JP5267608B2 - 色素増感型太陽電池素子モジュール - Google Patents

色素増感型太陽電池素子モジュール Download PDF

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Description

本発明は、各々の色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生を防止し、発電効率が高く、かつ加工性に優れた色素増感型太陽電池素子モジュールに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、および化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、これらの太陽電池は製造コストが高い等の問題がある。そこで、環境負荷が小さく、かつ製造コストを削減できる太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目され、研究開発が進められている。
ここで、一般的な色素増感型太陽電池は、例えば、電極としての機能を備えた一対の電極基材と、上記一対の電極基材の間に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、上記一対の電極基材の間に多孔質層と接触するように形成され、酸化還元対を含む電解質を有する電解質層とを構成として有するものである。なお、上述した色素増感型太陽電池は、少なくとも一方の電極基材が太陽光の受光面となることから、少なくとも一方の電極基材は透明性を有するものである。
また、上記電解質層としては、例えば、上記一対の電極基材と、上記一対の電極基材の間に設けられた封止部材とによって構成される空間に液状の電解質を封入することによって形成されたものを挙げることができる。また、上記電解質層に用いられる上記封止部材は、上記一対の電極基材とともに液状の電解質を保持する機能だけではなく、上記一対の電極基材同士が接触することによって、色素増感型太陽電池の内部短絡が発生することを防止する機能を有するものである。
このような色素増感型太陽電池を実用化するためには、より大きな出力電圧が必要であることから、複数の色素増感型太陽電池素子を接続して色素増感型太陽電池素子モジュールとすることが試みられている。
また、色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、複数の色素増感型太陽電池素子のうち1つの色素増感型太陽電池素子に内部短絡が生じてしまうと、色素増感型太陽電池素子モジュール全体に影響することから、各々の色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生を防止することは、重要な課題の1つである。
ところで、上記色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、加工性を向上させるために、高いフレキシブル性を付与することが可能な構成が求められている。
ここで従来のフレキシブル性を有する色素増感型太陽電池素子モジュールの構成としては、例えば、2枚のフレキシブル性を有する基材の間に複数の色素増感型太陽電池素子が形成されている構成が挙げられる。
しかしながら、上述した構成を有する色素増感型太陽電池素子モジュールに曲げ加工を施した場合、2枚のフレシキブル性を有する基材はそれぞれ異なる曲率を有することとなるため、所望の曲げ性を示すことが困難となる場合や、曲げ加工により色素増感型太陽電池素子モジュールが劣化してしまうといった問題があった。
そこで、特許文献1においては、色素増感型太陽電池素子モジュールの構成として、1枚の第1基材上に複数の第1電極層が形成された第1電極基材と、第2電極層を有する複数の第2電極基材と、1枚の第1電極基材上に形成された複数の第1電極層および各々の第2電極基材の第2電極層の間に形成された複数の多孔質層と、上記複数の第1電極層および複数の第2電極層の周囲に配置された複数の封止部材と、上記第1電極層、第2電極層、および封止部材で構成される空間に液状の電解質を封入して形成された複数の電解質層とを有する色素増感型太陽電池素子モジュールの構成が開示されている。上述した構成によれば、1枚の第1電極基材上に形成された複数の第1電極層に合わせて、各々の第2電極基材に形成された第2電極層が対向する構成とすることができることから、高いフレキシブル性を示す色素増感型太陽電池素子モジュールとすることが可能となる。
しかしながら、上述した構成の色素増感型太陽電池素子モジュールを製造する際には、第1電極基材および第2電極基材を貼り合わせた後に電解質を注入する工程を必要とすることから、大面積セルを製造する際に時間がかかってしまうといった問題があった。また、上記構成を有する色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、第1電極基材と第2電極基材とを貼り合わせるために接着部分、絶縁部分等を設ける必要があるが、上記接着部分、絶縁部分等は発電に寄与することができず、色素増感型太陽電池素子モジュール全体の発電面積を小さくして発電効率を低下させる要因となり、基材等の材料を過剰に使用してしまうといった問題があった。また、各電極基材の撓みより、電解質を上述した空間に十分に注入することが困難となる場合があった。
また、上記構成を有する色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、高いフレキシブル性を付与することが可能であることから、使用時において、各々の色素増感型太陽電池素子では第1電極層および第2電極層の周囲に封止部材が配置されていたとしても電極層同士が接触してしまう場合があり、内部短絡が発生してしまうといった問題があった。
そこで、色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、高いフレキシブル性を有することが可能であり、かつ、各々の色素増感型太陽電池素子における内部短絡を効果的に防止することが可能な構成が望まれている。
特開2006−32100号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、個々の色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生を好適に防止することが可能であり、発電効率が高く、かつ加工性に優れた色素増感型太陽電池素子モジュールを提供することを主目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、1枚の第1基材および上記第1基材上にパターン状に形成された複数の第1電極層を有する第1電極基材、少なくとも第2電極層を有する複数の第2電極基材、上記第1電極基材の上記第1電極層または上記第2電極基材の上記第2電極層のうち、いずれか一方の電極層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層、並びに、上記第1電極基材の上記第1電極層または上記第2電極基材の上記第2電極層のうち、上記多孔質層が形成されていない方の電極層および上記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有する複数の固体電解質層を有し、上記第1電極層、上記第2電極層、上記多孔質層、および上記固体電解質層を有する色素増感型太陽電池素子が複数連結されて構成され、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層が電気的に接続されている色素増感型太陽電池素子モジュールであって、上記色素増感型太陽電池素子が、上記第1電極基材の上記第1電極層の端部の外側に、上記第1基材、上記固体電解質層および上記第2電極層を備える端領域を有することを特徴とする色素増感型太陽電池素子モジュールを提供する。
本発明によれば、上記色素増感型太陽電池素子における上記端領域には、第1電極層が形成されていないことから、第1電極層および第2電極層が対向しておらず、さらに上記端領域には固体電解質層が配置されていることから、1つの色素増感型太陽電池素子内での第1電極層および第2電極層の接触を好適に防止することができる。よって、上記色素増感型太陽電池素子を内部短絡の生じにくいものとすることが可能となる。また、上述した色素増感型太陽電池素子を用いることにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを高性能なものとすることが可能となる。
本発明においては、上記端領域では、上記第2電極層の端部に上記固体電解質層が配置されていることが好ましい。色素増感型太陽電池素子においては、第1電極層の端部および第2電極層の端部が接触することによる内部短絡が生じやすいことから、第2電極層の端部に固体電解質層が配置されていることにより、色素増感型太陽電池素子の内部短絡の発生をより効果的に防止することが可能となり、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの性能をより高いものとすることができる。
本発明においては、上記固体電解質層の幅が、上記第1電極層の幅よりも大きいことが好ましい。これにより、第1電極層上に十分な面積で固体電解質層を配置することができるため、色素増感型太陽電池素子の発電面積を十分に大きくすることができる。よって、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの性能をより高いものとすることができる。
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、端領域を有する色素増感型太陽電池素子から構成されるものであることから、各々の色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生を防止することが可能となるといった作用効果を奏する。
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの一例を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの他の例を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの他の例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる第1電極基材の一例を示す概略平面図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる第1電極基材の他の例を示す概略平面図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法における第1電極基材形成工程の一例を示す工程図である。 本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法における第2電極基材用基板準備工程、多孔質層形成工程、固体電解質層形成工程、および切断工程の一例を示す工程図である。 本発明の実施例1における色素増感型太陽電池素子モジュール等の形状を示す概略図である。
以下、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールについて説明する。
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、1枚の第1基材および上記第1基材上にパターン状に形成された複数の第1電極層を有する第1電極基材、少なくとも第2電極層を有する複数の第2電極基材、上記第1電極基材の上記第1電極層または上記第2電極基材の上記第2電極層のうち、いずれか一方の電極層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層、並びに、上記第1電極基材の上記第1電極層または上記第2電極基材の上記第2電極層のうち、上記多孔質層が形成されていない方の電極層および上記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有する複数の固体電解質層を有し、上記第1電極層、上記第2電極層、上記多孔質層、および上記固体電解質層を有する色素増感型太陽電池素子が複数連結されて構成され、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層が電気的に接続されているものであって、上記色素増感型太陽電池素子が、上記第1電極基材の上記第1電極層の端部の外側に、上記第1基材、上記固体電解質層および上記第2電極層を備える端領域を有することを特徴とするものである。
なお、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、第1電極基材または第2電極基材の少なくとも一方が太陽光の受光面となることから、本発明においては、通常、第1電極基材または第2電極基材の少なくとも一方に透明性を有する基材が用いられる。
ここで、「透明性を有する基材」の透明性としては、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールが、太陽光を受光することにより機能を発揮することができるように、太陽光を透過することができる程度であれば特に限定されるものではないが、全光線透過率50%以上であることが望ましい。なお、上記透明性は、JIS K7361-1:1997に準拠した測定方法により測定した値である。
また、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、通常、第1電極層または第2電極層のうち、多孔質層が形成されている電極層は酸化物半導体電極層として用いられ、多孔質層が形成されていない電極層は対向電極層として用いられる。
また、本発明において、「電極層上に形成される」とは、第1電極層または第2電極層上に直接形成される場合だけではなく、他の層を介して形成される場合を含む概念である。
ここで、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールについて図を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は図1(b)のB部分の拡大図である。なお、図1(a)において第1電極層が形成されている領域については点線で示している。
まず、図1(a)、(b)に示すように、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュール100は、1枚の第1基材11、および第1基材11上にパターン状に形成された複数の第1電極層12を有する第1電極基材10と、第2電極層22からなる複数の第2電極基材20と、第2電極層22の表面上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層3と、多孔質層3および第1電極層12の間に形成され、酸化還元対を含む複数の固体電解質層4とを有するものである。また、本発明においては、第1電極層12と固体電解質層4との間に触媒層5が形成されていてもよい。
また、図示はしないが、本発明においては、第1電極層の表面上に多孔質層が形成されていてもよい。
また、図1(a)、(b)に示すように、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュール100は、第1電極層12、触媒層5、固体電解質層4、多孔質層3、および第2電極層22を有する色素増感型太陽電池素子1が複数連結されて構成されるものであり、1つの色素増感型太陽電池素子1の第1電極層12と上記1つの色素増感型太陽電池素子1に隣接する他の色素増感型太陽電池素子1の第2電極層22が電気的に接続されているものである。なお、図1(a)においては、ストライプ状に形成された第1電極層12のストライプの短辺の端部を含む接続部分aと、短冊状に形成された各第2電極層22の短冊の短辺の端部を含む接続部分b(図1(a)の一点鎖線で示される部分)において、第1電極層12および第2電極層22が色素増感型太陽電池素子モジュール100の内部で接続されている例について示している。
また、図1(c)に示すように、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュール100は、色素増感型太陽電池素子1が、第1電極基材10の第1電極層12の端部x1の外側に、第1基材11、固体電解質層4、および第2電極層22を備えた端領域Sを有することを特徴とするものである。
また、図2(a)は本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの他の例を示す概略平面図であり、図2(b)は図2(a)のC−C線断面図、図2(c)は図2(b)のD部分の拡大図である。
図2(a)、(b)に示される色素増感型太陽電池素子モジュール100は、第1電極層12の各ストライプの長辺の端部を含む接続部分aと、各第2電極層22の短冊の長辺の端部を含む接続部分bにおいて、第1電極層12および第2電極層22が色素増感型太陽電池素子モジュール100の内部で接続されている例について示している。
また、この場合は、図2(c)に示すように、第1電極層11の接続部分aが設けられた長辺の端部とは反対側の長辺の端部x1の外側に端領域Sが設けられる。
なお、図2(a)〜(c)において説明していない符号については図1(a)〜(c)と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記色素増感型太陽電池素子における上記端領域には、第1電極層が形成されていないことから、第1電極層および第2電極層が対向しておらず、さらに上記端領域には固体電解質層が配置されていることから、1つの色素増感型太陽電池素子内での第1電極層および第2電極層の接触を好適に防止することができる。よって、上記色素増感型太陽電池素子を内部短絡の生じにくいものとすることが可能となる。また、上述した色素増感型太陽電池素子を用いることにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを高性能なものとすることが可能となる。
また、本発明によれば、固体電解質層を有することにより、従来の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて液体状の電解質を封止するための封止部材等を用いる必要がなくなるため、発電面積をより広いものとすることができ、また、製造工程についても簡便なものとすることが可能となる。よって、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを発電効率に優れ、かつ生産性の高いものとすることができる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの詳細について説明する。
I.端領域
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、第1電極層の端部の外側に、第1基材、固体電解質層、および第2電極層を備える端領域を有することを特徴とするものである。
ここで、本発明における色素増感型太陽電池素子は、第1基材上に形成されるものであることから、通常、端領域の全領域に第1基材を備えるものである。
また、端領域は、第1電極層の端部から第1電極層の端部の外側に配置された第2電極層の端部までの領域、すなわち、第1電極層と第2電極層とが対向していない電極層非対向領域を含む領域である。
また、上記端領域においては、第1電極層の端部の外側に配置された第2電極層と第1基材との間の任意の位置に固体電解質層を配置することが可能である。
以下、端領域における固体電解質層の配置について説明する。
1.固体電解質層の配置
上記端領域における固体電解質層の配置としては、第1電極層の端部の外側に配置可能な位置であり、かつ第1基材および第2電極層の間に配置可能な位置であれば特に限定されない。具体的には、図3(a)に示すように、端領域Sにおいて固体電解質層4が電極層非対向領域T、すなわち、第1電極層12の端部x1から第1電極層12の端部x1の外側に配置された第2電極層22の端部x2までの領域より内側の領域に配置されていてもよく、図1(c)に示すように、端領域Sにおいて固体電解質層4が電極層非対向領域Tに配置されていてもよく、図3(b)に示すように、端領域Sにおいて固体電解質層4が電解質層非対向領域Tおよび電解質層非対向領域Tの外側を含む領域に配置されていてもよい。
ここで、本発明における端領域では、第2電極層の端部に固体電解質層が配置されていることが好ましい。色素増感型太陽電池素子においては、第1電極層の端部および第2電極層の端部が接触することによる内部短絡が生じやすいことから、第2電極層の端部に固体電解質層が形成されていることにより、色素増感型太陽電池素子の内部短絡の発生をより効果的に防止することが可能となり、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの性能をより高いものとすることができるからである。
なお、本発明において、「第2電極層の端部に固体電解質層が配置されている」とは、
第2電極層の端部の1mm内側から端部の1mm外側までの範囲内に固体電解質層の端部が存在するように固体電解質層が配置されることを指す。
したがって、端領域Sにおける固体電解質層4の配置としては、少なくとも第2電極層の端部に固体電解質層が配置されていることが好ましく、具体的には、図1(c)に示すように、電極層非対向領域Tや、図3(b)に示すように、電極層非対向領域Tおよび電極層非対向領域Tの外側を含む領域に固体電解質層4が配置されていることが好ましい。
また、第1電極層の外側における固体電解質層の平面視上の配置としては、本発明における色素増感型太陽電池素子の第1電極層の外側の少なくとも一部に端領域を設けることができれば特に限定されず、端領域の平面視上の位置により、適宜選択される。
具体的には、本発明における色素増感型太陽電池素子を平面視した場合に、上述した電極層非対向領域に連続的に配置されていてもよく、所定のパターンで配置されていてもよい。
2.端領域の平面視上の位置
次に、上記端領域の平面視上の位置について説明する。
本発明における端領域の平面視上の位置としては、第1電極層の端部の外側の第1基材上に固体電解質層および第2電極層を配置することが可能となる位置であり、かつ色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生を防止することが可能となる位置であれば特に限定されない。通常は、第1電極層のパターン形状等により適宜選択されるものである。
例えば、図4(a)に示すように、端領域Sが第1電極層12の端部に沿って連続的に設けられていても良く、図4(b)に示すように、端領域Sが第1電極層12の端部に沿って不連続に設けられていても良い。
なお、本発明において「端領域が第1電極層の端部に沿って連続的に設けられる」とは、例えば、第1電極層のパターン形状がストライプ状、矩形状、多角形状等の複数の辺を有する形状である場合は、複数の辺のうち、少なくとも1辺の端部に端領域が連続的に設けられることを指す。
一方、第1電極層のパターン形状が円形状、楕円形状、または連続した曲線からなる端辺を有する形状である場合は、上記端辺に端部領域が連続的に設けられていることを指す。
また、「連続的に形成されている」とは、少なくとも1辺の端部または端辺の全てに端領域が連続的に設けられている場合だけではなく、少なくとも1辺の端部または端辺の一部を除いて端領域が連続的に設けられている場合を含む。
また、本発明において、「端領域が第1電極層の端部に沿って不連続に設けられる」とは、端領域が第1電極層の端部に沿って所定の間隔毎に設けられることを指す。
具体的には、第1電極層の端部に沿って固体電解質層が所定の間隔毎に配置されていることを指す。なお、この場合、第1電極層の端部に沿って多孔質層や、必要に応じて形成される触媒層が所定の間隔毎に配置されていてもよい。また、第2電極層については、通常は端領域に連続的に配置される。
なお、図4(a)、(b)は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる第1電極基材の一例を示す概略平面図であり、図1(a)に示すような構成の色素増感型増感型太陽電池素子モジュールにおける端領域について説明するための図である。
また、図4(a)、(b)において説明していない符号については、図1(a)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、なかでも、上記端領域が第1電極層の端部に沿って連続的に設けられていることが好ましい。第1電極層の端辺に沿って配置されている第2電極層とともに固体電解質層を連続的に配置することができることから、色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生をより効果的に防止することが可能となる。
ここで、本発明における第1電極層のパターン形状としては、ストライプ状であることが好ましい。よって、以下、第1電極層のパターン形状がストライプ状である場合を例に挙げて、端領域の平面視上の位置について説明する。なお、第1電極層のパターン形状について詳しくは後述する「II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成」の項で説明する。
本発明の第1電極層のパターン形状がストライプ状である場合、端領域としては、第1電極層の各ストライプの2つの短辺の端部または2つの長辺の端部のうち、少なくとも1辺の端部に設けられていれば特に限定されないが、少なくとも第1電極層の各ストライプの長辺の端部に設けられていることが好ましい。
ここで、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの形状は、第1基材としてフレキシブル性を有する基材を用いた場合に、曲げ加工に対して優れた加工性を示すことが可能となる形状である。また、第1基材上にストライプ状に複数の第1電極層を形成した場合、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいては、第1電極層の各ストライプの配列方向における加工性が大きく向上する。そのため、各々の色素増感型太陽電池素子内においては、第1電極層のストライプの長辺の端部において、第2電極層との距離が変化しやすくなるため、第1電極層および第2電極層が接触することによる内部短絡が生じやすくなることが懸念される。
よって、上記第1電極層の各ストライプの長辺の端部に端領域を設けることにより、色素増感型太陽電池素子における内部短絡の発生をより効果的に防止することができる。
なお、端領域が第1電極層のストライプの長辺の端部に設けられる場合は、図4(a)に示すように、第1電極層12の各ストライプの2本の長辺の端部に端領域Sが設けられてもよく、図5に示すように、第1電極層12の各ストライプの1つの長辺の端部に端領域Sが設けられてもよい。なお、図5は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる第1電極基材の他の例を示す概略平面図であり、図2(a)に示すような構成を有する色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる第1電極基材を示す図である。
また、図4(a)に示すように、第1電極層12の各ストライプの少なくとも1つの短辺の端部に沿って端領域Sがさらに設けられていてもよく、図示しないが、第1電極層の各ストライプの短辺を含む端部には端領域が設けられていなくてもよい。
また、ここで、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層および第2電極層を色素増感型太陽電池素子モジュールの内部で接続させる場合は、上記第1電極層のパターン形状としては、図4(a)、(b)や図5に示すように、第2電極層との接続部分aを有するパターン形状とすることが好ましい。
この場合、図4(a)に示すように、第1電極層12の接続部分aに含まれる端部の外側には端領域が設けられていてもよく、図4(b)、図5に示すように、第1電極層12の接続部分aに含まれる端部の外側には端領域が設けられなくてもよい。
本発明においては、なかでも、第1電極層の接続部分に含まれる端部の外側には端領域が設けられないことが好ましい。上記第1電極層の接続部分に含まれる端部の外側に端領域が設けられた場合は、第1電極層および第2電極層の間に固体電解質層が配置されることとなるため、接続不良の原因となる可能性があるからである。
3.端領域
本発明における端領域の調整方法としては、色素増感型太陽電池素子において、端領域が上述した平面視上の位置、および縦断面の位置となるように調整することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。通常は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの用途、形状等に応じて、第1電極層のパターン形状、固体電解質層の形状、および第2電極層を有する第2電極基材の形状等を適宜調整することにより、端領域が調整される。
また、本発明における端領域は、第1電極層が存在せず、第1基材、固体電解質層、および第2電極層を備える領域であれば特に限定されず、上記以外の構成を有していてもよい。このような構成としては、多孔質層や、必要に応じて形成される触媒層等を挙げることができる。
II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、1枚の第1基材および上記第1基材上にパターン状に形成された複数の第1電極層を有する第1電極基材と、少なくとも第2電極層を有する複数の第2電極基材と、上記第1電極基材の第1電極層または上記第2電極基材の第2電極層のうち、いずれか一方の電極層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層と、上記第1電極基材の第1電極層または上記第2電極基材の第2電極層のうち、上記多孔質層が形成されていない方の電極層および上記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有する複数の固体電解質層とを有し、上記第1電極層、上記第2電極層、上記多孔質層、および上記固体電解質層を有する色素増感型太陽電池素子が複数連結されて構成され、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層が電気的に接続されているものである。
以下、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの各構成について説明する。
1.第1電極基材
本発明における第1電極基材は、1枚の第1基材と、上記第1基材上にパターン状に形成された複数の第1電極層とを有するものである。
第1電極基材としては、透明性を有する基材であってもよく、透明性を有さない基材であってもよく、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの受光面により適宜選択されるものである。
第2電極基材が透明性を有する基材である場合は、第1電極基材としては、透明性を有する基材であってもよく、透明性を有さない基材であってもよい。
一方、第2電極基材が透明性を有さない基材である場合は、第1電極基材は透明性を有する基材である。
以下、それぞれについて説明する。
(1)透明性を有する基材
上記第1電極基材が透明性を有する基材である場合、第1電極基材は、通常、第1基材として透明基材と、第1電極層として上記透明基材上に形成された透明電極層とを有するものである。
(a)第1基材
上記第1電極基材が透明性を有する基材である場合、上述したように、第1基材としては透明基材が用いられる。
上記透明基材は、後述する透明電極層を支持するものである。
上記透明基材としては、後述する透明電極層を形成することが可能であり、色素増感型太陽電池素子モジュールを構成する色素増感型太陽電池素子を形成可能な程度の自己支持性を有するものであれば特に限定されず、フレキシブル性を有していてもよく、フレキシブル性を有していなくてもよい。
なお、本発明における「透明基材のフレキシブル性」とは、ロール状に巻き取ることが可能であり、かつ本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに所望の加工性を付与することが可能な程度であれば特に限定されない。具体的に上述した透明基材のフレキシブル性とは、JIS R1601のファインセラミックスの曲げ試験方法で、5KNの力をかけたときに曲がることを指す。
本発明においては、なかでも、透明基材がフレキシブル性を有するものであることが好ましい。本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを加工性に優れたものとすることができるからである。
このような透明基材としては、具体的には、無機透明基材や樹脂製基材を用いることができる。このうち、樹脂製基材は、軽量であり、加工性に優れ、製造コストの低減ができるため好ましい。
上記樹脂製基材としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂からなる基材等を挙げることができる、なかでも本発明においては二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂からなる基材が用いられることが好ましい。
また、上記無機透明基材としては、合成石英基材やガラス基板等を挙げることができる。
また、本発明における透明基材の厚みは、上記色素増感型太陽電池素子モジュールの用途等に応じて適宜選択することができるものであるが、通常、5μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に10μm〜500μmの範囲内であることが好ましく、さらに25μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられる透明基材は、耐熱性、耐候性、水蒸気、その他のガスバリア性に優れたものであることが好ましい。上記透明基材がガスバリア性を有することにより、例えば、本発明における色素増感型太陽電池素子の経時安定性を高いものとすることができるからである。なかでも本発明においては、酸素透過率が温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が温度37.8℃、湿度100%の条件下において1g/m/day以下のガスバリア性を有する透明基材を用いることが好ましい。本発明においては、このようなガスバリア性を達成するために、上記透明基材上に任意のガスバリア層を設けたものを用いてもよい。なお、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、PERMATRAN−W 3/31:商品名)を用いて測定した値である。
(b)第1電極層
上記第1電極基材が透明性を有する基材である場合、上述したように、第1電極層としては透明電極層が用いられる。
透明電極層は、上述した透明基材上にパターン状に形成されるものである。
本発明に用いられる透明電極層としては、透明性を有し、所定の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような透明電極層に用いられる材料としては、金属酸化物、導電性高分子材料等を挙げることができる。
上記金属酸化物としては、例えば、SnO、ZnO、酸化インジウムにスズを添加した化合物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を添加した化合物(IZO)等を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの金属酸化物であっても好適に用いることができるが、なかでもフッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、ITOを用いることが好ましい。FTOおよびITOは、導電性および太陽光の透過性の両方に優れているからである。
一方、上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、およびこれらの誘導体等を挙げることができる。また、これらを2種以上混合して用いることもできる。
本発明における透明電極層の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、なかでも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極層にて光を十分に透過することができ、多孔質層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
本発明における透明電極層のシート抵抗は、500Ω/□以下であることが好ましく、なかでも300Ω/□以下、特に50Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きいと、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
本発明における透明電極層は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる材料からなる層が積層された態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層が積層された態様を挙げることができる。
本発明における透明電極層の厚みは、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの用途等に応じて、所望の導電性を実現できる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明における透明電極層の膜厚としては、通常、5nm〜2000nmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、均質な透明電極層を形成することが困難となる場合や全光線透過率が低下して良好な光電変換効率を得ることが難しくなる場合があり、また、厚みが上記範囲よりも薄いと、透明電極層の導電性が不足する可能性があるからである。
なお、上記厚みは、透明電極層が複数の層から構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
透明電極層のパターン形状としては、所望の色素増感型太陽電池素子モジュールを得ることが可能であれば特に限定されず、色素増感型太陽電池素子モジュールの用途、形状等により適宜選択されるものであるが、ストライプ状であることが好ましい。透明電極層をパターン状に形成する際に形成しやすいからである。また、透明電極層のパターンに対応するパターンで形成される第2電極基材、多孔質層、固体電解質層等についても形成しやすくなるからである。
また、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを色素増感型太陽電池素子モジュールの内部で電気的に接続(以下、内部接続と称して説明する場合がある。)させる場合は、透明電極層のパターン形状として、第2電極層との接続部分を有するパターン形状とすることも好ましい。
上記接続部分としては、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを内部接続させることが可能であれば特に限定されず、透明電極層がストライプ状である場合、図4(a)、(b)に示すように、接続部分aがストライプの短辺の端部を含む部分であることや、図5に示すように、接続部分aがストライプの長辺の端部を含む部分であることが好ましい。
なお、透明電極層がストライプ状以外のパターン形状を有する場合も、接続部分は、通常、パターン状に形成された第1電極層の端部を含む部分に設けられるものである。
透明電極層の形成方法としては、複数の第1電極層として用いることが可能な透明電極層を上述した透明基材上に所定のパターン状に形成することができる方法であれば特に限定されないが、例えば金属マスクを用いて上記透明電極層をスパッタ法等の蒸着法を用いて形成する方法や、上記透明電極層材料膜を透明基材上に全面形成し、所定のパターン状にエッチングする方法、上記透明電極層材料を金属ペーストとし、上記金属ペーストを透明基材上に印刷する方法等を挙げることができる。
また、本発明における透明電極層は、補助電極を積層させて用いることもできる。ここで、補助電極とは、導電性材料を用いてメッシュ状に形成された電極である。上記補助電極を透明電極層とともに用いることで、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの発電効率を高いものとすることが可能となる。
なお、補助電極については、一般的な色素増感型太陽電池素子に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)透明性を有さない基材
上記第1電極基材が透明性を有さない基材としては、上述した「透明性を有する基材」で説明したような、透明性を示さない基材であれば特に限定されないが、通常、第1基材と第1基材上にパターン状に形成された金属層とを有する。
(a)第1基材
上記第1基材としては、透明基材であってもよく、透明性を有さない第1基材であってもよい。透明基材については、上述した「(1)透明性を有する基材」の項で記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
一方、透明性を有さない第1基材としては、樹脂製基材を挙げることができる。
なお、樹脂製基材に用いられる樹脂材料については、上述した透明樹脂製基材に用いられる材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、透明性を有さない第1基材の具体的な厚みについては、上述した「(1)透明性を有する基材」の項で記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)第1電極層
上記第1電極基材が透明性を有さない基材である場合、上述したように、第1電極層としては、金属層が用いられる。
また、上記金属層としては、上述した第1基材上に所定のパターン形状で形成することが可能であれば特に限定されないが、フレキシブル性を有するものであることが好ましい。金属層がフレキシブル性を有することにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの加工性をより高いものとすることができるからである。
上記金属層に用いられる金属としては、具体的には、銅、アルミニウム、チタン、クロム、タングステン、モリブデン、白金、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、各種ステンレスおよびそれらの合金等が挙げられ、チタン、クロム、タングステン、各種ステンレスおよびそれらの合金が望ましい。
また、金属層の厚みとしては、色素増感型太陽電池素子モジュールの第1電極層として働くものであれば特に限定されないが、通常、5μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲内であることがより好ましく、20μm〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記金属層のパターン形状については、上述した透明電極層のパターン形状と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記金属層の形成方法としては、一般的な金属層の形成方法と同様とすることができる。
例えば、第1基材上に蒸着法等により金属膜を形成した後、エッチングすることにより所定のパターン形状の金属層を形成する方法や、金属マスク等を用いて第1基材上にパターン蒸着させることにより金属層を形成する方法等を挙げることができる。
(3)その他の構成
第1電極基材としては、第1基材および第1電極層を有するものであれば特に限定されず、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
例えば、後述する第2電極基材側に後述する多孔質層が形成される場合は、第1電極基材の第1電極層上に触媒層が形成されていることが好ましい。
触媒層は、色素増感型太陽電池素子モジュールの発光効率の向上に寄与する働きを有するものである。
このような触媒層の例としては、例えば、上記第1電極層上にPtを蒸着した態様や、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリピロール(PP)、ポリアニリン(PA)、これらの誘導体およびこれらの混合物から触媒層を形成する態様を挙げることができるが、この限りではない。
このような触媒層の膜厚としては、5nm〜500nmの範囲内、なかでも10nm〜300nmの範囲内、特に15nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
触媒層の形成方法としては、上述した第1電極層上に所望の厚みで形成することが可能であれば特に限定されず、一般的な色素増感型太陽電池素子における触媒層の形成方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、触媒層としては、色素増感型太陽電池素子とした場合に多孔質層と対峙する第1電極層上に形成されていれば特に限定されず、第1電極層全面に形成されていてもよく、第1電極層上の一部にパターン状に形成されていてもよい。また、触媒層がパターン状に形成される場合は、後述する固体電解質層のパターン形状に対応するパターンとなるように形成されることが好ましい。なお、固体電解質層のパターン形状については後述するため、ここでの説明は省略する。
(4)第1電極基材
本発明における第1電極基材としては、上述した透明性を有する基材、および透明性を有さない基材のいずれであってもよいが、透明性を有する基材であることが好ましい。
ここで、後述する多孔質層は、第1電極基材の第1電極層または後述する第2電極基材の第2電極層のいずれか一方の表面上に形成されるものである。
また、多孔質層の形成方法としては、焼成処理を含む形成方法を用いることが好ましいことから、第2電極層として金属基材を用い、金属基材上に多孔質層を焼成して形成する方法を用いることが好ましい。
よって、第2電極基材としては、透明性を有さない基材を用いることが好ましいことから、本発明における第1電極基材は、透明性を有する基材であることが好ましい。
2.第2電極基材
本発明における第2電極基材は、少なくとも第2電極層を有するものである。
上記第2電極基材としては、透明性を有する基材であってもよく、透明性を有さない基材であってもよく、本発明の太陽電池素子モジュールの受光面により適宜選択される。
上述した第1電極基材が透明性を有する基材である場合は、上記第2電極基材としては透明性を有する基材であってもよく、透明性を有さない基材であってもよい。一方、上記第1電極基材が透明性を有さない基材である場合は、上記第2電極基材としては透明性を有する基材が用いられる。
このような第2電極基材としては、電極としての機能を有するものであれば限定されず、第2電極層からなるものであってもよく、第2電極層と、第2電極層を支持するための第2基材とを有するものであってもよい。
上記第2電極基材が、第2電極層からなるものである場合、第2電極基材としては、具体的には、単一の金属層、すなわち金属基材が用いられる。
また、金属基材としては、フレキシブル性を有していてもよく、フレキシブル性を有さなくてもよいが、フレキシブル性を有するものであることが好ましい。本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを加工性に優れたものとすることができるからである。
なお、金属基材のフレキシブル性としては、具体的には、JIS Z 2248の金属材料曲げ試験方法で、5KNの力をかけたときに曲がることを指す。
上記金属基材に用いられる金属については上述した第1電極基材に用いられる金属層と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、金属基材の厚みとしては、上述した第1電極基材に用いられる金属層の厚みと同等とすることができる。
一方、第2電極基材が、第2電極層と、第2基材とを有するものである場合、第2電極層としては、上述した透明電極層または金属層を用いることができ、第2基材としては、上述した透明基材または樹脂基材を用いることができる。
なお、第2電極基材としては、通常第2基材全面に第2電極層が形成されているものである。
透明基材、樹脂基材、透明電極層、金属層については、上述した第1電極基材に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
第2電極基材としては、必要に応じて他の構成を有することができる。
例えば、後述する多孔質層が第1電極基材の第1電極層上に形成される場合、上記第2電極層上に触媒層を形成することが好ましい。
なお、触媒層については上述した第1電極基材の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における第2電極基材としては、第2電極層からなるもの、すなわち金属基材であることがより好ましい。上記第2電極基材として金属基材を用い、第2電極基材の第2電極層上に多孔質層を焼成して形成することが可能となるからである。
また、上記第2電極基材の形状としては、色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて、隣接する第2電極基材の第2電極層同士が接触しないような形状であれば特に限定されない。また、上記第2電極基材の形状は、通常、第2電極層が第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有するような形状である。
ここで、本発明において「第2電極層が第1電極層のパターンに対応するパターンを有する」とは、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを構成する各々の色素増感型太陽電池素子が第2電極層を有するように、第2電極層が、パターン状に形成された各々の第1電極層に対向させて配置することが可能なパターンを有することを指す。
より具体的には、本発明における1つの第2電極層が、1つの第1電極層上に連続的に配置可能なパターンを有することを指す。
なお、本発明における第1電極層のパターン形状がストライプ状である場合は、第2電極基材の形状としては、短冊状であることが好ましい。
上記第2電極基材の形成方法としては、上述した第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有する第2電極層を有する第2電極基材を形成することが可能な方法であれば特に限定されない。例えば、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールに用いられる複数の第2電極基材を切り出すことが可能な1枚の第2電極基材用基板を所望の形状に切断することにより、第2電極基材を形成する方法を好適に用いることができる。
また、上述の形成方法を用いた場合は、例えば、第2電極基材用基板の第2電極層上に後述する固体電解質層や多孔質層等を連続して形成した後、第2電極基材用基板を切断することにより、第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有する固体電解質層や多孔質層を簡便な方法で形成することが可能となる。
3.固体電解質層
本発明における固体電解質層は、上記第1電極基材の第1電極層または上記第2電極基材の第2電極層のうち、上記多孔質層が形成されていない方の電極層および上記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有するものである。
ここで、上記固体電解質層は、酸化還元対を含有し、流動性を示さないものである。封止部材等を用いることなく第1電極層および第2電極層の間に保持可能な程度の硬度を有するものであれば特に限定されない。固体電解質層には、固体の材料だけが用いられている全固体電解質層、液体の材料に金属酸化物等の無機化合物の微粒子あるいはゴムや樹脂等の高分子合物などを添加した擬固体電解質(「擬固体電解質」は「ゲル電解質層」と呼ばれる場合もある。)が含まれる。
また、本発明における固体電解質層は、通常、第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有するものである。
なお、本発明において「固体電解質層が第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有する」とは、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを構成する各々の色素増感型太陽電池素子が固体電解質層を有するように、上記固体電解質層が、パターン状に形成された各々の第1電極層上に形成可能なパターンを有することを指す。
より具体的には、本発明における1つの固体電解質層が、1つの第1電極層上に連続的に配置可能なパターンを有することを指す。
(1)固体電解質層の材料
本発明における固体電解質層の材料は、酸化還元対を含有するものである。
(a)酸化還元対
本発明における固体電解質層に用いられる酸化還元対について説明する。
本発明における固体電解質層に用いられる酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層において用いられているものであれば特に限定はされない。具体的には、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。例えば、ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。さらに、臭素および臭化物の組み合わせとしては、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
また、上記酸化還元対の含有量としては、固体電解質層に占める酸化還元対の割合が、1質量%〜50質量%の範囲内、中でも、5質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましい。
(b)その他の成分
本発明に用いられる固体電解質層は、上述した酸化還元対の他にも、必要な成分を適宜追加することが可能である。
以下、このような成分について説明する。
(i)高分子化合物
本発明における固体電解質層は、高分子化合物を含有していることが好ましい。また、固体電解質層の強度を高いものとすることが可能となるからである。
以下、上記固体電解質層に用いられる高分子化合物について説明する。
上記固体電解質層における高分子化合物としては、ポリエーテル、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリシロキサン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリヘキサフロロプロピレン、ポリフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルを主鎖に持つ高分子化合物ないしはこれらモノマー成分2種類以上の共重合体等を好ましく用いることができる。
また、上記固体電解質層に用いられる高分子化合物としては、セルロース系樹脂を挙げることができる。セルロース系樹脂は、耐熱性が高いので、セルロース系樹脂で固体化した電解質層は、高温下でも液漏れが起こらず熱安定性が高い。具体的にはセルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のセルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース等のセルロースエステル類、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類が挙げられる。これらのセルロース系樹脂は、いずれかを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
セルロース系樹脂の中でも、電解質溶液への相溶性の観点から、特にカチオン性セルロース誘導体が好ましく用いられる。カチオン性セルロース誘導体とは、セルロース又はその誘導体のOH基にカチオン化剤を反応させてカチオン化したものをいう。カチオン性セルロース誘導体を含有させることにより、電解液の保持性に優れ、特に高温下あるいは加圧時において電解液の液漏れがない、熱安定性に優れた固体電解質層を得ることができる。
上記のようなセルロース系樹脂の分子量は、そのセルロース系樹脂の種類によって異なり、特に限定されないが、電解質層を形成する際に良好な造膜性を得る観点から、質量平均分子量が10,000以上(ポリスチレン換算)、特に100,000〜200,000の範囲内であることが好ましい。例えば、セルロース系樹脂としてエチルセルロースを用いる場合には、水に2質量%でエチルセルロースを溶解させ、30℃で粘度測定を行った場合の値で、5mPa・s〜1000mPa・sの範囲内、特に10mPa・s〜500mPa・sの範囲内の粘度を示すような分子量とすることが好ましい。
また、セルロース系樹脂のガラス転移温度は、電解質層の十分な熱安定性を得るために、80℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる高分子化合物としては、透明性を有するものであることが好ましい。上記高分子化合物が透明性を有することによって、上記固体電解質層の透明性をより向上させることができる。また、上記固体電解質層の透明性を向上させることにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの外観を良好なものとすることが可能となる。また、上記固体電解質層が多孔質層に浸透した際に、固体電解質層によって光を遮断することを防止することが可能となるので、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの性能を向上させることが可能となる。
このような高分子化合物の含有量としては、低過ぎると固体電解質層の熱安定性が低下し、逆に高過ぎると太陽電池の光電変換効率が低下するため、これらを考慮して適宜設定される。具体的には、固体電解質層を構成する材料中に5質量%〜60質量%含有させることが好ましい。上記固体電解質層を構成する材料中の高分子化合物が上記範囲よりも割合が低いと、後述する多孔質層との密着性が十分に得られない場合があり、また、固体電解質層自体の機械的強度の低下に繋がる場合があるため好ましくない。一方、上記範囲よりも割合を高くすると、絶縁性である高分子化合物が多量に存在することから、電荷を輸送する機能が阻害されるおそれがあるため好ましくない。
(ii)その他の成分
本発明における固体電解質層は、上述した高分子化合物以外の任意の成分を含有することができる。このような成分としては、例えばイオン液体を挙げることができる。
(2)固体電解質層
本発明における固体電解質層の膜厚としては、10nm〜100μmの範囲内、なかでも1μm〜50μmの範囲内、特に5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。上記固体電解質層の膜厚が上記範囲に満たない場合は、上記固体電解質層が十分に機能せず色素増感型太陽電池素子モジュールの発電効率が低下する可能性があるからである。また、上記固体電解質層の膜厚が上記範囲を超える場合は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを薄膜に形成することが困難になるからである。
また、本発明における固体電解質層の形状としては、本発明における色素増感型太陽電池素子の第1電極層上および上述した端領域に固体電解質層を配置することが可能であり、固体電解質層が上述した第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有することが可能な形状であれば特に限定されない。通常は、第1電極層のパターン形状により適宜調整される。
ここで、色素増感型太陽電池素子においては発電効率を高いものとするために、色素増感型太陽電池素子内においては発電に寄与する面積が大きい方が好ましい。よって、本発明における固体電解質層の形状としては、上記第1電極層の対向面に配置される面積が大きくなるような形状であることが好ましい。
より具体的には、上記第1電極層のパターン形状がストライプ状である場合は、上記固体電解質層の形状としては、固体電解質層の幅が第1電極層の幅よりも大きくなるような形状であることが好ましい。固体電解質層を上述の形状とすることにより、第1電極層の対向面に固体電解質層を十分な面積で配置して、端領域に固体電解質層を形成することが可能となるからである。
なお、本発明における「第1電極層の幅」とは、端領域が設けられる第1電極層の端部から、上記第1電極層の端部に対向する第1電極層の端部までの距離を指し、図1(c)、図3(a)、(b)においてUで示される距離を指す。
また、本発明における「固体電解質層の幅」とは、端領域に位置する固体電解質層の端部から、上記固体電解質層の端部び対向する固体電解質層の端部までの距離し、図1(c)、図3(a)、(b)においてVで示される距離を指す。
また、上述したように、本発明における端領域では、第2電極層の端部に固体電解質層が配置されていることが好ましいことから、本発明における固体電解質層の幅は、第2電極層の幅と同等、または第2電極層の幅よりも大きいことが好ましい。
なお、本発明における「第2電極層の幅」とは、端領域に位置する第2電極層の端部から、上記第2電極層の端部に対向する第2電極層の端部までの距離を指し、図1(c)、図3(a)、(b)においてWで示される距離を指す。
なお、上記固体電解質層とともに用いられる第1電極層または第2電極層が、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層または第2電極層と内部接続させるための接続部分を有する場合は、上記固体電解質層の形状は、通常、上述した第1電極層または第2電極層の接続部分に固体電解質層が配置されないような形状となる。
また、上記接続部分に含まれる第1電極層の端部の外側にも固体電解質層が配置されないような形状とすることがより好ましい。上記固体電解質層は絶縁機能を有するものであることから、第1電極層および第2電極層の接続を妨げる可能性があるからである。
本発明における固体電解質層の形成方法としては、第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有するように固体電解質層を形成することが可能であれば特に限定されず、一般的な塗布方法を用いて上述した固体電解質層の材料を塗布する方法を挙げることができる。
また、上記固体電解質層は、第1電極基材の第1電極層側に形成されていてもよく、第2電極基材の第2電極層側に形成されていてもよい。
ここで、上記固体電解質層の幅が第2電極層の幅と同等となるように、固体電解質層を形成する場合は、図1(c)に示すように、第2電極基材20の第2電極層22上に固体電解質層4を形成することが好ましい。
上述したように、上記第2電極基材は、第2電極基材用基板を切断することによって形成することが可能である。よって、予め第2電極基材用基板上に固体電解質層を連続的に形成した後、第2電極基材用基板を切断することにより、第2電極層の幅と同等な幅を有する固体電解質層を簡便な形成方法で形成することができるからである。
一方、固体電解質層の幅が第2電極層の幅よりも大きくなるように、固体電解質層を形成する場合は、通常、図3(b)に示すように、固体電解質層4は、第1電極基材10の第1電極層12上にパターン状に形成される。
また、固体電解質層を形成する側の電極層上に多孔質層が形成されている場合は、通常、多孔質層全面に固体電解質層が形成される。
4.多孔質層
本発明における多孔質層は、上記第1電極基材の第1電極層または上記第2電極基材の第2電極層のうち、いずれか一方の表面上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有するものである。
また、本発明における多孔質層は、通常、第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有するものである。
なお、本発明において「多孔質層が第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有する」とは、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを構成する各々の色素増感型太陽電池素子が多孔質層を有するように、多孔質層がパターン状に形成された各々の第1電極層の表面上に形成可能なパターンを有することを指す。
より具体的には、本発明における1つの多孔質層が、1つの第1電極層上に連続的に形成可能なパターンを有することを指す。
以下、上記多孔質層に用いられる金属酸化物半導体微粒子、および色素増感剤についてそれぞれ説明する。
(a)金属酸化物半導体微粒子
上記金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。上記金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。
なかでも本発明においては、TiOからなる金属酸化物半導体微粒子を用いることが最も好ましい。TiOは特に半導体特性に優れるからである。
上記金属酸化物半導体微粒子の平均粒径としては、通常、1nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記金属酸化物半導体微粒子の平均粒径は一次粒径を意味するものとする。
(b)色素増感剤
上記色素増感剤としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定されない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系、インドリン系、カルバゾール系の色素が挙げられる。本発明においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、上記金属錯体色素としてはルテニウム系色素を用いることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素を用いることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(c)任意の成分
上記多孔質層には、上記金属酸化物半導体微粒子の他に任意の成分が含まれていてもよい。本発明における任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。上記多孔質層に樹脂が含有されることにより、本発明における多孔質層の脆性を改善することができるからである。
本発明における多孔質層に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カプロラクタム等を挙げることができる。
(d)多孔質層
本発明における多孔質層の厚みは、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの用途に応じて、適宜決定できるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本発明における多孔質層の厚みは、通常、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における上記多孔質層は、第1電極基材の複数の第1電極層上、または第2電極基材の第2電極層上のいずれか一方に形成される。
多孔質層の形状、および多孔質層の形成位置については、上述した固体電解質層の項で記載した固体電解質層の形状、および固体電解質層の形成位置と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)多孔質層の形成方法
本発明における多孔質層の形成方法としては、第1電極基材の複数の第1電極層上または第2電極基材の第2電極層上に所望の厚みで多孔質層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。
また、本発明においては、第2電極基材の第2電極層上に多孔質層を形成することが好ましい。この場合、第2電極基材用基板上に多孔質層を連続的に形成した後、第2電極基材用基板を切断することにより、所望の形状を有する多孔質層を形成することが可能となることから、第1電極基材の第1電極層上に多孔質層をパターン状に形成する場合に比べて、より簡便な方法で多孔質層を形成することができるからである。
なお、多孔質層の形成方法としては、より具体的には次の方法を挙げることができる。
まず、少なくとも上述した金属酸化物半導体微粒子、バインダー樹脂、および溶媒からなる多孔質層形成用塗工液を調製する。次に第2電極層として、金属層を用い、上記金属層上に調製された上記多孔質層形成用塗工液を所望の膜厚で塗布して多孔質層形成用塗布膜を形成し、上記多孔質層形成用塗布膜を焼成してバインダー樹脂を熱分解させることによって多孔質層形成用層を形成する。次に上記多孔質層形成用層の表面に上述した色素増感剤を付着させることにより多孔質層を形成する。
なお、多孔質層形成用塗工液に用いられるバインダー樹脂、溶媒については一般的な多孔質層の形成方法で用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。また、多孔質層形成用塗工液としては、上述した成分の他に、必要に応じて分散剤を添加することもできる。
また、多孔質層形成用塗工液の塗布方法、焼成条件等についても一般的な多孔質層の形成方法で用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、多孔質層の形成方法としては、次の方法を用いることも可能である。
まず、上述した金属酸化物半導体微粒子および溶媒を含む多孔質層形成用組成物を第2電極層上に塗布して乾燥させることにより多孔質層形成用層を形成し、次いで多孔質層形成用層に色素増感剤を付着させることによって多孔質層を形成する。上記多孔質層形成用組成物に用いられる溶媒、上記多孔質層形成用組成物の塗布方法、および乾燥条件等については、一般的な多孔質層の形成方法で用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、この方法は、第1電極基材の第1電極層上に多孔質層を形成する場合においても用いることができる。
また、多孔質層の形成方法としては、次の方法を用いることも可能である。
上述した第2電極層上に多孔質層を焼成して形成する方法と同様の方法を用いて、耐熱基板上に剥離層を形成した後、上記多孔質層を剥離層上に配置し、上記第2電極層と貼り合せ、次いで耐熱基板を剥離することにより多孔質層を形成する。
なお、この方法は、第1電極基材の第1電極層上に多孔質層を形成する場合においても用いることができる。
5.色素増感型太陽電池素子
本発明における色素増感型太陽電池素子は、上述した上記第1電極層、上記第2電極層、上記多孔質層、および上記固体電解質層を有するものである。また、上記色素増感型太陽電池素子は、上述した端領域を有するものである。
本発明における色素増感型太陽電池素子は、上述した各構成を有し、かつ上述した端領域を有するものであれば特に限定されるものではないが、色素増感型太陽電池素子の層構成が、第1電極層/固体電解質層/多孔質層/第2電極層の順に積層された層構成を有するものであることが好ましい。色素増感型太陽電池素子の層構成を上述した層構成とすることにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールを生産性の高いものとすることが可能となるからである。
6.色素増感型太陽電池素子モジュール
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは上述した色素増感型太陽電池素子から構成されるものであり、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層が電気的に接続されているものである。
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、複数の色素増感型太陽電池素子のうち、少なくとも1つの色素増感型太陽電池素子が上述した端領域を有するものであれば特に限定されないが、通常は、色素増感型太陽電池素子モジュールを構成する複数の色素増感型太陽電池素子が上述した端領域を有するものである。
また、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層が電気的に接続されているものである。
第1電極層および第2電極層の接続方法としては、色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層および第2電極層を電気的に接続させることが可能な方法であれば特に限定されない。例えば、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを直接接触させたり、または第1電極層と第2電極層との間に導電性層を形成して接続させたりする等の内部接続させる方法や、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを導線等を用いて外部から電気的に接続させる方法等を挙げることができる。
本発明においては、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを内部接続させる方法を用いることがより好ましい。色素増感型太陽電池素子モジュールの外部で電気的に接続させる方法に比べて接続方法が簡便であるからである。
さらに、本発明においては、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層との間に導電性層を形成して接続させる方法を用いることが好ましい。これにより本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおける接続不良をより好適に防止することができるからである。
なお、導電性層の材料としては、一般的な導電性接着剤等を用いることができる。
また、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、上述した複数の色素増感型太陽電池素子を連結させて構成される1つの色素増感型太陽電池素子モジュールであってもよく、上述した色素増感型太陽電池素子モジュールを複数組あわせて連結させて大型化させた色素増感型太陽電池素子モジュールであってもよい。
7.その他の構成
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールは、上述した各構成を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような構成としては、色素増感型太陽電池素子モジュールの第1電極基材上および第2電極基材上に配置され、色素増感型太陽電池素子モジュールをパッケージングする透明樹脂フィルムや金属ラミネートフォルム等を挙げることができる。
III.色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法
本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法としては、上述した色素増感型太陽電池素子モジュールを製造することが可能な方法であれば特に限定されないが、例えば以下に説明する製造方法を好適に用いることができる。
本発明において好適に用いられる色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法としては、第1基材上に複数の第1電極層を形成することにより第1電極基材を形成する第1電極基材形成工程と、複数の第2電極基材を切り出すことが可能な1枚の第2電極基材用基板を準備する第2電極基材用基板準備工程と、上記第1電極層または上記第2電極層のいずれか一方の表面上に、多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、上記第1電極基材の上記第1電極層側に固体電解質層を上記第1電極層のパターンに対応するパターンで形成する工程、または上記第2電極基材用基板の上記第2電極層側に上記固体電解質層を連続的に形成する工程のいずれか一方を行う固体電解質層形成工程と、上記第2電極基材用基板を切断することにより、上記複数の第2電極基材を形成する切断工程と、上記第1電極基材の上記第1電極層側と上記第2電極基材の上記第2電極層側とを対向させ、上記固体電解質層を界面として密着させることにより上記第1電極基材および上記第2電極基材を貼合する貼合工程と、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層および上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層を電気的に接続する接続工程とを有する製造方法である。
ここで、上記色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法について図を用いて説明する。図6(a)〜(d)、図7(a)〜(e)は、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法の一例を示す工程図であり、図1(a)〜(c)に示す色素増感型太陽電池素子モジュールを製造する例について示す図である。
まず、上記第1電極基材形成工程について説明する。図6(a)、(b)に示すように、上記第1電極基材形成工程においては、第1基材11上に連続的に第1電極層12を形成する。また、上記第1電極基材形成工程においては、触媒層5を形成してもよい。この場合、第1電極層12上に連続的に触媒層5を形成して積層させる。なお、図6(a)では、第1電極層12および触媒層5が連続的に形成された第1基材11の一例を上面から示しており、図6(b)では、図6(a)のE−E線断面を示している。
次に、図6(c)、(d)に示すように、第1電極層12および触媒層5をエッチング処理等により所定のパターンにパターニングすることで、1枚の第1基材11上に、パターン状に形成された複数の第1電極層12および触媒層5を有する第1電極基材10を形成する。図6(c)においては、第1電極層12および触媒層5が、ストライプ状に形成され、かつ各々の第1電極層12および触媒層5がストライプの短辺の端部を含む接続部分aを有するように形成される例について示している。
なお、図6(c)では、上記第1電極基材形成工程により形成された第1電極基材10の一例を上面から示しており、図6(d)では、図6(c)のE’−E’線断面を示している。
なお、図示はしないが、上記第1電極基材形成工程においては、金属マスク等を用いた蒸着法等により、第1基材上に第1電極層を直接パターン状に形成してもよい。
次に、上記第2電極基材用基板準備工程、および多孔質層形成工程について説明する。図7(a)、(b)に示すように、上記第2電極基材用基板準備工程においては、第2電極層22を有する第2電極基材用基板20’を準備する。次に、多孔質層形成工程においては、第2電極層22上に多孔質層3を連続的に形成する。なお、後述する接続工程で、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを内部接続させる場合は、第2電極基材用基板20’から切り出される第2電極基材20において第2電極層22の接続部分b(図7(e)参照)となる部分b’以外の部分に多孔質層3を連続的に形成することが好ましい。
なお、図7(a)では、上記多孔質層形成工程により多孔質層3が形成された第2電極基材用基板の一例を上面から示しており、図7(b)では、図7(a)のF−F線断面を示している。
なお、図示はしないが、上記多孔質層形成工程においては、第1電極層上に多孔質層を形成してもよい。
次に、上記固体電解質層形成工程について説明する。
図7(c)、(d)に示すように、上記固体電解質層形成工程においては、上述した第2電極基材用基板20’の多孔質層3上に、酸化還元対を含む固体電解質層4を連続的に形成する。
なお、図7(c)では、固体電解質層4が形成された第2電極基材用基板20’の一例を上面から示しており、図7(d)では、図7(c)のF’−F’線断面を示している。
なお、図示はしないが、上記固体電解質層形成工程においては、第1電極基材の第1電極層上に固体電解質層を第1電極層のパターンに対応するパターンで形成してもよい。
次に、上記切断工程について説明する。
図7(e)に示すように、上記切断工程においては、第2電極基材用基板20’を所望の形状に切断することにより、第2電極基材20を形成する。図7(e)においては、色素増感型太陽電池素子モジュールとした際に、隣接する第2電極基材20が接触しない形状となり、かつ第2電極基材20上に形成された固体電解質層4の幅が、図6(c)に示す第1電極層の幅よりも大きくなるように第2電極基材20が形成される例について示している。
次に、上記貼合工程および接続工程について説明する。
貼合工程においては、図6(d)に示される第1電極基材10の複数の第1電極層12上に形成された触媒層5と、図7(e)に示される複数の第2電極基材20の第2電極層22上に形成された多孔質層3とを対向させて、固体電解質層4を界面として密着させる。これにより、本工程においては図1(a)〜(c)に示される色素増感型太陽電池素子モジュール100の構成を得ることができる。
また上記接続工程においては、例えば図6(d)に示される第1電極基材10の複数の第1電極層12上に形成された触媒層5と、図7(e)に示される複数の第2電極基材20の第2電極層22上に形成された多孔質層3とを対向させて、固体電解質層4を界面として貼合する際に、第1電極層12の各ストライプの短辺の端部を含む接続部分aと第2電極層22の短冊の短辺の端部を含む接続部分bとを直接接触させることにより、図1(a)に示すように、隣接する色素増感型太陽電池素子1の第1電極層11と第2電極層22とを電気的に接続することができる。
なお、上述したように、隣接する色素増感型太陽電池素子の第1電極層と第2電極層とを色素増感型太陽電池素子モジュールの内部で接続させる場合は、上述した貼合工程および接続工程を同時に行うことができる。
以下、各工程について説明する。
第1電極基材形成工程
上記第1電極基材形成工程は、第1基材上に複数の第1電極層を形成することにより第1電極基材を形成する工程である。
本工程に用いられる第1基材の形態としては、所望の色素増感型太陽電池素子モジュールを得ることが可能な形態であれば特に限定されるものではないが、なかでもロール状に巻き取られたフレキシブル性を有する長尺状の基材であることがより好ましい。第1基材が上述の形態であることにより、本工程や、後述する多孔質層形成工程や固体電解質層形成工程において、第1電極基材側に多孔質層や、固体電解質層を形成する工程を、ロール・トゥ・ロール(R to R)プロセスで行うことが可能となるため、製造効率高く製造を行うことが可能となるからである。
本工程に用いられる第1基材、第1電極層の材料、第1電極層の形成方法、および形成される第1電極基材については、上述した「II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.第2電極基材用基板準備工程
上記第2電極基材用基板準備工程は、複数の第2電極基材を切り出すことが可能な1枚の第2電極基材用基板を準備する工程である。
本工程において準備される第2電極基材用基板の形態としては、所望の色素増感型太陽電池素子モジュールを得ることが可能な形態であれば特に限定されるものではないが、なかでもロール状に巻き取られたフレキシブル性を有する長尺状の基材であることがより好ましい。第2電極基材用基板が上述の形態であることにより、後述する多孔質層形成工程や、固体電解質層形成工程において、第1電極基材側に多孔質層や固体電解質層を形成する工程を、R to Rプロセスで行うことが可能となるため、製造効率高く製造を行うことが可能となるからである。
本工程において準備される第2電極基材用基板は、具体的には上述した「II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成」の項に記載した第2電極基材を切り出すことが可能な基板であれば、特に限定されず、第2電極基材用基板に用いられる材料、厚み等については上述の第2電極基材の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.多孔質層形成工程
上記多孔質層形成工程は、上記第1電極層または上記第2電極層のいずれか一方の表面上に、多孔質層を形成する工程である。
本工程に用いられる多孔質層の材料、多孔質層の形成方法、および本工程により形成される多孔質層については、上述した「II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成」の多孔質層の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本工程においては、R to Rプロセスを用いて多孔質層を形成することが好ましい。これにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造効率を高く製造することが可能となる。
4.固体電解質層形成工程
上記固体電解質層形成工程は、上記第1電極基材の上記第1電極層側に上記固体電解質層を上記第1電極層のパターンに対応するパターンで形成する工程、または上記第2電極基材用基板の上記第2電極層側に上記固体電解質層を連続的に形成する工程のいずれか一方を行う工程である。
なお、本工程に用いられる固体電解質層の材料としては、所望の固体電解質層を形成することが可能であり、かつ後述する貼合工程において固体電解質層を介して第1電極基材および第2電極基材を貼合することが可能なものであれば特に限定されないが、酸化還元対と高分子化合物を含有するものであることが好ましい。
本工程に用いられる固体電解質層の材料、固体電解質層の形成方法、および本工程により形成される固体電解質層については、上述した「II.色素増感型太陽電池素子モジュールの構成」の固体電解質層の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本工程においては、R to Rプロセスを用いて多孔質層を形成することが好ましい。これにより、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールの製造効率を高く製造することが可能となる。
5.切断工程
上記切断工程は、上記第2電極基材用基板を切断することにより、上記複数の第2電極基材を形成する工程である。
本工程により形成される第2電極基材の形状としては、本発明の色素増感型太陽電池素子モジュールにおいて、隣接する第2電極基材同士が接触しない形状であり、かつ第2電極層が第1電極基材の第1電極層のパターンに対応するパターンを有することが可能な形状であれば特に限定されず、上記色素増感型太陽電池素子モジュールの用途等により適宜選択して決定することができる。
また、第2電極基材用基板上に上述した多孔質層や固体電解質層が形成されている場合は、通常、本工程により形成される第2電極基材が有する多孔質層や固体電解質層が上述した第1電極層のパターンに対応するパターンを有するように、第2電極基材用基板が切断される。
本工程に用いられる第2電極基材用基板の切断方法としては、上記第2電極基材用基板から所望の形状を有する第2電極基材を切り出すことが可能な方法であれば特に限定されず、公知の方法とすることができる。
6.貼合工程
上記貼合工程は、上記第1電極基材の上記第1電極層側と上記第2電極基材の上記第2電極層側とを対向させ、上記固体電解質層を界面として密着させることにより上記第1電極基材および上記第2電極基材を貼合する工程である。
また、本工程においては、第1電極層の端部の外側に上述した端領域を有するように、第1電極基材および第2電極基材が貼合する。
なお、本工程においては、上述した第1電極基材の複数の第1電極層上に多孔質層が形成されている場合は、上記多孔質層と第2電極層とを対向させて、固体電解質層を界面として密着させる。一方、上述した第2電極基材の第2電極層上に多孔質層が形成されている場合は、上記第1電極層と上記多孔質層とを対向させて、固体電解質層を界面として密着させる。
また、多孔質層が形成されていない側の電極層上に触媒層が形成されている場合は、多孔質層と触媒層とを対向させて固体電解質層を界面として密着させる。
本工程に用いられる貼合方法は、上記固体電解質層を界面として上記第1電極層および多孔質層を良好に密着させることが可能な貼合方法であれば特に限定されるものではないが、ロールラミネート法や真空ラミネート法を用いることが好ましい。密着面に空気が入らないように貼合することが容易であるからである。
7.接続工程
上記接続工程は、1つの上記色素増感型太陽電池素子の上記第1電極層と上記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の上記色素増感型太陽電池素子の上記第2電極層とを電気的に接続する工程である。
本工程における第1電極層および第2電極層の接続方法については、上述した「II.色素増感型太陽電池素子モジュール」の項で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
8.その他の工程
上記色素増感型太陽電池素子モジュールの製造方法は、上述した各工程を有する製造方法であれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することが可能である。
このような工程としては、例えば色素増感型太陽電池素子モジュールを作製した後、色素増感型太陽電池素子モジュールの第1電極基材上および第2電極基材上に透明樹脂フィルムや金属ラミネートフォルムを配置してパッケージングする工程等を挙げることができる。
また、例えば、上述した各工程を行うことにより色素増感型太陽電池素子モジュールを複数個作製し、上記複数の色素増感型太陽電池素子モジュールを組み合わせることにより、さらに大型の色素増感型太陽電池素子モジュールを形成する工程を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例)
<第1電極基材の作製>
PENフィルム(第1基材)上にITO膜(第1電極層)が形成された透明導電フィルムを用意し、そのITO膜上に白金を厚み13Å(透過率72%)で積層して触媒層を形成した。上記触媒層が形成された透明導電フィルムに対し、レーザースクライブにて絶縁部を形成し、ITO膜および触媒層の積層体を図6(c)に示すように、ストライプ状であり、かつストライプの短辺の端部を含む接続部分aを有するように、パターニングした。絶縁部と絶縁部の間隔は長尺方向(図8(a)においてhで示される部分)に100mm、短尺方向(図8(a)においてiで示される部分)に12mmとした。
以上の手順により第1電極基材(対向電極基材)を得た。
なお、図8(a)は、実施例1において形成される1つの第1電極層の形状を説明する図である。
<多孔質層形成用インキの調製>
多孔質酸化チタン微粒子(日本エアロジル社製、商品名:P25)5gをエタノール16.7gに投入し、さらにアセチルアセトン0.25g、及びジルコニアビーズ(φ1.0mm)20gを添加した混合液を、ペイントシェーカーにより攪拌し、さらにバインダーとしてポリビニルピロリドン(日本触媒社製、商品名:K−30)を0.25g添加して多孔質層形成用のインキを調製した。
<多孔質層の形成>
上記作製した多孔質層形成用インキを、第2電極基材用基板であるチタン箔上にドクターブレード法により10cm幅の面積で塗布して、多孔質層形成用層を形成した。多孔質層形成用層の周囲には、図7(a)、(b)に示すように、多孔質形成用インキが塗工されず、チタン箔のみが存在している未塗工部(第2電極基材用基板20’の接続部分b)を設けた。
その後、120℃で乾燥させることで、多数の酸化チタン微粒子を含む膜厚9μmの層を形成した。その酸化チタン微粒子の層にプレス機で0.1t/cmの圧力を加えた。プレス後、500℃で30分間焼成した。
次に、色素増感剤として有機色素(三菱製紙社製、商品名:D358)を、濃度が3.0×10−4mol/lとなるようにアセトニトリル及びtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させて色素担持用塗工液を調製した。この塗工液に対し、上述の第2電極基材用基板上に形成した酸化チタン微粒子の層を3時間浸漬させた。その後、色素担持用塗工液から引き上げ、酸化チタン微粒子に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、酸化チタン微粒子の細孔表面に増感色素を担持させて多孔質層を形成した。
<固体電解質層形成用塗工液の調製>
カチオン性ヒドロキシセルロース(ダイセル化学社製、商品名:ジェルナーQH200)0.14gをエタノール2.72gに溶解させた溶液に、ヨウ化カリウムを0.043g加え、攪拌して溶解させた。次いで、その溶液に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIm−B(CN)4)0.18g、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(PMIm−I)0.5g、及びIを0.025g加えて、撹拌して溶解させた。これにより、コーティング可能な固体電解質層形成用塗工液を調製した。
<固体電解質層の形成>
上述の多孔質層(10cm幅)上に、固体電解質層形成用塗工液をドクターブレード法により塗布し、100℃で乾燥して固体電解質層を形成した。
<第2電極基材用基板の切断>
電解質層付き基板を図7(e)に示すように、短冊状であり、かつ第2電極層22の短冊の短辺の端部を含む接続部分bを有するように切断した。なお、短冊の幅(図8(b)においてjで示される幅)は10mmとした。
これにより、第2電極基材(導電基材)を得た。
なお、図8(b)は、実施例1において形成される1つの第2電極基材の形状を説明する図である。
<色素増感太陽電池素子モジュールの作製>
図8(c)に示すように、短冊上に切り出した第2電極基材20のうち、接続部分bに導電性接着剤を形成した後、導電性接着剤が隣接する第1電極層の接続部分aと接続し、かつ、図8(c)において、太線で示される領域sが端領域となるように、第1電極基材10と、第2電極基材20の貼り合わせを行い、色素増感型太陽電池素子モジュール100を作製した。
なお、図8(c)は、実施例1において作製される色素増感型太陽電池素子モジュールの例を示す概略平面図である。
<封止>
作製した色素増感型太陽電池素子モジュールを充填材で挟み、150℃でラミネートすることにより、封止した。
<電池性能の評価>
作製した色素増感型太陽電池モジュールについて、擬似太陽光(AM1.5、入射光強度100mW/cm)を光源として、対向電極側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)を用いて電圧印加による電流電圧特性を測定した。その結果、短絡電流23(mA)、開放電圧6.1(V)、曲線因子0.24、最大出力32mWの特性を示し、蛍光灯(500lux)を光源とした場合、短絡電流0.25(mA)、開放電圧4.7(V)、曲線因子0.70、最大出力0.8mWの特性を得た。
また、得られた色素増感型太陽電池モジュールを10回屈曲したところ、各々の色素増感型太陽電池素子に内部短絡は生じなかった。
1 … 色素増感型太陽電池素子
3 … 多孔質層
4 … 固体電解質層
5 … 触媒層
10 … 第1電極基材
11 … 第1基材
12 … 第1電極層
20 … 第2電極基材
20’ … 第2電極基材用基板
100 … 色素増感型太陽電池素子モジュール

Claims (4)

  1. 1枚の第1基材および前記第1基材上にストライプ状に形成された複数の第1電極層を有する第1電極基材、
    少なくとも第2電極層を有する複数の第2電極基材、
    前記第1電極基材の前記第1電極層または前記第2電極基材の前記第2電極層のうち、いずれか一方の電極層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層、並びに、
    前記第1電極基材の前記第1電極層または前記第2電極基材の前記第2電極層のうち、前記多孔質層が形成されていない方の電極層および前記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有する複数の固体電解質層を有し、
    前記第1電極層、前記第2電極層、前記多孔質層、および前記固体電解質層を有する色素増感型太陽電池素子が複数連結されて構成され、
    1つの前記色素増感型太陽電池素子の前記第1電極層および前記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の前記色素増感型太陽電池素子の前記第2電極層が電気的に接続されている色素増感型太陽電池素子モジュールであって、
    前記色素増感型太陽電池素子が、前記第1電極基材の前記第1電極層の2本の長辺の端部の外側に、前記第1基材、前記固体電解質層および前記第2電極層を備える端領域を有し、
    前記第2電極基材が金属層のみで形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池素子モジュール。
  2. 1枚の第1基材および前記第1基材上にストライプ状に形成された複数の第1電極層を有する第1電極基材、
    少なくとも第2電極層を有する複数の第2電極基材、
    前記第1電極基材の前記第1電極層または前記第2電極基材の前記第2電極層のうち、いずれか一方の電極層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する複数の多孔質層、並びに、
    前記第1電極基材の前記第1電極層または前記第2電極基材の前記第2電極層のうち、前記多孔質層が形成されていない方の電極層および前記多孔質層の間に形成され、酸化還元対を含有する複数の固体電解質層を有し、
    前記第1電極層、前記第2電極層、前記多孔質層、および前記固体電解質層を有する色素増感型太陽電池素子が複数連結されて構成され、
    1つの前記色素増感型太陽電池素子の前記第1電極層および前記1つの色素増感型太陽電池素子に隣接する他の前記色素増感型太陽電池素子の前記第2電極層が電気的に接続されている色素増感型太陽電池素子モジュールであって、
    前記色素増感型太陽電池素子が、前記第1電極基材の前記第1電極層の2本の長辺の端部の外側に、前記第1基材、前記固体電解質層および前記第2電極層を備える端領域を有し、
    前記第2電極基材が、第2基材と前記第2電極層とを有し、前記第2基材の一方の表面全面に前記第2電極層が形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池素子モジュール。
  3. 前記端領域では、前記第2電極層の端部に前記固体電解質層が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色素増感型太陽電池素子モジュール。
  4. 前記固体電解質層の幅が、前記第1電極層の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の色素増感型太陽電池素子モジュール。
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