JP5259565B2 - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナー像は紙等の被転写体に転写されるが、トナーが完全に転写されずに感光体ドラム表面に残留したり、また、静電潜像形成の際に生成する放電生成物が感光体ドラム表面に付着したままとなる。このような残留トナーや放電生成物は、新たな画像形成の妨げとなり、良好な転写画像を得られない原因となる。そのため、画像形成装置には感光体ドラム表面の付着物(トナー、放電生成物等)を除去するためのクリーニング装置が備えられている。
クリーニング装置(a)には、感光体ドラム(b)表面の付着物を掻き取るクリーニングブレード(c)と、感光体ドラム(b)に当接して回転するクリーニングローラ(d)と、除去された付着物を回収する回収スクリュー(e)とが備えられている。
感光体ドラム(b)に当接するクリーニングローラ(d)は、トナーを除去する機能に加えて、トナーを保持してクリーニングローラ(d)表面にトナー層を形成し、感光体ドラム(b)表面を研磨する機能も有している。
しかしながら、従来のクリーニング装置(a)では、クリーニングローラ(d)に保持されるトナー量が一定ではないため、クリーニングローラ(d)表面に形成されるトナー層の厚さを均一にすることは困難であった。従って、上記した構成のクリーニング装置(a)では、安定的に感光体ドラムを研磨することはできなかった。
特許文献1の開示技術は、感光体ドラム表面に残留したトナーをクリーニングブレードにより掻き取り、掻き取ったトナーをクリーニングローラの下方に設けたトナー受け部材に貯留し、貯留されたトナーをクリーニングローラに保持させて感光体ドラム表面を研磨するものである。
クリーニングローラの下方にトナー受け部材を設けることによって、十分な量のトナーをクリーニングローラに供給し保持させることができ、研磨効果を高めることができる。
従って、特許文献1に記載の技術では、トナー量の増減によって研磨効果が変化するため、安定的な研磨が困難であった。
特許文献2の開示技術は、トナー受け部材に貯留されたトナーをクリーニングローラに保持させ、そのトナー量を調節するためにスクレーパを用いてトナーを掻き取るものである。
この特許文献2の開示技術を用いると、クリーニングローラに十分な量のトナーを供給できるとともに、トナーを掻き落としてトナー量を調節することができるため、クリーニングローラに保持されるトナー量が印字率に影響されず、研磨効果が変化しにくいものである。
更に、長期間に亘って使用することにより、スクレーパが部分的に摩耗して均一な研磨ができなくなるという問題があった。即ち、スクレーパが部分的に摩耗することでクリーニングローラ上のトナー量を調節することができなくなり、クリーニングローラのトナー層厚が厚くなる。そのため、感光体ドラム表面の研磨が過剰となるものであった。
また、スクレーパの磨耗部分以外が当接するトナー層は、摩耗部分に相当する箇所よりもトナー層が薄くなるため、クリーニングローラの感光体ドラムへの押し当て力は小さくなり研磨が十分にできないものであった。従って、特許文献2の開示技術を用いても、長期間に亘って安定的に感光体ドラムを研磨することは困難であった。
また、一般的なローラ材質である発泡ゴム等に比してローラが高い圧接力でクリーニングローラに当接されるため、均一な厚さのトナー層を形成することができる。従って、感光体ドラム表面を均一に研磨することが可能なクリーニング装置とすることができる。
加えて、金属ローラ及び該ローラが当接するクリーニングローラの両方にトナーが保持されており、表層がトナーに覆われたローラ同士の摺擦となるため、クリーニングローラの摩耗を低減することができる。更に、金属ローラが耐久性に優れるため、長期間の使用においても安定的にクリーニングローラのトナー層厚を調節して感光体ドラムの研磨を行うことができる。
また、前記金属ローラの外径が前記クリーニングローラの外径の整数倍でないことにより、クリーニングローラと金属ローラの接触箇所が同じではなくなり、クリーニングローラの周方向において均一な厚さのトナー層を形成することができる。
また、前記金属ローラ表面が合成樹脂により被覆されることにより、クリーニングローラに直接金属が接触することがなく、クリーニングローラの摩耗を確実に防ぐことができる。
図1は、本発明に係るクリーニング装置の概略断面図である。
クリーニング装置(1)は感光体ドラム(2)に対向して設けられており、感光体ドラム(2)に当接して回転するクリーニングローラ(3)と、クリーニングローラ(3)に当接して回転する金属ローラ(4)と、感光体ドラム(2)表面の付着物(トナー、放電生成物等)を掻き取るクリーニングブレード(5)と、感光体ドラム(2)から除去された付着物を回収する回収スクリュー(6)とを備えている。
尚、図1において、感光体ドラム(2)、クリーニングローラ(3)、金属ローラ(4)のローラ内部の矢印は回転方向を示している。
従って、金属ローラ(4)をクリーニングローラ(3)に当接して回転させることで、クリーニングローラ(3)に供給されるトナー量が変化してもクリーニングローラ(3)の周方向及び軸方向のいずれにおいても一定量のトナーを保持させることができ、且つ均一な厚さのトナー層を形成することができる。即ち、クリーニングローラ(3)、金属ローラ(4)ともにトナーを保持し、表層がトナーに覆われたローラ同士の摺擦となる。
従って、クリーニングローラ(3)の摩耗が低減され、長期間の使用においてもローラの摩耗劣化を防ぐことができる。
また、金属ローラ(4)は耐久性に優れるため、長期間の使用においても摩耗や劣化が生じにくく、安定的にクリーニングローラのトナー層厚を調節して感光体ドラム(2)を研磨することができる。
クリーニングローラ(3)に対する金属ローラ(4)の線速比(X)が0<X≦2の範囲から外れると相対的な線速差が大きくなりローラ同士の研磨力が大きくなるため、クリーニングローラ(3)の摩耗が大きくなる虞があり、好ましくない。
0.2mm未満であると、クリーニングローラ(3)と金属ローラ(4)との摺擦が不十分となるため、クリーニングローラ(3)表面に形成されるトナー層の厚さを調節することができず、一方、0.6mmを超えると、クリーニングローラ(3)に付着しているトナーを金属ローラ(4)が強く押圧することとなり、トナー層厚が薄くなりすぎるとともに、クリーニングローラ(3)の駆動トルクや軸方向の撓みが大きくなるため、いずれの場合も好ましくない。
金属ローラ(4)の外径がクリーニングローラ(3)の外径の整数倍でないことにより、回転の際に接触箇所が同じにならず、クリーニングローラ(3)の周方向においてトナー層の厚さのムラを防ぎ、トナー層厚を均一にすることができる。
金属ローラ(4)の外径がクリーニングローラ(3)の外径よりも小さいことにより、金属ローラ(4)の曲率半径が小さくなるのでローラ同士の接触面積が小さくなり、当接部(接触部分)における圧力がより高くなる。そのため、クリーニングローラ(3)が金属ローラ(4)の周面に沿うように変形して圧接することとなり、クリーニングローラ(3)の周方向及び軸方向の全体に亘って均一な厚さのトナー層を形成することが可能となる。
金属ローラ(4)とクリーニングローラ(3)の外径が同じ、あるいは金属ローラ(4)の外径がクリーニングローラ(3)の外径よりも大きいと、接触面積が大きくなるためクリーニングローラ(3)と金属ローラ(4)は圧接せず、クリーニングローラ(3)の全体に亘って均一なトナー層を形成することが困難となる。
5μm未満であると感光体ドラム(2)を十分に研磨することができず、一方、60μmを超えるとピンホール等の欠陥が生じ、またトナーが感光体ドラム(2)に再付着するため、いずれの場合も好ましくない。
研磨剤を添加すると、研磨剤を含んだトナーがクリーニングローラ(3)に保持されてトナー層を形成し、金属ローラ(4)によって均一な厚さに調節される。このクリーニングローラ(3)により感光体ドラム(2)表面が均一に研磨されることとなる。
金属ローラ(4)は円柱形状であって、回転軸(41)と回転軸(41)の周囲に設けられる金属(42)とから構成される。
金属の種類は特に限定されないが、ステンレス鋼(SUS)やアルミニウム(Al)が好適に使用される。
使用される合成樹脂は、摺擦により生じる摩擦熱で溶融しないものであれば特に限定されず、ポリエチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が好適に使用される。
被覆方法としては公知の方法が利用され、例えば、塗布、溶融樹脂への金属ローラ(4)の浸漬等が挙げられる。
本発明に係るクリーニング装置(1)を使用すると、アモルファスシリコンからなる最外層を備えた感光体ドラム(2)であっても安定的且つ十分に研磨を行うことができ、画像形成時に不良(画像流れやダッシュマーク等)を生じる虞がない。
図示例の画像形成装置はプリンタであるが、複写機やファクシミリであってもよい。
本発明に係る画像形成装置は、上記したクリーニング装置(1)を備えているものである。
これにより、画像形成部(19)は、感光体ドラム(2)が駆動手段(図示せず)によって所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、その表面が帯電装置(23)によって所定の極性・電位に均一に帯電される。
但し、本発明は下記実施例には限定されない。
本発明に係るクリーニング装置を画像形成装置(TASKalfa 500ci)に搭載し、印字後のクリーニングローラに形成されたトナー層の厚さを評価した。
図1に示す構成を備えたクリーニング装置を使用し、クリーニングローラに発泡ウレタンゴム(外径15.5mm、肉厚1.75mm)、クリーニングブレードに板状ウレタンゴム(厚さ2.2mm)を用い、感光体ドラムの最外層をアモルファスシリコンとし、トナーには酸化チタン(TiO2)を外添した。尚、金属ローラにはSUS(SUS304、外径8mm)を使用した。
また、感光体ドラムの線速を210mm/sec、クリーニングローラの線速を168mm/secとした。
クリーニングローラ及び金属ローラの回転方向は、当接部において同方向とし、A4版の用紙(転写紙)に印字率2%で1万枚の連続印字を行い、クリーニングローラの軸方向5箇所でトナー層の厚さを計測し、その平均値を算出した。
トナー層厚の測定にはレーザー外径測定器を使用し、トナーが付着した状態のローラ外径と、トナーをエア除去した状態のローラ外径夫々を測定し、その差をトナー層厚とした。
クリーニングローラに対する金属ローラの線速を0.5倍,1倍(従動),2倍に設定した。
結果を表1に示す。
また、速度差が小さいとトナー層厚は厚くなり、速度差が大きいとトナー層厚は薄くなることが確認された。このことから、クリーニングローラと金属ローラに速度差をつけて回転させることで、トナー層厚を調節することが可能であることが明らかとなった。
2 感光体ドラム
3 クリーニングローラ
4 金属ローラ
Claims (8)
- 感光体ドラムに当接して配設されるクリーニングローラと、該クリーニングローラ表面に付着したトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材を備えるクリーニング装置であって、
前記トナー層厚規制部材が前記クリーニングローラに当接して回転する金属ローラであって、
表層がトナーに覆われた前記金属ローラは、前記クリーニングローラの中心よりも鉛直方向下方において表層がトナーに覆われた前記クリーニングローラに当接しており、
前記金属ローラ表面が合成樹脂により被覆されており、
前記金属ローラの外径が前記クリーニングローラの外径の整数倍でない
ことを特徴とするクリーニング装置。 - 前記金属ローラと前記クリーニングローラの回転方向が当接部において同方向であることを特徴とする請求項1記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングローラに対する前記金属ローラの線速比(X)が0<X≦2であることを特徴とする請求項2記載のクリーニング装置。
- 前記クリーニングローラに対する前記金属ローラの食い込み深さが0.2〜0.6mmであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のクリーニング装置。
- 前記金属ローラの外径が前記クリーニングローラの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のクリーニング装置。
- 前記金属ローラ表面に凹凸加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のクリーニング装置。
- 前記感光体ドラムの最外層がアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のクリーニング装置。
- 請求項1乃至7いずれかに記載のクリーニング装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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