JP4175527B2 - 血液中のリンパ球除去方法及びリンパ球除去装置 - Google Patents

血液中のリンパ球除去方法及びリンパ球除去装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液中からリンパ球を除去する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、全身性エリトマトーデス、悪性関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等の自己免疫性疾患、白血病、癌などの治療、或いは移植前の免疫抑制の目的で白血球を選択的に除去する技術が進歩してきた。
白血球の中でも、特にリンパ球が引き起こす免疫異常に起因すると考えられる自己免疫疾患が多く見られる。これら自己免疫疾患の治療に際して、白血球除去が行われている。そのため、ポリエステル製の不織布やコットン綿など材料を白血球除去材料として用いて白血球除去が行われている。これらの白血球除去装置に於いては、高い白血球の除去能力が要求されている。また、ポリエステル製の不織布やコットン綿など材料では白血球成分の顆粒球及び単球をより選択的に除去することは容易にできるが、リンパ球の選択的除去はこれまで不可能であった。
【0003】
一方、抗体等の高価なリガンドを表面に固定した材料が最もリンパ球を特異的に除去できるが、高価なリガンドを用いるため、汎用の用途に安価に用いることは困難である。以上の如く、材料への粘着性の高さより顆粒球及び単球を選択的に除去する技術は開発されてきたが、一方でリンパ球を選択的に、安価に、除去する技術は十分ではなかった。
特開平2-193069号公報には、水に対する接触角が55゜〜95゜の範囲内にあるリンパ球に比し顆粒球に親和性の高い材料が開示されているが、リンパ球への親和性が高い材料に関して開示されていない。
すなわち、顆粒球に比しリンパ球に親和性の高い材料に接触させることにより血液中のリンパ球を除去する方法或いはリンパ球除去装置についてこれまで知られていなかった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、顆粒球に比しリンパ球に親和性の高い材料に接触させることにより血液中のリンパ球を除去する方法及びそれに用いられる装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、顆粒球に比しリンパ球に親和性の高い材料に接触させることにより血液中のリンパ球を除去する方法を見いだし、本発明をなすに至った。
一般にリンパ球は、細胞性免疫を制御する機能を有しており、リンパ球の異常が自己免疫疾患の原因と考えられる。従ってリンパ球数を減少させることは、一時的或いは恒久的に自己免疫を抑制できる可能性がある。
かかる実状に於いて本発明者らは自己免疫疾患患者のリンパ球と顆粒球の比(以下、L/G比と略す)が病体改善に於ける指標(マーカー)であることを見いだした。すなわちL/G比の変化は、細胞性免疫機構を改善するために良好に働くことを見いだした。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)血液中のリンパ球除去のための顆粒球に比しリンパ球を優先的に除去するリンパ球除去装置を製造するための、血液を接触させるリンパ球除去材の使用であって、
前記リンパ球除去材の血液の接触部は、顆粒球に比しリンパ球への親和性が高い親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある放射線照射により水酸基を付与したポリオレフィンを含む合成高分子であるリンパ球除去材の使用
(2)少なくとも血液入り口と血液出口とを備えた容器内に顆粒球に比しリンパ球への親和性が高い材料の表面の親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある放射線照射により水酸基を付与したポリオレフィンを含む合成高分子が充填されてなる顆粒球に比しリンパ球を優先的に除去する血液中のリンパ球除去装置に関する。
【0007】
本発明の方法及び装置に於いて顆粒球に比しリンパ球への親和性が高い材料(以下、単に「リンパ球除去材料」と略す)は、血液との接触に対して安定な材料であればその材質を問わずに利用できるが、好ましくは、少なくとも表面に親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある合成高分子を有する材料が良好に用いられる。
本発明のリンパ球除去材料の親水性係数は、血液との親和性の面より、30%以上40%未満である必要がある。親水性係数が40%以上では、疎水性が高いために材料と血漿との親和性が悪くなり血液をはじいてしまうので、リンパ球と顆粒球とがどちらもほぼ同等に除去材料に接することになって除去作用が単純に材料に対する各成分の接触頻度のみに依存してしまうため、リンパ球と顆粒球の除去選択性の違いが発揮されない。
【0008】
一方、親水性係数が30%未満の場合は材料表面の親水性が増加するためにリンパ球のみならず顆粒球の粘着機能も上昇するが、一方でリンパ球との親和性は変化しないため、結果としてリンパ球と顆粒球の材料表面への親和性が同等になってしまい、いずれの成分も良く除去材料に捕捉されてしまう。
以上より、顆粒球に比しリンパ球への親和性が高く且つ充分に顆粒球の捕捉除去が期待される親水性係数の範囲は30%以上40%未満である。該親水性係数の範囲では、材料の生体適合性が飛躍的に向上し、顆粒球の粘着能と材料表面の親水性のバランスにより、顆粒球粘着機能が低く維持できる。以上の観点より、より好ましい親水性係数は、32%以上40%未満、更に好ましくは32%以上39%未満である。
【0009】
本発明の親水性係数は、以下の様に測定できる。即ち、一定重量比で段階的に混合されたエタノール水溶液を、約10μL 程度の液滴として、低濃度側から該リンパ球除去材料に接触させ、この時、該リンパ球除去材料に初めて湿潤或いは接触角が60°以下となった時のエタノール液濃度を親水性係数という。ここで用いる接触角とは、用いた液滴と該リンパ球除去材料面とのなす角で、液滴内の角度をいい、公知の接触角測定装置により測定できる。
【0010】
一般的にヒト血漿は40%エタノール液と同等の親水性を有すると考えられているため、血液との接触性の点から、本発明に用いられるリンパ球除去材料は、親水性係数が40%エタノール液未満の液により初めて湿潤される必要がある。親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある合成高分子を表面に有する材料は、リンパ球の除去が十分であり、かつ他の血液成分、血漿成分の吸着が少なく、選択的にリンパ球を除去することにおいて優れている。
具体的には、少なくとも親水性係数が30%以上40%未満の範囲にある合成高分子、最も好ましくは親水性係数が30%以上40%未満の範囲にあるポリオレフィンを表面に有する材料が挙げられる。
【0011】
合成高分子とは、重合性の官能器を主鎖及び/または側鎖に有する単量体を重合して得られた材料をいう。
ポリオレフィンとは、アルケン或いはアルキンを単独或いは共重合したポリマーを言う。ポリオレフィンを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン等の単独重合されたポリオレフィン、或いはポリプロピレン−ポリエチレン共重合体、ポリブチレン−ポリプロピレン共重合体等の共重合されたポリオレフィンが挙げられる。熱的強度の点より、ポリプロピレン、ポリブチレン或いは、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリエチレン−ポリブチレン共重合体等が好ましい。リンパ球除去材料の制御性の点より最も好ましくは、ポリプロピレン或いはポリプロピレン−ポリエチレン共重合体等が挙げられる。
【0012】
一方、ポリオレフィンを主成分とする場合、有用なポリオレフィン含量を規定することも好ましい。好ましいポリオレフィンの含量を挙げると、50%以上99. 9999%未満であり、より好ましくは強度の面より、50%以上99.9999 未満、最も好ましくは50%以上99.99 %未満である。
【0013】
本発明のリンパ球除去材料は、特に主成分がポリプロピレン−ポリプロピレンアルコール共重合体から成ることが好ましい。プロピレンとプロピレンアルコールの共重合体であっても良い。更に、ポリプロピレンに後から水酸基を共有結合で付与した材料が最も好ましく用いられる。
ポリオレフィン繊維はいずれも通常の組成においては親水性係数が40%より高い値を有する。例えば上記方法により測定された各繊維状材料の親水性係数は、ポリエチレン不織布43%、ポリプロピレン不織布41%、ポリブチレン繊維43%である。
【0014】
親水性係数が40%以上の材料に水酸基を付与して親水性係数を30%以上40%未満にする場合、材料自体に存在するエステル基或いはエーテル基を加水分解による方法、材料製造時にあらかじめアルケン或いはアルキンに水酸基を有するモノマーを混合し共重合する方法、ポリオレフィンに後から酸素存在下で、電子線照射、γ線照射等の放射線照射による表面パーオキサイド化による方法、及び硫酸等の酸化剤により化学的に反応する方法等のいずれの方法によっても水酸基を付与することもできる。
【0015】
なかでも、水酸基を有さないポリオレフィンに放射線を照射する方法が最も良好に且つ簡便に水酸基を付与できる。空気中或いは酸素存在下で放射線を照射した場合、材料にペルオキシドが生成する。このペルオキシドを水存在下で熱分解或いは還元剤によるレドックス分解することで、ラジカル開裂させることにより容易に表面に水酸基を導入できる。特に放射線の透過率の面より、表面に水酸基を付与する場合、電子線が最も好ましく用いられる。
ポリオレフィンに微量の水酸基を付与させる場合、上記に示すが如く公知の如何なる反応を用いることも可能であるが、共有結合により水酸基を付与することが好ましい。
【0016】
本発明のリンパ球除去材料は、表面に水酸基を有していることが好ましい。
本発明でいう表面とは、血液と接触できる面をいい、血液が接触できない材料内部は含まない。
一方、材料表面にリガンドとして抗体等の蛋白質あるいはペプチドを固定したリンパ球選択除去材に於いては、これらリガンドが親水性が高く親水性係数が30%未満となるため本発明に含まない。
【0017】
なお、本発明の親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある合成高分子からなるリンパ球除去材料の水との接触角を公知の接触角測定装置を用いて調べると、概ね95°から 130°を示す。本発明における親水性係数が41%であるポリプロピレン製不織布では水との接触角が 130°を超える極めて高い疎水性を示す。また本発明における親水性係数が30%未満を示すポリエチレンテレフタレートなどは、接触角が95゜未満と測定される。但し、本発明のリンパ球除去材料の場合、水との接触角の測定値は測定誤差が大きく、検出感度が十分とはいえない。それゆえ、本発明の目的に適した材料を、周知の水との接触角で特定することは正確さを欠く。
【0018】
本発明のリンパ球除去材料は、繊維状の材料である。繊維状材料の好ましい形状を例示すると、繊維状、綿状、糸状、束状、簾状、織布状、不織布状が挙げられる。材料形状の制御のし易さ及び取り扱い性、白血球除去効率の点から、織布、不織布が好んで用いられ、制御のし易さより不織布が最も好ましい。
【0019】
本発明において、リンパ球除去材料の形状が不織布状の場合、白血球との接触頻度を上げるために繊維径は細いことが好ましく、平均繊維直径が1μm 以上100 μm 未満であることが好ましい。リンパ球除去性の観点から、平均繊維直径が1μm 以上50μm 未満が更に好ましく、平均繊維直径が1μm 以上30μm 未満が最も好ましい。
【0020】
本発明において、リンパ球除去材料は少なくとも血液流入部と血液導出部を有する容器に充填してリンパ球除去装置として用いられる。本発明に用いられるリンパ球除去装置は、白血球浮遊液、抗凝固剤或いは保存液を含んだ血液中のリンパ球除去に有用に用いられ、体外循環によるリンパ球除去用として更に有効に用いられる。
リンパ球除去除去装置の内部にリンパ球除去材料を充填する場合、充填密度により細孔の状態が変化するため、充填密度を規定することは重要である。
【0021】
本発明のリンパ球除去装置への充填密度は、0.001g/cm3以上0.40g/cm3 未満で使用することが好ましい。充填密度が0.001g/cm3未満であるとリンパ球の接触頻度が低下し好ましくない。一方、充填密度が1.40g/cm3 以上であると、細孔が変形或いは閉塞し、血液流路を減らすため好ましくない。以上の観点より好ましくは、0.001g/cm3以上0.35g/cm3 未満、更に好ましくは0.005g/cm3以上0.30g/cm3 未満の充填密度が推奨できる。
【0022】
本発明のリンパ球除去方法に用いられる除去装置を滅菌する方法は、照射滅菌、湿熱滅菌、薬剤滅菌等公知の方法が用いられる。好ましくは湿熱滅菌により良好に滅菌できる。
本発明に用いられるリンパ球除去材料は、使用時の操作性および滅菌時のリンパ球除去材料の安定性の点より、充填液と共に湿潤状態で滅菌することが好ましい。充填液は、リンパ球除去材料の劣化を起こさない液ならばいずれの液体も良好に用いられるが、使用時に充填液が残存した場合でも血液等に悪影響を及ぼさない水溶液であることが好ましい。特に血液成分から白血球を除去する場合、注射用蒸留水、イオン交換水、限外濾過水等の水や、塩を含有する水溶液が好ましく用いられる。
【0023】
以下に実施例を示し、発明を詳細に説明する。
【実施例1】
ポリプロピレンから成る不織布(平均繊維直径 1.7μm 、目付 60g/m2 、ポリプロピレン含量99.999%)を電子線照射装置を用いて照射線量100kGyで空気中で照射した。照射後不織布を98℃の熱水中に投入し、1時間加熱処理した。加熱処理後不織布を熱水から取り出し、真空乾燥により40℃で40時間乾燥した。処理後の不織布の親水性係数は、35%であった。本不織布の一部を圧縮し、フーリエ変換赤外吸収スペクトル装置(FT/IR−7300、日本分光社製)により赤外吸光スペクトルを測定したところ、3700カイザー付近に水酸基に由来する弱い吸収を確認した。得られた不織布を直径0.68cmの円に切断した後、入口と出口を有する容量1mlの容器に上記フィルター5枚(充填密度0.1g/cm3) を充填液として注射用蒸留水とともに充填し、プライミングを行ったところ容易にプライミングでき、目的のリンパ球除去装置を作成できた。
【0024】
得られたリンパ除去装置を 121℃で20分、湿熱滅菌した後、ACD-A 加ヒト新鮮血液5ml (血液:ACD-A = 8:1(容量比))をシリンジポンプを用いて流速1ml/min で装置入口より送液し、装置出口より処理後の液を回収した。
白血球除去率は、処理前後の白血球数をチュルク染色によりカウントし、白血球数を求めることにより算出した。処理前の白血球数は5200個/μL 、処理後のそれは 200個/μL であり、従って、白血球除去率は96.1%であった。このとき、フロサイトメーター(コールター社製、EPICS ELITE)により求めたリンパ球と顆粒球の比(L/G) は、処理前が0.83であり、処理後が0.13であり、明らかに顆粒球に比しリンパ球に高い親和性を示した。
【0025】
【実施例2】
電子線照射装置を用いて照射線量50kGyで空気中で照射した以外は全く実施例1と同様の実験を行った。この時の不織布の親水性係数は39%であった。この時の血液試験では、白血球数は、処理前5200個/μL が 250個/μL に減少し、白血球除去率は95.2%であった。実施例1と同様に求めたリンパ球と顆粒球の比(L/G) は、処理前が0.83であり、処理後が0.20であり、明らかに顆粒球に比しリンパ球に高い親和性を示した。
【0026】
【実施例3】
電子線照射装置を用いて照射線量170kGyで空気中で照射した以外は全く実施例1と同様の実験を行った。この時の不織布の親水性係数は32%であった。この時の血液試験では、白血球数は、処理前5200個/μL が 150個/μL に減少し、白血球除去率は97.1%であった。実施例1と同様に求めたリンパ球と顆粒球の比 (L/G)は、処理前が0.83であり、処理後が0.16であり、明らかに顆粒球に比しリンパ球に高い親和性を示した。
【0027】
【比較例1】
ポリエチレンテレフタレート製の不織布(平均繊維直径 1.7μm 、目付66g/cm2)をそのまま用いる以外は全く実施例1と同様の実験を行った。この時の不織布の親水性係数は0%であった。この時の血液試験では、白血球数は、処理前5200個/μL が 200個/μL に減少し、白血球除去率は96.1%であった。実施例1と同様に求めたリンパ球と顆粒球の比(L/G) は、処理前が0.83であり、処理後が3.72であり、明らかにリンパ球に比し顆粒球に高い親和性を示した。
【0028】
【比較例2】
ポリプロピレンから成る不織布(平均繊維直径 1.7μm 、目付60g/cm2 、ポリプロピレン含量99.999%)をそのまま用いる以外は全く実施例1と同様の実験を行った。この時の不織布の親水性係数は41%であった。この時の血液試験では、白血球数は、処理前5200個/μL が 600個/μL に減少し、白血球除去率は88.5%であった。実施例1と同様に求めたリンパ球と顆粒球の比(L/G) は、処理前が0.83であり、処理後が1.72であり、明らかにリンパ球に比し顆粒球に高い親和性を示した。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、湿熱滅菌後においても安定で、安価で効率的なリンパ球除去能を発揮できる方法を提供することができる。このリンパ球除去材料を用いることで、体外循環において白血球中のリンパ球の優先的な除去が行えるので、自己免疫疾患、炎症性疾患等、リンパ球を除去することで、細胞性免疫機構が改善され、治療効果の期待できる疾患の治療に用いることができる。また、輸血製剤からのリンパ球の優先的な除去にも好適に用い得る。

Claims (2)

  1. 血液中のリンパ球除去のための顆粒球に比しリンパ球を優先的に除去するリンパ球除去装置を製造するための、血液を接触させるリンパ球除去材の使用であって、
    前記リンパ球除去材の血液の接触部は、顆粒球に比しリンパ球への親和性が高い親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある放射線照射により水酸基を付与したポリオレフィンを含む合成高分子であるリンパ球除去材の使用。
  2. 少なくとも血液入り口と血液出口とを備えた容器内に顆粒球に比しリンパ球への親和性が高い材料の表面の親水性係数が30%以上40%未満の範囲内にある放射線照射により水酸基を付与したポリオレフィンを含む合成高分子が充填されてなる顆粒球に比しリンパ球を優先的に除去する血液中のリンパ球除去装置。
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