JP2009051917A - 光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有し、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、及びフッ素基を含まず、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに芳香族炭化水素基を含み、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに脂肪族炭化水素基及び/又は脂環式炭化水素基を含み、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の合計と、芳香族炭化水素基の合計の割合が80:20〜5:95(モル比)の範囲内である光学材料用樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明は、
(1)(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有し、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、及びフッ素を含まず、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに芳香族炭化水素基を含み、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに脂肪族炭化水素基及び/又は脂環式炭化水素基を含み、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の合計と、芳香族炭化水素基の合計の割合が80:20〜5:95(モル比)の範囲内である光学材料用樹脂組成物、
(2)硬化物をコア又はコア及びクラッドとする光導波路とした場合に、波長1310nmの光伝播損失が0.5dB/cm以下である上記(1)に記載の光学材料用樹脂組成物、
(3)(A)ベースポリマーが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、及びフッ素を含まない(メタ)アクリル樹脂である上記(1)又は(2)に記載の光学材料用樹脂組成物、
(4)(B)光重合性化合物がエチレン性不飽和基を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物、
(5)(B)光重合性化合物が(メタ)アクリレートである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物、
(6)(A)成分と(B)成分の総量に対して、(A)成分の含有量が10〜80質量%であり、(B)成分の含有量が20〜90質量%であり、かつ、(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対して、(C)成分が0.1〜10質量部である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物、
(7)硬化物の屈折率が、波長1310nmにおいて1.50以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる光学材料用樹脂フィルム、及び
(9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物又は上記(8)に記載の光学材料用樹脂フィルムを、光導波路の下部クラッド、コア、及び上部クラッドの少なくとも1つに用いた光導波路、
を提供するものである。
1310nmの波長における透明性を高めるためには、(A)ベースポリマーの繰り返し単位中及び(B)光重合性化合物の骨格中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基及びフッ素を含まず、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに芳香族炭化水素基を含み、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに脂肪族炭化水素基及び/又は脂環式炭化水素基を含み、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の合計(以下「脂肪族CH基」という。)と、芳香族炭化水素基の合計(以下「芳香族CH基」という。)の割合が80:20〜5:95(モル比)の範囲内であることを必須とする。また、経済性の観点から、高価なフッ素化合物を用いないことが好ましい。
また、CH基の1310nm付近の吸収は、芳香族CH基の場合、1130〜1140nm付近の伸縮振動の第2倍音吸収及び1410〜1420nm付近に伸縮と変角の結合音吸収が、それぞれシャープな吸収として存在する。一方、脂肪族CH基の場合、メチル、メチレン、メチン基によって若干の違いがあるものの、おおよそ1220nm付近の伸縮振動の第2倍音吸収及び1400nm付近の伸縮と変角の結合音吸収が、それぞれブロードな吸収として存在する。従って、1310nmの吸収を増大させる要因としては、脂肪族CH基による吸収のほうが芳香族CH基による吸収より大きくなる。
以上のことより、芳香族CH基を増やし、相対的に脂肪族CH基を減少させることが、1310nmの透明性向上に大きく寄与することがわかる。但し、芳香族CH基の割合を増加させすぎると、光重合性基の割合が減少し、十分な硬化反応が起こらない問題点が生ずる。芳香族CH基の割合としては、20%〜95%の範囲内であることが必要であり、好ましくは30%〜80%、さらに好ましくは35%〜70%である。すなわち、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の合計(脂肪族CH基)と、芳香族炭化水素基の合計(芳香族CH基)の割合が70:30〜20:80(モル比)の範囲内であることが好ましく、65:35〜30:70(モル比)の範囲内であることがさらに好ましい。
なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とはアクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味する。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜80質量%とすることが好ましい。この配合量が、10質量%以上であるとフィルムを形成する場合に、膜厚50μm以上の厚膜フィルムでも容易に製造することが可能であり、一方、80質量%以下であると、光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、(A)ベースポリマーの配合量は、20〜70質量%とすることがさらに好ましい。
前記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、20〜90質量%とすることが好ましい。この配合量が、20質量%以上であると、ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、一方、90質量%以下であると、厚膜のフィルムを容易に形成することできる。以上の観点から、(B)光重合性化合物の配合量は30〜80質量%とすることがさらに好ましい。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
上記に示した有機溶剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常20〜90質量%であることが好ましい。
また、本発明の光学材料用樹脂組成物は、波長1310nmの光において、その硬化物の屈折率が1.50以上であることが好ましく、1.55以上であることがより好ましい。屈折率が1.50以上であると材料の選択幅が広がる点で有利である。
本発明の光学材料用樹脂フィルムの厚みについては特に限定されないが、乾燥後の厚みで、通常は10μm〜100μmである。10μm以上であると、受発光素子又は光ファイバーとの結合トレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、受発光素子又は光ファイバーとの結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚みは、さらに30μm〜70μmの範囲であることが好ましい。
本発明の光導波路形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材は、光導波路形成用フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されないが、後に光導波路形成用フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。該基材の厚みは、5〜50μmの範囲であることが好ましい。5μm以上であると、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該基材の厚みは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、20〜30μmであることが特に好ましい。
このようにして得られた基材上に設けられた光導波路形成用フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に貯蔵することができる。また、必要に応じて、光導波路形成用フィルムの上に保護フィルムを設けることもできる。なお、上記基材及び保護フィルムは、後に光導波路形成用フィルムの剥離を容易とするため、帯電防止処理等が施されていてもよい。
以下、該樹脂フィルムを用いて光導波路を形成するための製造手法について詳述する。その方法としては、例えば、基材から剥離された下部クラッドフィルムを、保護フィルムが存在する場合には、保護フィルムを除去後、基板上に加熱しながら圧着することにより積層する方法などが挙げられる。ここで、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。
該樹脂フィルムの加熱温度は50〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで、下部クラッドフィルムを光又は加熱により硬化し、下部クラッドフィルムより屈折率の高いコアフィルムを同様な方法で積層する。このようにして積層した樹脂フィルムは、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
現像液としては、有機溶剤、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが好ましく用いられる。前記有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加してもよい。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物の層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりコアパターンをさらに硬化して用いてもよい。
次いで、コアフィルムより屈折率の低い上部クラッドフィルムを同様の方法で積層し、光導波路を作製する。
ポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペット」)25質量部とビスフェノールA型ジアクリレート(新中村化学(株)製、商品名「ABE−300」)75質量部を溶剤であるトルエン50質量部に溶解させ、これに光開始剤(東京化成工業(株)製、2,2-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル1,2'-ビイミダゾール、同社製、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び同社製2-メルカプトベンゾイミダゾールからなる3元系光ラジカル発生剤、質量比6:1:2)を2質量部加え、樹脂組成物(樹脂ワニス)を用意した。これをPETフィルム(東洋紡績(株)製、「A4100」)上にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA-4」)を用い塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分の条件にて乾燥して溶剤を揮発させ、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。このときのフィルムの厚さはアプリケーターの間隙(ギャップ)を調節することで5μmから100μmの間で任意に調整可能であり、本実施例では12μmとした。
また、アプリケーターのギャップを変え、厚さ50μmの導波路形成用樹脂フィルムを同様な方法で作製し、マスクパターンを用いて露光後、トルエンにて現像(室温、90秒、振動揺動)し、パターン形成を行ったところ、線幅50μmの光導波路が作製できることが確認された。
ポリメチルメタクリレートに代えてポリアリレート((株)ユニチカ製、商品名「U−100」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.555であった。
伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.60のマッチングオイル使用)、伝搬損失は0.5dB/cmであった。本発明の光導波路形成用樹脂フィルムが低損失であることがわかる。
また、アプリケーターのギャップを変え、厚さ50μmの光導波路形成用樹脂フィルムを同様な方法で作製し、マスクパターンを用いて露光後、テトラヒドロフランにて現像(室温、120秒、振動揺動)し、パターン形成を行ったところ、線幅50μmの光導波路が作製できることが確認された。
ビスフェノールA型ジアクリレートに代えてフルオレン型ジアクリレート(新中村化学(株)製、商品名「A−BPEF」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.569であった。伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.56のマッチングオイル使用)、伝搬損失は、0.4dB/cmであった。本発明の光導波路形成用樹脂フィルムが低損失であることがわかる。
また、アプリケーターのギャップを変え、厚さ50μmの光導波路形成用樹脂フィルムを同様な方法で作製し、マスクパターンを用いて露光後、トルエンにて現像(室温、90秒、振動揺動)し、パターン形成を行ったところ、線幅50μmの光導波路が作製できることが確認された。
ポリメチルメタクリレートに代えてポリエーテルスルホン(BASF(株)製、商品名「Ultrason E6020」)を60質量部、ビスフェノールA型ジアクリレートに代えてフルオレン型ジアクリレート(新中村化学(株)製、商品名「A−BPEF」)を40質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.589であった。伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.56のマッチングオイル使用)、伝搬損失は、0.4dB/cmであった。本発明の光導波路形成用樹脂フィルムが低損失であることがわかる。
また、アプリケーターのギャップを変え、厚さ50μmの光導波路形成用樹脂フィルムを同様な方法で作製し、マスクパターンを用いて露光後、N,N−ジメチルアセトアミドにて現像(室温、90秒、振動揺動)し、パターン形成を行ったところ、線幅50μmの光導波路が作製できることが確認された。
ビスフェノールA型ジアクリレートに代えて2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「ライトエステルHOA」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.501であった。伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.56のマッチングオイル使用)、伝搬損失は、0.7dB/cmであった。
ポリメチルメタクリレートに代えてフェノキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「YP−50」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.501であった。伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.56のマッチングオイル使用)、伝搬損失は、0.6dB/cmであった。
ポリメチルメタクリレートを50質量部、ビスフェノールA型ジアクリレートを50質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光導波路形成用樹脂フィルムを得た。フィルムの厚さは12μmとした。
該光導波路形成用樹脂フィルムを、実施例1に記載したのと同様にして、スラブ光導波路(コア厚12μm)を得た。このときのスラブ光導波路(コア)の屈折率は、測定波長1310nmにおいて1.511であった。伝搬損失をプリズムカプラ式光学特性測定装置(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA-4000)にて測定した結果(測定波長;1310nm、nD=1.56のマッチングオイル使用)、伝搬損失は、0.6dB/cmであった。
光導波路用の樹脂フィルムとして用いた場合には、高い透明性を有し、かつ高精度な厚膜形成が可能である。従って、本発明のフィルムを光導波路の下部クラッド、コア、及び上部クラッドの少なくとも1つに用いることによって、性能の優れた光導波路を得ることができる。また、本発明によれば、大面積のフィルムを製造することが可能であり、生産性よく光導波路を製造することが可能となる。
Claims (9)
- (A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有し、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、及びフッ素を含まず、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに芳香族炭化水素基を含み、(A)成分の繰り返し単位中及び(B)成分の骨格中のいずれかに脂肪族炭化水素基及び/又は脂環式炭化水素基を含み、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の合計と、芳香族炭化水素基の合計の割合が80:20〜5:95(モル比)の範囲内である光学材料用樹脂組成物。
- 硬化物をコア又はコア及びクラッドとする光導波路とした場合に、波長1310nmの光伝播損失が0.5dB/cm以下である請求項1に記載の光学材料用樹脂組成物。
- (A)ベースポリマーが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、及びフッ素を含まない(メタ)アクリル樹脂である請求項1又は2に記載の光学材料用樹脂組成物。
- (B)光重合性化合物がエチレン性不飽和基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
- (B)光重合性化合物が(メタ)アクリレートである請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分の総量に対して、(A)成分の含有量が10〜80質量%であり、(B)成分の含有量が20〜90質量%であり、かつ、(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対して、(C)成分が0.1〜10質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
- 硬化物の屈折率が、波長1310nmにおいて1.50以上である請求項1〜6のいずれかに記載の光学材料用樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物からなる光学材料用樹脂フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物又は請求項8に記載の光学材料用樹脂フィルムを、光導波路の下部クラッド、コア、及び上部クラッドの少なくとも1つに用いた光導波路。
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