JP5266935B2 - 偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤及びそれを用いて得られた偏光板 - Google Patents

偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤及びそれを用いて得られた偏光板 Download PDF

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本発明は、液晶ディスプレイ等に使用される偏光板の製造に使用可能なカチオン重合性接着剤に関する。
液晶ディスプレイ等に使用される偏光板としては、一般的に、ヨウ素等の二色性材料が含浸したポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子に、トリアセチルセルロースや熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂等からなる透明な保護フィルムを積層したものが知られている。前記偏光子と前記保護フィルムとの接着に使用する接着剤には、液晶ディスプレイのバックライト等に起因した光や熱の影響によらず、偏光子及び保護フィルムに対して優れた常態接着強度を長期間維持できるものが産業界から求められている。
一方、接着剤としては、近年、大気中の酸素に起因した硬化阻害を引き起こしにくく、かつ紫外線等のエネルギー供給を停止した後においても硬化反応が進行可能なカチオン重合性接着剤が注目されており、前記偏光子と保護フィルムとの接着用途への適用も検討され始めている。
例えば、前記偏光子と保護フィルムとの接着に使用する接着剤として、芳香環を含まないエポキシ樹脂を主成分とする組成物からなる接着剤が知られており、具体的には、水素化エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂や脂肪族エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤とを含む接着剤が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、前記接着剤は、詳細は定かではないが、偏光子自体の退色や変色を引き起こす場合があった。また、前記接着剤は、バックライトに起因した光や熱の影響によって経時的に接着力が低下し、偏光子と保護フィルムとの剥離を引き起こす場合があった。
このように、より一層鮮明な映像を表示可能な液晶ディスプレイの開発競争に伴い、それを構成する光学部品にも非常に高いレベルの諸特性が求められるなかで、偏光子と保護フィルムとの接着用途に使用可能な諸特性を備えたカチオン重合性接着剤は、未だ見出されていないのが実情であった。
特開2004−245925号公報
本発明が解決しようとする課題は、偏光子の退色や変色を引き起こすことがなく、また熱等の影響によらず、優れた常態接着強度を長期間維持可能なカチオン重合性接着剤、及び該接着剤を用いて偏光子と保護フィルムとが接着された偏光板を提供することである。
本発明者等は、はじめに、前記課題のうち偏光子の退色や変色の防止を図るべく検討を行った。具体的には、前記退色等は、接着剤に使用するエポキシ樹脂の製造原料であるエピクロルヒドリン由来の残存塩素や、接着剤の添加剤としての無機系塩化物等に起因して引き起こされるのではないかと考え、該残存塩素量の低減されたエポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤とを含む接着剤の使用を試みた。その結果、前記接着剤であれば、偏光子の退色等をある程度改善することができたものの、次世代製品に適用可能なより高いレベルには、あと一歩及ぶものではなかった。また、その常態接着強度も、光や熱の影響によって著しく低下し、依然として改善傾向は見られなかった。
一方で、本発明者等は、もうひとつの課題である長期にわたる優れた常態接着強度の維持を実現すべく検討を行った。具体的には、良好な接着強度を付与可能な成分として知られているアミノシランやビニルシラン、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物等のシランカップリング剤をカチオン重合性接着剤に併用することを検討した。その結果、前記シランカップリング剤を使用することによって、優れた常態接着強度を付与することが可能となったものの、光や熱の影響による常態接着強度の経時的な低下を防止することができない場合があった。
更に本発明者等は、前記偏光子の退色等の防止と、長期にわたる優れた常態接着強度の維持とを両立したカチオン重合性接着剤を見出すべく検討をすすめるなかで、特定のシランカップリング剤として加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物を使用し、かつカチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1500ppm以下である接着剤である場合に限り、上記課題の双方を解決できることを見出した。
このように、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物を使用すること、及び該カチオン重合性接着剤中に残存する塩素の量を1500ppm以下に調整することの両方を満たすカチオン重合性接着剤を使用した場合に限り、偏光子と保護フィルムとの接着という特定の用途で問題となる上記課題の全てを解決できることは、当業者であっても容易に想到できるものではなく、本願発明は画期的な発明であるといえる。
即ち、本発明は、グリシジルエーテル基含有化合物(A)、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)ならびに光カチオン重合開始剤(C)を含有してなるカチオン重合性接着剤であって、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)が、3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)及び2個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a2)を含むものであり、前記カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1500ppm以下である、偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤、及びそれを用いた偏光板に関する。
本発明のカチオン重合性接着剤は、偏光子の退色や変色を引き起こさず、かつ熱等の影響によらず優れた常態接着強度を長期間維持可能であることから、もっぱら偏光子と保護フィルムとの接着に、好適に使用することが可能である。
本発明のカチオン重合性接着剤は、グリシジルエーテル基含有化合物(A)、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)、光カチオン重合開始剤(C)及び必要に応じてその他の添加剤を含有してなるカチオン重合性接着剤であって、該接着剤の全量中に含まれる塩素含有量が1500ppm以下であり、もっぱら偏光子と保護フィルムとの接着に使用することが可能なものである。
本発明で使用するカチオン重合性接着剤は、該カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量を1500ppm以下とすることが、本発明の課題の全てを解決するうえで必須の要件となる。
ここで、本発明でいう塩素とは、後述するグリシジルエーテル基含有化合物(A)の製造に使用するエピクロルヒドリン等の原料に起因した塩素や塩化物、及び、本発明の接着剤に併用されうる各種添加剤に起因した、例えば塩化ナトリウム等の無機系塩化物を指す。上記した本発明でいう塩素を比較的多く含むカチオン重合性接着剤は、偏光子を染色するヨウ素等の退色等を引き起こし、偏光子の退色や変色を引き起こす場合がある。
それに対して、本発明のように、カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量を1500ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500〜0ppmとすることによって、偏光子等の退色等と長期にわたる常態接着強度とを両立することが可能となる。なお、本発明で言う塩素の量は、JISK1200−3−2に基づいて測定することができる。
はじめに、本発明で使用するグリシジルエーテル基含有化合物(A)について説明する。
前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)は、後述する光カチオン重合開始剤(C)によって開環し架橋構造を形成しうるグリシジルエーテル基を有する。前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)としては、例えばトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル等の3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)や、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルナフタレン等の2個のグリシジルエーテル基を有するグリシジル化合物を使用することができる。
前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)としては、そのグリシジルエーテル基を2個以上有するものを使用することが、良好な常態接着強度を付与するうえで好ましく、2〜6個のものを使用することがより好ましい。
なかでも、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)としては、前記3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)や、前記2個のグリシジルエーテル基を有するグリシジル化合物のうち2個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a2)を使用することが、優れた常態接着強度を付与するうえでより好ましく、前記脂肪族グリシジル化合物(a1)及び脂肪族グリシジル化合物(a2)を併用することが一層優れた常態接着強度を付与するうえで特に好ましい。
前記脂肪族グリシジル化合物(a1)と脂肪族グリシジル化合物(a2)とを併用する場合の使用割合[(a1)/(a2)]は、9/1〜1/9であることが好ましい。
また、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)は、エピクロルヒドリンから製造することができるが、得られたグリシジルエーテル基含有化合物中には、前記エピクロルヒドリン等に起因した、本発明でいう塩素の一部が残存していることがある。また、一般に市販されているグリシジルエーテル基含有化合物も、通常、数%〜10数%程度の塩素が残留していることが多い。
したがって、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)を製造する際には、精留等により、塩素を除去する等の処置を施すことが好ましい。前記精留は、例えば50〜200℃程度の温度で1〜200時間程度行うことが好ましい。
前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)は、本発明のカチオン重合性接着剤の全量中、90.0〜98.5質量%含まれることが好ましい。
次に、本発明で使用する加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)について説明する。
前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)は、本発明のカチオン重合性接着剤に優れた常態接着強度を付与すると共に、偏光子の退色等を防止するうえで必須成分である。特に偏光子の退色等を防止するためには、前記化合物(B)を使用することが必須である。例えば前記化合物(B)の代わりに3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランや、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン等を使用しても、本発明の効果を奏することはできない。また、該化合物(B)を使用した場合であっても、カチオン重合性接着剤の全量中の残留塩素量が1500ppm以下でなければ、やはり偏光子の退色等を十分に防止することはできない。
ここで、前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等を使用することが好ましく、なかでも3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランからなる群より選ばれる1種以上を使用することが、優れた常態接着強度を付与すると共に、偏光子の退色等を防止するうえで好ましい。
前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)は、本発明のカチオン重合性接着剤の全量に対して、0.1〜1.5質量%の範囲で使用することが、優れた常態接着強度を付与すると共に、偏光子の退色等を防止するうえで好ましい。
次に、本発明で使用する光カチオン重合開始剤(C)について説明する。
本発明で使用する光カチオン重合開始剤(C)は、例えば紫外線等のエネルギー線の照射によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する化合物を指す。
前記光カチオン重合開始剤(C)としては、例えば、カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、チアンスレニウム、チオキサントニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分が、BF-、PF-、SbF-、[BX-(但し、Xは少なくとも2つ以上のフッ素またはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成されるオニウム塩を単独で使用または2種以上を併用することができる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記チオキサントニウム塩としては、S−ビフェニル 2−イソプロピル チオキサントニウム ヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。
また、前記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
前記光カチオン重合開始剤(C)としては、例えば、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K(以上、サンアプロ(株)製)、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6990、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172、アデカオプトマーSP−300(以上、(株)ADEKA製)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社製)、オムニキャット550(アイジーエム レジン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ロードシル フォトイニシエーター2074(RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア・ジャパン(株)製)等が市販されている。
前記光カチオン重合開始剤(C)の使用量は特に限定される訳ではないが、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)及び前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)の全量に対して、好ましくは1〜10質量%の範囲であることが望ましい。特に、偏光子の退色等の発生を一層防止するためには、前記光カチオン重合開始剤(C)の使用量はできるだけ少ないことが好ましい。
また、本発明のカチオン重合性接着剤には、前記したグリシジルエーテル基含有化合物(A)、前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)及び前記光カチオン重合開始剤(C)の他に、必要に応じてオキセタン、オキソラン、ビニルエーテル等のカチオン重合性化合物を併用しても良い。なかでも、オキセタン、オキソランを併用することが、偏光子の退色や変色の防止になるため好ましい。
本発明のカチオン重合性接着剤は、例えば以下の方法で製造することができる。
本発明のカチオン重合性接着剤は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて、予め製造したグリシジルエーテル基含有化合物(A)と前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)及び光カチオン重合開始剤(C)を混合、攪拌することによって製造することができる。前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)として、3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)と前記2個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a2)とを組み合わせ使用する場合には、予めそれらが混合したものを使用しても、それぞれ別々に製造したものを使用しても良い。
前記方法で得られたカチオン重合性接着剤は、形成する接着層の厚みをできる限り薄くする観点から、100mPa・s以下の粘度であることが好ましい。この粘度は、主にオキセタン化合物や脂環エポキシ化合物等の希釈剤の使用、あるいは、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)として液状のものを使用すること等によって調整することができる。
本発明のカチオン重合性接着剤は、必要に応じて各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
前記添加剤としては、例えばチキソ付与剤、増感剤、前記した各種ポリオール及びそれ以外のその他のポリオール、レベリング剤、酸化防止剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、有機溶剤、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、不活性気体、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤、有機及び無機水溶性化合物等を併用することができる。
前記チキソ付与剤としては、例えば、表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ、ベントナイト、ゼオライト等を使用することができる。
前記した各種添加剤を使用する場合、前記添加剤は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)と、前記化合物(B)と、光カチオン重合開始剤(C)とを混合、攪拌する際に、併せて混合することができる。
本発明のカチオン重合性接着剤は、紫外線等のエネルギー線の照射によって硬化を進行させることができる。
前記紫外線等のエネルギー線の照射は、好ましくは50〜5000mJ/cm、より好ましくは100〜3000mJ/cm、特に好ましくは300〜1500mJ/cmの範囲であることがよい。
紫外線の発生源としては、例えばキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等の公知のランプを使用することができる。尚、紫外線照射量は、UVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準とした。
また、必要に応じて、前記エネルギー線の照射後に、40〜80℃程度で加熱することによって、硬化を更に促進させてもよい。
次に、本発明の偏光板について説明する。
本発明の偏光板は、保護フィルムと偏光子とが、前記カチオン重合性接着剤からなる接着層を介して接着されてなるものである。
前記偏光板の製造に使用可能な保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性等を向上させる観点から、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂やシクロオレフィン構造を有する樹脂、ノルボルネン樹脂等からなるフィルムまたはシート状のものを使用することができ、なかでもトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂を使用することが好ましい。
前記セルロース樹脂としては、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートフタレート及び硝酸セルロース等を使用することができ、これらを単独で使用又は2種以上を併用することが可能であり、なかでもセルロースアセテートを使用することが、機械的物性及び透明性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
また、前記の偏光子としては、特に制限されず各種のものを使用できるが、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物等の親水性高分子化合物からなるプラスチック基材に、ヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等を使用することができる。なかでも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質を吸着させたフィルムを使用することが好ましい。
本発明の偏光板を製造する際に使用する前記保護フィルムの厚みは、その使用される用途によって異なるが、概ね20μm〜100μmの範囲であることが好ましい。また、前記偏光子の厚みは、通常、概ね5μm〜50μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の偏光板は、前記保護フィルム上に前記カチオン重合性接着剤を塗布し、次いで、該塗布面に前記した量の紫外線を照射した後、該塗布面に偏光子を載置し接着することによって製造することができる。この際、前記カチオン重合性接着剤からなる接着層の厚みは、光学特性が損なわれる等の理由によりできるだけ薄い方が好ましく、具体的には1μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
以上の方法によって得られた本発明の偏光板は、例えば携帯電話等の移動通信端末や液晶テレビ、パソコン、携帯ゲーム機等のディスプレイを構成する部材に使用することができる。
以下、本発明を実施例、及び比較例により、一層具体的に説明する。
カチオン重合性接着剤の影響による偏光子の退色及び変色の程度は、偏光板を温度65℃及び湿度90%の条件下に1500時間放置した前後の、偏光板の透過率の変化率に基づいて評価した。
[透過率の変化による偏光子の退色等の評価]
偏光板の透過率は、可視分光光度計(日本分光株式会社製のJASCO V−570、測定波長200〜900nm、走査速度400nm/min)を用いて測定した。前記放置後の偏光板の透過率(%)が、前記放置前の偏光板の透過率(%)に対して±5%以上変化したものを「×」と評価し、前記放置後の偏光板の透過率の変化が±5%未満であるものを「○」と評価した。
[常態接着強度の評価方法]
実施例及び比較例で得た偏光板を、85℃に設定した乾燥機中に1500時間放置した後、引張試験機((株)今田製作所製、引張速度=50mm/分 T型剥離)を用いて、各偏光板を構成するトリアセチルセルロースとポリビニルアルコールとの界面の剥離強度を測定した。前記剥離強度が10N/25mm以上またはトリアセチルセルロースフィルムの破断(MB)を引き起こしたものを「良好」、10N/25mm未満のものを「不良」と評価した。
[全塩素含量の測定方法]
前記カチオン重合性接着剤中に含まれる塩素含有量は、JIS K 1200−3−2に基づいて測定した。具体的には、本発明でいう塩素の量が、塩化ナトリウムとして0.05%以上である接着剤については、ホルハルト改良法により求めた値をその接着剤の塩素含有量とし、0.05%未満である接着剤については、イオンクロマトグラグ分析法により求めた値をその接着剤の塩素含有量とした。
JISK1200−3−2に準じて求めた塩素含有量が6.5%であるシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルを、1.3kPa及び185℃の条件で蒸留し、次いで、0.02MPa及び70℃の条件で精留を逐次行うことで、塩素含有量が100ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−1)、塩素含有量が400ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−2)、塩素含有量が800ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−3)、塩素含有量が1000ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−4)、塩素含有量が1600ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−5)、塩素含有量が2200ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−6)、塩素含有量が3200ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−7)を得た。
JISK1200−3−2に準じて求めた塩素含有量が7.5%であるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルとトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルとの混合物(質量比は約8:2)を、1.3kPa及び185℃の条件で蒸留し、次いで、0.02MPa及び70℃の条件で精留を行うことで、塩素含有量が1200ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−8)を得た。
JISK1200−3−2に準じて求めた塩素含有量が3.5%であるビスフェノールF型ジグリシジルエーテルの異性体混合物を、1.3kPa及び185℃の条件で蒸留し、次いで、0.02MPa及び70℃の条件で精留を行うことで、塩素含有量が900ppmのグリシジルエーテル基含有化合物(A−9)を得た。
[実施例1]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)80.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−8)20.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、及び光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(1)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(1)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、300ppmであった。
次いで、コロナ処理をした2枚のトリアセチルセルロースフィルム(厚み93μm、縦297cm、横210cm)の片表面に、アプリケーターを用いて前記カチオン重合性接着剤(1)を約3μmの厚みになるようそれぞれ塗布し、該塗布面にコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT−40(日本電池株式会社製の高圧水銀ランプ、強度120W/cm)を用い、450〜550mJ/cmの紫外線を照射した。
次いで、ヨウ素を含浸させたポリビニルアルコールフィルム(厚み42μm、縦297cm、横210cmの両面に、前記2枚のトリアセチルセルロースフィルムをそれぞれ貼り合わせ、ゴムローラーを用いて加圧しそれらを接着した後、60℃の乾燥機中で1分間加熱することにより偏光板(1)を作製した。
[実施例2]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−2)70.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−8)30.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、及び光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(2)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(2)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、600ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(2)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(2)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、及び光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(3)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(3)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、200ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(3)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(3)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBM−303(信越化学工業株式会社製の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(4)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(4)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、200ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(4)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(4)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−2)70.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)30.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(5)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(5)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、400ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(5)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(5)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−3)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤を調製した。得られたカチオン重合性接着剤の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、700ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(6)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(6)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−4)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(7)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(7)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、1000ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(7)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(7)を作製した。
参考
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−5)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロ ホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(8)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(8)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、1400ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(8)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(8)を作製した。
Figure 0005266935
Figure 0005266935
[比較例1]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−7)80.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−8)20.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(1’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(1’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、2800ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(1’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(1’)を作製した。
[比較例2]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−7)70.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−8)30.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(2’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(2’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、2900ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(2’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(2’)を作製した。
[比較例3]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−6)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−403(信越化学工業株式会社製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(3’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(3’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、1900ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(3’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(3’)を作製した。
[比較例4]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−903(信越化学工業株式会社製の3−アミノプロピルプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(4’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(4’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、200ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(4’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(4’)を作製した。
[比較例5]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−6)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBE−903(信越化学工業株式会社製の3−アミノプロピルプロピルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(5’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(5’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、1900ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(5’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(5’)を作製した。
[比較例6]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、記化合物(B)としてKBE−1003(信越化学工業株式会社製のビニルトリエトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(6’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(6’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、200ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(6’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(6’)を作製した。
[比較例7]
密閉型プラネタリーミキサー中で、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−1)90.0質量部及び前記グリシジルエーテル基含有化合物(A−9)10.0質量部、前記化合物(B)としてKBM−803(信越化学工業株式会社製の3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.5質量部、光カチオン重合開始剤(C)としてCPI−100P(サンアプロ株式会社製のジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロフホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液)5質量部を混合、攪拌することによって、カチオン重合性接着剤(7’)を調製した。得られたカチオン重合性接着剤(7’)の全量中に含まれる塩素含有量を、後述する方法に従って求めたところ、200ppmであった。
前記カチオン重合性接着剤(1)の代わりに前記カチオン重合性接着剤(7’)を使用すること以外は、実施例1記載と同様の方法で、偏光板(7’)を作製した。
Figure 0005266935
Figure 0005266935

Claims (8)

  1. グリシジルエーテル基含有化合物(A)、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)ならびに光カチオン重合開始剤(C)を含有してなるカチオン重合性接着剤であって、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)が、3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)及び2個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a2)を含むものであり、前記カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1500ppm以下である、偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤。
  2. 前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)が、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)と前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)と前記光カチオン重合開始剤(C)との全量に対して0.1〜1.5質量%含まれる、請求項1に記載の偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤。
  3. 前記加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)が3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及び2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1記載の偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤。
  4. 前記カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1000ppm以下である、請求項1記載の偏光子と保護フィルムとの接着用カチオン重合性接着剤。
  5. トリアセチルセルロースからなる保護フィルムまたはシクロオレフィンからなる保護フィルムと偏光子とがカチオン重合性接着剤を介して接着されてなる偏光板であって、前記カチオン重合性接着剤がグリシジルエーテル基含有化合物(A)、加水分解性シリル基及びエポキシ基含有化合物(B)ならびに光カチオン重合開始剤(C)を含有してなり、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)が、3個のグリシジルエーテル基を有する脂肪族グリシジル化合物(a1)及び2個のグリシジルエーテル基 を有する脂肪族グリシジル化合物(a2)を含むものであり、前記カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1500ppm以下である偏光板。
  6. 前記加水分解性シリル基及びグリシジル基含有化合物(B)が、前記グリシジルエーテル基含有化合物(A)と前記加水分解性シリル基及びグリシジル基含有化合物(B)と前記光カチオン重合開始剤(C)との全量に対して0.1〜1.5質量%含まれる、請求項に記載の偏光板。
  7. 前記加水分解性シリル基及びグリシジル基含有化合物(B)が3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及び2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群より選ばれる1種以上である、 請求項記載の偏光板。
  8. 前記カチオン重合性接着剤の全量中に残存する塩素の量が1000ppm以下である、請求項記載の偏光板。
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