JP5265156B2 - タイヤ用モールド及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用モールド及びタイヤの製造方法に関する。
タイヤの成形・加硫工程では、予備成形で得られたグリーンタイヤ(Raw Coverとも称される。)が、モールドに投入される。このグリーンタイヤは、モールドとブラダーとに囲まれたキャビティにおいて、加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、グリーンタイヤのゴム組成物がキャビティ内を流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。成形・加硫工程に用いられるモールドは、割モールドとツーピースモールドとに大別される。
割モールドは、円弧状のトレッドセグメントを備えている。多数のトレッドセグメントが並べられることで、リング状のキャビティ面が形成される。成形・加硫工程において、この割モールドからタイヤが取り出されるとき、これらのトレッドセグメントは、半径方向外側に動かされて、トレッドから引き離される。この割モールドは、タイヤの取出が容易である。
この割モールドでは、セグメントの、隣接するセグメントに当接する面が分割面である。分割面とこの分割面に隣接する他の分割面との間に生じる微小な間隙が、パーティングラインである。このパーティングラインは、キャビティ面において上下方向に延在する。
図4は、従来のタイヤ用モールド2の一部が示された断面図である。この図4のモールド2は、ツーピースモールドである。この図4には、ブラダー4及び成形・加硫工程途中のグリーンタイヤ6も示されている。この図4の左右方向が、半径方向である。
このモールド2は、トレッドリング8、上型モールド10、下型モールド12、上ビードリング14、下ビードリング16、上クランプリング18、下クランプリング20及びモールドリング22を備えている。トレッドリング8は、上リング24と下リング26とからなる。このモールド2では、上リング24と下リング26とが組み合わされることにより、リング状のキャビティ面28が形成される。成形・加硫工程において、グリーンタイヤ6の、トレッドに相当する部分がこのキャビティ面28に当接することにより、タイヤのトレッド面が形成される。
上リング24は、下リング26と当接する分割面30を備えている。下リング26は、上リング24と当接する分割面32を備えている。上リング24の分割面30と下リング26の分割面32との間に生じる微少な隙間が、パーティングライン34である。このモールド2では、パーティングライン34は通常、タイヤの赤道面に相当する位置に設けられる。
上型モールド10は、リング状である。この上型モールド10は、上リング24が嵌め込まれる凹み36と、下型モールド12に当接する上保持部38とを備えている。この上保持部38には、下方に突出する凸部40が設けられている。この凸部40は、周方向に延在する。
下型モールド12は、リング状である。この下型モールド12は、下リング26が嵌め込まれる凹み42と、上型モールド10に当接する下保持部44とを備えている。この下保持部44には、上方に突出する凸部46が設けられている。この凸部46は、周方向に延在する。
図示されているように、このモールド2では、下保持部44の凸部46は半径方向において上保持部38の凸部40の内側に位置している。上型モールド10は、下型モールド12に対して半径方向にずれることはない。このため、この上型モールド10の凹み36に嵌め込まれる上リング24も、この下型モールド12の凹み42に嵌め込まれる下リング26に対して半径方向にずれることもない。このモールド2の、上保持部38及び下保持部44で構成される部分が、インロウである。図示されていないが、このモールド2には、このずれ防止の観点から、その外側面にドウエルも設けられる。
成形・加硫工程において、グリーンタイヤの一部がパーティングラインに挟まれるとタイヤにバリが発生する。このバリは、タイヤ性能に影響を与える。特開平8−216620号公報に、バリの発生が抑えられた空気入りタイヤが開示されている。
特開平8−216620号公報
成形・加硫工程において、グリーンタイヤのゴム組成物がパーティングラインに挟まれることにより、バリが形成される。前述したように、ツーピースモールドでは、キャビティ面に形成されるパーティングラインは、タイヤの赤道面に相当する位置にある。このため、このモールドで製造されたタイヤでは、バリが赤道面に沿って延在する。このタイヤを装着した車両が高速で走行されると、このタイヤに偏摩耗が発生する。この偏摩耗は、タイヤの耐久性、操縦安定性及びグリップ安定性に影響を与える。
前述したように、割モールドでは、パーティングラインはキャビティ面において上下方向に延在する。この割モールドで製造されたタイヤでは、バリがタイヤの軸方向に延在する。このタイヤでは、ツーピースモールドで製造されたタイヤに比して、偏摩耗の発生が抑制される。この割モールドは、偏摩耗の発生を抑制しうる。しかし、この割モールドは部品点数が多いので、この割モールドは高い製作コストを有する。この割モールドは、タイヤの生産コストに影響を与える。
本発明の目的は、製作コストが低く、偏摩耗の発生が抑制されたタイヤを製造しうるタイヤ用モールドの提供にある。
本発明に係るタイヤの製造方法は、
(1)予備成形によってグリーンタイヤが得られる工程、
(2)このグリーンタイヤの、タイヤのトレッドに相当する部分が当接しうるキャビティ面を有するトレッドリングを備えており、このトレッドリングが上リングと下リングとから構成されており、この上リングがこの下リングに当接する上接触部を備えており、この上接触部が半径方向に延在する多数の凸条を備えており、この下リングがこの上リングに当接する下接触部を備えており、この下接触部が半径方向に延在する多数の凸条を備えており、この上接触部の凸条とこの下接触部の凸条とが周方向に交互に配置されうるタイヤ用モールドに、このグリーンタイヤが投入される工程
及び
(3)このグリーンタイヤがこのモールド内で加圧及び加熱される工程
を含む。
好ましくは、この製造方法では、上記上リングの凸条の先端から上記下リングの凸条の先端までの上下方向距離A、上記キャビティ面の直径DC、上記トレッドリングの断面に含まれるこのキャビティ面の曲率半径R及び上記グリーンタイヤの外径DGが、下記数式(I)で示される関係を満たしうる。
DG < DC−2R+(4(R)−(A)1/2 (I)
好ましくは、この製造方法では、上記凸条は、周方向に対して傾斜する斜面を備えている。この斜面の傾斜角度は、30°以上60°以下である。
本発明に係るタイヤ用モールドは、グリーンタイヤの、トレッドに相当する部分が当接しうるキャビティ面を有するトレッドリングを備えている。このトレッドリングは、上リングと、下リングとから構成されている。この上リングが、この下リングに当接する上接触部を備えている。この上接触部は、半径方向に延在する多数の凸条を備えている。この下リングが、この上リングに当接する下接触部を備えている。この下接触部は、半径方向に延在する多数の凸条を備えている。この上接触部の凸条とこの下接触部の凸条とは、周方向に交互に配置されうる。
本発明に係るタイヤ用モールドでは、トレッドリングは上リングと下リングとから構成される。このモールドは、ツーピースモールドである。このモールドの部品点数は、多数のトレッドセグメントを有する割モールドの部品点数に比して少ない。このモールドの製作コストは低い。低い製作コストを有するモールドは、タイヤの生産コストに寄与しうる。この上リングの上接触部に設けられる凸条とこの下リングの下接触部に設けられる凸条とが周方向に交互に配置されるので、この上リングがこの下リングに対して半径方向にずれることはない。この上リングが、この下リングに対して周方向にずれることもない。このモールドには、このずれが防止されるために、インロウ及びドウエルのような部材が設けられる必要もない。このモールドで製造されたタイヤでは、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤは、耐久性、操縦安定性及びグリップ安定性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用モールド48の一部が示された断面図である。この図1には、ブラダー4及び成形・加硫工程途中のグリーンタイヤ6(Raw Coverとも称される。)も示されている。この図1の左右方向が、半径方向である。このモールド48は、ツーピースモールドである。このモールド48は、そのトレッド面に溝が設けられないタイヤの製造に、主として用いられる。このモールド48は、トレッドリング50、上型モールド52、下型モールド54、上ビードリング56、下ビードリング58、上クランプリング60、下クランプリング62及びモールドリング64を備えている。
トレッドリング50は、リング状である。このトレッドリング50は、OCR(One Casting Ring)とも称される。このトレッドリング50は、上リング66と、この上リング66の下側に位置する下リング68とから構成される。この図1において、一点鎖線CL1はこのトレッドリング50の中心線を表している。
上リング66は、リング状である。この上リング66は、上面70と、上接触部72とを備えている。この上面70は、半径方向において、この上リング66の内側に設けられている。この上面70は、周方向に延在している。上接触部72は、この上リング66の下側に設けられている。この上接触部72は、下リング68に当接する。
下リング68は、リング状である。この下リング68は、下面74と、下接触部76とを備えている。この下面74は、半径方向において、この下リング68の内側に設けられている。この下面74は、周方向に延在している。下接触部76は、この下リング68の上側に設けられている。この下接触部76は、上リング66に当接する。このモールド48では、この下リング68に上リング66が組み合わされると、上リング66の上面70と下リング68の下面74とからなるキャビティ面78が構成される。換言すれば、このモールド48では、トレッドリング50はリング状のキャビティ面78を有する。図示されているように、このキャビティ面78に、グリーンタイヤ6の、トレッドに相当する部分80が当接しうる。
上型モールド52は、リング状である。この上型モールド52は、凹み82と、上分割面84と、キャビティ面86とを備えている。凹み82は、上型モールド52の下側から上方に向かって延在している。この凹み82は、周方向に延在している。この凹み82に、トレッドリング50の上リング66が嵌め込まれる。上分割面84は、この上型モールド52の下側に位置している。この上分割面84は、下型モールド54に当接する。キャビティ面86は、周方向に延在する。図示されているように、このキャビティ面86に、グリーンタイヤ6の、一方のサイドウォールに相当する部分88aが当接しうる。
下型モールド54は、リング状である。この下型モールド54は、凹み90と、下分割面92と、キャビティ面94とを備えている。凹み90は、下型モールド54の上側から下方に向かって延在している。この凹み90は、周方向に延在している。この凹み90に、トレッドリング50の下リング68が嵌め込まれる。下分割面92は、この下型モールド54の上側に位置している。この下分割面92は、上型モールド52に当接する。キャビティ面94は、周方向に延在する。図示されているように、このキャビティ面94に、グリーンタイヤ6の、他方のサイドウォールに相当する部分88bが当接しうる。
上ビードリング56は、リング状である。この上ビードリング56は、上型モールド52の半径方向内側に位置している。この上ビードリング56は、キャビティ面96を備えている。このキャビティ面96に、グリーンタイヤ6の、一方のビードに相当する部分98aが当接しうる。
下ビードリング58は、リング状である。この下ビードリング58は、下型モールド54の半径方向内側に位置している。この下ビードリング58は、キャビティ面100を備えている。このキャビティ面100に、グリーンタイヤ6の、他方のビードに相当する部分98bが当接しうる。
モールドリング64は、上ビードリング56の半径方向内側に位置している。上クランプリング60は、上ビードリング56の半径方向内側に位置している。この上クランプリング60は、このモールドリング64の下側に位置している。この上クランプリング60とこのモールドリング64との間に、ブラダー4の一方の端が位置している。このモールド48では、このモールドリング64とこの上クランプリング60とにより、このブラダー4の一方の端がモールド48に固定される。
下クランプリング62は、下ビードリング58の上側に位置している。この下クランプリング62とこの下ビードリング58との間に、ブラダー4の他方の端が位置している。このモールド48では、この下クランプリング62とこの下ビードリング58とにより、このブラダー4の他方の端がモールド48に固定される。
図1に示されているように、このモールド48では、トレッドリング50のキャビティ面78、上型モールド52のキャビティ面86、上ビードリング56のキャビティ面96、下型モールド54のキャビティ面94及び下ビードリング58のキャビティ面100で構成される内面が、このモールド48のキャビティ面である。このモールド48のキャビティ面及びブラダー4の外面102で囲まれる空間が、キャビティである。
図2は、図1のトレッドリング50のキャビティ面78の一部が示された拡大側面図である。この図2には、上リング66と下リング68とが組み合わされている状態が示されている。この図2において、この紙面の表側がこのモールド48の中心の側であり、この紙面の裏側がこのモールド48の半径方向外側である。この図2の左右方向は、周方向である。図2中、一点鎖線CL2はこのキャビティ面78の中心線である。この中心線CL2は、タイヤのトレッドの赤道面に相当する。
上リング66の上接触部72は、多数の凸条104を備えている。これらの凸条104は、周方向に並べられている。図示されていないが、この凸条104は半径方向に延在している。この凸条104は、その先端106から裾広がりに上方に向かって延在する一対の斜面108を備えている。この凸条104の先端106は、丸めとされている。なお、上接触部72において、一の凸条104と、この一の凸条104に隣接する他の凸条104との間は、凹み110である。
下リング68の下接触部76は、多数の凸条112を備えている。これらの凸条112は、周方向に並べられている。図示されていないが、この凸条112は半径方向に延在している。この凸条112は、その先端114から裾広がりに下方に向かって延在する一対の斜面116を備えている。この凸条112の先端114は、丸めとされている。なお、下接触部76において、一の凸条112と、この一の凸条112に隣接する別の凸条112との間は、凹み118である。
前述したように、上リング66の上接触部72には、多数の、半径方向に延在する凸条104が周方向に並べられている。下リング68の下接触部76には、多数の、半径方向に延在する凸条112が周方向に並べられている。図示されているように、上接触部72の凸条104と下接触部76の凸条112とは、周方向に交互に配置されている。上接触部72の凸条104は、下接触部76の凹み118に嵌め込まれる。下接触部76の凸条112は、上接触部72の凹み110に嵌め込まれる。このモールド48では、この上リング66がこの下リング68に対して半径方向にずれることはない。この上リング66が、この下リング68に対して周方向にずれることもない。このモールド48には、このずれが防止されるために、インロウ及びドウエルのような別の部材を設ける必要はない。なお、このモールド48では、上リング66の下リング68に対する位置ずれ防止の観点から、この凸条104、112が上型モールド52の上分割面84及び下型モールド54の下分割面92にも設けられてもよい。モールド48の製作コストの観点から、この凸条104、112がこの上分割面84及びこの下分割面92に設けられなくてもよい。
このモールド48では、トレッドリング50のキャビティ面78において、上接触部72と下接触部76との間に形成される微少な隙間がパーティングライン120である。このモールド48でタイヤが製造されるとき、グリーンタイヤ6のゴム組成物がこのパーティングライン120に入り込むと、タイヤにバリが形成される。図2に示されているように、このパーティングライン120はジグザグ状を呈する。このため、このタイヤに形成されるバリもジグザグ状を呈する(図示されず)。このタイヤでは、従来のツーピースモールド2で製造されて赤道面に沿って延在するバリを有するタイヤに比して、偏摩耗の発生が抑制される。このモールド48で製造されたタイヤは、耐久性、グリップ安定性及び操縦安定性に優れる。
このモールド48の定常操業によってタイヤが製造されるときは、まず、予備成形により、グリーンタイヤ6が得られる。次に、このグリーンタイヤ6が、開かれたモールド48に投入される。投入のとき、ブラダー4は収縮している。投入により、ブラダー4はグリーンタイヤ6の内側に位置する。ブラダー4は、ガスの充填により膨張する。この膨張により、グリーンタイヤ6は変形する。この変形は、シェーピングと称されている。次に、モールド48が締められ、ブラダー4の内圧が高められる。グリーンタイヤ6は、モールド48のキャビティ面とブラダー4の外面102とに挟まれて、加圧される。グリーンタイヤ6は、モールド48及びブラダー4からの熱伝導により、加熱される。加圧と加熱とにより、グリーンタイヤ6のゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。
図2に示されているように、このモールド48では、上リング66の凸条104の先端106が丸めとされているので、この先端106と下リング68の凹み118との間には、隙間が形成される。このモールド48では、下リング68の凸条112の先端114が丸めとされているので、この先端114と上リング66の凹み110との間には、隙間が形成される。タイヤが製造されるとき、これらの隙間を通じてキャビティ内の気体が効果的に排出されうる。このモールド48では、タイヤのエア残り不良が効果的に防止されうる。このモールド48は、タイヤの品質向上に寄与しうる。
図3は、モールド48にグリーンタイヤ6が投入される状態が示された断面図である。この図3には、下型モールド54、トレッドリング50の下リング68及びグリーンタイヤ6が示されている。この図3に示されているモールド48は、開かれた状態にある。この図3の左右方向は半径方向である。この図3において、一点鎖線CL1はこのトレッドリング50の中心線である。点PAは、タイヤの赤道面に相当する位置である。この中心線CL1は、この点PAを通る。点PBは、下リング68に設けられる凸条112の先端114の、キャビティ面78上の位置を表している。二点差線LAは上リング66(図示されず)の凸条104の先端106を表す仮想線であり、点PCはこの先端106のキャビティ面78上の位置を表している。点PDは、グリーンタイヤ6の外径が最大となる位置を表している。
タイヤのトレッドは通常、半径方向外側に凸な形状を呈する。このため、トレッドリング50に設けられるキャビティ面78も、半径方向外側に凸な形状を呈する。点PBは、点PAよりも半径方向内側に位置している。このモールド48は、この点PBが点PDよりも半径方向外側に位置するように構成される。グリーンタイヤ6がモールド48に投入されるとき、キャビティ面78の、点PBから点PCまでの部分では、このグリーンタイヤ6が下リング68に接触することはない。このグリーンタイヤ6はこのモールド48に接触することなく投入される。このモールド48が用いられることにより、タイヤが安定に製造されうる。このモールド48で製造されたタイヤは、高品質である。
この図3において、両矢印線Aは上リング66の凸条104の先端106(点PCに相当)から下リング68の凸条112の先端114(点PBに相当)までの上下方向距離を表している。両矢印線DCは、点PAに基づいて得られるキャビティ面78の直径を表している。この直径DCは、このキャビティ面78の最大径である。両矢印線DRは、点PBに基づいて得られるこのキャビティ面78の直径を表している。矢印線Rは、この点PAにおけるこのキャビティ面78の曲率半径を表している。この曲率半径Rは、トレッドリング50の断面に含まれるキャビティ面78に基づいて決められる。両矢印線DGは、点PDに基づいて得られるグリーンタイヤ6の外径を表している。
このモールド48では、グリーンタイヤ6がモールド48に接触することなく投入されうるという観点から、上下方向距離A、キャビティ面78の外径DC、このキャビティ面78の曲率半径R及びグリーンタイヤ6の外径DGは、下記数式(I)で示される関係を満たしうる。換言すれば、この上下方向距離Aは、この数式(I)に基づいて決められる。この数式(I)の右辺が、直径DRである。このようにして決められた上下方向距離Aを有するモールド48では、直径DRが外径DGよりも大きいので、グリーンタイヤ6が、モールド48に接触することなく、投入されうる。このモールド48では、安定にタイヤが生産されうる。このモールド48で製造されたタイヤは、高品質である。
DG < DC−2R+(4(R)−(A)1/2 (I)
このモールド48では、上下方向距離Aは5mm以上60mm以下であるのが好ましい。この距離Aが5mm以上に設定されることにより、上リング66の、下リング68に対する位置ずれが効果的に防止されうる。この距離Aが(R)60mm以下に設定されることにより、タイヤに形成されるバリの、偏摩耗への影響が効果的に抑えられる。
図2に示されているように、上リング66の凸条104に設けられる斜面108は、周方向に延在する中心線CL2に対して傾斜している。この図2において、実線LBはこの上リング66に設けられる凸条104の一の斜面108の傾斜方向を表している。実線LCは、この凸条104の他の斜面108の傾斜方向を表している。角度αは、この実線LBがこの中心線CL2に対してなす角度である。この角度αは、この一の斜面108の傾斜角度である。角度βは、この実線LCがこの中心線CL2に対してなす角度である。この角度βは、この他の斜面108の傾斜角度である。
このモールド48では、製造されたタイヤの偏摩耗が抑制されるという観点から、角度αは30°以上が好ましく、35°以上がより好ましく、40°以上が特に好ましい。モールド製作コストの抑制及び凸条104の剛性維持の観点から、この角度αは60°以下が好ましく、55°以下がより好ましく、50°以下が特に好ましい。
このモールド48では、製造されたタイヤの偏摩耗が抑制されるという観点から、角度βは30°以上が好ましく、35°以上がより好ましく、40°以上が特に好ましい。モールド製作コストの抑制及び凸条104の剛性維持の観点から、この角度βは60°以下が好ましく、55°以下がより好ましく、50°以下が特に好ましい。この製造されたタイヤの偏摩耗がさらに効果的に抑制されるという観点から、この角度βは角度αと同一であるのが好ましい。
このモールド48では、不要なバリの発生及びタイヤの偏摩耗が抑制されるという観点から、上リング66に設けられる凸条104の斜面108に面する、下リング68に設けられる凸条112の斜面116の傾斜方向は、この上リング66の斜面108の傾斜方向と同一であるのが好ましい。この観点から、この下リング68の斜面116の傾斜角度も、30°以上が好ましく、35°以上がより好ましく、40°以上が特に好ましい。この傾斜角度は、60°以下が好ましく、55°以下がより好ましく、50°以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表2に示された仕様を備えた実施例1のタイヤ用モールドを用いて、空気入りタイヤ(サイズ=280/680R18)を製造した。このモールドのトレッドリングは、上リングと下リングとを備えている。この上リングに設けられる凸条及び、この下リングに設けられる凸条は、同一の形状を有する。この凸条の斜面の傾斜角度は、45°である。上リングの凸条の先端から下リングの凸条の先端までの上下方向距離Aは、20.0mmである。このトレッドリングのキャビティ面の最大径DCは、680.0mmである。このキャビティ面の赤道面に相当する位置での曲率半径Rは、1000.0mmである。この下リングに設けられる凸条の先端の、キャビティ面上の位置におけるキャビティ面の直径DRは、679.9mmである。このモールドに投入されるグリーンタイヤの外径DGは、673.0mmである。
[実施例5から8]
上下方向距離Aを下記表1及び表2の通りとした他は実施例1のタイヤの製造に用いたモールドと同一の構成を有するモールドを用いて、タイヤを製造した。
[実施例3及び4並びに9及び10]
凸条の斜面の傾斜角度を下記表1及び表2の通りとした他は実施例1のタイヤの製造に用いたモールドと同一の構成を有するモールドを用いて、タイヤを製造した。
[実施例2]
上下方向距離A及び凸条の斜面の傾斜角度を下記表1及び表2の通りとした他は実施例1のタイヤの製造に用いたモールドと同一の構成を有するモールドを用いて、タイヤを製造した。
[比較例1]
従来のタイヤ用モールドである。このモールドには、凸条は設けられていない。
[評価]
試作モールドで製造したタイヤを、排気量が3000ccである乗用車(FR車)に装着した。なお、このタイヤの内圧を200kPaとした。ホイールのサイズは、18×11Jである。この乗用車を、アスファルト製路面の上で、走行テストを行い、耐久性、操縦安定性及びグリップ安定性についてドライバーによる官能評価を行った。走行テスト後、タイヤの外観を観察して、偏摩耗の程度について調べた。この結果が、比較例1を100とした指数値で、下記の表1及び表2に示されている。点数が高いほど、良好であることが表されている。
Figure 0005265156
Figure 0005265156
表1及び表2に示されるように、実施例のタイヤ用モールドで製造されたタイヤは、比較例のモールドで製造されたタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、種々のタイヤ用モールドに適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用モールドの一部が示された断面図である。 図2は、図1のトレッドリングのキャビティ面の一部が示された拡大側面図である。 図3は、モールドにグリーンタイヤが投入される状態が示された断面図である。 図4は、従来のタイヤ用モールドの一部が示された断面図である。
符号の説明
2、48・・・モールド
4・・・ブラダー
6・・・グリーンタイヤ
8、50・・・トレッドリング
10、52・・・上型モールド
12、54・・・下型モールド
14、56・・・上ビードリング
16、58・・・下ビードリング
18、60・・・上クランプリング
20、62・・・下クランプリング
22、64・・・モールドリング
24、66・・・上リング
26、68・・・下リング
28、78、86、94、96、100・・・キャビティ面
30、32・・・分割面
34、120・・・パーティングライン
36、42、82、90・・・凹み
38・・・上保持部
40、46・・・凸部
44・・・下保持部
70・・・上面
72・・・上接触部
74・・・下面
76・・・下接触部
80・・・トレッドに相当する部分
84・・・上分割面
88a、88b・・・サイドウォールに相当する部分
92・・・下分割面
98a、98b・・・ビードに相当する部分
102・・・外面
104、112・・・凸条
106、114・・・先端
108、116・・・斜面
110、118・・・凹み

Claims (4)

  1. 予備成形によってグリーンタイヤが得られる工程、
    そのトレッド面に溝が設けられないタイヤの製造に用いられ、このグリーンタイヤの、上記タイヤのトレッドに相当する部分が当接しうるキャビティ面を有するトレッドリングを備えており、このトレッドリングの中心線がタイヤの赤道面に相当する位置を通り、このトレッドリングが上リングと下リングとから構成されており、この上リングがこの下リングに当接する上接触部を備えており、この上接触部が半径方向に延在する多数の凸条を備えており、この下リングがこの上リングに当接する下接触部を備えており、この下接触部が半径方向に延在する多数の凸条を備えており、この上接触部の凸条とこの下接触部の凸条とが周方向に交互に配置されうるタイヤ用モールドに、このグリーンタイヤが投入される工程
    及び
    このグリーンタイヤがこのモールド内で加圧及び加熱される工程
    を含んでおり、
    上記上リングの凸条の先端から上記下リングの凸条の先端までの上下方向距離Aが、5mm以上60mm以下であるタイヤの製造方法。
  2. 上記上リングの凸条の先端から上記下リングの凸条の先端までの上下方向距離A、上記キャビティ面の直径DC、上記トレッドリングの断面に含まれるこのキャビティ面の曲率半径R及び上記グリーンタイヤの外径DGが、下記数式(I)で示される関係を満たしうる請求項1に記載の製造方法。
    DG < DC−2R+(4(R)−(A)1/2 (I)
  3. 上記凸条が、周方向に対して傾斜する斜面を備えており、
    この斜面の傾斜角度が、30°以上60°以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. そのトレッド面に溝が設けられないタイヤの製造に用いられ、
    グリーンタイヤの、上記タイヤのトレッドに相当する部分が当接しうるキャビティ面を有するトレッドリングを備えており、
    このトレッドリングの中心線がこのタイヤの赤道面に相当する位置を通り、 このトレッドリングが、上リングと、下リングとから構成されており、
    この上リングが、この下リングに当接する上接触部を備えており、
    この上接触部が、半径方向に延在する多数の凸条を備えており、
    この下リングが、この上リングに当接する下接触部を備えており、
    この下接触部が、半径方向に延在する多数の凸条を備えており、
    この上リングの凸条とこの下リングの凸条とが、周方向に交互に配置され、
    この上リングの凸条の先端からこの下リングの凸条の先端までの上下方向距離Aが、5mm以上60mm以下であるタイヤ用モールド。
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