JP5266630B2 - 磁気メモリ - Google Patents

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Description

本発明は磁気メモリに関する。
不揮発性メモリとしてMRAM(Magnetic Random Access Memory)が注目されている。MRAMは、フリー層(感磁層)の磁化の向きを固定層の磁化の向きに対して制御することで情報を記憶し、このフリー層を透過する電子量(磁気抵抗)を測定することで、記憶された情報を読み出す。フリー層と固定層との磁化の向きの違いにより、メモリ素子を通過する電子量、すなわち磁気抵抗が変化するため、双方の磁化の向きが平行であって低抵抗の場合を例えば「0」とし、双方の磁化の向きが反平行であって高抵抗の場合を例えば「1」とする。
各メモリ素子への情報の書き込みにおいては、メモリ素子近傍に電線を配置し、これに電流を流すことによって生じる誘導磁界によって、フリー層の磁化の向きを変化させることが行われている。なお、最近、磁界アシストを行いながらフリー層へスピンを注入することで情報の書き込みを行うものも、知られるようになった(例えば、非特許文献1参照)。
ところで、MRAMにおいても、各メモリ素子の微細化による高集積化が検討されている。半導体技術の「スケーリング則」によれば、ある素子を三次元的に縮小し、同時に不純物濃度と電源電圧も同じ割合で変化させていけば、高集積化、省電力化が達成できると言われている。
上述の半導体技術の技術常識は、磁気メモリにおいてもある程度は当てはまると考えられている。すなわち、非常に大きな磁性体の磁化の向きを変えるには大きな外部磁界(書き込み電流)が必要であろうし、小さな磁性体の磁化の向きを変えるには相対的には小さな外部磁界で十分であることは自明の理である。換言すれば、素子寸法を小さくしていけば、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流は小さくなるはずである。
W.C. Jeong、J.H. Park、 J.H. Oh、 G.T. Jeong、 H.S. Jeong、 Kinam Kim, 「Highly scalable MRAM using filed assisted current induced switching」、 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers、頁184−185(2005)
しかしながら、素子サイズがある値以下になると、スケーリング則が当てはまらない現象が観察された。すなわち、素子サイズが0.7μm以下の場合、素子サイズの減少に伴って、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流が増加してしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、素子サイズが0.7μm以下の場合においても、書き込み電流を減少可能な磁気メモリを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る磁気メモリは、磁気抵抗効果素子を有する記憶領域を複数配置してなる磁気メモリにおいて、個々の磁気抵抗効果素子は、磁化容易軸方向の素子サイズが0.7μm以下であって、且つ、強磁性体からなるフリー層と、強磁性体からなる固定層と、フリー層と固定層との間に介在する中間非磁性層と、を有しており、個々の記憶領域は、個々の磁気抵抗効果素子の固定層及びフリー層の一方に電気的に接続された読み出し/書き込み制御兼用のトランジスタ(スイッチ手段と、個々の磁気抵抗効果素子の固定層及びフリー層の他方に電気的に接続された配線と、配線を囲みフリー層に磁界を与える磁気ヨークと、を有しており、個々の記憶領域内のトランジスタの数は1つであることを特徴とする
この構造においては、素子サイズが0.7μm以下の場合においても、素子サイズの減少に伴って、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流を減少させることができる。微弱な書き込み電流でも動作するため、大面積のトランジスタを読み出し用のトランジスタとは別に設ける必要がなく、したがって、読み出し/書き込み制御兼用のスイッチ手段(トランジスタ)を各記憶領域に1つのみ採用すればよくなり、したがって、高集積化を達成することができる。スイッチ手段としては、トランジスタの他、機械的或いは光学的な入力に応じて導通を制御するスイッチを用いることも可能である。
なお、MRAMにおいては、磁気抵抗効果素子におけるMR比が高い方が出力電圧の分解能の観点から好ましいとされている。MR比は素子抵抗の増加に伴って上昇するが、中間非磁性層が絶縁体からなる場合、素子抵抗の増加に伴って絶縁耐圧が低下してしまう。すなわち、素子に流すことが可能な許容電流は小さくする必要がある。書き込み電流はマージンをとって許容電流よりも小さく設定しなくてはならない。このように、MR比を高くするためには、書き込み電流は小さくなくてはならない。例えば、素子抵抗が3000Ωの場合、絶縁破壊を防止するため、書き込み電流は0.4mA以下が要求されるが、磁気ヨークを用いない場合、書き込み電流は10mAよりも大きくなり、中間非磁性層の絶縁破壊が生じてしまう。
本発明の磁気メモリは、個々の磁気抵抗効果素子の中間非磁性層が絶縁体からなり、素子サイズL、固定層とフリー層の磁化の向きが平行の場合の磁気抵抗効果素子の抵抗値R、以下の関係式を満たすことを特徴とする。
L≦−0.3×ln(R)+3
この場合、中間非磁性層の絶縁破壊を起こすことなくMR比を向上させることができる。
また、上記配線は、固定層及びフリー層の他方に一端が接続され、一方向に沿って延びた第1配線と、磁気ヨークの内側において第1配線に対して平行に延び、一端が基準電位に接続された第2配線と、磁気ヨークの外側を迂回して第1配線の他端と第2配線の他端とを電気的に接続する接続配線とを備えることを特徴とする。
この場合、第1配線及び第2配線が共に磁気ヨークの内側を通るので、有効に磁界を磁気抵抗効果素子に与えることができる。また、第1配線、接続配線及び第2配線は、連続しているので、この配線に通電するだけで磁気ヨークを介して磁気抵抗効果素子に磁界を与えると共に、磁気抵抗効果素子に通電を行うこともできる。
また、第1配線、接続配線及び第2配線は、磁気抵抗効果素子の厚み方向に平行な直線を軸として、螺旋状に連続していることを特徴とする。
すなわち、これらの配線は螺旋状に連続しているので、第1配線及び第2配線は同一平面内には存在せず、磁気抵抗効果素子の厚み方向に離隔している。第2配線は、磁気抵抗効果素子から離隔しており、その周囲に発生した磁界の向きが固定層の磁化の向きに対して比較的平行となる。第1配線は磁気抵抗効果素子に接触しており、読み出し電流を流すことができる。
上記配線は、第2配線の一端に連続し、基準電位を与える基準配線に接続された延長配線を更に備え、螺旋状に連続して延びた前記第1配線、前記接続配線及び前記第2配線の回転方向は、前記第2配線及び前記延長配線の回転方向に対して逆方向であることが好ましい。
第1配線、接続配線及び第2配線は、螺旋状に連続しているので、配線への通電によって、螺旋の中心軸に対して平行に磁界が発生し、磁気ヨークに磁界の影響を与える。これらの螺旋配線の回転方向は、第2配線及び延長配線の回転方向とは逆である。第2配線及び延長配線の回転中心軸に沿って磁界が発生するが、この磁界の向きは、上記螺旋配線によって軸方向に沿って発生する磁界の向きとは逆であり、いずれの磁界も第2配線の周囲に発生する磁界をアシストしている。
また、磁気ヨーク内に1本のみの配線を備えることとしてもよい。すなわち、この配線は、固定層及びフリー層の他方に一端が電気的に接続され、一方向に沿って延び、他端が基準電位に接続された第1配線を備える。第1配線は、磁気抵抗効果素子における上記他方に通電を行うと共に、その電流進行方向の周囲を囲むように外部磁界を発生し、この磁界が磁気ヨークを介して磁気抵抗効果素子のフリー層に与えられる。通電する電流を大きくすれば、外部磁界によってフリー層内の磁化の向きが変化し、小さい場合には、フリー層内の磁化の向きは変化しないが、通電した電流は読み出し電流として磁気抵抗効果素子を流れる。
また、1本のみの配線を備える場合、この配線は、第1配線の一端に連続し、基準電位を与える基準配線に接続された延長配線と、延長配線と基準配線とを磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する基準貫通配線とを更に備え、第1配線と延長配線とはT字またはL字を構成していることとしてもよい。この場合、T字またはL字を構成する配線の最大離隔距離を短くすることができ、小さな記憶領域内にT字またはL字の配線を収めることができる。
また、1本のみの配線を備える場合、この配線は、第1配線の一端に連続し、基準電位を与える基準配線に接続された延長配線と、延長配線と基準配線とを磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する基準貫通配線とを更に備え、第1配線と延長配線とはU字を構成していることとしてもよい。延長配線からは基準配線に延びる基準貫通配線が延びている。多くの電流を供給するためには、基準貫通配線の電流通過総面積を増加させる必要があり、この場合には、延長配線の面積は大きくする必要がある。T字型などの場合には、延長配線が第1配線に対して直角に延びるが、U字の場合には大部分が平行に延びている。すなわち、延長配線の面積を大きくする場合、延長配線を長くするが、延長配線は第1配線に対して平行に延びている方が、小さなスペース内に第1配線及び延長配線を収めることができ、小さな記憶領域を実現することができる。
また、個々の記憶領域において、トランジスタと、磁気抵抗効果素子とを磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する垂直配線を備え、垂直配線の数は複数であることが好ましい。この場合、垂直配線の数は複数であるため、垂直配線の電流通過総断面積を大きくすることができ、大きな電流を流すことが可能となる。
本発明に係る磁気メモリによれば、各メモリ素子の素子サイズが0.7μm以下の場合においても、書き込み電流を減少させることができる。
以下、実施の形態に係る磁気メモリについて説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
実施の形態に係る磁気メモリは、磁気抵抗効果素子を有する記憶領域を複数配置してなる。磁気抵抗効果素子の周囲には磁気ヨークが配置されメモリ素子を構成している。
図1は、各記憶領域におけるメモリ素子1の断面構造を示す図である。
磁気抵抗効果素子4は、素子サイズが0.7μm以下である。磁気抵抗効果素子4は、フリー層、強磁性体からなる固定層、及びフリー層と固定層との間に介在する中間非磁性層を有している。
個々の記憶領域は、磁気抵抗効果素子4の固定層及びフリー層の一方に電気的に接続された読み出し/書き込み制御兼用のトランジスタ34を備えている。また、個々の記憶領域は、個々の磁気抵抗効果素子4の固定層及びフリー層の一方に電気的に接続された配線11(11a)と、配線11を囲みフリー層に磁界を与える磁気ヨーク12とを有している。なお、個々の記憶領域内のトランジスタ34の数は1つである。磁気抵抗効果素子4の下面側には下部配線13が設けられており、トランジスタ34は下部配線13を介して磁気抵抗効果素子4に接続されている。磁気ヨーク12は、配線11aに沿って延びた凹部を有する山型であって、フリー層44(図2)よりも配線側に位置する本体部12aと、本体部12aの下部配線13側の終端部からx方向に沿って磁気抵抗効果素子4のフリー層44に近づくように延びた近接部12bと備えており、近接部12bとフリー層44とは若干離隔している。
トランジスタ34をONさせると、ビット線B1から下部配線13を介して磁気抵抗効果素子4に電流が流れ、この電流が配線11を通って、基準電位GNDに流れる。ビット線B1の電位が基準電位GNDよりも低い場合、電流は逆方向に流れる。
情報の読み出し時においては、トランジスタ34をONし、このときに磁気抵抗効果素子4に流れる読み出し電流(抵抗)を測定する。情報の書き込み時、ビット線B1の電位を基準電位GNDよりも高くしておき、トランジスタ34をONし、配線11から生じた磁界が磁気ヨーク12内を通ってフリー層44に与えられ、与えられた磁界に一致するようにフリー層44内の磁化の向きが変化して例えば「0」が書き込まれる。ビット線B1の電位を基準電位GNDよりも低くしておき、トランジスタ34をONした場合には、配線11から生じた逆向きの磁界が磁気ヨーク12内を通ってフリー層44に与えられ、与えられた磁界に一致するようにフリー層44内の磁化の向きが変化して例えば「1」が書き込まれる。
また、配線11は、固定層及びフリー層の一方に一端が接続され、一方向に沿って延びた第1配線11aと、磁気ヨーク12の内側において第1配線11aに対して平行に延び、一端が基準電位GNDに接続された第2配線11cと、磁気ヨーク12の外側を迂回して第1配線11aの他端と第2配線11bの他端とを電気的に接続する接続配線11bとを備えている。第1配線11a及び第2配線11cが共に磁気ヨーク12の内側を通っているので、磁気抵抗効果素子4に有効に磁界を与えることができる。
更に、第1配線11a、接続配線11b及び第2配線11cは連続しているので、この配線11に通電するだけで磁気ヨーク12を介して磁気抵抗効果素子4に磁界を与えると共に、磁気抵抗効果素子4に通電を行うこともできる。
また、第1配線11a、接続配線11b及び第2配線11cは、磁気抵抗効果素子4の厚み方向に平行な直線αを軸として、螺旋状に連続している。配線11は螺旋状に連続しているので、第1配線11a及び第2配線11cは同一平面内には存在せず、磁気抵抗効果素子4の厚み方向に沿って離隔している。第2配線11cは、磁気抵抗効果素子4から離隔しており、その周囲に発生した磁界の向きが固定層の磁化の向きに対して比較的平行となり、フリー層に対して比較的有効に磁界を与えることができる。
図2は、磁気抵抗効果素子(TMR素子:Tunnel Magneto−Resistance)4の縦断面図である。
TMR素子4は、配線11を流れる電流によって生じる外部磁界によって磁化方向が変化するフリー層44を含む磁気抵抗効果素子である。具体的には、TMR素子4は、強磁性体の感磁層である第1磁性層(フリー層)44と、磁化方向が固定された第2磁性層(固定層)41,42と、フリー層44及び固定層41,42に挟まれた中間非磁性層(絶縁層)43とを含んで構成される。なお、固定層41,42は、厚み方向に垂直なx軸方向に沿って磁化された強磁性体のピンド層42と、ピンド層42に交換結合する反強磁性層41とから構成されている。なお、ヒンド層42単体を固定層と呼称してもよい。フリー層44の非磁性層43とは反対側の面には、上部電極を構成する第1配線11aが設けられている。なお、反強磁性層41は下部電極を構成する下部配線13上に設けられている。
フリー層44の磁化方向は基本的には、x軸方向に平行であり、フリー層44の磁化方向と固定層41,42の磁化方向との関係に応じて、フリー層44と強磁性層41,42との間の抵抗値が変化する。
磁化の向きが磁化容易軸方向を向いた場合のフリー層44のx方向長さを素子サイズLとする。
各層の材料について説明しておく。
フリー層やピンド層42を構成する強磁性とは、隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列し、全体として大きな磁気モーメントを持つ物質の磁性であり、強磁性体は外部磁場が無い場合においても自発磁化を有する。室温で強磁性を示す物質としては、Fe、Co、Ni及びGdがある。強磁性体としては、Co、Ni−Fe合金、Co−Fe合金を好適に用いることができる。
反強磁性層41を構成する反強磁性体としては、FeMn、IrMn、PtMn、NiMn等を適用することができる。
中間非磁性層43は、固定層と共にスピンの透過選択性を有するスピンフィルタを構成する非磁性層であり、好適には、トンネル効果の生じる厚みのMgO、AlやTiOなどのトンネルバリア層の他、Cuなどの導電層を適用することもできる。
図3は、素子サイズLと書き込み電流(mA)の関係を示すグラフである。
グラフ内において、四角印は磁気ヨークを用いた上述のメモリ素子の特性(A)、ダイヤ印は磁気ヨークを用いないメモリ素子の特性(B)を示している。
特性(A)に示すように、磁気ヨークを用いた上述の構造においては、素子サイズLが0.7μm以下の場合においても、素子サイズLの減少に伴って、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流が減少している。一方、特性(B)に示すように、磁気ヨークを用いない構造においては、素子サイズLが0.7μm以下になると、素子サイズLの減少に伴って、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流が急激に増加している。
本実施形態のメモリ素子は、微弱な書き込み電流でも動作するため、大面積のトランジスタを読み出し用のトランジスタとは別に設ける必要がなく、したがって、読み出し/書き込み制御兼用のトランジスタ34を各記憶領域に1つのみ採用すればよくなり、したがって、高集積化を達成することができる。素子サイズLが0.1μm以下においては、書き込み電流は、3mA以下にすることもできる。これは従来構造の特性(B)における書き込み電流の1/5である。
なお、図3のグラフのデータを図4に示す。
磁気抵抗効果素子4にどのくらいの電流I(mA)を供給できるかについて試験を行った。
図5は、磁気抵抗効果素子4への印加電圧V(mV)と、これを流れる電流I(mA)との関係を示すグラフである。フリー層と固定層の磁化の向きは平行であり、このときの抵抗Rの値は430Ω、MR比は25%、フリー層の面積は0.0091μm、面抵抗は3.9Ω・μmである。中間非磁性層としてはAlを採用した。いずれのSampleの場合も、電圧Vの増加に伴って電流Iが増加するが、700mVを超えたあたりで絶縁破壊を起こして電圧Vが急激に低下している。結果的には2.5mA程度の電流(許容電流)が供給できる上限であることが判明した。
図6は、抵抗R、許容電流Imax、書き込み電流Iw(=Imax×0.6)、読み出し電流Is(=Iw×0.1)、中間非磁性層としてアルミ酸化膜(AlOx)を用いた場合のMR比、中間非磁性層としてマグネシウム酸化膜(MgO)を用いた場合のMR比、上述の磁化の向きが平行時の出力電圧V0(=Is×R)、上述の磁化の向きが反平行時のAlOxの場合の出力電圧VAlOX(=Is×R×MR比)、上述の磁化の向きが反平行時のMgOの場合の出力電圧VMgO(=Is×R×MR比)の関係を示す表である。
MgOを用いた場合のMR比はAlOxを用いた場合のMR比よりも高いことが分かる。また、抵抗Rが高いほどMR比が高くなる。MRAMにおいては、磁気抵抗効果素子におけるMR比が高い方が出力電圧の分解能の観点から好ましい。MR比は素子抵抗Rの増加に伴って上昇するが、中間非磁性層が絶縁体からなる場合、素子抵抗の増加に伴って絶縁耐圧が低下してしまう。すなわち、素子に流すことが可能な許容電流Imaxは小さくする必要がある。書き込み電流Iwはマージンをとって許容電流Imaxよりも小さく設定しなくてはならない。このように、MR比を高くするためには、書き込み電流Iwは小さくなくてはならない。
図7は、抵抗R(Ω)と電流I(mA)との関係の一例を示すグラフである。
抵抗Rの増加に伴って、許容電流Imax、書き込み電流Iw及び読み出し電流Isは低下する。許容電流Imax=−1.0×ln(R)+8.8で与えられる。例えば、素子抵抗が3000Ωの場合、絶縁破壊を防止するため、許容電流Imaxは、0.67mA、書き込み電流はマージンをとって0.4mA以下が要求されるが、磁気ヨークを用いない場合、図3に示したように、書き込み電流は10mAよりも大きくなり、中間非磁性層の絶縁破壊が生じてしまう。
本発明の磁気メモリは、個々の磁気抵抗効果素子4の中間非磁性層43が絶縁体からなり、素子サイズL(μm)、固定層とフリー層の磁化の向きが平行の場合の磁気抵抗効果素子の抵抗値R(Ω)、以下の関係式を満たしている。
L≦−0.3×ln(R)+3
本発明の磁気抵抗効果素子の書き込み電流Iwは、図3の(A)に示したように、素子サイズLが1μm以下の場合、近似的に以下の式で与えられる。
Iw=2.9×L
一方、上述のように書き込み電流Iwの上限値は以下の式で制限される。
Iw=−1.0×ln(R)+8.8
従って、上記2式より磁気抵抗効果素子サイズと抵抗の関係は、L≦−0.34×ln(R)+3.03であり、この式の小数点以下2桁を四捨五入して、以下の式で表される。
L≦−0.3×ln(R)+3
なお、L=−0.3×ln(R)+3の場合のR(Ω)とL(μm)の値は以下の通りである。
Figure 0005266630
この場合、中間非磁性層43の絶縁破壊を起こすことなくMR比を向上させることができる。なお、図8は、中間非磁性層としてAlOxを用いた場合のTMR素子の電圧V(mV)と電流I(mV)の関係の一例を示すグラフである。抵抗Rは3000Ωであり、許容電流Imaxである0.7mAに電流Iが到達するまでは、電圧の増加に伴って電流は増加している。
次に、上述のメモリ素子を複数備えた磁気メモリの構造について説明する。
図9は、磁気メモリの分解斜視図である。同一構造を有する複数の記憶領域P(x,y),P(x+1,y),P(x,y+1),P(x+1,y+1),が二次元状に配置されている。フリー層と同様に軟磁性の強磁性体からなる磁気ヨーク12は、内部に第1配線11a,第2配線11cを収容している。磁気抵抗効果素子4におけるフリー層のx方向長はLであり、y方向長をL2とする。ここで、L>L2であって、フリー層の単磁区化が促進される。
図10は、図9に示した磁気メモリのX−X矢印断面図であり、図11は、図9に示した磁気メモリのXI−XI矢印断面図である。
配線11は、磁気抵抗効果素子4に一端が接続された第1配線11a、磁気ヨーク12の内側において延びた第2配線11c、第1配線11aの他端と第2配線11cの他端とを電気的に接続する接続配線11bに加えて、第2配線11cの一端に連続し、基準電位GNDを与える基準配線14(ビット線B2)に接続された延長配線11dを備えている。
上述の第1配線11a接続配線11b、第2配線11cは螺旋状に延びているが、これらの配線の回転方向は、第2配線11c及び延長配線11dの回転方向に対して逆方向である。回転の向きは配線を一方向に流れる電流を基準とする。第1配線11a、接続配線11b及び第2配線11cは、螺旋状に連続しているので、配線11への通電によって、螺旋の中心軸αに対して平行に磁界が発生し、磁気ヨーク12に磁界の影響を与える。これらの螺旋配線の回転方向は、第2配線11c及び延長配線11dの回転方向とは逆である。第2配線11c及び延長配線11dの回転中心軸βに沿って磁界が発生するが、この磁界の向きは、上記螺旋配線によって軸αの方向に沿って発生する磁界の向きとは逆であり、いずれの磁界も第2配線11cの周囲に発生する磁界Hをアシストしている。
下部電極を構成する下部配線13は、半導体基板S上に形成された絶縁層100を厚み方向に貫通する複数の垂直配線A1を介して、トランジスタ34のソース又はドレイン電極34aに接続されている。垂直配線A1は、半導体基板Sの表面から下部絶縁層100を貫通する配線である。半導体基板Sは例えばSiからなり、ソース領域及びドレイン領域には半導体基板とは異なる導電型の不純物が添加されている。なお、下部絶縁層100はSiO等からなり、下部絶縁層100の半導体基板側はゲート酸化膜100’を構成している。
個々の記憶領域P(x,y)において、トランジスタ34と、磁気抵抗効果素子4とを磁気抵抗効果素子4の厚み方向(z方向)に沿って接続する垂直配線A1の数は複数である。この場合、垂直配線A1の数は複数であるため、垂直配線A1の電流通過総断面積を大きくすることができ、大きな電流を流すことが可能となる。
本例では、垂直配線A1はドレイン電極34aに接続されているとする。トランジスタ34のゲート電極34gは、ワード配線W1に電気的に接続されている。トランジスタ34は、ドレイン電極34a、ソース電極34bと、ゲート電極34gと、ドレイン電極34a,ソース電極34b直下に形成されたドレイン領域34a’,ソース領域34b’からなり、ゲート電極34gの電位に応じてドレイン電極34a,ソース電極34bは接続される。ソース電極34bは、ビット線B1に接続されている。
なお、ビット線B1,B2やワード配線W1は、半導体基板S上に形成された下部絶縁層100内に埋設されており、下部絶縁層100上には上部絶縁層200が形成されている。また、下部絶縁層100内には必要に応じて複数の配線が設けられる。ソース電極34bとビット線B1とは複数の垂直配線A2によって接続されている。また、トランジスタ34は、フィールド酸化膜Fの内側に形成されている。
また、延長配線11dは、下部絶縁層100内に埋設された基準配線14(ビット線B2)に複数の基準貫通配線A3を介して接続されている。基準貫通配線A3は、上部絶縁層200を貫通し、下部絶縁層100内に至り、延長配線11dと基準配線14とを、磁気抵抗効果素子4の厚み方向に沿って接続している。
また、第1配線11aのy方向長をL3、x方向長をL4、第2配線11cのy方向長をL5、x方向長をL6とする。ここで、L5>L3であり、書き込み用の磁界を主に発生する第2配線11cの長さL5が、第1配線11aの長さL3よりも長いので、磁気抵抗効果素子4に対して均一に磁界を与えることができる。特に上部に位置する第2配線11cが第1配線11aよりも磁気ヨーク12の−y方向端面側に位置しており、電流による磁界を効率よく磁気ヨーク12に伝えることができ、書き込み電流を小さくできるという効果がある。また、L4>L6であり、第1配線11aの幅L4が、書き込み用の磁界を主に発生する第2配線11cの幅L6よりも広いので、配線の製造が容易にでき、また配線を薄くすることができるため磁気ヨーク12の高さを小さくすることができて磁界を効率よくかけることができるという効果がある。
図12は図9に示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図である。図13は図12に示した結線関係を簡略化した回路図である。
情報の読み出し時においては、ビット線B1の電位をビット線B2による基準電位GNDよりも高くしておき、トランジスタ34をONし、このときに磁気抵抗効果素子4に流れる読み出し電流(抵抗)を測定する。磁気抵抗効果素子4におけるフリー層と固定層の磁化の向きが平行であって低抵抗の場合を例えば「0」とし、双方の磁化の向きが反平行であって高抵抗の場合を例えば「1」とする。このように、第1配線11aは磁気抵抗効果素子4に接触しており、読み出し電流を流すことができる。
情報の書き込み時、例えば、「0」の書き込み時においては、ビット線B1の電位をビット線B2による基準電位GNDよりも高くしておき、トランジスタ34をONし、第1配線11aを流れる電流によって電流進行方向(y方向)を所定方向に囲むように生じる磁界Hと、第2配線11cを流れる電流によって電流進行方向を所定方向に囲むように生じる磁界Hとが、磁気ヨーク12内を通って、磁気抵抗効果素子4のフリー層44(図2参照)に与えられる。これにより、与えられた磁界に一致するようにフリー層44内の磁化の向きが変化し、「0」が書き込まれる。なお、固定層41,42の磁化の向きは第1配線11aの延びる方向及び磁気抵抗効果素子4の厚み方向の双方に垂直(x方向)であるとする。
情報の書き込み時、例えば、「1」の書き込み時においては、ビット線B1の電位をビット線B2の基準電位GNDよりも低くしておき、トランジスタ34をONし、第1配線11aを流れる電流によって電流進行方向を上記所定方向とは逆方向に囲むように生じる磁界(−H)と、第2配線11cを流れる電流によって電流進行方向を上記所定方向とは逆方向に囲むように生じる磁界(−H)とが、磁気ヨーク12内を通って、磁気抵抗効果素子4のフリー層に与えられる。これにより、与えられた磁界に一致するようにフリー層内の磁化の向きが変化し、「1」が書き込まれる。
図14は、磁気メモリの斜視図である。
この磁気メモリは、半導体基板S上に形成された下部絶縁層100及び上部絶縁層200を備えており、各記憶領域P(x,y)における磁気ヨーク12及び配線11は、上部絶縁層200内に埋設されている。上部絶縁層の材料としては樹脂やSiO等を用いることができる。なお、図10に示したトランジスタ34は、磁気ヨーク12を厚み方向(z方向)に投影した領域内に位置しており、各記憶領域P(x,y)の寸法は非常に小型化されている。
図15は、上述の実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。
磁気抵抗効果素子4のx方向長Lは180nm(0.18μm)であり、y方向長L2は90nmである。各垂直配線A1及び各基準貫通配線A3のx方向長は180nm、y方向長は180nmである。また、L3=600nm、L4=265nm、L5=940nm、L6=130nmである。この素子ではIw=1.0mAに設定することができる。
図16は、図15に示したメモリ素子の変形例に係るメモリ素子の平面図である。
磁気抵抗効果素子4のx方向長Lは300nm(0.3μm)であり、y方向長L2は200nmである。各垂直配線A1及び各基準貫通配線A3のx方向長は180nm、y方向長は180nmであるが、図15示したものと数が異なる。本例では、下部配線13の下面からトランジスタ34に延びた4つの垂直配線A1を備えており、延長配線11dから基準配線14に延びた4つの基準貫通配線A3を備えている。他の構成は上述のものと同一である。また、L3=1360=nm、L4=530nm、L5=1720nm、L6=175nmである。この素子ではIw=2.0mAに設定することができる。
なお、上述の例では、磁気ヨーク12内に2本の配線が存在していたが、磁気ヨーク12内に1本の配線のみを備えることとしてもよい。
図17は、このような場合の各記憶領域におけるメモリ素子1の断面構造を示す図である。図18は、この磁気メモリの分解斜視図である。同一構造を有する複数の記憶領域P(x,y),P(x+1,y),P(x,y+1),P(x+1,y+1),が二次元状に配置されている。
配線11は、固定層及びフリー層の他方に一端が電気的に接続され、一方向に沿って延び、他端が基準電位GNDに接続された第1配線11a(11)のみを磁気ヨーク12の内側に備えている。第1配線11aは、磁気抵抗効果素子4における上記他方に通電を行うと共に、その電流進行方向(y方向)の周囲を囲むように外部磁界を発生し、この磁界が磁気ヨーク12を介して磁気抵抗効果素子4のフリー層44(図2参照)に与えられる。通電する電流を大きくすれば、外部磁界によってフリー層44(図2参照)内の磁化の向きが変化し、小さい場合には、フリー層内の磁化の向きは変化しないが、通電した電流は読み出し電流として磁気抵抗効果素子4を流れる。
また、磁気ヨーク12内に1本のみの配線11を備える場合、この配線11は、第1配線11aの一端に連続し、基準電位GNDを与える基準配線14に接続された延長配線11dと、延長配線11dと基準配線14とを磁気抵抗効果素子4の厚み方向(z方向)に沿って接続する複数の基準貫通配線A3とを更に備え、第1配線11aと延長配線11dとはT字を構成している。なお、垂直配線A1及びA2の数は、各記憶領域P(x,y)内において、それぞれ4本に設定されている。第1配線11aと延長配線11dとはL字型を構成していてもよい。
他の構成は図1及び図9に示したものと同一である。
本例の場合、T字を構成する配線11のxy平面内での最大離隔距離を短くすることができ、小さな記憶領域P(x,y)内にT字の配線11を収めることができる。
図19は、図18に示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図である。図20は図19に示した結線関係を簡略化した回路図である。
情報の読み出し時においては、ビット線B1の電位をビット線B2による基準電位GNDよりも高くしておき、トランジスタ34をONし、このときに磁気抵抗効果素子4に流れる読み出し電流(抵抗)を測定する。磁気抵抗効果素子4におけるフリー層と固定層の磁化の向きが平行であって低抵抗の場合を例えば「0」とし、双方の磁化の向きが反平行であって高抵抗の場合を例えば「1」とする。このように、第1配線11aは磁気抵抗効果素子4に接触しており、読み出し電流を流すことができる。
情報の書き込み時、例えば、「0」の書き込み時においては、ビット線B1の電位をビット線B2による基準電位GNDよりも高くしておき、トランジスタ34をONし、第1配線11aを流れる電流によって電流進行方向(y方向)を所定方向に囲むように生じる磁界Hが、磁気ヨーク12内を通って、磁気抵抗効果素子4のフリー層44(図2参照)に与えられる。これにより、与えられた磁界に一致するようにフリー層44内の磁化の向きが変化し、「0」が書き込まれる。なお、固定層41,42の磁化の向きは第1配線11aの延びる方向及び磁気抵抗効果素子4の厚み方向の双方に垂直(x方向)である。
情報の書き込み時、例えば、「1」の書き込み時においては、ビット線B1の電位をビット線B2の基準電位GNDよりも低くしておき、トランジスタ34をONし、第1配線11aを流れる電流によって電流進行方向を上記所定方向とは逆方向に囲むように生じる磁界(−H)が、磁気ヨーク12内を通って、磁気抵抗効果素子4のフリー層に与えられる。これにより、与えられた磁界に一致するようにフリー層内の磁化の向きが変化し、「1」が書き込まれる。
図21は、この磁気メモリの斜視図である。
この磁気メモリは、半導体基板S上に形成された下部絶縁層100及び上部絶縁層200を備えており、各記憶領域P(x,y)における磁気ヨーク12及び配線11は、上部絶縁層200内に埋設されている。上部絶縁層の材料としては樹脂やSiO等を用いることができる。なお、図18に示したトランジスタ34は、磁気ヨーク12を厚み方向(z方向)に投影した領域内に位置しており、各記憶領域P(x,y)の寸法は非常に小型化されている。
図22は、上述の実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。
磁気抵抗効果素子4のx方向長Lは300nm(0.3μm)であり、y方向長L2は200nmである。各垂直配線A1及び各基準貫通配線A3のx方向長は180nm、y方向長は180nmである。また、L3=1250nm、L4=170nmである。この素子ではIw=2.0mAに設定することができる。
また、図17に示したように、磁気ヨーク12内に1本のみの配線を備える場合、この配線11は、第1配線11aの一端に連続し、基準電位GNDを与える基準配線14に接続された延長配線11dと、延長配線11dと基準配線14とを磁気抵抗効果素子4の厚み方向(z方向)に沿って接続する基準貫通配線A3とを更に備え、第1配線11aと延長配線11dとはU字を構成していることとしてもよい。
図23は、このような場合の磁気メモリの分解斜視図である。同一構造を有する複数の記憶領域P(x,y),P(x+1,y),P(x,y+1),P(x+1,y+1),が二次元状に配置されている。延長配線11dからは基準配線14(ビット線B2)に延びる基準貫通配線A3が複数延びている。多くの電流を供給するためには、基準貫通配線A3の電流通過総面積を増加させる必要があり、この場合には、延長配線11dの面積は大きくする必要がある。T字型の場合には、延長配線11dが第1配線11aに対して直角に延びるが、U字の場合には大部分が平行に延びている。すなわち、延長配線11dの面積を大きくする場合、延長配線11dを長くするが、延長配線11dは第1配線11aに対して平行に延びている方が、小さなスペース内に第1配線11a及び延長配線11dを収めることができ、小さな記憶領域P(x,y)を実現することができる。
図24は、図23示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図であり、この結線関係を簡略化した回路図は図20に示したものと同一である。情報の読み出し方法、情報の書き込み方法は、図19及び図20に示したものと同一である。また、各記憶領域P(x,y)においてビット線B2に接続される基準貫通配線A3の数は2本である。
なお、上述の例においては、x方向に隣接する記憶領域P(x,y)、P(x+1,y)は、共通のビット線B2に接続される。
図25は、この磁気メモリの斜視図である。
この磁気メモリは、半導体基板S上に形成された下部絶縁層100及び上部絶縁層200を備えており、各記憶領域P(x,y)における磁気ヨーク12及び配線11は、上部絶縁層200内に埋設されている。上部絶縁層の材料としては樹脂やSiO等を用いることができる。なお、図23及び図24に示したトランジスタ34は、磁気ヨーク12を厚み方向(z方向)に投影した領域内に位置しており、各記憶領域P(x,y)の寸法は非常に小型化されている。
図26は、上述の実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。
磁気抵抗効果素子4のx方向長Lは180nm(0.18μm)であり、y方向長L2は90nmである。各垂直配線A1及び各基準貫通配線A3のx方向長は180nm、y方向長は180nmである。また、L3=770nm、L4=135nmである。この素子ではIw=1.0mAに設定することができる。
次に、図9に示した上述の磁気センサの製造方法について説明する。なお、他の磁気センサの製造方法も垂直電極や基準貫通電極の数が異なるのみで、以下の方法と同じである。
まず、P型のシリコン基板Sを用意し、この上にスパッタ法やCVD法などでSiO膜101、Si膜102を順次形成する(図27(a))。例えば、SiHとNHを用いてSi膜を成膜することができる。
次に、Si膜102上にホトレジスト103を塗布し、トランジスタ形成予定領域の周囲が開口するようにパターニングを行い、これをマスクとして半導体基板Sの表面が露出するまでドライエッチングを行う(図27(b))。
次に、ホトレジストを除去した後、基板を熱酸化することで、絶縁膜101,102の開口内にSiOからなるフィールド酸化膜Fを形成し、活性領域(LOCOS)を形成する(図28(c))。
次に、SiO膜101、Si膜102をウエットエッチングして除去し、熱酸化によってゲート酸化膜104を形成する(図28(d))。
次に、ゲート酸化膜104上に、多結晶シリコン膜105をスパッタ法で形成する(図28(e))。多結晶シリコン膜105は、熱CVDにより、例えばSiHとNを用いて成膜してもよい。
次に、ゲート酸化膜104上の所定部位にゲート電極34gが残留するように、多結晶膜105のホトレジストによるパターニングを行い、続いて、露出したゲート酸化膜104をRIE等でドライエッチングして除去する。このパターニング時にエッチングには、反応性イオンエッチング(RIE)を用いることができる。しかる後、ゲート電極105(34g)をマスクとして、自己整合的にAsイオンを半導体基板S内に注入し、高不純物濃度のN型のドレイン領域34a’及びソース領域34b’を形成する(図28(f))。
次に、基板表面上にスパッタ法等でSiOからなる層間絶縁膜106を形成する(図29(g))。なお、スパッタ法のほか、SiHとOを用いたCVD法により層間絶縁膜106を形成してもよい。
ゲート電極34g(105)上の層間絶縁膜106にコンタクトホールH1を、ドレイン領域34a’上の層間絶縁膜106にコンタクトホールH2を、ソース領域34b’上の層間絶縁膜106にコンタクトホールH3を形成し(図29(h))、続いて、層間絶縁膜106上に金属層(Al)107を形成する(図29(i))。なお、ゲート電極用のコンタクトホールを形成しないで、ゲート電極34g自体をワード線W1としてもよい。
更に、金属層107をパターニングして、ドレイン電極34a、ソース電極34b、ゲート電極34g’を形成する(図29(j))。
次に、基板S上に下部絶縁層100を堆積し、その表面からドレイン電極34a及びソース電極34bに至る貫通孔H4を形成し(図30(k))、更にその上に金属層(W:タングステン)108を堆積する。金属層108は、貫通孔H4内を通ってドレイン電極34a及びソース電極34bに至ることとなる(図30(l))。
次に、金属層108の表面から深部に向けて化学機械研磨(CMP)を下部絶縁層100が平坦になるまで行い、貫通孔H4内の金属材料108のみを残して、金属層108を除去する(図30(m))。
次に、水平方向に延びる配線109を下部絶縁層100上に形成し(図31(n))、垂直配線A1、A2の部分を残してエッチングを行う(図31(o))。配線はAlなどで形成することができる。垂直配線A1、A2の長さを垂直方向に延ばすため、さらに(k)〜(o)のプロセスを繰り返し、最後に形成されたSiOの絶縁層100の表面上にWからなる電極層110を形成する(図32(p))。この最後に形成された絶縁層100を化学機械研磨(CMP)する(図32(q))。
垂直配線A1,A2の形成後、下部電極13を垂直配線A1の頂面上に形成した後、下部電極13上にTMR素子4を形成し、その上に上述の第1配線11a、接続配線11b、第2配線11c、延長配線11dをパターニングし、上部絶縁層200を形成することで、上述の構造の磁気メモリが完成する。なお、上部絶縁層200は数段階に分けて形成することとし、その途中の段階でビット線B2を形成し、ビット線B2上に上述の垂直配線の形成方法と同様の方法で基準貫通配線A3を形成し、基準貫通配線A3の上面に延長配線11dがパターニングされるようにする。なお、垂直配線A2の長さは、上記実施形態のように垂直配線A1の長さよりも短く設定することとしてもよい。
以上、説明したように、上述の磁気メモリにおいては、素子サイズが0.7μm以下の場合においても、素子サイズの減少に伴って、フリー層の磁化反転に必要な書き込み電流を減少させることができる。微弱な書き込み電流でも動作するため、大面積のトランジスタを読み出し用のトランジスタとは別に設ける必要がなく、したがって、読み出し/書き込み制御兼用のトランジスタ34を各記憶領域P(x,y)に1つのみ採用すればよくなり、したがって、高集積化を達成することができる。
また、トランジスタ34を各記憶領域に1個を備えているため、書き込みマージンを大きくすることができる。また、トランジスタ34が書き込みおよび読み出し兼用となっているためメモリ素子サイズを小さくすることができ、大容量のメモリを作製することができる。なお、上述のトランジスタ34としては、MOS型を採用したが、これはバイポーラとすることもできる。
また、1つのトランジスタ34を用い、中間非磁性層にMgOを用いた場合、抵抗Rが1KΩ〜5KΩにおいて100mV以上の出力を得ることができる。また、中間非磁性層がAlOxである場合には出力は40mV程度となる。トランジスタを1つのみ用いるため、記憶領域の面積は1/2となる。
本発明は、磁気メモリに利用することができる。
各記憶領域におけるメモリ素子1の断面構造を示す図である。 磁気抵抗効果素子(TMR素子:Tunnel Magneto−Resistance)4の縦断面図である。 素子サイズLと書き込み電流(mA)の関係を示すグラフである。 図3に示したグラフのデータを示す表である。 磁気抵抗効果素子4への印加電圧V(mV)と、これを流れる電流I(mA)との関係を示すグラフである。 各種の測定値を示す表である。 抵抗R(Ω)と電流I(mA)との関係を示すグラフである。 中間非磁性層としてAlOxを用いた場合のTMR素子の電圧V(mV)と電流I(mV)の関係の一例を示すグラフである。 磁気メモリの分解斜視図である。 図9に示した磁気メモリのX−X矢印断面図である。 図9に示した磁気メモリのXI−XI矢印断面図である。 図9に示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図である。 図12に示した結線関係を簡略化した回路図である。 磁気メモリの斜視図である。 実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。 図15に示したメモリ素子の変形例に係るメモリ素子の平面図である。 各記憶領域におけるメモリ素子1の断面構造を示す図である。 磁気メモリの分解斜視図である。 図18に示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図である。 図19に示した結線関係を簡略化した回路図である。 磁気メモリの斜視図である。 実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。 磁気メモリの分解斜視図である。 図23示した磁気メモリの電気的接続関係を示す回路図である。 磁気メモリの斜視図である。 実施形態に係る1つのメモリ素子の平面図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。 磁気メモリの製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1・・・メモリ素子、4・・・磁気抵抗効果素子、11d・・・延長配線、11b・・・接続配線、11・・・配線、11a・・・配線、12b・・・近接部、12・・・磁気ヨーク、12a・・・本体部、13・・・下部配線、14・・・基準配線、34g・・・ゲート電極、34b・・・ソース電極、34・・・トランジスタ、34a・・・ドレイン電極、41・・・反強磁性層、42・・・ピンド層、43・・・中間非磁性層、44・・・フリー層、100・・・下部絶縁層、A1,A2・・・垂直配線、A3・・・基準貫通配線、B1・・・ビット線、B2・・・ビット線、F・・・フィールド酸化膜、GND・・・基準電位、P・・・記憶領域、R・・・抵抗、R・・・抵抗値、S・・・半導体基板、W1・・・ワード配線。

Claims (9)

  1. 磁気抵抗効果素子を有する記憶領域を複数配置してなる磁気メモリにおいて、
    個々の前記磁気抵抗効果素子は、
    前記磁気抵抗効果素子の磁化容易軸方向の素子サイズが0.7μm以下であって、且つ、
    強磁性体からなるフリー層と、
    強磁性体からなる固定層と、
    前記フリー層と前記固定層との間に介在する中間非磁性層と、
    を有しており、
    個々の前記記憶領域は、
    個々の前記磁気抵抗効果素子の前記固定層及び前記フリー層の一方に電気的に接続された読み出し/書き込み制御兼用のトランジスタと、
    個々の前記磁気抵抗効果素子の前記固定層及び前記フリー層の他方に電気的に接続された配線と、
    前記配線を囲み前記フリー層に磁界を与える磁気ヨークと、
    を有しており、
    個々の前記記憶領域内の前記トランジスタの数は1つである、
    ことを特徴とする磁気メモリ。
  2. 個々の前記磁気抵抗効果素子の前記中間非磁性層が絶縁体からなり、
    素子サイズLは、前記固定層と前記フリー層の磁化の向きが平行の場合の前記磁気抵抗効果素子の抵抗値Rとの間に、
    以下の関係式:
    L≦−0.3×ln(R)+3
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の磁気メモリ。
  3. 前記配線は、
    前記固定層及び前記フリー層の他方に一端が電気的に接続され、一方向に沿って延びた第1配線と、
    前記磁気ヨークの内側において前記第1配線に対して平行に延び、一端が基準電位に接続された第2配線と、
    前記磁気ヨークの外側を迂回して前記第1配線の他端と前記第2配線の他端とを電気的に接続する接続配線と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気メモリ。
  4. 前記第1配線、前記接続配線及び前記第2配線は、前記磁気抵抗効果素子の厚み方向に平行な直線を軸として、螺旋状に連続している、
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気メモリ。
  5. 前記配線は、前記第2配線の一端に連続し、前記基準電位を与える基準配線に接続された延長配線を更に備え、
    螺旋状に連続して延びた前記第1配線、前記接続配線及び前記第2配線の回転方向は、前記第2配線及び前記延長配線の回転方向に対して逆方向である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ。
  6. 前記配線は、
    前記固定層及び前記フリー層の他方に一端が電気的に接続され、一方向に沿って延び、他端が基準電位に接続された第1配線を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の磁気メモリ。
  7. 前記配線は、前記第1配線の一端に連続し、前記基準電位を与える基準配線に接続された延長配線と、
    前記延長配線と前記基準配線とを前記磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する基準貫通配線と、
    を更に備え、
    前記第1配線と前記延長配線とはT又はL字を構成している、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気メモリ。
  8. 前記配線は、前記第1配線の一端に連続し、前記基準電位を与える基準配線に接続された延長配線と、
    前記延長配線と前記基準配線とを前記磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する基準貫通配線と、
    を更に備え、
    前記第1配線と前記延長配線とはU字を構成している、
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気メモリ。
  9. 個々の前記記憶領域において、
    前記トランジスタと、前記磁気抵抗効果素子とを前記磁気抵抗効果素子の厚み方向に沿って接続する垂直配線を備え、
    前記垂直配線の数は複数である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気メモリ。
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