JP5272261B2 - フッ素樹脂被覆アルミニウム板および調理用加熱容器 - Google Patents

フッ素樹脂被覆アルミニウム板および調理用加熱容器 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素樹脂被覆アルミニウム板および該フッ素樹脂被覆アルミニウム板を用いて形成した調理用加熱容器に関し、加熱調理時において遠赤外線を放射する炊飯器の内釜等として用いられるものである。
近時、遠赤外線を放射する炊飯器が種々提供されている。例えば、特開2007−143912号公報(特許文献1)では、図5に示すように、鍋100と、蓋体101と、蓋体101の内面側に着脱自在に取り付ける加熱板102を備え、加熱板102の鍋開口面と対応する面に、ダイヤモンド粒子を0.3重量%以上5重量%以下で含むトップコートを有する非粘着性コーテイングが施され、波長3〜15μmにおける遠赤外線放射率が10%以下の表面仕上げである炊飯器が提供されている。
前記特許文献1では、蓋体101の内面に取り付ける加熱板に102に前記非粘着性コーティング層からなるトップコートを設けることで、該加熱板から放射される遠赤外線を鍋100内で調理される米や水に伝えるようにしている。
特開2007−143912号公報
しかしながら、蓋体101の内面に取り付ける加熱板102の面積は、鍋100の内周面全体の面積と比較して小さく、加熱板102からの遠赤外線の放射量は少なく、特に、大容量の深底の鍋の場合には、処理される米や水に対して十分な遠赤外線を伝えることは困難であると認められる。
また、耐摩耗性向上の目的で用いているダイヤモンド粒子を配合することで、実際の遠赤外線放射に寄与していると考えられるフッ素樹脂やカーボンブラックの量が相対的に少なくなる。さらに、ダイヤモンド粒子は比較的高価であるため、コスト高になる問題がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、炊飯器の内釜等の調理用加熱容器として用いられるアルミニウム板において、遠赤外線放射材料として比較的安価な材料を用いてコストの低下を図ると共に、遠赤外線の放射率を高めて、調理される米や水に対して十分に、炭炊きと同程度の遠赤外線を放射できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、フッ素樹脂からなる3層の積層体の被覆層を設けたフッ素樹脂被覆アルミニウム板であって、
前記被覆層の3層は、前記基材表面に固着するベース層をPTFEからなる層とし、中間層をPFAにフィラーを分散させたフィラー含有層とし、最表面のトップ層をPFAからなる層とし、
前記フィラー含有層は、該被覆層全体の0.03〜20質量%の遠赤外線放射用のフィラーを配合したフィラー含有層とし、前記フィラーとしてベントナイト、カオリン、シリカ、アルミナ焼成体である海泥ナノ粘土、木節、トルマリン及びコバルト・マンガン系黒色絵の具からなる群から選択される1種以上の遠赤外線放射材料を含み、該フィラーの平均粒径は0.5μm〜100μmとし、
波長4〜8μmの遠赤外線放射率が90%以上であり、
前記ベース層の厚みは5〜80μm、前記中間層の厚みは5〜80μm、前記トップ層の厚みは5〜80μmとしているフッ素樹脂被覆アルミニウム板を提供している。
本発明の調理用加熱容器等に用いられるフッ素樹脂被覆アルミニウム板では、フィラー(充填剤)を平均粒径が0.5μm〜100μm、好ましくは0.7μm〜70μmの粒子としている。このような細かい粒子としているため、遠赤外線を放射するフィラーを前記特許文献と比較して大量に配合することが可能となる。
よって、調理加熱時等において、表面温度が高温に達すると、前記遠赤外線放射用のフィラーから波長4〜8μmの遠赤外線放射率が80%以上、該フィラーの種類によっては放射率90%程度の放射率を達成でき、炭炊きと同様な作用を発生させることができる。
配合する遠赤外線放射用の材料および配合量を適宜に調整することにより、波長4〜8μmの遠赤外線放射率が92%を越えるものとすることができる。
前記遠赤外線放射用のフィラー含有率をフッ素樹脂被覆層全体の0.03〜20質量%としているのは、0.03質量%未満であると十分な遠赤外線放射効果を発揮させることができず、20質量%を超えるとフッ素樹脂層の表面凹凸が大きくなり、またフッ素樹脂層が脆くなって必要な硬度を保持できないからである。
前記フィラー含有率は、下限は好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下である。
さらに、遠赤外線放射用のフィラーを配合するフィラー含有層は、該フィラーを配合していないフッ素樹脂層と比べて、その他の配合材料・比率が同じ場合は、基材の表面との固着力が劣る場合が多いので、基材表面に直接的にコーティングする場合は配慮が必要であり、例えば基材表面に微細な凹凸を設け、該表面にフッ素樹脂を固着していることが好ましい。
前記遠赤外線放射用のフィラーのうちで、安価に入手できるベントナイト、カオリン、シリカ、アルミナ、焼成体である海泥、ナノ粘土、木節、トルマリン、コバルト・マンガン系黒色絵の具からなる群から選択される1種以上の天然鉱物材料はコストの点より好適に用いられる
前記遠赤外線放射率の測定は、純アルミニウム板またはアルミニウム合金板(以下、アルミニウム板と総称する)からなる基材の表面に前記フッ素樹脂層を設けた平板を試料として用い、試験加熱炉に貼り付けた該試料の表面から放射される遠赤外線の分光放射発散度を遠赤外線測定装置(CI社製 遠赤外線測定装置 SR5000)を用いて以下の条件で測定し、放射率を算出している。
・試料加熱炉設定温度 300℃(試験品表面温度280℃)
・予熱時間 5分
・測定波長 1.3μm〜14.5μm(但し、放射率有効範囲3.0μm 〜14.5μm)
前記被覆層は3層の積層体とし、アルミニウム板の表面に固着するベース層はPTFEからなる層とし、中間層をPFAに前記フィラーを分散させたフィラー含有層とし、最表面のトップ層をPFAからなる層としていることが好ましい。
前記のように、フィラー含有層を三層構造の中間層とすると、ベース層においてフィラーを高比率で配合することによる基材への固着力の低下を避けることができ、かつ、トップ層で中間層を被覆することができる。よって、本発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板を用いて形成した調理用加熱容器では、中間層に配合したフィラーの粒子が剥脱したり、該フィラーに米等がこびり付くのも防止でき、非粘着性を保持することができると共に、遠赤外線の放射率も長期に渡り保持することができる。
しかも、中間層とトップ層には、PTFEに比べて融点が低く、溶融粘度も低いフッ素樹脂であるPFAを用いているため、中間層とトップ層との固着力を高めることができる。一方、ベース層のPTFEはPFAと比較して安価であるため、コスト高になることを抑制できる。さらに、中間層の表面にトップ層を設けることにより中間層の保護機能が高まる。
また、前記ベース層の厚みは5〜80μm、前記中間層の厚みは5〜80μm、前記トップ層の厚みは5〜80μmとしていることが好ましい。
前記ベース層、中間層、トップ層のフッ素樹脂の種類および厚さを前記範囲とし、フィラーとして遠赤外線の放射率が高い前記ベントナイト、カオリン、シリカ、海泥(焼成体)、ナノ粘土、木節、コバルト・マンガン系黒色絵の具を用いて、本発明者が遠赤外線放射率の試験をした結果、前記三層構造のフッ素樹脂層からの放射率は93〜96%程度となり、炭と同等以上の遠赤外線放射率が得られることが判明している。
第2の発明として、前記第1の発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板と、磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル及びニッケル合金からなる群から選択される1種の磁性金属板とを積層している複合材を提供している。
前記複合材は、非磁性金属板のアルミニウム板と前記磁性金属板とを銅メッキ層を介してホットプレスで積層一体化して形成したホットプレスクラッド板、またはアルミニウム板と磁性金属板とをプレスして積層一体化した圧延クラッド板のいずれでもよく、アルミニウム板の表面に前記フィラー含有層を含む複数層のフッ素樹脂層を有するものである。
前記フッ素樹脂層は、アルミニウム板の表面に予め形成した後に磁性金属板と積層一体化しても良いし、アルミニウム板と磁性金属板とを積層一体化した後にアルミニウム板の表面にフッ素樹脂層を設けてもよい。さらに、アルミニウム板と磁性金属板とを積層一体化したホットプレスクラッド材または圧延クラッド材を円形に打ち抜いてブランクとし、該ブランクの表面にフッ素樹脂層を設けてもよい。前記フッ素樹脂層を表面に備えたブランクは絞りプレス加工により底壁と周壁を有する容器とされる。
よって、第3の発明として、前記複合材をプレス加工して形成した調理用加熱容器を提供している。
特に、前記複合材を絞りプレス加工して、電磁誘導加熱用炊飯器の内釜とすることが好ましい。底壁と周壁とを有する内釜とした場合、該内釜の内面に遠赤外線を放射するフィラー含有層を備えているため、内釜内で調理される米や水を包み込むように遠赤外線を放射させることができる。
さらに、第4の発明として、第1の発明のフッ素樹脂被覆層を備えたアルミニウム板または第2の発明の複合材から形成した調理用容器と、該調理用容器を加熱する加熱手段と、前記調理用容器の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段を駆動制御する炊飯制御手段とを備えることを特徴とする炊飯器を提供している。
前記第1の発明のフッ素樹脂被覆層を備えたアルミニウム板のみで形成した内釜を備えた調理用容器とした場合には電気炊飯器となり、第2の発明の複合材から形成した内釜を備えた調理用容器とした場合には電磁誘導加熱式炊飯器となる。
いずれも場合も、フッ素樹脂被覆層を備えたアルミニウム板を用い、該フッ素樹脂被覆層を内釜の内面に配置することにより、炭炊きと同様に炊飯時に遠赤外線を米と水に放射することができる。
前述したように、本発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板は、アルミニウム板の表面に遠赤外線の放射率が高いフィラー含有層を備えたフッ素樹脂被覆層を設けているため、調理用容器に用いた場合、容器内で調理される米や水等の被調理材に、炭炊きと同程度の遠赤外線を放射することができる。
特に、遠赤外線放射用のフィラーとして天然鉱物材料を用いるとコスト低下を図ることができると共に、前記フィラーの種類および配合量を適宜に調整することにより、遠赤外線放射率を0%以上、さらには92%を超えるまで高めることができ、本発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板を用いて形成した炊飯器は炭炊きと同様な作用を発生させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳述する。
図1(A)(B)に、本発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板1を示す。
該フッ素樹脂被覆アルミニウム板1は、基材3となるアルミニウム合金板の一側表面に
フッ素樹脂からなるベース層41、中間層42、トップ層43からなる3層構造のフッ素樹脂被覆層4を備え、中間層42はフィラー含有層としている。
前記フッ素樹脂被覆層4のベース層41は基材3の表面に固着した層であり、PTFEからなる。
中間層42はPFAに遠赤外線放射用のフィラー11を含有させたフィラー含有層としている。最表面のトップ層43はPFAからなる。
前記ベース層41の厚みT1は15〜40μm、中間層42の厚みT2は1〜10μm、前記トップ層43の厚みT3は10〜30μmとしている。
フィラー含有層である中間層42には、被覆層全体の0.03〜20質量%の遠赤外線放射用のフィラー11がPFA中に均一に分散されている。
前記遠赤外線放射用のフィラー11としては、平均粒径が0.5μm〜100μmであるベントナイト、カオリン、シリカ、アルミナ焼成体である海泥、ナノ粘土、木節、トルマリン、コバルト・マンガン系黒色絵の具からなる群から選択される1種類、あるいはこれらの混合物を用いている。
前記アルミニウム合金板からなる基材3の表面に前記3層のフッ素樹脂からなるフッ素樹脂被覆層4を備えたフッ素樹脂被覆アルミニウム板1は、表面温度280℃における波長4〜8μmの遠赤外線放射率が90%以上である。
特に、中間層42に含有される遠赤外線放射材料として用いるフィラー11のうちで、ベントナイト、カオリン、シリカ及びナノ粘土は、波長4〜8μmの遠赤外線放射率が炭の92%を超える94〜96%程度であり、特に好ましい。
遠赤外線放射率は、下記に記載の方法で測定している。
前記3層のフッ素樹脂コーティングが施されたアルミニウム板を測定試料として、試験加熱炉に貼り付け、試料表面から放射される遠赤外線の分光放射発散度を遠赤外線測定装置(CI社製 遠赤外線測定装置 SR5000)を用いて以下の条件で測定し、放射率を算出する。
・試料加熱炉設定温度 300℃(試験品表面温度280℃)
・予熱時間 5分
・測定波長 1.3μm〜14.5μm(但し、放射率有効範囲3.0μm〜14.5μm)
前記フッ素樹脂被覆アルミニウム板1は以下の方法で製造している。
まず、基材3のアルミニウム合金板の表面側に、図1(B)に示すように、予めエッチング処理により表面に微細な凹凸3aを形成する。
アルミニウム合金の微細な凹凸加工した表面に、PTFE粉体の水分散液を塗布したのち焼付けを行い、厚みT1が15〜40μmとなるようにコーティングして、ベース層41を設ける。この際、アルミニウム合金板の表面に微細な凹凸3aにPTFEが入り込み、非粘着性のフッ素樹脂によるベース層41を強固に固着することができる。
次に、ベース層41の表面にPFA粉体とフィラー11の水分散液を塗布したのち焼付けを行い、厚みT2が1〜10μmとなるようにコーティングして、中間層42を設ける。
ついで、中間層42の表面にPFA粉体の水分散液を塗布したのち焼付けを行い、厚みT3が10〜30μmとなるようにコーティングしてトップ層43を設ける。
なお、所望により、ベース層41と中間層を42形成する水分散液には色調整のための顔料を配合している。
次に、フッ素樹脂被覆アルミニウム板の実施例及び比較例について述べる。
(実施例1〜18、比較例1、2)
厚み1.7mmのアルミニウム合金板の表面を電気エッチング法で処理した。次いで、エッチング処理により微細凹凸加工した表面に、PTFE分散液を塗布したのち、PTFEの融点以上の温度で焼付けを行い、ベース層を設けた。
次に、ベース層の表面に、表1に示すフィラーを含有させたPFA分散液を塗布したのち、PFAの融点以上で焼付けを行い、中間層を設けた。
さらに、中間層の表面にPFA分散液を塗布したのち、PFAの融点以上で焼付けを行い、トップ層を設けた。
いずれの試料においても、形成されたフッ素樹脂被覆層の全質量(即ち、ベース層、中間層、トップ層の合計質量)の0.7質量%がフィラーであり、ベース層の厚みは22〜23μm、中間層の厚みは約3μm,トップ層の厚みは17〜18μmとした。
このように作成された3層のフッ素樹脂コーティングが施されたアルミニウム板を測定試料として、前記のように、試験加熱炉に貼り付け、試料表面から放射される遠赤外線の分光放射発散度を遠赤外線測定装置(CI社製 遠赤外線測定装置 SR5000)を用い、前記条件で測定し、放射率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0005272261
表1の結果から、中間層に本発明の遠赤外線放射材料以外のフィラーを配合した比較例1、2は、波長4〜8μmの遠赤外線放射率が80%未満であり、遠赤外線放射率を十分に高めることができなかった。
これに対して、本発明の遠赤外線放射材料からなるフィラーを配合した実施例は波長4〜8μmの遠赤外線放射率が0%以上であり、遠赤外線放射率を高めたものとすることができた。
図2に、第2実施形態の複合材7を示す。
該複合材7は前記フッ素樹脂被覆アルミニウム板1と磁性金属板2と銅メッキ層8(8A、8B)を介してホットプレスにより積層一体化したホットプレスクラッド板からなり、図2は前記ホットプレスクラッド板を円形に打ち抜いた円形のブランクからなる。
本実施形態では、複合材7は、基材1となる非磁性金属板のアルミニウム合金板の一面に銅メッキ層8Aを設けると共に、ステンレスからなる磁性金属板2の一面(図中、下面)に銅メッキ層8Bを設けている。アルミニウム合金板とステンレス板とを円形に切り抜いてブランクを形成し、銅メッキ層8Aと8Bとを対向させて同心に重ね合わせて積層し、ホットプレスにより積層一体化させたホットプレスクラッド板からなる。
該ホットプレスクラッド板からなる複合材7のブランクのアルミニウム合金板の他面(図中、上面)に前記した手法で3層構造のフッ素樹脂被覆層4を設けている。
なお、アルミニウム合金板と磁性金属板との銅メッキ層8A、8Bはブランクに打ち抜いた後に形成してもよい。また、フッ素樹脂被覆層4を予めアルミニウム合金板のブランクの表面に設けた状態で、磁性金属板2とホットプレスして積層一体化した複合材7としてもよい。さらに、ブランクとして打ち抜く前に、複合材の表面にフッ素樹脂被覆層4を設けてもよい。
さらにまた、アルミニウム合金板と磁性金属板とはプレスしてクラッドとした圧延クラッド板でもよい。
かつ、アルミニウム合金板と磁性金属板との間に所要の金属板およびメッキ層を介在させてもよい。
図3に、前記図2に示す複合材より形成した電磁誘導加熱式炊飯器の内釜からなる第3実施形態を示す。
図2に示す複合材7を絞りプレス加工して、底壁10aと周壁10bを有する内釜10を形成している。
前記内釜10では、その底壁10aと周壁10bの内面となる表面に、図3に示すように、フッ素樹脂被覆層4を存在させている。
該内釜10は底壁10aおよび周壁10bの内面の全面に遠赤外線を放射するフィラー含有層を設けているので、内釜内で炊飯される米や水を包み込むように遠赤外線を放射でき、短時間で芯まで加熱することができる。
特に、フッ素樹脂被覆層4は3層構造としているため、ベース層41で基材1の内面への固着力を強くして耐剥離強度を高め、かつ、トップ層43で中間層42を被覆することで、中間層42に含有されるフィラー11の粒子が剥脱したり、フィラー11に米等がこびり付くのも防止しているので、非粘着性を保持することができる。しかも、中間層42とトップ層43はいずれもPFAを用いて中間層42とトップ層43との固着力を高めているのでフッ素樹脂層の耐久性に優れる。さらに、トップ層43は、中間層42よりも厚みを大、ベース層41の厚みより小としているので、中間層42の保護機能を高めると共に中間層からの遠赤外線を内釜10の内部の米や水に十分に伝えることができる。
図4に、図3の内釜10を備えた炊飯器30の第4実施形態を示す。
炊飯器30は電磁誘導加熱式の炊飯器からなり、炊飯器全体の構造は従来公知のものと同様としている。即ち、本体ケース31内に内釜10を着脱自在に装着し、蓋ケース32を本体ケース31にヒンジ結合して開閉自在としている。本体ケース31の底面内側には電磁誘導コイル33を取り付けると共に、該電磁誘導コイル33の下方に温度検出センサー34を取り付け、本体ケース31内には電磁誘導コイル33を駆動制御する炊飯制御用の基板35を内蔵している。
前記炊飯器30では、加熱炊飯時に内釜10の内面から遠赤外線が放射され、かつ、遠赤外線の放射率が高いため炭炊きと同様な炊飯を行うことができる。
なお、本実施形態は電磁誘導加熱式の電気炊飯器に適用しているが、従来公知の電気式の炊飯器にも好適に適用できることは言うまでもない。
本発明のフッ素樹脂被覆アルミニウム板は、電磁誘導加熱式炊飯器の内釜に限らず、電気炊飯器にも好適に用いることができる。さらに、ガスオーブンレンジ、電気オーブンレンジ、電磁レンジ用の調理用加熱容器、フライパン、ジンギズカン鍋、ホットプレート用プレート等の各種の調理用加熱容器に適用することができる。
第1実施形態のフッ素樹脂被覆アルミニウム板を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大断面図である。 第2実施形態の複合材を示す断面図である。 第3実施形態の複合材で形成した内釜の断面図である。 第4実施形態の炊飯器を示す概略断面図である。 従来例を示す図である。
符号の説明
1 基材(アルミニウム合金板)
2 磁性金属板(ステンレス板)
4 フッ素樹脂被覆層
41 ベース層
42 中間層
43 トップ層
7 複合材
8 銅メッキ層
10 内釜
11 フィラー
30 炊飯器

Claims (7)

  1. 純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、フッ素樹脂からなる3層の積層体の被覆層を設けたフッ素樹脂被覆アルミニウム板であって、
    前記被覆層の3層は、前記基材表面に固着するベース層をPTFEからなる層とし、中間層をPFAにフィラーを分散させたフィラー含有層とし、最表面のトップ層をPFAからなる層とし、
    前記フィラー含有層は、該被覆層全体の0.03〜20質量%の遠赤外線放射用のフィラーを配合したフィラー含有層とし、前記フィラーとしてベントナイト、カオリン、シリカ、アルミナ焼成体である海泥ナノ粘土、木節、トルマリン及びコバルト・マンガン系黒色絵の具からなる群から選択される1種以上の遠赤外線放射材料を含み、該フィラーの平均粒径は0.5μm〜100μmとし、
    波長4〜8μmの遠赤外線放射率が90%以上であり、
    前記ベース層の厚みは5〜80μm、前記中間層の厚みは5〜80μm、前記トップ層の厚みは5〜80μmとしているフッ素樹脂被覆アルミニウム板。
  2. 前記遠赤外線放射用のフィラーは前記被覆層全体の15質量%以下で配合されている請求項1に記載のフッ素樹脂被覆アルミニウム板。
  3. 前記遠赤外線放射用のフィラーは前記被覆層全体の0.7質量%以下で配合されている請求項2に記載のフッ素樹脂被覆アルミニウム板。
  4. 前記波長4〜8μmの遠赤外線放射率が92%を越えているものとしている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフッ素樹脂被覆アルミニウム板
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフッ素樹脂被覆アルミニウム板と、磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル及びニッケル合金からなる群から選択される1種の磁性金属板とを積層一体化したクラッド材からなる複合材
  6. 請求項5に記載の複合材をプレス加工して形成した調理用加熱容器
  7. 請求項1に記載のフッ素樹脂被覆アルミニウム板または請求項5に記載の複合材から形成した調理用容器と、該調理用容器を加熱する加熱手段と、前記調理用容器の温度を検知する温度検知手段と、前記加熱手段を駆動制御する炊飯制御手段とを備えることを特徴とする炊飯器。
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