JP5266268B2 - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナー像は紙等の被転写体に転写されるが、トナーが完全に転写されずに感光体ドラム表面に残留したり、また、静電潜像形成の際に生成する放電生成物が感光体ドラム表面に付着したままとなる。このような残留トナーや放電生成物は、新たな画像形成の妨げとなり、良好な転写画像を得られない原因となる。そのため、画像形成装置には感光体ドラム表面の付着物(トナー、放電生成物等)を除去するためのクリーニング装置が備えられている。
クリーニング装置(a)には、感光体ドラム(b)表面の付着物を掻き取るクリーニングブレード(c)と、感光体ドラム(b)に当接して回転するクリーニングローラ(d)と、除去された付着物を回収する回収スクリュー(e)とが備えられている。
感光体ドラム(b)に当接するクリーニングローラ(d)は、トナーを除去する機能に加えて、トナーを保持してクリーニングローラ(d)表面にトナー層を形成し、感光体ドラム(b)表面を研磨する機能も有している。
しかしながら、従来のクリーニング装置(a)では、クリーニングローラ(d)に保持されるトナー量が一定ではないため、クリーニングローラ(d)表面に形成されるトナー層の厚さを均一にすることは困難であり、安定的に感光体ドラム(b)を研磨することはできなかった。
一方、印字率が高い場合やカラー複写機におけるカラー印字の場合には、クリーニングブレード(c)によって掻き取られるトナー量が増加し、クリーニングローラ(d)に供給されるトナー量も増加することとなり、トナー層厚の調節が困難となる。
クリーニングローラの下方にトナー受け部材を設けることによって、クリーニングブレードにより感光体ドラムから除去されたトナーを貯留して、十分な量のトナーをクリーニングローラに供給することができ、研磨効果を高めることができる。
特許文献2の開示技術は、トナー受け部材に貯留されたトナーをクリーニングローラに保持させ、そのトナー量を調節するためにスクレーパを用いてトナーを掻き取るものである。この特許文献2の開示技術を用いると、クリーニングローラに十分な量のトナーを供給できるとともに、トナーを掻き落としてトナー量を調節することができるため、クリーニングローラに保持されるトナー量が印字率に影響されず、研磨効果が変化しにくいものである。
更に、長期間に亘って使用することにより、スクレーパが部分的に摩耗して均一な研磨ができなくなるという問題があった。即ち、スクレーパが部分的に摩耗することでクリーニングローラ上のトナー量を調節することができなくなり、クリーニングローラのトナー層厚が厚くなる。そのため、感光体ドラム表面の研磨が過剰となるものであった。
また、スクレーパの磨耗部分以外が当接するトナー層は、摩耗部分に相当する箇所よりもトナー層が薄くなるため、クリーニングローラの感光体ドラムへの押し当て力は小さくなり研磨が十分にできないものであった。従って、特許文献2の開示技術を用いても、長期間に亘って安定的に感光体ドラムを研磨することは困難であった。
また、トナー層が形成された表層同士の摺擦であるため、クリーニングローラ、トナー層厚規制ローラともに摩耗が低減され、長期間の使用においても安定的に感光体ドラムの研磨を行うことが可能となる。
また、非印字動作時に前記トナー層厚規制ローラの回転速度が切り替えられることにより、トナー量が多くなり過ぎることがなく、トナー層厚のムラを防ぐことができる。加えて、印字動作中でないため、画像ジッタが発生する虞がない。
図1は本発明に係るクリーニング装置の概略断面図であり、図2は本発明に係る画像形成装置の概略断面図である。
感光体ドラム(2)の周囲には、クリーニング装置(1)の他に帯電装置(11)、現像装置(12)、転写装置(13)等が配設されている(図2参照)。
トナーは現像装置(12)に収容されており、このトナーが感光体ドラム(2)に供給される。つまり、現像装置(12)が感光体ドラム(2)へのトナー供給源となる。
クリーニングローラ(3)上のトナー量は、感光体ドラム(2)から供給されるトナー量によって決まる。従って、クリーニングローラ(3)上のトナー量は、印字パターンに強く影響を受ける。つまり、周方向に短い印字パターンの場合は、周方向のトナー層厚にムラが発生しやすく、軸方向に偏った印字パターンの場合は、軸方向のトナー層厚にムラが発生しやすくなる。
また、クリーニングローラ(3)、トナー層厚規制ローラ(4)ともにトナーを保持しているため、表層がトナーに覆われたローラ同士の摺擦となり、クリーニングローラ(3)及びトナー層厚規制ローラ(4)の摩耗が防止され、長期間の使用においてもローラの摩耗劣化を防ぐことができる。
しかし、印字率が低い場合や高い場合等、感光体ドラム(2)からクリーニングローラ(3)に供給されるトナー量に増減が生じた場合には、クリーニングローラ(3)に均一且つ十分な厚さのトナー層を安定的に形成することが困難となる。つまり、クリーニングローラ(3)に供給されるトナー量が少なくなるとトナー不足となってトナー層の形成が困難となり、一方、トナー量が多くなるとトナー層厚が厚くなり過ぎる虞があり、いずれの場合も感光体ドラム(2)を十分に研磨できない。
クリーニングローラ(3)とトナー層厚規制ローラ(4)の速度差を切り替えることで、クリーニングローラ(3)に供給されるトナー量の増減に応じてトナー層の厚さを調節することができる。
つまり、クリーニングローラ(3)とトナー層厚規制ローラ(4)の速度差が変わることにより、クリーニングローラ(3)とトナー層厚規制ローラ(4)との当接部(ニップ部)の負荷が変化することとなり、余分なトナーが落とされてクリーニングローラ(3)のトナー層の厚さが調節される。従って、トナーを掻き落とすような部材(例えばスクレーパ)を使用する場合と比して、トナーが過剰に除去される虞がなく、印字率に影響されずにクリーニングローラ(3)に均一且つ適度な厚さのトナー層が形成される。また、夫々のローラの摩耗を低減することができる。
速度差を大きく(増加)すると規制力が強くなるため、クリーニングローラ(3)に形成されるトナー層厚を薄くすることができる。従って、感光体ドラム(2)からのトナー供給量が多い場合でも、トナー層厚が厚くなり過ぎることがない。また、速度差を小さく(減少)する又は速度差をなくすと規制力が弱くなるため、トナー層厚を厚くすることができる。従って、トナー供給量が少ない場合でも、トナー層厚が薄くなり過ぎることがない。
そうすることで、トナー層厚を規制する規制力が強くなるため、より効果的にトナー層の厚さを規制することができ、均一な厚さのトナー層を形成することができる。
非印字動作中にクリーニングローラ(3)及び/又はトナー層厚規制ローラ(4)の回転速度が切り替えられることにより、クリーニングローラ(3)に供給されるトナー量が多くなり過ぎることがなく、トナー層厚のムラの発生を防ぐことができる。また、印字動作中でないため画像ジッタの発生等、画像形成に影響を与える虞がない。
また、上記したように、感光体ドラム(2)の研磨を安定化させるために、トナー層厚規制ローラ(4)の回転速度が切り替えられる。
食い込み深さを上記の範囲に設定することで、過剰な負荷がかかることなくトナー層厚を調節することができる。
食い込み深さが0.1mm未満であると、クリーニングローラ(3)とトナー層厚規制ローラ(4)との摺擦が不十分となるため、クリーニングローラ(3)表面に形成されるトナー層の厚さを調節することができず、一方、0.6mmを超えると、クリーニングローラ(3)に付着しているトナーをトナー層厚規制ローラ(4)が強く押圧することとなり、クリーニングローラ(3)の駆動トルクや軸方向の撓みが大きくなるため、いずれの場合も好ましくない。
従って、金属、又は金属を弾性体で被覆したものが好適に用いられる。金属を使用すると、ローラの耐久性を向上させることができるとともに、摩耗の低減を図ることができる。また、金属を弾性体で被覆したものを使用すると、クリーニングローラ(3)との当接部においてニップ量を大きくとることができるため、より均一なトナー層を形成することができる。
トナー層厚規制ローラ(4)あるいは該ローラ(4)の心金に金属を使用することで、ローラの耐久性を向上させることができる。
研磨剤をトナーに含有させることで、感光体ドラム(2)表面をより効果的に研磨することができる。
図2に示す画像形成装置(10)は、タンデム方式のカラープリンタであるが、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリであってもよい。
本発明に係る画像形成装置(10)は、上記したクリーニング装置(1)を備えているものである。
画像形成処理部(27)は、上記各色の補給用トナーを収納するトナーコンテナ(30)と、トナー像を形成する感光体ドラム(2)と、感光体ドラム(2)にトナーを供給して現像処理を施す現像装置(12)と、感光体ドラム(2)に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト(14)を備えている。
帯電後の感光体ドラム(2)表面には、露光装置(図示略)により画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置(12)から供給されるトナーが静電的に付着することによってトナー像となる。
感光体ドラム(2)表面に形成されたトナー像は、転写装置(13)によって循環駆動する中間転写ベルト(14)に転写される。中間転写ベルト(14)に転写されたトナー像は、転写部(28)において用紙に転写像として転写される。
転写像が形成された用紙は、搬送経路(26)を通って定着部(29)に搬送され、転写像が用紙に定着された後に搬送経路(26)の終端である排紙部(31)からプリンタ本体(21)外へ排出される。
但し、本発明は下記実施例には限定されない。
本発明に係るクリーニング装置を画像形成装置(TASKalfa 500ci)に搭載し、印字後のクリーニングローラに形成されたトナー層の厚さを評価した。
クリーニングローラに発泡ウレタンゴム(外径15.5mm、心金12mm)、トナー層厚規制ローラにSUS304を発泡ウレタンゴムで被覆したもの(外径11mm、心金8mm)を用いた。トナーには酸化チタン(TiO2)を外添した。
尚、印字動作中のクリーニングローラとトナー層厚規制ローラの回転方向は、夫々のローラの当接部において同方向とし、回転速度は等速とした。
A4版の用紙(転写紙)に印字率2%で1万枚の連続印字を行った後にレーザー外径測定器を使用し、トナーが付着した状態のローラ外径と、トナーをエア除去した状態のローラ外径夫々を測定し、その差をトナー層の厚さとした。尚、トナー層の厚さはクリーニングローラの軸方向5箇所で測定し、トナー層厚のばらつきを求めた。
印字動作中は上記試験方法に示す通り、クリーニングローラとトナー層厚規制ローラの回転速度は等速とし、非印字動作時において表1に示す線速で夫々のローラを回転させた。速度差をつけたものを実施例1,2とし、印字動作、非印字動作ともに等速のまま回転させたものを比較例1,2とした。実施例1,2において、速度差をつけた後もトナー層厚規制ローラ及びクリーニングローラの回転方向は、当接部において同方向とした。
結果を表1に示す。
以上より、速度差をつけることで略均一且つ適度な厚さのトナー層を形成できることが確認された。
印字動作中は上記試験方法に示す通り、クリーニングローラとトナー層厚規制ローラの回転方向は当接部において同方向とし、非印字動作時においてトナー層厚規制ローラの回転方向を逆方向(図3参照)とし、且つ表2に示す速度比で夫々のローラを回転させた。
尚、感光体ドラムの回転速度は210mm/secで、クリーニングローラの回転速度は168mm/secとした。
結果を表2に示す。
2 感光体ドラム
3 クリーニングローラ
4 トナー層厚規制ローラ
5 クリーニングブレード
10 画像形成装置
Claims (8)
- 感光体ドラムに当接して配設されるクリーニングローラと、前記感光体ドラムの回転方向において前記クリーニングローラよりも下流側に前記感光体ドラムに当接して設けられ、該ドラム表面に付着するトナーを掻き取るクリーニングブレードと、前記クリーニングローラ表面に付着したトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材とを備えるクリーニング装置であって、
前記トナー層厚規制部材が前記クリーニングローラに当接して回転するトナー層厚規制ローラであり、
前記クリーニングローラの回転速度と前記トナー層厚規制ローラの回転速度の速度差が切り替え可能であり、
非印字動作時に前記トナー層厚規制ローラの回転速度が切り替えられることを特徴とするクリーニング装置。 - 前記トナー層厚規制ローラの回転速度が切り替え可能であることを特徴とする請求項1記載のクリーニング装置。
- 前記回転速度が、切り替え前後において回転方向が同方向となる正の速度に切り替えられ、
前記回転速度の切り替え後において、前記クリーニングローラと前記トナー層厚規制ローラの速度差が増加又は減少することを特徴とする請求項2記載のクリーニング装置。 - 前記回転速度が、切り替え前後において回転方向が逆方向となる負の速度に切り替えられることを特徴とする請求項2記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングローラに対する前記トナー層厚規制ローラの食い込み深さが0.1〜0.6mmであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のクリーニング装置。
- 前記トナー層厚規制ローラが、金属又は弾性体により被覆された金属からなることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のクリーニング装置。
- 前記速度差の切り替え前の前記トナー層厚規制ローラと前記クリーニングローラの回転方向が、夫々のローラの当接部において同方向であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニング装置。
- 請求項1乃至7いずれかに記載のクリーニング装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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