JP5261882B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池内部で発生したガスを電池外部へ逃す安全弁を備えたリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池とは、リチウム二次電池ともいわれ、液状、ゲル状および高分子ポリマー状の電解質を持ち、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。このリチウムイオン電池は、充電時には正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物中のリチウム原子(Li)がリチウムイオン(Li+)となって負極の炭素層間に入り込み(インターカレーション)、放電時にはリチウムイオン(Li+)が炭素層間から離脱(デインターカレーション)して正極に移動し、元のリチウム化合物となることにより充放電反応が進行する電池である。
リチウムイオン電池の構成は、正極集電材(アルミニウム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質等)/負極活性物質層(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子負極材料)/負極集電材(銅、ニッケル、ステンレス)及び、これらを包装する外装体からなる。
外装体としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、プラスチックフィルム、金属箔等のラミネートにより得られる複合フィルムからなる積層体を袋状にしたもの(以下、外装体)が挙げられる。従来、金属製缶が主に用いられていたが、金属製缶の容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が決められてしまい、ハード側を電池に合わせ設計する必要があった。
そのため、近年、形状の自由度が高い積層体からなる外装体を用いる傾向にある。前記外装体の材質構成は、電池としての必要な物性、加工性、経済性等から、少なくとも基材層、バリア層、ヒートシール層と前記各層を接着する接着層からなり、必要に応じて中間層を設けることがある。前記構成の積層体からパウチを形成し、または、少なくとも片面をプレス成形して電池の収納部を形成して電池本体を収納し、パウチタイプまたは、エンボスタイプ(蓋体を被覆して)において、それぞれの周縁の必要部分をヒートシールにより電池とする。
図5(a)は、ピロー状の外装体5を用いるパウチタイプのリチウムイオン電池の斜視図であり、図5(b)はリチウムイオン電池を分解した状態を示す斜視図である。図5(a)及び(b)に示すように、リチウムイオン電池1は、リチウムイオン電池本体2及び外装体5から構成されており、外装体5に収納されたリチウムイオン電池本体2は、その周縁を密封することにより、防湿性を確保している。
図6は、エンボス部が形成されたトレイ5aとシート5bとから成る外装体5を用いてリチウムイオン電池本体2を密封収納するエンボスタイプのリチウムイオン電池の斜視図である。
リチウムイオン電池本体2は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質と(いずれも図示せず)を含むセル(蓄電部)3と、セル3内の正極及び負極に連結されるとともに先端が外装体5の外部に突出するタブ(電極端子)4から構成されている。
また、外装体外部から外装体内部に水蒸気が浸入した場合、電解質と前記水蒸気との反応によりフッ化水素酸が生成し、デラミネーション(剥離)の発生を引き起こす。これを防ぐため外装体は様々な積層構造が研究され密封性に優れ外部からの水蒸気の浸入を遮断するものが開発されている。
一方、外装体内部では、リチウムイオン電池の充放電により電解質と電極の間でイオンの交換がおこなわれており、この過程で少量の水素や酸素等が発生する場合がある。特に急速な充放電や過充電をした場合、ガスが発生し易く、これらのガスは充放電を繰り返すことで、徐々に外装体内部に蓄積し内圧を上昇させる。
内圧が上昇し続けた場合、最終的に外装体がその力に抗しきれず破裂する。このとき、外装体内部に充填された電解質は破裂と同時に飛び散り、リチウムイオン電池周辺の機器の故障や汚れにつながる。また、複数のリチウムイオン電池を接続して収納する場合、破裂の衝撃または、電解質の飛散により、隣接する他のリチウムイオン電池まで破損させたり、飛散した電解液により隣接した端子間が短絡することがある。
これまで、この問題を解決するため種々の提案がなされてきた。例えば、外装材に切り込み部を設け金属箔で塞ぐように接着することにより、ガス圧の上昇により外装体自体が破裂する前に前記金属箔を破断させるもの(特許文献1参照)や、シール部の一部に剥離強度の低い箇所を設け、ガス圧の上昇により当該箇所が剥離しガスを放出し外装体の破裂を防ぐもの(特許文献2参照)が挙げられる。
しかし、これらの発明は、ガスを放出する部分のシール強度が不十分であるため、外装体内部の気密性が低下し水蒸気の浸入の原因となったり、ガスの放出とともに電解質も漏洩するため周辺機器を汚す可能性があった。
特開平11−102673 特開平11−97070
本発明は上記問題点に鑑み、複合フィルムからなる積層体を外装体に用いて、外装体内部の気密性と水蒸気バリア性を十分確保し、内圧の上昇による外装体の破裂を防ぎ、電解質の漏洩防止機能を有するリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の構成は、正極と負極と、前記正極及び負極間に充填される電解質とを含むリチウムイオン電池本体を、最内層にシール層を有する積層体からなる外装体に封入し前記外装体の周縁部を密封シールして成るリチウムイオン電池において、前記外装体の周縁部の一部に外装体内部で発生したガスを外装体外部に逃すための安全弁を設け、該安全弁が外装体内部のガス圧が所定値を超えたとき開く弁部と、ガスのみを透過するガス透過部と、前記弁部から前記ガス透過部へガスを導くガス通気路とで構成され、前記弁部と前記ガス透過部がそれぞれ前記ガス通気路を介して外装体内側と外装体外側に配されていることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記弁部と前記ガス透過部が前記外装体の周縁部に挟持され密封シールされることにより安全弁が形成されることを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記弁部がシールされた前記外装体の周縁部より内側に突出した形状であり、前記シール層よりも接着強度の低いシール樹脂で構成されていることを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記シール層がポリプロピレンで構成され、且つ前記シール樹脂がポリプロピレンとポリエチレンを含むブレンド樹脂で構成されていること特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記ガス透過部が気体のみを透過する高分子フィルムで構成され、前記安全弁の開口部を塞ぐように配置されていることを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記高分子フィルムが折り曲げられた構造をとることを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記高分子フィルムがポリプロピレン単層フィルムであることを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記ガス通気路に水蒸気を遮断する水蒸気バリア部を設け、前記水蒸気バリア部が外装体内部のガス圧が所定値を上回ったとき開き、下回ったとき閉じる機能を有することを特徴とする。
本発明は上記構成のリチウムイオン電池において、前記水蒸気バリア部が自己粘着性を有する樹脂で構成されていることを特徴とする。
本発明の第1の構成によると、外装体の周縁部の一部に外装体内部で発生したガスを外装体外部に逃すための安全弁を設け、安全弁が外装体内部のガス圧が所定値を超えたとき開く弁部と、ガスのみを透過するガス透過部と弁部からガス透過部へガスを導くガス通気路とで構成され、弁部とガス透過部がそれぞれガス通気路を介して外装体内側と外装体外側に配されたことにより、ガス圧が一定の間は、弁部により外装体内部の気密性が確保され外部からの水蒸気の浸入を防ぐことができる。また、ガス圧が上昇し弁部が開いた後は、ガス透過部においてガスが透過されるため、ガス圧の上昇を抑え外装体の破裂を防ぐ。このとき、ガス透過部はガスのみを透過し電質を透過しないため電解質の漏洩を防ぐことができる。
本発明の第2の構成によると、弁部とガス透過部が前記外装体の周縁部に挟持され密封シールされることにより安全弁が形成されるため、新たに安全弁を構成する部品が簡易なものとなる。このため製造コストを抑えることができる。また、外装体に挟持して密封シールするだけであるので製造工程も従来のもので安全弁付きのリチウムイオン電池を製造することができる。
本発明の第3の構成によると、シールされた外装体の周縁部より内側に突出した形状の弁部を外装体最内層に設けられたシール層よりも接着強度の低いシール樹脂で構成することにより、外装体内部でガスが発生し、内圧が上昇したとき外装体周縁部のシール層が剥れる前に弁部のシール樹脂が剥れる。これにより、ガスは弁部を通りガス透過部において外装体外部へ放出される。このとき、電解質はガス透過部で遮断され外部へ漏洩しない。仮に、外装体周縁部のシール層が剥れた場合、その箇所からガスとともに電解質が外部へ漏れ出るが、本発明の構成によりガスのみをガス透過部より放出するため内圧がさがり、外装体周縁部のシール層が剥れることを防ぐことができる。
本発明の第4の構成によると、外装体最内層に設けられたシール層をポリプロピレンで構成し、弁部を構成するシール樹脂をポリプロピレンとポリエチレンを含むブレンド樹脂で構成することにより、ヒートシールする場合シール層と弁部が同程度の融点を有するため、融着させ易い。また、ポリプロピレンとポリエチレンの配合を変えることにより、シール強度を調整することができる。これにより、弁部が開く内圧の所定値も調節が可能となる。
本発明の第5の構成によると、ガス透過部が気体のみを透過する高分子フィルムを外装体に挟持して密封シールするのみでガス透過部を形成することができる。
本発明の第6の構成によると、ガス透過部を形成するフィルムを折り曲げることによりガス透過部におけるフィルムの表面積が大きくなりガス透過部から外装体外部へ放出できるガス量が上昇する。また、ガス透過部の省スペース化を図ることができる。
本発明の第7の構成によると、ガス透過部を形成するフィルムにポリプロピレン単層フィルムを用いることにより、外装体最内層に設けられたシール層がポリプロピレンで構成されている場合、同じ物質で構成されているためヒートシールによるシール強度が高い。また、ポリプロピレンはガス透過性を有し、液体を透過させないため、ガス透過部として好適な基材である。
本発明の第8の構成によると、ガス通気路に水蒸気を遮断する水蒸気バリア部を設け、水蒸気バリア部が外装体内部のガス圧が所定値を上回ったとき開き、下回ったとき閉じる機能を有することによって、弁部が開く前は、水蒸気バリア部にかかるガス圧は低いため閉じた状態で外装体外部から浸入する水蒸気を遮断し、弁部とともに外装体内部の密封性を向上させる。また、弁部が開いたとき水蒸気バリア部にかかるガス圧も上昇するため水蒸気バリア部が開き外装体透過部へガスを導く。その後、ガス透過部においてガスが放出され外装体内部のガス圧が低下したとき、再び水蒸気バリア部が閉じ外装体内部の気密性を確保する。これにより、リチウムイオン電池の長寿命化を図ることができる。
本発明の第9の構成によると、水蒸気バリア部を自己粘着性を有する樹脂で構成することによりガス通気路において、当該樹脂が外装体の上面と下面を接着、剥離する。これにより当該水蒸気バリア部の機能を簡易に発揮することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明では外装体内部に蓄積されたガスを放出する安全弁を設け外装体の破裂を未然に防止するとともに、外部からの水蒸気の浸入を有効に防ぎ、電解質の飛散を防止するリチウムイオン電池を提供しようとするものである。また、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池本体を包装する外装体のタイプにより、パウチタイプと、エンボスタイプとがあり、本発明はいずれのタイプにも適用することができる。なお、従来例の図5、図6と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図1(a)は本発明に係るリチウムイオン電池1の概略平面図であり、図1(b)は安全弁6近傍を拡大して示すものである。安全弁6は図1(a)で示されるようにリチウムイオン電池1の正極と負極のタブ材4の中間付近に設けられている。これは、リチウムイオン電池1の収納効率を上げるために最も好適な配置であり、使用態様又はリチウムイオン電池1の収納スペースに応じてタブ材の中間付近以外に配すことも可能である。
安全弁6は外装体内側に設けられた弁部9と外装体外側に設けられたガス透過部7で構成され、弁部9とガス透過部7の間にはガス通気路8が設けられガスの通路が確保されている。
また、図1(b)に示されるように安全弁6を上方から見た場合、ガス透過部7と弁部9を外装体5の所定の位置に挟持させ上下から加圧及び加熱しヒートシールするのみで本発明にかかる安全弁6を形成することができる。しかし、このときガス透過部7と弁部9を挟持する部分はヒートシールしても良いが、ガス透過部7と弁部9の間はガス通気路8となる空間を形成する必要があるため、ヒートシールしてはならない。もし、この領域をヒートシールして外装体5の上面と下面がシールされた場合、弁部9が開いてもガスはガス透過部7へ達することができないため、安全弁6の効果を発揮することができない。
また、図2は図1(a)の矢印x方向からみたリチウムイオン電池1の概略正面図であり、図2(a)はヒートシール前の状態を示し、図2(b)はヒートシール後の状態を示す。
図2(b)に示されるようにガス透過部7は外装体5の外側に面するように配されている。これにより弁部9が開いたとき外装体内部のガスはガス透過部を透過し外装体5の外側へ放出される。このとき、ガス透過部7の周縁部は外装体5と密封シールされ、ガス透過部7を介すことなく外装体内部のガスは外部へ漏れ出ることはない。したがって、ガス透過部7にガス透過性を有する高分子フィルムを用いる場合、安全弁6により形成される開口部を塞ぐように配置しなければならない。
外装体内側に設けられた弁部9は、ガス内部の圧力が所定値に達するまで外装体内部を閉弁し気密性を確保している。また、外装体外部からの水蒸気の浸入を防ぐために一定のバリア性が必要である。一方、内圧が所定値を超えたとき弁部9は開きガスの通気口を形成する。このとき、内圧の力で外装体内部のガスとともに電解質もガス透過部7側へ押し出される。
外装体外側に設けられたガス透過部7は、弁部9が開きガス通気路8を通って外装体外部へ抜け出ようとする電解質を遮断し外部への漏洩を防ぐ。したがって、ガス透過部7に高分子フィルムを用い部9にシール樹脂を用いる場合、高分子フィルムはシール樹脂と比較して外装体5と高いシール強度を持つ必要がある。つまり、弁部9に設けられた樹脂が内圧の上昇により凝集破壊することで弁部9が開くため、ガス透過部7の高分子フィルムと外装体5とのシール強度が低いとその内圧で高分子フィルムも凝集破壊してしまう。その結果、ガス透過部7から電解質がガスとともに噴出してしまう。
また、ガス透過部7は電解質を遮断しガスのみを透過するため、ガスを外装体外部へ放出して外装体内部の内圧を下げる役割を果たす。これにより、内圧の上昇により弁部9が凝集破壊した後も電解質の漏洩を防ぐことができる。また、ガス通気路8に自己粘着性を有する自己粘着性樹脂を介在させた場合、弁部9が開いてない状態ではガス通気路8において、外装体5の上面と下面をシールするが、弁部9が開いた後、ガス圧により、外装体5の上面と下面ールが剥れガス通気路8にガスの通路が形成される。そして、ガス透過部7においてガス放出後、外装体5の内圧が低下したとき、再びガス通気路8において、自己粘着性樹脂が外装体5の上面と下面をシールする。これにより、弁部9が凝集破壊した後も、自己粘着性樹脂が外装体内部の気密性を保ち外装体外部からの水蒸気の浸入を防ぐ。したがって、リチウムイオン電池の長寿命化を図ることができる。
次にガス透過部7及び弁部9について具体的に説明する。図3(a)は図1(a)の安全弁をA−A‘方向からみた横断面図である。安全弁6において弁部9は外装体内側、ガス透過部7は外装体外側に直列的に配されている。
弁部9は、外装体5に上下に挟持された状態でシールしている。このため、内圧が所定値に達するまでは、外装体内部は高い機密性を保ち、外部からの水蒸気の浸入に対しても高いバリア性を有する。
また、弁部9を構成する基材としてはポリプロピレン(以下PPと略す)とポリエチレン(以下PEと略す)のブレンド樹脂が用いられる。この樹脂はPEをブレンドすることによりPP樹脂と比較してシール強度が低い。したがって、外装体最内層のヒートシール層にPP層を用いた場合、外装体5が重なりPP層間でシールされる外装体周縁部5aと比較してPP層とブレンド樹脂のシール強度は低下する。これにより、外装体内部でガスが蓄積され外装体5が膨張し外装体上面と外装体下面を引き剥がす圧力がかかったとき、ブレンド樹脂のシール部分が外装体周縁部5aのシール部分より先に剥離すると考えられる。
これにより、外装体周縁部5aからガスとともに電解質が外装体外部へ漏洩することを防ぎ、ガスおよび電解質をガス透過部7へ導くことができる。その後ガス透過部7においてガスのみを外装体外部へ放出し内圧を下げることで外装体5の破裂および電解質の漏洩を防ぐことができる。
しかし、弁部9と外装体5のシール強度が低過ぎる場合、外装体5内部の気密性が確保されず外部からの蒸気の浸入を招き易い。また、弁部のシール強度が高過ぎる場合、外装体内部の圧力が相当高くなった状態で弁部9が凝集破壊され、その衝撃でガス透過部も破裂する可能性がある。したがって弁部9には、強度の高いPPと強度の低いPEの構成比率を調整し好適な強度のブレンド樹脂を用いる必要がある。なお、弁部9は内圧が上昇したときに外装体周縁部5aのシール部より先に剥離させる必要がある。このため図2(b)に示すようにシールされた外装体周縁部5aよりも先端を外装体内側に突出した形状とすることが好ましい。
ガス透過部7は例えば、図3に示すように蛇腹状に折込まれたPP単層フィルム10で構成することができる。このときPP単層フィルム10は外装体5に挟持され、PP単層フィルム10の上端部10aと下端部10bがそれぞれ外装体内面にシールしている。これにより、PP単層フィルム10はガスを透過させるための一定の表面積を確保した上で安全弁6における開口部を塞ぎ密封シールすることができる。なお、図示されていないがPP単層フィルムの幅方向における両端も外装体5に挟持され密封シールされている。
また、PPは熱融着性であり、外装体5の最内層をPP層で構成した場合、ガス透過部7と外装体5のヒートシール層が同質で融点が等しく親和性が高いため、シール強度に優れ外装体5内部の高い気密性を確保することができる。
また、PP単層フィルム10を蛇腹状に構成した場合、ガス透過面積が広がりガス透過部から外部へ放出するガス量をいっそう増加させることができる。これにより、内圧の上昇をいっそう防ぐことができる。なお、PP単層フィルムの形状は特に蛇腹状に限定するものではなく、ガス透過のための表面積が十分確保され、安全弁6における開口部を塞ぎ密封シールするものであれば、一つ折り又は折り曲げられていないものでもよい。
また、外装体5の最内層をPP層で構成した場合、外装体内部で発生したガスはガス透過部以外に、外装体周縁部5a(図1(a)参照)からも放出される。図4は、図1(a)で示されるリチウムイオン電池をB−B‘方向からみた横断面図である。11は基材層、12は金属箔等からなるバリア層、13はヒートシール層であるPP層を表す。矢印y方向において、外装体周縁部5aでは外装体内部と外装体外部は金属箔等を介さずPP層のみで繋がっている。したがって内部のガスはバリア層12の内側に設けられたヒートシール層13の層間をy方向に透過し外部へ放出される。しかし、このPP層の厚みは、外部からの水蒸気の浸入を防ぐため非常に薄く外装体周縁部5aにおけるガス排出量は非常に少ない。
したがって、外装体内部で発生するガスが微量である場合、上記外装体周縁部5aのPP層の層間よりガスが放出され外装体5の内圧が上昇することはないが、ガス発生量が外装体周縁部5aのPP層の層間より放出されるガス放出量を上回る場合、内圧が上昇し弁部9の凝集破壊につながる。また、弁部9の凝集破壊後、ガス透過部7と外装体周縁部5aのPP層の層間から放出されるガス放出量の総量がガス発生量を上回らなければ内圧は上昇し続け、ガス透過部7が破裂し電解質がガス透過部7から噴出することになる。
したがって、ガス透過部7におけるガス放出量を十分確保するため、PP単層フィルム10を蛇腹状に折り込み一定の表面積を確保する必要がある。なお、外装体周縁部5aのPP層の層間におけるガス放出量は、外装体周縁部5aの長さにPP層の厚さを乗じた表面積に比例する。これにより、外装体内部におけるガス発生量とこの外装体周縁部5aの表面積から、ガス透過部7におけるPP単層フィルム10の必要表面積を計算し予測することができる。
次に、ガス透過部7に蛇腹状に折り込んだPP単層フィルム10を用いる場合の外装体5へのシール方法について説明する。リチウムイオン電池は袋状に形成された外装体5の中にリチウムイオン電池本体を入れて密封する。このとき、外装体開口部において、予め蛇腹状に形成したPP単層フィルムとPPとPEのブレンド樹脂のフィルム片を所定の位置で外装体5に挟持させヒートシールすることでガス透過部7と弁部9が形成される。
なお、図1(b)を示して前述したようにガス透過部7と弁部9の間はヒートシールせず、ガス通気路8を形成する必要がある。
しかし、蛇腹状に形成したPP単層フィルムを外装体5で挟持して単にヒートシールしただけでは、PP単層フィルム自体が熱融着性を有するため蛇腹状の山折り部と谷折り部が一体となって外装体最内層のPP層と融着する。また、PP単層フィルムの端部10aまたは10bにおいて外装体5の上面と下面が接着した場合も蛇腹状にガス透過部を形成することができない。
したがって、PP単層フィルム10が蛇腹状に形成された状態で外装体内部を密封シールするにはPP単層フィルム10の上端部10aを外装体上面に下端部10bを外装体下面にシールする必要がある。そのためには、図3(b)に示すように上端部10aの下面及び下端部10bの上面に融着防止フィルム14を介して上端部10aと下端部10bとシールする部分を加圧及び加熱すればよい。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、エネルギー貯蔵用や電気自動車用の電源として好適な、耐久性、安全性の高いリチウムイオン電池に関するものである。
は、本発明に係るリチウムイオン電池及び安全弁の概略平面図である。 は、本発明に係るリチウムイオン電池の概略正面図である。 は、本発明に用いられる安全弁の横断面図である。 は、本発明に係るリチウムイオン電池の概略平面図及び本発明に係るその横断面図である。 は、従来のリチウムイオン電池(パウチタイプ)の斜視図及び分解斜視図である。 は、従来のリチウムイオン電池(エンボスタイプタイプ)の斜視図及び分解斜視図である。
符号の説明
1 リチウムイオン電池
2 リチウムイオン電池本体
3 セル(蓄電部)
4 タブ
4a タブ材
4b リチウムイオン電池金属端子部密封用接着性フィルム
5 外装体
5a 外装体周縁部
7 ガス透過部
8 ガス通気路
9 弁部
10 PP単層フィルム
10a 上端部
10b 下端部
11 基材層
12 バリア層
13 最内層(ヒートシール層)
14 融着防止フィルム

Claims (7)

  1. 正極と負極と、前記正極及び負極間に充填される電解質とを含むセルと、前記正極及び前記負極のそれぞれに連結するタブを備えたリチウムイオン電池本体を、最内層にシール層を有する積層体からなる外装体に前記タブを前記外装体の外部に突出させながら前記外装体の周縁部をヒートシールすることにより密封シールして成るリチウムイオン電池において、
    前記外装体の周縁部の一部に外装体内部で発生したガスを外装体外部に逃すための安全弁を設け、
    該安全弁が外装体内部のガス圧が所定値を超えたとき開く弁部と、
    ガスのみを透過するガス透過部と、
    前記弁部から前記ガス透過部へガスを導くガス通気路とで構成され、
    前記弁部と前記ガス透過部がそれぞれ前記ガス通気路を介して外装体内側と外装体外側に配され、前記ガス透過部は前記外装体に挟持されたガス透過性を有する高分子フィルムが前記シール層とヒートシールされて形成され
    前記弁部は前記シール層とヒートシール可能な樹脂を前記外層体の前記シール層間に挟持させて当接する前記シール層とヒートシールされて形成されるとともに前記シール層間に挟持された前記樹脂と前記シール層との接着強度が前記シール層同士の接着強度よりも低くなることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記弁部において前記シール層間に挟持された前記樹脂が前記外装体の周縁部より内側に突出した形状であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記シール層がポリプロピレンで構成され、且つ前記弁部において前記シール層間に挟持された前記樹脂がポリプロピレンとポリエチレンを含むブレンド樹脂で構成されていること特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 前記高分子フィルムが折り畳まれた状態で前記外装体に挟持されることを特徴とする請求項1乃至請求3のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
  5. 前記高分子フィルムがポリプロピレン単層フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
  6. 前記ガス通気路に水蒸気を遮断する水蒸気バリア部を設け、
    前記水蒸気バリア部が外装体内部のガス圧が所定値を上回ったとき開き、下回ったとき閉じる機能を有することを特徴とする請求項1及至請求項5のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
  7. 前記水蒸気バリア部が前記ガス通気路において自己粘着性を有する樹脂を前記外装体で挟持して構成されていることを特徴とする請求項6に記載のリチウムイオン電池。
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