研削、プレス成形等を利用できる。このようにして、易濡れ性材料からなるバッキングプレート1を製造する。次に、図3(c)に示すように、冷却プレート23の上に接着材24を介して、バッキングプレート1を固定する。ビーカーにGa粒を数粒いれ、暖めて液体Gaにした後、バッキングプレート1の凹部1bに流しいれ、室温まで冷却してGaを固体にする。最終的に、図3(e)に示すスパッタターゲット26を製造する。
図4は、図2に示すバッキングプレート11を用いてスパッタターゲット27を製造する方法を説明する工程図である。まず、図4(a)に示すように塊状の母材22bを用意する。次に、図4(b)に示すように、その母材22bを成形加工することによって、凹部11dを形成する。凹部11dの成形加工方法は、研削、プレス成形等を利用できる。図4(c)に示すように、コーティング材11bで凹部11dおよび上面側11cをコーティングする。このようにして、易濡れ性材料でコーティングされたバッキングプレート11を製造する。図4(d)から(f)に示す工程は、図3に示す工程と同様にして、図4(f)に示すスパッタターゲット27を製造する。
コーティングの方法としては、一般的に知られたものを問題なく使用することができる。例えば、CVD、スパッタ、蒸着、メッキなどである。特にCVDは、比較的稠密な膜を大きなサイズの物体にも成膜することが可能なので、本発明のコーティング方法として適している。きわめて高温での反応を必要とするコーティング方法は、本体である金属が融解する可能性があるので、適用できない。
上記のバッキングプレート1、11は、液体Gaとの接触角が90°以下である易濡れ性材料によって、接触面を形成するので、Gaが液体の場合であっても接触面を露出させることなく、Gaとの接触面である凹部1bの内面1cあるいは凹部11d内面に形成されたコーティング層11bの表面に、Gaを隙間無く均一に広げて保持することができる。これにより、易濡れ性材料自体をスパッタするおそれがない。
図1に示すように、バッキングプレート1自体を易濡れ性材料で構成した場合には、衝撃や擦れなどによりバッキングプレート1の凹部1bの内面1cに傷が付いても、易濡れ性材料が削られ、新しい表面が露出するだけなので、Gaとの濡れ性には影響が無く、Gaとの接触面である凹部1bの内面1cに隙間無く均一に広げて保持できる。なお、易濡れ性材料の多くは熱伝導性が低く、Gaを低温にして固体状態に維持しにくい場合がある。そのため、図3に示す例のスパッタターゲット26は、液体Gaをターゲット材料とする場合に用いるのが好ましい。
一方、図2に示すように、コーティング材料11bを易濡れ性材料としてバッキングプレートにコートした場合は、バッキングプレート本体11aを熱伝導性の優れた銅、アルミ、鉄などの金属等で製造し、表面だけを易濡れ性材料でコーティングすることができるので、バッキングプレート本体11aを介してターゲット材料を効率よく冷却できる。従って、図4に示す例のスパッタターゲット27は、液体Gaだけでなく固体Gaもターゲット材料とする可能性がある場合に用いるのが好ましい。
また,図3あるいは図4に示すスパッタターゲット26,27の製造工程において、Gaとの接触面である凹部1bの内面1cあるいは凹部11d内面に形成されたコーティング層11bの表面に易濡れ性材料を用いれば、バッキングプレート本体1aあるいはコーティング層11b表面を露出せず、ターゲット材料である液体Gaを隙間無く均一に広げて保持するバッキングプレート1、11も容易に製造することができる。
コーティングは、複数の層で構成することができる。例えば、コーティング層とする材料がGaとの親和性があったとしても、バッキングプレート材料との親和性が悪い場合、コーティング層の剥がれが発生する可能性がある。このような場合、その間に両方との親和性を持つ材料からなる層を形成することができる。例えば、Cu製のプレートにカーボンコート使用とした場合、間にポリシリコン製の被膜を入れることができる。
以下、上記のスパッタターゲット26、27を備えたスパッタ成膜装置について説明する。
図5は、上記のスパッタターゲット26、27を用いたスパッタ成膜装置の一例を示す概略図である。このスパッタ成膜装置30は、図5に示すように、チャンバ31と、チャンバ31内に設置されたスパッタターゲット26、27と、スパッタターゲット26、27に対してパワーを印加するマッチングボックス32とを備えている。また、図5に示すように、スパッタ成膜装置30のチャンバ31内には、基板33をスパッタターゲット26、27に対向させて下向きに取り付けるための取り付け手段33bと、基板33を加熱するためのヒーター34とが備えられており、マッチングボックス32に導電接続される電源35と、チャンバ31内の圧力を制御するポンプなどからなる圧力制御手段36a、36b、36cと、チャンバ31内にガスを供給するガス供給手段37a、37bとが備えられている。
スパッタターゲット26、27はスパッタ成膜装置30のチャンバ31内の所定の位置に設置する。Gaを固体ターゲットとして使用する場合、スパッタターゲット26、27は、冷却プレート23により冷却される。基板33をチャンバ31内に搬入し、スパッタターゲット26、27の上部に設置する。チャンバ31内は、減圧状態とされ、ガス供給手段37a、37bによりアルゴンガスおよび窒素ガスが流入される。基板33はヒーター34により加熱され、スパッタ成膜は電源35を入れてマッチングボックス32を制御することにより行われる。
スパッタ法には、RFスパッタとDCスパッタがあるが、たとえば、リアクティブスパッタを用いた場合にはRFスパッタを用いないと成膜レートをコントロールできないと言われており、RFスパッタを用いるか、または、DCスパッタでもパルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタを用いることが望ましい。また、RFスパッタを用いた場合には、膜厚の均一性を向上させる方法として、マグネットの位置をターゲット内で移動させることが望ましい。具体的な運動の方法は装置により選択することができ、揺動させたり、回転運動させたりすることができる。
以下、上記のスパッタ成膜装置30を用いたGa窒化物化合物半導体素子の製造方法の一例を説明する。Ga窒化物化合物半導体素子の製造に用いる基板33としては、一般にIII族窒化物化合物半導体結晶を成膜できる基板であれば、どのような材料も用いることが可能である。例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステンおよびモリブデンなどである。また、一般的にスパッタ法は基板の温度を低く抑えることが可能なので、高温で分解してしまう性質を持つ基板上にも、基板にダメージを与えることなく成膜が可能である。
本実施形態に用いる窒素原料としては、一般に知られている化合物をなんら問題なく用いることができる。特に、アンモニアと窒素は取り扱いが楽で、比較的安価に入手可能であるので望ましい。アンモニアは分解効率が良いので、早い成長速度で成膜することができるが、反応性や毒性も高いので、毒性除害設備やガス検知器などを必要とし、反応装置の材料を化学的に安定性の高いものに変更する必要があるなど様々な対策が必要となる。逆に、窒素は、装置が簡便で済む代わりに、早い成長速度は得られない。窒素を電界や熱などにより分解してから装置に導入する方法は、アンモニアを使用した成膜速度には劣るが利用可能な程度であり、装置コストとの兼ね合いを考えると、最も好適な窒素源である。
成膜時の基板温度は、室温〜1200℃であることが望ましい。それ以下の温度では、基板面でのマイグレーションが抑えられて、結晶性の良いIII族窒化物化合物半導体結晶ができない。一方、1200℃以上の温度ではIII族窒化物化合物半導体結晶が分解してしまう。さらに望ましくは300〜1000℃であり、500〜800℃が最も好適である。
本実施形態の製造方法では、スパッタ法で半導体層を成膜する際、スパッタターゲットに印加するパワーを0.1W/cm〜100W/cmの範囲とすることが好ましく、1W/cm〜50W/cmの範囲とすることがより好ましく、1.5W/cm〜50W/cmの範囲とすることが最も好ましい。スパッタターゲット26,27に印加するパワーを上記範囲とすることにより、大きなパワーの反応種を生成し、また、この反応種を高い運動エネルギーで基板33へ供給できるので、基板上におけるマイグレーションが活発になり、良好な結晶を得ることができる。あまりに大きいパワーを導入すると、スパッタターゲット26,27表面の温度が上昇し、固体と液体の混じった状態となる。このような状態でスパッタを行うことは、ダストの発生やスパークの発生を招き、望ましくない。
チャンバ31内の圧力は0.3Pa以上であることが望ましい。これ以下の圧力では、窒素の存在量が少なく、スパッタされた金属が窒化物とならずに付着する。圧力の上限は特に定めるものではないが、プラズマを発生させることができる程度の低圧が必要なことは言うまでもない。
スパッタ法を用いて、混晶を成膜したいときは、金属材料の混合物(必ずしも、合金を形成していなくても構わない)をターゲットとして用意することもできるし、異なる材料からなる2つのターゲットを用意して同時にスパッタする方法を取ることもできる。一般に、決まった組成の膜を成膜したければ混合材料のターゲットを用い、組成の異なる何種類かの膜を成膜したければ複数のターゲットをチャンバ31内に設置する。
成膜したいIII族窒化物が単組成のGaNではない場合、Ga以外の元素を混ぜ込んだターゲットをスパッタすることにより所望の組成の成膜を行うことができる。Gaと混晶を形成するAlやInのほか、導電性を制御する目的で結晶中にドープする、Mg、Zn、C、Si、Ge、Snなどを混合することもできる。混合する量は、目的とする結晶の組成、ドープ量およびスパッタレートを考慮し計算することができる。混合元素は、均一に混合した混合物(合金や化合物)としても構わないし、組成の不均一を含む混合物としても良い。
本実施形態のバッキングプレート1,11は、易濡れ性材料を用いて成形もしくはコーティングされるという構成なので、液体Gaがターゲット内で凝集することなく、ターゲット面に均一に広がり、バッキングプレート1,11自体をスパッタさせることはなく、成膜したGa窒化物化合物には、それに起因する不純物を含まないようにすることができる。
本実施形態のバッキングプレートを用いて成膜を行うことにより、Ga窒化物化合物半導体素子をも作成できる。
上記のGa窒化物化合物半導体素子は、スパッタ法により、III族窒化物化合物を基板上に形成し、その層の上に機能性を持つ半導体積層構造を積層し、各種の半導体素子として構成したものである。このGa窒化物化合物半導体素子は、発光素子のほか、レーザー素子および受光素子などの光電気変換素子、およびHBTおよびHEMTなどの電子デバイスなどに用いることができる。これらのGa窒化物化合物半導体素子は各種構造のものが多数知られており、本発明のIII族窒化物化合物半導体積層構造体の上に積層する素子構造は、それら周知の素子構造を含めて何ら制限されない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリシリコン製の母材を成形加工することにより、図1に示すような、ポリシリコン製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着材により冷却プレートに固定した。ビーカーにGa粒を数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却してGaを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、図5に示すように、このスパッタターゲットをスパッタ成膜装置のチャンバ内の所定の位置に設置し、その上部にはサファイア基板を設置した。スパッタ成膜装置内で、サファイア基板を500℃まで加熱し、窒素ガスを15sccmの流量で流しいれ、チャンバ内の圧力を1.0Pa(0.6×10−3Torr)とし、50Wの高周波プラズマで基板洗浄を行った。次に、基板温度を500℃に保持し、アルゴンガスおよび窒素ガスをそれぞれ5sccmおよび15sccmの流量で流入させた状態で、上記バッキングプレートをヒーターにより暖め、Gaを液体状態にした後、1W/cmのパワーの高周波をGaターゲットに印加し、サファイア基板上にGaNの単層膜を形成した。完成したGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。GaNの膜中のSi濃度は、5×1016atoms/cmであった。このSiは、バッキングプレートの構成材料に由来するものであるが、検出された濃度では、膜に悪影響を与える量ではないことが分かった。
(実施例2)
Cu製の母材を成形加工し、CVD法によりカーボン・コーティングを行い、図2に示すような、膜厚200μmのカーボン・コーティングされたCu製バッキングプレートを製造した。
次に、実施例1と同様にして、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートによりスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にGaNの単層膜を形成した。完成したGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。CuおよびCが不純物として検出されるかどうか調べたが、SIMSの検出レベル以下であった。
(実施例3)
SiO製の母材を成形加工し、図1に示すようなSiO製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、直径1mm程度のAl線を2〜3cmに切ったものを、1kgのGaにつき8gのAlとなる割合で加え、溶融させたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaAlを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、実施例1と同様にして、サファイア基板上にAlGaNの単層膜を形成した。完成したAlGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。AlGaNの膜中のSi濃度は、5×1016atoms/cmであった。このSiは、バッキングプレート材料として用いたSiOに由来するものであるが、検出された濃度では、膜に悪影響を与える量ではないことが分かった。
(実施例4)
Cu製の母材を成形加工し、CVD法によりカーボン・コーティングを行い、図2に示すような、膜厚200μmのカーボン・コーティングされたCu製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、Inを、1kgのGaにつき164gのInとなる割合で数粒加えたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaInを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートによりスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaInをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にInGaNの単層膜を形成した。完成したInGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。CuおよびCが不純物として検出されるかどうか調べたが、SIMSの検出レベル以下であることが分かった。
(実施例5)
カーボン製の母材を成形加工し、図1に示すようなカーボン製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、直径1cm程度のMg塊を、1kgのGaにつき800mgのMgとなる割合で加え、溶解させたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaMgを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、実施例1と同様にして、サファイア基板上にMgをドープしたGaN(以下、GaN:Mg)の単層膜を形成した。完成したGaN:Mgの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。Cが不純物として検出されるかどうか調べたが、SIMSの検出レベル以下であることが分かった。
(実施例6)
Cu製の母材を成形加工し、CVD法によりシリコン・コーティングを行い、図2に示すような、膜厚100μmのシリコン・コーティングされたCu製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、直径50μm程度の粒状Siを、1kgのGaにつき1260mgのSiとなる割合で加えたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaSiを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートによりスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaSiをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にSiをドープしたGaN(以下、GaN:Si)の単層膜を形成した。完成したGaN:Siの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。GaN:Siの膜中のSi濃度は、5×1018atoms/cmであった。ドーパントとして添加したSiの適切な値が得られた。
(実施例7)
実施例1と同様にして、ポリシリコン製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、直径1mm程度のAl線を2〜3cmに切ったものを、加えたものに、さらに直径1cm程度のMg塊を、1kgのGaにつき800mgのMgとなる割合で加え、溶解させたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaAlMgを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、実施例1と同様にして、サファイア基板上にMgをドープしたAlGaN(以下、AlGaN:Mg)の単層膜を形成した。完成したAlGaN:Mgの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。AlGaN:Mgの膜中のSi濃度は、5×1016atoms/cmであった。バッキングプレート材料として用いたポリシリコンの元素が不純物として検出されたが、膜に悪影響を与える量ではないことが分かった。
(実施例8)
Cu製の母材を成形加工し、Cu製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にした後、Inを少量加え、溶解させたものに、直径50μm程度の粒状Siを、1kgのGaにつき1260mgのSiとなる割合で加えたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却し、GaInSiを固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートによりスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaInSiをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にSiをドープしたInGaN(以下、InGaN:Si)の単層膜を形成した。完成したInGaN:Siの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。検出された元素はSiであり、5×1017atoms/cmであった。ドーパントとして添加したSiの適切な値が得られた。
(実施例9)
Cu製の母材を成形加工し、CVD法により窒化シリコンによるコーティングを行い、図2に示すような、膜厚200μmの窒化シリコン・コーティングされたCu製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、IPAなどの有機溶剤に浸して洗浄した後、接着剤により冷却プレートに固定した。ビーカーにGaを数粒いれ、60℃に暖めて液体にしたものを、上記バッキングプレートの凹部に流し入れ、クリーンルームの設定した室温25℃まで冷却して固化することにより、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートによりスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にGaNの単層膜を形成した。完成したGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。CuおよびSiが不純物として検出されるかどうか調べたが、SIMSの検出レベル以下であることが分かった。
(比較例1)
Cu製の母材を成形加工し、Cu製バッキングプレートを製造した。
次に、実施例1と同様にして、スパッタターゲットを製造した。
さらに、実施例1と同様にして、サファイア基板上にGaNの単層膜を形成した。完成したGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。主に、不純物として検出された元素はCuであり、その量は1×1018atoms/cmであった。バッキングプレートの材料に用いたCuが不純物として膜に含有されていた。この量は膜の特性に影響を与えるものであるので、比較例1に用いた方法は実用には用いることができないことが分かった。
(比較例2)
Cu製の母材を成形加工し、Cu製バッキングプレートを製造した。
次に、上記バッキングプレートを、HClに浸して洗浄したこと以外は施例1と同様にして、スパッタターゲットを製造した。
さらに、冷却プレートを通してスパッタターゲットを冷却し、固体状態のGaをスパッタしたこと以外は実施例1と同様にして、サファイア基板上にGaNの単層膜を形成した。完成したGaNの単層膜を取り出し、SIMS分析を行った。GaNの膜中のCu濃度は、1×1015atoms/cmであった。バッキングプレート材料として用いたCuが不純物として検出されたが、膜に悪影響を与える量ではないことが分かった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005272361
なお、実施例1〜9では、図6(a)に示すように、Gaを含むターゲット材料40がスパッタターゲットの凹部全面に均一に広がるのに対し、比較例1では、図6(b)に示すように、ターゲット材料40が凝集して丸まり、スパッタターゲットの凹部内部でアイランド状に分散することによって、バッキングプレート面を露出させたため、バッキングプレートを構成するCuが不純物として成膜される結果となった。実際、スパッタ成膜後のスパッタターゲットを観察すると、Gaが凝集し、バッキングプレート面を一部露出させていた。2回目の成膜では、スパークが発生し、成膜できないおそれがあることが分かった。
本発明は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)および電子デバイス等の作製に用いられる、結晶性の良いIII族窒化物化合物半導体の製造に用いられる、スパッタ成膜装置のGa用バッキングプレートおよび成膜装置に応用することができる。特に結晶性の良いIII族窒化物化合物半導体積層構造体を、サファイア基板上に形成させるために好適に用いることができる、Ga用バッキングプレートおよび成膜装置に応用することができる。
本発明の実施形態であるバッキングプレートの一例を示す断面模式図である。 本発明の実施形態であるバッキングプレートの別の例を示す断面模式図である。 図1に示すバッキングプレートを用いたスパッタターゲットの製造工程を説明する工程図である。 図2に示すバッキングプレートを用いたスパッタターゲットの製造工程を説明する工程図である。 本発明の実施形態であるスパッタ成膜装置の一例を示す模式図である。 スパッタターゲットを示す図である。(a)は実施例1,3,5および7のスパッタターゲットの断面模式図であり、(b)は比較例1および2のスパッタターゲットの断面模式図である。
符号の説明
1…バッキングプレート、1a…バッキングプレート本体、1b…凹部、1c…凹部の内面、11…バッキングプレート、11a…バッキングプレート本体、11b…コーティング層、11c…バッキングプレート上面側、11d…凹部、22a…バッキングプレート母材、22b…バッキングプレート母材、23…冷却プレート、24…接着材、25…液体Ga、26…スパッタターゲット、27…スパッタターゲット、30…スパッタ装置、31…チャンバ、32…マッチングボックス、33…基板、33b…取り付け手段、34…ヒーター、35…電源、36a…圧力制御手段、36b…圧力制御手段、36c…圧力制御手段、37a…ガス供給手段、37b…ガス供給手段

Claims (5)

  1. Gaを含むターゲット材料を保持するバッキングプレートを具備してなり、少なくとも前記バッキングプレートの前記ターゲット材料と接する接触面が、液体状態のGaとの接触角が90°以下となる易濡れ性材料で構成されており、かつ、前記バッキングプレートに前記易濡れ性材料がコーティングされて前記接触面が形成されていることを特徴とするスパッタ成膜装置。
  2. 前記易濡れ性材料が、シリコン、カーボン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、および酸化シリコンからなる群より選ばれる1種の材料からなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ成膜装置
  3. 基板上にGaを含むIII族窒化物化合物半導体からなる層を成膜する際に用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパッタ成膜装置。
  4. Gaを含むターゲット材料を保持するスパッタ成膜装置用のバッキングプレートであって、前記バッキングプレートの前記ターゲット材料と接する接触面が、液体状態のGaとの接触角が90°以下となる易濡れ性材料で構成されており、かつ、前記バッキングプレートに、前記易濡れ性材料がコーティングされて前記接触面が形成されていることを特徴とするスパッタ成膜装置用のバッキングプレート。
  5. 前記易濡れ性材料が、ポリシリコン、カーボンおよび石英からなる群より選ばれる1種の材料からなることを特徴とする請求項に記載のスパッタ成膜装置用のバッキングプレート
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