本発明の固体撮像装置に係る一実施の形態(第1実施例)を、図1の概略構成断面図によって説明する。
図1に示すように、半導体層11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体層11には、例えばシリコン層もしくはシリコン基板が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp+領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp+領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、ゲート電極32の一方側の半導体層11にはn+領域25が形成されている。
上記ゲート電極32上にはコンタクト部41が接続され、上記画素分離領域12上にはコンタクト部42が接続されるとともに、上記光電変換部21上には上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる反射層43が形成されている。また、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部も形成されている。上記ゲート絶縁膜31、ゲート電極32上には絶縁膜81が形成され、上記各コンタクト部はこの絶縁膜81に形成された孔91、92、93等に、例えば導電体を埋め込むことで形成されている。
上記反射層43は、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものであることが必要である。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、それよりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、タングステン層がある。したがって、上記反射層43は、タングステン層で形成されることが好ましい。もしくは、タングステン層を含む層で形成されることが好ましい。このような積層構造として、ポリシリコン層とタングステン層との積層構造、タングステン層とシリサイド層との積層構造がある。
このように、反射層43がタングステン層で形成されていることから、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射することができる。しかも、上記タングステン層は、従来のアルミニウム層のようにグレイン成長して成膜されるものではないので、結晶粒界ができ難い。このため、アルミニウム膜では結晶粒界から漏れていた近赤外光、赤外光等の長波長領域の光も反射することができる。
さらに、上記各コンタクト部41、42や上記反射層43に接続する第1配線51〜53が形成されている。上記反射層43に接続する第1配線53は、例えば、上記電極層34を投影した形状、もしくはその形状より大きい形状に形成されていることが好ましい。また、上記第1配線51〜52は、例えばタングステンで形成されることが好ましいが、その他の金属材料、例えば銅、アルミニウム等であってもよい。例えば、第1配線51〜53をタングステンで形成した場合には、上記反射層43で反射しきれなかった、例えば反射層43の周部から漏れた上記長波長領域の光を、第1配線51〜53によって、光電変換部21側に反射させることが可能になる。
上記第1配線51〜53には、例えばビア54〜56を介して第2配線61〜63が接続されている。同様に、上記第2配線61〜63には、例えばビア64〜66を介して第3配線71〜73が接続されている。図面では3層構造の配線層を有する固体撮像装置1を示したが、配線層が4層以上であっても、本発明は適用できる。上記各配線層を被覆するように、前記絶縁膜81を含む絶縁膜80が形成されている。この絶縁膜80は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体層11の光入射側とは反対側には、図示はしていないが、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
上記第1実施例の固体撮像装置1では、光電変換部21の光入射側とは反対側に、光電変換部21を透過した光を光電変換部21側に反射する反射層43を備えたことから、光電変換部21に入射した光が光電変換部21で吸収しきれなかった場合、特に光電変換部21を透過し易い長波長領域の光、例えば近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を反射層43で反射させて、再び光電変換部21に戻すことができる。すなわち、一旦光電変換部21を透過した光をもう一度光電変換部21で受光することができるため、特に光電変換部21で受光できる長波長領域の光量が実質的に増大されることになる。このため、光電変換部21の長波長領域の感度を向上させることができる。また、反射層43は、タングステン層もしくはタングステン層を含む層からなることから、グレイン成長して形成されるアルミニウム層からなる反射層よりも緻密に形成されるため、特に近赤外光や赤外光等の長波長領域の光を反射することができる。また、光入射面から入射した光のうち光電変換部21で吸収しきれなかった光が、信号回路側の反射層43で反射され、もとの光電変換部21に戻されることによって、隣接する画素に光が漏れることで生じる混色を防止することができる。
上記第1実施例の構成の固体撮像装置1を製造するには、上記ゲート電極32上にコンタクト部41を形成し、上記画素分離領域12上にコンタクト部42を形成する際に、上記光電変換部21上に上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる反射層43を形成すればよい。例えば、絶縁膜81に形成された孔91、92にタングステンを埋め込んで上記コンタクト部41、42を形成するのと同時に、光電変換部21上の絶縁膜81に形成した孔93にタングステンを埋め込むことで、反射層43を形成する。そして、コンタクト部41に接続する第1配線51、コンタクト部42に接続する第1配線52を形成するのと同時に、反射層43に接続する第1配線53を、上記光電変換部21上を覆うように形成する。これにより、図示するように反射層43は、光電変換部21に近いゲート絶縁膜31と第1配線53との間の絶縁膜81の孔93内に形成される。
次に、本発明の固体撮像装置に係る一実施の形態(第2実施例)を、図2の概略構成断面図によって説明する。この第2実施例は、上記第1実施例において、反射層43が形成される孔93の開口形状が大きい場合で、孔93の内部をタングステン層で埋め込むこと
が困難になる場合の対応策の一例である。
図2に示すように、半導体層11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体層11には、例えばシリコン層が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp+領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp+領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、ゲート電極32の一方側の半導体層11にはn+領域25が形成されている。
上記ゲート電極32上にはコンタクト部41が接続され、上記画素分離領域12上にはコンタクト部42が接続されるとともに、上記光電変換部21上には上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる反射層43が形成されている。また、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部も形成されている。上記ゲート絶縁膜31、ゲート電極32上には絶縁膜81が形成され、上記各コンタクト部はこの絶縁膜81に形成された孔に、例えば導電層を埋め込むことで形成されている。上記反射層43も同様な方法が採用されるが、孔93の開口形状が大きいため、孔93の内部を埋め込むように反射層43を形成することが困難である。そこで、上記反射層43は孔93の内面を被覆するように形成されている。
上記反射層43は、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、それよりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、タングステン層がある。したがって、上記反射層43は、タングステン層で形成されることが好ましい。もしくは、タングステン層を含む層で形成されることが好ましい。このような積層構造として、ポリシリコン層とタングステン層との積層構造、タングステン層とシリサイド層との積層構造がある。また、上記孔93の内面を被覆するように形成した反射層43は、近赤外光や赤外光等の長波長領域の光が透過しない膜厚に形成されることが必要である。
このように、反射層43がタングステン層で形成されていることから、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射することができる。しかも、上記タングステン層は、従来のアルミニウム層のようにグレイン成長して成膜されるものではないので、結晶粒界ができ難い。このため、アルミニウム膜では結晶粒界から漏れていた近赤外光、赤外光等の長波長領域の光も反射することができる。
上記孔93の内部には、反射層43を介して絶縁膜もしくは導電膜からなる埋め込み材料44が埋め込まれている。このように、埋め込み材料44によって孔93を埋め込むことで、孔93では段差を生じることが解消されている。
さらに、上記各コンタクト部41、42や上記反射層43に接続する第1配線51〜53が形成されている。上記反射層43に接続する第1配線53は、例えば、上記電極層34を投影した形状、もしくはその形状より大きい形状に形成されていることが好ましい。また、上記第1配線51〜53は、例えばタングステンで形成されることが好ましいが、その他の金属材料、例えば銅、アルミニウム等であってもよい。例えば、第1配線51〜53をタングステンで形成した場合には、上記反射層43で反射しきれなかった、例えば反射層43の周部から漏れた上記長波長領域の光を、第1配線51〜53によって、光電変換部21側に反射させることが可能になる。
上記第1配線51〜53には、例えばビア54〜56を介して第2配線61〜63が接続されている。同様に、上記第2配線61〜63には、例えばビア64〜66を介して第3配線71〜73が接続されている。図面では3層構造の配線層を有する固体撮像装置2を示したが、配線層が4層以上であっても、本発明は適用できる。上記各配線層を被覆するように、前記絶縁膜81を含む絶縁膜80が形成されている。この絶縁膜80は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体層11の光入射側とは反対側には、図示はしていないが、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
上記第2実施例の固体撮像装置2では、光電変換部21の光入射側とは反対側に、光電変換部21を透過した光を光電変換部21側に反射する反射層43を備えたことから、光電変換部21に入射した光が光電変換部21で吸収しきれなかった場合、特に光電変換部21を透過し易い長波長領域の光、例えば近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を反射層43で反射させて、再び光電変換部21に戻すことができる。すなわち、一旦光電変換部21を透過した光をもう一度光電変換部21で受光することができるため、特に光電変換部21で受光できる長波長領域の光量が実質的に増大されることになる。このため、光電変換部21の長波長領域の感度を向上させることができる。また、反射層43は、タングステン層もしくはタングステン層を含む層からなることから、グレイン成長して形成されるアルミニウム層からなる反射層よりも緻密に形成されるため、特に近赤外光や赤外光等の長波長領域の光を反射することができる。また、光入射面から入射した光のうち光電変換部21で吸収しきれなかった光が、信号回路側の反射層43で反射され、もとの光電変換部21に戻されることによって、隣接する画素に光が漏れることで生じる混色を防止することができる。
上記第2実施例の構成の固体撮像装置2を製造するには、上記ゲート電極32上にコンタクト部41を形成し、上記画素分離領域12上にコンタクト部42を形成する際に、上記光電変換部21上に上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる反射層43を形成すればよい。ただし、反射層43で孔93を埋め込むことができないので、反射層43で埋め込めなかった部分に絶縁膜もしくは導電膜からなる埋め込み材料44が埋め込む。例えば、絶縁膜81に形成された孔91、92にタングステン膜を埋め込んで上記コンタクト部41、42を形成するのと同時に、光電変換部21上の絶縁膜81に形成した孔93の内面にタングステン膜を成膜することで、反射層43を形成する。次いで、孔93の反射層43で埋め込み切れなかった部分に絶縁膜もしくは導電膜からなる埋め込み材料44を埋め込み、その後、余剰な埋め込み材料を除去する。そして、コンタクト部41に接続する第1配線51、コンタクト部42に接続する第1配線52を形成するのと同時に、反射層43に接続する第1配線53を、上記光電変換部21上を覆うように形成する。これにより、図示するように反射層43は、光電変換部21に近いゲート絶縁膜31と第1配線53との間の絶縁膜81の孔93内に形成される。
次に、本発明の固体撮像装置に係る一実施の形態(第3実施例)を、図3の概略構成断面図および図4の平面レイアウト図によって説明する。
図3および図4に示すように、半導体層11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体層11には、例えばシリコン層が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp+領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp+領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、ゲート電極32の一方側の半導体層11にはn+領域25が形成されている。
上記ゲート電極32上にはコンタクト部41が形成され、上記画素分離領域12上にはコンタクト部42が形成されるとともに、上記光電変換部21の周部上には上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同時に形成される反射層43が形成されている。また、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部も形成されている。上記ゲート絶縁膜31、ゲート電極32上には絶縁膜81が形成され、上記各コンタクト部はこの絶縁膜81に形成された孔に、例えば導電層を埋め込むことで形成されている。そこで、図4に示すように、上記反射層43が形成される溝94は、上記光電変換部21の周部上に、溝94が導電層で埋め込まれる幅に形成されている。なお、図4(1)は光電変換部21と溝94に形成された反射層43の位置関係を示し、図4(2)はさらに第1配線53を加えた光電変換部21と溝94に形成された反射層43の位置関係を示している。
上記反射層43は、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、それよりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、タングステン層がある。したがって、上記反射層43は、タングステン層で形成されることが好ましい。もしくは、タングステン層を含む層で形成されることが好ましい。このような積層構造として、ポリシリコン層とタングステン層との積層構造、タングステン層とシリサイド層との積層構造がある。また、上記溝94を埋め込むように形成した反射層43は、近赤外光や赤外光等の長波長領域の光が透過しない膜厚に形成されることが必要である。
このように、反射層43がタングステン層で形成されていることから、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射することができる。しかも、上記タングステン層は、従来のアルミニウム層のようにグレイン成長して成膜されるものではないので、結晶粒界ができ難い。このため、アルミニウム膜では結晶粒界から漏れていた近赤外光、赤外光等の長波長領域の光も反射することができる。
さらに、上記各コンタクト部41、42や上記反射層43に接続する第1配線51〜53が形成されている。上記反射層43に接続する第1配線53は、例えば、上記電極層34を投影した形状、もしくはその形状より大きい形状に形成されていることが好ましい。また、上記第1配線51〜53は、例えばタングステン層もしくは少なくともタングステン層を含む層で形成される。上記第1配線53がタングステン層もしくはタングステン層を含む層で形成されたことで、反射層43に囲まれた領域を透過する上記長波長領域の光を光電変換部21側に反射させることが可能になる。また、反射層43が光電変換部21の周部上に形成され、第1配線53に接続されていることから、光電変換部21を透過した光は、第1配線53および反射層43によって当該光電変換部21側に反射されるので、他の画素に入射されることなく、当該光電変換部21に再入射させることが可能になる。すなわち、この第3実施例では、光電変換部21を透過した光を光電変換部21に再入射させる機能からして、第1配線53も反射層となっている。
また、上記反射層43が形成される溝94は、光電変換部21に接続して形成される転送トランジスタ101に重ならないように形成されている。なお、一例として、光電変換部には、転送トランジスタ101、リセットトランジスタ102、増幅トランジスタ103が順に接続されている。また、例えば、転送トランジスタ101の転送ゲート101Gに接続するコンタクト部41、各トランジスタのソースドレインに接続するコンタクトが設けられている。
上記第1配線51〜53には、例えばビア54〜56を介して第2配線61〜63が接続されている。同様に、上記第2配線61〜63には、例えばビア64〜66を介して第3配線71〜73が接続されている。図面では3層構造の配線層を有する固体撮像装置3を示したが、配線層が4層以上であっても、本発明は適用できる。上記各配線層を被覆するように、前記絶縁膜81を含む絶縁膜80が形成されている。この絶縁膜80は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体層11の光入射側とは反対側には、転送トランジスタ101、リセットトランジスタ102、増幅トランジスタ103等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
上記第3実施例の固体撮像装置3では、光電変換部21の光入射側とは反対側に、光電変換部21を透過した光を光電変換部21側に反射する反射層43および第1配線53を備えたことから、光電変換部21に入射した光が光電変換部21で吸収しきれなかった場合、特に光電変換部21を透過し易い長波長領域の光、例えば近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を反射層43および第1配線53、で反射させて、再び光電変換部21に戻すことができる。すなわち、一旦光電変換部21を透過した光をもう一度光電変換部21で受光することができるため、特に光電変換部21で受光できる長波長領域の光量が実質的に増大されることになる。このため、光電変換部21の長波長領域の感度を向上させることができる。また、反射層43および第1配線53は、タングステン層もしくはタングステン層を含む層からなることから、グレイン成長して形成されるアルミニウム層からなる反射層よりも緻密に形成されるため、特に近赤外光や赤外光等の長波長領域の光を反射することができる。また、光入射面から入射した光のうち光電変換部21で吸収しきれなかった光が、信号回路側の反射層43で反射され、もとの光電変換部21に戻されることによって、隣接する画素に光が漏れることで生じる混色を防止することができる。
上記第3実施例の構成の固体撮像装置3を製造するには、上記ゲート電極32上にコンタクト部41を形成し、上記画素分離領域12上にコンタクト部42を形成する際に、上記光電変換部21上に上記ゲート絶縁膜31を介して上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる反射層43を形成すればよい。例えば、絶縁膜81に形成された孔91、92にタングステンを埋め込んで上記コンタクト部41、42を形成するのと同時に、光電変換部21上の絶縁膜81に形成した溝94にタングステンを埋め込むことで、反射層43を形成する。そして、コンタクト部41に接続する第1配線51、コンタクト部42に接続する第1配線52を形成するのと同時に、反射層43に接続する第1配線53を、上記光電変換部21上を覆うように形成する。これにより、図示するように反射層43は、光電変換部21に近いゲート絶縁膜31と第1配線53との間の絶縁膜81内に形成される。
本発明の固体撮像装置に係る一実施の形態(第4実施例)を、図5の概略構成断面図によって説明する。
図5に示すように、半導体層11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体層11には、例えばシリコン層が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp+領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp+領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、ゲート電極32の一方側の半導体層11にはn+領域25が形成されている。
上記光電変換部21上には、上記ゲート絶縁膜31を介して、上記ゲート電極32と同一層で形成される電極層34が形成されている。この電極層34は、例えばポリシリコンで形成され、もしくはポリサイドで形成されることも可能である。上記電極層34には、上記ゲート電極32に接続するコンタクト部41、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部、画素分離領域12に接続するコンタクト部42とともに、複数のコンタクト部からなる反射層43が形成されている。この反射層43は、上記電極層34上にできうる限り多数形成されていて、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、上記長波長領域の光よりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、タングステン層がある。したがって、上記反射層43は、タングステン層で形成されることが好ましい。もしくは、タングステン層を含む層で形成されることが好ましい。また、上記電極層34上に形成される反射層43は、その間隔が設計ルールの最小寸法となるように、かつ個々の反射層43の大きさ(口径)が最大寸法と成るように形成されている。つまり、電極層34上に形成される反射層43が占める面積が最大となるように形成されている。
さらに、上記各コンタクト部41、42や上記反射層43に接続する第1配線51〜53が形成されている。上記反射層43に接続する第1配線53は、例えば、上記電極層34を投影した形状、もしくはその形状より大きい形状に形成されていることが好ましい。また、上記第1配線51〜53は、例えばタングステン層もしくは少なくともタングステン層を含む層で形成される。上記第1配線53がタングステン層もしくはタングステン層を含む層で形成されたことで、反射層43間を透過する上記長波長領域の光を光電変換部21側に反射させることが可能になる。また、光電変換部21を透過した光は、第1配線53および反射層43によって当該光電変換部21側に反射されるので、他の画素に入射されることが低減され、当該光電変換部21に再入射させることが可能になる。すなわち、この第4実施例では、光電変換部21を透過した光を光電変換部21に再入射させる機能からして、第1配線53も反射層となっている。
上記第1配線51〜53には、例えばビア54〜56を介して第2配線61〜63が形成されている。同様に、上記第2配線61〜63には、例えばビア64〜66を介して第3配線71〜73が形成されている。図面では3層構造の配線層を有する固体撮像装置4を示したが、配線層が4層以上であっても、本発明は適用できる。上記各配線層を被覆するように、絶縁膜81が形成されている。この絶縁膜81は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体層11の光入射側とは反対側には、図示はしていないが、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
上記第4実施例の固体撮像装置4では、光電変換部21の光入射側とは反対側に、光電変換部21を透過した光を光電変換部21側に反射する複数の反射層43を備えたことから、光電変換部21に入射した光が光電変換部21で吸収しきれなかった場合、特に光電変換部21を透過し易い長波長領域の光、例えば近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を反射層43で反射させて、再び光電変換部21に戻すことができる。すなわち、一旦光電変換部21を透過した光をもう一度光電変換部21で受光することができるため、特に光電変換部21で受光できる長波長領域の光量が実質的に増大されることになる。このため、光電変換部21の長波長領域の感度を向上させることができる。また、反射層43は、タングステン層もしくはタングステン層を含む層からなることから、グレイン成長して形成されるアルミニウム層からなる反射層よりも緻密に形成されるため、特に近赤外光や赤外光等の長波長領域の光を反射することができる。また、光入射面から入射した光のうち光電変換部21で吸収しきれなかった光が、信号回路側の反射層43で反射され、もとの光電変換部21に戻されることによって、隣接する画素に光が漏れることで生じる混色を防止することができる。
さらに、上記電極層34にバイアスを印加することによって、光電変換部21の電荷を蓄積する領域のポテンシャルを変化させることが可能となる。現状のCMOSイメージセンサでは、上記電荷蓄積部分のポテンシャル深さは、電荷読み出し時に読み出し残り、つまり残像がなく完全に転送できるように設計しなければならない。そこで、本発明のよう
に、電荷読み出し時にバイアスを印加することによって、電荷蓄積部分のポテンシャルを浅い方向へ変化させ、読み出しの効率を保ったまま、電荷蓄積領域のポテンシャルを深くし、飽和電荷量を増加させることができる。
また、光電変換部21上にバイアス印加が可能な電極層34が形成されているので、ピニング対策となる。また、電極層34がポリシリコンで形成されている場合、ポリシリコンのみでは反射膜としての機能が不十分であるが、電極層34上にコンタクト部と同様な構成のタングステンからなる反射層43を形成しているので、反射効率も確保されている。
上記第4実施例の構成の固体撮像装置4を製造するには、ゲート電極32を形成する工程で、光電変換部21上のゲート絶縁膜31上に電極層34を形成する。すなわち、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群のゲート電極を形成する工程で電極層34を形成する。さらに、上記ゲート電極32上にコンタクト部41を形成し、上記画素分離領域12上にコンタクト部42を形成する際に、上記電極層34上に上記コンタクト部41、42と同様なるコンタクト部からなる複数の反射層43を形成すればよい。例えば、絶縁膜81に形成された孔91、92にタングステンを埋め込んで上記コンタクト部41、42を形成するのと同時に、光電変換部21上の絶縁膜81に形成した複数の孔93にタングステンを埋め込むことで、反射層43を形成する。このとき、上記電極層34上に形成される反射層43は、その間隔が設計ルールの最小寸法となるように、かつ個々の反射層43の大きさ(口径)が最大寸法と成るように形成する。つまり、電極層34上に形成される反射層43が占める面積が最大となるように形成する。そして、コンタクト部41に接続する第1配線51、コンタクト部42に接続する第1配線52を形成するのと同時に、反射層43に接続する第1配線53を、上記光電変換部21上を覆うように形成する。これにより、図示するように反射層43は、光電変換部21に近い電極層34と第1配線53との間の絶縁膜81の孔93内に形成される。
次に、本発明の固体撮像装置に係る一実施の形態(第5実施例)を、図6の概略構成断面図によって説明する。
図6に示すように、半導体層11には画素を分離する画素分離領域12が形成されている。上記半導体層11には、例えばシリコン層が用いられる。また、画素分離領域12は、例えばp型ウエル領域で形成されている。上記画素分離領域12によって区分される領域には、光電変換部21が形成されている。光電変換部21の光入射側(図面で光電変換部21の下部側)には、ホール蓄積層22が形成されている。このホール蓄積層22は、例えばp+領域で形成されている。また、上記光電変換部21の光入射側とは反対側(図面で光電変換部21の上部側)にはホール蓄積層23が形成され、その下層にはn型ウエル領域24が形成されている。このホール蓄積層23は、例えばp+領域で形成されている。また、光電変換部21上にはゲート絶縁膜31を介してゲート電極(例えば転送ゲート)32が形成されている。また、ゲート電極32の一方側の半導体層11にはn+領域25が形成されている。
上記ゲート電極32上にはコンタクト部41が形成され、上記画素分離領域12上には光電変換部21の周囲に形成した溝95を埋め込む反射層43が形成されている。また、図示はしていない信号回路部の他のトランジスタ(例えば、ゲート電極、ソース・ドレイン領域等)に接続するコンタクト部も形成されている。上記ゲート絶縁膜31、ゲート電極32上には絶縁膜81が形成され、上記各コンタクト部、反射層43はこの絶縁膜81に形成された孔および溝95に、例えば導電層を埋め込むことで形成されている。
上記反射層43は、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。例えば、少なくとも近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を上記光電変換部21側に反射するものからなる。上記反射層43は、上記長波長領域の光とともに、それよりも短い波長の光、例えば可視光や、さらに近紫外光、紫外光等も反射するものであってもよい。このような特性を有する材料の一例として、導電性を有するタングステン層がある。したがって、上記反射層43は、タングステン層で形成されることが好ましい。もしくは、タングステン層を含む層で形成されることが好ましい。このような積層構造として、ポリシリコン層とタングステン層との積層構造、タングステン層とシリサイド層との積層構造がある。また、上記溝95を埋め込むように形成した反射層43は、近赤外光や赤外光等の長波長領域の光が透過しない膜厚に形成されることが必要である。
このように、反射層43がタングステン層で形成されていることから、上記光電変換部21を透過した光を上記光電変換部21側に反射することができる。しかも、上記タングステン層は、従来のアルミニウム層のようにグレイン成長して成膜されるものではないので、結晶粒界ができ難い。このため、アルミニウム膜では結晶粒界から漏れていた近赤外光、赤外光等の長波長領域の光も反射することができる。
さらに、上記コンタクト部41に接続する第1配線51や上記反射層43に接続する第1配線53が形成されている。上記反射層43に接続する第1配線53は、例えば、上記光電変換部21を囲む反射層43の外形と同等の大きさもしくはその形状より大きい形状に形成されていることが好ましい。また、上記第1配線51、53は、例えばタングステン層もしくは少なくともタングステン層を含む層で形成される。上記第1配線53がタングステン層もしくはタングステン層を含む層で形成されたことで、反射層43に囲まれた領域を透過する上記長波長領域の光を光電変換部21側に反射させることが可能になる。また、反射層43が光電変換部21の周部上に形成され、第1配線53に接続されていることから、光電変換部21を透過した光は、第1配線53および反射層43によって当該光電変換部21側に反射されるので、他の画素に入射されることなく、当該光電変換部21に再入射させることが可能になる。すなわち、この第5実施例では、光電変換部21を透過した光を光電変換部21に再入射させる機能からして、第1配線53も反射層となっている。
上記第1配線51、53には、例えばビア54、56を介して第2配線61、63が接続されている。同様に、上記第2配線61、63には、例えばビア64、66を介して第3配線71、73が接続されている。図面では3層構造の配線層を有する固体撮像装置5を示したが、配線層が4層以上であっても、本発明は適用できる。上記各配線層を被覆するように、前記絶縁膜81を含む絶縁膜80が形成されている。この絶縁膜80は、配線形成に応じて、複数層の絶縁膜で形成されているものである。また、上記半導体層11の光入射側とは反対側には、図示はしていないが、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ等のトランジスタ群や、上記第1配線51〜53、ビア54〜56、第2配線61〜63、ビア64〜66、第3配線71〜73等の配線層からなる信号回路部が形成されている。
上記第5実施例の固体撮像装置5では、光電変換部21の光入射側とは反対側に、光電変換部21を透過した光を光電変換部21側に反射する反射層43および第1配線53を備えたことから、光電変換部21に入射した光が光電変換部21で吸収しきれなかった場合、特に光電変換部21を透過し易い長波長領域の光、例えば近赤外光、赤外光等の長波長領域の光を反射層43および第1配線53、で反射させて、再び光電変換部21に戻すことができる。すなわち、一旦光電変換部21を透過した光をもう一度光電変換部21で受光することができるため、特に光電変換部21で受光できる長波長領域の光量が実質的に増大されることになる。このため、光電変換部21の長波長領域の感度を向上させることができる。また、反射層43および第1配線53は、タングステン層もしくはタングステン層を含む層からなることから、グレイン成長して形成されるアルミニウム層からなる反射層よりも緻密に形成されるため、特に近赤外光や赤外光等の長波長領域の光を反射することができる。また、光入射面から入射した光のうち光電変換部21で吸収しきれなかった光が、信号回路側の反射層43で反射され、もとの光電変換部21に戻されることによって、隣接する画素に光が漏れることで生じる混色を防止することができる。
上記第5実施例の構成の固体撮像装置5を製造するには、上記ゲート電極32上にコンタクト部41を形成する際に、上記ゲート電極32上に形成されるコンタクト部41と同様に、上記画素分離領域12上にコンタクト部からなる反射層43を形成すればよい。例えば、絶縁膜81に形成された孔91にタングステンを埋め込んで上記コンタクト部41を形成するのと同時に、画素分離領域12上の絶縁膜81に形成した溝95にタングステンを埋め込むことで、反射層43を形成する。そして、コンタクト部41に接続する第1配線51を形成するのと同時に、反射層43に接続する第1配線53を、上記光電変換部21上を覆うように形成する。
上記各固体撮像装置1〜5では、反射層43にタングステンを用いたが、下層側にシリサイドを形成したタングステンとの積層構造、下層側にポリシリコンを形成したタングステンとの積層構造としてもよい。このような構造を採用することにより、タングステン加工の際に、シリサイドもしくはポリシリコンによって、下地の加工ダメージを防止することができる。
次に、本発明の撮像装置に係る一実施の形態(実施例)を、図7のブロック図によって説明する。
図7に示すように、撮像装置200は、撮像部201に固体撮像装置(図示せず)を備えている。この撮像部201の集光側には像を結像させる結像光学系202が備えられ、また、撮像部201には、それを駆動する駆動回路、固体撮像装置で光電変換された信号
を画像に処理する信号処理回路等を有する信号処理部203が接続されている。また上記信号処理部によって処理された画像信号は画像記憶部(図示せず)によって記憶させることができる。このような撮像装置200において、上記固体撮像装置には、前記実施の形態で説明した固体撮像装置1〜5を用いることができる。
本発明の撮像装置200では、本願発明の固体撮像装置1〜5を用いることから、上記説明したのと同様に、各画素の光電変換部の面積が十分に確保される。よって、画素特性、例えば高感度化が可能になるという利点がある。
なお、本発明の撮像装置200は、上記構成に限定されることはなく、固体撮像装置を用いる撮像装置であれば如何なる構成のものにも適用することができる。
上記固体撮像装置1〜5はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。また、本発明は、固体撮像装置のみではなく、撮像装置にも適用可能である。この場合、撮像装置として、高画質化の効果が得られる。ここで、撮像装置は、例えば、カメラや撮像機能を有する携帯機器のことを示す。また「撮像」は、通常のカメラ撮影時における像の撮りこみだけではなく、広義の意味として、指紋検出なども含むものである。