JP5262708B2 - mRNA捕捉用担体及びmRNAの精製方法 - Google Patents

mRNA捕捉用担体及びmRNAの精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞等から調製したmRNAを含む検体溶液からmRNAを精製するmRNA捕捉用担体及びmRNAの精製方法に関する。
細胞へのストレスに対する応答性を見る方法として、細胞内の遺伝子発現状況をみることがタンパク質量の同定とともに一般的に行われる手法である。遺伝子の発現状況は、特定遺伝子のmRNAの量により同定される。
遺伝子の検出には、一般的には、トータルRNAを精製し、精製したトータルRNAからRT−PCR法により遺伝子を増幅し、電気泳動やマイクロアレイ法によりmRNAの検出を行って遺伝子の発現量をみる方法がとられる。マイクロアレイ法によれば、複数の遺伝子の発現量を同時にみることができる。しかしながら、より正確に遺伝子発現量をみるには、mRNAのみを精製し、精製したmRNAをRT−PCRにかけた方が良い。
mRNAの精製は、mRNA鎖が有するポリAテイル部分とdT配列とのハイブリダイゼーションを利用した方法が主流であり、mRNAを精製する手法として、磁気ビーズを用いた方法が特表2002−504348号公報(特許文献1)および特表2002−535012号公報(特許文献2)に記載されている。本方法は、磁気ビーズにオリゴdT鎖を固定化し、mRNAを含む検体溶液中に本磁気ビーズを投入し、ビーズ上にmRNAを捕捉し、磁石によりビーズを集め、検体溶液を捨て、磁石を遠ざけ洗浄液を加え、分散させ、再び磁石によりビーズを集める操作を繰り返し、mRNAを取り出すというものである。
磁気ビーズによるmRNAの精製では、まず磁気ビーズそのものが高価であるということが問題であった。また、取り扱いにおいては、磁性体を用いる必要があり、操作が煩わしいという問題点もあった。さらに、従来のmRNAの精製方法ではmRNAの捕捉効率が悪く、遺伝子の発現をみるにあたり、RT−PCRによる遺伝子の増幅において、多数回の熱サイクルによる増幅が必要となるため、検出に長時間を要するという問題点があった。
特表2002−504348号公報 特表2002−535012号公報
本発明の目的は、操作が簡便で、高効率でmRNAを精製できる、mRNA捕捉用担体およびmRNAの精製方法を提供することにある。
本発明者らは、表面に所定の高分子物質を導入した不溶性担体を用いることで、簡便にかつ高効率でmRNAを精製できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、
(1)水に対して不溶性担体表面にリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を有し、
前記高分子物質が、前記第一単位として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、前記第二単位としてp−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート基を有する、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体であり、
前記p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート基の全て又は一部に、オリゴdT配列の5'末端に導入されたアミノ基が共有結合していることにより、前記オリゴdT配列を含むDNAが前記不溶性担体に固定化されており
前記不溶性の担体の形態が、多孔質体である、mRNA捕捉用担体、
(2)前記オリゴdT配列の塩基数が5〜50である(1)のmRNA捕捉用担体、
)前記不溶性担体の材質がプラスチックである(1)又は(2)のmRNA捕捉用担体、
)(1)〜()いずれか記載のmRNA捕捉用担体を用いて、
(a)mRNAを含む検体溶液を前記mRNA捕捉用担体に供給する工程、
(b)mRNAとオリゴdT配列を含むDNAをハイブリダイズさせる工程、
(c)洗浄液を供給し、洗浄する工程、
を含むことを特徴とするmRNAの精製方法、
)さらに(d)ハイブリダイズしたmRNAを溶出させる工程、を含む()のmRNAの精製方法、
)前記mRNAを含む検体溶液が細胞を可溶化した溶液である()のmRNAの精製方法、
である。
本発明によれば、簡便な操作、かつ高効率でmRNAの精製が可能である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のmRNA捕捉用担体は、不溶性担体表面にリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を有し、カルボン酸誘導基の全て又は一部にオリゴdT配列を含むDNA鎖がオリゴdT配列の5’末端に結合していることを特徴とする。
不溶性担体としては、天然から得られる重合体とその誘導体、合成重合体とその誘導体を挙げることができる。前者には、多糖類とその誘導体、あるいはガラス,シリカゲルなどの無機重合体などがある。また後者にはビニル系重合体、たとえばポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレンなどがある。
不溶性担体の材質は、プラスチックを用いることができる。
不溶性担体の材質として、プラスチックを用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラスのものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材質としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂等を用いることができる。
不溶性担体の形態は、容器又は複数のウェルを有するプレートとすることができる。
容器としては、サンプリングチューブや、PCR用のチューブとすることができる。容量を1mL以下とすれば、好適に用いることができる。
また、複数のウェルを有するプレート類を好適に用いることもできる。
不溶性担体の形態は、多孔質体とすることができる。
多孔質体としては、焼結体、不織布状のものを含み、多孔質を形成できるものであれば特に制限はないが、細孔表面を多くとれることを考慮すると焼結体が好適である。プラスチック製多孔質体は、ポリエチレンやポリプロピレンの微粒子を型に充填し、熱および圧力をかけることにより、容易に得ることが出来る。上記プラスチック製多孔体は、製造工程において加熱されることから、RNaseは失活させることが出来る。このことにより、RNAを扱う用途では有利である。また、RNaseを分解し問題となるRNaseの除去が容易に行えることとなり、本発明のmRNA捕捉用担体を製造管理において有利である。
細孔の大きさは、多孔質体内の表面積を大きくとることおよび、検体溶液等が容易に担体内全体にいきわたることができることが必要であることから、平均径で1μm〜50μmであることが好適である。
本実施形態の不溶性担体の表面には、リン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質のカルボン酸誘導基部分にオリゴdT鎖又はオリゴdT鎖を含むDNA鎖が結合している。
このリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質は、DNA鎖およびRNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるホスホリルコリン基は鋳型RNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はdT鎖を化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、オリゴdT鎖は、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基の部位で共有結合している。
第一の単位は、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
また、これらの基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、サンプル溶液中に含まれるmRNA以外の非特異的吸着を確実に抑制することができる。
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
活性化されたカルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;
―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
Figure 0005262708
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
また、下記式(t)または下記式(v)とすることもできる。上記(1)において、Aは、窒素原子を含む置換基とすることができる。また、Aは、ハロゲン原子とすることができる。
Figure 0005262708
(ただし、上記式(p)および式(q)において、RおよびRは、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、RはCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、RはNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
Figure 0005262708
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中のカルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
不溶性担体表面にオリゴdT鎖が固定化される担体の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、たとえば、ホスホリルコリン基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
不溶性担体の形態が多孔質体の場合は、細孔表面にオリゴdT鎖が固定化されるが、この場合であっても、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、ホスホリルコリン基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の不溶性担体表面のコーティング層に使用される高分子物質は、リン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基やカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の担体表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
Figure 0005262708
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、タンパク質やDNA鎖の非特異吸着を抑制する性質と、オリゴdT鎖を固定化する性質とのバランスとに、優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、不溶性体表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた担体表面への非特異的吸着を抑制しつつ、オリゴdT鎖を確実に共有結合により固定化して担体上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、ホスホリルコリン基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、ホスホリルコリン基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
以上のような高分子物質を不溶性担体表面に有する担体は、例えば所定の形状に成形加工された担体に高分子物質を含む液体を塗布し乾燥することにより得られる。または、高分子物質を含む液体中に担体を浸漬し乾燥してもよい。
本実施形態では、上記の高分子物質を不溶性担体表面に有する担体に更に、オリゴdT配列を含むDNA鎖(オリゴdT鎖)を固定化する。
オリゴdT鎖の塩基数は、5〜50の範囲とすると、安定してmRNAを捕捉することができ、さらに、15〜35とすると、より好ましい。
このオリゴdT鎖を溶解または分散した液体を容器中、上記担体を浸漬し、放置後乾燥し、担体表面にオリゴdT鎖を固定化することが出来る。
このオリゴdT鎖を溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、オリゴdT鎖を固定化後、担体表面に固定化されなかったオリゴdT鎖を除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、洗浄後はオリゴdT鎖を固定化した以外の担体表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5−アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
また、担体に固定化するオリゴdT鎖には、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、5‘末端側にアミノ基が導入されたオリゴdT鎖を用いることにより、効率よくかつ強固に担体の表面上にオリゴdT鎖を固定化することができる。
以上により、表面にオリゴdT鎖が固定化されたmRNA捕捉用担体が得られる。
また、不溶性担体として多孔質体を用いた場合は、細孔表面にオリゴdT鎖が固定化された担体が得られる。
本実施形態の担体によるmRNAの精製方法について記載する。
この方法は、本実施形態のmRNA捕捉用担体を用いて、
(a)mRNAを含む検体溶液を上記mRNA捕捉用担体に供給する工程、
(b)mRNAとオリゴdT鎖をハイブリダイズさせる工程、
(c)洗浄液を供給し、洗浄する工程、
を含むことを特徴とする。
この方法は、更に(d)ハイブリダイズしたmRNAを溶出させる工程、を含むこともできる。
工程(a)においては、まず、mRNAを含む検体を準備する。
検体は、ポリAテイルを有するmRNAを含んでいれば、特に制限されない。例示するとすれば、動物由来細胞、植物由来細胞、細菌や菌類由来の細胞を用いることができる。また、組織や、血液をも用いることができる。続いて、準備したRNA鎖を含む検体から、検体溶液を調製する。検体溶液は、検体を溶媒に溶解したり、懸濁させたりして調製することができるが、好ましくは、グアニジンイソチオシアネート系やSDS−プロテアーゼ系の細胞可溶化液を用いて、細胞や組織を可溶化して調製することができる。
続いて、検体溶液を上記mRNA捕捉用担体に供給する。たとえば、担体の形態が容器の場合は、容器に分注する。また、上記担体の形態が多孔質体の場合は、多孔質体中に浸透させ放置する、あるいは、多孔質体の中を行き来させる。
次に、工程(b)において、mRNAとオリゴdT鎖をハイブリダイズさせる。
本実施形態にかかる高分子物質上では、効率良くmRNAがハイブリダイズし、効率良く本実施形態の担体にmRNAを捕捉することができる。
具体的に説明すると、不溶性担体表面に導入されているオリゴdT鎖と、mRNAのポリAテイル部分が、ハイブリダイズする。本実施形態に用いている高分子物質上では、mRNAのポリAテイル部分とオリゴdT鎖とのハイブリダイゼーションが高効率で起こり、mRNAの高い捕捉量を確保することができる。
工程(b)は、所定の温度、例えば、37℃でのインキュベートを含んでいてもよい。
つづいて、工程(c)において、上記担体に洗浄液を供給し、洗浄する。
洗浄液としては、たとえば、オートクレーブ処理済みの超純水を用いることができる。
工程(b)によるmRNAの捕捉後、洗浄液中に上記担体を浸漬し、多孔質体内を行き来させて、担体を洗浄することもできる。これにより、本実施形態の担体の表面からハイブリダイズしたmRNA鎖以外のRNA鎖、DNA鎖、タンパク質、脂質などを取り除くことができる。
工程(d)を行う場合は、工程(c)において、加温した洗浄水を用いる。洗浄水の温度は、たとえば、90℃とすることができる。
こうすることにより、本実施形態に用いる高分子上で、容易にハイブリダイゼーション後のRNAとDNA鎖を解離させることができ、mRNAを洗い出しにより溶出させて、mRNAを回収することが出来る。
以上のように、本発明のmRNA捕捉用担体を用いることにより、簡便な操作で生体サンプル中のmRNAを効率良く捕捉することが可能となる。また、mRNAをオリゴdTと解離して、溶出させることもできる。
以下の手法にて、本実施形態に対応する高分子物質を表面に有する不溶性担体からなるmRNA捕捉用担体を用い、mRNA捕捉を行った。不溶性担体の形態として、多孔質体および容器(ここでは、サンプリングチューブ)をそれぞれ用いた。結果は、表面がアルデヒド処理された従来の不溶性担体を用意して比較した。
(PMBN処理担体の作製)
多孔質体ポリエチレン樹脂の細粒を型中に供給し、加圧化加熱成形を行い、直径3mmの球形の多孔質体を得た。この多孔質体を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)、各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬した。30分間放置した後、遠心処理により余分な溶液を除去し、乾燥を行い、細孔表面に、ホスホリルコリン基と、活性エステル基としてp−ニトロフェニル基を有する高分子物質を導入したプラスチック製多孔質体(PMBN処理担体)を得た。
(アルデヒド処理担体の作製)
ポリエチレン樹脂の細粒を型中に供給し、加圧化加熱成形を行い、直径3mmの球形の多孔質体を得た。この成形物に低温酸素プラズマ処理により細孔表面に親水化処理を施した。次に、アミノアルキルシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシランをメタノール中に5重量%の濃度で溶解させたものをアミノ基導入処理液として調製し、この溶液の中に2時間浸漬の後、遠心によりこの溶液を除去し、超純水中に浸漬し放置後、遠心により基板を取り出し乾燥した。グルタルアルデヒドをPBS(−)(カルシウムフリーリン酸緩衝生理食塩水、Phospate Buffered Saline)中に2重量%の濃度で溶解させてグルタルアルデヒド溶液を調製し、アミノアルキルシラン処理を行った担体をグルタルアルデヒド溶液中に浸漬し、4時間放置した後、遠心で溶液の除去を行い、超純水中に浸漬し、洗浄乾燥した。これにより、細孔表面にアルデヒド基を有する多孔質体(アルデヒド処理担体)が得られた。
(PMBN処理チューブの作製)
ポリプロピレン製サンプリングチューブ(深江化成製 容量1.5ml)の内面を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)、各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液を分注し、30分間放置した後、吸引し余分な溶液を除去し、乾燥を行い、チューブ内面表面に、ホスホリルコリン基と、活性エステル基としてp−ニトロフェニル基とを有する高分子物質を導入したサンプリングチューブ(PMBN処理チューブ)を得た。
(アルデヒド基処理チューブの作製)
ポリプロピレン製サンプリングチューブ(深江化成製 容量1.5ml)に低温酸素プラズマ処理により親水化処理を施した。次に、アミノアルキルシランとしてγ−アミノプロピルトリエトキシシランをメタノール中に5容量%の濃度で溶解させたものをアミノ基導入処理液として調製し、この溶液をチューブ内に分注し2時間放置の後、吸引により溶液を除去し、超純水を分注し放置後、超純水を吸引除去し乾燥した。グルタルアルデヒドをPBS(−)中に2容量%の濃度で溶解させてグルタルアルデヒド溶液を調製し、アミノアルキルシラン処理を行ったチューブ内に分注し、4時間放置した後、吸引により溶液の除去を行い、超純水をチューブ内に分注し洗浄、吸引後、乾燥した。これにより、容器内面にアルデヒド基を有するサンプリングチューブ(アルデヒド処理チューブ)が得られた。
(多孔質体へのオリゴdT鎖の固定)
5’末端がアミノ基で修飾された、配列TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(30塩基)のオリゴdT鎖を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴT溶液を調製した。この溶液中に、上記各々の多孔質体を浸漬し10分間放置後、乾燥しオリゴdT鎖を固定化した。その後、各々の担体について、ブロッキング処理を施した。
(サンプリングチューブへのオリゴdT鎖の固定)
5’末端がアミノ基で修飾された、配列TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(30塩基)のオリゴdT鎖(dTプライマー)を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのオリゴT溶液を調製した。この溶液を、サンプリングチューブ内に分注し10分間放置後、乾燥しオリゴdT鎖を固定化した。その後、各々のチューブについて、ブロッキング処理を施した。
(細胞からRNA溶液の調製)
直径35mmの細胞培養用シャーレ中に、HeLa細胞をコンフルエントになるまで培養を行い。培地を除去した後、PBS(−)で軽く洗い、氷冷下、付着細胞からのRNA抽出培養液を捨て、PBSで数回洗う。ディッシュに3mlのGTC溶液を入れ、セルスクレーパーで細胞を掻き取る操作を行って細胞を溶解させ、ピペットでサンプリングチューブ中集めた。集めた溶液を18Gの針をつけた注射筒に内容物を出し入れし、良く混合し、RNA溶液として、評価実験に供した。
(多孔質体でのmRNA捕捉の評価)
オリゴdT鎖を固定化した、各々の多孔質体を、容量1mlのディスペンサーチップの先端をカットし、各々の多孔質体を嵌め込み固定した。
容量1.5mlのサンプリングチューブに、上記RNA溶液を100μl程分注し、上記ディスペンサーチップ先端に固定した多孔質体をRNA溶液中に保持し、ディスペンサーの吸引操作により、RNA溶液を多孔質体中で出し入れを繰り返したのち、多孔質体内にRNA溶液を保持したまま室温で放置した。その後別のサンプリングチューブにPBS(−)を500μl程取り、この中に、上記多孔質体を保持し、ディスペンサー操作により、PBS(−)を多孔質体中で出し入れし、多孔質体内を洗浄した。
別のサンプリングチューブ中に、オートクレーブ処理済みの超純水を100μlとり、90℃に加温し、上記洗浄済み多孔質体を保持し、ディスペンサー操作によりオートクレーブ処理済みの超純水の出し入れを繰り返しし、多孔質体内に保持されていたmRNAを洗い出し、採取した。
採取した溶液の260nmでの吸光度を比較し、採取した溶液中のmRNA量を、各多孔質体について比較した。結果を表1に示す。
(サンプリングチューブでのmRNA捕捉の評価)
オリゴdT鎖を固定化した、各々のチューブに上記RNA溶液を100μl程分注し、RNA溶液を保持したまま室温で15分間放置した。その後RNA溶液を吸引除去した後、PBS(−)で2回洗浄した。オートクレーブ処理済みの超純水を100μlとり、90℃に加温し、別のサンプリングチューブにmRNAを含む溶液採取した。
採取した溶液の260nmでの吸光度を比較し、採取した溶液中のmRNA量を、各チューブについて比較した。結果を表2に示す。
Figure 0005262708
Figure 0005262708
本実施形態にかかる高分子物質の類型であるPMBNで表面処理したPMBN処理担体及びPMBN処理チューブでは、共に、採取されたmRNA量が格段に多く、一方アルデヒド処理した担体では採取されたmRNA量は非常に少なかった。従って、PMBNを有する不溶性担体では、従来の担体表面に比べ非常に高効率でmRNAを精製および分取することができる。
以下、本発明の実施態様を列挙する。
(1)多孔質体の細孔表面にリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を有し、前記カルボン酸誘導基の全て又は一部にオリゴdT配列を含むDNA鎖がオリゴdT配列の5'末端にて結合していることを特徴とするmRNA捕捉用担体。
(2)前記オリゴdT配列の塩基数が5〜50である(1)記載のmRNA捕捉用担体。
(3)前記多孔質体の材質がプラスチックである(1)又は(2)記載のmRNA捕捉用担体。
(4)(1)〜(3)いずれか記載のmRNA捕捉用担体を用いて、
(a)mRNA鎖を含む検体溶液を前記mRNA抽出用担体に供給する工程、
(b)mRNAとオリゴdT鎖をハイブリダイズさせる工程、
(c)洗浄液を供給し、洗浄する工程、
を含むことを特徴とするmRNAの精製方法。
(5)更に(d)ハイブリダイズしたmRNAを溶出させる工程、
を含む(4)記載のmRNAの精製方法。
また、本発明は以下の態様を含む。
[1]不溶性担体表面にリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を有し、前記カルボン酸誘導基の全て又は一部にオリゴdT配列を含むDNAがオリゴdT配列の5'末端に結合していることを特徴とするmRNA捕捉用担体。
[2]前記オリゴdT配列の塩基数が5〜50である[1]記載のmRNA捕捉用担体。
[3]前記不溶性担体の形態が、容器又は複数のウェルを有するプレートである[1]または[2]記載のmRNA捕捉用担体。
[4]前記不溶性担体の形態が、多孔質体である[1]または[2]記載のmRNA捕捉用担体。
[5]前記不溶性担体の材質がプラスチックである[1]〜[4]いずれか記載のmRNA捕捉用担体。
[6][1]〜[5]いずれか記載のmRNA捕捉用担体を用いて、
(a)mRNAを含む検体溶液を前記mRNA捕捉用担体に供給する工程、
(b)mRNAとオリゴdT配列を含むDNAをハイブリダイズさせる工程、
(c)洗浄液を供給し、洗浄する工程、
を含むことを特徴とするmRNAの精製方法。
[7]更に(d)ハイブリダイズしたmRNAを溶出させる工程、を含む[6]記載のmRNAの精製方法。
[8]前記mRNAを含む検体溶液が細胞を可溶化した溶液である[7]記載のmRNAの精製方法。

Claims (6)

  1. 水に対して不溶性担体表面にリン脂質の親水性部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子吸引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を有し、
    前記高分子物質が、前記第一単位として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、前記第二単位としてp−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート基を有する、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体であり、
    前記p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート基の全て又は一部に、オリゴdT配列の5'末端に導入されたアミノ基が共有結合していることにより、前記オリゴdT配列を含むDNAが前記不溶性担体に固定化されており
    前記不溶性の担体の形態が、多孔質体である、mRNA捕捉用担体。
  2. 前記オリゴdT配列の塩基数が5〜50である請求項1記載のmRNA捕捉用担体。
  3. 前記不溶性担体の材質がプラスチックである請求項1または2記載のmRNA捕捉用担体。
  4. 請求項1〜いずれか記載のmRNA捕捉用担体を用いて、
    (a)mRNAを含む検体溶液を前記mRNA捕捉用担体に供給する工程、
    (b)mRNAとオリゴdT配列を含むDNAをハイブリダイズさせる工程、
    (c)洗浄液を供給し、洗浄する工程、
    を含むことを特徴とするmRNAの精製方法。
  5. 更に(d)ハイブリダイズしたmRNAを溶出させる工程、を含む請求項記載のmRNAの精製方法。
  6. 前記mRNAを含む検体溶液が細胞を可溶化した溶液である請求項記載のmRNAの精製方法。
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