JP2010003850A - 磁気素子及び集積回路並びに磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気素子及び集積回路並びに磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】磁気素子本体に電流を流すことなく、磁性体電極の磁化反転が可能な磁気素子及び集積回路並びに磁気ランダムアクセスメモリを提供する。
【解決手段】磁気素子1は、基板6上に第1の強磁性体電極3及び第2の強磁性体電極4を隔置し磁気素子本体2と、第1の強磁性体電極3に接触して高スピンホール効果を有する電極5を配設し、高スピンホール効果を有する電極5に電流を流して第1の強磁性体電極3へスピン注入して磁化反転する。磁気素子本体2へ電流を流すのではなく、高スピンホール効果を有する電極5に電流を流すことでスピンホール効果によるスピン分極を発生させ、第1の強磁性体電極3への移行により磁化反転できる。高インピーダンスの微小磁気メモリ素子及び磁気論理素子やスピン電界効果トランジスタを多段に接続した再構成可能微小磁気論理素子の磁化反転が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピン注入磁化反転を用いる磁気素子でありながら、磁気素子本体には電流を流す必要がない、磁気素子及び集積回路並びに磁気ランダムアクセスメモリに関する。
従来の磁気メモリ素子や磁気論理素子では、例えば記録層となる強磁性体電極近傍に配置した導線に電流を流して得られるエルステッド磁場を用いて強磁性体電極の磁化反転を行っている。
図11は、従来の磁気メモリ素子100の構造の一例を示す断面図である。強磁性体電極101の上部に図示しない絶縁層を介してエルステッド磁場を印加する導線102が配設されている。この磁気メモリ素子100では、素子の微小化によって配置可能な導線102が細くなるため、得られる磁場が小さくなり、かつ、強磁性体電極の微小化によって磁化反転に必要な磁場が増大し、エルステッド磁場による磁化反転が困難になる。
上記した従来の磁気メモリ素子や磁気論理素子の外部磁場による磁化反転方式の限界を克服するために、特許文献1や非特許文献1には、スピン注入磁化反転を用いた高集積度の磁気メモリ素子や磁気論理素子が開示されており、近年、その製品化が進められている。図12は、磁気メモリ素子105又は磁気論理素子に、従来のスピン注入磁化反転方法を用いた場合の断面図である。従来の方法では、磁気メモリ素子105の第1の強磁性体電極106と第2の強磁性体電極107との間、すなわち、素子本体そのものに電流を流し、第1の強磁性体電極106を通過することによってスピン偏極した電流を、第2の強磁性体電極107に注入することによって、スピン注入磁化反転方式の磁化反転を行っている。
しかしながら、図12に示した磁気メモリ素子105又は磁気論理素子本体が、高インピーダンスである場合、大きな電流を流すことができない。その結果、情報の書き込みや論理素子の論理の再構成に必要な磁化反転ができない。最近、セル選択用のために付加するCMOS電界効果トランジスタを必要としないメモリへの応用という観点から、スピン電界効果トランジスタ(非特許文献2)やスピンMOS電界効果トランジスタ(特許文献2)が注目されているが、これらの素子では低インピーダンス化が困難であった。
さらに、上記のスピン電界効果トランジスタやスピンMOS電界効果トランジスタにおいては、低インピーダンス化の問題に加え、高効率スピン注入も実現されておらず、その結果、スピン注入磁化反転も実現されていない。少なくとも、メモリ素子の読み出し動作や論理素子動作の性能を上げる際、素子本体が低インピーダンスであることを要求されることは大きな足かせになり、実用素子の開発の障害となっている。
ところで、今後の需要が見込まれる再構成可能な磁気論理回路では、その機能や性能を上げるために、スピン電界効果トランジスタやスピンMOS電界効果トランジスタを多段接続することが考えられている。特許文献3にはその一例が示されており、スピンMOS電界効果トランジスタを利用することで、トランジスタ数を大幅に減少させた再構成可能な論理回路が示されている。
図13は、特許文献3に開示されている再構成可能な論理回路の回路図である。図13に示すように、再構成可能な論理回路は、入力A,Bが入力される2つのコンデンサと、ソースとドレイン間に斜めに向いた矢印の付いたトランジスタ(Tr1,Tr2,Tr5,Tr8)からなるスピンMOSFETと、通常の3組のCMOSインバータと、から構成されている。特許文献3では、Tr1,Tr2,Tr5,Tr8からなるスピンMOSFETのドレイン電流の伝導状態を制御することで、A,Bの2入力に対して、AND,OR,XOR,NAND,NOR,XNORの論理演算ができることが開示されている。
スピン電界効果トランジスタやスピンMOS電界効果トランジスタの多段接続によって多彩な機能を再構成できる論理回路が提案されているが、これらの再構成可能な磁気論理回路では、特許文献1のスピンランダムアクセスメモリ(スピンRAM)のように任意のスピン電界効果トランジスタ又はスピンMOS電界効果トランジスタの磁化を反転させることはできない。
スピン電界効果トランジスタは、スピン軌道相互作用をゲート電圧によって制御し、結果としてチャンネルを伝導するスピンの向きを制御する素子であるが、複数のゲートや複数のチャンネルを配置することによってスピンの自由度を最大限に利用した論理演算が可能になるため、将来の論理素子として発展が期待されている。
特許文献4には、複数のチャンネルからなる素子の一例が開示されており、電子スピンの干渉を観測することができるが、チャンネル長が長くなる傾向がある。多ゲート化や多チャンネル化をはじめ、高度な機能の実現のためのチャンネル長が長い素子では、素子インピーダンスが高くなる傾向があり、素子本体に電流を通じてスピン注入磁化反転を行うことは不可能に近い。
さらに、スピン電界効果トランジスタに限らずスピンMOS電界効果トランジスタにおいて、複数のソース電極又はドレイン電極を有する素子では、素子本体に電流を通じてスピン注入磁化反転を行うことは原理的に適さない。
特開平11?120758号公報 国際公開WO2004/079827 国際公開WO2004/086625 特開2000?261061号公報 特開2008?047566号公報 J. A. Katine 他4名, "Current-Driven Magnetization Reversal and Spin-Wave Excitations in Co/Cu/Co Pillars", Physical Review Letters, Vol.84, No.14, pp.3149-3152, 3 April, 2008 S. Datta 他1名, "Electronic analog of the electro-optic modulator", Applied Physics Letters, Vol.56, No.7, pp.665-667, 12 February,1990 T. Seki, Y. Hasegawa, S. Mitani, S. Takahashi, H. Imamura, S. Maekawa, J. Nitta and K. Takanashi,"Giant spin Hall effect in perpendicularly spin-polarized FePt/Au devices", Nature Mater., 7, pp.125-129, 2008
従来のスピン注入型磁気メモリ素子や磁気論理素子又はスピン注入磁化反転による再構成可能論理素子では、素子の材料や構造によって本体部に電流を流すことによるスピン注入磁化反転方法が使えない場合がある。具体的には、素子が高インピーダンスである場合、2個を越える数のソースやドレインの磁性電極を有する場合、トランジスタが多段接続されているので所定のトランジスタのみに電流を流すことができない場合等である。通常の半導体からなるCMOS電界効果トランジスタを用いない磁気メモリ素子、磁気論理素子及び再構成可能磁気論理素子が、実際に上記の場合に該当している。
素子本体部に電流を流さないで磁化反転させる方法として、素子近傍の導線に電流を流してエルステッド磁場を発生させ、その磁界によって磁化反転させる方式があるが、この方法では素子の高集積化に伴い、発生できる磁界が小さくなり、かつ、磁性体電極の反磁界が増大するために適用が困難になることが知られている。
本発明は上記課題に鑑み、素子本体部に電流を流すことなく、磁気メモリや論理回路に用いられる磁性体電極の磁化の反転を行うことができる、磁気素子及び集積回路並びに磁気ランダムアクセスメモリを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の磁気素子は、基板上に隔離して配設した第1の強磁性体電極及び第2の強磁性体電極を含む磁気素子本体と、第1の強磁性体電極に接触して配設され高スピンホール効果を有している電極と、を備え、高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、第1の強磁性体電極へスピン注入がされ第1の強磁性体電極が磁化反転されることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、第2の強磁性体電極に他の高スピンホール効果を有している電極が配設され、当該他の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、第2の強磁性体電極へスピン注入がされて第2の強磁性体電極が磁化反転される。
第1の強磁性体電極及び第2の強磁性体電極を含む磁気素子本体は、好ましくは、スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなる。
本発明では、第1の強磁性体電極と第2の強磁性体電極との間を流れる電流によっては、第1の強磁性体電極又は第2の強磁性体電極へのスピン注入磁化反転がされない。
本発明の集積回路は、強磁性体からなるソース電極と、強磁性体からなるドレイン電極と、ソース電極と該ドレイン電極との間に配設されるチャンネルと、チャンネル上に配設されるゲート電極とを含むトランジスタからなり、ドレイン電極上に接触して配設される高スピンホール効果を有している電極を、備え、高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、ドレイン電極へスピン注入がされドレイン電極が磁化反転されることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、ソース電極上に他の高スピンホール効果を有している電極が配設され、当該他の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、ソース電極へスピン注入がされてソース電極が磁化反転される。
トランジスタは、好ましくは、スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなり、スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、ソース電極とドレイン電極との間に流す電流によってはソース電極又は第2のドレイン電極がスピン注入磁化反転されない。
本発明の別の磁気素子は、第1の高スピンホール効果を有している電極と、第1の強磁性金属層と、磁性絶縁層と、第2の強磁性金属層と、第2の高スピンホール効果を有している電極と、が順に積層されてなり、第1の高スピンホール効果を有している電極及び第2の高スピンホール効果を有している電極に電流を流し、第1の強磁性金属層及び第2の強磁性金属層の両方へスピン注入を行うことで、第1の強磁性金属層と磁性絶縁層と第2の強磁性金属層とからなる3層構造全体の磁化を反転させることを特徴とする。
本発明の磁気ランダムアクセスメモリは、上記の磁気素子をメモリセルとし、メモリセルを二本のビット線が交差する各位置にマトリクス状に配設した不揮発性ランダムアクセス磁気メモリであって、各メモリセルの第1の高スピンホール効果を有している電極及び第2の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、第1の強磁性金属層及び第2の強磁性金属層の両方へスピン注入を行うことによって第1の強磁性金属層と磁性絶縁層と第2の強磁性金属層とからなる3層構造全体の磁化を反転させ、書き込みをすることを特徴とする。
本発明の磁気素子によれば、磁気素子本体に電流を流すことができなくても、付加した高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことにより、磁気素子本体の強磁性体電極のスピン注入磁化反転を実現することができる。
本発明の磁気素子を用いた集積回路と磁気ランダムアクセスメモリによれば、スピン注入磁化反転を用いるので、素子の微細化により付加した高スピンホール効果を有している電極への電流密度を増大させることができ、従来にない高度な論理回路や磁気ランダムアクセスメモリを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図において同一または対応する部材には同一符号を用いる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明による磁気素子1の構造を模式的に示す断面図である。
磁気素子1は、磁気素子本体2と磁気素子本体2を構成する第1の強磁性体電極3及び第2の強磁性体電極4と、第1の強磁性体電極3上に配設され、第1の強磁性体電極3の磁化反転を可能にする高いスピンホール効果を有している電極(以下、高スピンホール効果を有している電極と呼ぶ)5と、を含んで構成されている。
磁気素子本体2は図示の場合、スピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(以下、スピンMISFETと呼ぶ)である。スピンMISFETは、基板6と、基板6上に形成される第1の強磁性体電極3及び第2の強磁性体電極4と、第1の強磁性体電極3と第2の強磁性体電極4との間で、かつ、基板6上に配設されるゲート絶縁膜7とゲート電極8とから構成されており、基板6とゲート絶縁膜7との界面にチャンネルが形成される。
なお、MIS構造において、ゲート絶縁膜(I)7が酸化膜、例えばSiOからなる場合には、MOS構造と呼ぶ。この場合のスピンMISFETを、スピンMOSFETと呼ぶ。磁気素子1がスピンMISFETの場合、第1の強磁性体電極3をドレイン電極、第2の強磁性体電極4をソース電極とも呼ぶ。スピンMISFET1は、、ドレイン電極3,ソース電極4,ゲート電極8の少なくとも一つ以上の電極が、複数の電極から構成されてもよい。また、スピンMISFET1は、複数のチャンネルを備えた所謂マルチチャンネル構造でもよい。
第2の強磁性体電極4は、図の矢印で示すように基板と平行な向きに磁化されている。この磁化の向きは固定されているので、第2の強磁性体電極4は固定層とも呼ぶ。
第1の強磁性体電極3は、図の矢印で示すように基板と平行な向きに磁化されているが、高スピンホール効果を有している電極5によって磁化の向きが、第2の強磁性体電極4の磁化の方向に対して、平行又は反平行の何れかの向きに制御される。図では、磁化の向きが平行及び反平行を矢印で示している。第1の強磁性体電極3の磁化は、平行又は反平行の何れかとなるのでフリー層とも呼ばれ、磁化の向きを記録に用いることができる。
第1の強磁性体電極3及び第2の強磁性体電極4は、FeやCoなどの強磁性金属材料やこれらの強磁性材料を含むFeCoBやFePtなどの合金材料で形成することができる。
後述する高スピンホール効果を有している電極5によって、第1の強磁性体電極3をスピン注入で磁化反転する微視的機構は、高スピンホール効果を有している電極5と第1の強磁性体電極3との界面近傍で生じる。このため、第1の強磁性体電極3の厚さは、構成する材料のスピン拡散長と同程度か、若しくはそれより薄くするのが最適である。
高スピンホール効果を有している電極5は、第1の強磁性体電極3上に配設され、紙面に対して垂直方向から電流が印加される。つまり、高スピンホール効果を有している電極5の配線方向は第1の強磁性体電極3の磁化と直交する方向である。高スピンホール効果を有している電極5は、第1の強磁性体電極3に電気的に接続されている。
高スピンホール効果を有している電極5は、金(Au)、白金(Pt)等の伝導度の高い重金属、もしくは、それらを含む合金で構成されている。重金属は大きなスピン軌道相互作用を有しており、スピンホール角αは0.1のオーダーになる(非特許文献3参照)。
高スピンホール効果を有している電極5の厚さ(t)、つまり紙面上下方向の寸法は、上記金属材料のスピン拡散長程度とする。高スピンホール効果を有している電極5のスピン拡散長は、材料にもよるが10nm(10−8m)のオーダーである。
次に、磁気素子1において、高スピンホール効果を有している電極5によって第1の強磁性体電極3を磁化反転させる機構、即ちスピン注入磁化反転について説明する。
図2は、高スピンホール効果を有している電極5によって第1の強磁性体電極3が磁化反転される機構を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、第1の強磁性体電極3に接触している高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すと、スピンホール効果によって下記(1)式で表されるスピン流Jsが生成される。
Js=α[z×Jq] (1)
ここで、αはスピンホール角であり、スピン軌道相互作用の大きな金属や合金、すなわち高スピンホール効果材料では0.1のオーダーの定数である(非特許文献3)。zはスピンの方向を表す単位ベクトルであり、Jqは電流の大きさと方向を表すベクトルであり、×は外積を表す。
上記(1)式から、スピン流Jsは電流と直角方向に生じ、その結果としてスピン分極が生じ、第1の強磁性体電極3へスピンが注入される。高スピンホール効果を有している電極5へ流す電流が、所定の電流密度となったとき第1の強磁性体電極3の磁化反転が生じる。この高スピンホール効果を有している電極5へ流す電流の向きを逆転することによって、第1の強磁性体電極3の磁化方向を反転する、つまりスピン注入磁化反転を生起させることができる。
高スピンホール効果を有している電極5によるスピン注入磁化反転では、スピンホール角αは0.1のオーダーであるため、計算によると、スピン注入によって第1の強磁性体電極3を磁化反転させるのに必要な電流密度は、大きくても1×1012A/m程度である。
したがって、磁気素子1においては、磁気素子本体2のチャンネルに電流を流すのではなく、高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すことによって、高スピンホール効果を有している電極5にスピンホール効果によるスピン分極を発生させ、このスピン分極の第1の強磁性体電極3への移行によって第1の強磁性体電極3の磁化反転ができる。
上記のスピン注入磁化反転を用いることによって、磁気素子本体2を流れる電流は、第1の強磁性体電極3の磁化が第2の強磁性体電極4の磁化と平行か反平行かによって変化する。つまり、磁気素子1のゲート電圧が閥値以上であって、第1の強磁性体電極3の磁化が第2の強磁性体電極4の磁化と平行の場合には、電流が大きくなり、逆に、第1の強磁性体電極3の磁化が第2の強磁性体電極4の磁化と反平行の場合には、電流が小さくなる。
このため、本発明の磁気素子1のチャンネルを流れる電流は、第1の強磁性体電極3の磁化で変化するので、必ずしも従来のスピンMOSFETのように短チャンネルである必要がなく、所謂高インピーダンスのMOSFETを用いてもよい。
したがって、本発明の磁気素子1は、高インピーダンスの微小磁気メモリ素子や磁気論理素子や、スピン電界効果トランジスタが多段に接続された再構成可能な微小磁気論理素子へ適用することができる。
上記構成の磁気素子1は、以下のようにして製作することができる。
最初に、Si基板6上に、ゲート絶縁膜7となる酸化膜とゲート電極8となる電極膜を堆積し、次に酸化膜と電極膜を所定の面積となるようにパターンニングを行う。酸化膜は、Si基板6を酸素で酸化することによって形成することができる。
次に、ドレイン電極3及びソース電極4となる領域のSiを浅くエッチングした後で、ドレイン電極3及びソース電極4となる強磁性膜を堆積し、フォトリソグラフィやエッチングによりドレイン電極3及びソース電極4を形成する。
最後に、ドレイン電極3上に高スピンホール効果を有している電極5を形成することで磁気素子1を製作することができる。
上記各電極となる膜は、スパッタ法やCVD法により形成することができ、各領域のパターンニングは、電子ビーム露光や紫外線露光を用いたフォトリソグラフィによって行うことができる。
(第1の実施形態の変形例1)
図3は、本発明による磁気素子1の変形例を模式的に示す断面図である。
磁気素子10のスピンMISFETが、磁気素子1と異なるのは、第2の強磁性体電極4上にも高スピンホール効果を有している電極9を配設した点である。これにより、磁気素子10は、第2の強磁性体電極3の磁化を、高スピンホール効果を有している電極9に電流を流すことによってスピン注入磁化反転させることができる。
磁気素子10によれば、第1の強磁性体電極3と第2の強磁性体電極4との磁化の向きの組み合わせは4通りになり、これらの磁化状態によって磁気素子10の伝導特性を変化させることができ、メモリ素子や論理素子に利用することができる。
(第1の実施形態の変形例2)
図4は、本発明による第1の実施形態の磁気素子1の変形例を模式的に示す断面図である。
磁気素子15は、スピン軌道相互作用によるスピンの回転を利用したスピン電界効果トランジスタ(以下、スピンFETと呼ぶ。)であり、磁気素子1と異なるのは、ゲート絶縁膜7の下部の基板6の表面に半導体2次電子ガス11を生じる構造とした点にある。他の構成は、磁気素子1と同じであるので説明は省略する。半導体2次電子ガス11を生じる構成としては、ゲート絶縁膜7ではなく化合物半導体を用いたヘテロ接合構造としてもよい。
(第1の実施形態の変形例3)
図5は、本発明による磁気素子15の変形例を模式的に示す断面図である。
磁気素子20のスピンFETが磁気素子15と異なるのは、ソース電極4上にも高スピンホール効果を有している電極9を配設した点である。これにより、磁気素子20は、ソース電極4の磁化が、高スピンホール効果を有している電極9に電流を流すことによってスピン注入磁化反転させることができる。
この磁気素子20によれば、ドレイン電極3とソース電極4の磁化の向きの組み合わせは4通りになり、これらの磁化状態によって磁気素子20の伝導特性を変化させることができ、メモリ素子や論理素子に利用することができる。
(第1の実施形態の変形例4)
図6は、本発明による磁気素子1の変形例を模式的に示す断面図である。
磁気素子25は、ナノ粒子のクーロンブロッケイドを利用したメモリ素子(特許文献5参照)の情報書き込みに本発明を実施した例である。
磁気素子25は、基板12上へ強磁性固定層となる第1の強磁性体電極4と、第1のトンネルバリア層13と、第1のトンネルバリア層13上に形成される非磁性ナノ粒子14と、第2のトンネルバリア層16と、強磁性自由層となる第2の強磁性体電極3と、高スピンホール効果を有している電極5とが、順に積層された構造を有している。図示の場合には、非磁性ナノ粒子14は第2のトンネルバリア層16内に埋め込まれた構造を有している。基板12としては、絶縁物からなる基板や酸化膜付シリコン(Si)基板を用いることができる。
第1のトンネルバリア層13及び第2のトンネルバリア層16は、絶縁体材料により形成することができる。非磁性ナノ粒子14としては、非磁性の金(Au)や銅(Cu)からなる金属非磁性ナノ粒子を用いることができる。
情報は、高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すことによって、第1の強磁性体電極3のスピン注入磁化反転を行うことで記録され、その向きが2進法記録の“0”、“1”に対応する。読み出しは、非磁性ナノ粒子14を介した強磁性体電極3,4の間のトンネル磁気抵抗効果によって行う。すなわち、強磁性体電極3,4の磁化の方向が平行か反平行かによって抵抗値が異なることを利用する。クーロンブロッケイドは非磁性ナノ粒子14において生じる。
(第1の実施形態による磁気素子を用いた再構成可能論理回路)
図7は、磁気素子1を用いた再構成可能論理回路30の構成を示す回路図である。
図7に示すように、再構成可能な論理回路30は、入力A,Bが入力される2つのコンデンサ31,32と、ソースとドレイン間に斜めに向いた矢印をつけて表わした4つの磁気素子33〜36と、通常の3組のCMOSインバータ37,38,39と、4つの磁気素子33〜36の各ドレイン電極に接続されている磁化反転を可能にする高スピンホール効果を有している電極5の電流を制御する再構成用の磁化反転制御部40と、から構成されている。
磁気素子33,34,35,34は、図1に示した磁気素子1の基本構成を有し、磁気素子33,35がpチャンネルのエンハンスメント型のスピンMOSFETであり、磁気素子34,36がnチャンネルのエンハンスメント型のスピンMOSFETであり、それぞれのドレイン電極に磁化反転を可能にする高スピンホール効果を有している電極5が接続されている。
磁気素子33〜36は、ソース電極(S)及びドレイン電極(D)が強磁性体により形成され、ドレイン電極へ磁化反転を可能にする高スピンホール効果を有している電極5が接続されていること及びスピンに依存する伝導現象を含む以外は、SiMOSFETと類似の構造を有している。
磁気素子33と磁気素子34は縦に接続されたCMOSインバータとなっている。つまり、両者のゲート電極(G)同士が接続され、両者のドレイン電極同士が磁化反転を可能にする高スピンホール効果を有している電極5を介して接続され、pチャンネルの磁気素子33のソース電極は正電位電圧(Vdd)に、nチャンネルの磁気素子34のソース電極は低電位(アース又は負電位)に接続されている。
磁気素子35と磁気素子36は、ゲート電極同士が接続されていない他は上記の磁気素子33と磁気素子34と同様に縦に接続されている。つまり、両者のドレイン電極同士が磁化反転を可能にする高スピンホール効果を有している電極5を介して接続され、pチャンネルの磁気素子35のソース電極は正電位電圧(Vdd)に、nチャンネルの磁気素子36のソース電極は低電位(アース又は負電位)に接続されている。
再構成可能な論理回路30は、2つのコンデンサ31,32の一端へA及びBの信号が入力され、2つのコンデンサ31,32の他端同士が接続された接続点からから出力される信号が、第1,第2のCMOSインバータ37,38と磁気素子33及び磁気素子34からなるCMOSインバータとへ入力され、第1のCMOSインバータ37の出力は磁気素子35のゲート電極に入力され、第2のCMOSインバータ38の出力は磁気素子36のゲート電極に入力される。
磁気素子33及び磁気素子34からなるCMOSインバータの出力と、磁気素子35及び磁気素子36のドレイン電極からの出力と、が第3のCMOSインバータ39の入力へ接続されている。この第3のCMOSインバータ39の出力が再構成可能な論理回路30の出力となる。
高スピンホール効果を有している電極5の電流を制御する再構成用の磁化反転制御部40は、高スピンホール効果を有している電極5に流す電流のオン/オフ及び方向反転のために、8個の磁化反転制御部用のトランジスタ41〜48から構成されている。
トランジスタ41〜44のドレイン電極は、それぞれ、磁気素子34,33,36,35の高スピンホール効果を有している電極5に接続されている。トランジスタ41〜44のゲート電極には、どの高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すか決定する信号が入力される。ゲート信号で選択された高スピンホール効果を有している電極5に対応する磁気素子34〜36の磁化が制御される。
トランジスタ47,48のゲート電極には、磁気素子34〜36に配設された高スピンホール効果を有している電極5のどの方向に電流を流すかを決める信号が入力される。トランジスタ47,48の何れかのゲート電極に電圧を印加することによって電流方向を選択できる。
磁気素子34〜36において、それぞれのソース電極とドレイン電極の磁化を平行にするか反平行にするかで、論理の再構成を行うことができる。このため、再構成可能な論理回路30においては、磁気素子34〜36のドレイン電流の伝導状態を制御することで、A,Bの2入力に対して、AND,OR,XOR,NAND,NOR,XNORの論理演算された出力が得られる。
再構成可能な論理回路30に用いる素子数は、図13に示した再構成可能な論理回路と比較すると、追加した磁化反転制御部40に用いるトランジスタ分だけ素子数が増加する。つまり、8トランジスタだけ増加する。図13に示した再構成可能な論理回路では、従来の回路よりも数十個のトランジスタ数の削減が実現されていることが説明されている(特許文献3参照)。したがって、再構成可能な論理回路30の素子数は、従来の再構成可能な論理回路よりも著しく削減できることになる。
再構成可能な論理回路30では、磁気素子34〜36のドレイン電極の磁化反転を、高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すことによって行うので、磁気素子本体2のスピンMOSFETのスピン注入磁化反転を行う必要がない。したがって、再構成可能な論理回路30を容易に実現することができる。
(第2の実施形態)
図1に示した磁気素子1は所謂トランジスタであるが、磁気メモリとなる磁気素子であってもよい。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁気素子の構造を模式的に示す断面図である。この図に示すように、磁気素子50は、基板12上へ第1の高スピンホール効果を有している電極5と、第1の強磁性金属層52と、磁性絶縁層53と、第2の強磁性金属層54と、第2の高スピンホール効果を有している電極9とが、順に積層された構造を有している。
第1の強磁性金属層52と磁性絶縁層53と第2の強磁性金属層54とからなる3層構造は、磁性絶縁層53がほとんどトンネル電流を流さない絶縁性を有している点以外は、所謂トンネル磁気抵抗効果素子と同様の構造を有している。基板12としては、導電性又は絶縁性の基板を用いることができ、酸化膜付きシリコン(Si)基板等を用いることができる。
第1の強磁性金属層52及び第2の強磁性金属層54の材料としては、FeやCo又はそれらを含む合金を用いることができる。第1及び第2の強磁性金属層52,54の厚みは、その材料のスピン拡散長程度かそれ以下とする。
磁性絶縁層53は、その上下に配設される強磁性金属層52,54との間に挿入されているので、電気的には上下の強磁性金属層52,54は分断されている。さらに、磁性絶縁層53は、その上下に配設される強磁性金属層52,54との絶縁性と強磁性結合の機能を担っている。磁性絶縁層53は、NiFe等の酸化物強磁性体からなる。
第1の強磁性金属層52と磁性絶縁層53と第2の強磁性金属層54とからなる三層膜全体は、何れも強磁性か又は磁性材料からなるので直接の層間磁気結合によって一つの強磁性体層として振る舞う。つまり、第1の強磁性金属層52と磁性絶縁層53と第2の強磁性金属層54とからなる三層膜の磁化方向は全て同じ向きであり、平行結合状態となっている。
第1の高スピンホール効果を有している電極5に電流を流すことによって磁気素子50全体の磁化をスピン注入磁化反転することができる。また、第2の高スピンホール効果を有している電極9に電流を流すことによっても、磁気素子50全体の磁化をスピン注入磁化反転することができる。さらに、第1の高スピンホール効果を有している電極5及び第2の高スピンホール効果を有している電極9の両方に電流を流すことによって、効果的に全体の磁化をスピン注入磁化反転することができる。
これにより、磁気素子50の磁化は、第1の高スピンホール効果を有している電極5及び第2の高スピンホール効果を有している電極9に電流を流すことによって自在に制御することができる。したがって、磁気素子50は記録素子や磁気センサとして用いることができる。
(第2の実施形態による磁気素子を用いた磁気ランダムアクセスメモリ)
次に、第2の実施形態による磁気素子50を用いた磁気ランダムアクセスメモリについて説明する。
図9は、本発明の磁気素子を用いた磁気ランダムアクセスメモリ60の構造を模式的に示す平面図であり、図10は、磁気ランダムアクセスメモリ60のメモリセル63の構造を模式的に示す断面図である。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)60は基板上に形成されており、X方向のビット線61とY方向のビット線62とが交差する各位置に、マトリクス状に各メモリセル63が配設された構成を有している。メモリセル63は、磁気素子50を含む図10の構造を用いることができる。図においては説明の簡略化のため周辺回路を除いている。
各行のメモリセル63の第1の高スピンホール効果を有している電極5が互いに接続されており、ビット線61を兼ねている。さらに、各列のメモリセル63の第2の高スピンホール効果を有している電極9が互いに接続されおり、ビット線62を兼ねている。
磁気ランダムアクセスメモリ60では、マトリクスを構成する各メモリセル63のビット線61,62に直接電流を流し、第1及び第2の高スピンホール効果を有している電極5,9からスピン注入磁化反転を行うことで、メモリセル63の書き込みができる。
また、第1及び第2の高スピンホール効果を有している電極5,9に流す電流の大きさを閥値よりも若干低い値に設定し、ビット線61又はビット線62の一方にしか電流を流さない状態でも、対応するメモリセル63の磁化反転が起きないようにすることができる。このとき、電流を流したビット線61、62の交点のみで磁化反転が生じ、磁気ランダムアクセスメモリ60にセル選択機能を持たせることができる。この場合、メモリセル63の磁化の向きを制御することにより、“1”,“0”の記録、つまり、書き込みができる。
一方、読み出しは、メモリセル63のTMR効果を利用して行う。TMRの測定は、メモリセル63に接続したMOSFETや磁気素子1のようなスピンMISFETを用いて行うことができる。
図10は図9のA−A線に沿った断面図であり、磁気素子1を読み出し用のトランジスタとして用いた例を示している。図10に示すように、読み出し用のトランジスタのドレイン電極3は、メモリセル63の第1の強磁性金属層52を兼ねている。また、第1の高スピンホール効果を有している電極5は、ドレイン電極3の下部に形成された溝65の内部に埋め込まれている。この溝65は、Si基板6をRIEのようなドライエッチングでエッチングし、形成された溝65の内部に酸化膜67を堆積して形成することができる。
磁気ランダムアクセスメモリ60は、上記三層膜の上下に第1及び第2の高スピンホール効果を有している電極5,9を互いに直交する方向に配置しているので、第1及び第2の高スピンホール効果を有している電極5,9に流れる電流は独立のものとなり、既存のエルステッド磁界によるマトリクス状にメモリセルが配置された磁気ランダムアクセスメモリと同一の書き込み制御回路を用いて、任意のメモリセルに情報を書き込むことができ、高集積度のメモリデバイスを構成することができる。
なお、現在のスピン注入磁化反転を用いた磁気ランダムアクセスメモリのように、書き込み電流の上限値を決めるトランジスタを各々のメモリセルに配置するアーキテクチャではないが、このことは磁気ランダムアクセスメモリ60の集積度に対する障害とはならない。
磁気ランダムアクセスメモリ60によれば、上記三層膜の上下に接触して配置される第1及び第2の高スピンホール効果を有している電極5,9に流れる電流で、メモリセル63をスピン注入磁化反転させているので、従来のTMR素子を用いたメモリセルのように、微細化した場合に反磁界が増大するために微細化が困難であるという問題は生じない。このため、磁気ランダムアクセスメモリ60の微細化を行うことができる。
現在応用に用いられているエルステッド磁界を用いた方式では、素子の高集積化とともに磁化反転が困難になるが、本方式はスピン注入磁化反転であるため、微細化によって高スピンホール効果を有している電極5,9の電流密度を増大させることができ、高集積化された素子に向いている。
上記構成の磁気ランダムアクセスメモリ60は、以下のようにして製作することができる。
最初に、Si基板6の磁気素子1のドレイン領域となる箇所に溝65を形成する。
次に、Si基板6上に、ゲート絶縁膜7となる酸化膜とゲート電極8となる電極膜を堆積し、次に酸化膜と電極膜を所定の面積となるようにパターンニングを行う。
上記溝65へ第1の高スピンホール効果を有している電極5を埋め込む。
次に、ソース電極4となる領域のSiを浅くエッチングした後で、ドレイン電極3及びソース電極4となる強磁性からなる膜を堆積し、フォトリソグラフィやエッチングによりドレイン電極3及びソース電極4を形成する。
最後に、ドレイン電極3の上に第2の高スピンホール効果を有している電極9を形成することで磁気ランダムアクセスメモリ60を製作することができる。
磁気ランダムアクセスメモリ60の周辺回路をSiMOSトランジスタで形成する場合には、最初に、Siの周辺回路を形成し、その後で、磁気ランダムアクセスメモリ60のメモリセル63を形成してもよい。
ここで、各材料の堆積には、スパッタ法やCVD法以外には、蒸着法、レーザアブレーション法、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)などの通常の薄膜成膜法を用いることができる。また、所定の形状の電極や集積回路の配線を形成するためのマスク工程には、光露光や電子線露光などを用いることができる。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、上述した実施形態においては、高スピンホール効果を有している電極5,9の材料として金や白金を示したが、スピンホール角αの大きな材料を適宜選択すればよい。
本発明による磁気素子の構造を模式的に示す断面図である。 高スピンホール効果を有している電極によって第2の強磁性体電極を磁化反転させる機構を模式的に示す断面図である。 本発明による磁気素子の変形例を模式的に示す断面図である。 本発明による磁気素子の変形例を模式的に示す断面図である。 本発明による磁気素子の変形例を模式的に示す断面図である。 本発明による磁気素子の変形例を模式的に示す断面図である。 磁気素子を用いた再構成可能な論理回路の構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気素子を用いた磁気ランダムアクセスメモリの構造を模式的に示す平面図である。 磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造を模式的に示す断面図である。 従来の磁気メモリ素子の構造の一例を示す断面図である。 磁気メモリ素子又は磁気論理素子に、従来のスピン注入磁化反転方法を用いた場合の断面図である。 特許文献3に開示されている再構成可能な論理回路の回路図である。
符号の説明
1,10,15,20,25,50:磁気素子
2:磁気素子本体
3:第1の強磁性体電極
4:第2の強磁性体電極
5,9:高スピンホール効果を有している電極
6,12:基板
7:ゲート絶縁膜
8:ゲート電極
11:半導体2次電子ガス
13:第1のトンネルバリア層
14:非磁性ナノ粒子
16:第2のトンネルバリア層
30:再構成可能な論理回路
31,32:コンデンサ
33,34,35,36:磁気素子
37,38,39:CMOSインバータ
40:再構成用の磁化反転制御部
41,42,43,44,45,46,47,48:磁化反転制御部用のトランジスタ
52:第1の強磁性金属層
53:磁性絶縁層
54:第2の強磁性金属層
60:磁気ランダムアクセスメモリ
61:X方向のビット線
62:Y方向のビット線
63:メモリセル
65:溝
67:酸化膜

Claims (12)

  1. 基板上に隔離して配設した第1の強磁性体電極及び第2の強磁性体電極を含む磁気素子本体と、
    上記第1の強磁性体電極に接触して配設され高スピンホール効果を有している電極と、を備え、
    上記高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、上記第1の強磁性体電極へスピン注入がされ該第1の強磁性体電極が磁化反転されることを特徴とする、磁気素子。
  2. 前記第2の強磁性体電極に配設される、他の高スピンホール効果を有している電極を備え、
    上記他の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、前記第2の強磁性体電極へスピン注入がされ前記第2の強磁性体電極が磁化反転されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気素子。
  3. 前記第1の強磁性体電極及び第2の強磁性体電極を含む磁気素子本体が、スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなることを特徴とする、請求項1に記載の磁気素子。
  4. 前記第1の強磁性体電極と第2の強磁性体電極との間を流れる電流によっては該第1の強磁性体電極又は第2の強磁性体電極へのスピン注入磁化反転がされないことを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の磁気素子。
  5. 強磁性体からなるソース電極と、強磁性体からなるドレイン電極と、該ソース電極と該ドレイン電極との間に配設されるチャンネルと、該チャンネル上に配設されるゲート電極とを含むトランジスタからなる集積回路であって、
    上記ドレイン電極に接触して配設され高スピンホール効果を有している電極を備え、
    上記高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、上記ドレイン電極へスピン注入がされ上記ドレイン電極が磁化反転されることを特徴とする、集積回路。
  6. 前記ソース電極に配設される、他の高スピンホール効果を有している電極を備え、上記他の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、前記ソース電極へスピン注入がされ前記ソース電極が磁化反転されることを特徴とする、請求項5に記載の集積回路。
  7. 前記トランジスタは、スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタからなり、該スピン電界効果トランジスタ又はスピン絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に流す電流によっては該ソース電極又は該ドレイン電極がスピン注入磁化反転されないことを特徴とする、請求項5に記載の集積回路。
  8. 前記トランジスタのゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の少なくとも一つ以上の電極が、複数の電極からなることを特徴とする、請求項5〜7の何れかに記載の集積回路。
  9. 前記トランジスタが、複数のチャンネルを備えていることを特徴とする、請求項5〜7の何れかに記載の磁気素子。
  10. 前記トランジスタからなる再構成可能な論理回路を含むことを特徴とする、請求項5〜9の何れかに記載の集積回路。
  11. 第1の高スピンホール効果を有している電極と、
    第1の強磁性金属層と、
    磁性絶縁層と、
    第2の強磁性金属層と、
    第2の高スピンホール効果を有している電極と、が順に積層されてなり、
    上記第1の高スピンホール効果を有している電極及び上記第2の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、上記第1の強磁性金属層及び第2の強磁性金属層の両方へスピン注入を行うことにより、上記第1の強磁性金属層と上記磁性絶縁層と上記第2の強磁性金属層とからなる3層構造全体の磁化を反転させることを特徴とする、磁気素子。
  12. 第1の高スピンホール効果を有している電極と、
    第1の強磁性金属層と、
    磁性絶縁層と、
    第2の強磁性金属層と、
    第2の高スピンホール効果を有している電極と、が順に積層されてなる磁気素子をメモリセルとし、該メモリセルを二本のビット線が交差する各位置にマトリクス状に配設した不揮発性ランダムアクセス磁気メモリであって、
    上記各メモリセルの第1の高スピンホール効果を有している電極及び上記第2の高スピンホール効果を有している電極に電流を流すことで、上記第1の強磁性金属層及び第2の強磁性金属層の両方へスピン注入を行うことによって上記第1の強磁性金属層と上記磁性絶縁層と上記第2の強磁性金属層とからなる3層構造全体の磁化を反転させ、書き込みをすることを特徴とする、磁気ランダムアクセスメモリ。
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