以下に添付図面を参照して、この発明にかかるプリンタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観について説明する。図1、図2、図3および図4は、この発明にかかる実施の形態のプリンタを示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態のプリンタを一部切断し、側面から見た状態を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態のプリンタを斜め上方向から見た状態を示している。図3においては、この発明にかかる実施の形態のプリンタを部分的に示しており、一部を分解して斜め上方向から見た状態を示している。図4においては、図3に示したプリンタをさらに分解して斜め上方向から見た状態を示している。
図1、図2、図3および図4において、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、被記録媒体に対する記録処理をおこなう記録部101を備えている。記録部101は、プリンタ100の幅方向(図1における紙面表裏方向)に沿って対向するように配置された一対の下部サイドフレーム201および下部サイドフレーム201に回動自在に支持された一対の上部サイドフレーム202の間に設けられている。記録部101は、たとえばインパクト方式による記録処理をおこなう。インパクト方式の記録部101は、インパクトプリントヘッド102とプラテン103とを備えている。
インパクトプリントヘッド102は、プリンタ100の幅方向を軸心方向とするキャリッジシャフト104に沿って往復移動可能に設けられている。プラテン103は、インパクトプリントヘッド102の移動範囲全体にわたってインパクトプリントヘッド102に対向するように設けられている。インパクトプリントヘッド102は上部サイドフレーム202によって支持されており、プラテン103は下部サイドフレーム201に固定されている前側ボトムフレーム203によって支持されている。インパクトプリントヘッド102の構成については図示を省略する。
インパクトプリントヘッド102は、束ねられた複数のピン(ワイヤー)を備えている。インパクトプリントヘッド102における複数のピン(ワイヤー)の先端は、マトリクス状に配列されている。複数のピン(ワイヤー)は、それぞれ独立してプラテン103側に突出可能とされている。インパクト方式の記録部101を用いた記録処理に際しては、インパクトプリントヘッド102とプラテン103との間に被記録媒体(図5における符号501を参照)およびインクリボンを介在させる。
そして、インパクトプリントヘッド102が備える複数のピン(ワイヤー)を選択的に被記録媒体に打ち付け、小さな点(ドット)を打ち出す。インパクト方式の記録部101は、小さな点(ドット)を連続して打ち出すことによって、文字などをあらわす。この実施の形態において、記録とは、打ち出した小さな点(ドット)によって文字をあらわす場合に限らず、記号、符号、図形などのような、文字以外をあらわす場合も含む。
記録部101は、インパクト方式に限らずノンインパクト方式を採用した記録処理をおこなうものであってもよい。ノンインパクト方式の記録部101は、たとえば感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式、レーザー方式などを用いて記録処理をおこなう。この場合、記録部101は、インパクトプリントヘッド102に代えて、各印字方式にあわせたプリントヘッドを備える。感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式、レーザー(電子写真)方式など各種の方式および当該各種の方式を用いて記録処理をおこなうプリントヘッドの構成については、公知の技術であるため説明を省略する。
プリンタ100は、給排紙口105を備えている。給排紙口105は、プリンタ100において、当該プリンタ100を使用する使用者側となる側に向かって開口しており、被記録媒体の挿入を受け付ける。給排紙口105は、プリンタ100の幅方向を長手方向とするスリット状をなしている。この実施の形態においては、以降、プリンタ100を使用する使用者側となる側を「前面側」とし、プリンタ100において前面側とは反対側となる側を「背面側」として説明する。
被記録媒体は、記録部101における記録処理によって情報を記録することが可能な媒体であって、具体的には、たとえば紙製、布(織布、不織布)製、プラスチック製のシート状部材などを用いることができる。被記録媒体は、1枚1枚が独立したシート状をなすものであってもよいし、複数枚のシート状部材を綴じることによって冊子をなすものであってもよい。冊子をなす被記録媒体としては、たとえば金融機関の利用履歴などを記録する通帳などが挙げられる。
冊子をなす被記録媒体を用いる場合、当該被記録媒体は、たとえば左右方向を見開き方向とするものを用いることができる。このような被記録媒体は、見開き方向に直交する方向、すなわちシート状部材を綴じている綴じ糸の方向に沿って挿入される。また、冊子をなす被記録媒体を用いる場合、当該被記録媒体は、たとえば上下方向(手前面側から奥側に向かう方向)を見開き方向とするものを用いることができる。このような被記録媒体は、見開き方向すなわちシート状部材を綴じている綴じ糸に直交する方向に沿って挿入される。
給排紙口105は、被記録媒体における情報の記録面が上向き(図1における紙面上下方向上向き)となるような状態で、当該被記録媒体の挿入を受け付ける。給排紙口105に挿入された被記録媒体は、搬送経路106内に導入される。搬送経路106は、給排紙口105に挿入された被記録媒体を記録部101に案内するとともに、記録部101による記録処理がおこなわれた被記録媒体を給排紙口105に案内する経路をなす。
搬送経路106は、前面側と背面側との対向方向を長手方向とし、プリンタ100の幅方向と平行な方向を幅方向としている。搬送経路106の幅方向は、被記録媒体の搬送方向および搬送経路106中を搬送される被記録媒体の厚み方向に直交する方向(図1における紙面表裏方向)とされている。
また、搬送経路106は、給排紙口105から記録部101を経由して、記録部101よりも背面側に延びている。これにより、被記録媒体の記録面全体が、記録部101による記録がおこなわれる位置(以下「記録位置」という)を通過することが可能になり、記録面全体を記録可能範囲とすることができる。
プリンタ100においては、給排紙口105に挿入された被記録媒体を給排紙口105から排出するため、搬送経路106中における被記録媒体の搬送方向が、被記録媒体が記録部101を通過する前と後とで異なる。給排紙口105に挿入された被記録媒体が記録部101を通過する前であれば、被記録媒体が給排紙口105側から記録部101側へ移動する方向が搬送方向となり、記録部101側よりも給排紙口105側が上流側、給排紙口105側よりも記録部101側が下流側となる。
給排紙口105に挿入された被記録媒体が記録部101を通過した後であれば、被記録媒体が記録部101側から給排紙口105側へ移動する方向が搬送方向となり、給排紙口105側よりも記録部101側が上流側、記録部101側よりも給排紙口105側が下流側となる。
搬送経路106において、給排紙口105の近傍には、被記録媒体が給排紙口105に挿入された場合に出力が変化する挿入検出センサ(図示を省略する)が設けられている。挿入検出センサは、たとえば光電センサによって実現することができる。光電センサは、発光素子と当該発光素子からの光を受光する受光素子とを備えており、受光素子における受光量の変化にしたがって出力が変化する。
挿入検出センサを光電センサによって実現する場合、発光素子と受光素子との間に形成される光路が、給排紙口105に挿入された被記録媒体によって遮られることによる受光素子における受光量の変化にしたがって、被記録媒体が給排紙口105に挿入されたことを検出することができる。挿入検出センサは、給排紙口105から、搬送方向における前面側のローラ対110Aまでの間に設けられている。
搬送経路106には、被記録媒体の搬送位置を案内するガイド部材107が設けられている。ガイド部材107は、被記録媒体の厚み方向(図1における紙面上下方向)に沿って所定間隔を空けて対向する、複数対の板状部材によって構成されている。複数対の板状部材は、各対において、それぞれ、プリンタ100が記録対象とする被記録媒体の厚みの最大寸法よりも大きい間隔で対向するように配置されている。
具体的には、たとえば通帳などの冊子を記録対象とする場合、閉じた状態における通帳の厚みが最大寸法とされる。ガイド部材107は、搬送経路106中における被記録媒体の搬送方向において、少なくとも記録部101よりも前面側および背面側に1対ずつ設けられている。
搬送経路106には、ローラ対110A、110Bが設けられている。ローラ対110A、110Bは、搬送経路106の幅方向に沿って、それぞれ複数設けられている。また、ローラ対110A、110Bは、搬送経路106中における被記録媒体の搬送方向に沿って、それぞれ複数設けられている。ローラ対110Aは、搬送経路106中における被記録媒体の搬送方向において記録部101よりも前面側に設けられている。ローラ対110Bは、記録部101よりも背面側に設けられている。
ローラ対110A、110Bは、被記録媒体の厚み方向に沿って、搬送経路106を間にして対向するように配置された2つのローラ111、112によって構成されている。ローラ対110A、110Bをなす各ローラ111、112は、互いの外周面を当接させることによってニップ部113を構成している。
各ローラ111、112のうち、搬送経路106を間にしてインパクトプリントヘッド102側に設けられたローラ(上ローラ)111は、記録部101よりも前面側および記録部101よりも背面側において、それぞれ同じ回転軸301に設けられている。
この実施の形態においては、記録部101よりも前面側に位置する回転軸301、および記録部101よりも背面側に位置する回転軸301に、それぞれ6つずつのローラ111が設けられている。ローラ111は、回転軸301の回転にともなって当該回転軸301の回転方向と同じ方向に回転する。各回転軸301は、それぞれ位置が固定されており、それぞれ定位置で回転する。したがって、ローラ111は、それぞれ定位置で回転する。
各回転軸301において、長手方向の一端部にはギア302が設けられている。このギア302は、各回転軸301の回転にともなって当該回転軸301の回転方向と同じ方向に回転する。一対の下部サイドフレーム201のうち、各回転軸301におけるギア302が設けられた側の端部を支持する下部サイドフレーム201には、ギア302に連結されるギア列303が設けられている。ギア列303は、モータ205が備える駆動軸に連結された複数のギアによって構成されている。ギア列303は、モータ205の駆動力をギアに伝達する。
モータ205は、ギア列303が設けられた下部サイドフレーム201あるいは当該下部サイドフレーム201の近傍に取り付けられている。モータ205の駆動力はギア列303を介して各ギア302に伝達され、回転軸301を回転させる。ローラ111は、回転軸301が回転することによって回転する。
ローラ対110A、110Bをなす各ローラ111、112のうち、搬送経路106を間にしてプラテン103側に設けられたローラ(下ローラ)112は、搬送経路106を間にしてインパクトプリントヘッド102側に設けられたローラ111に当接するように付勢部材(図6における符号601を参照)によって付勢されている。
この実施の形態においては、ローラ112によって可動ローラを実現することができる。また、この実施の形態においては、可動ローラを実現するローラ112の外周面が当接されるローラ111によって回転体を実現することができる。さらに、この実施の形態においては、回転体を実現するローラ111の外周面のうち、搬送経路106中に位置づけられる外周面によって搬送面を実現することができる。
ローラ112は、たとえば圧縮スプリングや、圧縮する方向に弾性変形された弾性部材などの付勢部材によって付勢することができる。圧縮スプリングや弾性部材などの付勢部材は、具体的には、たとえば、センターフレーム304下部に設けられた前側ボトムフレーム203および後側ボトムフレーム204に一端部を固定し、ローラ112を支持する回転軸401に他端部を当接させることによってローラ112を付勢することができる。
ローラ112は、複数のローラ111のそれぞれに1つずつ当接するように、ローラ111と同数設けられている。各ローラ112は、それぞれ当接するローラ111の回転にともなって、当接しているローラ111の回転方向とは反対方向に回転する。
ローラ112は、ローラ111の回転軸301と搬送方向において同一の位置であって、対向するローラ111の回転軸301に平行な方向を軸心方向とする回転軸401に設けられている。ローラ112の回転軸401は、搬送経路106の幅方向において複数(この実施の形態においては4つ)に分割され、隣り合った回転軸401を自在継ぎ手(図5における符号406を参照)によって連結することによって構成されている。
ローラ112は分割された複数の回転軸401の中のいずれかの回転軸401に設けられている。この実施の形態においては、一端を除いた3つの回転軸に2つずつ、合計で6つのローラ112が設けられている。各回転軸401は、自身が支持するローラ112の回転にともなって、当該ローラ112とともに回転する。
各回転軸401は、下部サイドフレーム201間に設けられたセンターフレーム304に支持されている。センターフレーム304には、各回転軸401の両端部を回転可能に支持する軸受け部402を備えている。軸受け部402は、たとえば下側(図1における紙面上下方向上側)に向かって開口する略U字形状をなす凹部によって実現することができる。
これによって、ローラ112が設けられた各回転軸401が軸受け部402によって軸支されるように、センターフレーム304を組み込む前に各回転軸401をセンターフレーム304の開口部から落とし込むようにして、各回転軸401をセンターフレーム304に取り付けることができる。そして、これによって、プリンタ100の組み立て作業の容易化を図ることができる。
軸受け部402を、下側に向かって開口する略U字形状の凹部によって実現することにより、各回転軸401は該当する軸受け部402からローラ111側に移動することが可能とされている。各ローラ112は、付勢部材(図6における符号601を参照)によって付勢されることにより、それぞれローラ111に当接している状態とされている。これによって、各回転軸401すなわちローラ112を、軸受け部402からローラ111側に移動可能とした場合にも、各ローラ112を安定して回転させることができる。
各回転軸401に設けられた2つのローラ112のうち、いずれか一方のローラ112に対して当該ローラ112をローラ111から離間する方向に付勢する力が加わった場合、回転軸401は付勢力が加えられたローラ112のみがローラ111から離間する方向に移動するように回転軸301に対して傾斜する。
具体的には、たとえば給排紙口105に挿入された被記録媒体が、搬送経路106の幅方向(左右方向)を見開き方向とする冊子の場合、当該冊子の1ページ目に記録処理をおこなう状況などにおいては右側と左側とで被記録媒体の厚みが異なっている状況がある。各回転軸401は、このような状況に際して、それぞれの回転軸401の位置における被記録媒体の厚みにしたがって、それぞれの回転軸401が上記のように回転軸301に対して傾斜する。
図5は、被記録媒体の搬送中におけるローラ112の動作について示す説明図である。図5においては、搬送経路106の幅方向において、場所によって厚みが異なる被記録媒体を搬送する状況を示している。図5において、ローラ112は、被記録媒体501をローラ111との間に挟んだ状態でローラ111に当接する方向に付勢されている。このため、搬送経路106の幅方向における被記録媒体501の厚みが中央部分で変化すると、該当するローラ112bを支持する回転軸401bは、回転軸301に対して傾斜した状態となる。
回転軸401は、搬送経路106の幅方向において4つに分割されているため、搬送経路106の幅方向における被記録媒体501の厚みに変化がない場合には、該当するローラ112a、112cを支持する回転軸401a、401cは、回転軸301に対して平行な状態を維持する。この実施の形態において、ローラ112が設けられていない回転軸401dは、回転軸301に対して常に平行な状態を維持する。
これによって、たとえば幅方向を見開き方向とする冊子のように幅方向における厚みが場所によって異なる被記録媒体501を搬送する場合であっても、ローラ112の直径にかかわらず被記録媒体501が常にローラ111に当接するように、当該被記録媒体501を付勢することができる。ローラ111の位置は一定であるため、位置が定まっているローラ111に記録面を当接させることによって、記録部101による記録処理を精度よくおこない、良好な記録品質を確保することができる。
ローラ112には、カバー部材120A、120Bが設けられている。カバー部材120A、120Bは、ローラ112の外周面のうち搬送経路106中に位置する外周面であって、ローラ111との当接位置あるいは当該当接位置とその近傍を除いた所定の領域を覆っている。この実施の形態においては、ローラ対110Aおよびカバー部材120Aによって搬送機構を実現することができる。また、この実施の形態においては、ローラ対110Bおよびカバー部材120Bによって搬送機構を実現することができる。
カバー部材120A、120Bは、傾斜面部121、122を有している。傾斜面部121、122は、搬送方向においてニップ部113に近い位置の方がニップ部113から離れた位置よりもローラ111に近くなるように傾斜している。カバー部材120A、120Bは、傾斜面部121、122によって、ローラ112の外周面における所定の領域を覆っている。
傾斜面部121、122は、搬送方向において少なくともローラ112よりも上流側に設けられていることが好ましい。この実施の形態においては、傾斜面部121、122は、被記録媒体501の搬送方向にかかわらず、ローラ112よりも上流側および下流側となる位置にそれぞれ設けられている。
プリンタ100においては、給排紙口105に挿入され記録部101を通過した被記録媒体501を給排紙口105から排出する構成となっているため、搬送方向における上流側は、被記録媒体501が記録部101を通過した前と後とによって反転する。傾斜面部121、122を、被記録媒体501の搬送方向にかかわらず、ローラ112よりも上流側および下流側となる位置にそれぞれ設けることによって、常に、ローラ112の外周面を当該ローラ112よりも上流側から覆うことができる。
カバー部材120A、120Bは、ローラ112よりも上流側および下流側となる位置にそれぞれ設けられた傾斜面部121、122と、ローラ112の側方を覆う壁部403と、を備えている。カバー部材120A、120Bにおいては、傾斜面部121、122および壁部403によって開口404が形成されている。この開口404は、ローラ112においてローラ111に当接する部分およびその近傍を、搬送経路106中に露出させるように開口している。
カバー部材120A、120Bは複数設けられており、複数のローラ112を個別に覆うように、ローラ112ごとにそれぞれ設けられている。各カバー部材120A、120Bにおける壁部403には、図1における紙面上下方向における下側が開口する略U字形状の切り欠き部405が設けられている。
カバー部材120A、120Bは、切り欠き部405を回転軸401に係合させることによって、回転軸401に支持されている。カバー部材120A、120Bは、具体的には、たとえば略U字形状をなす切り欠き部405を図1における紙面上下方向における上側から落とし込んで、切り欠き部405を回転軸401に嵌め込むことによって回転軸401に支持されている。
この実施の形態によれば、切り欠き部405を略U字形状とすることで、落とし込みによってカバー部材120A、120Bを回転軸401に取り付けることができる。これによって、カバー部材120A、120Bの取り付け作業の容易化を図ることができる。
各カバー部材120A、120Bを各回転軸401によって支持することにより、各カバー部材120A、120Bは、それぞれ、ローラ112の移動にともなって移動する。複数の回転軸401a、401b、401cは、それぞれ、被記録媒体の厚みにしたがった角度で別個に移動および傾斜することが可能とされているため、各カバー部材120A、120Bは、それぞれ、該当するローラ112の移動量に応じた距離だけ、ローラ112の移動にともなって移動する。
各カバー部材120A、120Bは、それぞれ、自身を支持する回転軸401(401a、401b、401c)に対して回動可能に設けられている。各カバー部材120A、120Bは、ローラ112の回転にともなって回転軸401(401a、401b、401c)が回動した場合に、自身を支持する回転軸401(401a、401b、401c)に対して回動する。これによって、ローラ112においてニップ部113の形成にかかる部分を、常に搬送経路106中に臨んだ状態とすることができる。
プリンタ100は、プリンタ100全体の制御を司る制御部(図示を省略する)を備えている。制御部は、各種の制御プログラムを記憶するメモリや、メモリに記憶された制御プログラムを実行するCPUなどによって構成されるマイコンを備えている。制御部は、ローラ111を回転させる駆動源となるモータ205、インパクトプリントヘッドをキャリッジシャフト104に沿って往復移動させる駆動源となるモータ(図示を省略する)、インパクトプリントヘッドにおける複数のピン(ワイヤー)を選択的に被記録媒体501に打ち付ける駆動源となるソレノイド(図示を省略する)などを駆動制御する各種の制御回路(図示を省略する)に接続され、各種の制御回路を駆動制御する。制御部には図示を省略する操作ボタンや上記の挿入検出センサなどの各種のセンサが接続されており、制御部は操作ボタンからの操作信号や各種のセンサからの出力信号にしたがって上記の各種の制御回路を駆動制御する。
このような構成において、プリンタ100における制御部は、被記録媒体501が給排紙口105に挿入され、挿入された被記録媒体501によって挿入検出センサにおける光軸が遮断されたことを検出すると、給排紙口105に被記録媒体501が挿入されたと判断する。そして、給排紙口105に被記録媒体501が挿入されたと判断した場合、モータ205を駆動してローラ111を回転させる。
プリンタ100は、被記録媒体501が給排紙口105に挿入されたことを検出した場合は、ローラ111が図1において反時計回り方向に回転するようにモータ205を駆動する。ローラ112は、ローラ111の回転に連れられて時計回り方向に回転する。これによって、被記録媒体501の搬送が可能な状態となる。
つぎに、被記録媒体501の搬送にかかる各部の動作について説明する。図6および図7は、被記録媒体501の搬送にかかる各部の動作を示す説明図である。図6および図7において、給排紙口105に挿入された被記録媒体501は、もっとも背面側に位置する端部すなわち被記録媒体501の先端からカバー部材120Aの傾斜面部121に突き当たる。そして、被記録媒体501の先端は、傾斜面部121に突き当たった状態でプリンタ100の使用者の手などによって押されることによって、傾斜面部121に沿って背面側に移動して、ローラ対110Aにおけるニップ部113へ案内される。
このとき、プリンタ100の使用者の手などによって押されている被記録媒体501が傾斜面部121に接触することによる抵抗によって、カバー部材120Aが回転軸401を中心として回転軸401に対して回動する。カバー部材120Aは、具体的には、図7に示した矢印700方向(図1における時計回り方向)に回動する。これによって傾斜面部121における背面側の端部がニップ部113に接近し、被記録媒体501の先端を傾斜面部121よってニップ部113のすぐ近くまで案内することができる。
被記録媒体501の先端が、ローラ対110Aにおけるニップ部113まで案内されると、ローラ112はローラ対110Aにおけるニップ部113へ案内された被記録媒体501によって押されるようにして、被記録媒体501の厚みにしたがった距離分、ローラ111から離反する方向に移動する。
このとき、回転軸401は、付勢部材601によってローラ112がローラ111に当接する方向に付勢されているため、ローラ112は被記録媒体501から離れることなく、ローラ111から離反する方向に移動する。これによって、被記録媒体501を安定して搬送することができる。カバー部材120Aは、ローラ112の移動による回転軸401の移動にともなって、回転軸401とともにローラ111から離反する方向に移動する。
このように、被記録媒体501の厚みにしたがってローラ112を移動させることによって、被記録媒体501の厚みにかかわらず、挿入された被記録媒体501をローラ対110Aにおけるニップ部113において確実に保持することができる。また、回転軸401とともにカバー部材120Aを移動させることによって、被記録媒体501の厚みにかかわらず常にニップ部113を確実に形成することができるので、被記録媒体501をニップ部113において確実に保持することができる。
また、このようにローラ112の外周面のうち搬送経路106中に位置する外周面を常に覆う傾斜面部121、122を備えたカバー部材120Aを設けることによって、ローラ112の直径を小さくした場合にも、被記録媒体501の先端を常にニップ部113に案内することができる。すなわち、カバー部材120Aを設けることによって、ローラ112の外周面とガイド部材107とがなす角度にかかわらず、被記録媒体501の先端を常にニップ部113に案内することができる。
図8および図9は、この実施の形態の搬送機構に対する比較例を示す説明図である。図8および図9においては、それぞれ、カバー部材120A、120Bが存在しないプリンタにおいて被記録媒体501を搬送する状態を示している。図8に示したように、カバー部材120A、120Bが存在しないプリンタにおいて、ローラ801の外周面とガイド部材107とがなす角度θ1が鈍角となるように構成した場合、ローラ801の回転を利用して、ローラ801の外周面に当接した被記録媒体501の先端をニップ部113に案内することが可能となる。
一方で、被記録媒体501の厚みにかかわらず、搬送経路106中に位置する外周面とガイド部材107とがなす角度が常に鈍角となるように構成するためには、被記録媒体501の厚みが小さくなった場合にも角度θ1が鈍角となるようにローラ801の直径を十分に大きくしなくてはならない。このために、ローラ801の小型化に限界を生じる。
また、図9に示したように、カバー部材120A、120Bが存在しないプリンタ100における搬送機構の小型化を実現するために、ローラ901の外周面とガイド部材107とがなす角度が鋭角となるまでローラ901の直径を小さくした場合、被記録媒体501の先端が鋭角θ2をなすくぼみ部分に進入することがある。この場合、くぼみ部分に進入した被記録媒体501の先端には、背面側に移動しようとする力と、ローラ901の回転によって前面側に押し戻そうとする力と、が作用する。
この結果、被記録媒体501が折れ曲がるなどして損傷してしまう。このように、従来のプリンタ100においては搬送される被記録媒体501の品質の維持、すなわち搬送にかかる信頼性の確保と搬送機構の小型化との両立が困難であった。これに対し、この実施の形態のプリンタ100は、ローラ112の直径にかかわらず、被記録媒体501の先端を傾斜面部121によって常にニップ部113に案内することができる。
カバー部材120Aは、被記録媒体501がローラ対110Aにおけるニップ部113において保持されると、回転軸401を中心として回転軸401に対して図7に示した矢印700と反対の方向(図1における反時計回り方向)に回動し、元の位置に復帰する。ローラ対110Aにおけるニップ部113において保持された被記録媒体501は、ローラ111の回転力によって前面側から背面側に向かって搬送される。ローラ112は、前面側から背面側に向かって搬送される被記録媒体501に連れられて図1における時計回り方向に回転する。
記録部101は、前面側のローラ対110Aを通過して搬送されてきた被記録媒体501に対して記録処理をおこなう。記録部101における記録処理については、公知の技術であるため説明を省略する。記録処理がなされ、記録位置を通過した被記録媒体501は、ローラ111の回転力によって前面側から背面側に向かってさらに搬送される。
記録位置を通過した被記録媒体501の先端は、背面側のカバー部材120Bにおける傾斜面部121に突き当たると、傾斜面部121に突き当たった状態で、ローラ111の回転力によって傾斜面部121に沿って背面側に移動してローラ対110Bにおけるニップ部113へ案内される。
このときも、カバー部材120Aと同様に、ローラ111の回転力によって押されている被記録媒体501がカバー部材120Bにおける傾斜面部121に接触することによる抵抗によって、カバー部材120Bが回転軸401を中心として回転軸401に対して回動する。カバー部材120Bは、具体的には、図1において時計回り方向に回動する。これによって傾斜面部121における背面側の端部が、ローラ対110Bにおけるニップ部113に接近し、被記録媒体501の先端を傾斜面部121によってローラ対110Bにおけるニップ部113のすぐ近くまで案内することができる。
たとえば搬送方向を見開き方向とする冊子のように、搬送方向における厚みが場所によって異なる被記録媒体501を搬送する場合、ローラ対110A、110Bにおけるニップ部113における被記録媒体501の厚みが、搬送の途中で変化する。この実施の形態においては、付勢部材601によってローラ112が常にローラ111に当接するように回転軸401を付勢しているため、ローラ対110A、110Bが構成する各ニップ部113において被記録媒体501の厚みが途中で変化した場合であっても、各ニップ部113において被記録媒体501を確実に保持することができる。
制御部は、被記録媒体501の前面側の端面すなわち被記録媒体501の後端が記録位置を通過したと判断した場合に、モータ205を駆動してローラ111を逆回転させる。プリンタ100は、被記録媒体501の後端が記録位置を通過したと判断した場合は、ローラ111が図1において時計回り方向に回転するようにモータ205を駆動する。
プリンタ100は、被記録媒体501が背面側のローラ対110Bによって保持されている間にモータ205を逆回転させる。被記録媒体501が背面側のローラ対110Bによって保持されているか否かは、たとえば被記録媒体501の後端が記録位置などのような基準となる位置を通過してからモータ205を駆動したパルス数をカウントすることによって判断することができる。
被記録媒体501は、背面側のローラ対110Bによって保持されている間にモータ205が逆回転することによって、背面側から前面側に向かって搬送される。ローラ112は、背面側から前面側に向かって搬送される被記録媒体501に連れられて反時計回り方向に回転する。背面側から前面側に向かって搬送される被記録媒体501は、記録部101を通過して前面側のカバー部材120Aにおける背面側の傾斜面部122に突き当たる。プリンタ100においては、背面側から前面側に向かって搬送される被記録媒体501に対して記録処理をおこなってもよい。
背面側から前面側に向かって搬送される被記録媒体501は、記録部101を通過して前面側のカバー部材120Aにおける背面側の傾斜面部122に突き当たると、傾斜面部122に突き当たった状態で、ローラ111の回転力によって傾斜面部122に沿って前面側に移動して、前面側のローラ対110Aにおけるニップ部113へ案内される。
このとき、ローラ111の回転力によって押されている被記録媒体501が傾斜面部122に接触することによる抵抗によって、カバー部材120Aが回転軸401を中心として回転軸401に対して回動する。このときのカバー部材120Aは、具体的には、図1において反時計回り方向に回動する。
これによってカバー部材120Aの背面側の傾斜面部122における前面側の端部が、ローラ対110Aにおけるニップ部113に接近し、被記録媒体501の先端を傾斜面部122によってローラ対110Aにおけるニップ部113のすぐ近くまで案内することができる。
被記録媒体501の後端がローラ対110Aにおけるニップ部113まで案内されると、ローラ112はローラ対110Aにおけるニップ部113へ案内された被記録媒体501によって押されるようにして、被記録媒体501の厚みにしたがった距離分、ローラ111から離反する方向に移動する。カバー部材120Aは、ローラ112の移動による回転軸401の移動にともなって、回転軸401とともにローラ111から離反する方向に移動する。その後、被記録媒体501の後端は、給排紙口105からプリンタ100の外へ排出される。
被記録媒体501がプリンタ100の外に完全に排出されたか否かは、挿入検出センサの出力信号に基づいて判断することができる。プリンタ100は、たとえば被記録媒体501の後端を検出してから所定時間が経過しても挿入検出センサの光軸が遮断されたままの場合には、警報音を鳴らすなどして被記録媒体501の回収を促す。
また、プリンタ100は、たとえば被記録媒体501の後端を検出してから所定時間が経過しても挿入検出センサの光軸が遮断されたままの場合には、モータ205を駆動してローラ111を反時計回り方向に回転させることで、被記録媒体501をプリンタ100内に回収するようにしてもよい。この場合、プリンタ100内には回収した被記録媒体501を保管する保管部を設けるとよい。
以上説明したように、この実施の形態の搬送機構は、被記録媒体501の搬送経路106中に位置する搬送面を有し、当該搬送面が被記録媒体501の搬送方向における上流側から下流側に移動するように回転可能な回転体の一例としてのローラ111と、搬送経路106の幅方向を軸心方向とする回転軸401を中心として回転可能であって、外周面を有し、搬送経路106中で当該外周面を搬送面に当接させることによってローラ111とニップ部113を構成するとともに、搬送面から外周面を離反させる方向に移動可能な可動ローラの一例としてのローラ112と、ローラ112の移動にともなって移動するように回転軸401に支持され、搬送経路106中に位置する外周面を覆うカバー部材120A、120Bと、を備えている。
さらに、この実施の形態の搬送機構におけるカバー部材120A、120Bは、搬送方向においてニップ部113に近い位置の方がニップ部113から離れた位置よりもローラ111に近くなるように傾斜した傾斜面部121、122を有し、当該傾斜面部121、122によって外周面の所定の領域を覆うことを特徴としている。
このように、ローラ対110Aおよびカバー部材120Aによって構成される搬送機構およびローラ対110Bおよびカバー部材120Bによって構成される搬送機構によれば、被記録媒体501の先端を傾斜面部121、122に沿わせることで、ローラ112の直径にかかわらず被記録媒体501をニップ部113に案内することができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、ニップ部113においては被記録媒体501の厚みにしたがってローラ112を移動させてローラ111との間隔を調整することで、被記録媒体501の厚みに左右されることなくニップ部113において被記録媒体501を保持した状態で搬送することができる。
さらに、この実施の形態の搬送機構によれば、ローラ112の移動にともなってカバー部材120A、120Bを移動させることで、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113において被記録媒体501を損傷することなく確実に保持した状態で搬送することができる。
これによって、被記録媒体501の厚みに左右されることなく搬送に際しての被記録媒体501の損傷を防止しつつ、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、カバー部材120A、120Bが、回転軸401に対して回動可能に支持されていることを特徴とするため、被記録媒体501が搬送される際に、傾斜面部121、122と接触する抵抗によってカバー部材120A、120Bが回転軸401に対して回動して、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113のすぐ近くまで被記録媒体501を案内することができる。
これによって、被記録媒体501の厚みに左右されることなく搬送に際しての被記録媒体501の損傷を確実に防止しつつ、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、回転軸401が、搬送経路106の幅方向において複数に分割されており、ローラ112が、回転軸401に少なくとも一つずつ設けられ、回転軸401ごとに移動可能であり、カバー部材120A、120Bが、ローラ112の移動にともなって回転軸401ごとに移動するように支持されていることを特徴としている。
このような構成によって、ローラ112およびカバー部材120A、120Bが回転軸401ごとに移動するので、たとえば幅方向を見開き方向とする冊子のように幅方向における厚みが場所によって異なる被記録媒体501を搬送する場合であっても、ローラ112の直径にかかわらず被記録媒体501をニップ部113に案内するとともに、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113において被記録媒体501を保持した状態で搬送することができる。
これによって、搬送経路106における幅方向を見開き方向とする冊子のような被記録媒体501を搬送する場合であっても、被記録媒体501の厚みに左右されることなく搬送に際しての被記録媒体501の損傷を防止しつつ、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、ローラ112がローラ111に当接する方向へローラ112を付勢する付勢部材601を備えたことを特徴としている。このような構成によって、たとえば搬送方向を見開き方向とする冊子のように搬送方向における厚みが場所によって異なる被記録媒体501を搬送する際に、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113における被記録媒体501の厚みが途中で変化した場合であっても、ローラ112の直径にかかわらず被記録媒体501をニップ部113に案内するとともに、ニップ部113において被記録媒体501を確実に保持した状態で搬送することができる。
これによって、搬送方向を見開き方向とする冊子のような被記録媒体501を搬送する場合であっても、被記録媒体501の厚みに左右されることなく搬送に際しての被記録媒体501の損傷を防止しつつ、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、傾斜面部121、122が、搬送方向において少なくともローラ112よりも上流側に設けられていることを特徴とするため、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113に近づく方向に搬送される被記録媒体501の先端を確実にカバー部材120A、120Bの傾斜面部121、122に沿わせた状態でローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113に案内することができる。また、ローラ対110A、110Bにおける各ニップ部113に案内された被記録媒体501を、各ニップ部113において保持した状態で安定して搬送することができる。
これによって、被記録媒体501の厚みに左右されることなく搬送に際しての被記録媒体501の損傷を防止しつつ、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の搬送機構によれば、ローラ112が、ローラ111とローラ112との対向方向においてローラ111よりも搬送経路106中に突出するように設けられていることを特徴としている。このような構成によって、カバー部材120A、120Bによって覆われたローラ112をローラ111よりも搬送経路106中に突出させることによって搬送に際しての被記録媒体501の損傷をより確実に防止することができる。そして、これによって、ローラ112の直径を小さくして搬送機構の小型化を図るとともに、被記録媒体501の搬送に際しての信頼性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態のプリンタ100によれば、カバー部材120A、120Bによって覆われたローラ112を備えた搬送機構を備え、この搬送機構によって搬送される被記録媒体501の搬送方向において、被記録媒体501に対して記録処理を搬送機構よりも下流側および上流側に設けたことを特徴としている。
このような構成によって、小型化を図った搬送機構を用いて被記録媒体501を搬送することによって、搬送に際しての被記録媒体501の損傷を防止することができるプリンタ100の小型化を図ることができる。これによって、小型かつ信頼性の高いプリンタ100を提供することができる。
上述した実施の形態によれば、略U字形状の切り欠き部405を備えたカバー部材120A、120Bを、センターフレーム304の上方から落とし込むことによって、カバー部材120A、120Bを回転軸401に取り付けるようにしたが、これに限るものではない。
たとえば略U字形状の切り欠き部405に代えて、回転軸401が貫通する貫通孔を壁部403に設けたカバー部材120A、120Bとしてもよい。この場合、ローラ112およびカバー部材120A、120Bが取り付けられた回転軸401をセンターフレーム304の軸受け部402によって支持することができる。これによって、プリンタ100の組み立て作業の容易化を図ることができる。
また、上述した実施の形態においては、ローラ111の位置を固定し、ローラ112を移動可能としたが、これに限るものではない。ローラ112の位置を固定し、ローラ111を移動可能としてもよい。この場合、付勢部材601は、ローラ111がローラ112に当接するように、回転軸301を付勢する。
また、上述した実施の形態においては、ローラ111によって回転体を実現したが、これに限るものではない。たとえば、モータ205などの駆動源からの駆動力が伝達されることによって回転するギア(あるいはローラ)と、アイドルギア(あるいはアイドルローラ)との間に掛け渡した環状のベルトによってローラ111を実現してもよい。このような構成については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため図示および説明を省略する。