JP5259642B2 - 自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 - Google Patents

自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 Download PDF

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Description

本発明は、自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および自己組織化材料または微粒子を固定化した基板に関するものである。具体的には、本発明は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を含む微粒子を基板上に固定化する方法、および核酸(例えば、DNAまたはRNA)または金属酸化物を固定化した基板に関するものである。
医療分野では、遺伝子を用いる疾患の診断、治療または予防(すなわち、遺伝子診断)が大いに期待されている。遺伝子診断を用いれば、例えば、特定の疾患の原因遺伝子における欠陥または変化を調べることによって、疾患の発症前または初期段階において診断、治療または予防を行うことができる。また、遺伝子診断を用いれば、ヒトゲノム解析結果に基づいて、遺伝子型と疾病との間の関連性に基づく、いわゆるテーラーメイド医療も可能になる。よって、遺伝子の検出および/または遺伝子型の決定を簡便に行うためのさらなる開発が期待されている。
遺伝子の検出および/または遺伝子型の決定を行うためのツールとして、基板または担体に固定化した核酸と被験体サンプルとのハイブリダイゼーションを行うためのDNAチップ(DNAマイクロアレイ、すなわち、核酸固定化基板)が利用されている。このようなDNAチップは、基礎医学においてだけでなく、臨床、創薬、および/または予防医学における用途に有用であると考えられている。
また、このような核酸固定化基板は、核酸ベースのナノテクノロジー(例えば、微細ワイヤ、バイオセンサおよびバイオチップなどの核酸ベースのナノエレクトロニクス)の開発にも非常に重要である(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
ハイブリダイゼーション法に基づく核酸の検出において、DNAフラグメントなどの核酸プローブと相補性を持つ核酸(標的DNA)を含むサンプルをニトロセルロース膜などの担体上に固定化して溶液中の核酸プローブを反応させる方法が開示されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。
DNAチップに用いられる核酸を基板上に固定化する方法として、基板上で直接核酸プローブを合成する方法(例えば、非特許文献3を参照のこと)が公知であり、核酸の担体上への固定化方法として、あらかじめ調製した核酸プローブを担体上に固定化する方法(例えば、非特許文献4を参照のこと)が公知である。
また、アミノ基やアルデヒド基などの官能基を有するシランカップリング剤で表面処理を施した固相担体と官能基修飾を施した核酸プローブを、DNAチップ作製装置を用いてスポットした後に共有結合させる方法が公知である(例えば、非特許文献5を参照のこと)。
具体的には、固体表面に自己組織化材料(例えば、核酸)を結合させる方法としては、基板表面にシラン処理を施すことによって、核酸分子と結合し得るビニル基を基板表面に導入する方法(例えば、非特許文献6を参照のこと)、カウンターイオンを用いて基板上に核酸を結合させる方法(例えば、非特許文献7〜9を参照のこと)、pH値を化学的に制御することによって、種々の基板表面における固定化の程度を調整する方法(例えば、非特許文献10を参照のこと)、NaPO溶液でAl表面を処理することによって、表面を親水性化する方法(例えば、非特許文献11を参照のこと)、および基板表面から有機不純物を除去する手法として、高価な装置を必要とする酸素プラズマ処理を用いて基板表面の分子を改変する方法(例えば、特許文献1および2を参照のこと)が挙げられる。
電気分野においては、核酸がアルミニウム電極に対して共有結合に類似した強い結合を示すことについて報告されている(例えば、非特許文献12を参照のこと)。
WO97/38801公報(1997年10月23日公開) 特開2002−218976公報(平成14年8月6日公開)
Storhoff,J.J.およびMirkin,C.A.:Chem.Rev.99,1849−1862(1999) Molecular Cloning 2nd.Ed.(ColdSpring Harbor Press) Forder,S.P.A.ら、Science,251,767−773(1991) Schena,M.ら、Science,270,467−470(1995) Geo,Z.ら、Nucleic Acid Research,22,5456−5465(1994) Bensimon,D.ら、Physical Review Letters 74,23,4754−4757(1995) Ye,J.Y.ら、Analytical Biochemistry 281, 21−25(2000) Dunlap,D.D.ら、Nucl.Acid Res.25,3095(1997) Lyubchenko,Y.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,496(1997) Allemand,J.F.ら、Biophysical Journal,73,2064−2070(1997) Yoshida,K.ら、Biophysical Journal,74,1654−1657(1998) Washizu,M.ら、IEEE Trans.Industr.Appl.,31,3,447−456(1995)。
非特許文献3に記載される方法の適用としては、半導体作製に利用されるフォトリソグラフィー技術と固相合成技術を組み合わせて、スライドガラスやシリコン基板上で核酸プローブを合成する方法が知られている。しかしながら、オンチップ合成法では基板上で核酸プローブを合成するための特殊な装置と試薬が必要であり、さらには、合成できる核酸プローブの長さも数10塩基程度に限られるという問題がある。
非特許文献4に記載される方法の適用としては、DNAチップ作製装置を用いてあらかじめ調製した核酸プローブを、ポリ−L−リジンなどで表面処理を施した固相担体表面にスポットして静電結合させる方法が知られている。このような核酸プローブを静電結合させる方法では、長い核酸プローブを固定化することが可能であるが、ハイブリダイゼーション反応操作の結果、再現性が得られないという欠点がある。
非特許文献5に記載される方法を用いれば、核酸プローブを固相担体に比較的強固に結合させることができる。しかしながら、核酸プローブの調製には、官能基修飾を施したオリゴヌクレオチドを用いてPCR法により増幅するという煩雑な工程が必要である。さらには、このような調整法では、数千塩基といった長い核酸プローブを調製することが困難であるために、結果として長い核酸プローブを固定化することが困難となる。
上述したように、基板表面に核酸分子を結合させる手法として、(1)基板表面を分子修飾する方法、または(2)基板表面をプラズマ処理する方法が採用されている。しかしながら、分子修飾を用いる場合、多くの工程および設備が必要とされ、プラズマ処理を用いる場合、大規模の設備および多大な費用が必要とされる。すなわち、従来の技術では、基板表面に容易かつ安価な手法で基板表面に核酸分子を直接結合させることはできなかった。
本発明者らは、DNA構造およびその複合体またはその電気的特性を研究する際、基板構造の影響を排除するためにはDNAを原子レベルで平坦な基板上に固定化または伸長することが重要であることを見出した。DNA固定化は、非常によく研究されている。雲母、ガラス、金およびhighly oriented pyrolytic graphite(HOPG)が基板として頻繁に使用されている。原子レベルで平坦な基板を得るために、雲母およびHOPGは非常に容易に切断され得るが、基板上に分子を保持するためにはさらなるカチオン(例えば、マグネシウムイオンまたはニッケルイオン)が必要とされる。ガラス基板もまた表面修飾を必要とする。例えば、アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を使用してDNAを固定化する。APSはガラス表面を覆い、アミノ基を有する陽性に荷電した(正電荷の)表面を形成するので、二重らせんの周囲にあるホスフェート基(負電荷)を有するDNAは、静電力によって基板上に吸着する。金粒子は、チオール末端化DNAに使用され得る。なぜなら、金とチオール基との間に共有結合が形成されるからである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自己組織化材料を基板表面に低密度から高密度まで制御可能に固定化し、かつ、低コストで製造できる自己組織化材料固定化基板を提供することである。具体的には、本発明は、基板上に、他の分子を用いる化学的な表面修飾(例えば、APS処理)を施すことなく、DNAを単純に固定化する方法およびDNAを伸長させる方法、ならびに当該方法を用いて作製された基板を提供することを目的とする。また、本発明のさらなる目的は、基板表面上に微粒子を所望の形状でマイクロメートル四方にわたって一次元的に配列させる方法を提供することにある。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に自己組織化材料を固定化する方法は、
該基板表面に水酸基を導入し得る酸溶液を該基板上に提供する工程;および
該酸溶液を除去した基板上に該自己組織化材料を含む溶液を提供する工程
を包含することを特徴としている。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に自己組織化材料を固定化する方法において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に自己組織化材料を固定化する方法において、上記金属酸化物は、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、GGG、YIG、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOであることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に自己組織化材料を固定化する方法は、該基板上に提供された前記自己組織化材料を含む溶液を乾燥させる工程をさらに包含することが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に自己組織化材料を固定化する方法において、上記乾燥させる工程を、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うこと、あるいはスピンコートによって行うことが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法は、
該基板上に酸溶液を提供する工程;
該微粒子を含む溶液を、該自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;
該酸溶液を除去した基板上に該混合溶液を提供する工程;および
該基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程
を包含することを特徴としている。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記微粒子は、上記自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記金属酸化物は、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、GGG、YIG、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOであることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記微粒子の粒経は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記乾燥させる工程は、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うことが好ましい。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法は、
自己組織化材料と結合し得る物質を該基板上に固定化する工程;
所望の凹凸が形成されたモールドを用いてインプリントすることによって、該物質を所望の形状にパターニングする工程;
該微粒子を含む溶液を、該自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;
パターニングした該物質上に該混合溶液を提供する工程;および
提供された混合溶液を乾燥させる工程
を包含することを特徴としている。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法において、上記微粒子は、上記自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましい。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法において、上記微粒子の粒経は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法において、上記物質は、ポリ−L−リジンまたはアミノシランであることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記乾燥させる工程は、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うことが好ましい。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板は、該自己組織化材料が、基板上に施された酸処理によって基板表面に形成された水酸基と結合していることを特徴としている。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板は、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、GGG、YIG、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOからなる金属酸化物であることが好ましい。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板において、上記自己組織化材料が微粒子を担持していることが好ましい。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましい。
本発明に係る自己組織化材料が固定化された基板において、上記微粒子の粒経は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る所望の形状で微粒子を担持する基板は、自己組織化材料と結合し得る物質が固定化されており、ここで、該物質は、所望の形状にパターニングされかつ該微粒子を担持していることを特徴としている。
本発明に係る所望の形状で微粒子を担持する基板において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましい。
本発明に係る所望の形状で微粒子を担持する基板において、上記微粒子の粒経は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る所望の形状で微粒子を担持する基板において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る所望の形状で微粒子を担持する基板において、上記物質は、ポリ−L−リジンまたはアミノシランであることが好ましい。
本発明に係る微粒子を自己組織化材料と結合させる方法であって、
該微粒子を含む溶液を、該自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;
基板上に該混合溶液を提供する工程;および
該基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程
を包含することを特徴としている。
本発明に係る微粒子を自己組織化材料と結合させる方法において、上記微粒子は、上記自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
本発明に係る微粒子を自己組織化材料と結合させる方法において、上記自己組織化材料は、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖であることが好ましい。
本発明に係る微粒子を自己組織化材料と結合させる方法において、上記微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましい。
本発明に係る微粒子を自己組織化材料と結合させる方法において、上記微粒子の粒経は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記乾燥させる工程は、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行うことが好ましい。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
酸溶液で処理した原子レベルで平坦なAl表面のAFM画像を示す図である。図中、スケールバーは、100nmである。 酸溶液で処理する前の原子レベルで平坦なSrTiO表面のAFM画像を示す図である。 酸溶液で処理した後のSrTiO表面のAFM画像を示す図である。 酸処理したAl基板上にて低濃度条件下で伸長したDNA分子を示す図である。図中、スケールバーは、1μmである。 酸処理したAl基板上にて高濃度条件下でネットワーク構造を形成したDNAを示す図である。図中、スケールバーは、1μmである。 酸処理を行っていないAl基板上にて高濃度条件下でわずかに伸びたDNA分子を示す図である。図中、スケールバーは、1μmである。 酸処理前後の間での赤外線測定の差示的スペクトルを示すグラフである。約3500cm−1での吸収ピークが、基板表面上の水酸基に起因することを示す。 APSコートされたガラス基板表面上に固定化されたDNA分子の蛍光画像を示す図である。 酸処理したAl基板表面上に固定化されたDNA分子の蛍光画像を示す図である。 Al基板上でのDNAの吸着を示す図である。 Al基板上での金ナノ粒子の吸着を示す図である。 DNA溶液と金ナノ粒子溶液との混合溶液をAl基板上に供した後、混合溶液を除去した後に基板上に形成される金ナノ粒子の配列を示す図である。 Al基板のステップ構造、ならびにDNA溶液と金ナノ粒子溶液との混合溶液を用いてAl基板上に吸着させたDNAおよび金ナノ粒子を示す模式図である。 DNA溶液と金ナノ粒子溶液との混合溶液を用いてAl基板上に形成させた金ナノ粒子の配列を観察したAFM画像(1μm×1.2μm)を示す図である。 Al基板上に金ナノ粒子の配列が形成する過程を模式的に示した図である。 本発明に係る自己組織化材料パターニング基板の生産方法の手順を示す図である。 特定のパターンにDNAを固定した本発明に係る自己組織化材料パターニング基板にDNA蛍光染色を施し、観察した結果を示す図である。 特定のパターンにDNAを固定した本発明に係る自己組織化材料パターニング基板にDNA蛍光染色を施し、観察した結果を示す図である。 特定のパターンにDNAを固定した本発明に係る自己組織化材料パターニング基板にDNA蛍光染色を施し、観察した結果を示す図である。 特定のパターンにDNAを固定した本発明に係る自己組織化材料パターニング基板にDNA蛍光染色を施し、観察した結果を示す図である。 正方形の格子状に形成したモールドのパターンを観察した結果を示す図である。 aに示すモールドにDNAを固定した基板のDNAパターンを観察した結果を示す図である。 正方形の格子状に形成したモールドの内部にさらに長方形のモールドを形成したもののパターンを観察した結果を示す図である。 cに示すモールドにDNAを固定した基板のDNAパターンを観察した結果を示す図である。 金コロイドで修飾する前の自己組織化材料パターニング基板を原子間力顕微鏡で観察した結果を示す図である。 金コロイドで修飾した自己組織化材料パターニング基板を原子間力顕微鏡で観察した結果を示す図である。 本発明の比較例を示すものであり、本発明に係る基板を作製する際に使用するDNA濃度を2倍にした場合に基板上に吸着される金粒子を観察した図である。 本発明の比較例を示すものであり、本発明に係る基板を作製する際に使用するDNA濃度を1/2にした場合に基板上に吸着される金粒子を観察した図である。
本発明者らは、酸溶液で処理した金属酸化物基板上でのDNA分子の固定化を研究している中で、酸処理した金属酸化物基板について赤外線分析を行うと、基板上での水酸基の増加を確認した。さらに、酸処理後の基板上に吸着したDNA分子の増加を原子間力顕微鏡で観察すると、DNA溶液の濃度が基板上でのDNA構造に影響を与えることを見出した。DNA結合能についての酸処理の効果を、DNA結合基板を作製するために市販されているアミノプロピルトリエトキシシラン(APS)コートガラス基板と比較した。金属酸化物基板上に吸着したDNAを蛍光顕微鏡で観察すると、APS処理ガラス基板とほぼ同等の結果を得た。なお、DNAを結合させるために予め表面コートされた市販のガラス(APSガラス)は、表面にNH 基が導入されているので、DNAのリン酸骨格(−電荷)とがひきつけあってDNAが基板表面上に固定される。
本発明者らは、金属酸化物基板を酸溶液と反応させて、基板表面に水酸基を導入することにより、基板上に自己組織化材料を固定化することができることを見出した。
上述したように、非特許文献11にはNaPO溶液でAl表面を処理することによって、表面を親水性化する方法が記載されている。しかし、非特許文献11に記載されている方法は、リン酸ナトリウム水溶液を基板上に展開することにより親水性を向上させるものであり、非特許文献11には基板表面上にはリン酸ナトリウムの層が形成されていることが示唆されている。すなわち、非特許文献11に記載されている方法によって作製される基板は、「基板表面に水酸基を導入する」本発明とは、基板の表面構造が大きく異なるものである。
一実施形態において、本発明は、金属酸化物を含む基板上に自己組織化材料を固定化する方法を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る方法は、基板上に酸溶液を提供する工程;および、酸溶液を除去した基板上に自己組織化材料を含む溶液を提供する工程を包含することが好ましい。さらなる局面において、本実施形態において使用される基板は、金属酸化物からなることが好ましい。
本明細書中において使用される場合、用語「自己組織化材料」は、多数の分子が自発的に集まって1つの構造体を作る能力(すなわち、自己組織化能)を有する物質が意図される。自己組織化材料としては、例えば、DNA、RNAなどの核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、糖などの生体分子、細胞、組織切片などが挙げられ、核酸(DNAまたはRNA)であることが好ましい。自己組織化材料を基板上に提供するに際して、自己組織化材料は水溶液形態であることが好ましい。
本明細書中において使用される場合、「酸溶液」は、酸性を示す溶液であって基板を溶解させないもの(例えば、過酸化水素水と塩酸の混合溶液)でありかつ本発明において使用される基板表面に水酸基を導入し得るものであれば特に限定されない。
本明細書中において使用される場合、「金属酸化物」は、安定な構造を有する酸化物であれば特に限定されないが、好ましくは、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、GGG、YIG、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOおよびNdGaOからなる群より選択され、最も好ましくは、Al(α−Al(0001))である。
Alは、他の基板(例えば、雲母、ガラスおよびHOPG)と比較して以下のような利点を有する:(1)空気中での熱アニーリングによって原子レベルで平坦な表面を得ることが非常に確立されている;(2)その表面は大気圧条件下でさえ非常に安定である;(3)可視光について光学的に透明である;(4)電気的に絶縁体である;(5)SAWエレメントのように工業的に使用されているので、比較的低価格で高品質な単一結晶を得ることが可能である。よって、Alは、実用に際して多くの利点を有する。
なお、実施例において、基板がAlである場合を用いて本発明を実証しているが、本発明の効果を奏するためには用いる基板がAlに限定されず、本明細書の記載に基づけば、金属酸化物を含む基板であれば、所望の性質を有しかつ所望の効果を奏することを、当業者は容易に理解する。
さらに本発明者らは、金属酸化物基板を酸溶液と反応させて、基板表面に水酸基を導入することにより、基板上に固定化される自己組織化材料の量を増加させ、さらに固定化する際に乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって、自己組織化材料に結合した金微粒子の配列制御を行うことができることを見出した。
一実施形態において、本発明は、金属酸化物を含む基板上に微粒子を配列させる方法を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る方法は、基板上に酸溶液を提供する工程;微粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;酸溶液を除去した基板上に混合溶液を提供する工程;および、基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程を包含することが好ましい。さらなる局面において、本実施形態において使用される基板は、金属酸化物からなることが好ましい。本実施形態に係る方法において、微粒子は、自己組織化材料を含む溶液と異なる電荷または中性電荷を有してもよいが、自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
本明細書中において使用される場合、用語「微粒子」は、「ナノ粒子」と置換可能に使用され、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましく、コロイド溶液を形成し得る大きさ(すなわち、粒経が1nm〜100nmの範囲内)であることが好ましい。
本発明者らはまた、本発明者らが開発した自己組織化材料のパターニングを本発明に適用することができることを見出した。
一実施形態において、本発明は、基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る方法は、自己組織化材料と結合し得る物質を基板上に固定化する工程;所望の凹凸が形成されたモールドを用いてインプリントすることによって、該物質を所望の形状にパターニングする工程;微粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;パターニングした該物質上に混合溶液を提供する工程;および、提供された混合溶液を乾燥させる工程を包含することが好ましい。本実施形態に係る方法において、微粒子は、自己組織化材料を含む溶液と異なる電荷または中性電荷を有してもよいが、自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
本明細書中において使用される場合、用語「自己組織化材料と結合し得る物質」は、自己組織化能を有する自己組織化材料との結合能を有するものであれば、特に限定されないが、ポリ−L−リジンまたはアミノシラン(例えば、APS)を含有することが好ましく、ポリ−L−リジンまたはアミノシラン(例えば、APS)からなることが特に好ましい。本明細書中において使用される場合、用語「アミノシラン」は、基板(例えば、ガラス、シリコン、Alなど)表面上のOH基と結合することによって、自己組織化材料(例えば、DNA)を結合するためのアミノ基を基板の最表面上に呈することができる分子が意図される。
ここで、ポリ−L−リジンは、核酸であるDNAを結合する能力を持つことが知られているため(B.Xu.,S.Wiehle.,JA.Roth.,and RJ.Cristiano.,Gene Therapy(5),1235−1243,1998)、自己組織化材料(特にDNA)を固定化する際に好適に用いることができる。なお、ポリ−L−リジンの重合度については、特に限定されないが、DNAとポリ−L−リジンとの結合は、DNA中のホスフェート基に起因する負電荷とポリ−L−リジンのプロトン化アミノ基に起因する正電荷との静電相互作用に基づくと考えられているので、結合部位であるポリ−L−リジン中のアミノ基が適度な間隔に配置されていることが好ましく、この点を考慮すると、重合度は約2万であることが好ましいが、これに限定されない。
また、アミノシランは生体物質の固定化に広く使用される物質であり、DNAの他にタンパク質、細胞、組織切片などの自己組織化能を有する物質を固定化することができる。したがって、アミノシランを固定化層として用いることにより、これらの自己組織化能を有する物質を任意のパターンで基板に固定することが可能となる。例えば、神経細胞を人為的にパターニングして生体伝達回路を形成することができる。
自己組織化材料と結合し得る物質を基板上に固定化する場合、基板上に自己組織化材料を確実に固定するためには、自己組織化材料と結合し得る物質を含む固定化層を基板上に形成することが好ましく、固定化層を基板に塗布または浸漬などの手法を用いて形成することが好ましい。
インプリントを用いるパターニング技術を適用する場合、自己組織化材料は、水溶液形態に限定されず、自己組織化材料を変性させることなく固定化層の凹凸パターン形成面の凹部に自己組織化材料を充填できればよい。
固定化層が薄膜である場合、薄膜層を基板に形成する方法としては、特に限定されないが、種々の公知の方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ディップ法などが挙げられる。なお、基板の材質は、結合能物質を含む薄膜層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス製の基板や樹脂およびシリコン製の基板などの絶縁体基板、半導体基板、導電体基板などを用いることができる。
このように基板上に形成した固定化層には、インプリントプロセスを用いて、モールドに施した凹凸パターンを転写することができる。モールドには、所望の形状が凹凸パターンにて予め形成されており、最終的に、自己組織化材料の形状がモールドにおける凸部となる。
本実施形態において使用されるモールドの材質は特に限定されないが、確立している微細加工技術(例えば、リソグラフィーなど)として、シリコンまたは二酸化シリコンを用いることが好ましい。モールドの加工は、従来公知の方法を用いて行うことができる。好ましい方法としては、例えば、シリコン熱酸化膜上にレジスト(紫外線に感光する有機膜)を塗布し、そのレジストを電子ビーム直接描画でパターニングし、それをマスクとしてドライエッチで加工する方法が挙げられる。
モールドに形成した凹凸パターンを転写するためには、公知のインプリント技術(例えば、熱サイクルナノインプリントリソグラフィや、光ナノインプリントリソグラフィなどの方法)を用いればよい。
モールドに形成した凹凸パターンを固定化層にインプリントする際の温度、圧力、時間などの条件は、固定化層の昇温または冷却に要する時間に起因するスループットの低下、温度差による固定化層の寸法変化、転写パターンの精度、熱膨張によるアライメントの低下などを考慮して、当業者が容易に決定し得る。
転写終了後は、モールドを基板から離し、凹凸パターンを有する固定化層を完成させる。例えば、熱サイクルナノインプリントリソグラフィを用いる場合は、固定化層の温度を低下させることにより固定化層を硬化させた後、モールドを基板から離せばよい。また、光ナノインプリントリソグラフィを用いた場合は、固定化層に紫外光を照射して硬化させた後、モールドを基板から解離すればよい。
一実施形態において、本発明は、自己組織化材料が固定化された基板を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る基板は、自己組織化材料が、基板上に施された酸処理によって基板表面に形成された水酸基と結合していることが好ましい。さらなる局面において、本実施形態に係る基板において、自己組織化材料が微粒子を担持していることが好ましく、該微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましく、コロイド溶液を形成し得る大きさ(すなわち、粒経が1nm〜100nmの範囲内)であることが好ましい。
一実施形態において、本発明は、所望の形状で微粒子を担持する基板を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る基板は、自己組織化材料と結合し得る物質が固定化されており、該物質は、所望の形状にパターニングされかつ微粒子を担持していることが好ましい。さらなる局面において、本実施形態に係る基板において、微粒子は、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなることが好ましく、コロイド溶液を形成し得る大きさ(すなわち、粒経が1nm〜100nmの範囲内)であることが好ましい。
自己組織化材料が核酸(DNAまたはRNA)である場合、本発明に係る基板を機能性導電材料として利用することができる。核酸(DNAまたはRNA)は、特徴的なエネルギー準位を有し、特有の物性を有する機能性導電材料である。また、特定種の元素をDNAまたはRNAにドープすることによって、その元素の電気物性が大きく変化する。
さらに、DNAの塩基部分には、パイスタッキングによる色素のインターカレーションが可能であり、RNAの塩基部分には、色素を相互作用させることが可能である。そのため、色素がインターカレートされたDNAまたは色素と相互作用させたRNAにおいては、光照射により色素が励起されて、DNA鎖またはRNA鎖が電気伝導性を示す。
したがって、基板に固定化されたDNAに色素をインターカレートすること、または、自己組織化材料パターニング基板に固定化されたRNAに色素を相互作用させることにより、当該基板を機能性導電材料として利用することができる。すなわち、基板上に配列したDNAもしくはRNAのパターンにしたがって発光する光スイッチング材料を構築することができる。
色素については、特に限定されないが、DNAまたはRNAと光励起された色素とのエネルギー準位が互いに近接しているという理由から、アクリジンオレンジを使用することが好ましい。また、代表的なインターカレーターとして、エチジウムブロマイド、オクタデシルアクリジンオレンジ、フェロセン化ナフタレンジミド、β−カルボリン、アントラキノン、ビスアクリジンビオローゲン誘導体、Ru錯体などが挙げられる。
また、本発明に係る基板を用いれば、フォトマスクを作製することもできる。フォトマスクとは、マスクブランクにパターン像を形成したものをいい(JIS工業用語大辞典第5版、1954頁、日本規格協会を参照のこと)、クロムマスクに代表される無機・金属材料が利用される。
ここで、本発明に係る基板をフォトマスクに用いる場合は、生体材料である自己組織化材料(例えば、DNAまたはRNAなどの核酸)は、酸もしくはアルカリなどによる薬品処理または熱処理によって、フォトマスクを一括して除去することができる。したがって、本発明に係る基板を用いたフォトマスクであれば、任意のパターンに固定したDNAまたはRNAを微細加工に用いることができ、さらに、固定したDNAまたはRNAを加工終了後に分解除去することにより、プロセス全体の簡略化およびそれに伴う歩留まりなどにおける改善を期待することができる。
さらに本発明者らは、自己組織化材料と微粒子とが同じ電荷を有する場合であっても、両者を直接結合させることができることを見出した。
一実施形態において、本発明は、微粒子を自己組織化材料と結合させる方法を提供する。1つの局面において、本実施形態に係る方法は、微粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;基板上に混合溶液を提供する工程;および、基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程を包含することが好ましい。本実施形態に係る方法において、微粒子は、自己組織化材料を含む溶液と異なる電荷または中性電荷を有してもよいが、自己組織化材料を含む溶液と同じ電荷を有することが好ましい。
なお、本発明に係る金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法において、上記乾燥させる工程としては、遠心分離機を用いる方法、スピンコーターを用いる方法、および乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付ける方法が挙げられるが、乾燥窒素ガスを吹き付けることによって行うことが好ましい。本明細書中において使用される場合、用語「不活性ガス」は、窒素ガスまたはアルゴンガスが意図される。
以上のように、本発明者らは、Al(α−Al(0001))基板を用いて、基板上に他の分子を用いる化学的な表面修飾(例えば、APS処理)を施すことなく、DNAを単純に固定化する方法およびDNAを伸長させる方法を見出し、本発明を完成させた。この新規方法は、基板表面の親水性に依存するものであり、この基板表面の親水性は、酸溶液処理後の水酸基の増加によって改善される。Al基板を清浄化するためのこの単純な方法は、DNAの固定化および伸長の増強を生じる。
なお、本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれることが理解されるべきである。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
〔実施例〕
〔実施例1〕
本研究において使用したAl基板を以下のように処理した。基板を沸騰リン酸溶液中で5分間加熱した後、超純水でリンスした。次いで、原子レベルで平坦な表面を得るために、この基板を大気中にて1200〜1300℃で2時間アニーリングした。アニーリング処理後のAlの表面は、原子レベルで平坦なステップ構造を示す。
過酸化水素水:超純水=5:43で混合させた溶液を沸騰させて、塩酸(総量の2/50)を添加する。溶液中に気泡が発生した後、ステップ構造を有するAl基板を、溶液中に5分間浸し、次いで、超純水でリンスした。
図1aは、酸処理後のAl表面構造を原子間力顕微鏡(Nanoscope IV,DI Instruments)によって観察した結果であり、リンスによって表面構造の変化が生じないことを示す。
また、SrTiO基板を、酸素フロー条件下にて1000℃で3時間アニールした。アニール処理した後の基板表面は、原子レベルで平坦なステップ構造を示す。
過酸化水素水:超純水=5:43で混合させた溶液を沸騰させて、塩酸(総量の2/50)を添加する。溶液中に気泡が発生した後、ステップ構造を有するSrTiO基板を、溶液中に5分間浸し、次いで、超純水でリンスした。
図1bおよびcは、SrTiO基板の表面構造を原子間力顕微鏡(Nanoscope IV,DI Instruments)によって観察した結果を示す。図1bは、洗浄前のSrTiO表面、図1cは、洗浄後のSrTiO表面を示す。洗浄処理前は、高さ約0.4nmの平坦なステップ構造が確認されていたが、処理後に表面のエッチングが生じ、最大約10nm程度のくぼみが生じた。
以上のことより、洗浄処理によって表面構造の変化が生じないAl基板が最適であることがわかる。
〔実施例2〕
DNA固定化および伸長のために、λDNA溶液(Takara corp.)を、親水性処理後の基板上に滴下し、5分後に乾燥窒素ガスによって表面をブローアップして乾燥させた。ガス圧を、約0.1MPaに制御し、表面に対して約45°の角度でブローアップを行った。DNA溶液を使用前に一晩透析した。比較のために、酸処理ありまたは酸処理なしの基板を使用した。図2は、種々のDNA濃度で表面に固定化されたDNAのAFM画像を示す。aおよびbは、酸処理した表面を使用した結果を、cは、アニーリング処理のまま使用した結果を示す。低濃度の溶液(3μg/ml)では、単離したDNA分子は、表面上で個別に伸長しそして固定化した(図2a)。さらに、高濃度条件下(400μg/ml)では、ネットワーク構造を形成したDNAが観察された(図2b)。対照的に、酸処理なしの基板を用いた場合、図2bと同じ高濃度条件下でさえ、わずかに伸長したDNA分子が存在した(図2c)。
これらの結果は、酸処理した基板上にDNAが強固に吸着し、そしてDNA濃度を変化させることによって、吸着したDNAの構造を制御することができることを示す。
〔実施例3〕
DNA固定化および伸長に対する酸処理の効果をより詳細に調べるために、3種類の溶媒を用いて赤外線分析を行った。図3は、酸処理前後での赤外線の差異を示す。3500cm−1での吸収極大を測定した結果、表面上に結合する水酸基の増加を示した。
この結果は、Al−O−AlからAl−O−Hへの構造変化が生じることを示した以前の結果と一致する。原因を詳細に調べるためにDNA分子のホスフェート基で生じるスペクトルを測定したが、検出限界以下であった(結果は示さず)。
さらに、表面エネルギーを測定するために、水、ジイオドメタンまたはヒキサデカンを用いたAl基板の接触角を、セシルドロップ法を用いて測定した(Kyowa interface science co.,Ltd)。周囲温度を25℃に維持し、湿度を40%に維持した。水、ジイオドメタンおよびヒキサデカンを用いた接触角測定は、平均してそれぞれ5.8°、37.5°および16.5°であった。表面遊離エネルギーを、Young−Dupre equationおよびextended Fowkes
equationに従って算出した:
ここで、γおよびγは、それぞれ固体および液体の表面エネルギーである。d、pおよびhは、分散力、双極子相互作用および水素結合の成分を示す。
表1に示すように、分散力、双極子相互作用および水素結合の成分に起因する化学的に処理した表面エネルギーを、それぞれ26.5、26.8および35.8と見積もった。よって、総表面エネルギーを約89.0と見積もった。一方、処理なしの場合の表面エネルギーを、それぞれ27.4、6.4および36.0と、総表面エネルギーを69.8と見積もった。この結果は、表面遊離エネルギーが双極子相互作用の成分に起因して量的に増加されたことを示す。
これらの測定は、酸処理による構造変化および夾雑物除去の両方に起因して、基板表面が水酸基によって覆われること、および、表面エネルギーが水酸基間の双極子相互作用に起因し得ることを示す。よって、固定化のメカニズムは、基板表面上の水酸基とDNAのホスフェート基との間の水素結合に起因し得る。以前の研究で、オクタデシルホスホン酸がAl表面と強固に反応してバルクの(アルミノアルキル)ホスフェートを形成することを示したように、Al−O−P結合もまた形成され得る。
〔実施例4〕
DNA溶液に蛍光色素を添加して蛍光顕微鏡での観察を行った。酸処理の効果を確認するために、APSコートされたガラス基板(Matsunami glass corp.)をコントロールとして使用した。APS処理は、基板表面上にDNA分子を固定化するために広範に使用されている。APSコートされたガラスは正電荷のアミノ基で覆われているので、二重らせんの周囲に負電荷のホスフェート基を有するDNAは、静電力で基板表面に吸着する。
200μlのλDNA溶液(80ng/μl)を、1μM YO−PRO1(Y−3603,Molecular probes Inc.)と混合した、この溶液(20μl)を、酸処理した基板およびAPSコートしたガラスの両方の上に供した。1分後、この表面上の溶液を、乾燥窒素ガスによってブローアップして乾燥させ、次いで、これらの蛍光画像を光学顕微鏡(Olympus)によって観察した(図4)。aは、APSコートしたガラス、bは、酸処理したAl基板を観察した結果である。
これらの結果から、基板に対して特別な修飾を施すことなく、修飾を施された基板と同定後のDNA固定化が可能であることがわかった。
APSコートしたガラスおよび酸処理したAl基板の両方におけるDNA分子の蛍光画像は、DNAが基板表面上に固定化されそして基板表面上で伸長したことを示す。化学的修飾を何ら行っていないにもかかわらず、Al基板上に吸着されたDNAの量が、APSコートされたガラスとほぼ同程度であったということは特筆すべきである。
結論として、本発明者らは、非常に単純な酸溶液での処理によって原子レベルで平坦なAl基板上にDNA分子を固定化しそして該基板上でDNAを伸ばした。酸溶液での表面処理は、親水性を増大し、水素結合を介する表面上へのDNA固定化の増大を引き起こした。構造の変形は、原子レベルで平坦な表面に起因して最小化され、そしてAl基板は、可視光範囲で光学的に透明でありかつ電気的に絶縁性であるので、この単純な方法は、DNAまたはDNAとタンパク質などとの複合体の観察および電気移動測定のための基本的なサンプル調製技術として有用である。
〔実施例5〕
Al基板上にDNA溶液と金ナノ粒子溶液とを別々に供し、基板への吸着を観察した(図5)。図5aは、Poly(dA)−Poly(dT)DNA溶液を基板上に供した後、スピンコーターによって基板上から除去した。ここで、DNA濃度は、250μg/ml、スピンコーターの速度は800rpmである。以上のことより、DNA構造がランダムなネットワーク構造としてAl基板上に形成されることがわかる。図5bは、金ナノ粒子溶液を基板上に供した後、スピンコーターによって基板上から除去した。ここで、金粒子濃度は、1015個/ml、スピンコーターの速度は500rpmである。以上のことより、金粒子はランダムにAl基板上に分布することがわかる。
これらの結果は、DNAおよび金ナノ粒子の基板上への吸着が、いずれもAl基板のステップ構造とは非依存的に形成されるということを示す。
〔実施例6〕
Al基板表面上にDNA溶液と金微粒子溶液との混合溶液を展開することによって、金微粒子の一次元配列を得ることができる。試料の作製は以下のとおりである:250μg/ml DNA溶液(Poly(dA)−Poly(dT))を、直径5nmの金微粒子を約6×1013個/ml含む溶液と4:1で混合して混合溶液を得た。この混合溶液を、基板表面上に滴下した後、スピンコーターを用いて基板表面上の溶液を除去する。この基板表面を観察した結果を図6に示す。
図6に示すように、金微粒子は、Al基板上のステップ構造上かつDNA上の部位にのみ選択的に配列した。このことは、単にスピンコーターを用いるだけで、基板表面上での金微粒子の配列を非常に簡便に制御することができるということを示す。
図6に示した結果の模式図を図7a、AFMによって観察した結果を図7bに示す。ナノ粒子は、Al基板のステップ構造端部でありかつDNAネットワーク部である部位に選択的に吸着する。この現象は、キャピラリー力によって形成されると考えられる。乾燥工程において、ナノ粒子が水によって収集される。キャピラリー力による配列形成過程を図8に模式的に示す。
〔実施例7〕
本発明に係る基板上に微粒子を所望の形状で配列させる方法に適用するに好ましいパターニング工程について、その手順を図9に示した。基板としては、予めスライドガラス基板上にポリ−L−リジン膜が施されたガラス基板(松浪硝子工業株式会社製、例えば品番;SD10011、品名;Poly−Lysineコートタイプ)を利用した。
次に、ナノインプリント装置(OBDUCAT AB製)を用い、上記ポリ−L−リジン膜(以下「PLL膜」と記す)に、モールドを100℃、6Mpaで5分間プレスし、インプリントを行った。圧力(6Mpa)を保ちながら、温度を室温程度にまで下げてPLL膜を硬化させた。PLL膜の硬化後、モールドを基板から離し、PLL膜上にDNAの凹凸パターンを完成させた。
なお、モールドは、Si上にSiO熱酸化膜が付されたSiウエハーを利用した。ステッパーを用いることで、リソグラフィーによってSiO熱酸化膜にパターンを施した。
次に、粉末状の鮭白子DNA(日本化学飼料株式会社製)を0.3mol/l塩化ナトリウム+0.03mol/l クエン酸ナトリウム バッファー水溶液により調製したDNA水溶液(1μg/ml)を、インプリントされたPLLコートガラス全面におよそ100μl滴下した。続いて、基板を80℃で1時間、ホットプレートによって加熱(ベーキング)して水分を蒸発させ、DNAとPLL膜の固定化を促した。さらに、紫外線照射器によって254nmの紫外線を5分間照射し、DNAとPLL膜の固定化を促した。次に、基板を水で洗浄後、熱湯(約80℃)でさらに洗浄し、基板表面の余分なDNAを除去し、自己組織化材料パターニング基板を完成した。
図10a〜図10dは、上記基板に蛍光色素を滴下することによってDNA蛍光染色を施し、蛍光顕微鏡(オリンパス株式会社製、100倍)によって基板上に固定したDNAのパターンを観察した結果を示すものである。図10a〜図10dにおいて、白い線で表れているのが、基板上に固定したDNAである。図10aにおいて、DNAは、互いに平行な直線上に固定されており、図10bでは、正方形の格子の各辺上に固定されている。図10cにおいて、DNAは長方形の格子の各辺上に固定されており、図10dでは、正方形の格子の辺上に固定され、さらに、格子内に長方形状に固定されている。
図11a〜図11dは、二酸化珪素を材料として、固定したいDNAのパターンを刻印したモールドと、当該モールドをインプリント後、DNAを固定した基板のパターンを観察した結果を示したものである。図11aは、正方形の格子状に形成したモールドであり、図11bは、図11aに示すモールドをインプリントし、DNAを固定した基板である。図11cは、正方形の格子状に形成したモールドの内部にさらに長方形のモールドを形成したものであり、図11dは、図11cに示すモールドをインプリントし、DNAを固定した基板である。
また、このようにして得たパターニング基板のDNAのパターンを利用して、DNAを金コロイドで修飾し、DNA表面に金コロイドを配列させた。まず、市販の金コロイド溶液(田中貴金属工業株式会社製、粒径;40nm、濃度;0.006wt%)を遠心分離し(条件;15000rpm,1時間)、更に沈殿物を取り出して再度遠心分離し(条件;15000rpm,1時間)、得られた濃縮金コロイドをおおよそ水で10倍程度希釈して金コロイド溶液を調製した。次に、この金コロイド溶液中に、DNAがパターニングされた基板を約2時間浸漬し、DNAを金コロイドで修飾した。浸漬終了後、基板を金コロイド溶液から取り出し、ブロワーを用いて基板上に付着した余分な水分を除去した。
図12aは、金コロイドで修飾する前の基板、図12bは、金コロイドで修飾した基板をそれぞれ原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ株式会社製)で観察した結果を示すものである。図12bに示すように、図12aに示した基板上に固定されたDNAのパターンにしたがって、金コロイドが配列した。なお、図12aおよびbの最外枠に示されている「0.00〜153.92nm」と、「0.00〜276.74nm」は、これらの数値の上に示した横長のバーの濃淡に対応させて、高さを示したものである。
〔比較例〕
1250ng/μlのPoly(dA)−Poly(dT)溶液を10μlと、Au微粒子の溶液15μlを混合し、Poly(dA)−Poly(dT)濃度が500ng/μlでありかつ5nm金微粒子濃度が1×1014個/mlである混合溶液を作製した。この溶液を4℃で一晩放置した。この溶液を酸で処理したAl基板上に滴下し、500rpmで1分間基板をスピンコーターにて回転させ、余分な溶液を除去した。この基板表面を観察した結果を図13aに示す。この条件下では、金微粒子はステップ端に選択的吸着をせず、基板上にランダムに吸着することが確認された。
次いで、300ng/μlのλDNA溶液とAu微粒子の溶液を1:1で混合し、λDNA濃度が150ng/μlでありかつ5nm金微粒子濃度が1×1014個/mlである混合溶液を作製した。この溶液を4℃で一晩放置した。この溶液を酸で処理したAl基板上に滴下し、500rpmで1分間基板をスピンコーターにて回転させ、余分な溶液を除去した。この基板表面を観察した結果を図13bに示す。この条件下では、金微粒子はステップ端に選択的吸着をせず、基板上にランダムに吸着することが確認された。
以上のように、微粒子を基板上に規則正しく配列させるためには、DNA濃度が250ng/μl、スピンコーターでの回転速度が500rpmであることが好ましいことがわかった。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求項内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
本発明を用いれば、酸処理された金属酸化物(例えば、Al、ZnO、TiO)基板の表面には水酸基が導入されるので、水酸基を介して基板上にDNAを直接かつ強固に結合させることができる。本発明を用いれば、伸長された単一DNAまたは複数のDNAが束になったネットワーク構造を基板表面上に作製することができる。従来、金微粒子を広範囲に配列制御することが困難であったが、本発明を用いれば、基板上の広範囲にわたって金微粒子の配列制御を行うことが可能である。
本発明は、構造解析およびDNAエレクトロニクスのような適用に非常に有用である。本発明は、ナノスケールの回路の構築、機能性導電材料、フォトマスクなどに適用され得る。

Claims (6)

  1. 金属酸化物からなる基板上に微粒子を配列させる方法であって、
    該基板上に過酸化水素水と塩酸の混合溶液からなる酸溶液を提供する工程;
    該微粒子を含む溶液を、自己組織化材料を含む溶液と混合して混合溶液を得る工程;
    該酸溶液を除去した基板上に該混合溶液を提供する工程;および
    該基板上に提供された混合溶液を乾燥させる工程
    を包含する、方法。
  2. 前記自己組織化材料が、核酸、タンパク質、アミノ酸、脂質、または糖である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属酸化物が、Al、ZnO、TiO、SiO、ZrO、SrTiO、LaAlO、Y、MgO、Ga−Gd−ガーネットY−Fe−ガーネット、LiTaO、LiNbO、KTaO、KNbOまたはNdGaOである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記微粒子が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、インジウム、銅、TiO、またはBaTiOからなる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記微粒子の粒経が、1nm〜100nmの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記乾燥させる工程を、乾燥した不活性ガスまたは空気を吹き付けることによって行う、請求項1に記載の方法。
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