JP5268250B2 - 炎症性サイトカイン産生を抑制するフィルター材、装置、および方法 - Google Patents

炎症性サイトカイン産生を抑制するフィルター材、装置、および方法 Download PDF

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Description

本発明は、炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材、フィルター装置、および炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法に関する。
腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNF)はin vitro で腫瘍細胞を傷害する因子としてCarswellらによって初めて報告され(非特許文献1)、TNF−α、TNF−β(Lymphotoxin−α)、Lymphotoxin−βの3種が知られている。TNF−αは単球/マクロファージ、T細胞、B細胞、ケラチノサイトなどから産生されるが、感染性疾患、免疫障害、自己免疫病、移植片対宿主病(GVHD)、腫瘍形成等と関連があることが実証されてきている(非特許文献2)。特にTNF−αの産生はグラム陰性敗血症、内毒性ショック、クローン病、および関節リウマチにおいて劇的に誘導されている。このような広く様々な徴候にTNF−αが関係することから、この炎症性サイトカインを標的とする治療は重要である。
一方、インターロイキン6(以下、「IL−6」と略記する)は、B細胞刺激因子としてクローニングされた26kDの糖蛋白であり、T細胞やB細胞、単球、繊維芽細胞、皮膚ケラチノサイト、血管内皮細胞、腎メサンギウム細胞、脳アストロサイト、骨芽細胞で産生されるが、心筋症、心肥大、心筋梗塞、狭心症などの心疾患、関節リウマチ、全身性エリスマトーデス、全身性強皮症、リウマチ熱、多発性筋炎、結節性動脈周囲炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、キャッスルマン病および自己免疫性溶血性貧血など各種自己免疫疾患、メサンギウム増殖性腎炎、IgA腎炎、ループス腎炎、骨粗鬆症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、乾癬、胸膜炎、潰瘍性大腸炎、アテローム硬化症、活動性慢性肝炎、アルコール性肝硬変症、痛風、および各種脳炎など炎症疾患、多発性骨髄腫、心房内粘膜腫、腎癌、肺腺癌、悪性中皮腫、卵巣癌および癌悪液質など肉芽腫を伴う疾患との関係が明らかになってきている。
関節リウマチは関節滑膜を病変の主座とする原因不明の炎症性疾患である。その関節腔内ではTNF−α、IL−6などの炎症性サイトカインが過剰に産生され、リンパ球浸潤、滑膜増殖、破骨細胞による軟骨組織破壊といった関節病変形成に関与していることが明らかとなった(非特許文献3)。これらサイトカインなどによってドライブされた炎症細胞や滑膜細胞は、さまざまなシグナル伝達分子を介して持続的な活性化、細胞増殖を引き起こす(非特許文献4)。TNF−αを過剰発現させたモデル動物では関節炎が惹起され、抗TNF−αモノクローナル抗体による中和によって関節炎の改善が認められており(非特許文献5)、また抗IL−6抗体の投与によっても症状の改善が認められている(非特許文献6)。
抗TNF−α抗体をはじめとするTNF阻害剤は、関節リウマチの他、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、血管炎、成人発症スティル病、ベーチェット病、関節リウマチに合併する肺線維症、2次性アミロイド症、そしてサルコイドーシスなどへの適応拡大に向けた治験が進められている(非特許文献7)。一方、抗IL−6抗体も、糸球体腎炎、骨粗鬆症に対する効果が報告されている(非特許文献8、9)。以上のことから、TNF−αやIL−6などの炎症性サイトカイン活性を減弱させる抗サイトカイン療法は種々の疾患に対し有効である。
これまでにTNF阻害製剤として、抗TNF−α抗体としてインフリキシマブ(レミケード(登録商標))、アダリムマブ(ヒュミラ(登録商標))や、TNF−α受容体蛋白としてエタネルセプト(エンブレル(登録商標))が用いられている。しかし、これら製剤は優れた効果を発揮する一方、後述するように多くの問題点がある。インフリキシマブ単回投与後の再燃を克服するために行われた反復投与では抗キメラ抗体(中和抗体)の産生によるものと思われる効果減弱が報告されている。重篤な副作用としては、悪性リンパ腫のリスクが上昇すること、間質性肺炎の発症リスクが高いことが報告されている。また、感染症リスクを高めるとされ、結核の発症リスクを7倍にするほか、カリニ肺炎、真菌症などの細胞内寄生感染症が報告されている。その他、急性反応として、掻痒感、蕁麻疹などの皮膚症状、胸痛、呼吸困難などの心肺症状、アナフィラキシーショックなどが報告されている(非特許文献7)。エタネルセプトにおいてもインフリキシマブ同様悪性リンパ腫の発生頻度が高まることが懸念されており、その他、重篤な感染症として腎盂腎炎、感染性関節炎、肺炎、気管支炎、腹腔内膿瘍、蜂窩織炎、骨髄炎、敗血症などが報告されている。即ち、関節リウマチ等の疾患において、抗TNF−α抗体をはじめとする炎症性サイトカイン阻害剤が使用されてきているが、安全性の面では十分といえず、さらに改良された炎症性サイトカイン活性の減弱効果を示す治療方法の開発が望まれている。
一方、不織布などをフィルター材として患者末梢血液から白血球を選択的に除去し、活性化白血球による障害作用を軽減する白血球除去療法が知られており、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ又は悪性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療に用いられている。しかしながら、従来の白血球除去療法には抗サイトカイン療法の効果は認められていなかった。
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、親水性、血液適合性を特徴とする高分子化合物として知られ、中空糸の製造方法(特許文献1)或いは不織布の製造方法(特許文献2)が提案されている。また、親水性に優れた特徴から、エチレン−ビニルアルコール共重合体により親水化されたポリスルホン中空糸の製造方法(特許文献3)やエチレン−ビニルアルコール共重合体等の親水性高分子の脱水縮合によって親水化された疎水性材料及びその方法(特許文献4)が提案されている。しかしながら、上述の公知技術にはこれらの材料による炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材、フィルター装置、および炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法に関しては何ら開示されていない。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体により被覆された不織布に関する公知技術はこれまで報告されていない。
以上述べたように、現在までのところ、炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材、装置、および方法は知られていない。
Carswell EA,et al. Proc.Natl.Acad.Sci.USA,72,3666−3670,1975 Feldmann M, Nature Rev.Immunol.,2,364,2002 Brennan FM,Br.J.Rheumatol.,31,293−298,1992 Takeuchi T and Abe T,Int.Rev.Immunol.,17,365−381,1998 Feldmann M,et al.,Adv.Immunol.,283−350,1997 Wendling D et al.,J.Rheumatol.,20,2,259−262,1993 Takeuchi T et al.Jpn.J.Clin.Immunol.,27,1,7−15,2004 日本臨床、第50巻、2840−2841頁(1992年) Jilka RL et al.,Science,257,88−91,1992 特許第3203047号公報 特公平6−72350号公報 特許第3305778号公報 特開2004−332138号公報
本発明は、抗サイトカイン療法に用いられる炎症性サイトカイン阻害剤の副作用の問題点に鑑み、炎症性サイトカインの産生が抑制された安全な白血球含有液を取得することのできるフィルター材、フィルター装置、および炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討したところ、白血球の少なくとも一部を除去するフィルター担体の表面が、エチレン−ビニルアルコール共重合体により被覆されているフィルター材に白血球含有液を流すと、該フィルター材で濾過された白血球含有液は、フィルター材を通過する前の白血球含有液に比べて炎症性サイトカインの産生能が著しく抑制されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は以下のような構成からなる。
(1)白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、前記フィルターは、フィルター担体の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆されており、該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上70mol%以下であり、前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触した単核球炎症性サイトカイン産生が抑制される炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(2)前記フィルターのエチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆量が単位表面積あたり0.2mg/m2以上200mg/m2以下である(1)記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(3)前記フィルター担体が織布または/および不織布である(1)または(2)記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(4)前記織布または/および不織布のモノフィラメントの平均繊維直径が0.5μm以上50μm以下であり、且つ嵩密度が0.05g/cm3以上0.5g/cm3以下である(3)記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(5)前記フィルター担体が粒子集合体である(1)または(2)記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(6)前記粒子の球相当直径が0.1mm以上5mm以下である(5)記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(7)白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、前記フィルターは、エチレン−ビニルアルコール共重合体不織布および/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体粒子からなり、該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上70mol%以下であり、前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触する単核球炎症性サイトカイン産生が抑制される炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(8)少なくとも入口と出口とを有する容器に、該容器内を入口側空間と出口側空間に隔てるように(1)乃至(7)の何れかに記載のフィルターを充填してなる、単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター装置。
(9)白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、前記フィルターは、表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体であり、該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上70mol%以下であるフィルターに、単核球を含む白血球含有液を接触させることにより該単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法。
(10)前記フィルターが(1)乃至(7)の何れかに記載のフィルターである(9)記載の単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法。
(11)白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、前記フィルターは、フィルター担体の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆されており、該エチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆量が単位表面積あたり0.1mg/m2以上180mg/m2以下であり、かつ該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が25mol%以上44mol%以下であり、前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触した単核球炎症性サイトカイン産生が抑制される
炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
(12)白血球を含む液体を(1)〜(7)、(11)の何れかに記載のフィルターで濾過し前記フィルターと接触した、炎症性サイトカイン産生が抑制された単核球を含む白血球含有液。
本発明の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材、フィルター装置、および方法を用いることにより、炎症性サイトカイン阻害剤を用いなくても、炎症性サイトカインの産生が抑制された白血球含有液を得ることができるので、安全で、副作用の少ない、抗サイトカイン療法の新たな方法が提供できる。
本発明の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材、フィルター装置、および方法を用いることにより、炎症性サイトカインに起因した疾患、または炎症性サイトカインにより増悪する疾患、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、クローン病、シェーグレン症候群、ベーチェット病、キャッスルマン病などの自己免疫疾患、細菌感染症、細菌感染に伴う敗血症などに対し、予防効果若しくは治療効果が期待される。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で言う白血球の少なくとも一部を除去するフィルター担体とは、織布、不織布、綿状繊維集合体、粒子集合体、スポンジ状多孔体等の形態を持ち、これらのフィルター担体の持つ空間に白血球含有液を流したときに、白血球がこれらの素材表面に接触し、白血球の少なくとも一部がフィルター担体の表面や物理的な孔構造の一部に粘着、吸着などの機序で捕捉されるものであって、その表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆処理されていないものをいう。フィルター担体の詳細については、後述する。
本発明で言うエチレン−ビニルアルコール共重合体とは、エチレンとビニルアルコールの共重合体であるが、一般的には酢酸ビニルモノマーとエチレンを共重合させて得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化して製造される。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、ランダム、ブロック、グラフト等いずれのタイプの共重合体であっても良いが、該共重合体のエチレン含量は20mol%以上70mol%以下の範囲にある必要がある。疎水的な性質を持つエチレン含量が20mol%未満では、フィルター担体に対する接着性が低くなる傾向にあり、フィルター担体とエチレン−ビニルアルコール共重合体被覆層の剥離が起こる危険性が高まる。又、70mol%を越えると被覆層の親水性が失われる傾向にあり、非選択的な吸着が増加するなど好ましくない性質を示す。接着性と親水性のバランスから更に好ましいのは25〜50mol%であり、29〜44mol%が最も好ましい。
本発明で用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体の重量平均分子量(Mw)の範囲としては1万以上300万以下であることが好ましい。Mwが1万未満の場合、滅菌処理、特に放射線滅菌処理を実施した際にポリマーの分子量が低下し、水に対する溶出量が増加するため好ましくない。またMwが300万を超えると、コーティングする際の溶剤への溶解度が低下する、また重合の際、安定して製造できないなどの懸念があり好ましくない。より好ましくは2万以上200万以下である。なお、Mwは種々の公知の方法により求められるが、本発明においてはポリエチレンオキサイドを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す)による測定を採用している。
本発明のフィルター材は、白血球含有液を濾過し得る細孔を有し、白血球の少なくとも一部を除去するフィルター担体にエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しているものである。また、本発明に係る炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得る方法で使用するフィルター材は、白血球の少なくとも一部を除去する性能を有するフィルター材の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体であればどのようなフィルター材であっても良く、例えば、フィルター担体の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆されたフィルター材の他、フィルター材そのものがエチレン−ビニルアルコール共重合体から成る不織布または粒子なども含まれる。
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体をフィルター担体に被覆する方法は、フィルター担体の細孔を著しく閉塞させることなく、かつフィルター担体表面が著しく露出することなく均一に被覆できる方法であれば特に制限はなく各種の方法を用いることができる。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶解した溶液にフィルター担体を含浸させる方法、エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶解した溶液をフィルター担体に吹き付ける方法、モノマーをフィルター担体表面にグラフト重合させる方法などが挙げられる。この中でもエチレン−ビニルアルコール共重合体を溶解した溶液にフィルター担体を含浸させる方法は、コーティング層を均一にでき、コストも低いことより好ましい方法である。即ち、フィルター担体を、水混和性有機溶剤単独又は、水混和性有機溶剤と水との混合溶剤に溶解したエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液にフィルター担体を浸漬し、その後フィルター担体から余分な溶液を除去した後、乾燥する方法である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶解させる有機溶剤は水混和性有機溶剤であり、該溶剤の沸点以下の温度で水に対する溶解度が20重量%以上を示し、かつヒルデブランドの溶解度パラメーターが9.5(cal・cm-31/2以上の有機溶剤が好ましい。ここでヒルデブランドの溶解度パラメーターとは、J.H.Hildebrand,R.L.Scott“The Solubility of Nonelectroytes,3rd Ed.”(Dover Pub.,New York)に記載されているδ値をいい、(1)式により算出できる。

σ = (E/V) 1/2 ・・・(1)

ここで、Eは凝集エネルギー(cal mol-1)であり、Vはモル体積(cm3 mol-1)である。
好ましい有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、エチレンクロルヒドリン等が挙げられる。これらの中でもn−プロパノール、エタノール、及びジメチルスルホキシドはエチレン−ビニルアルコール共重合体の溶解性も良く、低毒性であることから特に好ましい。
これらの有機溶剤は単独でも用いられるが、混和溶剤系でも用いることができ、特に水との混和溶剤系は好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体は非極性で疎水性を示すエチレン部分と、極性で親水性のビニルアルコール部分とで構成されている。極性の強い溶剤系に溶解させ、例えば非極性で疎水性のフィルター担体に被覆した場合、非極性のエチレン部分がフィルター担体側に局在し、極性のビニルアルコール部分が表面側に局在しやすいと考えられる。この現象は被覆層とフィルター担体の接着性が向上し、かつ被覆層表面の親水性が向上することから好ましい現象である。上記の有機溶剤に水を加え混合溶剤系とすることは溶剤の極性をより強くすることになり、上記現象が促進され好ましい。加える水の割合はエチレン−ビニルアルコール共重合体の溶解性を阻止しない範囲内で大きい方が好ましく、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のエチレン含量、溶液の温度等によりその割合は異なるが、例えば5〜60重量%が好ましい範囲として挙げられる。
被覆に用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体濃度は被覆に適した任意の濃度を選択できるが、例えば0.005〜10重量%程度の濃度が適している。溶液濃度が0.005重量%未満であると表面に被覆されるポリマーが少なくなるため好ましくない。一方10重量%以上の場合、溶液粘度が高くなり取り扱い性が低下するため好ましくない。上記の観点より、さらに好ましくは、溶液濃度は0.02重量%以上5重量%未満である。
被覆に用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液の温度は特に限定されるものではないが、一般に高温の方がエチレン−ビニルアルコール共重合体の溶解性は良く、溶液の粘度も低下するため好ましく、室温から100℃までの範囲が好ましい。
被覆処理はフィルター担体を一定の形状に切断してバッチ式に処理することもできるが、連続したフィルター担体を長手方向に走行させ連続的に処理することもでき、後者は生産性に優れた好ましい方法である。被覆処理は一回の処理で完結しても良いが、比較的低濃度で数回の処理を繰り返すこともできる。
被覆処理に用いるエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液の乾燥方法は通常の乾燥方法、例えば真空乾燥、熱風乾燥等を使用することができ、連続したフィルター担体を走行状態で連続的に乾燥することもできる。乾燥温度は特に限定されるものではないが、支持体が熱により変形を受けない温度であれば良い。
また、被覆処理の前に、エチレン−ビニルアルコール共重合体とフィルター担体との接着性をより高めるため、フィルター担体の表面を酸、アルカリなどの適当な薬品で処理したり、プラズマを照射したりすることもできる。更に、エチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆処理後に100℃以上の熱を加える熱処理や、100Gy以上のγ線、電子線などの放射線を照射する後加工を施し、フィルター担体とエチレン−ビニルアルコール共重合体との接着性を更に強化することもできる。
このようにして被覆したフィルター担体表面の被覆層の平均厚みは40オングストローム以上1μm以下が好ましく、被覆量はフィルター担体の単位表面積あたり0.2mg/m2以上200mg/m2 以下であることが好ましい。平均厚みが40オングストローム未満、或いは被覆量が0.2mg/cm2未満では炎症性サイトカイン産生が抑制されなくなる傾向にあるので好ましくない。平均厚みが1μmを超える、或いは被覆量が200mg/m2 を超えるとフィルター担体の細孔が閉塞してしまう部分が生じたり、コストが高くなったりするため好ましくない。被覆層の平均厚みは40〜800オングストローム、被覆量は0.5mg〜100mg/m2であることがより好ましく、更に、被覆層の平均厚みは40〜600オングストローム、被覆量は0.7mg〜50mg/m2であることが更に好ましく、平均厚みは40〜600オングストローム、被覆量は1mg〜20mg/m2であることが最も望ましい。被覆層の平均厚みは、オージェ電子分光法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)、電子プローブ微小部分析法(EPMA)、X線光電子分光法(XPS)、走査電子顕微鏡(SEM)、多重全反射赤外線分光計を用いる赤外線吸光光度法(ATR−IR)などの表面分析方法によって測定することができる。
本発明の被覆量は次のように測定する。即ち、前述した方法で被覆された不織布から任意の円形状に切り抜いたフィルターの重量を電子天秤で秤量する。次いで秤量後のフィルター材を評価ポリマーの良溶媒約100mL中に浸漬させ、60〜70℃の恒温槽中で1〜2時間振蕩する。浸漬処理後、取り出したフィルター材を60〜70℃の乾燥機中で2時間程度、恒量になるまで乾燥する。なお、この処理によりフィルター材に評価ポリマーが残っていないことをNMR測定等で確認することもできる。乾燥後のフィルター材を電子天秤で秤量することにより被覆に用いられたエチレン−ビニルアルコール共重合体量が算出できる。次いで、フィルター担体の表面積の測定を行う。単位面積あたりのフィルター担体の表面積はBET法、Langmuri法等公知の方法を用いて測定することができる。フィルター担体が繊維の場合は平均繊維径値及び繊維比重値等を用いて計算により求めることも可能である。これらの数値をもとに、(2)式に従い評価試料の被覆量を算出することができる。

被覆量(mg/m2)=(浸漬処理前フィルター材の重量(mg)−浸漬処理後乾燥済フィルター材の重量(mg))/〔(浸漬処理後乾燥済フィルター材の重量(g))×(フィルター担体1g当たりの全表面積(m2/g))〕・・・(2)
また、被覆処理されていない不織布について同様に被覆量の算出を行い、そこで得られた値を(1)の被覆量から差し引くことにより、より精密に測定を行うことが可能である。
本発明のフィルター担体とは、白血球含有液を濾過し得る細孔を有し、白血球の少なくとも一部を除去するものであれば特に限定はなく、何れの形態を有する物も含まれるが、以下に代表例を説明する。
不織布、織布、綿状繊維集合体などの繊維状媒体をフィルター担体とする場合、平均繊維直径は0.5μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上20μm以下である。また、平均孔径は2μm以上200μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下である。更に嵩密度は0.05g/cm3以上0.5g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは0.07g/cm3以上0.25g/cm3以下である。平均繊維直径が0.5μm未満、平均孔径が2μm未満、嵩密度が0.5g/cm3 を超えると血球の目詰まりや圧力損失の増大を引き起こし易くなる傾向があり、好ましくない。また、平均繊維直径が50μmを超え、平均孔径が200μmを超え、嵩密度が0.05g/cm3未満になると白血球を捕捉できなくなる傾向にあるため好ましくない。
なお、本発明における平均繊維直径とは、以下の方法に従って求められる値をいう。即ち、フィルター支持体を構成する繊維状媒体から実質的に均一と認められる部分をサンプリングし、走査電子顕微鏡などを用いて、写真に撮る。サンプリングに際しては、繊維体の有効濾過断面部分を、一辺が0.5cmの正方形によって区分し、その中から6ケ所をランダムサンプリングする。ランダムサンプリングするには、例えば上記各部分に番地を指定した後、乱数表を使うなどの方法で、必要箇所の区分を選べば良い。またサンプリングした各区分について、3ケ所以上好ましくは5ケ所以上を拡大倍率2500倍で写真に撮る。サンプリングした各区分について中央部分及びその近傍の箇所の写真を撮っていき、その写真に撮られた繊維の合計本数が100本を超えるまで写真を撮る。ここで直径とは、繊維軸に対して直角方向の繊維の幅をいう。測定した全ての繊維の直径の和を、繊維の数で割った値を平均繊維直径とする。但し、複数の繊維が重なり合っており、他の繊維の陰になってその幅が測定できない場合、また複数の繊維が溶融するなどして、太い繊維になっている場合、更に著しく直径の異なる繊維が混在している場合、等の場合には、これらのデータは削除する。
また、本発明におけるフィルター担体の平均孔径とは、水銀ポロシメーター(島津製作所、ポアサイザ9320または同等の装置)で測定した値であり、水銀がフィルター担体の細孔に全く入っていない状態を水銀圧入量0%、フィルター担体の全ての細孔に入っている状態を水銀圧入量100%とした時、水銀圧入量50%にあたる点が本発明でいう平均孔径である。尚、水銀ポロシメーターでの測定は1〜2650psiaの圧力範囲で測定する。
また、本発明のおける嵩密度とは、繊維重量(g)を繊維のかたまりが占める体積(cm3)で割った値(g/cm3)である。
連続孔を有するスポンジ状多孔体をフィルター担体とする場合には、2μm以上200μm以下の平均孔径を有することが好ましく、2μm以上100μm以下の平均孔径を有することが更に好ましい。平均孔径が2μm未満であると血球目詰まりや圧力損失の増大を引き起こし好ましくない。また、平均孔径が200μmを超えると白血球を捕捉できなくなる傾向にあるため好ましくない。
粒子集合体をフィルター担体とする場合には、粒子は0.1mm以上5mm以下の球相当直径を有することが好ましく、0.5mm以上3mm以下の球相当直径を有することが更に好ましい。ここで粒子の球相当直径とは、体積が同一の球を想定したときのその球の直径をいう。粒子の球相当直径が0.1mm未満であると白血球含有液の移送に高い圧力を要し、それにより溶血を引き起こす傾向にある。また、血栓の生成による目詰まりを引き起こす可能性が高くなるため好ましくない。一方、粒子の球相当直径が5mmより大きいと単位体積あたりの表面積が減少するので処理効率が低下する傾向になるため好ましくない。粒子径は、ふるい法、遠心沈降法、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、画像処理、細孔電気抵抗法等の方法によって測定することができる。例えば細孔電気抵抗法は以下のようにして測定する方法である。即ち、電解質溶液(電解質の溶けた水溶液または有機溶剤)中の小さな径の細孔(アパチャー)に一定の電流を流し、その系の電気抵抗を計測する。電解質溶液中に粒子を均一に懸濁させ、陰圧により粒子が細孔を通過するようにする。粒子が細孔を通過することによって排除された電解液の体積により変化する細孔の電気抵抗(インピーダンス)が電圧パルスの変化によって計測される。この電圧パルス高を計測処理して、粒子の体積分布ヒストグラムを得ることができる。
本発明のフィルター担体の材質としては、血球にダメージを与えにくいものであれば特に限定はなく各種のものを用いることができ、有機高分子、無機物、金属等が例として挙げられる。その中でも有機高分子は切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロース、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体等が挙げられるが、本発明のフィルター担体は上記例示に限定されるものではない。
また、本発明のエチレン−ビニルアルコール不織布、および/または粒子とは、エチレン−ビニルアルコール共重合体よりなる不織布および/または粒子のことで、フィルター材そのものがエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるから被覆処理する必要がなく、そのままで炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材として好適に用いることができる。
上述した炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター材を、入口と出口とを有する適当な大きさの容器に充填することにより、炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター装置とすることができる。容器形状としては、入口と出口を有する容器であれば特に限定はないが、フィルター材の形状に応じた形状であることが好ましい。例えば、フィルター材が平板状の場合には、四角形、六角形などの多角形や、円形、楕円形などの曲線からなる扁平形状であればよい。より詳細には、容器は入口側容器と出口側容器から構成され、両者がフィルター材を直接あるいは支持体を介して挟み込むことによりフィルター内部を二室に分け、扁平状のフィルター装置を形成するような形状であれば好ましい。また、別の例として、フィルター材が円筒状の場合には、容器も同様に円筒状であることが好ましい。より詳細には、容器は、フィルター材を収容する筒状胴部と入口を有する入口側ヘッダーおよび出口を有する出口側ヘッダーから構成され、ポッティング加工により、容器内部が入口から導入された白血球含有液が円筒状のフィルター材の外周部から内周部(または内周部から外周部)に流れるように二室に分け、円筒状のフィルター装置を形成するような形状であれば好ましい。
前記容器の材質は、硬質性樹脂や可撓性樹脂の何れでも良く、硬質性樹脂の場合、素材はフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、ケイ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。可撓性樹脂の場合、可撓性の合成樹脂製のシート状または円筒状成型物から形成されるのが好ましく、素材は軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体またはその水添物等の熱可塑性エラストマー、および熱可塑性エラストマーとポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレート等の軟化剤との混合物等が好適な材料として挙げられる。
本発明のフィルター材または/およびフィルター装置は、照射滅菌、湿熱滅菌、薬剤滅菌、ガス滅菌、乾熱滅菌等公知の方法で滅菌できるが、プライミング操作が簡便に実施できる点より充填液でフィルター材を飽和含水率以上の湿潤状態に保持し、滅菌することが好ましい。更に好ましくはガンマ線、電子線等の放射線を照射する照射滅菌または高圧蒸気滅菌等の湿熱滅菌により良好に滅菌できる。充填液は、ポリマーの劣化を起こさない液ならば何れの液体も良好に用いられるが、水または生体にとって害の少ない水溶性物質の水溶液であることが望ましい。
生体にとって害の少ない水溶性物質とは、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の塩類、グリセリン、クエン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン等の水溶性有機化合物の様に水に溶ける物質で、しかも生体にとって害の少ない物質であり、多量の場合には生体にとって有害な物質であってもプライミング操作程度の簡単な洗浄操作により、フィルター外に該物質を洗い流す事ができ、少量の残存であれば生体にとって害の少ない物質も含まれる。また、水に溶解させる事によって等張溶液を作り易い物質は特に好ましく用いられる。これらの物質は単独で用いても良く、混合して用いても良い。好ましい水溶性物質の例としては、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムであり、最も好ましくは塩化ナトリウムである。飽和含水率以上の湿潤状態とは、フィルター担体が完全に水または生体にとって害の少ない水溶性物質の水溶液に浸漬された状態でも良いし、フィルター担体を前もって充分加湿し、担体自身の飽和含水量以上の湿潤状態にするだけでも良い。要は、少なくともフィルター担体がフィルター担体の飽和含水量と同等かそれよりも余計な水分にさらされていれば良いのであって、その程度は問わない。
好ましい水溶性物質の濃度としては、0重量%以上5.0重量%以下である。濃度が5.0重量%より大きくなると、プライミング操作によって水溶性物質を除去し難くなるため好ましくない。また、濃度が0.01重量%以上のときポリマーの溶出をより抑制できることから、より好ましくは0.01重量%以上4.0重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以上3.0重量%以下である。
上述した炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター装置に、少なくとも単核球を含む白血球含有液を流し、炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得ることができる。
本発明でいう白血球含有液とは、例示すると、全血液、赤血球濃厚液、血小板濃厚液、血漿、或いはこれらを、血液を変性させない緩衝液で希釈した液体等が挙げられる。白血球含有液には、抗凝固剤を添加することができる。抗凝固剤の種類としては、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム等のヘパリン、あるいは、メシル酸ナファモスタットやメシル酸ガベキサート等の蛋白分解酵素阻害剤、及びクエン酸ナトリウム液、ACD−A、ACD−B、CPD、等のクエン酸系抗凝固剤等が好適に用いられる。
白血球含有液1Lに対する抗凝固剤の注入量としては、例えばヘパリンや低分子量ヘパリンの場合、100単位以上2000単位以下、より好ましくは300単位以上1500単位以下である。また、メシル酸ナファモスタットの場合、2mg以上40mg以下、より好ましくは6mg以上30mg以下である。また、ACD−A、ACD−B液の場合、20mL以上160mL以下、より好ましくは30mL以上125mL以下の範囲で有効に使用できる。
本発明のフィルター装置に白血球含有液を流す方法としては、例えば、ポンプ等を用いたあらゆる公知の手段を用いることができる。ポンプは、構造としてはローラーポンプ、フィンガーポンプ等が有用に用いられるが、特に本発明では5mL/min〜500mL/minの流量範囲で精度よく送液できるものが好ましい。白血球含有液の流量範囲としては10mL/min以上200mL/min以下であることがより好ましい。流量が10mL/min未満の場合、フィルター装置内での血球の滞留が起こりやすくなるためあまり好ましくない。一方、200mL/minより早い場合、高いずり応力が働くため白血球の活性化等の問題があるため好ましくない。以上の観点より、血液流量の更に好ましい範囲は15mL/min以上150mL/min以下、最も好ましくは20mL/min以上100mL/min以下である。
本発明の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター装置は白血球含有液から白血球の少なくとも一部を除去することを特徴とする。除去される白血球としては単球、リンパ球等の単核球があげられるが特に限定されない。本発明のフィルター装置の白血球の除去能力については、単核球除去率が20%〜90%の範囲であることが望ましい。本発明でいう単核球除去率とは、フィルター装置入口に導入される白血球含有液の単核球濃度と、フィルター装置出口から導出される白血球含有液の単核球濃度より下式(3)により求められる。

単核球除去率(%)=(1−出口側血液の単核球濃度/入口側血液の単核球濃度)×100・・・(3)
単核球除去率が20%未満の場合、炎症性サイトカイン産生細胞の除去量が十分でなく、炎症性サイトカイン産生能の抑制効果が小さくなるため好ましくない。単核球除去率が90%を超えると、炎症性サイトカインを産生しない細胞まで除去してしまうため、細胞あたりの炎症性サイトカイン産生能の抑制効果が小さくなるため好ましくない。より好ましくは単核球除去率30%〜85%、更に好ましくは単核球除去率40〜80%である。
本発明の炎症性サイトカインとは、生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として関与するサイトカインのことをいい、具体的にはTNF−αやIL−6、IL−1、IL−8などがあげられる。単核球の炎症性サイトカイン産生能は様々な方法によって測定することができるが、例えば以下のような方法がある。
A)白血球含有液から例えばフィコール法により単核球を分離する。
B)フィトヘマグルチニンを添加して37℃、5%CO2インキュベーターで18〜24時間培養する。
C)培養終了後遠心して上清を回収し、
D)上清中に含まれるTNF−α、IL−6濃度を市販のELISAキットを用いて測定する。
次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1〜6、比較例1]
平均繊維直径が1.7μmのポリエチレンテレフタレートからなる不織布(目付66g/m2、嵩密度0.17g/cm3)をエチレン含量が29mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆した。被覆の方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を0.005重量%(実施例1)、0.01重量%(実施例2)、0.025重量%(実施例3)、0.1重量%(実施例4)、0.5重量%(実施例5)、1.0重量%(実施例6)となるように58%プロパノールに溶解し、この溶液に不織布を浸漬後、取り出した不織布をローラー間に通すことにより余分な溶液を除去し、40℃〜50℃の温風により乾燥させることにより行った。
被覆量を測定するために、被覆された不織布から任意に直径25mmの円形状に切り抜いたフィルター材の重量を電子天秤で秤量した。次いで秤量後のフィルター材を、1mgに対し1mlの割合で58%n−プロパノール中に浸漬させ、60〜70℃の恒温槽中で2時間振蕩した。浸漬処理後、取り出したフィルターを60〜70℃の乾燥機中で2時間乾燥した。乾燥後のフィルターを電子天秤で秤量することにより被覆に用いられたエチレン−ビニルアルコール共重合体量を算出した。次いで、フィルター担体の表面積を平均繊維径値及び繊維比重値を用いて計算により求めた。これらの数値をもとに、(2)式に従い評価試料の被覆量を算出した。被覆されていない不織布についても同様に被覆量の算出を行い、得られた値を前記評価試料の被覆量の値から差し引くことにより、最終的な被覆量を算出した。
被覆後の不織布を、直径6.8mmの大きさに裁断後、容量200mLの容器に不織布15g、充填液として生理食塩液を充填した状態でガンマ線滅菌(照射線量25kGy)を実施した。滅菌後の不織布1枚を入口と出口を有する容量1mLのポリエチレン製カラムに充填し、実施例1〜6のフィルター装置を作製した。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しない不織布を充填したフィルター装置(比較例1)もあわせて作製した。
健常人より採取した血液からフィコール法により末梢血単核球を分離した。この単核球をRPMI1640培地(インビトロジェン社製)に1.2×106cells/mlで分散させ、5.5mlをシリンジポンプ(テルモ社製)を用いて、上記の方法で作製したフィルター装置に通過させた。通過後の細胞を回収し、1.0×106cells/mlに調製後、フィトヘマグルチニン(PHA)(シグマ社製)を10μg/ml添加して37℃、5%CO2インキュベーターで18時間培養した。培養終了後遠心して上清を回収した。回収した培養上清中のTNF−α、IL−6濃度を市販のELISAキット(R&D Systems社製)を用いて測定した。TNF−α、IL−6の濃度は、比較例1のフィルター装置を通過させた末梢血単核球のTNF−α、IL−6産生量を100%として、実施例1〜6のフィルター装置通過後の末梢血単核球由来のTNF−α、IL−6産生量を相対値として表示した。本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆した不織布を充填したフィルター装置を通過させたヒト単核球のPHA刺激によるTNF−α及びIL−6の産生は著しく抑制されていた(表1参照)。
[実施例7〜11、比較例2]
平均繊維直径が2.5μmのポリエチレンテレフタレートからなる不織布(目付90g/m2、嵩密度0.24g/cm3)をエチレン含量が25%(実施例7)、29%(実施例8)、32%(実施例9)、38%(実施例10)、44%(実施例11)のエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆した。被覆の方法は、各エチレン−ビニルアルコール共重合体を0.5重量%となるように58%プロパノールに溶解し、この溶液に不織布を浸漬後、取り出した不織布をローラー間に通すことにより余分な溶液を除去し、40℃〜50℃の温風により乾燥させることにより行った。被覆後の不織布を用いて、実施例1〜6と同様な方法により、被覆量測定、フィルター装置の作製(実施例7〜11)を行った。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しない不織布を充填したフィルター装置(比較例2)もあわせて作製した。
上記で作製したフィルター装置を用いて、実施例1〜6と同様な方法によりTNF−α、IL−6濃度を測定した。TNF−α、IL−6の濃度は、比較例2のフィルター装置を通過させた末梢血単核球のTNF−α、IL−6産生量を100%として、実施例7〜11のフィルター装置通過後の末梢血単核球由来のTNF−α、IL−6産生量を相対値として表示した。本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆した不織布を充填したフィルター装置を通過させたヒト単核球のPHA刺激によるTNF−α及びIL−6の産生は著しく抑制されていた(表2参照)。
[実施例12、比較例3]
平均繊維直径が10μmのポリエチレンテレフタレートからなる不織布(目付100g/m2、嵩密度0.21g/cm3)をエチレン含量が29%のエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆した。被覆の方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を0.3重量%となるように58%プロパノールに溶解し、この溶液に不織布を浸漬後、取り出した不織布をローラー間に通すことにより余分な溶液を除去し、40℃〜50℃の温風により乾燥させることにより行った。
被覆後の不織布を、直径6.8mmの大きさに裁断後、容量200mLの容器に不織布15g、充填液として生理食塩液を充填した状態でガンマ線滅菌(照射線量25kGy)を実施した。滅菌後の不織布1枚を入口と出口を有する容量1mLのポリエチレン製カラムに充填し、実施例12のフィルター装置を作製した。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しない不織布を充填したフィルター装置(比較例3)もあわせて作製した。
上記で作製したフィルター装置を用いて、実施例1〜6と同様な方法によりTNF−α、IL−6濃度を測定した。TNF−α、IL−6の濃度は、比較例3のフィルター装置を通過させた末梢血単核球のTNF−α、IL−6産生量を100%として、実施例12のフィルター装置通過後の末梢血単核球由来のTNF−α、IL−6産生量を相対値として表示した。本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆した不織布を充填したフィルター装置を通過させたヒト単核球のPHA刺激によるTNF−α及びIL−6の産生は著しく抑制されていた(表3参照)。
[実施例13、比較例4]
実施例12と同様な方法により、平均繊維直径が10μmのポリエチレンテレフタレートからなる不織布(目付100g/m2、嵩密度0.21g/cm3)をエチレン含量が29%のエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆した。被覆後の不織布を、直径6.8mmの大きさに裁断後、容量200mLの容器に不織布15g、充填液として生理食塩液を充填した状態でガンマ線滅菌(照射線量25kGy)を実施した。滅菌後の不織布10枚を入口と出口を有する容量1mLのポリエチレン製カラムに充填し、実施例13のフィルター装置を作製した。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しない不織布を充填したフィルター装置(比較例4)もあわせて作製した。
健常人より採取した血液5.5mlをシリンジポンプ(テルモ社製)を用いて、上記の方法で作製したカラムに通過させた。通過後の細胞を回収し、フィコール法により末梢血単核球を分離した。この単核球をRPMI1640培地(インビトロジェン社製)で1.0×106cells/mlに調製後、フィトヘマグルチニン(PHA)(シグマ社製)を10μg/ml添加して37℃、5%CO2インキュベーターで18時間培養した。培養終了後遠心して上清を回収した。回収した培養上清中のTNF−α、IL−6濃度を実施例1〜6と同様な方法により測定した。TNF−α、IL−6の濃度は、比較例4のTNF−α、IL−6濃度を100%として、実施例13のTNF−α、IL−6濃度を相対値として表示した。本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆した不織布を充填したフィルター装置を通過させたヒト単核球は、PHA刺激によるTNF−α及びIL−6の産生が抑制されていた(表4参照)。
[実施例14、比較例5]
球相当直径が2mmのセルロースジアセテート粒子を、エチレン含量が44%のエチレン−ビニルアルコール共重合体によって被覆した(実施例14)。被覆の方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を0.5重量%となるように58%プロパノールに溶解し、この溶液に粒子を浸漬後、取り出した粒子をメッシュ上で静置して余分な溶液を除去し、温風により乾燥させることにより行った。必要により、上記被覆操作を数回繰り返した。
被覆後の粒子を、直径6.8mmの入口と出口を有する容量1mLのポリエチレン製カラムに充填し、充填液として生理食塩液を充填して実施例14のフィルター装置を作製した。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆しない粒子を充填した比較例5のフィルター装置もあわせて作製した。
上記で作製したフィルター装置を用いて、実施例1〜6と同様な方法によりIL−6濃度を測定した。IL−6の濃度は、比較例5のフィルター装置を通過させた末梢血単核球のIL−6産生量を100%として、実施例14のフィルター装置通過後の末梢血単核球由来のIL−6産生量を相対値として表示した。本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体で被覆した不織布を充填したフィルター装置を通過させたヒト単核球のPHA刺激によるIL−6の産生は抑制されていた(表5参照)。TNF−αについても同様な方法で測定することができる。
本発明の炎症性サイトカイン産生が抑制された血液を得るためのフィルター材、フィルター装置および方法は、医療の現場で、抗体を用いない抗サイトカイン療法に応用可能であり、また輸血用血液の炎症性サイトカイン産生抑制にも有用である。

Claims (9)

  1. 白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、
    前記フィルターは、フィルター担体の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体のみで被覆されており、該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上70mol%以下であり、
    前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触した単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制される炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  2. 前記フィルターのエチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆量が単位表面積あたり0.2mg/m2以上200mg/m2以下である請求項1記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  3. 前記フィルター担体が織布または/および不織布である請求項1または2記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  4. 前記織布または/および不織布のモノフィラメントの平均繊維直径が0.5μm以上50μm以下であり、且つ嵩密度が0.05g/cm3以上0.5g/cm3以下である請求項3記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  5. 前記フィルター担体が粒子集合体である請求項1または2記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  6. 前記粒子の球相当直径が0.1mm以上5mm以下である請求項5記載の炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  7. 白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、
    前記フィルターは、エチレン−ビニルアルコール共重合体のみの不織布および/またはエチレン−ビニルアルコール共重合体のみの粒子からなり、該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が20mol%以上70mol%以下であり、
    前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触する単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制される炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。
  8. 少なくとも入口と出口とを有する容器に、該容器内を入口側空間と出口側空間に隔てるように請求項1乃至7の何れかに記載のフィルターを充填してなる、単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制された白血球含有液を得るためのフィルター装置。
  9. 白血球の少なくとも一部を除去するフィルターであって、
    前記フィルターは、フィルター担体の表面がエチレン−ビニルアルコール共重合体のみで被覆されており、該エチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆量が単位表面積あたり0.1mg/m2以上180mg/m2以下であり、かつ該エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含量が25mol%以上44mol%以下であり、前記フィルターにより濾過され前記フィルターと接触した単核球の炎症性サイトカイン産生が抑制される炎症性サイトカイン産生抑制フィルター。

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