JP2017193077A - モールド - Google Patents

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戸田 善博
Yoshihiro Toda
善博 戸田
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Abstract

【課題】ビードヒール面の外観に優れたタイヤを成形しうるモールドの提供。【解決手段】モールドのビードリングは、内リング18と、中リング20と、外リング22とを備えている。内リング18と中リング20との間に、周方向に延びる内周方向溝24と、この内周方向溝24からヒール成形面20aまで延びて内リング18と中リング20との間の隙間を形成する内スリット溝とが形成されている。中リング20と外リング22との間に周方向に延びる外周方向溝32と、この外周方向溝32からヒール成形面20aまで延びて中リング20と外リング22との間の隙間を形成する外スリット溝とが形成されている。中リング20が周方向に3以上のリング片30が並べられて形成されている。ヒール成形面20aにおいて周方向に隣合うリング片30の間に隙間52が形成されている。この隙間52は、内周方向溝24及び外周方向溝32に連通している【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤの加硫成形に用いるモールドに関する。
タイヤは、モールドで加硫成形される。このモールドは、トレッド部を成形するトレッド成形部と、サイドウォール部を成形するサイドウォール成形部と、ビード部を成形するビード成形部とを備えている。このビード成形部が成形するビード部の表面は、リムのシート面に当接するビード底面と、リムのフランジに当接するビード外側面と、このビード底面とビード外側面との間のビードヒール面とを含んでいる。
ビード底面は半径方向内向きの面である。ビード外側面は軸方向外向きの面である。このビードヒール面はビード底面とビード外側面との間で屈曲している。加硫成形時に、このビードヒール面に先だって、ビード底面とビード外側面とがキャビティ面に接触し易い。このため、ビードヒール面とキャビティ面との間に、特にエアー溜まりが生じ易い。従って、ビードヒール面には、ベアが生じ易い。
特開2012−161939号公報には、タイヤの成形用モールドが開示されている。このモールドは、ビード成形部として、ビードリングを備えている。このビードリングが軸方向に2以上のリングに分割されている。軸方向に隣合うリングに隙間が形成されている。ビードヒール面とキャビティ面との間のエアーは、この隙間から排出される。このモールドは、従来のモールドに比べて、ビードヒール面のベアの発生が低減されている。
特開2012−161939号公報
特開2012−161939号公報のモールドは、このエアー溜まりの発生を低減している。しかしながら、このビードヒール面は、タイヤの表面の中でも特にエアー溜まりが生じ易い。このモールドにおいても、ビードヒール面とキャビティ面との間のエアーの排出性を、更に改善することが求められている。
本発明の目的は、ビードヒール面の外観に優れたタイヤを成形しうるモールドの提供にある。
本発明に係るタイヤ成形用モールドは、タイヤのビード部を成形するビードリングを備えている。上記ビードリングは、ビード底面を成形するビード底成形面と、ビードヒール面を成形するヒール成形面と、ビード部の軸方向外側面を成形する外側成形面とを備えている。上記ビードリングは、軸方向において、内側の内リングと、外側の外リングと、内リングと外リングとの間の中リングとを備えている。上記内リングと上記中リングとの間に、周方向に延びる内周方向溝と、この内周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記内リングと上記中リングとの間の隙間を形成する内スリット溝とが形成されている。上記中リングと上記外リングとの間に、周方向に延びる外周方向溝と、この外周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記中リングと上記外リングとの間の隙間を形成する外スリット溝とが形成されている。上記中リングは、周方向に3以上のリング片が並べられて形成されている。上記ヒール成形面において、周方向に隣合うリング片の間に隙間が形成されている。このヒール成形面の隙間は、上記内周方向溝及び上記外周方向溝に連通している。
好ましくは、上記中リングは、周方向において5以下に分割されている。
好ましくは、上記スリット溝が形成する上記隙間の幅及び深さは、0.02mm以上0.08mm以下である。
好ましくは、上記内スリット溝の数と上記外スリット溝の数との合計は、700以上800以下である。
好ましくは、上記内リング及び上記外リングの線膨張係数は、上記中リングの線膨張係数より大きい。
本発明に係るタイヤの製造方法は、モールドにローカバーが投入される工程と、
上記モールド内で上記ローカバーが加圧及び加熱されてタイヤが得られる工程とを備えている。
上記モールドは、タイヤのビード部を成形するビードリングを備えている。上記ビードリングは、ビード底面を成形するビード底成形面と、ビードヒール面を成形するヒール成形面と、ビード部の軸方向外側面を成形する外側成形面とを備えている。上記ビードリングは、軸方向において、内側の内リングと、外側の外リングと、内リングと外リングとの間の中リングとを備えている。上記内リングと上記中リングとの間に、周方向に延びる内周方向溝と、この内周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記内リングと上記中リングとの間の隙間を形成する内スリット溝とが形成されている。上記中リングと上記外リングとの間に、周方向に延びる外周方向溝と、この外周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記中リングと上記外リングとの間の隙間を形成する外スリット溝とが形成されている。上記中リングは、周方向に3以上のリング片が並べられて形成されている。上記ヒール成形面において、周方向に隣合うリング片の間に隙間が形成されている。このヒール形成面の隙間は、上記内周方向溝及び上記外周方向溝に連通している。
このモールドでは、内リングと中リングとの間の隙間と、中リングと外リングとの間の隙間とがビードヒール面の周方向に並べて形成されている。更に、中リングが周方向に分割されてビードヒール面の軸方向に隙間が形成されている。このモールドは、周方向に配置された隙間に加えて、軸方向に延びる隙間を備えているので、ビードヒール面のエアー排出性に特に優れている。このモールドは、ビードヒール面の外観に優れたタイヤを成形しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用モールドが示された断面図である。 図2は、図1のビードリングの一部が示された斜視図である。 図3は、図2のビードリングの一部拡大図である。 図4は、図1のビードリングの周方向に垂直な断面図である。 図5は、図1のビードリングの他の部分拡大説明図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ用モールドが示された断面図である。 図7は、図6のビードリングの内リングの部分拡大説明図である。 図8は、図6のビードリングの中リングの部分拡大説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図示されないが、空気入りタイヤは、トレッド部、一対のサイドウォール部、一対のビード部を備えている。トレッド部は、半径方向外側に位置して路面と接地するトレッド面を形成する。それぞれのサイドウォール部は、トレッド部の軸方向端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのビード部は、サイドウォール部の半径方向略内側に位置している。ビード部は、タイヤがリムに組み込まれると、リムと当接する。
このビード部は、リムのシート面に当接するビード底面と、リムのフランジに当接する軸方向外側面と、このビード底面と軸方向外側面との間のビードヒール面とを備えている。ビード底面は半径方向内向きに面している。軸方向外側面は軸方向外向きに面している。このビードヒール面はビード底面とビード外側面との間で屈曲している。
図1には、モールド2が示されている。図示されないが、加硫成形機は、このモールド2を備えている。このモールド2は、中子4、トレッドリング6、一対のサイドプレート8、及び一対のビードリング10を備えている。図1に示される様に、モールド2は、中子4、トレッドリング6、一対のサイドプレート8、及び一対のビードリング10によって、キャビティ12を形成している。図1の上下方向はモールド2の軸方向であり、左右方向はモールド2の半径方向であり、紙面に垂直な方向はモールド2の周方向である。
中子4は、タイヤの内腔面を成形する。中子4は、中子本体14及びアタッチメントピース16を備えている。アタッチメントピース16は、中子本体14の半径方向内側に位置している。アタッチメントピース16は、リング状の形状を備えている。アタッチメントピース16は、ビード部の内腔面を成形する。
中子本体14は、タイヤ周方向に分割された多数の中子セグメントからなっている。この中子セグメントが周方向に並べられて、周方向に連続したリング形状が形成されている。図示されないが、加硫成形機は、ヒータを備えている。このヒータは、中子4の内側に配置される。このヒータは、モールド2を加熱する。
トレッドリング6は、タイヤのトレッド面を成形する。このトレッドリング6は、リング状の形状を備えている。このトレッドリング6は、タイヤのトレッド面を成形する。このトレッドリングは、半径方向に拡縮可能にされている。それぞれのサイドプレート8は、サイドウォール部の軸方向外面を成形する。サイドプレート8は、リング状の形状を備えている。サイドプレート8は軸方向に移動可能にされている。
それぞれのビードリング10は、ビード部の軸方向外側面と、半径方向内側の底面と、この軸方向外側面と底面との間のビードヒール面とを成形する。このビードリング10は、内リング18、中リング20及び外リング22に分割されている。ビードリング10は、内リング18の外側に中リング20が重ね合わされ、中リング20の外側に外リング22が重ね合わされて、形成されている。
図3及び図4に示される様に、内リング18は、ビード底成形面18a、内傾斜面18b、内外面18c及び内底面18dを備えている。ビード底成形面18aは、ビード部の底面とビートヒール面の一部とを成形するキャビティ面を構成する。内傾斜面18bは、ビード底成形面18aの軸方向外端に連続している。内傾斜面18bは、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。内外面18cは、内傾斜面18bの軸方向外端に連続している。内外面18cは、軸方向外向きに面している。内底面18dは、内外面18cの半径方向内端に連続している。内底面18dは、半径方向内向きに面している。ビード底成形面18a、内傾斜面18b、内外面18c及び内底面18dは、周方向に延在している。
内リング18の内外面18cには、内周方向溝24が形成されている。内周方向溝24は、内外面18cの半径方向外側に、周方向に一周して形成されている。内周方向溝24は、半径方向において、内傾斜面18bの軸方向外端まで形成されている。
内傾斜面18bに、多数のスリット溝26が形成されている。それぞれのスリット溝26は、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。このスリット溝26は、内傾斜面18bに沿って延びている。多数のスリット溝26は、内傾斜面18bに、周方向に一様に所定の間隔で並べられて形成されている。
内外面18cには、複数のネジ孔28aが形成されている。複数のネジ孔28aが周方向に所定の間隔を空けて形成されている。このモールド2では、周方向に90度間隔で4箇所のネジ孔28aが形成されている。それぞれのネジ孔28aは、軸方向を軸線にして形成されている。このネジ孔28aには、図示されないが、雌ネジが形成されている。
中リング20は、複数のリング片30からなっている。複数のリング片30が周方向に並べられて、中リング20が形成されている。図2では、3つのリング片30が周方向に並べられている。このモールド2は、4つのリング片30からなっている。
それぞれのリング片30は、ヒール成形面20a、中傾斜面20b、中外面20c、内底面20d、中底受面20e及び中内面20fを備えている。ヒール成形面20aは、ビートヒール面の一部を成形するキャビティ面を構成する。中傾斜面20bは、ヒール成形面20aの軸方向外端に連続している。中傾斜面20bは、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。中外面20cは、中傾斜面20bの軸方向外端に連続している。中外面20cは、軸方向外向きに面している。中底面20dは、中外面20cの半径方向内端に連続している。中底面20dは、半径方向内向きに面している。中内面20fは、ヒール成形面20aの軸方向内端に連続している。中内面20fは、軸方向内向きに面している。中底受面20eは、中内面20fの軸方向内端に連続している。中底受面20eは、半径方向外向きに面している。ヒール成形面20a、中傾斜面20b、中外面20c、内底面20d、中底受面20e及び中内面20fは、周方向に延在している。
リング片30の中外面20cには、中周方向溝32が形成されている。中周方向溝32は、中外面20cの半径方向外側に、周方向に一周して延在している。中周方向溝32は、半径方向において、中傾斜面20bの軸方向外端まで形成されている。
中傾斜面20bに、多数のスリット溝34が形成されている。それぞれのスリット溝34は、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。このスリット溝34は、中傾斜面20bに沿って延びている。多数のスリット溝34は、中傾斜面20bに、周方向に一様に所定の間隔で並べられて形成されている。
中外面20cに、複数のネジ孔28bが形成されている。複数のネジ孔28bが周方向に所定の間隔を空けて形成されている。このモールド2では、周方向に90度間隔で4箇所のネジ孔28bが形成されている。それぞれのネジ孔28bは、軸方向を軸線にして形成されている。このネジ孔28bは、中外面20cから中内面20fまで貫通している。
中周方向溝32に、複数の貫通孔36が形成されている。複数の貫通孔36が周方向に所定の間隔を空けて形成されている。それぞれの貫通孔36は、中周方向溝32から中内面20fまでの貫通している。
外リング22は、外側成形面22a、外傾斜面22b、外外面22c、外底受面22d及び外内面22eを備えている。外側成形面22aは、ビード部の軸方向外側面とビートヒール面の一部とを成形するキャビティ面を構成する。外傾斜面22bは、外側成形面22aの軸方向外端に連続している。外傾斜面22bは、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。外外面22cは、外傾斜面22bの軸方向外端に連続している。外外面22cは、軸方向外向きに面している。外内面22eは、外側成形面22aの軸方向内端に連続している。外内面22eは、軸方向内向きに面している。外底受面22dは、外内面22eの軸方向内端に連続している。外底受面22dは、半径方向外向きに面している。この外側成形面22a、外傾斜面22b、外外面22c、外底受面22d及び外内面22eは、周方向に延在している。
外傾斜面22bには、外周方向溝38が形成されている。外周方向溝38は、外傾斜面22bの軸方向略中央に形成されている。外周方向溝38は、周方向に延在している。外傾斜面22bには、多数のスリット溝40が形成されている。それぞれのスリット溝40は、軸方向外側に向かって半径方向外側から内側向きに傾斜して延びている。スリット溝40は、
外側成形面22aと外周方向溝38とに連通している。このスリット溝40は、外傾斜面22bに沿って延びている。多数のスリット溝40は、外傾斜面22bに、周方向に一様に所定の間隔で並べられて形成されている。
外外面22cに、複数のネジ孔28cが形成されている。複数のネジ孔28cが周方向に所定の間隔を空けて形成されている。このモールド2では、周方向に90度間隔で4箇所のネジ孔28cが形成されている。それぞれのネジ孔28cは、軸方向を軸線にして形成されている。このネジ孔28cは、外外面22cから外内面22eまで貫通している。
外周方向溝38は、外外面22cまでの延びる補助溝42を備えている。補助溝42は、外周方向溝38から外傾斜面22bの軸方向外向きに延びており、更に、外外面22cの半径方向内向きに延びている。複数の貫通孔44が形成されている。複数の貫通孔44が周方向に所定の間隔を空けて形成されている。それぞれの貫通孔44は、補助溝42から外内面22eまでの貫通している。言い換えると、貫通孔44は、外周方向溝38から外内面22eまで連通させている。
図4に示される様に、内リング18の内外面18cと中リング20(リング片30)の中内面20fとが重ね合わされている。内リング18の内底面18dと中リング20の中底受面20eとが重ね合わされている。この様にして、中リング18の外側に、中リング20が重ね合わされている。同様に、中リング20(リング片30)の中外面20cと外リング22の外内面22eとが重ね合わされている。中リング20の中底面20dと外リング22の外底受面22dとが重ね合わされている。この様にして、中リング20の外側に外リング22が重ね合わされている。
図4では、図示されないが、ボルトがネジ孔28c、28b及び28aに挿入されている。ボルトの雄ネジがネジ孔28aの雌ネジにねじ込まれている。この様にして、内リング18と、中リング20(複数のリング片30)と、外リング22とは一体にされている。この内リング18、中リング20及び外リング22とが、ビードリング10を構成している。
図4に示される様に、スリット溝26は、内外面18cと中内面20fとの間に隙間46を形成している。この隙間46は、ビード底成形面18a及びヒール成形面20aと内周方向溝24とを連通している。スリット溝34は、中外面20cと外内面22eとの間に隙間48を形成している。この隙間48は、ヒール成形面20a及び外側成形面22aと中周方向溝32とを連通している。スリット溝42は、外傾斜面22bと図示されないサイドプレートとの間に隙間50を形成している。この隙間50は、外側成形面22aと外周方向溝38とを連通している。内周方向溝24と中周方向溝32とは、貫通孔36で連通している。中周方向溝32と外周方向溝(補助溝42)とは貫通孔44で連通している。
図3の両矢印gは、スリット溝26の幅を表している。この幅gは、半径方向に直交する方向の直線距離として測定される。この幅gは、隙間46の幅を表している。このモールド2では、隙間48及び隙間50の幅gも、隙間46の幅gと同様にされている。図4の両矢印hは、隙間46及び48の深さを表している。深さhは、周方向に垂直な断面において測定される。両矢印tは、内周方向溝24及び中内周溝32の深さを表している。深さtは、内外面18c及び中外面20cに垂直な方向に、測定される。両矢印dは、貫通孔36及び44の直径を表している。
図5には、中リング20の周方向に隣合うリング片30の一部が示されている。図5では、中リング20を軸方向に外側から内向きに見ている。リング片30とリング片30との間には、隙間52が形成されている。図5の両矢印wは、この隙間52の幅を表している。図示されないが、この隙間52は、ヒール成形面20aにおいて、周方向の並ぶ隙間46から隙間48まで延びている。
このモールド2を用いたタイヤの製造方法は、モールド2が準備される準備工程と、このモールド2にローカバーが投入される投入工程と、このローカバーがモールド2内で加圧及び加熱されてタイヤが得られる加硫工程とを備えている。
加硫工程では、ビード部のビードヒール面とヒール形成面との間のエアーは、隙間46、48及び52を通ってモールド2の外に排出される。このモールド2は、ヒール成形面でのエアーの排出性に優れている。
このモールド2では、内リング18の内傾斜面18bと中リング20の中内面20fとの間に、隙間46が形成されている。この隙間46は、ビード底成形面18aとヒール成形面20aとの間で、周方向に所定の間隔で形成されている。隙間46は、周方向に所定の間隔で形成されている。中リング20の中傾斜面20bと外リング22の外内面22eとの間に、この隙間46と同様に、隙間48が形成されている。この隙間46と隙間48とによって、ビードヒール面とヒール成形面20aとの間のエアーが排出される。このモールド2は、ヒール成形面20aにおける、エアーの排出性に優れている。
更に、このモールド2では、周方向の並べられたリング片30の分割面に、隙間52が形成されている。この隙間52は、隙間46と隙間50との間の、ヒール成形面20aに形成されている。曲率半径が小さいビール成形面20aは、特にエアー残りを生じ易い。この隙間52は、特にタイヤのビートヒール面とヒール成形面20aとの間のエアーの排出性を向上している。
この中リング20のリング片30が多いモールド2では、形成される隙間52の数が多くなる。ビートヒール面とヒール成形面20aとの間のエアーの排出性を向上させる観点から、この中リング20は、3以上のリング片30に分割されている。
この中リング20のリング片30が少ないモールド2では、ビードリング10の組立作業が容易にされる。このモールド2は、ビードリング10の強度に優れている。これらの観点から、好ましくは、中リング20は、5以下のリング片30に分割されている。
隙間46及び48の幅gや深さhが小さいモールド2は、エアーの排出性に劣る。エアーの排出性を向上する観点から、この幅g及び深さhは、好ましくは0.02mm以上であり、更に好ましくは0.04mm以上ある。一方で、この幅g及び深さhが大きいモールド2では、隙間46及び48にゴムが入り込み易い。このモールド2では、スピューが生じ易い。スピューの発生を抑制する観点から、この幅g及び深さhは、好ましくは0.08mm以下であり、更に好ましくは0.06mm以下である。
隙間46及び48の数が多いモールド2は、ヒール成形面20aにおけるエアーの排出性に優れる。この観点から、モールド2において、隙間46及び48の総数は、好ましくは700以上である。言い換えると、スリット溝26及び34の総数は、好ましくは700以上である。一方で、隙間46及び48の数が少ないモールド2は、スピューの発生を抑制しうる。この観点から、モールド2において、隙間46及び48の総数は、好ましくは800以下である。言い換えると、中リング20の分割面に位置するスリット溝26及び34の総数は、好ましくは800以下である。
モールド2では、隙間52からのエアーの排出性を確保する観点から、外リング22の線膨張係数は、内リング20を構成するリング片30の線膨張係数より大きいことが好ましい。例えば、リング片30がステンレス鋼からなっており、外リング22が鉄鋼からなっている。
このモールド2では、内周方向溝24及びスリット溝26は、内リング18に形成されたが、内周方向溝24及びスリット溝26は、中リング20(リング片30)の中内面20fに形成されてもよい。同様に、中周方向溝32及びスリット溝34は、外リング22の外内面22eに形成されてもよい。
図6から図8には、本発明に係る他の実施形態にかかるモールド54の一部が示されている。モールド54について、モールド2と異なる構成について説明がされる。このモールド54について、モールド2と同様の構成の説明は省略される。
このモールド54は、モール2の内リング18及び中リング20に代えて、内リング56及び中リング58を備えている。その他の構成は、モールド2と同様にされている。このモールド54の説明において、モールド2と同様の構成についてはモールド2と同様の符号を用いて説明がされる。
図6及び図7に示される様に、内リング56は、ビード底成形面56a、内傾斜面56b、内外面56c及び内底面56dを備えている。内リング56は、内径方向溝60を備えている。この内径方向溝60は、内外面56c及び内底面56dに形成されている。内径方向溝60は、内外面56cに沿って略径方向に延びている。内径方向溝60は、内底面56dに沿って略軸方向に延びている。この内径方向溝60は、内周方向溝24に連通している。
図6及び図8に示される様に、中リング58は、ヒール成形面58a、中傾斜面58b、中外面58c、内底面58d、中底受面58e及び中内面58fを備えている。図示されないが、この中リング58も、中リング20と同様に、リング片62に分割されている。この中リング58は、外径方向溝64及び連通溝66が形成されている。
外径方向溝64は、中外面58c及び中底面58dに形成されている。外径方向溝64は、中外面58cに沿って略径方向の延びている。中径方向溝64は、中底面58dに沿って略軸方向に延びている。この外径方向溝64は、中周方向溝32に連通している。連通溝66は、径方向に延びている。図6に示される様に、連通溝66は、内径方向溝60と外径方向溝64とを連通している。
図6の両矢印h2は、内径方向溝60及び外径方向溝64の深さを表している。図7の両矢印w2は、内径方向溝60の幅を表している。図8の両矢印w2は、外径方向溝64の幅を表している。
このモールド54では、内リング56と中リング58との間に半径方向に延びる内径方向溝60が形成されている。中リング58と外リング22との間に半径方向に延びる外径方向溝64が形成されている。中リング58に内径方向溝60と外径方向溝64とを連通する連通溝66が形成されている。内径方向溝60と内周方向溝24とが連通している。外径方向溝64と中周方向溝32とが連通している。このモールド54では、内周方向溝24と中周方向溝32とが、内径方向溝60、外形方向溝64及び連通溝66によって、連通されている。貫通孔36及び貫通孔44とから周方向に大きく離れることで、隙間46及び隙間48とからのエアーの排出性が低下し易い。このモールド54では、貫通孔36及び貫通孔44とか、離れた位置において、エアーの排出性が低下することを抑制している。このモールド2は、エアーの排出性が低下することが抑制されている。
エアーの排出性の観点から、幅w2は、好ましくは2.0mm以上であり、更に好ましくは2.5mm以上である。一方で、この幅w2は、好ましくは4.0mm以下であり、更に好ましくは3.5mm以下である。同様に、深さh2は、好ましくは、0.8mm以上であり、更に好ましくは1.0mm以上である。一方で、この深さh2は、好ましくは2.0mm以下である。
内径方向溝60は、内外面56cに形成されたが、中リング58の中内面20fに形成されてもよい。外径方向溝64は、中外面58cに形成されたが、外リング22の中内面20fに形成されてもよい。
ここでは、ローカバーを架橋して、タイヤを成形することを加硫と称している。この加硫は、架橋剤及び架橋促進剤を混ぜたゴム組成物を、加圧及び加熱して架橋する意味で使用されている。この加硫には、硫黄でゴム分子を架橋することの他、硫黄以外の他の架橋剤でゴム分子を架橋することが含まれる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1から5に示されたモールドを準備した。このモールドを用いてタイヤが加硫成形された。このタイヤサイズは、「195/65R15 91H EC300+」であった。
[比較例1]
従来のモールドが準備された。このモールドは、ビードリングの中リングが周方向に分割されていない他は、実施例1のモールドと同様の構成を備えていた。このモールドを用いてタイヤが加硫成形された。
[比較例2及び実施例2−3]
中リングの周方向の分割数が表1に示される様にされた他は、実施例1のモールドと同様のモールドが準備された。これらのモールドを用いて、タイヤが加硫成形された。
[実施例4−6]
内リングと中リングとの間と、中リングと外リングとの間とに形成された隙間の数が表2に示される様にされた他は、実施例1のモールドと同様のモールドが準備された。これらのモールドを用いて、タイヤが加硫成形された。
[作業性]
作業者が、加硫成形機にモールドを取り付けた後に、取り外した。この作業の手間が評価された。比較例1のモールドの評価が基準値3とされて、それぞれのモールドの評価が相対的に行われた。その結果が表に示されている。この評価結果は、数値が大きいほど、作業性に優れている。数値が大きいほど、好ましい。
[外観]
それぞれのモールドで加硫成形されたタイヤの外観が評価された。この評価では、特に、ビードヒールに、ベアーやスピューが発生しているか否かが検査された。比較例1のモールドの評価が2とされて、それぞれのモールドの評価が相対的に行われた。その結果が表に示されている。この評価結果は、数値が大きいほど、外観に優れている。数値が大きいほど、好ましい。特に、この数値の「5」は、ビードヒールにベアやスピューが確認されなかったことを表している。
Figure 2017193077
Figure 2017193077
表1及び2に示されるように、実施例のモールドでは、比較例のモールドに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたモールドは、中子を備えていたが、中子を粗なるモールドに限られない。例えば、ブラダーを備えるコンテナモールドやツーピースモールド等、タイヤを加硫成形するモールドに、本発明は広く適用されうる。
2、54・・・モールド
6・・・トレッドリング
8・・・サイドプレート
10・・・ビードリング
12・・・キャビティ
18、56・・・内リング
20、58・・・中リング
22・・・外リング
24・・・内周方向溝
26・・・スリット溝
30、62・・・リング片
32・・・中周方向溝
34・・・スリット溝
46、48、52・・・隙間
60・・・内形方向溝

Claims (6)

  1. タイヤのビード部を成形するビードリングを備えており、
    上記ビードリングが、ビード底面を成形するビード底成形面と、ビードヒール面を成形するヒール成形面と、ビード部の軸方向外側面を成形する外側成形面とを備えており、
    上記ビードリングが、軸方向において、内側の内リングと、外側の外リングと、内リングと外リングとの間の中リングとを備えており、
    上記内リングと上記中リングとの間に、周方向に延びる内周方向溝と、この内周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記内リングと上記中リングとの間の隙間を形成する内スリット溝とが形成されており、
    上記中リングと上記外リングとの間に、周方向に延びる外周方向溝と、この外周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記中リングと上記外リングとの間の隙間を形成する外スリット溝とが形成されており、
    上記中リングが周方向に3以上のリング片が並べられて形成されており、上記ヒール成形面において周方向に隣合うリング片の間に隙間が形成されており、この隙間が上記内周方向溝及び上記外周方向溝に連通している、タイヤの成形用モールド。
  2. 上記中リングが周方向において5以下に分割されている請求項1に記載のモールド。
  3. 上記スリット溝が形成する上記隙間の幅及び深さが0.02mm以上0.08mm以下である請求項1又は2に記載のモールド。
  4. 上記内スリット溝の数と、上記外スリット溝の数との合計が700以上800以下である請求項1から3のいずれかに記載のモールド。
  5. 上記内リング及び上記外リングの線膨張係数が、上記中リングの線膨張係数より大きい請求項1から4のいずれかに記載のモールド。
  6. モールドにローカバーが投入される工程と、
    上記モールド内で上記ローカバーが加圧及び加熱されてタイヤが得られる工程とを備えており、
    上記モールドが、タイヤのビード部を成形するビードリングを備えており、
    上記ビードリングが、ビード底面を成形するビード底成形面と、ビードヒール面を成形するヒール成形面と、ビード部の軸方向外側面を成形する外側成形面とを備えており、
    上記ビードリングが、軸方向において、内側の内リングと、外側の外リングと、内リングと外リングとの間の中リングとを備えており、
    上記内リングと上記中リングとの間に周方向に延びる内周方向溝と、この内周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記内リングと上記中リングとの間の隙間を形成する内スリット溝とが形成されており、
    上記中リングと上記外リングとの間に周方向に延びる外周方向溝と、この外周方向溝から上記ヒール成形面まで延びて上記中リングと上記外リングとの間の隙間を形成する外スリット溝とが形成されており、
    上記中リングが周方向に3以上のリング片が並べられて形成されており、上記ヒール成形面において周方向に隣合うリング片の間に隙間が形成されており、この隙間が上記内周方向溝及び上記外周方向溝に連通している、タイヤの製造方法。
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