JP5260422B2 - 嫌気性生物処理方法及び嫌気性生物処理装置 - Google Patents

嫌気性生物処理方法及び嫌気性生物処理装置 Download PDF

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本発明は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、単にTMAHと呼ぶ場合がある)、コリン等のアルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する生物処理方法及び生物処理装置に関する。
従来、半導体製造工場、液晶製造工場から排出される使用済みのテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)含有排水等のアルキルアンモニウム塩含有排水(レジスト由来の樹脂を若干含有する場合がある)の分解処理方法や排水回収処理方法が、生物処理、イオン交換樹脂を用いた処理、膜処理等の各種方法により提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
従来の回収技術では、TMAH等のアルキルアンモニウム塩が比較的高濃度で含有する排水に対して、回収したTMAHを再利用する場合に有効な方法であるが、薬品純度、経済性等に問題がある。
また、従来の物理化学的分解処理方法では、反応が速く、設備も小さくすることが可能であるが、処理コストが嵩むという問題がある。
また、安価なTMAH等のアルキルアンモニウム塩含有排水の処理方法としては、生物学的分解処理方法が挙げられるが、従来は、好気性生物を利用した生物処理が主流である。そして、好気性生物処理においては、一般的に担体法や浸漬膜活性汚泥法を用いた処理が行われている。
本発明者らは、TMAH、コリン等の嫌気処理の可能性について検討した。その結果、好気処理でも難分解性とされているTMAH、コリン等が嫌気処理条件で処理が可能であり、好気処理よりも高速処理が可能であること、処理水質も良好であるため、後段に好気処理設備が不要であることを見出した(例えば、特許文献5参照)。
TMAHの嫌気処理は、例えば、以下の反応式により示される。このように、TMAHが分解すると、それに伴い炭酸ガスが発生する。そして、炭酸ガスが処理水中に溶存することでpHが低下する傾向にある。
N(CHOH + 2HO → NHOH + CO + 3CH
特公平8−235号公報 特開2001−276825号公報 特許第2730610号公報 特開平11−262765号公報 特願2009−28788号
一般的な嫌気処理では、好気処理の曝気のような強力な槽内撹拌が望めないことから、槽内では比較的押出し流れに近い状態となる。この状態で、TMAHの分解により生成・溶解する炭酸ガスを中和するためのアルカリ剤を原水に混合すると、反応槽入口でのpHが高くなり、入口付近の汚泥活性が損なわれる。そして、この状態で運転を継続すると、最終的には槽内汚泥全ての活性が損なわれ、処理不能になる場合がある。なお、上記の対処法として、アルカリ剤の分割注入も考えられるが、反応槽内各所での反応状態を予測し、適正量のアルカリ剤を注入する必要があるため、技術的には困難である。
本発明の目的は、TMAH、コリン等のアルキルアンモニウム塩含有排水の嫌気性生物処理において、低コストで、長期にわたり安定した運転を可能とする嫌気性生物処理法及び嫌気性生物処理装置を提供することにある。
本発明は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、前記排水にアルカリ度調整剤を添加して、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とし、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送し、前記返送処理水にアルカリ剤を添加して、pHを7.5以上9未満の範囲に調整する。
また、前記嫌気性生物処理方法において、前記アルカリ度調整剤は、NaHCOを含むことが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理方法において、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、該気液接触液を前記排水に添加することが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理方法において、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、嫌気性生物処理した処理水の一部を返送し、該返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加することが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理方法において、前記アルキルアンモニウム塩は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)であることが好ましい。
また、本発明の嫌気性生物処理装置は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、前記排水にアルカリ度調整剤を添加するアルカリ度調整剤添加手段と、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、前記返送処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、を備え、前記アルカリ度調整剤添加手段により、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整され、前記アルカリ剤添加手段により、前記返送処理水のpHは7.5以上9未満の範囲に調整される。
また、前記嫌気性生物処理装置において、前記アルカリ度調整剤は、NaHCOを含むことが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理装置において、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、該気液接触液を前記排水に添加する気液接触液添加手段を備えることが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理装置において、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、前記返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加する気液接触液添加手段と、を備えることが好ましい。
また、前記嫌気性生物処理装置において、前記アルキルアンモニウム塩は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)であることが好ましい。
また、本発明は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送し、該返送処理水にアルカリ剤を添加して返送処理水のpHを7.5以上9未満の範囲に調整すると共に、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とする。
また、本発明は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、嫌気性生物処理した処理水の一部を返送し、該返送処理水にアルカリ剤を添加してpH7.5以上9未満の範囲に調整し、該返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加して、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とする。
また、本発明の嫌気性生物処理装置は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、前記返送する処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、を備え、前記アルカリ剤添加手段により、前記返送処理水のpHが7.5以上9未満の範囲に調整されると共に、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整される。
また、本発明の嫌気性生物処理装置は、アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、前記返送処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、前記返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加する気液接触液添加手段と、を備え、前記気液接触液添加手段により、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整され、前記アルカリ剤添加手段により、前記処理水のpHは7.5以上9未満の範囲に調整される。
本発明によれば、TMAH、コリン等のアルキルアンモニウム塩含有排水の嫌気性生物処理において、低コストで、長期にわたり安定した運転が可能となる。
本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
本発明の実施形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、嫌気性生物処理装置1は、原水第1ライン10、調整槽12、原水第2ライン14、反応槽16、処理水排出ライン18、ガス排出ライン20、処理水返送ライン22、アルカリ度調整剤添加手段、栄養剤供給手段、分離槽24、酸剤添加ライン33を備える。アルカリ度調整剤添加手段は、アルカリ度調整剤貯槽26、アルカリ度調整剤添加ライン28から構成されており、栄養剤供給手段は、栄養剤貯槽30、栄養剤供給ライン32から構成されている。但し、各供給手段の構成は、溶液を排水に供給することができるものであれば上記構成に制限されるものではなく、例えば、溶液の流量を自在に調節するために、各供給ラインにポンプを設置することが好ましい。調整槽12内には、撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34等で濃度の均一化を行うことが好ましい。
調整槽12の原水導入口(不図示)には、原水第1ライン10が接続されている。アルカリ度調整剤貯槽26のアルカリ度調整剤排出口(不図示)と調整槽12のアルカリ度調整剤供給口(不図示)間は、アルカリ度調整剤添加ライン28により接続され、栄養剤貯槽30の栄養剤排出口(不図示)と調整槽12の栄養剤供給口(不図示)間は、栄養剤供給ライン32により接続されている。また、調整槽12の原水排出口(不図示)と反応槽16間は、原水第2ライン14により接続されている。なお、反応槽16側の原水第2ライン14の接続位置は反応槽16の下部であることが好ましい。
反応槽16内には、気固液分離装置(以下、GSSと呼ぶ場合がある)が設けられている。気固液分離装置は、互いに逆方向に傾斜する仕切り板36,37を備え、その上部内側に固液分離部38が形成される。仕切り板36,37の下端部は隔離しており、連通路40が形成され、また、仕切り板36,37の一方の下端部は他方の下端部の下側を覆い、浮上するガスが連通路40から固液分離部38に入るのを阻止する構造となっている。固液分離部38には越流式の処理水取出部42が設けられており、処理水取出部42の処理水排出口(不図示)には、処理水排出ライン18が接続されている。また、処理水取出部42の処理水返送口(不図示)と調整槽12の処理水供給口(不図示)間は、処理水返送ライン22が接続されている。また、反応槽16の頂部には、ガス排出ライン20が接続されている。反応槽16の後段に設置される分離槽24には、反応槽16からの処理水が通過する処理水排出ライン18と、分離槽24により分離された汚泥を必要に応じて反応槽16に返送する汚泥返送ライン44が設けられている。処理水排出ライン18及び汚泥返送ライン44は、分離槽24と反応槽16との間に設けられている。
反応槽16としては、主にアルキルアンモニウム塩を嫌気的に生物処理することができるものであればよく、UASB方式、EGSB方式等に代表されるグラニュールを利用した上向流汚泥床式の反応槽や、担体を使用した固定床式又は流動床式の反応槽等が利用可能である。本実施形態の嫌気性生物処理に用いられる担体の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリウレタン等のスポンジ担体、ポリビニルアルコール(PVA)等のゲル担体、繊維状担体、不織布成型品、ポリプロピレン製等の成型品等が挙げられる。成型品の形態としては、特に制限されるものではなく、例えば、ハニカム型、V型等の網状骨格体、網状マット状、網様パイプ状、網様ボール状等様々な形態が可能である。
嫌気性生物処理に利用される種汚泥としては、特に制限されるものではないが、例えば、食品工場、飲料工場、製紙工場、化学工場、畜産排水処理等で使用される嫌気性汚泥、グラニュール、又は下水処理場の消化汚泥等が挙げられる。
分離槽24としては、例えば、図1に示すように凝集剤を添加して処理する凝集沈殿処理、加圧浮上処理等、特に制限されるものではない。なお、分離槽24は、反応槽16の構造や運転状態によっては、必ずしも必要ではない。
以下に、本実施形態の嫌気性生物処理装置1の動作及び嫌気性生物処理方法について説明する。
アルキルアンモニウム塩含有排水を原水第1ライン10から調整槽12に供給すると共に、アルカリ度調整剤貯槽26内のアルカリ度調整剤をアルカリ度調整剤添加ライン28から調整槽12に供給する。撹拌装置34により混合された混合液を原水第2ライン14から反応槽16内へ導入し、上向流で通液する。本発明者の知見によれば、反応槽16では、アルキルアンモニウム塩(例えば、TMAH)が嫌気性生物によって、メタン、炭酸ガス、アンモニウムイオン等に分解されると考えられる。
ここで、本実施形態のアルカリ度調整剤とは、pH緩衝能力を有するpH調整剤であり、リン酸塩、炭酸塩等が用いられる。そして、アルカリ度調整剤の添加は、主に、TMAHの分解により生成・溶解する炭酸ガスを中和することを目的とする。本実施形態では、アルカリ度調整剤のpH緩衝能力により、反応槽16入口でのpHが高くなることがないため、反応槽16内の汚泥の活性低下を抑制することができる。その結果、長期にわたり安定した運転を可能とする。上記でも説明したように、単にNaOH等のアルカリ剤を添加すると、反応槽16入口でのpHが高くなり、入口付近の汚泥活性が損なわれる。そして、この状態で運転を継続すると、最終的には槽内汚泥全ての活性が損なわれ、処理不能になる場合がある。
本実施形態では、アルキルアンモニウム塩含有排水にアルカリ度調整剤を添加して、嫌気性生物処理する際のアルカリ度を15mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以下と範囲とする。アルカリ度が15mgCaCO/mmol未満であると、反応槽16内のpH調整が不十分となり、反応槽16内の汚泥活性が損なわれ、長期にわたり安定した運転を行うことができない。また、アルカリ度が55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩を超えると、処理コストが高くなり、実用的ではない。
アルカリ度とは、水中に含まれている炭酸塩、炭酸水素塩、又は水酸化物等のアルカリ成分を所定のpHまで中和する酸の量を炭酸カルシウム(CaCO)の濃度(mg/L)で表したものである。アルカリ度の計算式は、以下で表される。
アルカリ度(mgCaCO3/L)=a×F×1000/試料mL×5
a:0.1mol/Lの塩酸滴定量(mL)
F:0.1mol/Lの塩酸のファクター
本実施形態に用いられるアルカリ度調整剤は、リン酸塩、炭酸塩等が挙げられるが、入手の容易さ、コスト等を考慮するとNaHCOが好ましい。
本実施形態において、排水へのNaHCOの添加量は、300mgNaHCO/gTMAH以上であることが好ましい。
上記で説明したように、反応槽16では、アルキルアンモニウム塩(例えば、TMAH)が嫌気性生物によって、メタン、炭酸ガス、アンモニウムイオン等に分解される。そして、嫌気性生物処理された排水が連通路40から固液分離部38に入り、固液分離された処理水は越流して処理水取出部42へ流れ、処理水排出ライン18から取り出される。反応槽16で発生するメタン等のガスは、仕切り板36,37に遮られて固液分離部38には流入せず、反応槽16を上昇し、ガス排出ライン20から取り出される。
また、本実施形態では、生物処理後の処理水の一部を処理水返送ライン22から調整槽12に供給されることが好ましい。これにより、処理水中に残存するアルカリ度調整剤を排水に再度供給することができるため、投入するアルカリ度調整剤を有効利用することができ、アルカリ度調整剤の添加量を削減することができる。例えば、TMAH(分子量91)濃度が9100mg/Lの原水を処理する場合、アルカリ度として1500mgCaCO/Lに調整する必要がある。この時、TMAHが完全分解された処理水を排水の流量に対して2倍量循環させると、排水1Lに対して1000mgCaCOが循環する処理水から補給されるため、投入が必要なアルカリ度調整剤は排水1L当たり500mgCaCOでよいこととなる。
本実施形態では、TMAH等を含む排水はアルカリであるため、排水のpHを調整するために、例えば、塩酸等の酸剤等を酸剤添加ライン33から調整槽12に供給することが好ましい。
本実施形態では、嫌気性生物の分解活性を良好に維持するために、例えば、栄養剤供給ライン32から調整槽12に栄養剤を供給することが好ましい。栄養剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、炭素源、窒素源、その他無機塩類等が挙げられる。
生物処理により得られた処理水は、処理水排出ライン18を通り、分離槽24に供給される。分離槽24では、生物処理の立ち上げ時等、原水変動等によって処理水に流出した汚泥が回収され、再び汚泥返送ライン44から反応槽16に戻される。汚泥が除去された処理水は、分離槽24から排出され、装置系外へと取り出される。また、処理水の発泡が著しい場合には、分離槽24に供給される際等において、消泡剤を添加することが好ましい。
また、アルキルアンモニウム塩含有排水に、レジスト、界面活性剤等のSS成分が含まれている場合には、反応槽16の前段に、SS成分を分離除去することができる分離槽24をさらに設置することが好ましい。アルキルアンモニウム塩含有排水を反応槽16で処理するに当たり、レジストや界面活性剤が混入していても、生物処理に影響を与えることはないため、特に事前除去等の処理は必要ではないが、分離槽24を設置することにより、SS成分による処理装置の詰まり等を防止することができる。
図2は、本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す嫌気性生物処理装置2において、図1に示す嫌気性生物処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図2に示す嫌気性生物処理装置2は、循環する処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段を備えている。該アルカリ剤添加手段は、アルカリ剤貯槽46、アルカリ剤添加ライン48から構成されており、アルカリ剤貯槽46と処理水返送ライン22との間が、アルカリ剤添加ライン48により接続されている。
本実施形態では、アルカリ剤が、処理水返送ライン22を通る処理水に供給される。処理水中には、上記説明したアルカリ度調整剤の他に、嫌気性生物処理により生成した炭酸ガスが溶解している。これにより、処理水中の炭酸ガスとアルカリ剤とが反応し炭酸塩、すなわちアルカリ度調整剤を生成させることができる。その結果、処理水中のアルカリ度調整剤量を増加させることができ、排水に添加するアルカリ度調整剤量を低減させることができるため、処理コストを削減することができる。
本実施形態では、アルカリ度調整剤添加ライン28からのアルカリ度調整剤添加と、アルカリ剤添加手段によるアルカリ剤添加によって、嫌気性生物処理する際のアルカリ度を15mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とする。
また、他の実施形態として、アルカリ剤添加手段によるアルカリ剤添加によって、嫌気性生物処理する際のアルカリ度を15mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とすることができる場合には、NaOHやKOH等のアルカリ剤添加手段のみを備えればよく、アルカリ度調整剤添加手段を設ける必要はない。
また、本実施形態では、処理水にアルカリ剤を添加して、pHを7.5以上〜9未満の範囲に調整することが好ましく、pHを8以上8.5以下の範囲に調整することがより好ましい。pHが9以上であると、反応槽16内の汚泥の活性が低下する場合があり、pHが7.5より低いと、反応槽16内のアルカリ度が低くなりすぎるため、アルキルアンモニウム塩の分解により発生する炭酸ガスの影響を受け、反応槽16内のpHが低下し、反応槽16内の汚泥の活性が低下する場合がある。なお、本実施形態では、アルカリ剤を添加して返送処理水のpHを調整しているが、排水と返送処理水との混合液にアルカリ剤を添加してpHを調整してもよい。また、アルキルアンモニウム塩含有排水がアルカリ性である場合には、該排水と返送処理水とを混合してpHを調整してもよい。この場合、該排水のアルカリが多く該混合液のpHが低い場合には塩酸等の酸剤により、返送処理水による炭酸が多く該混合液のpHが低い場合にはNaOH等のアルカリ剤によりpHを7.5以上9未満の範囲に調整することが好ましく、pHを8以上8.5以下の範囲に調整することがより好ましい。
図3は、本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図3に示す嫌気性生物処理装置3において、図1に示す嫌気性生物処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図3に示す嫌気性生物処理装置3は、嫌気性生物処理により発生した炭酸ガスとアルカリ剤とを気液接触させ、循環する処理水に気液接触液を添加する気液接触液添加手段を備えている。該気液接触液添加手段は、アルカリ剤貯槽50、第1添加ライン52、ガス吸収槽54、第2添加ライン56から構成されている。アルカリ剤貯槽50とガス吸収槽54との間は、第1添加ライン52により接続され、ガス吸収槽54と処理水返送ライン22との間は、第2添加ライン56により接続されている。また、ガス吸収槽54には、ガス排出ライン20が接続されている。本実施形態の気液接触手段は、嫌気性生物処理により発生した炭酸ガスとアルカリ剤とを気液接触させ、該気液接触液を排水に添加する構成であってもよく、例えば、第2添加ライン56を調整槽12、原水第1ライン10、原水第2ライン14、又はアルカリ度調整剤添加ライン28等に接続させてもよい。
アルキルアンモニウム塩の分解により生成した炭酸ガスは、反応槽16から排出され、ガス排出ライン20を通り、ガス吸収槽54に導入される。そして、アルカリ剤が第1添加ライン52を通り、ガス吸収槽54に供給される。ガス吸収槽54内で、炭酸ガスとアルカリ剤とが気液接触すると、炭酸塩(気液接触液)が生成される。生成した炭酸塩は、第2添加ライン56を通り、処理水返送ライン22を通る処理水に供給される。このような構成によっても、炭酸塩からなるアルカリ度調整剤を生成させることができるため、処理水中のアルカリ度調整剤量を増加させることができ、排水に添加するアルカリ度調整剤量を低減させることができる。その結果、処理コストを削減することができる。
本実施形態では、アルカリ度調整剤添加ライン28からのアルカリ度調整剤添加と、気液接触液添加手段からの気液接触液添加によって、嫌気性生物処理する際のアルカリ度を15mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以下と範囲とする。また、本実施形態で、処理水を返送する場合には、該排水、該返送処理水、又は該排水と該返送処理水の混合液に該気液接触液を添加して、該排水、該返送処理水、又は該混合液のpHを7.5以上9未満の範囲に調整することが好ましく、pHを8以上8.5以下の範囲に調整することがより好ましい。気液接触液によるpH調整においては、例えば、第2添加ライン56と処理水返送ライン22との接続部より下流の第2添加ライン56の位置にpHセンサ等のpH検出手段を設け、また、第2添加ライン56には気液接触液の流量を調節するポンプ等の流量調整手段を設け、そして、pHセンサ等によりデータに基づいて、気液接触液の添加量を調整し、pH調整することが好ましい。また、例えば、排水と返送処理水との混合液のpHを調整する場合には、pHセンサ等によりデータに基づいて、酸剤、又はアルカリ剤を混合液に添加してpH調整することが好ましい。
また、他の実施形態として、気液接触液添加手段からの気液接触液添加によって、嫌気性生物処理する際のアルカリ度を15mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO/mmolアルキルアンモニウム塩以下と範囲とすることができる場合には、気液接触液添加手段のみを備えればよく、アルカリ度調整剤添加手段を設ける必要はない。
また、他の実施形態として、嫌気性生物処理装置は、アルカリ度調整剤添加手段、アルカリ剤添加手段、気液接触液添加手段の全てを備えているものであってもよい。
図4は、本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図4に示す嫌気性生物処理装置4において、図3に示す嫌気性生物処理装置3と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す嫌気性生物処理装置4には、処理水返送ライン22が設けられていない。また、気液接触液添加手段は、嫌気性生物処理により発生した炭酸ガスとアルカリ剤とを気液接触させ、該気液接触液を排水に添加するものであり、第2添加ライン56が調整槽12に接続されている。なお、本実施形態において、気液接触液は排水に添加されればよいため、例えば、第2添加ライン56は原水第1ライン10、原水第2ライン14、又はアルカリ度調整剤添加ライン28等に接続されていてもよい。
図5は、本実施形態に係る嫌気性生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図5に示す嫌気性生物処理装置5において、図3に示す嫌気性生物処理装置3と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示す嫌気性生物処理装置5では、調整槽12に直接第2添加ライン56が接続されている。また、調整槽12には、pHを検出する検出手段としてのpH検出センサ35が接続されている。pHセンサ35と第2添加ライン56及び酸剤添加ライン33に設けられる吐出ポンプ(39a,39b)とは電気的に接続されており、検出したpH値に応じて、吐出ポンプ(39a,39b)を稼働させ、酸剤又は気液接触液を供給することができるようになっている。
本実施形態では、例えば、原水第1ライン10から供給される排水と、処理水返送ライン22から供給される返送処理水とを調整槽12で混合する。そして、pHセンサ35により、排水と返送処理水との混合液のpHを検出し、検出したpH値に応じて、吐出ポンプ(39a,39b)を稼働させ、酸剤又は気液接触液を調整槽12に供給する。そして、該混合液のpHを7.5以上9未満の範囲、好ましくはpHを8以上8.5以下の範囲に調整する。上記構成によっても、アルキルアンモニウム塩含有排水の嫌気性生物処理において、低コストで、長期にわたり安定した運転が可能である。
以下に、上記説明した実施形態におけるその他の構成及び動作について説明する。
本実施形態の処理対象となるアルキルアンモニウム塩は、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、メチルトリエチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジエチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド(即ち、コリン)、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド、及びその塩類等が挙げられる。本実施形態では、特に、半導体製造工場等から排出されるテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムハイドロオキサイド(即ち、コリン)の処理に好適である。
また、アルキルアンモニウム塩含有排水を反応槽16で生物処理した処理水には、アンモニア性窒素が含有されているため、反応槽16の後段には、窒素処理槽を設置することが好ましい。窒素処理槽としては、一般的に知られている窒素処理装置であればよく、例えば、硝化−脱窒−再酸化処理、亜硝酸化−アナモックス処理等の生物処理又はアンモニア蒸留、ストリッピング処理等の物理化学処理等を行うことができる装置が挙げられる。また、処理水を一部循環して排水と混合し、ストリッピング処理後にTMAH処理することにより、後段での窒素生物処理の負荷を下げることもできる。
また、本実施形態では、生物処理後の処理水の一部を処理水返送ライン22から調整槽12に供給して、反応槽16に流入する際(生物処理する際)のアルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度を20000mg/L以下とすることが好ましく、10000mg/L以下の範囲とすることが好ましい。特に、水質変動、共存物質の影響が懸念される場合には、反応槽16に流入する際(生物処理する際)のアルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度を5000mg/L以下とすることが好ましく、1000mg/L以上3000mg/L以下の範囲とすることがより好ましい。ここで、本実施形態では、アルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度が、少なくとも20000mg/Lを超える場合に、処理水を供給して20000mg/L以下の濃度に希釈すればよい。但し、アルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度が、20000mg/L以下(例えば、10000mg/L以上)であっても、処理水を供給して、例えば、10000mg/L以下又は1000mg/L以上3000mg/L以下の範囲に希釈してもよい。反応槽16に流入する際のアルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度が、20000mg/Lを超えると、生物処理の際、アルキルアンモニウム塩の分解反応速度が遅くなる場合がある。
本実施形態では、例えば、処理水排出ライン18等に生物処理後の処理水中のアンモニウムイオン濃度を検出するセンサを設置してもよい。そして、検出したアンモニウムイオン濃度からアルキルアンモニウム塩濃度を推定し、該推定値に基づいて、反応槽16に流入する際のアルキルアンモニウム塩濃度が上記範囲となるように、処理水の添加量を決定することが好ましい。また、例えば、調整槽12又は原水第1ライン10等にアルキルアンモニウム塩濃度を検出するセンサを設置してもよい。そして、検出したアルキルアンモニウム塩濃度に基づいて、反応槽16に流入する際のアルキルアンモニウム塩濃度が上記範囲となるように、処理水の添加量を決定してもよい。
また、反応槽16内のアンモニウムイオン濃度が5000mg/Lを超えると、分解反応速度が低下するため、生物処理後の処理水の一部を処理水返送ライン22から調整槽12に供給して、反応槽16内のアンモニウムイオン濃度を5000mg/L以下とすることが好ましく、1000mg/L以下とすることがより好ましい。
また、上記生物処理した処理水に代えて、例えば、工業用水、放流水、又は工場内で設備がある場合にはアンモニア廃液、IPA廃液の蒸留等から得られる蒸留処理水(凝縮水)等の希釈水を用いて、アルキルアンモニウム塩含有排水の希釈を行ってもよい。蒸留処理水は、水温が40℃と高いことから、反応槽16を加温し、アルキルアンモニウム塩の分解反応を促進させることができる点で好ましい。
本実施形態では、アルキルアンモニウム塩含有排水を生物処理するに当たり、pHが6.5以上9.0以下の範囲が好ましく、pHが7.0以上8.0以下の範囲がより好ましい。アルキルアンモニウム塩含有排水のpHが上記範囲外であると、生物処理によるアルキルアンモニウム塩の分解反応速度が低下する場合がある。また、従来、嫌気性生物処理においては、アンモニア阻害を抑制するために、pH6.5以上7以下の弱酸性が好ましいとされていたが、アルキルアンモニウム塩の処理に関しては、pH7以上8以下の弱アルカリ側で、最も処理性能が良くなる。これは、本発明者らが初めて明らかにしたことである。ここで、上記範囲にpH調整する際には、アルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度を20000mg/L以下、アンモニウムイオン濃度を5000mg/L以下とすることが好ましい。
本実施形態では、アルキルアンモニウム塩含有排水を生物処理するに当たり、反応槽16内の水温を20℃以上となるように温度調整することが好ましく、28〜35℃の範囲となるように温度調整することがより好ましい。嫌気性生物処理によるアルキルアンモニウム塩の分解は、20℃未満でも可能であるが、20℃未満であると、分解反応速度が低下してしまうため、水温を上記範囲に調整することが好ましい。上記温度調整方法は、特に制限されるものではないが、例えば、蒸気を調整槽12に供給することで、反応槽16内の水温を調整してもよいし、反応槽16にヒータを設置して、ヒータの熱により反応槽16内の水温を調整しても良い。また、例えば、加温した希釈水を供給することで、反応槽16内の水温を調整してもよい。また、例えば、アルキルアンモニウム塩の分解によりメタンガスが発生するが、通常の嫌気処理同様に脱硫処理を実施後、メタンガスボイラーで熱エネルギとして回収し、該熱エネルギを反応槽16に供給し、水温を調整してもよい。ここで、上記範囲に反応槽16内の水温を調整する際には、アルキルアンモニウム塩含有排水中のアルキルアンモニウム塩濃度を20000mg/L以下、アンモニウムイオン濃度を5000mg/L以下とすることが好ましい。
以下、実施例および参考例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
半導体工場から排出されたTMAH含有の実排水を2000mgTMAH/Lになるように調整し、内容積0.8Lのカラムに種汚泥として嫌気性汚泥(汚泥濃度25148mg/L)をカラムの半量添加後、上記実排水を5kgTMAH/m/dの負荷で通水した。通水時の温度は35℃、pHは7以上8以下となるように調整した。また、栄養剤(オルガノ(株)製のオルガミンNP−51を0.24g/mL)、微量元素(オルガノ(株)製のオルガミン10を1.2mL/L)、Ni、Co(各0.1mg/L)添加した。また、本排水に添加するアルカリ度調整剤としてNaHCOを使用して、添加濃度を変えて嫌気性処理を行った。表1にNaHCOの添加濃度、アルカリ度、処理水中のTMAH濃度をまとめた。
本結果より、排水中のTMAHを効率良く分解することができるアルカリ度は、15mgCaCO/mmolTMAH以上55mgCaCO/mmolTMAH以下の範囲であることがわかった。
(実施例2)
半導体工場から排出されたTMAH含有の実排水を7000mgTMAH/Lになるように調整し、内容積0.8Lのカラムに種汚泥として嫌気性汚泥(汚泥濃度25148mg/L)をカラムの半量添加後、上記実排水を5kgTMAH/m/dの負荷で通水した。また、原水の2倍量の処理水を循環させてカラムに返送した。通水時の温度は35℃、pHは7以上8以下となるように調整した。また、栄養剤(オルガノ(株)製のオルガミンNP−51を0.24g/mL)、微量元素(オルガノ(株)製のオルガミン10を1.2mL/L)、Ni、Co(各0.1mg/L)添加した。また、本排水に添加するアルカリ度調整剤としてNaHCOを使用して、添加濃度を変えて嫌気性処理を行った。表2にNaHCOの添加濃度、アルカリ度、処理水中のTMAH濃度をまとめた。
表2から判るように、処理水を循環させることにより、排水に添加するNaHCO添加量を削減することができた。
(実施例3)
TMAH含有排水としては原水TMAH約4000mg/Lの実排水を用い、pHが7以上8以下となるように調整した。また、栄養剤(オルガノ(株)製のオルガミンNP−51を0.24g/mL)、微量元素(オルガノ(株)製のオルガミン10を1.2mL/L)、Ni、Co(各0.1mg/L)添加した。本排水をTMAH濃度2000mg/Lとなるように処理水で希釈した。希釈に使用した処理水は、実施例1のNaHCO添加濃度1000mg/Lの条件により得られた処理水にNaOHを添加して、pHを7.4〜9.0に変化させたものを用いた。また、比較として、TMAH濃度2000mg/Lとなるように純水で希釈したものも準備した。そして、内容積100mLのバイアル瓶に、上記希釈調整後のTMAH含有排水(栄養剤等を含む)を47.5mL、嫌気性汚泥(汚泥濃度20000mg/L)を2.5mL入れ、総液量50mLとした。バイアル瓶内を窒素パージした後にアルミキャップを施して密閉し、35度にて振騰培養した。そして、TMHAHに伴い発生するガスの量をシリンジにて測定し、汚泥当たりのガス発生速度を測定した。表3に、本試験条件、17時間後及び25時間後のガス発生速度の結果をまとめた。なお、本実施例では、TMAHの分解に伴い発生するガスの発生速度をTMAH分解活性の指標として、本実施例の効果を検証した。
17時間後のガス発生速度は、pH9に調整した処理水が純水の場合と同様最も低かった。したがって、pHを9以上に調整するとTMAH分解処理活性が低下することが判った。このような状態が継続すると、反応槽内の入口付近の汚泥活性が低下し、最終的に槽内全体の汚泥活性が低下して処理が不能になる虞がある。また、pH7.4に調整した処理水では、25時間後のガス発生速度はpH8、8.5に調整した場合に比べて低下した。これは、試験系内の総アルカリ度が低いため、TMAHの分解が進行するに伴い発生する炭酸ガスにより、系内pHが低下した影響であると予測される。このような状態が継続すると、TMAHの完全分解が行われず、処理水中にTMAHが残存する虞がある。したがって、pH7.5以上9未満の範囲に調整した処理水を循環させることが好ましく、pH8以上8.5以下の範囲に調整した処理水を循環させることがより好ましい。なお、処理水により希釈した試験系において、原水と希釈用処理水を混合した後のpHは、いずれも希釈用処理水と同一のpHであった。
(実施例4)
実施例4では、炭酸ガスとアルカリ剤との反応によるアルカリ度調整剤化を検討するため、実施例1で発生したガスを1.3L採取し、2.4%NaOH水溶液10mLに通気し、通気後のCOの濃度及び通気後の水溶液の無機炭酸濃度及びpHを測定した。
その結果、ガス通気前後でCO濃度は15.5%〜7.5%に減少し、水溶液中の無機炭素濃度は5700mg/L、pH9.3であり、アルカリ度調整剤化はかなり進行していると云える。本実施例のような単純な気液接触でも、このようなアルカリ度調整剤化を図ることができることがわかった。すなわち、単純な気液接触でなく、充填剤を使用したり、理論段数を高くすること等によって、ガス吸収方法等を改善することにより、アルカリ剤を完全にアルカリ度調整剤にすることも可能である。したがって、気液接触後のアルカリ剤を反応槽に返送する処理水に添加する方が、反応槽に返送する処理水にアルカリ剤を添加するのみよりも充分なアルカリ度調整剤を補給することができ、アルカリ度調整剤の使用量を削減しても安定したアルカリ度調整が可能となる。また、上記アルカリ度調整剤は循環する処理水ではなく直接調製槽12に添加することも可能である。
1〜5 嫌気性生物処理装置、10 原水第1ライン、12 調整槽、14 原水第2ライン、16 反応槽、18 処理水排出ライン、20 ガス排出ライン、22 処理水返送ライン、24 分離槽、26 アルカリ度調整剤貯槽、28 アルカリ度調整剤添加ライン、30 栄養剤貯槽、32 栄養剤供給ライン、33 酸剤添加ライン、34 撹拌装置、35 pHセンサ、36,37 仕切り板、38 固液分離部、39a,39b吐出ポンプ、40 連通路、42 処理水取出部、44 汚泥返送ライン、46 アルカリ剤貯槽、48 アルカリ剤添加ライン、50 アルカリ剤貯槽、52 第1添加ライン、54 ガス吸収槽、56 第2添加ライン。

Claims (14)

  1. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、前記排水にアルカリ度調整剤を添加して、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とし、
    嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送し、前記返送処理水にアルカリ剤を添加して、pHを7.5以上9未満の範囲に調整することを特徴とする嫌気性生物処理方法。
  2. 前記アルカリ度調整剤は、NaHCO3を含むことを特徴とする請求項1記載の嫌気性生物処理方法。
  3. 嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、該気液接触液を前記排水に添加することを特徴とする請求項1又は2記載の嫌気性生物処理方法。
  4. 嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、嫌気性生物処理した処理水の一部を返送し、該返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の嫌気性生物処理方法。
  5. 前記アルキルアンモニウム塩は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)であることを特徴とする請求項1記載の嫌気性生物処理方法。
  6. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、
    前記排水にアルカリ度調整剤を添加するアルカリ度調整剤添加手段と、
    嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、
    前記返送処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、を備え、
    前記アルカリ度調整剤添加手段により、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整され、
    前記アルカリ剤添加手段により、前記返送処理水のpHは7.5以上9未満の範囲に調整されることを特徴とする嫌気性生物処理装置。
  7. 前記アルカリ度調整剤は、NaHCO3を含むことを特徴とする請求項6記載の嫌気性生物処理装置。
  8. 嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、該気液接触液を前記排水に添加する気液接触液添加手段を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の嫌気性生物処理装置。
  9. 嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、前記返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加する気液接触液添加手段と、を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の嫌気性生物処理装置。
  10. 前記アルキルアンモニウム塩は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)であることを特徴とする請求項6記載の嫌気性生物処理装置。
  11. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送し、該返送処理水にアルカリ剤を添加して送処理水のpHを7.5以上9未満の範囲に調整すると共に、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とすることを特徴とする嫌気性生物処理方法。
  12. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理方法であって、嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させると共に、嫌気性生物処理した処理水の一部を返送し、該返送処理水にアルカリ剤を添加してpHを7.5以上9未満の範囲に調整し、該返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加して、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度を15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲とすることを特徴とする嫌気性生物処理方法。
  13. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、
    嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、
    前記返送する処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、を備え、
    前記アルカリ剤添加手段により、前記返送処理水のpHが7.5以上9未満の範囲に調整されると共に、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整されることを特徴とする嫌気性生物処理装置。
  14. アルキルアンモニウム塩を含有する排水を嫌気的に生物処理する反応槽と、
    嫌気性生物処理した処理水の一部を前記排水に返送する返送手段と、
    前記返送する処理水にアルカリ剤を添加するアルカリ剤添加手段と、
    嫌気性生物処理により発生したガスとアルカリ剤とを気液接触させ、前記返送処理水又は前記排水に前記気液接触液を添加する気液接触液添加手段と、を備え、
    前記気液接触液添加手段により、嫌気性生物処理する際の前記排水のアルカリ度が15mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以上55mgCaCO3/mmolアルキルアンモニウム塩以下の範囲に調整され、
    前記アルカリ剤添加手段により、前記処理水のpHは7.5以上9未満の範囲に調整されることを特徴とする嫌気性生物処理装置。
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