JP5262273B2 - 塗膜製造方法 - Google Patents

塗膜製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5262273B2
JP5262273B2 JP2008115776A JP2008115776A JP5262273B2 JP 5262273 B2 JP5262273 B2 JP 5262273B2 JP 2008115776 A JP2008115776 A JP 2008115776A JP 2008115776 A JP2008115776 A JP 2008115776A JP 5262273 B2 JP5262273 B2 JP 5262273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
resin
elastic modulus
liquid leakage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008115776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009262069A (ja
Inventor
正利 山口
智章 柴田
竜也 牧野
敦之 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2008115776A priority Critical patent/JP5262273B2/ja
Publication of JP2009262069A publication Critical patent/JP2009262069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262273B2 publication Critical patent/JP5262273B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、連続走行する透明基材フィルム上にコンマコーターを用いて塗膜を製造する方法に関するものである。
近年、情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。光伝送路としては、光ファイバーに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。例えば、エポキシ樹脂に光重合開始剤を添加した光導波路形成用エポキシ樹脂は、感光・現像法によりコアパターンが形成可能であり、高透明性、高耐熱性を有する。
これらの光導波路の製造に際しては、放射線重合可能な成分を含有するドライフィルムを基板上に積層して樹脂フィルムを製造しておき、該樹脂フィルムに所定量の光を照射することで所定場所を放射線硬化させてクラッドを形成するとともに、必要に応じて未露光部を現像することによりコア部分などを形成、さらに該コア部分を埋め込むためのクラッドを形成して、伝送特性に優れる光導波路を製造する方法は有用である。
ところで、上述のような樹脂フィルムの製造方法としては、連続走行する基材フィルム上に、放射線重合可能な成分を含む塗布液を塗布する方法が、生産性が高く有効である。特に、50cps以上の粘度を有する塗布液を比較的高い塗布量で塗布する場合には、コンマコーターを用いる方法が有効である。
図1にコンマコーターの概略図を示す。コンマコーター1は、コンマヘッド2、バックアップロール3、及び塗布液ダム4を有し、塗布液ダム4はバックプレート5とその先端に液漏れ防止フィルム6を有してなる。塗布液ダム4には、塗布液8が貯められ、バックロールフィルム3に巻きつけられて走行する基材フィルム7に塗布され、コンマヘッド2によって、塗布膜の厚さが制御される。
図1に示すような装置において、液漏れ防止フィルム6として、可撓性シートを用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。該可撓性シートの材料としては、塗布液と相溶性のないものであることが必要であるとして、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンなど多種の材料が開示されている。
特開昭62−289266号公報
上述のように、ドライフィルムを基板上に積層した光導波路形成用樹脂フィルムの塗膜を形成する方法として、上記コンマコーターを用いる方法は有用である。すなわち、図1に示すようなコンマコーター1を用い、特許文献1の実施例にあるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材を用い、液漏れ防止フィルムとしてポリエチレンテレフタレートシートを使用して、クラッド層形成用樹脂組成物又はコア層形成用樹脂組成物を塗布することで、高い生産性で光導波路形成用樹脂フィルムを製造することができる。
しかしながら、特許文献1の実施例1に記載される方法で、コア層形成用樹脂フィルムを製造したところ、コア層形成用樹脂フィルムの表面に微小な傷が見られ、この傷が原因でコアパターンが分断されたり、意図する形状や大きさのコアを形成できない場合があることが明らかとなった。
以下、この問題点について、図2〜図4を用いて詳細に説明する。図2は、図1に示されるコンマコーターを上から見た模式図である。図2に示すように、塗布液ダム4に貯められた塗布液8が、重力によって、バックプレート5及び液漏れ防止フィルム6を伝って流れ、バックアップロール3に巻きつけられて走行する基材フィルム7上に塗布されるが、基材フィルム7上に塗布された直後から微小な傷9が、塗工方向に向かって発生することが確認された。この微小な傷9は、コアパターンの露光・現像に際し、光を散乱させ、コアの一部を露光不足の状態にするため、コア材に大きな傷となって影響を与えると思われる。
より具体的には、コア層形成用樹脂フィルムが、このような微小な傷9を有すると、基材フィルム上の樹脂層の塗工方向に沿ってコアパターンを形成させる場合に、図3に示すように、露光・現像の過程を経て得られるコアパターンが、この微小な傷によって十分な大きさと形状を有することができなくなる。
また、基材フィルム上の樹脂層の塗工方向に垂直な方向にコアパターンを形成させる場合には、図4に示すように、コアが分断されたり(図4上段)、コアパターンが異常となり(図4下段)、光通信に支障をきたすことが想定される。
本発明は、上記問題点に鑑み、連続走行する透明基材フィルム上に、コンマコーターを用いて、微小な傷を生じさせることなく、塗膜を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、下記に記載の方法により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、連続走行する透明基材フィルム上にコンマコーターを用いて塗膜を製造する方法において、コンマコーターがコンマヘッド、バックアップロール、及び塗布液ダムを有し、塗布液ダムを構成するバックプレートの少なくとも先端に液漏れ防止フィルムを有し、該液漏れ防止フィルムの弾性率が透明基材フィルムの弾性率よりも小さいことを特徴とする塗膜製造方法、を提供するものである。
本発明によれば、連続走行する透明基材フィルム上に、コンマコーターを用いて、微小な傷を生じさせることなく、塗膜を製造する方法を提供することができる。
本発明の塗膜製造方法は、連続走行する透明基材フィルム上にコンマコーターを用いて塗膜を製造する方法において、コンマコーターがコンマヘッド、バックアップロール、及び塗布液ダムを有し、塗布液ダムを構成するバックプレートの少なくとも先端に液漏れ防止フィルムを有し、該液漏れ防止フィルムの弾性率が基材フィルムの弾性率よりも小さいことを特徴とする。
透明基材フィルムの材質としては、透明性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と表記する。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルム;トリアセチルセルロース等のセルーロース系フィルム;アクリル樹脂フィルムなどが挙げられる。これらのうち、コア層形成用樹脂フィルムなど、透明基材上に形成されたフィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性および耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムが好適に挙げられる。中でも、透明性、柔軟性、強靭性、取り扱いやすさ、製造コスト等を考慮するとPETフィルムが最も好ましい。
透明基材フィルムの厚さは、柔軟性と強靭性のバランスの点から5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。また、光導波路のコア用途を考慮した場合には、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという点から、5〜50μmであることがさらに好ましい。以上の観点から、該透明基材フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
一方、液漏れ防止フィルムの材質については、基材フィルムに対して弾性率が小さいものであれば特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;PET等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。これらのうち、ポリプロピレンフィルムが好ましく、中でも延伸ポリプロピレンフィルムが好ましく、特には2軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。
基材フィルムの弾性率と液漏れ防止フィルムの弾性率の差については、本発明の効果を奏する範囲で、液漏れ防止フィルムの弾性率が基材フィルムの弾性率より小さければよく、より具体的には、その差が0.3GPa以上であることが好ましい。0.3GPa以上の差があると、微小な傷の発生を抑制することができる。以上の観点から、基材フィルムの弾性率と液漏れ防止フィルムの弾性率の差は1GPa以上であることがさらに好ましい。
また、液漏れ防止フィルムの弾性率は0.5GPa以上であることが好ましい。該弾性率が0.5GPa以上であると、液漏れ防止フィルムが十分なこしを有し、基材フィルムとの間に隙間を生じさせず、液漏れを十分に防止することができる。以上の観点から、液漏れ防止フィルムの弾性率は0.7GPa以上であることがさらに好ましい。
上記弾性率の差及び液漏れ防止フィルムの弾性率を考慮すると、基材フィルムとしてPETを用い、液漏れ防止フィルムとして延伸ポリプロピレンフィルムを用いることが最も好ましい態様である。
なお、本発明における弾性率の測定は、JIS K7113 「プラスチックの引張試験」に規定された方法に準じて行った。
次に、本発明で用いられるコンマコーターについては、図1に示すような従来から用いられているものを使用することができる。図1に示すコンマコーターは、コンマヘッド1が、バックアップロール3の軸芯の垂直上方となるように配置されている。塗布液8が貯められる塗布液ダム4は、バックプレート5とその先端に液漏れ防止フィルム6を有してなる。バックプレートの材質としては、特に制限はないが、塗布液を貯めるのに耐え得る剛性が必要である点で、金属又はプラスチックから、通常選択される。
本発明は、光導波路のコア層形成用樹脂フィルムを製造するのに好適な方法である。コア層形成用樹脂フィルムを製造するに際しては、塗布液8として、コア層形成用樹脂組成物を用いる。該樹脂組成物としては、コア層がクラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはコア層を形成し、該コア層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、コア層形成用樹脂の透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物またはそれらの誘導体、およびビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物またはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性および溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールAまたはビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールFまたはビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを意味するものである。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能または多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂等の2官能または多官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2官能または多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等の2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、多官能複素環式エポキシ樹脂、2官能または多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの(B)光重合性化合物は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば(B)成分にエポキシ化合物を用いる場合の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、(B)成分に分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層およびクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトンおよびフォスフィンオキサイド類が好ましい。これらの(C)光重合開始剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分および(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。また、(B)光重合性化合物の配合量は、(A)および(B)成分の総量に対して、95〜20質量%とすることが好ましい。
この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下であり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
また、このほかに必要に応じて、コア層形成用樹脂組成物中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
コア層形成用樹脂フィルムは、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、ワニス状として、上記方法にて、透明基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子または光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子または光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
なお、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じコア層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、透明基材フィルム4として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
表1に示す配合にて、コア層形成用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア層用樹脂ワニスを調合した。なお、表1に示す配合において、(A)ベースポリマーおよび(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量に対する質量%であり、(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対する割合(質量部)である。
Figure 0005262273
*1 フェノトートYP−70;東都化成(株)製、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
*2 A−BPEF;新中村工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 イルガキュア819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
*5 イルガキュア2959;1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
得られたコア層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚さ16μm、巻外の非処理面使用)に、図1に示すようなコンマコーターを用いて塗布した。ここで、液漏れ防止フィルムとしては、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「RL01」、厚さ25μm)を用いた。
塗布後、80℃で10分間、その後100℃で10分間の乾燥で溶剤を除き、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このときのフィルムの厚さは、コンマヘッドと基材フィルムとの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本実施例では、硬化後のコア層の膜厚が40μmとなるように調節した。
このようにして作製したコア層形成用樹脂フィルムの表面を金属顕微鏡(オリンパス製「BHMJL」)により観察したところ、微小な傷は見られなかった。
上記コア層形成用樹脂フィルムの塗工方向に垂直な方向にコアパターンを形成させるべく、幅40μmのホトマスク(ネガ型)を介し、紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した後、エチルセロソルブとN,N−ジメチルアセトアミドの8対2質量比混合溶剤にて、コアパターンを現像した。現像液の洗浄には、メタノールおよび水を用いた。
得られたコアパターンは、まっすぐな形状を有しており、図4に示すような、コアの分断やコアパターンの異常は認められなかった。
比較例1
実施例1において、液漏れ防止フィルムとして、透明基材フィルムとして用いたのと同様のPETフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、コア層形成用樹脂フィルムを得、またコアパターンを得た。
コア層形成用樹脂フィルムには、3μm程度の微小な傷が認められ、コアパターンは、図4の下段のような異常が認められた。
本発明によれば、連続走行する透明基材フィルム上に、コンマコーターを用いて、微小な傷を生じさせることなく、塗膜を製造することができる。この方法で作製した光導波路製造用のコア層形成用樹脂フィルムは、微小な傷が存在しないために、コアパターンを露光・現像により得るに際し、コアパターンの形状に異常をきたしたり、断線することがない。従って、本発明の製造方法を用いて製造したコア層形成用樹脂フィルムを用いることで、光伝送特性に優れた光導波路を高い生産性で製造することができる。
コンマコーターを示す概略図である。 図1のコンマコーターを上から見た模式図である。 コアパターンの露光・現像過程及び得られるコアパターンの形状を示す模式図である。 コアパターンの形状を示す模式図である。
符号の説明
1;コンマコーター
2;コンマヘッド
3;バックアップロール
4;布液ダム
5;バックプレート
6;液漏れ防止フィルム
7;透明基材フィルム
8;塗布液
9;微小な傷
11;クラッド層支持フィルム
12;クラッド層
13;コア層
14;フォトマスク
15;紫外線
16;コアパターン

Claims (4)

  1. 連続走行する透明基材フィルム上にコンマコーターを用いて、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物の塗膜を製造する方法において、コンマコーターがコンマヘッド、バックアップロール、及び塗布液ダムを有し、塗布液ダムを構成するバックプレートの少なくとも先端に液漏れ防止フィルムを有し、前記透明基材フィルムがポリエステル系フィルムであり、前記液漏れ防止フィルムがポリオレフィン系フィルムであり、且つ、該液漏れ防止フィルムの弾性率が透明基材フィルムの弾性率よりも小さいことを特徴とする塗膜製造方法。
  2. 前記液漏れ防止フィルムの弾性率が0.5GPa以上であり、かつ前記透明基材フィルムの弾性率と液漏れ防止フィルムの弾性率の差が0.3GPa以上である請求項1に記載の塗膜製造方法。
  3. 前記透明基材フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記液漏れ防止フィルムが延伸ポリプロピレンフィルムである請求項1または2に記載の塗膜製造方法。
  4. 光導波路形成用樹脂フィルムの塗膜を製造する請求項1〜のいずれかに記載の塗膜製造方法。
JP2008115776A 2008-04-25 2008-04-25 塗膜製造方法 Expired - Fee Related JP5262273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115776A JP5262273B2 (ja) 2008-04-25 2008-04-25 塗膜製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008115776A JP5262273B2 (ja) 2008-04-25 2008-04-25 塗膜製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009262069A JP2009262069A (ja) 2009-11-12
JP5262273B2 true JP5262273B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=41388598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008115776A Expired - Fee Related JP5262273B2 (ja) 2008-04-25 2008-04-25 塗膜製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262273B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5816901B2 (ja) * 2011-10-20 2015-11-18 新神戸電機株式会社 塗工装置
KR102024895B1 (ko) * 2016-01-04 2019-09-24 주식회사 엘지화학 잉크 댐퍼 장치

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62289266A (ja) * 1986-06-09 1987-12-16 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布方法
JPH05168994A (ja) * 1991-12-19 1993-07-02 Sekisui Chem Co Ltd 静電気除去機能を有する塗工装置
JP2002143742A (ja) * 2000-11-07 2002-05-21 Dainippon Ink & Chem Inc 粘性体供給装置および塗工装置
GB0316926D0 (en) * 2003-07-18 2003-08-27 Eastman Kodak Co Method of coating
JP4431368B2 (ja) * 2003-11-18 2010-03-10 リンテック株式会社 塗布装置及び塗布方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009262069A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4265695B2 (ja) フレキシブル光導波路およびその製造方法ならびに光モジュール
JP4894348B2 (ja) フレキシブル光導波路及びその製造方法
JP5035244B2 (ja) 光電気混載基板
CN101592759B (zh) 光学材料用树脂组合物、光学材料用树脂薄膜及使用其的光导
EP1818366A1 (en) Resin composition for optical material, resin film for optical material and optical waveguide using same
JPWO2008035658A1 (ja) 光導波路の製造方法
JPWO2007091596A1 (ja) フレキシブル光導波路および光モジュール
US8891921B2 (en) Optical waveguide
JP5610046B2 (ja) 光導波路の製造方法及び光導波路
JP5754127B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及び光学材料用ワニス並びにこれらを用いた光導波路
JP4715437B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれを用いた光導波路
KR101545038B1 (ko) 광도파로 및 그 제조 방법
JP5262273B2 (ja) 塗膜製造方法
JP2007293244A (ja) 多層光導波路
JP5573626B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP5228947B2 (ja) フレキシブル光導波路及びその製造方法
JP2009186979A (ja) 光導波路複合基板の製造方法
JP4929667B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれを用いた光導波路
JP5066926B2 (ja) フレキシブル光導波路の製造方法
JP2009093140A (ja) 光導波路の製造方法及び該製造方法により得られた光導波路
JP2010197985A (ja) 光導波路の製造方法、光導波路及び光電気複合配線板
WO2009116421A1 (ja) 光導波路の製造方法
KR20100090685A (ko) 광도파로용 수지 조성물 및 광도파로
JP2009051917A (ja) 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路
JP2014197225A (ja) 光導波路の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees