JP5263495B2 - スタティック型半導体記憶装置 - Google Patents

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この発明は、スタティック型半導体記憶装置に関し、特に、スタティック型メモリセルの動作マージンをアクセス速度を低下させることなく改善するための構成に関する。
半導体記憶装置においては、その記憶容量が増大するにつれ、メモリセルトランジスタのサイズが小さくされる。通常、メモリセルのトランジスタとしては、MISトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)が利用される。このようなMISトランジスタが微細化されると、プロセスパラメータの変動の影響が大きくなり、しきい値電圧などのトランジスタ特性のばらつきが大きくなる。メモリセルトランジスタのしきい値電圧がばらつくと、動作マージンが小さくなり、安定かつ高速な回路動作を保証することができなくなる。
このようなしきい値電圧のばらつきを抑制するための方法として、MISトランジスタのバックゲート領域(ボディ領域)にバイアス電圧を印加する方法がある。バックゲートバイアス電圧によりMISトランジスタのしきい値電圧の絶対値を小さくした場合、ドレイン電流が増大し、高速で内部ノードを充放電することができる。
しかしながら、しきい値電圧の絶対値を小さくした場合、オフ状態時のソース−ドレイン間リーク電流(サブスレッショルド電流)が増大し、消費電流が増大する。特に、スタティック型半導体記憶装置においては、メモリセルは、通常、インバータラッチと1対のアクセストランジスタとで構成される。インバータラッチにおいては、各々が負荷トランジスタとドライブトランジスタで構成される2つのインバータが交差結合される。このようなメモリセル構造でのデータの保持特性を示すために、スタティック・ノイズ・マージンSNMと呼ばれるパラメータがある。このスタティック・ノイズ・マージンSNMが小さいと、メモリセルの記憶データが容易に破壊される。したがって、このようなメモリセルにおいては、データ読出時、安定にデータを読出すために、または非選択メモリセルが安定データを保持するために、スタティック・ノイズ・マージンSNMをできるだけ大きくする必要がある。
スタティック型半導体記憶装置におけるメモリセルのリーク電流の低減および動作速度の低下の抑制を実現するために、メモリセルのトランジスタの基板電位を制御する構成が、特許文献1(特開2005−85349号公報)および特許文献2(特開2004−303340号公報)に示されている。
特許文献1においては、スタティック型メモリセルのアクセストランジスタ、ドライブトランジスタおよび負荷トランジスタの基板領域を分離し、これらのトランジスタの基板領域の電位を、動作モードに応じて行(ワード線)単位または列(ビット線対)単位で制御する。
特許文献2においては、スタティック型半導体記憶装置において、データ書込時に列単位で基板電位を制御する基板電位設定回路が設けられる。データ書込時、選択列のメモリセルトランジスタの基板領域の電位を、スタティックノイズマージンが低下するように変更する。データ読出時においては、メモリセルトランジスタの基板領域は、セル電源電圧レベルに維持される。
また、単にメモリセルのリーク電流が低減することを図る構成が、特許文献3(特開2006−40495号公報)に示されている。この特許文献3においては、長期間にわたってアクセスが行なわれないスリープモード時(スタンバイ状態時)においては、負荷トランジスタの基板領域に、セル電源電圧よりも低い電圧を印加し、データ書込および読出が行なわれる通常動作時には、この負荷トランジスタのバックゲート領域には、セル電源電圧を供給する。また、メモリセルのドライブトランジスタについても、同様の電圧制御を行なう。
上述の特許文献1から3においては、いわゆるシリコン基板上にトランジスタが形成されるバルク構造のトランジスタを、メモリセルトランジスタとして利用する。
一方、トランジスタサイズの微細化によるリーク電流の増加および動作速度の低減を抑制するために、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)トランジスタを利用する構成が、非特許文献1(Y. Hirano et al., “A Robust SOI SRAM Architecture by using Advanced ABC Technology for 32nm node and beyond LSTP devices”, 2007 Symposium on VLSI Technology, Digest of Technical Papers, June 2007, pp.78-79)に示されている。この非特許文献1においては、スタティック型半導体記憶装置のメモリセル負荷トランジスタのバックゲート(ボディ領域)のバイアスをデータ読出時小さくする(基板電圧をセル電源電圧よりも低くする)ことにより、読出マージンを大きくすることができることが示されている。
特開2005−85349号公報 特開2004−303340号公報 特開2006−40495号公報 Y. Hirano et. al.,"A Robust SOI SRAM Architecture by using Advanced ABC Technology for 32nm node and beyond LSTP devices", 2007 Symposium on VLSI Technology, Digest of Technical Papers, June 2007, pp.78-79
バルク構造のMISトランジスタは、そのバックゲートが、ウェル領域により形成される。したがって、バックゲート電圧を動作モードに応じて変更する場合、このウェル領域を介してバックゲート電圧を変更する必要がある。特に、高速アクセスのためには、できるだけ早いタイミングで、負荷トランジスタなどのメモリセルトランジスタのバックゲート電圧を所定値に設定する必要がある。このウェル領域には、複数のメモリセルトランジスタが形成され、その抵抗および容量が大きい。従って、基板電圧を所定値に設定するまでにある程度の時間を要する。
また、SOIトランジスタを利用するメモリセルにおいても、メモリセルトランジスタのバックゲートは、いわゆるボディ領域により形成される。前述の非特許文献1に示される構成においては、ボディ領域は、ウェル領域により形成され、ソース・ドレイン不純物領域がこのウェル領域上に形成される。SOIトランジスタの場合、バルク構造のトランジスタに比べて、このウェル領域の容量は、下地が絶縁層のため十分小さいものの、ウェルの寄生抵抗は存在し、電圧変化に、ある時間を必要とする。
特許文献1においては、このメモリセルトランジスタの基板電位の変化は、回路動作に比べて遅いため、回路動作を予め予測して動作モードの遷移を行なうことにより、高速の動作モードの遷移を行なうことが記述されている(段落[0153]および[0154])。しかしながら、この特許文献1においては、どのように回路動作を予め予測して、動作モードの遷移、すなわち基板電位の変化を行なうかの構成については何ら教示も示唆もされていない。
特許文献2に示される構成においては、データ読出時には、メモリセルの負荷トランジスタのバックゲート電圧をスタンバイ時と同じ電圧レベルに維持する。データ書込時、選択列のメモリセルの負荷トランジスタのバックゲート電圧を高くし、バックゲートバイアスを浅くする。この特許文献2においては、メモリセルトランジスタのバックゲートおよびソース電位が同じ場合において十分に、スタティック・ノイズ・マージンが確保されていることを前提としている。データ読出時、スタティック・ノイズ・マージンを改善してさらに確実にデータを保持するためには、この特許文献2の構成に対しては、依然改善の余地がある。
特許文献3においては、通常動作状態とスタンバイ状態の間で、メモリセルトランジスタのバックゲートバイアスを切換えている。しかしながら、この特許文献3においては、いわゆる長期にわたって動作が行なわれないノーオペレーション状態(NOP状態)において基板バイアスを浅くして、コントロールゲート−バックゲート間電圧を小さくして、ゲートリーク電流を低減することを図る。データ読出時において、安定にデータを保持するための構成、すなわちスタティック・ノイズ・マージンを改善する構成については、この特許文献3は、何ら示していない。特に、通常動作状態において、データ書込およびデータ読出が繰返し実行される場合において、データ読出および書込を行うデータアクセス時のスタティック・ノイズ・マージンを確保する構成については、特許文献3は、何ら考察していない。
非特許文献1においては、SOIトランジスタで構成されるPチャネル負荷トランジスタのボディ領域のバイアスを、データ読出時に、書込時よりも深くしている。この非特許文献1においては、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタのボディ領域が、ワード線に直接結合されており、このワード線との直接結合により、選択行のアクセストランジスタおよびドライブトランジスタのボディ領域の電圧が変化している。したがって、これらのアクセストランジスタおよびドライブトランジスタのボディ領域の電圧は、比較的高速で変化させることができる。しかしながら、負荷トランジスタのボディ領域の電圧は、別途設けられた制御回路により設定している。非特許文献1においては、具体的にどのようなタイミングで、負荷トランジスタのボディ領域の電圧を制御しているかの詳細については何ら開示されていない。
それゆえ、この発明の目的は、高速で、SRAMセルのトランジスタの基板領域(ボディ領域およびウェルのバックゲート領域を総称して示す)の電圧レベルを、動作モードに応じて高速に所望値に設定して、動作マージンを確保することのできるスタティック型半導体記憶装置を提供することである。
この発明に係るスタティック型半導体記憶装置は、メモリセルのトランジスタの基板領域の電圧のレベルを、データアクセス時、ワード線の選択状態への駆動に遅れることなく切換える基板電位制御回路を備える。
また、一実施の形態においてデータ読出し時とデータ書込み時とでビット線のプリチャージ電圧レベルを異ならせるビット線プリチャージ回路が設けられる。
データ読出時には、メモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧の変更を、遅くとも、選択行のワード線が選択状態へ駆動されるときには開始し、データ書込時にはドライブおよびアクセストランジスタの基板領域の電圧をワード線選択に遅れることなく所定電圧レベルに駆動する。したがって、ワード線選択に応答してメモリセルトランジスタの基板領域の電圧を変更する場合に比べて、より早いタイミングで、メモリセルトランジスタの基板領域の電圧を所望値に設定することができる。これにより、早いタイミングで、基板領域の電圧が安定化し、データアクセス時のメモリセルのスタティック・ノイズ・マージンが劣化するのを確実に防止することができ、読出および書込マージンを改善することができる。また、早いタイミングでデータアクセスが可能となり、高速アクセスが可能となる。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うスタティック型半導体記憶装置の全体の構成の一例を概略的に示す図である。図1においては、クロック信号CLKに同期して動作する同期型シングルポートSRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)の構成を、この発明に従うスタティック型半導体記憶装置の一例として示す。SRAMの構成としては、図1に示す構成に限定されず、クロック信号CLKと非同期で、チップ選択信号/CEに従って動作するSRAMであってもよい。この場合、内部動作のタイミングは、アドレス変化検出信号に基づいて設定される。以下、スタティック型半導体記憶装置を、SRAMと称す。
図1において、SRAMは、行列状に配列される複数のメモリセル(SRAMセル)MCを有するメモリセルアレイ1と、メモリセル行を選択する行選択駆動回路2と、メモリセル列を選択するカラム選択回路4とを備える。図1においては、2行2列に配列されるメモリセルMC00、MC01、MC10およびMC11を代表的に示す。SRAMセルは、フルCMOS構成であり、トランジスタの基板電位が変更されると、そのしきい値電圧が変更される。メモリセルトランジスタは、バルク構造のMISトランジスタであってもよく、またSOI構造のトランジスタであってもよい。以下においては、「基板領域」を、基板またはウェル上に形成されるバルク構造のトランジスタのバックゲート領域および絶縁膜上に形成されるSOI構造のトランジスタのボディ領域両者を参照する用語として用いる。
メモリセルアレイ1においては、メモリセル行に対応してワード線WLが配置され、メモリセル列に対応してビット線対BL,/BLが配置される。図1においては、メモリセルMC00およびMC01に対応してワード線WL0が配置され、メモリセルMC10およびMC11に対応してワード線WL1が配置される。メモリセルMC00およびMC10に対応してビット線対BL0,/BL0が配置され、メモリセルMC01およびMC11に対応してビット線対BL1,/BL1が配置される。
行選択駆動回路2は、与えられた行アドレス信号RAをデコードし、アドレス指定された行に対応して配置されるワード線を選択するワード線選択信号を生成し、このワード線選択信号に従って、指定された行に対応するワード線を選択状態に駆動する。この行選択駆動回路2は、さらに、行選択時に、ワンショットのパルス信号を生成して、内部の行選択に関連する回路の動作タイミングを規定する。
カラム選択回路4は、与えられた列アドレス信号CAをデコードし、メモリセルアレイ1のアドレス指定された列を選択する列選択信号を生成しかつ選択列を内部データ線に接続する。
SRAMは、さらに、メモリセルアレイ1の選択列に対するデータの書込/読出を行なう書込/読出回路7と、このSRAMの内部動作を制御する主制御回路8とを含む。
書込/読出回路7は、カラム選択回路4により選択された列に対して内部データ線を介してデータの書込および読出を行なう。この書込/読出回路7は、主制御回路8の制御の下に、外部データDIおよびDOを、それぞれ入力および出力する。書込/読出回路7の入出力データは、1ビットデータであってもよく、また、複数ビットの多ビットデータであってもよい。また、図1においては、別々の端子を介して入力データDIおよび出力データDOが転送されるように示すが、共通の端子を介して入力データDIおよび出力データDOが転送されてもよい。
主制御回路8は、クロック信号CLKに同期してアクセス指示信号としてチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEを取り込んで内部動作モードを指定する信号を生成するとともに、またアドレス信号ADをクロック信号CLKに同期して取り込んで内部行アドレス信号RAおよび内部列アドレス信号CAを生成する。クロック信号CLKの立上りエッジにおいてチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルであるとデータ書込が指定される。クロック信号CLKの立上りエッジにおいてチップイネーブル信号/CEがLレベルかつライトイネーブル信号/WEがHレベルであればデータ読出が指定される。主制御回路8は、このクロック信号CLKの立上りエッジにおけるチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEの論理レベルの組合せに従って、指定された動作モードを識別して各種内部制御信号を生成する。
SRAMは、さらに、ビット線対BL0,/BL0、BL1,/BL1に対して設けられるプリチャージ回路9と、動作モードに応じて、メモリセルMC00、MC01、MC10、およびMC11の負荷トランジスタの基板領域の電圧(以下、基板電圧と称す)VPSのレベルを調整するPMIS基板電位制御回路10を含む。
プリチャージ回路9は、ビット線対BL,/BL(BL0,/BL0、BL1,/BL1を総称的に示す)に対して設けられるビット線負荷回路を有し、スタンバイ状態時においては、ビット線対BL,/BLを、たとえばセル電源電圧VDDレベルにプリチャージするとともに、データ読出時に、ビット線にカラム電流を供給する。データ読出時、このカラム電流によりメモリセルの記憶データに応じてビット線対BL,/BLに電位差が生じ、このビット線対の電位差に従ってデータの読出が行なわれる。このプリチャージ回路9は、データ書込時、行選択駆動回路2を介して与えられるワンショットのパルス信号に従って、ビット線へのプリチャージを停止するように構成されてもよい。
PMIS基板電位制御回路10は、主制御回路8からのPMIS基板バイアス切換信号BEPに従って、データ読出時においてスタティック・ノイズ・マージンSNMを十分大きい状態に維持するように、メモリセルMC(MC00、MC01、MC10、およびMC11を総称的に示す)の負荷トランジスタの基板電圧を調整する。本実施の形態1においては、PMIS基板電位制御回路10からの基板電圧VPSは、基板電圧伝達線12を介してメモリセルアレイ1のメモリセルMCに共通に伝達される。
図2は、図1に示すメモリセルMC00−MC11の構成をより具体的に示す図である。これらのメモリセルMC00−MC11は、同一構成を有するため、図2においては、メモリセルMCにより、これらのメモリセルの構成を代表的に示す。
図2において、メモリセルMCは、データを記憶するインバータラッチを構成するインバータIV1およびIV2を含む。インバータIV1は、記憶ノードSN1の記憶データに従って記憶ノードSN2を駆動し、インバータIV2は、記憶ノードSN2の電位に従って記憶ノードSN1を駆動する。これらのインバータIV1およびIV2は、各々、CMOSインバータである。インバータIV1は、Pチャネル負荷MISトランジスタPQ1と、NチャネルドライブMISトランジスタNQ1で構成され、インバータIV2は、Pチャネル負荷MISトランジスタPQ2と、NチャネルドライブMISトランジスタNQ2で構成される。
Pチャネル負荷MISトランジスタ(以下、PMIS負荷トランジスタ、または負荷トランジスタと称す)PQ1およびPQ2は、ゲートおよびドレインが交差結合され、NチャネルドライブMISトランジスタ(以下、Nチャネルドライブトランジスタまたはドライブトランジスタと称す)NQ1およびNQ2は、ゲートおよびドレインが交差結合される。Pチャネル負荷トランジスタPQ1およびPQ2の基板領域が、基板電圧伝達線12に結合され、基板電圧VPSを受ける。
メモリセルMCは、さらに、メモリセルMCに対するデータアクセスを行なうためのNチャネルアクセスMISトランジスタNQ3およびNQ4を含む。これらのNチャネルアクセスMISトランジスタ(以下、Nチャネルアクセストランジスタまたはアクセストランジスタと称す)NQ3およびNQ4は、対応のワード線WL上の電位に従って、記憶ノードSN1およびSN2を対応のビット線BLおよび/BLに電気的に結合する。
負荷トランジスタPQ1およびPQ2の基板領域に基板電圧VPSを伝達する基板電圧伝達線12は、メモリセルMCへハイ側セル電源電圧VHを供給するセル電源線と別に設けられる。ドライブトランジスタNQ1およびNQ2のソースノードは、ともにロー側セル電源電圧(例えば接地電圧の基準電圧)VLを供給する基準電位ノード(接地ノード)に結合される。トランジスタNQ1−NQ4の基板領域は、ロー側セル電源電圧VLを受けるように結合されてもよく、また、別途動作モードに応じて制御されてもよい。
また、メモリセルMCの構成要素が、SOIトランジスタの場合、NチャネルトランジスタNQ1−NQ4の基板領域が、対応のワード線WLに結合されてもよい。本実施の形態1においては、メモリセルMCのPチャネル負荷トランジスタの基板領域の電圧を動作モードに応じて調整することにより、そのスタティック・ノイズ・マージンの劣化を防止する。
図3は、メモリセルMCのインバータIV1およびIV2の伝達特性を示す図である。図3において、横軸に記憶ノードSN1の電圧VN1を単位Vで示し、縦軸に、記憶ノードSN2の電圧VN2を単位Vで示す。また、図3においては、負荷トランジスタ(Tr)の基板領域とソースノード(セル電源ノード)の間の電圧Vbsが、0V、−0.3V、および−0.6Vの場合の伝達特性を示す。スタティック・ノイズ・マージンSNMは、伝達特性曲線により囲まれる領域に内接する正方形の対角線で示される。この図3に示すように、負荷トランジスタの基板電圧がセル電源電圧よりも低くなると、すなわち基板バイアス電圧Vbsが、0Vから−0.6Vと低くなるにつれ、スタティック・ノイズ・マージンが大きくなる。すなわち、基板電圧VPSをハイ側セル電源電圧VHよりも低くすると、負荷トランジスタのソース/ドレイン領域と基板領域の間のPN接合が順方向にバイアスされ、基板バイアスが浅くなり、しきい値電圧の絶対値が小さくなる。応じて、負荷トランジスタの電流駆動力が増大し、安定にデータを記憶することが出来る。前述の非特許文献1においては、SOIトランジスタを利用し、ハイ側セル電源電圧VHが1.08Vの条件下で、負荷トランジスタの基板電圧を、ハイ側セル電源電圧VHよりも0.6V低い電圧レベル(Vbs=−0.6V)に設定すると、スタティック・ノイズ・マージンが、+16%改善されることが示されている。
したがって、負荷トランジスタの基板電圧を、ハイ側セル電源電圧よりも低くすることにより、スタティック・ノイズ・マージンがより改善される。このスタティック・ノイズ・マージンが劣化するのは、ワード線が選択されて記憶ノードSN1およびSN2が対応のビット線BLおよび/BLに結合される場合である。データ読出を安定にかつ早いタイミングで行なうために、負荷トランジスタの基板電圧を、できるだけ早く、所定電圧レベルに設定する。
図4は、この発明の実施の形態1に従うメモリセルデータ読出時の信号波形および負荷トランジスタの基板電圧を示す図である。
図4において、時刻ta以前のスタンバイ状態においては、ビット線BLおよび/BLならびに基板電圧VPSは、ともに、ハイ側セル電源電圧VHレベルに維持される。
メモリセルデータ読出サイクルが始まると、時刻taにおいて、ワード線WLが、図1に示す行選択駆動回路2により選択状態へ駆動される。ワード線選択に従って、選択行のメモリセルの記憶データに応じて、カラム電流がメモリセルの一方の記憶ノードに流入し、ビット線BLおよび/BLに電位差が生じる。
この時刻taにおいて、また、図1に示すPMIS基板電位制御回路10が、主制御回路8からのPMIS基板バイアス切換信号BEPに従って、基板電圧VPSの電圧レベルを、ハイ側セル電源電圧VHから低下させる。この基板電圧VPSが所定の電圧Vbに到達した後、時刻tbにおいてデータの読出が行なわれる。このデータ読出は、カラム選択回路4によるビット線対の選択タイミングであってもよく、また、書込/読出回路7に含まれるセンスアンプの活性化タイミングであってもよい。このセンスアンプは、活性化時、選択列のビット線対を流れる電流により生じた電位差を差動的に増幅する。
この図4に示すように、基板電圧VPSの遷移タイミングを、選択ワード線の電圧遷移と同じタイミングに同じ設定する。読出時刻tbにおいては、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧VPSは安定している。基板電圧VPSが所定電圧Vbに到達した場合、負荷トランジスタ(PQ1,PQ2)のソースおよび基板領域のPN接合は、順方向にバイアスされ、そのしきい値電圧の絶対値が小さくなり、駆動電流量が増大する。これにより、メモリセルMCは、安定にデータを保持する。基板電位制御回路10からの距離がメモリセルのアレイ内の位置に応じて異なる場合、基板電圧伝達線12のメモリセルに対する抵抗が異なり、電位変化がメモリセル位置に応じて異なる。安定にデータを読出す場合には、最悪ケースのメモリセルの基板電圧の変化を想定してデータを読出す必要がある。しかしながら、ワード線選択と並行して基板電圧を変化させることにより、この最悪ケースのメモリセルに対しても、読出タイミングの時刻tb前に所望値に基板電圧を設定することが出来る。
すなわち、データ読出時刻tbにおいて、基板電圧VPSが所定電圧Vbに到達していない場合、負荷トランジスタの特性が所望の特性と異なり、駆動電流量が所望値と異なる。この結果、ビット線BLおよび/BLの電位差が所定値以上に到達せず、不安定なデータ読出となり、またメモリセルMCのスタティック・ノイズ・マージンを十分に確保できず、データ破壊が生じる可能性がある。特に、図4において、ワード線選択に応答して基板電圧を変化させる場合、回路の応答による遅延により、基板電圧の遷移タイミングは、時刻taより後の時刻tcとなり、基板電圧VPSは、読出時刻tbより後の時刻tdで所望値Vbに到達する。この場合には、安定にデータを読出すためには、時刻td以後にまで、読出時刻を遅らせる必要があり、高速読出を行なうことが出来ない。
しかしながら、上述のように、この基板電圧VPSの変化タイミングを、ワード線WLの遷移タイミングと同じタイミングに設定することにより、ウェル抵抗(基板領域の抵抗)が大きい場合においても、データ読出時、確実に基板電圧VPSを所望の電圧Vbに設定することができ、安定にデータを早いタイミングで読出することができる。
図5は、図1に示す行選択駆動回路2、主制御回路8およびPMIS基板電位制御回路10の構成の一例を概略的に示す図である。図5において、主制御回路8は、メモリセルの選択タイミングを形成するセル選択制御部20と、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧の設定を制御する基板電圧設定制御部21を含む。このSRAMは、クロック同期型SRAMを一例として想定しており、セル選択制御部20および基板電圧制御部21は、それぞれクロック信号CLKの立上がりエッジにおけるチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEの論理レベルに従って、各内部制御信号を生成する。
セル選択制御部20は、クロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとを受け、チップイネーブル信号/CEが活性状態のLレベルのときに、ワンショットのロウデコーダイネーブル信号RDEを生成する。基板電圧設定制御部21は、クロック信号CLKとライトイネーブル信号/WEとロウデコーダイネーブル信号RDEとを受け、クロック信号CLKの立上がりエッジでライトイネーブル信号/WEが非活性状態のHレベルのとき、ロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化に従って、所定のパルス幅を有するPMIS基板バイアス切換信号BEPを生成する。
行選択駆動回路2は、ワード線活性化タイミングを生成するワンショットパルス発生器22と、行アドレス信号RAをデコードするワード線デコーダ26と、ワンショットパルス発生器22およびワード線デコーダ26の出力信号に従って対応のワード線WLを選択状態へ駆動する(ワード線選択信号を伝達する)ワード線ドライバ24を含む。
ワンショットパルス発生器22は、ロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化に従って所定のパルス幅を有するワード線イネーブル信号WLEを生成する。ワード線デコーダ26は、主制御回路8から与えられる行アドレス信号RAをスタティックにデコードして、ワード線デコード信号を生成する。
ワード線ドライバ24は、ワード線イネーブル信号WLEの活性化期間、ワード線デコーダ26からのワード線デコード信号に従ってワード線選択信号を生成して、対応のワード線に伝達する(ワード線を選択状態に駆動する)。
PMIS電位制御回路10は、動作モードに応じて基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSの電圧レベルを制御する降圧制御部28を含む。この降圧制御部28は、主制御回路8に含まれる基板電圧設定制御部21からの基板バイアス切換信号BEPの活性化時、基板電圧伝達線12上に伝達される電圧VPSを、ハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧レベルVbに駆動する。この基板バイアス切換信号BEPの非活性化時、降圧制御部28は、ハイ側セル電源電圧VHを、基板電圧伝達線12上に伝達する。
図6は、図5に示す行選択駆動回路2、主制御回路8およびPMIS基板電位制御回路10の動作を示すタイミング図である。以下、図6を参照して、図5に示す回路の動作について説明する。
スタンバイ状態時、すなわちスタンバイモード(長期のスタンバイ状態のスリープモード)またはスタンバイサイクル(通常動作時の書込/読出サイクル(アクセスサイクル)の間のスタンバイ状態)においては、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEはともにHレベルであり、ロウデコーダイネーブル信号RDEはLレベルである。また、基板バイアス切換信号BEもLレベルである。したがって、このスタンバイ時においては、基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧レベル(第1電圧レベル)である。また、ワード線WLは非選択状態にある。
データ読出を行なう読出時においては、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて、チップイネーブル信号/CEがLレベル、ライトイネーブル信号/WEがHレベルである。この場合、セル選択制御部20は、ロウデコーダイネーブル信号RDEを活性状態へ駆動する。このHレベルのライトイネーブル信号/WEと活性状態のロウデコーダイネーブル信号RDEとに従って、基板電圧設定制御部21が、所定の時間幅を有するワンショットパルスの形態で、PMIS基板バイアス切換信号BEPを活性状態(Hレベル)へ駆動する。
一方、行選択駆動回路2においては、ワンショットパルス発生器22が、このロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化に従って所定の時間幅を有するワンショットパルスの形態で、ワード線イネーブル信号WLEを活性化する。ワード線デコーダ26は、与えられた行アドレス信号RAをデコードする。ここで、クロック同期型SRAMにおいては、クロック信号CLKの立上がりエッジに従って、外部からのアドレス信号がチップイネーブル信号/CEの活性化時取込まれて、内部の行アドレス信号RAおよび図示しない内部の列アドレス信号(CA)が生成される。したがって、ワード線デコーダ26が、スタティックにデコード動作を行なっても、特に問題は生じない。
ワード線ドライバ24は、ワード線イネーブル信号WLEの活性状態の間、このワード線デコーダ26からのデコード信号に従って、ワード線WLを選択状態に駆動するかまたは非選択状態に維持する。
このとき、また、PMIS基板電位制御回路10において降圧制御部28が、PMIS基板バイアス切換信号BEPの活性化に従って、ハイ側セル電源電圧VHを降圧する。ワード線ドライバ24がワード線イネーブル信号WLEにより活性化されてワード線WLを選択状態へ駆動するタイミングと、PMIS基板電位制御回路10における降圧制御部28が、基板電圧VPSを降下させるタイミングは、ともに時刻taでほぼ同じ時刻である。したがって、PMIS基板電位制御回路10からの基板電圧伝達線12が長い(ウェルの距離が長い)メモリセルにおいて、その基板領域の抵抗が大きく、基板電位の変化速度が遅い場合であっても、確実に、データ読出時、Pチャネル負荷トランジスタの基板電圧を所定電圧(Vb;第2の電圧)レベルに設定することができる。この状態においては、ワード線が選択されて、記憶ノードSN1およびSN2の電圧レベルは、安定に記憶データに応じた電圧レベルに維持される。
このワード線WLの選択状態への駆動タイミングと、基板電圧VPSの降下タイミングを同じとする場合、以下の構成を利用する。すなわち、ワンショットパルス発生器22およびワード線ドライバ24における遅延時間と、基板電圧設定制御部21および降圧制御部28における遅延時間を同じに設定する。これにより、基板電圧VPSの遷移タイミングおよびワード線WLの選択状態への遷移タイミングを、実質的に同じタイミングに設定することができる。
クロック信号CLKと非同期で動作するSRAMの場合、チップイネーブル信号/CEの活性化時に外部からのアドレス信号が内部へ伝達されるため、このアドレス信号の変化を検出するアドレス変化検出信号ATDをロウデコーダイネーブル信号RDEの代わりに利用する。これにより、クロック非同期型SRAMにおいても、クロック同期型SRAMと同様に、ワード線の選択状態への駆動タイミングと基板電圧VPSの降下タイミングを実質的に同じタイミングに設定することができる。
データ読出が完了すると、基板電圧設定制御部21は、所定のタイミングで基板バイアス切換信号BEPを非活性化する。この基板バイアス切換信号BEPの非活性化は、ライトイネーブル信号/WEの非活性化に従って実行されても良く、また、クロック信号CLKの立上りに同期して行なわれても良い。図6において、このタイミングがある時間幅の間に設定されれば良いことを両矢印の記号で示す。以下の実施の形態の波形図においても同様である。
データ書込時においては、クロック信号CLKの立上りエッジにおいて、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルとなる。セル選択制御部20は、このチップイネーブル信号/CEの活性化に応答してワンショットパルスの形態でロウデコーダイネーブル信号RDEを活性化する。応じてワンショットパルス発生器22が、また、ワンショットパルスの形態でワード線イネーブル信号WLEを活性化する。
基板電圧設定制御部21は、ライトイネーブル信号/WEがLレベルであるため、ロウデコーダイネーブル信号RDEが活性化されても、基板バイアス切換信号BEをLレベルに維持する。従って、基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHレベルに維持される。選択列において書込データが伝達されて、選択メモリセルの記憶ノードSN1およびSN2の電圧レベルが書込データに応じて設定されて、データの書込が行なわれる。
書込サイクルが完了すると、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがHレベルとなり、書込サイクルが完了する。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、SRAMセルにおいて、データ読出時、Pチャネル負荷トランジスタの基板電圧遷移タイミングを、ワード線の選択状態への駆動タイミングと実質的に同じタイミングに設定している。したがって、基板抵抗が、メモリセルのアレイ内の位置に応じてばらつく場合においても、最悪ケースのメモリセルに対しても、基板電圧を所定電圧レベルに設定して、安定にデータの読出を行なうことができる。
[実施の形態2]
図7は、この発明の実施の形態2に従うSRAMのデータ読出時の信号波形を示す図である。この発明の実施の形態2におけるSRAMの全体の構成は、図1に示す実施の形態1に従うSRAMの全体の構成と同じである。図7に示す読出タイミングは、以下の点で、図4に示す実施の形態1に従う読出タイミングと異なる。すなわち、基板電圧VPSの読出時の降下タイミングは、ワード線WLの選択状態への駆動タイミング(時刻t1)よりも早い時刻t0に設定される。この場合、最悪ケースのメモリセルに対しても、より早いタイミングで、基板電圧VPSを所定電圧Vbレベルに設定することができ、安定にデータの読出を行なうことができる。
図8は、この発明の実施の形態2に従うSRAMの行選択駆動回路2、主制御回路8およびPMIS基板電位制御回路10の構成の一例を概略的に示す図である。図8に示す構成は、以下の点で、図5に示す実施の形態1の構成と異なる。すなわち、主制御回路8において、基板電圧設定制御部21に代えて、クロック信号CLK、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEを受ける基板電圧設定制御部29が設けられる。この基板電圧設定制御部29は、クロック信号CLKの立上がり時において、チップイネーブル信号/CEがLレベルでありかつライトイネーブル信号/WEがHレベルのときに、ワンショットパルスの形態で、PMIS基板バイアス切換信号BEPを活性状態へ駆動する。ライトイネーブル信号/WEがLレベルのときには、この基板電圧設定制御部29は、PMIS基板電圧バイアス切換信号BEPをLレベルの非活性状態に維持する。行選択駆動回路2およびPMIS基板電位制御回路10の構成は、図5に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図9は、図8に示す行選択駆動回路2、制御回路8およびPMIS基板電位制御回路10の動作を示すタイミング図である。以下、図9を参照して、図8に示す回路の動作について説明する。スタンバイ時および書込時においては、図6に示す実施の形態1の動作制御と同じ態様で制御が実行される。
一方、データ読出時においては、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがそれぞれクロック信号CLKの立上がりエッジでLおよびHレベルに設定されると、基板電圧設定制御部29が、基板バイアス切換信号BEを活性状態へ駆動する。セル選択制御部8は、このクロック信号CLKの立上がりエッジにおいてチップイネーブル信号/CEがLレベルのときに、ワンショットパルスの形態でロウデコーダイネーブル信号RDEを生成する。このロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化タイミングは、基板バイアス切換信号BEの活性化よりも少し遅れる。すなわち、セル選択制御部20のパルス発生までの遅延時間は、PMIS基板バイアス切換信号BEPの発生に要する遅延よりも長くされる。
次いで、行選択駆動回路2において、ワンショットパルス発生器22がこのロウデコーダイネーブル信号RDEに従ってワンショットパルスの形態でワード線イネーブル信号WLEを活性状態へ駆動する。応じて、ワード線ドライバ24が、ワード線デコーダ26からのデコード信号に従ってワード線WLを選択状態へ駆動する。
したがって、この場合、基板バイアス切換信号BEPの活性化タイミングが、ロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化タイミングよりも少し早くされており、応じて、ワード線イネーブル信号WLEの活性化よりも早いタイミングで、降圧制御部28が、基板電圧VPSの電圧レベルを降下させる(時刻ta)。この後、ワード線ドライバ24が、ワード線イネーブル信号WLEの活性化に従って、選択されたワード線WLを時刻tdにおいて選択状態へ駆動する。
上述のように、基板電圧設定制御部29において、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいてチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEの論理レベルを判定して、選択的に、データ読出時に、基板バイアス切換信号BEPを活性状態に駆動する。これにより、行選択駆動回路2におけるワード線WLの選択状態への駆動タイミングよりも早いタイミングで、基板電圧VPSを遷移させることができる。
なお、クロック信号CLKと非同期のSRAMにおいては、クロック信号CLKに代えてアドレス変化検出信号ATDをタイミング基本信号として利用する。これにより、同様非同期SRAMにおいても、基板電圧VPSの遷移タイミングを、ワード線WLの選択状態への駆動タイミングよりも早くすることができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、データ読出時、ワード線の選択状態への駆動タイミングよりも早いタイミングで、基板電圧を遷移させている。したがって、より早いタイミングで、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧を所定電圧レベルに設定することができ、応じて、読出マージンを改善することができ安定にデータの読出を行なうことができる。また、早いタイミングで、ビット線BLおよび/BLの電位差が所定電圧レベルに到達したときに読出を行なうことができ、読出タイミングを早くすることができる。
[実施の形態3]
図10は、この発明において用いられるメモリセルの負荷トランジスタの断面構造の一例を概略的に示す図である。図10においては、バルク構造のトランジスタ(バルクトランジスタ)を負荷トランジスタとして用いた場合のトランジスタ構造を一例として示す。
図10において、負荷トランジスタは、Nウェル30表面に互いに間をおいて形成されるP型不純物領域31および32と、これらのP型不純物領域31および32の間のNウェル30表面上に図示しないゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電極33を含む。不純物領域32は、ハイ側セル電源電圧VHを受けるように結合される。不純物領域31およびゲート電極33が、それぞれ記憶ノードSNbおよびSNaに結合され、それぞれ相補なデータを受ける。記憶ノードSNaおよびSNbは、先の図2に示す記憶ノードSN1およびSN2またはSN2およびSN1にそれぞれ対応する。
このNウェル30へは、基板電圧VPSがN型不純物領域34を介して供給される。したがって、不純物領域31および32とNウェル30の間のPN接合が導通状態となると、ハイ側セル電源電圧供給ノードから、Nウェル30に電流が流れ、また、寄生ラテラルPNPバイポーラトランジスタが導通し、記憶ノードSNbとNウェル30の間が導通する。このため、大きな電流が流れ、保持データが破壊され、また、最悪、メモリ装置が破壊に至るという問題が生じる。
このような状態を避けるためには、P型不純物領域31および32の電圧とNウェル30の電圧の差は、PN接合が導通しない電圧、すなわちPN接合のビルトイン電圧以下の電圧レベルに設定する必要がある。すなわち、ハイ側セル電源電圧VH(負荷トランジスタのソース電圧Vs)と基板電圧VPSの所定値Vbの間の電圧Vbsは、ビルトイン電圧Vpn以下の電圧レベルに設定される。すなわち、|Vbs|=VH(=Vs)−Vb<Vpnに設定する。
この場合、トランジスタの基板−ソース電圧Vbsが、ビルトイン電圧Vpnに近づくと、PN接合におけるリーク電流が増大し、データ破壊が生じない場合においても、消費電流が増大する。また、ハイ側セル電源電圧VHと基板電圧VPSとが近い場合、トランジスタのしきい値電圧の絶対値が大きくなり、トランジスタの電流駆動力が小さくなり、スタティック・ノイズ・マージンが低下する可能性がある。これらを考慮して、本実施の形態3においては、図11に示すように、PMIS基板電位制御回路は、基板電圧VPSの所定電圧Vbが、下記の関係を満たすような電圧レベルに設定する。
Vs−Vb<Vpn.
ここで、Vsは負荷トランジスタのソースノード電位であり、ハイ側セル電源電圧VH(=VDD)を示し、電圧Vbは、基板電圧VPSの読出時の所定電圧である。通常、このハイ側セル電源電圧VHが1.2Vの場合、ビルトイン電圧Vpnは、1V程度である。この場合、基板電圧の所望値Vbを、ハイ側セル電源電圧1.2Vよりも0.6V低い電圧レベル(0.6V)に設定する。
この所定電圧Vbは、ビルトイン電圧Vpn(=1V)よりも小さい。また、基板電圧VPSの所望値Vbは、ハイ側セル電源電圧VHよりも十分に低く、負荷トランジスタのしきい値電圧の絶対値をスタティック・ノイズ・マージンを改善することの出来る値に設定することが出来る。したがって、負荷トランジスタにおけるソース−基板領域間のリーク電流を顕著に増加させることなく、安定にデータの読出を行なうことができる。
[実施の形態4]
この実施の形態4においては、PMIS基板電位制御回路の具体的構成について説明する。
A:PMIS基板電位制御回路の構成1
図12は、この発明の実施の形態4に従うPMIS基板電位制御回路10の第1の構成を示す図である。図12において、PMIS基板電位制御回路10は、電源ノードと基板電圧伝達線12の間に接続されるPチャネルMISトランジスタPT1と、基板電圧伝達線12とロー側電源ノード(接地ノード)との間に直列に接続されるNチャネルMISトランジスタNT1およびダイオードDD1とを含む。PチャネルMISトランジスタPT1は、基板バイアス切換信号BEPがLレベルのときに導通し、基板電圧伝達線12へ、ハイ側セル電源電圧VHを伝達する。NチャネルMISトランジスタNT1は、基板バイアス切換信号BEPがHレベルのときに導通し、ダイオードDD1を、基板電圧伝達線12に結合する。このダイオードDD1は、順方向降下電圧(ビルトイン電圧)Vfを有し、MISトランジスタNT1の導通時、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSを、その順方向降下電圧Vfの電圧レベルに設定する。MISトランジスタNT1およびダイオードDD1が、図5に示す降圧制御部28に相当する。
ダイオードDD1は、たとえば、このSRAMにおけるIOインターフェイス(入出力回路)のMISトランジスタまたはメモリアレイまたは周辺回路のトランジスタ(コアトランジスタ)をダイオード接続して形成される。このIOトランジスタは、そのビルトインポテンシャル(不純物領域と基板領域の間の接合が導通する電位)の絶対値が、たとえば0.6V程度の小さい値に設定することができる。したがって、ダイオードDD1として、IOトランジスタを利用した場合、高速で基板電圧伝達線12の電圧VPSの電圧レベルを十分低い電圧レベルに設定することができる。
また、ダイオードDD1としてコアトランジスタを利用する場合、そのビルトインポテンシャルの絶対値が約1Vであり、データ読出時、比較的高い電圧レベルに基板電圧VPSを設定することができる。このダイオードDD1として、IOトランジスタおよびコアトランジスタいずれを用いる場合においても、製造工程を増加させることなくダイオードDD1を形成することができる。
図13は、図12に示すPMIS基板電位制御回路10の動作を示すタイミング図である。以下、図13を参照して、図12に示すPMIS基板電位制御回路10の動作について説明する。
スタンバイ状態および書込動作時においては、基板バイアス切換信号BEPはLレベルである。この状態においては、MISトランジスタPT1がオン状態、MISトランジスタNT1がオフ状態である。したがって、基板電圧伝達線12は、MISトランジスタPT1によりハイ側セル電源電圧VHレベルに維持される。
データ読出時においては、基板バイアス切換信号BEPがHレベルに設定される。この場合、MISトランジスタPT1がオフ状態、MISトランジスタNT1がオン状態となる。したがって、基板電圧伝達線12は、MISトランジスタNT1およびダイオードDD1により放電され、その電圧レベルは、ダイオードDD1の順方向降下電圧Vfに応じた電圧レベルとなる(Vf=Vb)。
この基板バイアス切換信号BEPは、実施の形態1および実施の形態2のいずれのタイミングで活性化されてもよい。
B:PMIS基板電位制御回路の構成2
図14は、図1に示すPMIS基板電位制御回路10の第2の構成を示す図である。この図14に示すPMIS基板電位制御回路10は、以下の点で、図12に示すPMIS基板電位制御回路とその構成が異なる。すなわち、充電用のPチャネルMISトランジスタPT1と並列に、NチャネルMISトランジスタNT2が設けられる。このNチャネルMISトランジスタNT2は、ゲートに、PMIS基板バイアス切換信号BEPを受け、PチャネルMISトランジスタPT1と相補的に導通する。この図14に示すPMIS基板電位制御回路の他の構成は、図12に示す回路の構成と同じであり、対応する部分は同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図15は、図14に示すPMIS基板電位制御回路10のデータ読出時の動作を示す信号波形図である。以下、図15を参照して、図14に示す回路の動作について説明する。
データ読出時においては、基板バイアス切換信号BEPがLレベルからHレベルに遷移する。応じて、PチャネルMISトランジスタPT1がオフ状態、NチャネルMISトランジスタNT1およびNT2がオン状態となる。この場合、MISトランジスタNT2から基板電圧伝達線12へ電流が供給され、MISトランジスタNT1およびダイオードDD1を介して常時電流が流れる。したがって、ダイオードDD1が、確実にダイオード動作を行ない、この基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSを、その順方向降下電圧Vfの電圧レベルに維持する。したがって、連続的にデータ読出が行なわれ、長期にわたって電圧VPSの電圧レベルが低くされる場合においても、確実に基板電圧VPSを、所望の電圧レベルに維持することができる。
なお、基板バイアス切換信号BEPの活性化タイミングとしては、実施の形態1および2のいずれのタイミングが用いられてもよい。
C:PMIS基板電位制御回路の構成3
図16は、図1に示すPMIS基板電位制御回路10の第3の構成を示す図である。図16において、PMIS基板電位制御回路10は、ハイ側電源ノードと基板電圧伝達線12の間に設けられるPチャネルMISトランジスタPT1と、基板電圧伝達線12とロー側電源ノード(接地ノード)の間に接続されるPチャネルMISトランジスタPT2を含む。MISトランジスタPT1は、ゲートにPMIS基板バイアス切換信号BEPを受け、MISトランジスタPT2は、ゲートに基板バイアス切換信号BEPをインバータIV3を介して受ける。インバータIV3およびMISトランジスタPT2が、図5に示す降圧制御部28に対応する。
図17は、図16に示す回路の動作を示すタイミング図である。以下、図17を参照して、この図16に示す回路の動作について説明する。
スタンバイ時およびデータ書込動作時においては、基板バイアス切換信号BEPはLレベルである。したがって、MISトランジスタPT1がオン状態、MISトランジスタPT2がオフ状態である。応じて、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHのレベルに維持される。
データ読出時においては、基板バイアス切換信号BEPは、Hレベルに設定される。応じて、MISトランジスタPT1がオフ状態、MISトランジスタPT2がオン状態となる。この状態において、MISトランジスタPT2は、ゲートおよびドレインが同一電圧レベル(ロー側電源電圧:接地電圧)である。したがって、MISトランジスタPT2のソースフォロワ動作により、この基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、MISトランジスタPT2のしきい値電圧Vthpの絶対値|Vthp|のレベルに維持される。
D:PMIS基板電位制御回路の構成4
図18は、この図5に示すPMIS基板電位制御回路10の第4の構成を示す図である。図18に示す回路は、以下の点で、図16に示すPMIS基板電位制御回路10と構成と異なる。すなわち、ハイ側電源ノードと基板電圧伝達線12の間に、NチャネルMISトランジスタNT2がさらに設けられる。このNチャネルMISトランジスタNT2は、ゲートに、PMIS基板バイアス切換信号BEPを受け、PチャネルMISトランジスタPT1と相補的に導通する。この図18に示すPMIS基板電位制御回路の他の構成は、図16に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。MISトランジスタNT2、PT2およびインバータIV3が、図5に示す降圧制御部28の構成に対応する。MISトランジスタNT2およびPT2のオン抵抗が同程度のオーダであるとする。
図19は、図18に示す基板電位制御回路10のデータ読出時の動作を示す信号波形図である。以下、図19を参照して、図18に示す回路の動作について説明する。
データ読出時、基板バイアス切換信号BEPは、LレベルからHレベルに遷移する。応じて、MISトランジスタPT1がオフ状態、MISトランジスタNT2およびPT2がオン状態となる。したがって、ハイ側電源ノードからロー側電源ノードへ、MISトランジスタNT2およびPT2を介して電流が流れる。基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、したがって、これらのMISトランジスタNT2およびPT2のしきい値電圧の絶対値で決定される電圧レベルに維持され、ハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧レベルとなる。
したがって、図18に示すPMIS基板電位制御回路10の構成を利用しても、読出動作が比較的長期にわたって行なわれる場合、基板電圧伝達線12上の電圧VPSがリーク電流により低下するのを抑制することができ、確実に、所定の電圧レベルVbに、基板電圧VPSを維持することができ、読出マージンの劣化を抑制することができる。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、MIS基板電位制御回路10を、少数のトランジスタで実現しており、回路占有面積を増大させることなく、確実に、基板電圧VPSを所望の電圧レベルに設定することができる。
[実施の形態5]
図20は、この発明の実施の形態5に従うPMIS基板電位制御回路10の構成の一例を概略的に示す図である。図20において、PMIS基板電位制御回路10は、プリチャージ電圧供給ノードと基板電圧伝達線12の間に接続されるPチャネルMISトランジスタPT10と、ハイ側セル電源ノードと基板電圧伝達線12の間に並列に接続されるPチャネルMISトランジスタPT11およびPT12と、基板電圧伝達線12とロー側電源ノードの間に接続されるNチャネルMISトランジスタNT10を含む。
PチャネルMISトランジスタPT10は、スタンバイ指示信号/STBに従って、プリチャージ電圧VHLを基板電圧伝達線12上に供給する。PチャネルMISトランジスタPT11は、PMIS基板バイアス切換信号BEPをインバータIV10を介してゲートに受け、導通時、ハイ側セル電源電圧VHを、基板電圧伝達線12に伝達する。PチャネルMISトランジスタP12は、書込活性化信号/WENの活性化時導通し、ハイ側セル電源電圧VHを基板電圧伝達線12に伝達する。NチャネルMISトランジスタNT10は、基板バイアス切換信号BEPの活性化時に導通し、基板電圧伝達線12をロー側電源ノード(基準電圧源ノード:接地ノード;第1電圧)に結合する。
スタンバイ指示信号/STBは、SRAMがスタンバイ状態のときに、Lレベルの活性状態に維持される。書込活性化信号/WENは、SRAMがデータ書込モードのときに、所定のタイミングで活性状態に設定され、この書込活性化信号/WENに従ってデータの書込が行なわれる。この書込活性化信号/WENは、ライトイネーブル信号/WEに従って生成される。基板バイアス切換信号BEPは、先の実施の形態4において説明したように、データ読出時に、実施の形態1または2のタイミングで活性化される。
図21は、図20に示すPMIS基板電位制御回路10の動作を示すタイミング図である。以下、図21を参照して、図20に示すPMIS基板電位制御回路の動作について説明する。
スタンバイ状態においては、スタンバイ指示信号/STBはLレベルであり、書込活性化信号/WEはHレベルである。また、基板バイアス切換信号BEPは、Lレベルである。この状態においては、MISトランジスタPT10がオン状態、MISトランジスタPT11およびNT10がオフ状態である。したがって、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、プリチャージ電圧VHLレベル(第1電圧レベル)に維持される。このプリチャージ電圧VHLは、たとえばハイ側セル電源電圧VHが、1.2Vの場合、たとえば0.9V程度である。
データ読出時においては、スタンバイ指示信号/STBがHレベルに駆動され、MISトランジスタPT10がオフ状態となる。基板バイアス切換信号BEPが所定のタイミングでHレベルとなり、MISトランジスタPT11およびNT10がオン状態となる。書込活性化信号/WENは、Hレベルであり、MISトランジスタPT12は、オフ状態にある。この状態においては、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、MISトランジスタPT11およびNT10のオン抵抗で決定される電圧レベルにまで低下する。このとき、基板電圧VPSが到達する電圧Vbは、たとえば、0.6Vであり、スタンバイ状態時の基板電圧VPSの電圧レベルよりも低い電圧レベル(第2電圧レベル)である。データ読出モード移行時、基板電圧VPSの変化電圧幅を小さくすることができ、より高速で、基板電圧VPSを所定電圧レベルにまで到達させることができる。
書込動作モード時においては、スタンバイ指示信号/STBはHレベル、基板バイアス切換信号BEPはLレベルである。書込活性化信号/WENがLレベルとなる。したがって、MISトランジスタPT12がオン状態、MISトランジスタPT10、PT11およびNT10がすべてオフ状態となる。この状態においては、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、MISトランジスタPT12により、ハイ側セル電源電圧VH(=VDD)レベル(第3電圧レベル)に維持される。この場合、メモリセルの負荷トランジスタの基板バイアスが深くなり、トランジスタのしきい値電圧の絶対値が大きくなる。したがって、スタティック・ノイズ・マージンが小さくなり、高速で、データの書込を行なうことができる(選択メモリセルの記憶データを高速で反転させることができる)。この書込時に、好ましくは、メモリセル列単位で基板電圧を調整する。すなわち、選択列のメモリセルの負荷トランジスタの基板バイアスを深くし(基板電圧を高くし)、非選択列のメモリセルの負荷トランジスタの基板バイアスを浅くする(基板電圧を低くする)。非選択列かつ選択行のメモリセルにおいては、データの再書き込みが行なわれるだけである。この列単位での基板電圧制御により、選択行かつ非選択列のメモリセルのスタティック・ノイズ・マージンを十分に確保することが出来、データ破壊を防止することが出来る。
図22は、この発明の実施の形態5におけるSRAMに含まれる主制御回路8の要部の構成を概略的に示す図である。図22においては、スタンバイ指示信号/STBと書込活性化信号/WENを生成する部分の構成を示す。この主制御回路8においては、実施の形態1または2において説明した基板バイアス切換信号BEを発生する回路部分が設けられる。しかしながら、この図22においては、基板バイアス切換信号BEを発生する部分の構成は示していない。実施の形態1または2に示す構成が利用されればよい。
図22において、主制御回路8は、クロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとに従ってスタンバイ指示信号/STBを生成するスタンバイ検出回路40と、クロック信号CLKとライトイネーブル信号/WEとに従って書込活性化信号/WENを生成する書込モード検出回路42とを含む。
スタンバイ検出回路40は、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいてチップイネーブル信号/CEがLレベルのときに、アクセス指示が与えられたと判定し、スタンバイ指示信号/STBをHレベルに設定する。このスタンバイ検出回路40は、また、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいてチップイネーブル信号/CEがHレベルのときには、スタンバイ指示信号/STBをLレベルの活性状態に設定する。
書込モード検出回路42は、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいてライトイネーブル信号/WEがLレベルのときに、書込活性化信号/WENをLレベルの活性状態に設定する。また、書込モード検出回路42は、クロック信号CLKの立上がりエッジにおいて、ライトイネーブル信号/WEがHレベルのときには、書込活性化信号/WENをHレベルの非活性状態に設定する。
図23は、図22に示す主制御回路8の動作を示すタイミング図である。以下、図23を参照して、図22に示す主制御回路8の動作について説明する。
スタンバイサイクルにおいては、クロック信号/CLKの立上がりエッジにおいて、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEはともにHレベルである。この状態においては、スタンバイ指示信号/STBはLレベル、書込活性化信号/WENはHレベルである。また、実施の形態1または2において示したように、基板バイアス切換信号BEPも、スタンバイサイクル時、Lレベルである。
読出サイクルにおいては、クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEがLレベル、ライトイネーブル信号/WEがHレベルである。応じて、スタンバイ検出回路40は、スタンバイ指示信号/STBをHレベルに駆動する。書込モード検出回路42は、ライトイネーブル信号/WEがHレベルであるため、書込活性化信号/WENを、スタンバイサイクル時と同様、Hレベルに維持する。この読出サイクルにおいては、スタンバイ指示信号/STBが非活性化された後またはこの非活性化と並行して、基板バイアス切換信号BEPがHレベルの活性状態に駆動される。
書込サイクルにおいては、クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルに設定される。したがって、スタンバイ検出回路40からのスタンバイ指示信号/STBはHレベルに維持され、一方、書込モード検出回路42からの書込活性化信号/WENがLレベルに駆動される。基板バイアス切換信号BEPは、読出サイクル完了時において、Lレベルに駆動される(非活性化タイミングにはある時間幅が存在する)。書込サイクルのときには、基板バイアス切換信号BEPは、Lレベルの非活性状態にある。
書込サイクルからスタンバイサイクル移行時においては、クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがHレベルに設定される。応じて、スタンバイ指示信号/STBおよび書込活性化信号/WENがクロック信号CLKの立上がりにほぼ同期して、それぞれLレベルおよびHレベルに駆動される。
なお、基板バイアス切換信号BEPの活性化から非活性化への遷移は、クロック信号CLKの立上がりに同期して行なわれてもよい。次に書込活性化信号/WENの活性化により、ワード線WLが選択状態へ駆動されるまでに、基板電圧(VPS)が、ハイ側セル電源電圧レベルに復帰していればよい。この制御形態は、実施の形態1および2においての制御態様と同様である。このため、図23においては、PMIS基板バイアス切換信号BEPの立下がりエッジに時間幅を持たせており、この間の任意のタイミングで、基板バイアス切換信号BEPが非活性化されればよい。
図24は、図20に示すプリチャージ電圧VHLを発生する部分の構成の一例を示す図である。図24においてプリチャージ電圧発生部は、定電圧発生回路44と、ボルテージフォロワ46とを含む。定電圧発生回路44は、プリチャージ電圧VHLレベルの定電圧Vcstを生成する。ボルテージフォロワ46は、出力と負入力とが結合される差動増幅器で構成され、正入力に与えられる定電圧Vcstを利得1で増幅して、プリチャージ電圧VHLを生成する。
この図24に示すプリチャージ電圧発生部の構成においては、定電圧発生回路44の消費電力は十分小さくされる。ボルテージフォロワ46を利用することにより、大きな電流駆動力を持ってプリチャージ電圧VHLを生成することができる。
なお、書込サイクルからスタンバイサイクル移行時において、基板電圧は、プリチャージ電圧VHLよりも高い電圧レベルである。この場合、基板電圧(VPS)がプリチャージ電圧VHLまでに到達するまでに、時間が要する可能性が考えられる(基板電圧伝達線に放電経路が存在しないため)。この場合、書込活性化信号/WENの非活性化に応答して、ワンショットパルス形態で、基板電圧伝達線(12)を放電する放電補助トランジスタが用いられればよい。
以上のようにこの発明の実施の形態5に従えば、動作モードに応じて、負荷トランジスタの基板電圧レベルを調整している。したがって、実施の形態1または2の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。データ読出時、スタンバイサイクル時の基板電圧と読出サイクル時の基板電圧の差を小さくすることができ、高速で、基板電圧をデータ読出時所定電圧レベルに駆動することができる。また、データ書込時、選択メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンを小さくすることができ、高速でデータの書込を行なうことができる。
[実施の形態6]
図25は、この発明の実施の形態6に従うSRAMの行選択駆動回路の要部の構成を概略的に示す図である。図25においては、行選択駆動回路2においてワード線WL0およびWL1それぞれに対応して設けられるワード線ドライバWDV0およびWDV1を代表的に示す。これらのワード線ドライバWDV0およびWDV1は、図5および図8に示すワード線ドライバ24に対応する。ワード線ドライバWDV0およびWDV1各々に対応して、図5または図8に示すワード線デコーダ26が設けられる。図25においては、この対応して配置されるワード線デコーダからのワード線デコード信号RDS0およびRDS1を示す。
また、ワード線ドライバWDV0およびWDV1は、同一構成を有するため、図25においては、ワード線WL0に対して設けられるワード線ドライバWDV0の内部構成を具体的に示す。
ワード線ドライバWDV0は、ワード線イネーブル信号WLEとワード線デコード信号RDS0とを受けるゲート回路GT1と、ゲート回路GT1の出力信号に従ってワード線WL0にワード線選択信号を伝達するインバータIV5と、基板バイアス切換信号BEPの反転信号/BEPとゲート回路GT1の出力信号を受けるゲート回路GT2と、ゲート回路GT2の出力信号に従って選択的にワード線WL0をロー側電源ノード(接地ノード)に結合するNチャネルMISトランジスタNT24を含む。
ゲート回路GT1は、NANDゲートであり、ワード線イネーブル信号WLEおよびワード線デコード信号RDS0がともにHレベルとなるとLレベルの信号を出力する。ゲート回路GT2は、NORゲートであり、反転基板バイアス切換信号/BEPとゲート回路GT1の出力信号がともにLレベルのときHレベルの信号を出力する。
インバータIV5は、PチャネルMISトランジスタPT20とNチャネルMISトランジスタNT22とを含む。MISトランジスタPT20は、ゲート回路GT1の出力信号がLレベルのときに、ハイ側セル電源電圧VHをワード線WL0上に供給する。MISトランジスタNT22は、ゲート回路GT1の出力信号がHレベルのときに、ワード線WLをロー側電源ノード(接地ノード)に結合する。
これらのワード線WL0およびWL1には、それぞれ行方向に整列して配置されるメモリセルが接続されるが、図25においては、ワード線WL0およびWL1それぞれに結合されるメモリセルMC0およびMC1を代表的に示す。これらのメモリセルMC0およびMC1へは、メモリセルの電源電圧に加えて、基板電圧VPSが、負荷トランジスタの基板電圧として伝達される。
図26は、図25に示すワード線ドライバの動作を示すタイミング図である。以下、図26を参照して、図25に示すワード線ドライバの動作について説明する。なお、図26においては、SRAMがクロック信号CLKに同期して動作するクロック同期型SRAMの場合の動作が一例として示される。クロック信号CLKと非同期で動作するSRAMであっても同様の動作制御が行なわれる。
スタンバイサイクルにおいては、ワード線イネーブル信号WLEおよび基板バイアス切換信号BEPは、ともにLレベルである。したがって、ゲート回路GT1の出力信号はHレベル、ゲート回路GT2の出力信号はLレベルである。この状態においては、ワード線WL0およびWL1は、それぞれインバータIV5により、接地電圧レベルに維持される。
読出サイクルにおいては、ワード線イネーブル信号WLEが活性状態へ駆動されると、ワード線デコード信号に従って選択行のワード線が選択状態へ駆動される。このワード線デコード信号RDS0が選択状態を示すHレベルのとき、ゲート回路GT1の出力信号はLレベルとなり、インバータIV5において充電用のPチャネルMISトランジスタPT20がオン状態となる。
この読出サイクルにおいては、また、基板バイアス切換信号BEPが、ワード線イネーブル信号WLEの活性化タイミングよりも遅くないタイミングで活性状態に駆動される(実施の形態1または2)。応じて、ゲート回路GT2の出力信号がHレベルとなり、NチャネルMISトランジスタNT24がオン状態となる。したがって、ワード線WL0は、選択されたとき、MISトランジスタPT20およびNT24のオン抵抗(チャネル抵抗)の比で決定される電圧レベルに維持される。
この読出サイクル時におけるワード線WL0の電圧レベルは、ハイ側セル電源電圧VH(=VDD)と中間電圧VH/2の間の電圧レベルに設定される。この読出時のワード線電圧レベルは、メモリセルに含まれるアクセストランジスタのしきい値電圧よりも高い電圧レベルである。ここでは、ハイ側セル電源電圧VHが、1.2Vのときにアクセストランジスタのしきい値電圧が0.6Vの場合を想定する。これにより、アクセストランジスタのチャネル抵抗が大きくなり、電流駆動力が小さくされ、アクセストランジスタとドライブトランジスタのβ比を向上させることができ、応じて読出マージンを改善することができる。
この読出サイクルにおいては、また、基板電圧VPSの電圧レベルも調整されており、確実に、メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンを拡大して、安定にデータの読出を行なうことができる。
データを書込む書込サイクルにおいては、基板バイアス切換信号BEPがLレベルである。したがって、ワード線イネーブル信号WLEが活性状態に駆動され、ワード線デコード信号RDS1が活性化されると、選択行に対応するワード線ドライバWDV1において、NチャネルMISトランジスタNT24はオフ状態であるため、MISトランジスタPT20により、ワード線WL1がハイ側セル電源電圧VHレベルにまで駆動される。これにより、メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンを、選択行かつ非選択列のメモリセルの記憶データが破壊されない程度に、少し小さくして、高速で書込を行なうことができる。
なお、この基板電圧VPSの調整の構成としては、先の実施の形態1から5のいずれの構成が用いられてもよい。また、ワード線イネーブル信号WLEおよび基板バイアス切換信号BEPの発生のための構成としては、先の実施の形態1または実施の形態2に示した構成を利用することができる。
以上のように、この発明の実施の形態6に従えば、選択ワード線の電圧を、書込動作時と読出動作時において異ならせ、読出動作時に低くしている。従って、基板電圧調整によるスタティック・ノイズ・マージンの改善に加えてさらに、データ読出時のスタティック・ノイズ・マージンを改善でき、読出マージンを向上させることができる。
[実施の形態7]
図27は、この発明の実施の形態7に従うSRAMのプリチャージ回路9の構成の一例を概略的に示す図である。図27において、プリチャージ回路9は、ビット線プリチャージ電圧を生成するビット線プリチャージ電圧発生回路52と、ビット線対BL0,/BL0−BLm,/BLm各々に対応して設けられるビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmを含む。
ビット線プリチャージ電圧発生回路52は、プリチャージ電圧伝達千50に結合されるPチャネルMISトランジスタPT30およびPT32を含む。PチャネルMISトランジスタPT30は、読出モード指示信号/RENAの活性化時プリチャージ電圧伝達線50上にプリチャージ電圧VHLを伝達する。PチャネルMISトランジスタPT32は、書込モード指示信号/WENAの活性化時、ビット線プリチャージ電圧伝達線50上にハイ側セル電源電圧VHを伝達する。
読出モード指示信号/RENAは、データ読出モードが指定されたとき、所定の時間幅の期間Lレベルの活性状態に設定される。書込モード指示信号/WENAは、データ書込モードが指定されたとき、所定の時間幅の期間Lレベルの活性状態に設定される。
ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmは、同一構成を有するため、対応する部分には、同じ参照符号を付す。ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmの各々は、ワード線活性化タイミング信号/WLEAの活性化に応答して導通するPチャネルMISトランジスタTP34およびPT36と、ワード線活性化タイミング信号/WLEAの非活性化に応答して導通するNチャネルMISトランジスタNT30およびNT32を含む。
PチャネルMISトランジスタPT34およびPT36は、導通時、対応のビット線BL,/BL(BL0,/BL0−BLm,/BLm)を、ビット線プリチャージ電圧伝達線50に結合する。NチャネルMISトランジスタNT30およびNT32は、導通時、対応のビット線BLおよび/BLを、接地ノードに結合する。これらのビット線対BL0,/BL0−BLm,/BLmは、それぞれメモリセル列に対応して配置される。メモリセル行に対応して、それぞれ、ワード線WL0,WL1…が設けられる。これらのビット線対とワード線との交差部に対応してメモリセルMCが配置される。メモリセルMCに対しては、先の実施の形態1から5において示したような基板電圧VPSが伝達され、内部の負荷トランジスタの基板領域の電圧が調整される。
図28は、図27に示すプリチャージ回路9の動作を示すタイミング図である。以下、図28を参照して、図27に示すプリチャージ回路9の動作について説明する。
なお、図28においても、このSRAMが、クロック信号CLKに同期して動作するクロック同期型SRAMの場合の動作が一例として示される。非同期SRAMであっても同様のタイミングで各制御信号を生成することができる。
スタンバイサイクルにおいては、読出モード指示信号/RENAおよび書込モード指示信号/WENAがともにHレベルの非活性状態であり、また、ワード線活性化タイミング信号/WLEAもHレベルである。したがって、ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmにおいては、NチャネルMISトランジスタNT30およびNT32が導通し、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmは、すべて接地電圧レベル(プリチャージ電圧レベル)にプリチャージされる。
ビット線プリチャージ電圧発生回路52においては、MISトランジスタPT30およびPT32がともにオフ状態となる。したがって、スタンバイサイクルにおいて、ビット線プリチャージ電圧伝達線50が、フローティング状態になるものの、このプリチャージ電圧伝達線50の電圧は、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmのプリチャージ電圧に悪影響は及ぼさない(ビット線プリチャージ電圧伝達線50の電圧がリーク電流により低下すると、ビット線プリチャージ回路PT34およびPT36がともにより深いオフ状態となる)。しかしながら、このビット線プリチャージ電圧伝達線50のフローティング状態を防止するために、読出モード指示信号/RENAおよび書込モード指示信号/WENAがともに非活性状態のHレベルのとき、ビット線プリチャージ電圧伝達線50を、中間電圧(たとえばプリチャージ電圧VHL)を供給する電圧ノードに結合するトランジスタが設けられてもよい。
読出サイクルが始まると、読出モード指示信号/RENAが所定期間Lレベルに設定される。応じて、プリチャージ電圧発生回路52においてMISトランジスタPT30が導通し、ビット線プリチャージ電圧伝達線50上に、プリチャージ電圧VHLが伝達される。この読出モード指示信号/RENAが活性化されると、ワード線活性化タイミング信号/WLEAが活性化される。応じて、ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmにおいて、NチャネルMISトランジスタNT30およびNT32がオフ状態となり、一方、PチャネルMISトランジスタPT34およびPT36がオン状態となる。
ビット線対BL0,/BL0−BLm,/BLmが、ビット線プリチャージ電圧伝達線50に結合され、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmが、プリチャージ電圧VHLレベルにプリチャージされる。このプリチャージ電圧VHLは、ハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧レベル、すなわち電圧VHと中間電圧VH/2の間の電圧レベル(第3電圧レベル)である。したがって、メモリセルにおいては、ビット線電位が低いため、アクセストランジスタとドライブトランジスタの抵抗比により設定されるデータを記憶する記憶ノードの電位レベルがさらに低下し、また、ビット線電圧が、ハイ側セル電源電圧VHよりも低いため、アクセストランジスタの電源電流が小さくなり、メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンが拡大される。
ワード線イネーブル信号/WLEが、このワード線活性化タイミング信号/WLEAの活性化に従って活性化され、アドレス指定された行のワード線が選択状態へ駆動され、メモリセルデータの読出が実行される。ビット線対においてメモリセルの記憶データに応じた電位差が生じる。
データ読出が完了すると、ワード線イネーブル信号/WLEがHレベルへ駆動され、続いて、ワード線活性化タイミング信号/WLEAが非活性状態のHレベルに駆動される。応じて、ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKmにおいて、MISトランジスタPT30およびPT36がオフ状態となり、一方、NチャネルMISトランジスタNT30およびNT32がオン状態となる。応じて、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmが接地電圧レベルに再びプリチャージされる。
ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmの電圧レベルを、読出時、読出モード指示信号/RENAに従って上昇させる。このワード線選択期間中に、ビット線電圧が列選択ゲート(カラム選択回路)を介して、センスアンプへ伝達されてデータの検知が行なわれる。したがって、読出モード指示信号/RENAは、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化後に非活性化されてビット線プリチャージ電流の供給が停止されても良い。
書込サイクル時においては、書込モード指示信号/WENAが、クロック信号CLKの立上がりに同期して、所定期間Lレベルの活性状態に駆動される。応じて、ビット線プリチャージ電圧発生回路52において、MISトランジスタPT32がオン状態となり、ビット線プリチャージ電圧伝達線50に、ハイ側セル電源電圧VH(第4電圧)が伝達される。
続いて、ワード線活性化タイミング信号/WLEAが活性化され、ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKm各々においてMISトランジスタPT34およびPT36が導通し、一方、MISトランジスタNT30およびNT32がオフ状態となる。応じてビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmが、ビット線プリチャージ電圧伝達線50に結合され、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmが、ハイ側セル電源電圧VHレベルにプリチャージされる。選択行のメモリセルにおいてアクセストランジスタのコンダクタンス(駆動電流)が読出時に比べて大きくなり、アクセストランジスタとドライブトランジスタのβ比が少し劣化し、選択メモリセルに対して高速でデータの書込を行なうことが出来る。
この後、ワード線イネーブル信号/WLEがワンショットパルスの形態で活性化され、書込データに応じて、ビット線BL,/BL(BL0,/BL0−BLm,/BLm)の電圧レベルが、ハイ側電源電圧VHおよびロー側電源電圧(接地電圧)レベルに駆動される。ワード線選択前に書込データが選択ビット線に伝達されても良い。
データ書込が完了すると、ワード線イネーブル信号WLEが非活性化され、応じて、書込モード指示信号/WLEAが非活性化される。ビット線プリチャージ回路BPK0−BPKm各々において、MISトランジスタNT30およびNT32により、ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmがすべて接地電圧レベルに駆動され、また、ビット線プリチャージ電圧伝達線50に対するハイ側電源電圧VHの伝達が停止される。
図28においては、ビット線BL,/BLの接地電圧のプリチャージ動作後にビット線プリチャージ電圧伝達線50に対する電圧VHの供給が停止される。この書込時においても、ビット線の接地電圧へのプリチャージは、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化に応答して行なわれても良い(カラム選択ゲートが非導通状態となった後)。
なお、このビット線を接地電圧にプリチャージする場合、センスアンプおよびライトドライバが結合される内部データ線のプリチャージ電圧レベルは、ハイ側電源電圧レベルであっても良い。ビット線は書込/読出のアクセスサイクルにおいては、その電圧レベルがプリチャージ電圧レベルから上昇するため、内部データ線に結合される場合、ビット線プリチャージ電圧は、所定の電圧レベルに到達しているためである。
以上のように、データ読出時において各ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLmの電圧レベルを、データ書込時よりも低い電圧レベルに設定することにより、メモリセルにおいて相補データを記憶する記憶ノードのLレベル電圧が上昇して、メモリセルの記憶データが反転するのを防止することができる。
書込モード時においては、ビット線BL,/BL(BL0,/BL0−BLm,/BLm)は、ハイ側セル電源電圧VHレベルまで駆動される。選択列においては、ライトドライバにより、ビット線BL,/BLが、書込データに応じて高速で充放電される。ビット線電圧が高くされるため、スタティック・ノイズ・マージンが少し低下し、高速でデータの書込を行なうことが出来る。
また、非選択列のメモリセルにおいては、基板電圧の調整により、そのスタティック・ノイズ・マージンは保証されており、ビット線BLおよび/BLの電圧レベルが、ハイ側セル電源電圧にプリチャージされても、安定にデータを記憶することが出来る。すなわち、非選択列かつ選択行のメモリセルにおいては、ビット線電圧が、その記憶データに応じて変化しても、ワード線が非選択状態に駆動されると、記憶データの再書込が行なわれるだけである。この場合、スタティックノイズマージンは十分に基板電圧調整により保障されており、安定に記憶データを維持することができる。
図29は、主制御部8において図27および図28に示す制御信号を発生する部分の構成を概略的に示す図である。図29において、主制御回路8は、読出モード指示信号/RENAを生成する読出モード検出回路60と、書込モード指示信号/WENAを生成する書込モード検出回路62と、ワード線活性化タイミング信号/WLEAを生成するワンショットパルス発生回路64を含む。
読出モード検出回路60は、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEがLレベルかつライトイネーブル信号/WEがHレベルのときに、読出モード指示信号/RENAを活性化し、ワード線活性化タイミング信号/WLEAが非活性化されると、読出モード指示信号/RENAを非活性化する。
書込モード検出回路62は、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルのときに、書込モード指示信号/WENAを活性化し、ワード線活性化タイミング信号/WLEAが非活性化されると、書込モード指示信号/WENAを非活性化する。
ワンショットパルス発生回路64は、読出モード指示信号/RENAおよび書込モード指示信号/WENAのいずれかの活性化に応答してワンショットパルスの形態で、ワード線活性化タイミング信号/WLEAを発生する。
このワード線活性化タイミング信号/WLEAは、また、行選択駆動回路2に含まれるワンショットパルス発生器66へ与えられる。このワンショットパルス発生器66は、ワード線活性化タイミング信号/WLEAに従って、ワンショットパルスの形態で、ワード線イネーブル信号/WLEを発生する。
この図29に示す構成を利用することにより、読出モード時に、ビット線のプリチャージ電圧を、中間電圧レベル、書込モード時に、ビット線のプリチャージ電圧を、ハイ側セル電源電圧VH(=VDD)レベルにプリチャージすることができる。
なお、読出モード指示信号/RENAおよび書込モード指示信号/WENAが、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化に応答して非活性化されてもよい。
[変更例]
図30は、この発明の実施の形態7の変更例のプリチャージ回路9の構成を概略的に示す図である。図30においては、1つのビット線BL(または/BL)に対するビット線プリチャージ回路BPKiの構成を代表的に示す。ビット線BL0,/BL0−BLm,/BLm各々に対して、図30に示すビット線プリチャージ回路BPKiが設けられる。
ビット線プリチャージ回路BPKiは、各々がビット線BL(または/BL)に結合されるPチャネルMISトランジスタPT40,PT41およびPT42およびNチャネルMISトランジスタNT40と、列選択信号CSiおよび書込モード指示信号WENAを受ける2入力ゲート回路GT3およびGT4を含む。ゲート回路GT3は、列選択信号CSiおよび書込モード指示信号WENAがともにHレベルのときにLレベルの信号を出力する。ゲート回路GT4は、列選択信号CSiをインバータを介してその第1の入力に受け、かつその第2の入力に書込モード指示信号WENAを受け、列選択信号CSiがLレベルかつ書込モード指示信号WENAがHレベルのときにLレベルの信号を出力する。
PチャネルMISトランジスタPT40は、ゲート回路GT3の出力信号がLレベルのときに導通し、ビット線BLへハイ側セル電源電圧VHを伝達する。PチャネルMISトランジスタPT41は、ゲート回路GT4の出力信号がLレベルのときに導通し、ビット線BLにビット線プリチャージ電圧VHLを伝達する。PチャネルMISトランジスタPT42は、読出モード指示信号/RENAがLレベルの活性状態のとき導通し、ビット線BLへビット線プリチャージ電圧VHLを伝達する。NチャネルMISトランジスタNT40は、ローカルのプリチャージ制御回路70に含まれるゲート回路GT6の出力信号がHレベルのときに導通し、ビット線BLを接地ノードに結合する。
このゲート回路GT6は、補の読出モード指示信号/RENAおよび補の書込モード指示信号/WENAがともに非活性状態のときにHレベルの信号を出力する。このローカルのプリチャージ制御回路70は、プリチャージ回路9内において、ビット線プリチャージ回路BPKi(i=0−m)に共通に設けられる。
図31は、図30に示すプリチャージ回路9の動作を示す信号波形図である。以下、図31を参照して、図30に示すプリチャージ回路9の動作について説明する。
スタンバイサイクルにおいては、アクセス指示信号として機能する補のモード指示信号/RENAおよび/WENAはともにHレベルになり、書込モード指示信号WENAは、Lレベルにある。したがって、ゲート回路GT3およびGT4の出力信号はともにHレベルであり、また、ゲート回路GT6の出力信号もHレベルである。したがって、PチャネルMISトランジスタPT40−PT42はすべてオフ状態であり、一方、NチャネルMISトランジスタNT40がオン状態であり、ビット線BL(/BL)は接地ノードに結合され、接地電圧レベルに維持される。
読出サイクルが始まると、アクセスモードを示す読出モード指示信号/RENAが所定期間Lレベルとなる。補の書込モード指示信号/WENAはHレベル、書込モード指示信号WENAはLレベルである。応じて、PチャネルMISトランジスタPT42がオン状態、MISトランジスタPT40、PT41およびNT40はすべてオフ状態となる。したがって、ビット線BLへプリチャージ電圧VHLが伝達される。ビット線BLが、列選択信号CSiにより指定されるか否かにかかわらず、ビット線BL(/BL)は、すべて、プリチャージ電圧VHLレベルにプリチャージされる。適当なタイミングで(ワード線イネーブル信号WLEに従ってワード線が選択状態に駆動されると)、ビット線BL(/BL)の電位が、対応のメモリセルの記憶データに応じて変化する。
読出モードにおいては、列選択信号CSiが選択状態に駆動されても、書込モード指示信号WENAはLレベルであり、ゲート回路GT3およびGT4の出力信号はHレベルに維持され、ビット線BLのプリチャージ動作には影響は及ぼさない。
データ読出が完了すると、読出モード指示信号/RENAがHレベルに駆動される。この場合、モード指示信号/RENAおよび/WENAがともにHレベルとなり、NチャネルMISトランジスタNT40が再びオン状態となり、ビット線BLを接地ノードに結合し、一方、PチャネルMISトランジスタPT40−PT42はすべてオフ状態となる。
書込サイクルが始まると、書込モード指示信号/WENAがLレベルに駆動され、一方、読出モード指示信号/RENAはHレベルに維持される。したがって、ゲート回路GT6の出力信号がLレベルとなり、NチャネルMISトランジスタNT40が、オフ状態となる。また、書込モード指示信号WENAは、Hレベルに駆動され、ゲート回路GT3およびGT4がバッファとして動作する。
このとき、選択列においては列選択信号CSiがHレベルとなり、ゲート回路GT3の出力信号がLレベルとなり、MISトランジスタPT40を介してビット線BLへハイ側セル電源電圧VHが伝達される。一方、非選択列においては、列選択信号CSiはLレベルであり、ゲート回路GT3の出力信号はHレベル、ゲート回路GT4の出力信号がLレベルとなり、PチャネルMISトランジスタPT41がオン状態となり、ビット線BLへは、プリチャージ電圧VHLが伝達される。SRAMにおいては、行アドレス信号と列アドレス信号とが並行して与えられる。したがって、ワード線選択タイミングと同じタイミングまたはそれよりも早いタイミングで列選択信号を確定状態に設定することが出来る(後に説明する実施の形態8参照)。
したがって、データ書込時においては、選択列のビット線が、ハイ側セル電源電圧VH(=VDD)レベルにプリチャージされ、一方、非選択列のビット線BLは、それより低いプリチャージ電圧VHレベルにプリチャージされる。この状態においては、基板電圧VPSが、ハイ側電源電圧VHレベルに設定され、スタティック・ノイズ・マージンが比較的小さくされる場合を考える。この場合、ビット線電圧を高くすることにより、アクセストランジスタの電流を大きくし、また、ビット線電圧によりLレベルデータの記憶ノードの電位を高くして、記憶データの反転を高速で実行する。非選択列においては、ビット線BLはプリチャージ電圧VHLレベルであり、スタティック・ノイズ・マージンは十分に確保され、記憶データの破壊が防止される。これにより、書込時においても、非選択列のメモリセルの読出マージンを十分に確保して、安定にデータを保持することができる。
なお、この図30に示す変更例の構成において、各制御信号WENA、/RENAおよび/WENAは、図29に示す構成を用いて生成される。書込モード指示信号WENAおよび/WENAは互いに相補な信号であり、書込モード指示信号/WENAを反転することにより、書込モード指示信号WENAを生成することができる。
また、これらのモード指示信号WENA,/WENAおよび/RENAの非活性化が、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化に応答して行なわれても良い。
以上のように、この発明の実施の形態7に従えば、書込モードと読出モード時とで、ビット線のプリチャージ電圧レベルを変更しており、読出マージンを確実に確保し安定にデータの書込を行なうことができる。
なお、この実施の形態7においても、基板電圧VPSの電圧レベルの調整およびワード線の電圧レベルの調整を、それぞれ行なうように、実施の形態1から6の構成が適宜組合せて用いられてもよい。
[実施の形態8]
図32は、この発明の実施の形態8に従うスタティック型半導体記憶装置(SRAM)の全体の構成を概略的に示す図である。図32に示すSRAMは、以下の点で、図1に示すSRAMとその構成が異なる。すなわち、PMIS基板電位制御回路10においては、ビット線対BL0,/BL0およびBL1,/BL1それぞれに対応してPMIS基板制御回路PBC0およびPBC1が設けられる。これらのPMIS基板制御回路PBC0およびPBC1は、それぞれ対応の基板電圧伝達線100を介して、メモリセルMCの負荷トランジスタへ基板電圧VPS0およびVPS1をそれぞれ伝達する。このPMIS基板制御回路PBC0およびPBC1の動作を制御するために、主制御回路8からの基板バイアス切換信号BEとカラム選択回路110からのカラム選択信号CD(CD0およびCD1)がアクセス制御信号群ACSとともに共通に与えられる。これらのPMIS基板制御回路PBC0およびPBC1は、それぞれ、ビット線対、すなわちメモリセル列単位で、負荷トランジスタの基板電圧VPSを制御する。カラム選択回路110は、行選択駆動回路2の活性化より遅くないタイミングで活性化される。
この図32に示すSRAMの他の構成は、図1に示すSRAMの構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
SRAMにおいては、行アドレス信号と列アドレス信号が、並行して与えられる。したがって、データ書込時、非選択列のメモリセルの負荷トランジスタの基板電圧を低下させてスタティック・ノイズ・マージンを拡大し、一方、選択列のメモリセルに対しては、その基板電圧を高い電圧レベルに維持し、スタティック・ノイズ・マージンを小さくして、高速でデータ書込を実行する。この基板電圧の変更時、これまでの実施の形態1から7において説明したように、行選択駆動回路2におけるワード線選択タイミングより遅れないタイミングで、基板電圧を変化させる(列アドレス信号をデコードして列選択信号を生成する回路を行選択駆動回路の動作開始タイミングより遅れないタイミングで活性化する。
図33は、図32に示すカラム選択回路110およびPMIS基板制御回路PBC(PBC0,PBC1)の構成の一例を概略的に示す図である。図33において、カラム選択回路110は、ビット線対BL0,/BL0およびBL1,/BL1それぞれに対して設けられるYデコード回路YDK0およびYDK1と、Yデコード回路YDK0およびYDK1の出力信号(列選択ファースト信号)CD0,CD1と列選択イネーブル信号CSENとをそれぞれ受けるゲート回路GT10およびGT11と、列選択ゲートCSG0,CSG1を含む。
Yデコード回路YDK0およびYDK1の各々は、主制御回路に含まれるOR回路130からのアクセス活性化信号ENAの活性化時、与えられたYアドレス信号YAをデコードし、Yアドレス信号YAが対応のビット線対を指定するとき、その出力信号(列選択ファースト信号)CD0,CD1を選択状態(Hレベル)に駆動する。
OR回路130は、書込モード指示信号WENAおよび読出モード指示信号RENAのいずれかの活性化時、アクセス活性化信号ENAを活性化する。
ゲート回路GT10およびGT11は、それぞれ、列選択イネーブル信号CSENの活性化時(Hレベルのとき)バッファとして動作し、対応のYデコード回路YDK0およびYDK1から与えられる列選択ファースト信号CD0およびCD1を通過させる。これらのゲート回路GT10およびGT11により、列選択信号CS0,CS1がそれぞれ生成される。
列選択ゲートCSG0,CSG1は、それぞれ、ゲート回路GT10,GT11からの列選択信号CS0,CS1に従って選択的に導通し、導通時、対応のビット線対BL0,/BL0およびBL1,/BL1を内部データ線115に結合する。
なお、図33において内部データ線115においては、書込データおよび読出データが共通に伝達されるように示す。しかしながら、この内部データ線115として、書込データ線と読出データ線とが別々に設けられてもよい。
PMIS基板制御回路PBC0,PBC1は同一構成を有し、対応のYデコード回路YDK(YDK0,YDK1)から与えられる信号が異なるだけであり、対応する部分には同一参照番号を付す。PMIS基板制御回路PBC0およびPBC1の各々は、書込モード指示信号WENAと対応のYデコード回路YDK(YDK0,YDK1)の出力信号CD(CD0、CD1)を受けるゲート回路120と、ゲート回路120の出力信号とメイン基板バイアス切換信号BEPMとを受けるゲート回路122と、ゲート回路122の出力信号BEP(BEP0,BEP1)に従って、基板電圧伝達線100上の電圧VPS(VPS0,VPP1)の電圧レベルを設定する電圧設定回路124を含む。この電圧設定回路124の構成としては、先の実施の形態4から6おいて示したPMIS基板電位制御回路の構成のいずれかが用いられればよい。
ゲート回路120は、書込モード指示信号WENAがHレベルのとき、対応のYデコード回路YDKの出力信号CDを反転するインバータとして動作し、書込モード指示信号WENAの非活性化時(Lレベルのとき)、その出力信号をLレベルに固定する。
ゲート回路122は、OR回路であり、メイン基板バイアス切換信号BEPMおよびゲート回路120の出力信号のいずれかがHレベルのときに、対応の基板バイアス切換信号BEP(BEP0,BEP1)をHレベルに設定する。
なお、図33において、列選択イネーブル信号CSEN、書込モード指示信号WENAおよび読出モード指示信号RENAが、図30に示す制御信号群ACSに対応する。
図34は、図33に示すPMIS基板制御回路PBC0,PBC1およびカラム選択回路110の動作を示すタイミング図である。以下、図34を参照して、この図33に示す回路動作について説明する。
スタンバイ状態においては、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEはともにHレベルであり、読出モード指示信号RENAおよび書込モード指示信号WENAはともにLレベルである。したがって、Yデコード回路YDK0,YDK1の出力する列選択ファースト信号CD0,CD1はLレベルの非選択状態であり、応じて列選択信号CS0,CS1も非選択状態のLレベルである。したがって、列選択ゲートCSG,CSG1も非導通状態にある。この状態においては、先の実施の形態1から4において説明したように、電圧設定回路124からの基板電圧VPS(VPS0,VPS1)もハイ側セル電源電圧VH(=VDD;第1電圧)レベルである。
読出サイクルが始まると、クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEがLレベル、ライトイネーブル信号/WEがHレベルである。応じて、読出モード指示信号RENAが活性化され、応じて、実施の形態1または2において示したように、メイン基板バイアス切換信号BEPMが活性状態へ駆動される。読出モード指示信号RENAの活性化に従って、図33に示すOR回路130からのアクセス活性化信号ENAが活性化される。このとき、また、クロック信号CLKの立上りエッジにおいて、アドレス信号ADが取込まれ、カラム選択回路110において、Yデコード回路YDK0およびYDK1がデコード動作を行ない、与えられたYアドレス信号YAに従って、それぞれの列選択ファースト信号CD0,CD1を生成する。このデコード動作により、選択列に対応する列選択ファースト信号CD0またはCD1がHレベルへ駆動される。しかしながら、この場合、書込モード指示信号WENAは、Lレベルであり、PMIS基板制御回路PBC0およびPBC1においてゲート回路120の出力信号はLレベルである。
一方、この読出モード指示信号RENAの活性化に従って、メイン基板バイアス切換信号BEPMが所定のタイミング(ワード線選択タイミングより遅くないタイミング)で選択状態へ駆動される。応じて、PMIS基板制御回路PBC0およびPBC1においてゲート回路122の出力する基板バイアス切換信号BEP0,BEP1が選択状態へ駆動される。これにより、電圧設定回路124が、それぞれ基板電圧伝達線100上の基板電圧VPS0,VPS1を、それぞれ所定の電圧レベル(Vbレベル;第2電圧レベル)に駆動する。
この後、ワード線イネーブル信号WLEが活性化され、選択行のワード線が選択状態へ駆動される。
一方、列選択イネーブル信号CSENが、所定のタイミングで活性化され、Yデコード回路YDK0,YDK1の出力信号に従ってゲート回路GT10およびGT11の出力する列選択信号CS(CS0,CS1)が選択状態または非選択状態に設定される。応じて、選択列に対応する列選択ゲートCSG(CSG0またはCSG1)が導通し、選択列のビット線対BL,/BL(BL0,/BL0またはBL1,/BL1)が内部データ線115に結合されてデータの読出が行なわれる。
ワード線イネーブル信号WLEの非活性化後、所定のタイミングで、メイン基板バイアス切換信号BEMがLレベルに駆動され、また読出モード指示信号RENAも非活性化される。また、列選択イネーブル信号CSENが非活性化され、Yデコード回路YDK0,YDK1の出力信号CD(CD0,CD1)が非選択状態へ駆動され、応じて列選択信号CS(CS0,CS1)も非選択状態へ駆動される。
このメイン基板バイアス切換信号BEPMの非活性化に応答して、ゲート回路122の出力信号BEP0,BEP1もそれぞれ非活性化され、電圧設定回路124により、基板電圧伝達線が、ハイ側セル電源電圧レベルにプリチャージされる。
すなわち、データ読出時においては、選択列/非選択列にかかわらず、この基板電圧VPSの電圧レベルをハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧レベルVbに設定する。この場合、各メモリセル列それぞれに、基板制御回路PCBが設けられており、各基板制御回路PCBの駆動する負荷は小さく、高速で、基板電圧VPSを変化させることができる。
なお、メモリセル列の配置については後に詳細に説明するが、各メモリセル列ごとに、負荷トランジスタの基板領域は分離されている。
書込サイクルが始まると、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルに設定される。応じて、書込モード指示信号WENAが活性化され、Yデコード回路YDK0およびYDK1が、ゲート回路130からのアクセス活性化信号ENAの活性化に従ってデコード動作を実行する。このデコード動作により、選択列に対応する列選択ファースト信号CDがHレベルに駆動され、非選択列に対する列選択ファースト信号CDが、Lレベルに維持される。この書込サイクルにおいては、メイン基板バイアス切換信号BEPMはLレベルである。一方、この書込モード指示信号WENAの活性化に従って、ゲート回路120の出力信号の論理レベルが、Yデコード回路YDK0およびYDK1からの列選択ファースト信号CD0およびCD1に従って設定される。すなわち、ゲート回路120は、書込時、対応のビット線対が選択されている場合には、Lレベルの信号を出力し、一方、対応のビット線対が非選択の場合には、Hレベルの信号を出力する。したがって、ゲート回路122の出力信号BEPは、対応のビット線対が選択列の場合Lレベル、非選択列の場合Hレベルとなる。
与えられた基板バイアス切換信号BEPに従って、電圧設定回路124は、対応のビット線対が非選択列の場合には、対応の基板電圧伝達線100上の基板電圧VPS(VPS0またはVPS1)を、読出時と同様所定電圧Vbレベルに設定し、一方、選択列に対しては、この基板電圧VPS(VPS0またはVPS1)をハイ側セル電源電圧VHレベル(第3電圧レベル)に維持する。
この後、所定のタイミングで、列選択イネーブル信号CSENが活性化され、ゲート回路GT10およびGT11からの列選択信号CS0およびCS1が、与えられたYアドレス信号に応じた論理レベルに設定される。したがって、選択列において列選択ゲートCSG(CSG0またはCSG1)が導通し、内部データ線115と選択列のビット線対BL,/BLが結合され、データの書込が行なわれる。書込時において、選択列の負荷トランジスタの基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧レベルであり、メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンが少し小さくされ、高速でデータの書込が行なわれる。非選択列においては、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧が、ハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧レベルに設定されており、十分にスタティック・ノイズ・マージンは確保される。これにより、非選択列かつ選択行のメモリセルの記憶データを安定に保持することが出来る。
データ書込が完了すると、書込モード指示信号WENAが非活性化され、基板制御回路PBC0およびPBC1において基板バイアス切換信号BE0およびBE1が、すべてLレベルとなり、電圧設定回路124は、基板電圧伝達線100上の基板電圧VPS0およびVPS1をすべてハイ側セル電源電圧VHレベルに駆動する。
また、列選択イネーブル信号CSENが非活性化され、ゲート回路GT10およびGT11からの列選択信号CS0およびCS1が非選択状態へ駆動され、選択列のビット線対BL,/BLと内部データ線115とが分離される。この後、ビット線は、図示しないプリチャージ回路により所定電圧にプリチャージされる。
上述のように、データ書込時、選択列のメモリセルの基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHレベルに維持し、非選択列のメモリセルにおいては、基板電圧VPSは、そのハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧Vbレベルに維持する。選択行かつ非選択列のメモリセルにおいては、単にデータの読出および再書込が実行されるだけであり、この状態においてスタティック・ノイズ・マージンが増大されており、確実に、データの再書込を行なうことができ、データが安定に保持される。一方、選択列においては、書込時、基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧レベルに維持される。したがって、スタティック・ノイズ・マージンが少し小さい状態に設定され、高速でデータの書込を実行することができる。データ読出時においては、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧VPSは、バイアスの浅い状態に設定され、スタティック・ノイズ・マージンは十分に確保され、安定にデータを読出すことが出来る。このとき、基板電圧VPSは、実施の形態1または2と同様のタイミングで変更されており、実施の形態1または2と同様の効果を得ることが出来る。なお、書込時において選択列のメモリセルの負荷トランジスタの基板電圧VPSの電圧レベルが、ハイ側セル電源電圧VHよりも高い電圧レベル(第3の電圧レベル)に設定されても良い。
この発明の実施の形態8において、これまでの実施の形態1から7のいずれかの構成と適宜組合せて用いられてもよい。たとえば、ワード線電位を書込モードと読出モードとに切換える構成およびビット線プリチャージ電圧を書込モードと読出モードで変更する構成が、実施の形態8の構成と組合せて用いられてもよい。
また、基板電圧VPSを変化させる期間は、ワード線WLが選択状態にある期間すなわちワード線イネーブル信号WLEが活性期間にある間は、十分に所望値に維持されていればよい。したがって、この基板電圧VPSのバイアス切換信号BEPM,BEPの非活性化タイミングは、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化後の任意のタイミングで設定することができる。
図35は、図33に示す各動作制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。図35において、主制御回路8は、メイン基板バイアス切換信号BEPMを生成する読出基板電圧変更活性化回路130と、読出モード指示信号RENAを生成する読出モード検出回路132と、書込モード指示信号WENAを生成する書込モード検出回路134と、列選択イネーブル信号CSENを生成する列選択活性化回路136を含む。
読出基板電圧変更活性化回路130は、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEがLレベルかつライトイネーブル信号/WEがHレベルのとき、メイン基板バイアス切換信号BEPMを活性化する。このメイン基板バイアス切換信号BEPMの活性化タイミングは、実施の形態1および2に示すように、ワード線イネーブル信号WLEの活性化時またはそれより早いタイミングである。
このメイン基板バイアス切換信号BEPMの非活性化は、ワード線イネーブル信号WLEの非活性化に従って設定されてもよく、またこれより遅いタイミングで、たとえば読出モード指示信号RENAまたは書込モード指示信号WENAの非活性化に従って決定されてもよい。また、メイン基板バイアス切換信号BEPMの活性化タイミングは、ワード線イネーブル信号WLEの活性化タイミングより遅くならないように、両者のタイミング調整が行なわれる。
読出モード検出回路132は、クロック信号CLKの立上りエッジでチップイネーブル信号/CEがLレベルかつライトイネーブル信号/WEがLレベルのときに、所定のタイミングで、読出モード指示信号RENAを活性化し、所定時間経過後に、この読出モード指示信号RENAを非活性化する。
書込モード検出回路134は、クロック信号CLKの立上りエッジで、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEが共にLレベルのとき、所定のタイミングで、ワンショットパルスの形態で、書込モード指示信号WENAを発生する(活性化する)。これらのモード指示信号(アクセスモード指示信号)RENAおよびWENAの活性化タイミングはほぼ同じであり、ワード線活性化のタイミングよりも早いタイミングで活性化される。列選択回路においてYデコード回路を早いタイミングで活性化し、列選択ファースト信号を早いタイミングで確定状態に設定することができる。
列選択活性化回路136は、これらの読出モード指示信号RENAおよび書込モード指示信号WENAのいずれかの活性化に従って列選択イネーブル信号CSENを活性化する。この列選択イネーブル信号CSENの活性化は、ワード線イネーブル信号WLEの活性化よりも早いタイミングに設定されてもよく、また同時に設定されてもよく、それより少し遅くても良い。この列選択イネーブル信号CSENの非活性化が、読出モード指示信号RENAおよび書込指示信号WENAのいずれかの非活性化の遷移に従って行なわれる。
図36は、この発明の実施の形態8におけるSRAMのメモリセルアレイの基板領域の構成を概略的に示す図である。図36において、PMISトランジスタを形成するN型基板領域142と、NチャネルMISトランジスタを形成するP型基板領域140および144とが設けられる。これらのP型基板領域140および144とN型基板領域142が、列方向(ビット線延在方向)に連続的に延在して形成される。P型基板領域140および144は、隣接列のメモリセルと共有される。
N型基板領域142においては、メモリセルMCのPチャネル負荷トランジスタPQ1およびPQ2が形成される。P型基板領域140においては、メモリセルMCのドライブトランジスタNQ1およびアクセストランジスタNQ3が形成される。他方側のP型基板領域144においては、NチャネルのドライブトランジスタNQ2およびNチャネルアクセストランジスタNQ4が形成される。
図36においては、メモリセルMCの各トランジスタのノードの接続先を併せて示す。各メモリセルMCに対してビット線BLおよび/BLが列方向に延在して配置される。また、ワード線WLが、行方向に連続的に延在して配置され、アクセストランジスタNQ3およびNQ4のゲートに接続される。また、N型基板領域に142においては、ハイ側セル電源電圧VHを伝達する電源線が並行して配置され、負荷トランジスタPQ1およびPQ2に結合される。
この図36に示すメモリセルMCの配置が、列方向に鏡映対称で繰り返し設けられ、また、行方向においても同様、鏡映対称で繰返し設けられる。
このN型基板領域142の一方側に、高濃度のN型不純物領域146が設けられ、この高濃度N型不純物領域146は、N型基板領域142と連結される。この高濃度N型不純物領域146に基板電圧VPSが供給されて、応じてN型基板領域142に基板電圧VPSが伝達される。したがって、列方向に連続的に延在するN型基板領域およびP型基板領域を設けることにより、各メモリセル列単位で基板電圧VPSを制御することができる。
図37は、図36に示すメモリセルトランジスタNQ2、PQ2およびNQ3に沿った断面構造を概略的に示す図である。図37においては、メモリセルは、P型半導体(シリコン)基板160上に形成される。NチャネルMISトランジスタを形成するP型基板領域140および144が、Nウェル140Aおよび144Aにより形成される。これらのウェル140Aおよび144Aの間に、PチャネルMISトランジスタを形成するN型基板領域としてNウェル142Aが配置される。Pウェル140AおよびPウェル144Aの外側に、隣接メモリセルのPチャネルMISトランジスタを形成するためのNウェル166および167が、N型基板領域として形成される。
これらのウェル140A、142A、144A、166および167の境界部において素子分離のためにトレンチ領域170−174がそれぞれ形成される。これらのトレンチ領域170−174は、各々シャロートレンチアイソレーション(STI)領域であり、各ウェルの表面に形成されたトレンチ領域に絶縁膜を充填して形成される。トランジスタの活性領域は、不純物領域で形成される。ゲート電極162および161直下の領域にはチャネル領域が形成されるため、この活性領域を形成する不純物領域は示されていない。ゲート電極161は、Nウェル142AおよびPウェル144A上に渡って延在し、PチャネルMISトランジスタPQ2およびNチャネルMISトランジスタNQ2のゲートを構成する。ゲート電極162が、Pウェル140Aにおいてトレンチ領域171上にわたって延在して配置される。このゲート電極162は、NチャネルアクセストランジスタNQ3のゲート電極を構成しており、このゲート電極162は、隣接メモリセルのアクセストランジスタのゲートもまた構成する。
Nウェル142AにおいてはPチャネル負荷トランジスタが形成されており、このNウェル142Aの電圧(基板電圧)レベルを、データ書込時の選択/非選択およびデータ読出モードに応じて設定する。
なお、この図37においては、バルク構造のMISトランジスタが形成されており、トランジスタを形成する活性領域がSTI領域により分離される。しかしながら、これらのウェルとP型半導体基板160の間で、各列毎に分離されるボトムNウェルを設け、このボトムNウェルを介してNウェル142Aの電圧レベルを各メモリセル単位で設定する構成が用いられてもよい。
この図37に示すように、Nウェル142AとP型半導体基板160との間の接合容量は、比較的大きい。したがって、高速で基板電圧を変更するために、Nウェル142Aの列方向における所定数の行ごとに基板電圧伝達線とNウェル142Aとの間のコンタクトが形成されて,列方向に沿って複数箇所においてNウェル142Aに対して基板電圧が供給されても良い。
[変更例]
図38は、図36に示すメモリセルのトランジスタNQ2、NQ3およびPQ2に沿った断面構造の変更例を示す図である。図38において、シリコン(Si)基板200上に、埋込絶縁膜201が形成される。この埋込絶縁膜201上に、NチャネルMISトランジスタを形成するP型基板領域140として、P基板210が形成される。P基板210には隣接列のNチャネルMISトランジスタも形成され、隣接列および対応の列のNチャネルMISトランジスタは、素子分離領域195により分離される。素子分離領域195は、P基板210表面から形成されるシャロートレンチ分離膜で構成されるトレンチ分離構造の「部分トレンチ分離」領域である。
PチャネルMISトランジスタを形成するN型基板領域142は、埋込絶縁膜201上に形成されるN基板212によりその領域が規定される。このN基板212表面に、素子分離領域197が、PチャネルMISトランジスタを分離するために設けられる。この素子分離領域197はシャロートレンチ分離膜で構成され、「部分トレンチ分離」構造を有する。この素子分離領域197により、負荷トランジスタPQ1およびPQ2が分離される。N基板212を、列方向に連続的に延在させ、PチャネルMISトランジスタを形成する領域(活性領域に相当)においてP型領域を形成して、ソースおよびドレイン領域を形成する。N基板201の電位を制御することにより、メモリセル列単位でメモリセルの負荷トランジスタの基板電圧を調整することができる。
P型基板領域140とN型基板領域142の間に形成される素子分離領域196は、埋込トレンチ分離領域196aと、その上部に形成される部分トレンチ分離領域196bとを含む。この素子分離領域196は、したがって埋込絶縁膜201にまで到達し、「完全トレンチ分離」構造を実現する。これにより、N基板212とP基板211とを完全に分離する。前述のようにN基板212は、1列に整列して配置されるメモリセルのPチャネルMISトランジスタに対して共通に設けられ、1つのメモリセル形性領域において2つの負荷トランジスタが、この素子分離領域197により分離される。
N型基板領域142とP型基板領域144の間の素子分離領域198も、完全トレンチ分離の部分トレンチ領域198aとその上部の部分トレンチ分離領域198bとを含む。この素子分離領域198は、埋込絶縁膜201にまで到達し、「完全トレンチ分離」構造を実現し、N基板212をP基板213から完全に分離する。また、NチャネルMISトランジスタを形成するP型基板領域144は、P基板214により、その領域が規定され、P基板214には、対応の列のNチャネルMISトランジスタおよび隣接セルのNチャネルMISトランジスタも形成される。これらのMISトランジスタを分離するために、シャロートレンチ膜で構成される部分分離構造の素子分離領域199が形成される。
N基板212およびP基板214上の素子分離膜までの領域上にゲート電極161が配設され、メモリセルのインバータ構造を実現する。また、このゲート電極161が、MISトランジスタPQ2およびNQ2のゲートを構成し、かつ記憶ノードSN1に結合される。P基板210上に渡ってゲート電極162が形成され、メモリセルのアクセストランジスタNQ3のゲートを形成する。このゲート電極162は、隣接列のアクセストランジスタのゲートと共有され、共通のワード線に結合される。
PチャネルMISトランジスタを形成するN基板212を、P基板210および214から完全トレンチ分離構造により各列毎に分離する。これにより、各列単位でメモリセルのPチャネル負荷トランジスタの基板電圧を調整して、そのしきい値電圧の絶対値を調整することができる。
また、図38に示す構成において、素子分離領域ごとに完全分離構造の素子分離膜を形成すれば、各列毎に、NチャネルMISトランジスタを形成する領域も互いに分離することができ、各列毎に、NチャネルMISトランジスタの基板電圧を列単位で調整することが可能となる。
この図38に示す構成の場合、SOI構造のトランジスタを利用しているため、MISトランジスタのボディ領域がシリコン(Si)基板200と完全に分離される。したがって、基板領域の接合容量が大幅に低減され、基板領域の電位変化を高速で行なうことができる。また、SOI構造のトランジスタの場合、配線およびトランジスタの寄生容量が小さく、低電源電圧下で高速動作を実現することができ、応じて、電源電圧を低くすることができる。したがって、このN基板212の電圧を低くすることができ、消費電流をまた低減することができる。
また、シリコン(Si)基板200とMISトランジスタのボディ領域とが分離されているため、基板ノイズの影響が記憶ノードに伝播されるのを防止することができ、別の効果としてソフトエラー耐性を改善することができる。
また、SOI構造としては、前述の非特許文献1に示されるSOI構造のトランジスタも利用することができる。非特許文献1の図4に示されるように、負荷トランジスタは部分トレンチ分離により分離され、この基板領域を構成するウェル領域が、完全トレンチ分離構造により各列ごとに分離される。したがって、この基板領域を構成するウェルを、各列単位で、その電圧レベルを調整することができる。
以上のように、この発明の実施の形態8に従えば、各列単位で、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧を、動作モードに応じてまたは書込時の選択列/非選択列に応じて設定している。したがって、データ読出時のスタティックノイズマージンを改善することができ、安定にデータを読出すことができるとともに、データ書込を確実に高速に行なうことができる。
[実施の形態9]
図39は、この発明の実施の形態9に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。この図39に示す半導体記憶装置は、図1に示す半導体記憶装置と以下の点で、その構成が異なる。すなわち、主制御回路300は、アクセス指示信号であるライトイネーブル信号/WEおよびチップイネーブル信号/CEをクロック信号CLKの立上がりエッジで取込み、これらの論理レベルに従って、基板バイアス切換信号BEPおよびBENを生成して基板電位制御回路302へ与える。
基板電位制御回路302は、実施の形態1および2と同様、PMIS基板バイアス切換信号BEPに従って基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSの電圧レベルを調整する。基板電圧伝達線12は、メモリセルMC(MC00,MC01,MC10,MC11)のPチャネルMISトランジスタ(負荷トランジスタ)の基板領域へ伝達される。基板電位制御回路302は、また、メモリセルMCのNチャネルMISトランジスタ(アクセストランジスタおよびドライブトランジスタ)の基板領域へ、基板電圧伝達線304を介して基板電圧VNSを伝達する。基板電位制御回路302は、主制御回路300からの基板バイアス切換信号BEPおよびBENに従って、基板電圧VPSおよびVNSの電圧レベルを、動作モードに応じてワード線の選択状態への駆動タイミングに遅れることなくその電圧レベルを調整する。従って、本実施の形態9においては、メモリセルのトランジスタの基板バイアスが、全て動作モードに応じて調整される。
図39に示す半導体記憶装置の他の構成は、図1に示す半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図40は、図39に示す基板電位制御回路302の構成を概略的に示す図である。図40において、基板電位制御回路302は、メモリセルの負荷トランジスタ(PQ1,PQ2)の基板電圧VPSの電圧レベルを動作モードに応じて調整するPMIS基板電位制御回路10と、ドライブトランジスタ(AQ1,AQ2)およびアクセストランジスタ(NQ3,NQ4)の基板電圧VNSを動作モードに応じて調整するNMIS基板電位制御回路310を含む。
PMIS基板電位制御回路10は、先の実施の形態1から実施の形態5の構成のいずれが用いられてもよいが、本実施の形態9においては、このPMIS基板電位制御回路10は、実施の形態1または2と同様、PMIS基板バイアス切換信号BEPの活性化時、すなわちデータ読出モード時、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSの電圧レベルをスタンバイ時および書込時に比べて低下させる。
NMIS基板電位制御回路310は、NMIS基板バイアス切換信号BENの活性化に従って、データ書込時、基板電圧伝達線304上の基板電圧VNSの電圧レベルを、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板バイアスが浅くなるように調整する。すなわち、PMIS基板電位制御回路10により、データ読出時、メモリセルの負荷トランジスタの基板電圧VPSの電圧レベルが、スタティック・ノイズ・マージンを大きくするように調整される。データ書込時、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板電圧VNSが、スタティック・ノイズ・マージンを低下させるように、すなわち書込マージンを大きくするように、その電圧レベルが調整される。
図41は、この発明の実施の形態9に従うメモリセルMCの構成を示す図である。この図41に示すメモリセルMCの構成においては、図2に示すメモリセルMCの構成と異なり、メモリセルMCにおいてドライブトランジスタNQ1およびNQ2の基板領域とアクセストランジスタNQ3およびNQ4の基板領域が、共に、基板電圧伝達線304に結合されて、基板電圧VNSを受ける。この図41に示すメモリセルMCの他の構成は、図2に示すメモリセルの構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図42は、この発明の実施の形態9に従う半導体記憶装置の動作を示すタイミング図である。以下、図42を参照して、図39から図41に示す半導体記憶装置の動作について説明する。
クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEが共にHレベルのときには、NOPコマンド印加であり、新たな動作は指示されない。図42においては、半導体記憶装置はスタンバイ状態に維持される。このスタンバイ状態においては、基板バイアス切換信号BEPおよびBENは、ともにLレベルであり、PMIS基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHレベルに維持され、また、NMIS基板電圧VNSは、ロー側セル電源電圧VLに維持される。
クロック信号CLKの立上がりエッジで、チップイネーブル信号/CEがLレベルでありかつライトイネーブル信号/WEがHレベルのときには、データ読出が指示される。このデータ読出が指示されると、図39に示す主制御回路300は、アドレス信号ADに従って内部アドレス信号RAおよびCAを生成する。時刻t10において、アドレス指定された行に対応するワード線WLが選択状態へ駆動される。
一方、このデータ読出時、ワード線WLの選択状態への駆動に遅れることなく、PMIS基板バイアス切換信号BEPが活性化される(Hレベルに駆動される)。応じて、図40に示すPMIS基板電位制御回路10は、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSの電圧レベルをスタンバイ時の電圧VHよりも低下させる。これにより、図41に示す負荷トランジスタPQ1およびPQ2が基板バイアスが浅くなり、その電流駆動力が増大し、スタティック・ノイズ・マージンが拡大される。一方、データ読出時においては、NMIS基板バイアス切換信号BENが非活性状態であり、NMIS基板電位制御回路310は、基板電圧伝達線304上の基板電圧VNSを、ロー側セル電源電圧VLレベルに維持する。
この状態でデータの読出が行なわれる。読出サイクル(クロック信号CLKが規定するサイクル)において基板バイアス切換信号BEPが、データ読出が完了すると非活性化される。この基板バイアス切換信号BEPの非活性化は、先の実施の形態1または2と同様、クロック信号CLKの立上がりに同期して行われてもよく、また、ワード線WLの非選択状態への駆動に従って行なわれてもよい。
一方、データ書込時においては、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEが、ともに、Lレベルに駆動される。図39に示す主制御回路300が、アドレス信号ADに従って内部アドレス信号RAおよびCAを生成する。行選択駆動回路2が、内部行アドレス信号RAに従って対応のワード線WLを時刻t11において選択状態へ駆動する。この時刻t11以前または同じタイミングで、NMIS基板バイアス切換信号BENが活性化され、応じて、図40に示すNMIS基板電位制御回路310が、基板電圧伝達線304上の基板電圧VNSの電圧レベルを上昇させる。これにより、図41に示すドライブトランジスタNQ1およびNQ2、およびアクセストランジスタNQ3およびNQ4の基板バイアスが浅くされ、これらのドライブトランジスタNQ1およびNQ2およびアクセストランジスタNQ3およびNQ4の電流駆動力が増大する。応じて、ビット線BLおよび/BLのロー側電位のビット線に応じて、記憶ノードSN1またはSN2を高速で放電することができ、書込マージンが増大する。
このときには、PMIS基板バイアス切換信号BEPはLレベルであり、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSはハイ側電源電圧VHレベルに維持される。
したがって、データ読出時において負荷トランジスタの基板領域を順バイアス状態に設定することにより、先の実施の形態1および2と同様に、負荷トランジスタのしきい値電圧のゲート長依存性(ロールオフ特性)を低減することができ、負荷トランジスタ特性のばらつきを低減でき、応じて、メモリセルMCのスタティック・ノイズ・マージンSNMのばらつきを低減できる。これにより、読出マージンを確実に改善することができる。
一方、データ書込時においては、アクセストランジスタNQ3およびNQ4とドライブトランジスタNQ1およびNQ2の基板バイアスを順バイアス状態に設定することにより、同様、これらのトランジスタのしきい値電圧のゲート長依存性のばらつきを低減して、書込特性のばらつきを低減でき、また、書込時、記憶ノードSN1またはSN2の放電速度を高速化することができ、書込マージンが拡大する。また、データ書込時には、確実にメモリセルのドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板バイアスを所望の値に設定することができ、安定にデータの書込を行なうことができる。
このデータ書込時においても、NMIS基板バイアス切換信号BENの非活性化タイミングは、クロック信号CLKの立上がりに同期してもよく、またワード線WLの非活性化に応じて設定されてもよい。
図43は、図40に示す基板電位制御回路302の構成の一例を示す図である。図43において、PMIS基板電位制御回路10は、図16に示す構成と同様の構成を備える。このPMIS基板電位制御回路10は、基板電圧伝達線12に結合されるPチャネルMISトランジスタPT1およびPT2と、PMIS基板バイアス切換信号BEPを受けるインバータIV3を含む。PMIS基板電位制御回路10の動作は、図16において示したPMIS基板電位制御回路の構成と同じであり、その詳細は繰返さない。基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、データ読出時、MISトランジスタPT2により|Vthp|の電圧レベルに設定され、スタンバイ時およびデータ書込モード時、ハイ側セル電源電圧VHのレベルに設定される。Vthpは、MISトランジスタPT2のしきい値電圧である。
NMIS基板電位制御回路310は、PMIS基板電位制御回路10の構成と対称な構成を有し、NチャネルMISトランジスタNT50およびNT52と、NMIS基板バイアス切換信号BENを受けるインバータIV50を含む。NチャネルMISトランジスタNT50は、NMIS基板バイアス切換信号BENの活性化時導通し、ハイ側電源ノードから基板電圧伝達線304に電流を供給し、基板電圧VNSを、電圧VH−Vthnの電圧レベルに設定する。一方、MISトランジスタNT52は、NMIS基板バイアス切換信号BENの非活性化時インバータIV50の出力信号に従って導通し、基板電圧伝達線304上の基板電圧VNSを、ロー側セル電源電圧VLレベルに設定する。
この図43に示すように、PMIS基板電位制御回路10およびNMIS基板電位制御回路310の構成を、対称的な構成(トランジスタの導電型が逆でトランジスタの接続構成は同一)とすることにより、この基板電位制御回路のレイアウトが容易となり、またタイミング制御も容易となる。
図44は、データ書込時におけるメモリセルMCの各ノードの電圧レベルを示す図である。図44においては、ビット線BLおよび/BLが、それぞれ、電圧VHおよびVLに設定される場合の状態を一例として示す。データ書込時、基板電圧伝達線12上の基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHの電圧レベルである。一方、基板電圧伝達線304上の基板電圧VNSは、電圧VH−Vthnである。記憶ノードSN1およびSN2が、それぞれ、電圧VHおよびVLである。この場合、NチャネルMISトランジスタNQ1−NQ4においてP型の基板領域とN型の不純物領域の間のPN接合は、非導通状態に設定する必要がある。メモリセルトランジスタにおいて、基板領域と不純物領域の間の電圧差が最も小さくなるのは、不純物領域にロー側電源電圧VLを受けるNチャネルMISトランジスタNQ1、NQ2およびNQ4である。この場合、基板領域と不純物領域の間のPN接合のビルトイン電圧を電圧Vpnとすると、次式を満たすことが要求される。
VH−Vthn<Vpn
この上述の条件式を満たすことにより、NチャネルMISトランジスタ(ドライブトランジスタおよびアクセストランジスタ)NQ1−NQ4の基板領域と不純物領域の間のPN接合が非導通状態に維持され、誤動作を生じさせることなく確実に、書込マージンを拡大することができる。
図45は、図39に示す主制御回路300の要部の構成を概略的に示す図である。図45において、主制御回路300は、ロウデコーダイネーブル信号RDEを生成するセル選択制御部20と、PMIS基板バイアス切換信号BEPを生成するPMIS基板電圧設定制御部320と、NMIS基板バイアス切換信号BENを生成するNMIS基板電圧設定制御部330を含む。
セル選択制御部20は、先の実施の形態1または2と同様、クロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとに従って、データアクセス時(書込/読出モード時)、ロウデコーダイネーブル信号RDEをワンショットパルスの形態で活性化する。このロウデコーダイネーブル信号RDEが、行選択駆動回路2へ与えられる。図45に示す行選択駆動回路2の構成は、図5に示す行選択駆動回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
PMIS基板電圧設定制御部320は、このクロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとライトイネーブル信号/WEとを受け、データ読出が指定されたとき、所定のタイミングでPMIS基板バイアス切換信号BEPを活性化する。このPMIS基板電圧設定制御部320は、図5に示す基板電圧設定制御部21または図8に示す基板電圧設定制御部29に対応し、これらの構成のいずれが図45に示すPMIS基板電位設定制御部320として用いられてもよい。図45においては、この実施の形態1および2の基板電圧設定制御部21または29のいずれが用いられてもよいように、ロウデコーダイネーブル信号RDEが選択的にPMIS基板電圧設定制御部320へ与えられることを、その破線の信号経路で示す。
NMIS基板電圧設定制御部330は、クロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとライトイネーブル信号/WEとを受け、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルのときに、ロウデコーダイネーブル信号RDEの活性化に遅れないタイミングで、NMIS基板バイアス切換信号BENを活性化する。NMIS基板電圧設定制御部330も、ワード線WLの活性化と並行してまたはワード線WLの活性化前に活性化されてもよい。
基板電位制御回路302に含まれるPMIS基板電位制御回路10およびNMIS基板電位制御回路310は、それぞれ、PMIS基板バイアス切換信号BEPおよびNMIS基板バイアス切換信号BENの活性化に従って、対応の基板電圧VPSおよびVNSの電圧レベルを変更する。
これにより、データ読出時においては、負荷トランジスタの基板電圧VPSの電圧レベルを低くし、データ書込モード時には、ドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板電圧を高くする制御を実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態9に従えば、データ読出時およびデータ書込時においてそれぞれ負荷トランジスタと、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板電圧レベルを基板バイアスが浅くなるように調整している。これにより、基板へのフォワードバイアス印加により、トランジスタ特性のばらつきを抑制でき、スタティックノイズマージンのばらつきが低減でき、スタティック・ノイズマージンを読出時大きくすることができるとともに、読出マージンを改善することができる。なお、同様、書込マージンを向上させることができる。
また、ワード線選択タイミングに遅れることなく基板電圧を変更しており、データ読出時のみならず、データ書込時においても、確実に書込マージンを大きくしてデータの書込を行なうことができる。
[実施の形態10]
図46は、この発明の実施の形態10に従う半導体記憶装置の動作を示すタイミング図である。この実施の形態10に従う半導体記憶装置の全体の構成およびメモリセルの構成は、図39から図41に示す構成と同じである。
図46に示すように、この発明の実施の形態10においては、データ読出モード時においても、NMIS基板バイアス切換信号BENが活性化され、応じて基板電圧VNSがスタンバイモード時よりも高い電圧レベルに設定される。したがって、この発明の実施の形態10においては、メモリセルの負荷トランジスタ、ドライバトランジスタおよびアクセストランジスタの基板バイアスは、データ読出時においてはすべて順バイアスの浅いバイアス状態に設定され、データ書込時においてのみ、ドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板バイアスが浅い状態に設定される。
データ読出時において、アクセストランジスタの基板バイアスが浅くされ(順バイアスされ)、電流駆動力が大きくされる。従って、低電位側の記憶ノードに対応のビット線からカラム電流を多く流すことができ、ビット線間電位差を大きくすることができ、スタティックマージンを劣化させることなく読出マージンを拡大することができる。従って、この図46に示す基板バイアス印加態様においても、実施の形態9と同様の効果を得ることができる。
また、メモリセルトランジスタの基板領域が順バイアスされるため、トランジスタのゲート長のバラツキによるしきい値電圧のバラツキを低減することができ、応じて、スタティック・ノイズ・マージンのバラツキを低減して、安定にデータの読出および書込を行なうことができる。
図47は、この発明の実施の形態10に従う半導体記憶装置の主制御回路300の構成を概略的に示す図である。図47においては、基板電位制御回路302の構成も併せて示す。この図47に示す主制御回路300の構成は、以下の点で、図45に示す主制御回路300の構成と異なる。すなわち、NMIS基板電圧設定制御部340は、クロック信号CLKとチップイネーブル信号/CEとに従ってNMIS基板バイアス切換信号BENを生成する。この主制御回路300のセル選択制御部20およびPMIS基板電圧設定制御部320の構成は、先の実施の形態9の構成(図45参照)の構成と同じである。また、行選択駆動回路2および基板電位制御回路302の構成も、図45に示す実施の形態9の構成と同じである。
この図47に示すNMIS基板電圧設定制御部340は、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEがLレベルに設定されると、データアクセスが指示されたと判定して、NMIS基板バイアス切換信号BENを、実施の形態1又は実施の形態2のタイミングで活性化する。このNMIS基板電圧設定制御部340は、また、チップイネーブル信号/CEが非活性化されると、NMIS基板バイアス切換信号BENを非活性化する。したがって、連続的に複数クロックサイクルにわたってアクセスされる場合チップイネーブル信号/CEがLレベルの活性状態に固定されるため、NMIS基板電圧設定制御部340は、この複数の連続アクセスサイクルにわたって、NMIS基板バイアス切換信号BENを活性状態に維持する。応じて、NMIS基板電位制御回路310は、基板電圧VNSを、高い電圧レベルに維持する。
なお、PMIS基板電圧設定制御部320においても、読出サイクルが連続的に行なわれる場合には、この基板バイアス切換信号BEPが連続的に活性状態に維持されてもよい。この場合、PMIS基板電圧設定制御部320に対しては、ライトイネーブル信号/WEに代えて出力イネーブル信号/OEを与え、データ読出を指示する構成を利用する。
なお、データの書込が行われる書込サイクルおよびデータの読出が行われる読出サイクルにおいて、メモリセルの記憶ノードの充放電が行なわれるのは、対応のワード線が選択状態に維持されるときだけである。したがって、これらのPMIS基板電圧設定制御部320およびNMIS基板電圧設定制御部340において、ワンショットパルス発生器22からのワード線イネーブル信号WREの非活性化に従って、この基板バイアス切換信号BEPおよび/またはBENの非活性化が行なわれてもよい。各アクセスサイクルごとに、基板電圧VPSおよびVNSの変更が行なわれる。
以上のように、この発明の実施の形態10に従えば、読出モード時においては、メモリセルのトランジスタの基板バイアスをすべて浅くし、一方、データ書込時には負荷トランジスタ以外のアクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板バイアスを浅くしている。したがって、スタティック・ノイズ・マージンのばらつきを抑制し、スタティック・ノイズ・マージンを大きくして安定にデータの読出を行なうとともに書込マージンを大きくして正確かつ高速にデータの書込を行なうことができる。
また、実施の形態1または2と同様、ワード線の選択状態への駆動前に、基板電圧の変更を行なっており、実施の形態1または2と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態11]
図48は、この発明の実施の形態11に従う半導体記憶装置の行選択駆動回路2の構成を概略的に示す図である。この図48に示す行選択駆動回路2の構成は、図25に示す行選択駆動回路の構成と、以下の点で、その構成が異なる。すなわち、ワード線ドライバWDV0(24)において、ワード線WL0とロー側セル電源ノードVLとの間に、直列にNチャネルMISトランジスタNT24とダイオードDD40が接続される。
この行選択駆動回路2の他の構成は、図25に示す行選択駆動回路2のワード線ドライバWDV0の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。メモリセルMC0およびMC1に対しては、実施の形態9および10と同様、基板電圧伝達線12および304を介してそれぞれ、基板電圧VPSおよびVNSが伝達される。
図49は、図48に示す行選択駆動回路2の動作を示すタイミング図である。以下、図49を参照して、図48に示す行選択駆動回路2の動作について説明する。
スタンバイ時においては、ワード線イネーブル信号WLEはLレベルの非活性状態であり、ゲート回路GT1の出力信号はHレベルである。応じて、NORゲート(ゲート回路)GT2の出力信号はLレベルであり、MISトランジスタNT24はオフ状態となる。一方ゲート回路GT1の出力信号がインバータIV5により反転され、ワード線WL0は非選択状態のLレベルに維持される。ワード線ドライバWDV1においても同様の動作が行なわれ、ワード線WL1は非選択状態に維持される。
読出サイクルにおいては、所定のタイミングでワード線イネーブル信号WLEが選択状態へ駆動される。ロウデコード信号RDS0が選択状態のHレベルとなると、ゲート回路GT1の出力信号がLレベルとなり、インバータIV5により、ワード線WL0が選択状態へ駆動される。このとき、データ読出時モードであり、ワード線イネーブル信号WLEの活性化のタイミングに遅れることなくPMIS基板バイアス切換信号BEPが活性化されてHレベルとなる。応じて、ゲート回路GT2の出力信号がHレベルとなり、MISトランジスタNT24がオン状態となる。したがって、ワード線WL0の選択電位レベルは、ダイオードDD40の順方向降下電圧(PN接合のビルトイン電圧Vpn)レベルに維持される。
データ読出が完了すると、ワード線イネーブル信号WLEが非活性化され、ゲート回路GT1の出力信号がHレベルとなり、ワード線WL0が非選択状態へ駆動される。このとき、ゲート回路GT2の出力信号がLレベルとなり、MISトランジスタNT24が、オフ状態となり、ダイオードDD40はワード線WL0と分離される。
データ書込サイクルにおいては、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがクロック信号CLKの立上がりエッジでLレベルに設定され、データ書込指示が与えられる。このデータ書込指示に従って、データ読出時と同様にして、ワード線イネーブル信号WLEが活性化される。
この書込サイクル時において、図49に示すように、ワード線WL1が選択される状態を考える。ワード線ドライバWDV1は、ワード線ドライバWDV0と同じ構成を有しており、ゲート回路GT1の出力信号が行デコード信号RDS1に従ってLレベルとなる。しかしながら、データ書込サイクル時、PMIS基板バイアス切換信号BEPはLレベルに維持されるため、ゲート回路GT2の出力信号はLレベルであり、応じて、MISトランジスタNT24はオフ状態である。したがって、ワード線WL1は、インバータIV5により、ハイ側セル電源電圧VHレベルにまで駆動される。これにより、データ書込時、実施の形態9および10と同様、メモリセルのアクセストランジスタの電流駆動力を大きくして、書込マージンを拡大して、データの書込を安定に行なうことができる。
データ書込が完了すると、ワード線イネーブル信号WLEが非活性化され、応じて、ワード線WL1が非選択状態へ駆動される。
なおこの基板電圧伝達線12および304上の基板電圧VPSおよびVNSの電圧レベルは、実施の形態9および実施の形態10のいずれの方法に従って調整されてもよい。
この発明の実施の形態11においては、データ読出時、選択ワード線の電圧レベルを書込時よりも低下させている。したがって、データ読出時のスタティック・ノイズ・マージンを、より改善することができ(β比を改善することができるため:βは、利得係数であり、MISトランジスタのチャネル長とチャネル幅との比に比例する定数)、安定にデータの読出を行なうことができる。特に、実施の形態10のように、データ読出時においても、メモリセルのアクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板バイアスをともに浅くする場合、β比が十分でない状態が生じる場合が考えられる。この場合においても、選択ワード線の電圧レベルを低下させることにより、スタティック・ノイズ・マージンを改善することができ(β比が改善されるため)、安定にデータの読出を行なうことができる。
また、データ書込時においては、選択ワード線の電圧レベルは読出時よりも高くしており、書込マージンが改善され、高速書込が実現される。
また、基板電圧VPSおよびVNSの変更タイミングは、ワード線イネーブル信号WLEの活性化以前のタイミングであり、実施の形態1または実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態12]
図50は、この発明の実施の形態12に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図50に示す半導体記憶装置は、図32に示す半導体記憶装置と、以下の点で、その構成が異なる。すなわち、メモリセル列それぞれに対応して基板制御回路SBCが設けられる。図50においては、メモリセルアレイ1において、2行2列にメモリセルMC00,MC01,MC10,MC11が配列され、このメモリセルアレイ1の2列のメモリセルに対応して配置される基板制御回路SBC0およびSBC1を代表的に示す。
これらの基板制御回路SBC0およびSBC1から、それぞれ対応のメモリセル列に沿って基板電圧伝達線100および400が設けられる。これらの基板電圧伝達線100および400は、対応の列のメモリセルに対して基板電圧を伝達する。すなわち、メモリセルMC00およびMC10に対しては、基板制御回路SBC0から、基板電圧伝達線100および400を介して基板電圧VPS0およびVNS0が与えられ、基板制御回路SBC1からは、基板電圧伝達線100および400を介して基板電圧VPS1およびVNS1がメモリセルMC01およびMC11に与えられる。基板電圧VNS(VNS0,VNS1)は、メモリセルMCに含まれるドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板領域へ与えられる。基板電圧VPS(VPS0,VPS1)は、対応の列のメモリセルの負荷トランジスタの基板領域へ与えられる。この図50に示す実施の形態12に従う半導体記憶装置においては、メモリセル列単位で基板電圧VPSおよびVNSの電圧レベルを制御する。
この図50に示す半導体記憶装置の他の構成は、図32に示す半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図51は、図50に示す基板制御回路SBC0おびSBC1とカラム選択回路110の構成の一例を示す図である。この図51に示す構成において、カラム選択回路110の構成および電圧設定回路124に対する構成は、図33に示す構成と同じである。電圧設定回路124は、対応の列のメモリセルの負荷トランジスタに対する基板電圧VPS0およびVPS1を基板電圧伝達線100を介して伝達する。
この図51に示す基板制御回路SBC0およびSBC1においては、それぞれ基板電圧伝達線400に対する基板電圧VNS(VNS0,VNS1)を伝達する電圧設定回路505が設けられる。この電圧設定回路505に対しては、メインNMIS基板バイアス切換信号BENMと対応のYデコード回路YDK(YDK0,YDK1)からのカラム選択信号CD(CD0,CD1)を受けるゲート回路510と、ゲート回路510の出力信号とメインPMIS基板バイアス切換信号BEPMを受けるゲート回路512とが設けられる。
ゲート回路512から対応の電圧設定回路505に対しNMIS基板バイアス切換信号BEN(BEN0,BEN1)が与えられる。ゲート回路510は、ANDゲートであり、両入力に与えられる信号がともにHレベルのときにHレベルの信号を出力する。ゲート回路512は、ORゲートであり、入力信号に少なくとも一方がHレベルとなるとHレベルの信号を出力する。
図51に示すカラム選択回路110および基板制御回路SBC0,SBC1の他の構成は図33に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図52は、図51に示すカラム選択回路110および基板制御回路SBCの動作を示すタイミング図である。以下、図52を参照して、図50および図51に示す回路の動作について説明する。なお、この図52に示すタイミング図において、負荷トランジスタに対する基板電圧VPS0,VPS1を伝達する電圧設定回路124の動作は、先の図33および図34に示す構成の動作と同じであり、以下の説明においては、基板電圧伝達線400上の基板電圧VNS(VNS0,VNS1)を生成する電圧設定回路505の動作を主に説明する。
スタンバイ状態においては、チップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEはともにHレベルであり、読出モード指示信号RENAおよび書込モード指示信号WENAはともにLレベルである。したがって、Yデコード回路YDK0,YDK1が出力する列選択ファースト信号CD0,CD1は、全て、Lレベルの非選択状態であり、応じて列選択信号CS0,CS1も非選択状態のLレベルである。また、メインPMIS基板バイアス切換信号BEPM(BEP)もLレベルである。したがって、ゲート回路512からのNMIS基板バイアス切換信号BEN0,BEN1は非活性状態であり、電圧設定回路505から基板電圧伝達線400へ伝達される基板電圧VNS0,VNS1は、ロー側セル電源電圧VLのレベルである。
PMIS基板電圧VPSを生成する電圧設定回路124の動作は、先の図33および図34に示す動作と同じであり、その詳細説明は繰返さない。基板電圧VPS0,VPS1は、ハイ側セル電源電圧VHのレベルである。
読出サイクルが始まると、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEがLレベル、ライトイネーブル信号/WEがHレベルである。応じて、読出モード指示信号RENAが活性化され、実施の形態1または2と同様のタイミングでメインPMIS基板バイアス切換信号BEPMが活性状態へ駆動される。このメインPMIS基板バイアス切換信号BEPMの活性化に従って、ゲート回路122からのPMIS基板バイアス切換信号BEP0,BEP1が活性化され、電圧設定回路124から基板電圧伝達線100へ伝達される基板電圧VPS0,VPS1の電圧レベルがハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧VBレベルに設定される。
このメインPMIS基板バイアス切換信号BEPMの活性化に従ってまたゲート回路512から出力されるNMIS基板バイアス切換信号BEN0,BEN1が、また活性化され、電圧設定回路505から基板電圧伝達線400へ伝達される基板電圧VNS(VNS0,VNS1)の電圧レベルがロー側セル電源電圧よりも高い電圧レベルに設定される。この基板電圧VNSの電圧レベルは、先の実施の形態10において示したのと同様の電圧レベルである。
この後、先の実施の形態8と同様の動作が行なわれ、列選択ファースト信号CD0,CD1に従って選択列に対応する列選択ファースト信号CD0またはCD1がHレベルへ駆動される。また読出モード指示信号RENAの活性化に従ってワード線イネーブル信号WLEが活性化され、選択行のワード線が選択状態へ駆動される。一方、列選択イネーブル信号CSENが所定のタイミングで活性化され、Yデコード回路YDK0,YDK1の出力信号に従ってゲート回路GT10,GT11の出力する列選択信号CS(CS0,CS1)が選択状態または非選択状態に設定される。これにより、選択行かつ選択列のメモリセルのデータの読出が実行される。
データ読出モード時においては、メインNMIS基板バイアス切換信号BENM(BEN)は先の実施の形態9と同様、非活性状態に維持される。したがって、メインPMIS基板バイアス切換信号BEPMの非活性化に従って、ゲート回路122の出力するPMIS基板バイアス切換信号BEP0,BEP1が非活性化され、また、ゲート回路512の出力するNMIS基板バイアス切換信号BEN0,BEN1も非活性化される。応じて電圧設定回路124により、基板電圧伝達線100の基板電圧VPS0,VPS1がハイ側セル電源電圧レベルにプリチャージされ、また、電圧設定回路505により基板電圧伝達線400上の基板電圧VNS0,VNS1も、ロー側セル電源電圧VLレベルにプリチャージされる。
すなわち、データ読出時においては、選択列/非選択列にかかわらずこの基板電圧VPSの電圧レベルをハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧Vbレベルに設定し、また、基板電圧VNSの電圧レベルを、ロー側セル電源電圧VLよりも高い電圧レベルに設定する。これにより、実施の形態10と同様、メモリセルのスタティック・ノイズ・マージンのばらつきを低減して、読出マージンを大きくして、選択行かつ選択列のメモリセルのデータを安定にかつ高速に読出すことができる。また、選択行かつ非選択列のメモリセルにおいては、スタティック・ノイズ・マージンが大きくされており、データの再書込みが安定に行われ、データの破壊は防止される。
また、基板制御回路SBCは、メモリセル列それぞれに対応して設けられており、この基板制御回路SCBの駆動する負荷は小さく、高速で基板電圧VPSおよびVNSを変化させることができる。
書込サイクルが始まると、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルに設定される。応じて、書込モード指示信号WENAが活性化され、ゲート回路130からのアクセス活性化信号ENAの活性化に従ってYデコード回路YDK0およびYDK1がデコード動作を実行する。このYデコード動作により、選択列に対応する列選択ファースト信号CDがHレベルに駆動され、非選択列に対応する列選択ファースト信号CDがLレベルに維持される。
この書込サイクルにおいては、PMISメイン基板バイアス切換信号BEPMは非活性状態に維持される。一方、書込サイクルにおいて、書込モード指示信号WENAの活性化に従って、NMISメイン基板バイアス切換信号BENMが活性化される。したがって、実施の形態8と同様、ゲート回路120は、書込時、対応のビット線対が選択されている場合にはLレベルの信号を出力し、一方、対応のビット線対が非選択の場合にはHレベルの信号を出力する。応じて、ゲート回路122の出力信号に従って電圧設定回路124は、対応のビット線対が選択列の場合には基板電圧VPSをハイ側セル電源電圧VHレベルに維持し、対応のビット線対が非選択列の場合には、その基板電圧VPSをハイ側セル電源電圧VHよりも低い電圧Vbレベルに維持する。
また、ゲート回路510は、このメインNMIS基板バイアス切換信号BENMの活性化に従ってイネーブルされ、対応のビット線対が選択されたときには、列選択ファースト信号CD(CD0,CD1)に従ってHレベルの信号を出力する。応じて、ゲート回路512からのローカルのNMIS基板バイアス切換信号BENがHレベルとなり、非選択列に対するローカルのNMIS基板バイアス切換信号BENiは、非選択状態に維持される。したがって、電圧設定回路505は、対応のビット線対が選択されたときには、基板電圧VNSiの電圧レベルをロー側セル電源電圧VLよりも高い電圧レベルに設定し、一方、非選択列については、その基板電圧VNSiをロー側セル電源電圧VLレベルに維持する。
すなわち、選択行において非選択列のメモリセルにおいては、基板電圧VPSiの電圧レベルが低下され、負荷トランジスタの電流駆動力が大きくされ、一方、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタは、基板バイアスがスタンバイ状態と同じである。したがって、選択行かつ非選択列のメモリセルのスタティック・ノイズ・マージンは十分に大きくされ、安定にデータが保持される(再書込される)。一方、選択行かつ選択列のメモリセルにおいては、負荷トランジスタの基板電圧VPSは、ハイ側セル電源電圧VHレベルでありかつアクセストランジスタおよび負荷トランジスタの基板電圧VNSiは、ロー側セル電源電圧VLよりも高い電圧レベルであり、スタティック・ノイズ・マージンが低下し、かつ書込マージンが拡大し、安定にかつ高速にデータの書込が実行される。
この後、所定のタイミングで、列選択イネーブル信号CSENが活性化され、ゲート回路GT10およびGT11からの列選択信号CS0およびCS1が、与えられたYアドレス信号に応じた論理レベルに設定される。これにより、選択列において列選択ゲートCSG(CSG0またはCSG1)が導通し、内部データ線115と選択列のビット線対BL,/BLが結合され、データの書込が実行される。
データ書込が完了すると、書込モード指示信号WENAが非活性化され、基板制御回路SBC0およびSBC1においてローカルの基板バイアス切換信号BEN0,BEN1,BEP0,BEP1がすべて非活性状態のLレベルに設定される。これにより、電圧設定回路124は、基板電圧伝達線100上の基板電圧VPS0およびVPS1をすべてハイ側セル電源電圧VHレベルに駆動し、また、電圧設定回路505は、基板電圧伝達線400上の基板電圧VNS0およびVNS1をロー側セル電源電圧VLレベルに設定する。
この後、列選択イネーブル信号CSENの非活性化に従って、ゲート回路GT10およびGT11からの列アドレス信号CS0およびCS1が非選択状態へ駆動され、選択列のビット線BLおよび/BLと内部データ線115とが分離される。この後、ビット線は、図示しないプリチャージ回路により所定電圧レベルにプリチャージされる。
メモリセルに対する基板電圧VPSおよびVNSは、実施の形態9と同様のタイミングで変更されており、実施の形態9と同様の効果を得ることができる。また、メモリセルトランジスタの基板電圧が、メモリセル列単位で調整されており、高速に、ローカルの基板電圧VPS0,VPS1およびVNS0,VNS1を変更することができる。
なお、この実施の形態12においても、書込時において選択列のメモリセルの負荷トランジスタの基板電圧VPSiの電圧レベルが、ハイ側セル電源電圧VHよりも高い電圧レベルに設定されてもよい。
また、この実施の形態12において、実施の形態3から7の構成が、適宜組合せて用いられてもよい。
また、基板電圧VPSおよびVNSは、ワード線WLが選択状態にある期間、すなわちワード線イネーブル信号WLEが活性期間にある間十分に所望値に維持されていればよい。したがって、基板電圧VPSおよびVNSに対するメイン基板バイアス切換信号BEPMおよびBENMの非活性化タイミングは、ワード線イネーブル信号WEの非活性化以後の任意のタイミングに設定することができる。
図53は、図50に示す主制御回路500の構成の一例を概略的に示す図である。この図53に示す主制御回路500の構成は、以下の点で、図35に示す主制御回路8の構成と異なる。すなわち、読出基本電圧変更活性化回路130に加えて、さらに、書込基本電圧変更活性化回路520が設けられる。この書込基本電圧変更活性化回路520は、クロック信号CLKの立上がりエッジでチップイネーブル信号/CEおよびライトイネーブル信号/WEがともにLレベルに設定されると、所定のタイミングで、NMISメイン基板バイアス切換信号BENMを活性化する。
これらの読出基本電圧変更活性化回路130および書込基本電圧変更活性化回路520がそれぞれ出力するメイン基板バイアス切換信号BEPMおよびBENMの活性化タイミングについては、ワード線イネーブル信号WLEの活性化に対するタイミング調整が行なわれる。すなわち、ワード線イネーブル信号WLEの活性化に遅れることなく、メイン基板バイアス切換信号BEPMおよび/またはBENMが活性化される。
この図53に示す主制御回路500の他の構成は、図35に示す主制御回路8の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明を省略する。
読出基本電圧変更活性化回路130および書込基本電圧変更活性化回路520は、それぞれ実施の形態9におけるPMIS基板電圧設定制御部およびNMIS基板電圧設定制御部の構成と同様の構成を有する。読出モード時においては、読出サイクル移行時、読出基本電圧変更活性化回路130からのPMISメイン基板バイアス切換信号BEPMが所定のタイミングで活性化される。一方、書込モード時においては、書込サイクル移行時、書込基本電圧変更活性化回路520により、NMISメイン基板バイアス切換信号BENMが活性化される。
これにより、図51に示す基板制御回路SBC(SBC0,SBC1)を図52に示すタイミングで動作させることができる。
図54は、この発明の実施の形態12に従うSRAMのメモリセルアレイ1の基板領域の構成を概略的に示す図である。この図54に示すメモリセルアレイの基板領域の構成は、以下の点で、図36に示す基板領域の構成と異なる。すなわち、NチャネルMISトランジスタNQ1およびNQ3を形成するP型基板領域140は、中央の分離領域530によりP型基板領域140aおよび140bに分割される。同様、NチャネルMISトランジスタNQ4およびNQ2を形成するP型基板領域144は、分離領域532により、P型基板領域144aおよび144bに分割される。これらのP型基板領域140aおよび140bに対応して高濃度のP型領域540aおよび540bが設けられ、また、P型基板領域544aおよび544bに対応して高濃度P型領域544aおよび544bが設けられる。これらの基板領域540aおよび540bは、分離領域530により互いに分離され、また、P型領域544aおよび544bも、分離領域532により互いに分離される。
P型領域540aおよび544aに対し第i列のメモリセルに対するNMIS基板電圧VNSiが供給され、P型領域540bに第(i−1)列のメモリセルに対するNMIS基板電圧VNSi−1が供給され、P型領域544bに第(i+1)列のメモリセルに対する基板電圧VNSi+1が供給される。すなわち、分離領域530および532により、隣接列のメモリセルのNチャネルMISトランジスタを形成する領域が、互いに分離される。
この図54に示すメモリセルアレイの基板領域の他の構成は図36に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図54に示すように、メモリセルのNチャネルMISトランジスタを形成するP型基板領域140および144を、素子分離領域530および532で分割することにより、各メモリセル列単位で負荷トランジスタの基板電圧VPSiのみならず、ドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板電圧VNSiの電圧レベルを調整することができる。
図55は、図54に示すメモリセルトランジスタNQ2、PQ2およびNQ3に沿った断面構造を概略的に示す図である。この図55に示す断面構造は、以下の点で、図37に示すメモリセルのトランジスタ基板領域の断面構造とその構造が異なる。すなわち、素子分離領域171下部に、P型基板160にまで到達するウェル分離領域530Aが設けられ、P型基板領域140aおよび140bに対応して、Pウェル140Aaおよび140Abに分離される。同様に、素子分離領域174下部に、P型基板160にまで到達するウェル分離領域532Aが設けられ、Pウェル144が、Pウェル144Aaおよび144Abに分離される。これらのウェル分離領域530Aおよび532Aが、それぞれ、図54に示す分離領域530および532に対応する。
この図55に示す断面構造の他の構造は、図37に示す構造と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
これらのウェル分離領域530Aおよび532Aを設けることにより、NチャネルMISトランジスタを形成するPウェル140Aおよび144Aを、それぞれ、Pウェル140Aaおよび140AbとPウェル144Aaおよび144Abとに分割することができる。このウェル分離により、メモリセル列単位で負荷トランジスタの基板電圧およびアクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板電圧を調整することができる。これにより、先の実施の形態8において説明した基板構造の効果と同様の効果を、これらの基板構造により得ることができる。
[変更例]
図56は、この発明の実施の形態12に従う半導体記憶装置のメモリセルアレイの変更例の断面構造を概略的に示す図である。この図56に示す基板領域の断面構造は、以下の点で、図38に示す実施の形態8の従う半導体記憶装置の変更例の基板領域の断面構造と異なる。すなわち、分離領域195下部に、絶縁膜201にまで到達する分離領域530Bが設けられ、また、分離領域199下部に、絶縁膜201にまで到達する分離領域532Bが設けられる。これらの分離領域195および530Bにより、図38に示すP型基板210が、P型基板210aおよび210bに分離され、また、分離領域199および532Bにより、図38に示すP型基板214が、P型基板214aおよび214bに分離される。この図56に示す他の構造は、図38に示す構造と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図56に示す構成の場合、分離領域195および530Bにより、2つのP型基板210aおよび210bに分離される。これらのP基板210aおよび210bは、図54に示すNチャネルMISを形成するP型基板領域140に対応し、これらのP型基板領域を隣接列で分離することができる。同様、分離領域199および532Bにより、図54に示すP型基板領域144を、P型基板214aおよび214bと各列ごとに分離することができる。これにより、メモリセル列単位でNチャネルMISトランジスタの基板電圧を調整することができる。
この図56に示す構成においても、同様、図38に示す構造の効果をも、併せて得ることができる。
以上のように、この発明の実施の形態12に従えば、各メモリセル列ごとにメモリセルのトランジスタの基板電圧を調整している。これにより、高速で基板電圧を変更することができ、また選択行かつ非選択列のメモリセルの基板電圧をも正確に調整でき、より安定なデータの書込および読出を保証することができる。また、実施の形態9および10と同様の効果をも得ることができる。
[実施の形態13]
図57は、この発明の実施の形態13に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。この図57に示す半導体記憶装置においては、基板電圧伝達線304を介して、NMIS基板電位制御回路600からの基板電圧VNSがメモリセルアレイ1に含まれるメモリセルMC(MC00,MC01,MC10,MC11)へ供給される。このNMIS基板電位制御回路600の生成する基板電圧VNSの電圧レベル制御は、主制御回路610からのNMIS基板バイアス切換信号BENに従って実行される。
主制御回路610において、NMIS基板電圧設定制御部(330または340)が設けられる。NMIS基板バイアス切換信号BENの制御が、実施の形態9または10に従う制御と同様の態様で行われる。
この図57に示す半導体記憶装置の他の構成は、図1に示す半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図57に示す半導体記憶装置の場合、メモリセルのNチャネルMISトランジスタの基板電圧を動作モードに応じて調整しており、負荷トランジスタの特性のばらつきがそれほど問題にならない場合において、確実に、書込マージンを拡大でき、また、実施の形態10と同様のNMIS基板電圧制御を行なうことにより、読出マージンをも拡大することができる。
なお、この実施の形態13においても、メモリセル列単位で基板電圧VNSのレベル調整が実行されても良い。また、データ書込時選択ワード線の電圧レベルが変更される構成が組み合わせて用いられても良い。
以上のように、この発明の実施の形態13に従えば、メモリセルのアクセストランジスタおよびドライブトランジスタの基板電圧を動作モードに応じて調整している。従って、NチャネルMISトランジスタの特性のバラツキ(ゲート長のバラツキによるしきい値電圧のバラツキの影響を抑制して、安定に大きなマージンでデータアクセスを行なうことができる。
この発明は、一般に、SRAMに適用することにより、低電源電圧下においても、読出を安定に行なうことができる。特に、システム・オン・チップ(SOC)などの高集積化された半導体装置において混載メモリとして利用することにより、低消費電力で安定に動作するスタティック型半導体記憶装置を実現することができる。
この発明の実施の形態1に従うSRAMの全体の構成を概略的に示す図である。 図1に示すメモリセルの構成の一例を示す図である。 図2に示すメモリセルのインバータラッチの一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に従うSRAMのデータ読出時の信号波形を示す図である。 この発明の実施の形態1に従うSRAMの主制御回路、行選択駆動回路およびPMIS基板電位制御回路の構成の一例を概略的に示す図である。 図5に示す回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態2に従うSRAMのデータ読出時の動作を示す信号波形図である。 この発明の実施の形態2に従うSRAMの行選択駆動回路、主制御回路およびPMIS基板電位制御回路の構成の一例を概略的に示す図である。 図8に示す回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態3において用いられるMISトランジスタの断面構造と基板電圧印加態様を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態3に従う基板電圧の条件を示す図である。 この発明の実施の形態4に従うPMIS基板電位制御回路の構成の一例を示す図である。 図12に示すPMIS基板電位制御回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態4に従うPMIS基板電位制御回路の第2の構成を示す図である。 図14に示すPMIS基板電位制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の実施の形態4に従うPMIS基板電位制御回路の第3の構成を示す図である。 図16に示すPMIS基板電位制御回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態4に従うPMIS基板電位制御回路の第4の構成を示す図である。 図18に示す回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の実施の形態5に従うPMIS基板電位制御回路の構成を示す図である。 図20に示す回路の動作を示すタイミング図である。 図20に示す制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。 図22に示す回路の動作を示すタイミング図である。 図20に示すプリチャージ電圧を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態6に従うSRAMの要部の構成を概略的に示す図である。 図25に示す回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態7に従うビット線プリチャージ回路の構成の一例を示す図である。 図27に示すプリチャージ回路の動作を示すタイミング図である。 図27に示す制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態7に従うプリチャージ回路の変更例の構成を示す図である。 図30に示すプリチャージ回路の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態8に従うSRAMの要部の構成を概略的に示す図である。 図32に示すPMIS基板制御回路の構成をカラム選択回路の構成とともに示す図である。 図33に示す回路の動作を示すタイミング図である。 図33に示す制御信号を発生する部分の構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態8におけるメモリセルアレイの基板領域の配置を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態8に従うメモリセルの基板領域の断面構造を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態8に従うメモリセルアレイの基板領域の配置の変更例を示す図である。 この発明の実施の形態9に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。 図39に示す基板電位制御回路の構成を概略的に示す図である。 図39に示すメモリセルの基板領域と基板電圧伝達線との接続を具体的に示す図である。 この発明の実施の形態9に従う半導体記憶装置の動作を示すタイミング図である。 図40に示すPMIS基板電位制御回路およびNMIS基板電位制御回路の具体的構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態9における半導体記憶装置のデータ書込時のメモリセルの各ノードの印加電圧を示す図である。 図39に示す主制御回路と行選択駆動回路および基板電位制御回路の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態10に従う半導体記憶装置の動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態10に従う半導体記憶装置の制御回路、行選択駆動回路および基板電位制御回路の構成を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態11に従う半導体記憶装置のワード線ドライバの構成の一例を示す図である。 図48に示すワード線ドライバの動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態12に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。 図50に示す基板制御回路の構成の一例を示す図である。 図51に示す基板制御回路の動作を示すタイミング図である。 図50に示す主制御回路の構成の一例を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態12に従う半導体記憶装置のメモリセルアレイの基板領域の構成を概略的に示す図である。 図54に示すメモリセルアレイの基板領域の断面構造を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態12の変更例のメモリセルアレイの基板領域の断面構造を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態13に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
1 メモリセルアレイ、2 行選択駆動回路、4 カラム選択回路、8 主制御回路、10 PMIS基板電位制御回路、12 基板電圧伝達線、PT1,PT2 PチャネルMISトランジスタ、NT1,NT2 NチャネルMISトランジスタ、DD1 ダイオード、PT10,PT12 PチャネルMISトランジスタ、NT10 NチャネルMISトランジスタ、WDV0−WDV1 ワード線ドライバ、GT1,GT2 ゲート回路、PT20 PチャネルMISトランジスタ、NT22,NT24 NチャネルMISトランジスタ、BPK0−BPKm ビット線プリチャージ回路、50 ビット線プリチャージ電圧伝達線、52 ビット線プリチャージ電圧発生回路、PT30,PT32,PT34,PT36 PチャネルMISトランジスタ、NT30,NT32 NチャネルMISトランジスタ、DT3,DT4,DT6 ゲート回路、PT40−PT42 PチャネルMISトランジスタ、PBC0−PBC1 PMIS基板制御回路、110 カラム選択回路、100 基板電圧伝達線、120,122 ゲート回路、124 電圧設定回路、YDK0,YDK1 Yデコード回路、DT10,DT11 ゲート回路、CSG0,CSG1 列選択ゲート、140,144 P型基板領域、142 N型基板領域、146 N型不純物領域、140A,144A Pウェル、142A Nウェル、200 シリコン(Si)基板、201 埋込絶縁膜、210,211,213,214 P基板、210 N基板、161,162 ゲート電極、300 主制御回路、302 基板電位制御回路、304 基板電圧伝達線、310 NMIS基板電位制御回路、NT50,NT52 NチャネルMISトランジスタ、320 PMIS基板電圧設定制御部、330,340 NMIS基板電圧設定制御部、DD40 ダイオード、SBC0,SBC1 基板制御回路、500 主制御回路、505 電圧設定回路、510 ANDゲート、512 ORゲート、140a,140b,144a,144b P型基板領域、540a,540b,544a,544b P型領域、530,532 分離領域、530A,532A ウェル分離領域、140Aa,144Aa Pウェル、530B,532B 分離領域、210a,210b,214a,214b P型基板、600 NMIS基板電位制御回路、610 主制御回路。

Claims (14)

  1. 行列状に配列され、各々が、2つの交差結合される第1導電型の負荷トランジスタと2つの交差結合される第2導電型のドライブトランジスタとを記憶部として有するとともに前記第2導電型の2つのアクセストランジスタとを有する複数のメモリセルを備え、各前記負荷トランジスタは、ドライブトランジスタおよびアクセストランジスタは、それぞれ、電流が流れるチャネルが形成される基板領域を有し、
    各メモリセル行に対応して配置され、各々に対応の行のメモリセルのアクセストランジスタが接続する複数のワード線を備え、各アクセストランジスタは、対応のワード線の選択時、導通状態とされ、
    各メモリセル列に対応して配置され、各々に対応の列のメモリセルの記憶部がアクセストランジスタを介して結合される複数のビット線対、
    アクセス指示信号に従って、アドレス指定された行のワード線を選択状態へ駆動する行選択駆動回路、および
    前記アクセス指示信号に従ってメモリセルへのデータアクセス時、少なくともアドレス指定された選択メモリセルの第1および第2導電型のトランジスタのうちの少なくとも一方の導電型のトランジスタの基板領域の電圧を、前記行選択駆動回路による前記アドレス指定された行のワード線の選択状態への駆動に遅れることなくスタンバイ時の電圧と異なる電圧レベルに変更する基板電位制御回路を備え、
    前記基板電位制御回路は、スタンバイ時、前記負荷トランジスタの基板領域を第1の電圧レベルに設定し、
    前記スタティック型半導体記憶装置は、さらに、
    前記複数のビット線対に対して設けられ、スタンバイ時に前記複数のビット線対を前記第1の電圧と異なるプリチャージ電圧レベルにプリチャージし、前記アクセス指示信号に従って、データ読出時、少なくともアドレス指定された列のビット線対の電圧を前記第1の電圧よりも低くかつ前記プリチャージ電圧よりも高い第2電圧レベルにプリチャージし、データ書込時、前記アドレス指定された列のビット線対を前記第2の電圧レベルよりも高い第3の電圧レベルにプリチャージするビット線プリチャージ回路をさらに備える、スタティック型半導体記憶装置。
  2. 前記基板電位制御回路は、
    前記アクセス指示信号に従って、データ読出時、少なくとも前記選択メモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧を前記行選択駆動回路によるアドレス指定された行のワード線の選択状態への駆動に遅れることなくスタンバイ時の前記第1の電圧から前記第1の電圧よりも低い第の電圧へ変更する、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  3. 前記基板電位制御回路は、
    前記アクセス指示信号に従って、データ書込時、前記選択メモリセルのドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板領域の電圧を、前記行選択駆動回路による前記アドレス指定された行のワード線の選択状態への駆動に遅れることなく前記スタンバイ時の第の電圧から、前記第の電圧よりも高い第の電圧に変更する、請求項1または2記載のスタティック型半導体記憶装置。
  4. 前記基板電位制御回路は、
    前記アクセス指示信号に従って、データ読出時、前記少なくとも選択メモリセルのドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板領域の電圧を、前記行選択駆動回路による前記アドレス指定されたワード線の選択状態への駆動に遅れることなく前記スタンバイ時の第の電圧から前記第の電圧レベルよりも高い第6の電圧レベルに変更する、請求項2または3記載のスタティック型半導体記憶装置。
  5. 各前記メモリセルの各負荷トランジスタは、さらに、ハイ側セル電源電圧を供給するセル電源ノードに結合されるP型ソース領域を有し、前記基板領域はN型であり、
    前記ハイ側セル電源電圧と前記第の電圧の差は、前記負荷トランジスタのPN接合のビルトイン電圧以下である、請求項2記載のスタティック型半導体記憶装置。
  6. 前記スタティック型半導体記憶装置は、さらに、少なくとも1列に整列して配置されるメモリセルの負荷トランジスタの基板領域に電圧を伝達する基板電圧伝達線を備え、
    前記基板電位制御回路は、
    前記アクセス指示信号に従って生成されるタイミング信号に応答して、前記基板電圧伝達線を前記第1の電圧を伝達する第1電源ノードに結合する第1のトランジスタと、
    前記基板領域と基準電源ノードとの間に結合されるダイオードおよび第2のトランジスタの直列体を含み、前記第2のトランジスタは、前記タイミング信号に応答して前記第1のトランジスタと相補的に導通する、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  7. 前記基板電位制御回路は、
    前記第1の電源ノードと前記基板電圧伝達線との間に接続され、前記タイミング信号に応答して前記第2のトランジスタと同相で導通する第3のトランジスタをさらに備える、請求項6記載のスタティック型半導体記憶装置。
  8. 前記スタティック型半導体記憶装置は、さらに、少なくとも1列に整列して配置されるメモリセルの負荷トランジスタの基板領域に電圧を伝達する基板電圧伝達線を備え、
    前記基板電位制御回路は、
    前記アクセス指示信号に従って生成されるタイミング信号に応答して、前記基板電圧伝達線を前記第1の電圧を供給する第1電源ノードに結合する第1のトランジスタと、
    前記基板電圧伝達線と基準電源ノードとの間に結合され、前記タイミング信号に応答して前記第1のトランジスタと相補的に導通する前記第1のトランジスタと同一導電型の第2のトランジスタを備える、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  9. 前記基板電位制御回路は、さらに、
    前記第1電源ノードと前記基板電圧伝達線との間に接続され、前記タイミング信号に応答して前記第2のトランジスタと同相で導通する第3のトランジスタをさらに備える、請求項8記載のスタティック型半導体記憶装置。
  10. 前記行選択駆動回路は、
    データ読出時、前記アドレス指定された行のワード線の選択状態の電圧をデータ書込時の選択状態の電圧よりも低い電圧レベルに設定する素子を含む、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  11. 前記基板電位制御回路は、
    前記ビット線対に対応して配置され、各々が前記アクセス指示信号に基づいて生成されるタイミング信号とアドレス指定されたメモリセル列を指定する列選択信号とに従って対応の列のメモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧を制御する複数の基板制御回路を備える、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  12. 各前記基板制御回路は、
    データ読出し時、選択メモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧を前記スタンバイ時の第1の電圧から前記第1の電圧よりも低い第の電圧に変更し、データ書込時、前記列選択信号が対応のビット線対を指定しているときには、対応の列のメモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧を前記第の電圧レベルより高い電圧レベルに設定し、前記列選択信号が対応の列以外の列を指定しているときには対応の列のメモリセルの負荷トランジスタの基板領域の電圧を前記第1の電圧から前記第の電圧に変更する、請求項11記載のスタティック型半導体記憶装置。
  13. 前記基板電位制御回路は、
    前記負荷トランジスタの基板領域へ伝達される電圧を、前記スタンバイ時には前記第1の電圧レベルに設定し、前記データ読出時には、前記第1の電圧よりも低い第の電圧レベルに設定し、データ書込時には、前記第1の電圧レベルよりも高い第の電圧レベルに設定する、請求項1記載のスタティック型半導体記憶装置。
  14. 前記基板電位制御回路は、
    各前記ビット線対に対応して配置され、各々が対応の列のメモリセルのドライブトランジスタおよびアクセストランジスタの基板領域の電圧を前記アクセス指示信号および列選択信号に従って制御する複数の基板制御回路を備える、請求項1から4のいずれかに記載のスタティック型半導体記憶装置。
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