JP2001178470A - 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ - Google Patents
固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップInfo
- Publication number
- JP2001178470A JP2001178470A JP37107199A JP37107199A JP2001178470A JP 2001178470 A JP2001178470 A JP 2001178470A JP 37107199 A JP37107199 A JP 37107199A JP 37107199 A JP37107199 A JP 37107199A JP 2001178470 A JP2001178470 A JP 2001178470A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dna
- fragment
- dna fragment
- nucleic acid
- chip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 固相担体表面に、DNA断片を迅速な反応に
よって結合させることが可能で、かつ、反応生成物が安
定に結合を維持することが可能な固定方法を開発するこ
と。 【解決手段】 表面に金属酸化膜が形成された固相担体
の表面に、DNA断片を液相にて接触させ、該DNA断
片を金属酸化膜に結合させることを特徴とするDNA断
片の固相担体表面への固定方法、この方法により得られ
たDNAチップ、そしてそのDNAチップを用いるDN
Aチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核酸断
片を検出する方法。
よって結合させることが可能で、かつ、反応生成物が安
定に結合を維持することが可能な固定方法を開発するこ
と。 【解決手段】 表面に金属酸化膜が形成された固相担体
の表面に、DNA断片を液相にて接触させ、該DNA断
片を金属酸化膜に結合させることを特徴とするDNA断
片の固相担体表面への固定方法、この方法により得られ
たDNAチップ、そしてそのDNAチップを用いるDN
Aチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核酸断
片を検出する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子の発現、変
異、多型等の同時解析に非常に有用である、多数のDN
A断片やオリゴヌクレオチドを固相表面に整列させた高
密度アレイ(DNAチップ)の作製に必要な、DNA断
片の固相担体表面への固定方法に関する。本発明はま
た、そのDNA断片の固相担体表面への固定方法により
製造されたDNAチップ、そしてDNAチップ上のDN
A断片に対して相補性を有する核酸断片の検出方法にも
関する。
異、多型等の同時解析に非常に有用である、多数のDN
A断片やオリゴヌクレオチドを固相表面に整列させた高
密度アレイ(DNAチップ)の作製に必要な、DNA断
片の固相担体表面への固定方法に関する。本発明はま
た、そのDNA断片の固相担体表面への固定方法により
製造されたDNAチップ、そしてDNAチップ上のDN
A断片に対して相補性を有する核酸断片の検出方法にも
関する。
【0002】
【従来の技術】多彩な生物の全遺伝子機能を効率的に解
析するための技術開発が進んでおり、その解析手段とし
て、DNAチップが利用されている。DNAチップは通
常、スライドガラス等の固相担体に多数のDNA断片を
整列固定させたマイクロアレイの形態にあり、DNAチ
ップに固定されているDNA断片と相補性を持つDNA
断片試料をハイブリダイゼーションによってDNAチッ
プ上に固定し、検出する方法に利用される。形成された
ハイブリッドの検出手段としては、DNA断片試料に予
め結合させた蛍光標識あるいは放射性標識を利用する方
法、そしてハイブリッドに取り込まれる蛍光発生基もし
くは導電性基を持つインターカレータを利用する方法な
どが知られている。
析するための技術開発が進んでおり、その解析手段とし
て、DNAチップが利用されている。DNAチップは通
常、スライドガラス等の固相担体に多数のDNA断片を
整列固定させたマイクロアレイの形態にあり、DNAチ
ップに固定されているDNA断片と相補性を持つDNA
断片試料をハイブリダイゼーションによってDNAチッ
プ上に固定し、検出する方法に利用される。形成された
ハイブリッドの検出手段としては、DNA断片試料に予
め結合させた蛍光標識あるいは放射性標識を利用する方
法、そしてハイブリッドに取り込まれる蛍光発生基もし
くは導電性基を持つインターカレータを利用する方法な
どが知られている。
【0003】DNAチップを用いるDNAチップ技術
は、DNA以外の生体分子にも適用可能であり、創薬研
究、疾病の診断や予防法の開発、エネルギーや環境問題
対策等の研究開発に新しい手段を提供するものとして期
待されている。
は、DNA以外の生体分子にも適用可能であり、創薬研
究、疾病の診断や予防法の開発、エネルギーや環境問題
対策等の研究開発に新しい手段を提供するものとして期
待されている。
【0004】DNAの解析手段としてのDNAチップの
利用が具体化してきたのは、DNAの塩基配列をオリゴ
ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって決定
する方法(SBH,sequencing by hyb
ridization)が考案されたことに始まる(D
rmanac,R.et al.,Genomics,
4,page 114(1989))。SBHは、ゲル
電気泳動を用いる塩基配列決定法の限界を克服できる方
法ではあったが、実用化には至らなかった。
利用が具体化してきたのは、DNAの塩基配列をオリゴ
ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって決定
する方法(SBH,sequencing by hyb
ridization)が考案されたことに始まる(D
rmanac,R.et al.,Genomics,
4,page 114(1989))。SBHは、ゲル
電気泳動を用いる塩基配列決定法の限界を克服できる方
法ではあったが、実用化には至らなかった。
【0005】その後、DNAチップ作製技術が開発さ
れ、遺伝子の発現、変異、多型等を短時間で効率よく調
べる、いわゆるHTS(high throughpu
t screening)が可能となった(Fodo
r,S.P.A.,Science,251,page
767(1991)およびSchena,M.,Sc
ience,270,page 467(199
5))。
れ、遺伝子の発現、変異、多型等を短時間で効率よく調
べる、いわゆるHTS(high throughpu
t screening)が可能となった(Fodo
r,S.P.A.,Science,251,page
767(1991)およびSchena,M.,Sc
ience,270,page 467(199
5))。
【0006】しかし、DNAチップ利用技術を実用化す
るためには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチドを
固相担体表面に整列固定させるためのDNAチップの作
製技術が必要とされる。
るためには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチドを
固相担体表面に整列固定させるためのDNAチップの作
製技術が必要とされる。
【0007】DNAチップの作製方法としては、固相担
体表面で直接DNA断片を合成する方法(「オン・チッ
プ法」という。)と、予め別に調製したDNA断片を固
相担体表面に固定する方法とが知られている。オン・チ
ップ法としては、光照射で選択的に除去される保護基の
使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー
技術および固相合成技術とを組み合わせて、微小なマト
リックスの所定の領域での選択的合成を行う方法(「マ
スキング技術」という。)が代表的である。
体表面で直接DNA断片を合成する方法(「オン・チッ
プ法」という。)と、予め別に調製したDNA断片を固
相担体表面に固定する方法とが知られている。オン・チ
ップ法としては、光照射で選択的に除去される保護基の
使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー
技術および固相合成技術とを組み合わせて、微小なマト
リックスの所定の領域での選択的合成を行う方法(「マ
スキング技術」という。)が代表的である。
【0008】予め調製したDNA断片を固相担体表面に
固定する方法としては、DNA断片の種類や固相担体の
種類に応じて下記の方法がある。 (1)固定するDNA断片がcDNA(mRNAを鋳型
にして合成した相補的DNA)やPCR産物(cDNA
をPCR法によって増幅させたDNA断片)の場合に
は、これらをDNAチップ作製装置に備えられたスポッ
タ装置を用いて、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリエチ
レンイミン等)で表面処理した固相担体表面に点着し
て、DNAの荷電を利用して固相担体に静電結合させる
方法が一般的に利用される。また、固相担体表面の処理
方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を
有するシランカップリング剤を用いる方法も利用されて
いる(Geo,Z.et al.,Nucleic A
cid Research,22,5456−5465
(1994))。この場合には、アミノ基、アルデヒド
基等は、共有結合により固相担体表面に導入されるた
め、ポリ陽イオンによる場合と比較して安定に固相担体
表面に存在する。
固定する方法としては、DNA断片の種類や固相担体の
種類に応じて下記の方法がある。 (1)固定するDNA断片がcDNA(mRNAを鋳型
にして合成した相補的DNA)やPCR産物(cDNA
をPCR法によって増幅させたDNA断片)の場合に
は、これらをDNAチップ作製装置に備えられたスポッ
タ装置を用いて、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリエチ
レンイミン等)で表面処理した固相担体表面に点着し
て、DNAの荷電を利用して固相担体に静電結合させる
方法が一般的に利用される。また、固相担体表面の処理
方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を
有するシランカップリング剤を用いる方法も利用されて
いる(Geo,Z.et al.,Nucleic A
cid Research,22,5456−5465
(1994))。この場合には、アミノ基、アルデヒド
基等は、共有結合により固相担体表面に導入されるた
め、ポリ陽イオンによる場合と比較して安定に固相担体
表面に存在する。
【0009】DNAの荷電を利用する方法の変法とし
て、アミノ基で修飾したPCR産物をSSC(標準食塩
クエン酸緩衝液)に懸濁させ、これをシリル化したスラ
イドガラス表面に点着し、インキュベートした後、水素
化ホウ素ナトリウムによる処理および加熱処理を順に行
う方法が報告されている(Schena,M.et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
93,10614−10619(1996))。しか
し、この固定方法では必ずしも充分な安定度が得られ難
いという問題がある。DNAチップ技術では、検出限界
が重要となる。そのため、固相担体表面に充分な量で安
定にDNA断片を固定する技術の開発は、固定DNA断
片と標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼーション
の検出限界の向上に大きく寄与する。
て、アミノ基で修飾したPCR産物をSSC(標準食塩
クエン酸緩衝液)に懸濁させ、これをシリル化したスラ
イドガラス表面に点着し、インキュベートした後、水素
化ホウ素ナトリウムによる処理および加熱処理を順に行
う方法が報告されている(Schena,M.et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
93,10614−10619(1996))。しか
し、この固定方法では必ずしも充分な安定度が得られ難
いという問題がある。DNAチップ技術では、検出限界
が重要となる。そのため、固相担体表面に充分な量で安
定にDNA断片を固定する技術の開発は、固定DNA断
片と標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼーション
の検出限界の向上に大きく寄与する。
【0010】(2)固定するDNA断片が合成オリゴヌ
クレオチドの場合には、反応活性基を導入したオリゴヌ
クレオチドを合成し、表面処理した固相担体表面に該オ
リゴヌクレオチドを点着し、共有結合させる(「蛋白質
・核酸・酵素」、43巻、(1998)、2004−2
011、Lamture,J.B. et al.,Nu
cl.Acids Res.,22,2121−212
5,1994、およびGuo.Z.,et al.,
Nucl.Acids Res.,22,5456−5
465,1994)。例えば、アミノ基を導入したスラ
イドガラスに、PDC(p−フェニレンジイソチオシア
ネート)存在下、アミノ基導入オリゴヌクレオチドを反
応させる方法、および該スライドガラスに、アルデヒド
基導入オリゴヌクレオチドを反応させる方法が知られて
いる。これらの二つの方法は、前記(1)のDNAの荷
電を利用する方法と比べて、オリゴヌクレオチドが固相
担体表面に安定に固定される。しかし、PDCを存在さ
せる方法は、PDCとアミノ基導入オリゴヌクレオチド
との反応が遅く、またアルデヒド基導入オリゴヌクレオ
チドを用いる方法は、反応生成物であるシッフ塩基の安
定性が低い(通常、加水分解が起こり易い)という問題
点を有していた。
クレオチドの場合には、反応活性基を導入したオリゴヌ
クレオチドを合成し、表面処理した固相担体表面に該オ
リゴヌクレオチドを点着し、共有結合させる(「蛋白質
・核酸・酵素」、43巻、(1998)、2004−2
011、Lamture,J.B. et al.,Nu
cl.Acids Res.,22,2121−212
5,1994、およびGuo.Z.,et al.,
Nucl.Acids Res.,22,5456−5
465,1994)。例えば、アミノ基を導入したスラ
イドガラスに、PDC(p−フェニレンジイソチオシア
ネート)存在下、アミノ基導入オリゴヌクレオチドを反
応させる方法、および該スライドガラスに、アルデヒド
基導入オリゴヌクレオチドを反応させる方法が知られて
いる。これらの二つの方法は、前記(1)のDNAの荷
電を利用する方法と比べて、オリゴヌクレオチドが固相
担体表面に安定に固定される。しかし、PDCを存在さ
せる方法は、PDCとアミノ基導入オリゴヌクレオチド
との反応が遅く、またアルデヒド基導入オリゴヌクレオ
チドを用いる方法は、反応生成物であるシッフ塩基の安
定性が低い(通常、加水分解が起こり易い)という問題
点を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固相担体表
面に、DNA断片を迅速な反応によって結合させること
が可能で、かつ、反応生成物が安定に結合を維持するこ
とが可能な固定方法、および核酸断片の検出方法を提供
することを、その課題とする。
面に、DNA断片を迅速な反応によって結合させること
が可能で、かつ、反応生成物が安定に結合を維持するこ
とが可能な固定方法、および核酸断片の検出方法を提供
することを、その課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は下記の本発
明によって解決された。
明によって解決された。
【0013】(1)表面に金属酸化膜が形成された固相
担体の表面に、DNA断片を液相にて接触させ、該DN
A断片を金属酸化膜に結合させることを特徴とするDN
A断片の固相担体表面への固定方法。この固定方法にお
いて用いる金属酸化物は、アルミニウム、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジ
ウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、
タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、ニ
ッケルまたは銀の酸化物であることが好ましい。また、
固相担体の表面へのDNA断片の液相にての接触を行な
った後、pKa値が12以下の酸素酸で処理を行なうこ
とが好ましい。 (2)上記の方法により得られたDNAチップ。
担体の表面に、DNA断片を液相にて接触させ、該DN
A断片を金属酸化膜に結合させることを特徴とするDN
A断片の固相担体表面への固定方法。この固定方法にお
いて用いる金属酸化物は、アルミニウム、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジ
ウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、
タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、ニ
ッケルまたは銀の酸化物であることが好ましい。また、
固相担体の表面へのDNA断片の液相にての接触を行な
った後、pKa値が12以下の酸素酸で処理を行なうこ
とが好ましい。 (2)上記の方法により得られたDNAチップ。
【0014】(3)上記のDNAチップの表面に、蛍光
物質もしくは放射性物質で標識した核酸断片試料を含む
水性液を付与する工程、DNAチップに固定されている
DNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハイブリダ
イゼーションによってDNAチップ上に固定する工程、
そしてDNAチップ上に固定された標識核酸断片試料の
蛍光標識もしくは放射性標識を検出する工程からなる、
DNAチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核
酸断片の検出方法。 (4)上記のDNAチップの表面に、蛍光発生基もしく
は導電性基を有するインターカレータと核酸断片試料と
を含む水性液を付与する工程、DNAチップに固定され
ているDNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハイ
ブリダーゼイションによってDNAチップ上に固定する
工程、そしてDNAチップのDNA断片と核酸断片試料
とから形成されたハイブリッド構造内に取り込まれたイ
ンターカレータの蛍光発生基から発生する蛍光もしくは
導電性基を介して流れる電流を検出する工程からなる、
DNAチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核
酸断片の検出方法。
物質もしくは放射性物質で標識した核酸断片試料を含む
水性液を付与する工程、DNAチップに固定されている
DNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハイブリダ
イゼーションによってDNAチップ上に固定する工程、
そしてDNAチップ上に固定された標識核酸断片試料の
蛍光標識もしくは放射性標識を検出する工程からなる、
DNAチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核
酸断片の検出方法。 (4)上記のDNAチップの表面に、蛍光発生基もしく
は導電性基を有するインターカレータと核酸断片試料と
を含む水性液を付与する工程、DNAチップに固定され
ているDNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハイ
ブリダーゼイションによってDNAチップ上に固定する
工程、そしてDNAチップのDNA断片と核酸断片試料
とから形成されたハイブリッド構造内に取り込まれたイ
ンターカレータの蛍光発生基から発生する蛍光もしくは
導電性基を介して流れる電流を検出する工程からなる、
DNAチップ上のDNA断片に対して相補性を有する核
酸断片の検出方法。
【0015】本発明者らは、種々の金属酸化物とDNA
断片との相互作用について研究した結果、アルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、スズ、インジウム、イットリウム、ランタ
ン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ン、タングステン、鉄、ニッケルまたは銀の酸化物とD
NA断片が極めて強い相互作用を有することを見出し
た。本発明はこの発見をもとに完成されたものである。
断片との相互作用について研究した結果、アルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウ
ム、亜鉛、スズ、インジウム、イットリウム、ランタ
ン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ン、タングステン、鉄、ニッケルまたは銀の酸化物とD
NA断片が極めて強い相互作用を有することを見出し
た。本発明はこの発見をもとに完成されたものである。
【0016】本研究者らは以上の研究結果をもとに研究
を行ったところ、酸化物を薄膜状にし、DNA断片の水
性液を点着することによって、DNA断片に特別な官能
基を導入することなしに、強く固定化でき、DNAチッ
プとして十分に機能する強固な固定が可能になることを
見出した。さらに、DNA断片が点着されなかった個所
においては、本発明の金属酸化物が露出しているため、
被検体である試料核酸断片が吸着されやすく、ハイブリ
ダイゼーションが起こった箇所を検出する際のバックグ
ラウンドが上昇し、感度低下を引き起こす場合がある。
このためDNA断片が点着されなかった個所を表面処理
により、被覆することが好ましい。
を行ったところ、酸化物を薄膜状にし、DNA断片の水
性液を点着することによって、DNA断片に特別な官能
基を導入することなしに、強く固定化でき、DNAチッ
プとして十分に機能する強固な固定が可能になることを
見出した。さらに、DNA断片が点着されなかった個所
においては、本発明の金属酸化物が露出しているため、
被検体である試料核酸断片が吸着されやすく、ハイブリ
ダイゼーションが起こった箇所を検出する際のバックグ
ラウンドが上昇し、感度低下を引き起こす場合がある。
このためDNA断片が点着されなかった個所を表面処理
により、被覆することが好ましい。
【0017】本発明者らは以上の点に関してさらに検討
を行った結果、本発明の金属酸化物を用いるDNA断片
の固定方法においては、pKa12以下の酸素酸を被覆
剤として用いることが、極めて好ましい結果を与えるこ
とを見出した。
を行った結果、本発明の金属酸化物を用いるDNA断片
の固定方法においては、pKa12以下の酸素酸を被覆
剤として用いることが、極めて好ましい結果を与えるこ
とを見出した。
【0018】この中で、本発明で特に有効な酸素酸はリ
ン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ホスホン酸
類、ホスホン酸モノエステル類、カルボン酸類、ホウ酸
モノエステル類、ホウ酸ジエステル類、スクアリン酸
類、カテコール類、ボロン酸類およびボロン酸モノエス
テル類である。
ン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ホスホン酸
類、ホスホン酸モノエステル類、カルボン酸類、ホウ酸
モノエステル類、ホウ酸ジエステル類、スクアリン酸
類、カテコール類、ボロン酸類およびボロン酸モノエス
テル類である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のDNA断片の固相担体表
面への固定方法の好ましい態様は、以下の通りである。 (1)本発明の金属酸化物を基板上に薄膜として固定す
る。 (2)DNA断片としてその塩基配列が既知であるもの
を用いる。 (3)(1)で作成した固相担体表面に、(2)で作成
したDNA断片を含有した水性液体を点着する。 (4)(3)で作成したDNA断片を固定した固体固相
担体を被覆剤で処理し、DNA断片が点着されていない
部分を被覆する。
面への固定方法の好ましい態様は、以下の通りである。 (1)本発明の金属酸化物を基板上に薄膜として固定す
る。 (2)DNA断片としてその塩基配列が既知であるもの
を用いる。 (3)(1)で作成した固相担体表面に、(2)で作成
したDNA断片を含有した水性液体を点着する。 (4)(3)で作成したDNA断片を固定した固体固相
担体を被覆剤で処理し、DNA断片が点着されていない
部分を被覆する。
【0020】次に、上記の各工程について順に述べる。
【0021】本発明で用いられる金属酸化物は、アルミ
ニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロン
チウム、亜鉛、スズ、インジウム、イットリウム、ラン
タン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブ
デン、タングステン、鉄、ニッケルまたは銀の酸化物で
ある。以上の中でより好ましい金属酸化物は、アルミニ
ウム、チタン、ニオブ、スズ、亜鉛、タングステン、
鉄、ジルコニウム、バナジウム、鉛または銀であり、さ
らに好ましくはアルミニウム、チタン、スズ、タングス
テンまたは亜鉛であり、最も好ましくはアルミニウムま
たはチタンである。これらの金属酸化物は単独であって
も、また混合されていてもよく、ペロブスカイトのよう
な他成分系のものであってもよい。
ニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロン
チウム、亜鉛、スズ、インジウム、イットリウム、ラン
タン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブ
デン、タングステン、鉄、ニッケルまたは銀の酸化物で
ある。以上の中でより好ましい金属酸化物は、アルミニ
ウム、チタン、ニオブ、スズ、亜鉛、タングステン、
鉄、ジルコニウム、バナジウム、鉛または銀であり、さ
らに好ましくはアルミニウム、チタン、スズ、タングス
テンまたは亜鉛であり、最も好ましくはアルミニウムま
たはチタンである。これらの金属酸化物は単独であって
も、また混合されていてもよく、ペロブスカイトのよう
な他成分系のものであってもよい。
【0022】固相担体としては、疎水性、あるいは親水
性の低い担体であることが好ましい。また、その表面が
凹凸を有する平面性の低いものであっても好ましく用い
ることができる。固相担体の材質としては、ガラス、セ
メント、陶磁器等のセラミックスもしくはニューセラミ
ックス、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロー
ス、ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー、シリコ
ン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質セラミックス、多孔
質シリコン、多孔質活性炭、織物、編み物、不織布、濾
紙、短繊維、メンブレンフィルター等の多孔質物質、金
などの導電性材料などを拳げることができる。多孔質物
質の細孔の大きさは、2乃至1000nmの範囲にある
ことが好ましく、2乃至500nmの範囲にあることが
特に好ましい。固相担体の材質は、ガラスもしくはシリ
コンであることが特に好ましい。これは、表面処理の容
易さや電気化学的方法による解析の容易さによるもので
ある。固相担体の厚さは、100乃至2000μmの範
囲にあることが好ましい。
性の低い担体であることが好ましい。また、その表面が
凹凸を有する平面性の低いものであっても好ましく用い
ることができる。固相担体の材質としては、ガラス、セ
メント、陶磁器等のセラミックスもしくはニューセラミ
ックス、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロー
ス、ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー、シリコ
ン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質セラミックス、多孔
質シリコン、多孔質活性炭、織物、編み物、不織布、濾
紙、短繊維、メンブレンフィルター等の多孔質物質、金
などの導電性材料などを拳げることができる。多孔質物
質の細孔の大きさは、2乃至1000nmの範囲にある
ことが好ましく、2乃至500nmの範囲にあることが
特に好ましい。固相担体の材質は、ガラスもしくはシリ
コンであることが特に好ましい。これは、表面処理の容
易さや電気化学的方法による解析の容易さによるもので
ある。固相担体の厚さは、100乃至2000μmの範
囲にあることが好ましい。
【0023】金属酸化物を固体基板上に固定する方法と
しては、支持基板としてはガラスまたはプラスチック等
を用いることができ、基板表面への本発明の金属酸化物
の固定は蒸着法や塗布法を用いるのが好ましい。
しては、支持基板としてはガラスまたはプラスチック等
を用いることができ、基板表面への本発明の金属酸化物
の固定は蒸着法や塗布法を用いるのが好ましい。
【0024】次に、蒸着法について説明する。本発明の
金属酸化物を微粒子として塗布する場合には、粒径は一
般にnm乃至μmの範囲のオーダーであるが、投影面積
を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の半径粒
径は5乃至200nmの範囲にあることが好ましく、8
乃至100nmの範囲にあることが特に好ましい。ま
た、分散液中の微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.0
1乃至100μmにあることが好ましい。また、粒径分
布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この
場合小さい粒子の平均サイズは5nm以下であることが
好ましい。
金属酸化物を微粒子として塗布する場合には、粒径は一
般にnm乃至μmの範囲のオーダーであるが、投影面積
を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の半径粒
径は5乃至200nmの範囲にあることが好ましく、8
乃至100nmの範囲にあることが特に好ましい。ま
た、分散液中の微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.0
1乃至100μmにあることが好ましい。また、粒径分
布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この
場合小さい粒子の平均サイズは5nm以下であることが
好ましい。
【0025】本発明で用いられる金属酸化物微粒子の作
製法としては、作花済夫の「ゾルゲル法の科学」アグネ
承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾルゲル法に
よる薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載の
ゾルゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲルゾル法による単
分散粒子の合成とサイズ形態制御」、マテリア、第35
巻、第9号、1012−1028頁(1996年)に記
載のゲルゾル法が好ましい。また、Degussa社が
開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化
物を作製する方法も好ましい。
製法としては、作花済夫の「ゾルゲル法の科学」アグネ
承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾルゲル法に
よる薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載の
ゾルゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲルゾル法による単
分散粒子の合成とサイズ形態制御」、マテリア、第35
巻、第9号、1012−1028頁(1996年)に記
載のゲルゾル法が好ましい。また、Degussa社が
開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化
物を作製する方法も好ましい。
【0026】酸化物微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ルゲル法、ゲルゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加
水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化
チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に
記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さら
にゾルゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ・ア
メリカン・セラミック・ソサエティー、第80巻、第1
2号、3157−3171頁(1997年)に記載の方
法や、バーンサイドらのケミカル・マテリアルズ、第1
0巻、第9号、2419−2425頁に記載の方法も好
ましい。
ルゲル法、ゲルゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加
水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化
チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に
記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さら
にゾルゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ・ア
メリカン・セラミック・ソサエティー、第80巻、第1
2号、3157−3171頁(1997年)に記載の方
法や、バーンサイドらのケミカル・マテリアルズ、第1
0巻、第9号、2419−2425頁に記載の方法も好
ましい。
【0027】本発明の金属酸化物微粒子を固体基板上に
塗布するには、酸化体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を固体基板上に塗布する方法の他に、前述のゾルゲル
法等を使用することもできる。DNAチップの量産化や
支持体の融通性を考慮すると、湿式の製膜方法が比較的
有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法
が代表的である。
塗布するには、酸化体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を固体基板上に塗布する方法の他に、前述のゾルゲル
法等を使用することもできる。DNAチップの量産化や
支持体の融通性を考慮すると、湿式の製膜方法が比較的
有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法
が代表的である。
【0028】本発明の金属酸化物微粒子の分散液を作製
する方法としては、前述のゾルゲル法の他に、乳鉢です
りつぶす方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方
法、あるいは金属酸化物を合成する際に、溶媒中で微粒
子として析出させ、そのまま使用する方法が挙げられ
る。
する方法としては、前述のゾルゲル法の他に、乳鉢です
りつぶす方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方
法、あるいは金属酸化物を合成する際に、溶媒中で微粒
子として析出させ、そのまま使用する方法が挙げられ
る。
【0029】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リマー、界面活性剤、酸またはキレート剤等を分散助剤
として用いてもよい。
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リマー、界面活性剤、酸またはキレート剤等を分散助剤
として用いてもよい。
【0030】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてはエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭5
8−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国
特許2681294号、同2761419号、同276
1791号等に記載のスライドホッパー法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また、汎用機と
してスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法と
しては凸版、オフセットおよびグラビアの三大印刷法を
はじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。
これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ま
しい製膜方法を選択する。
してローラ法、ディップ法、メータリング系としてはエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭5
8−4589号に開示されているワイヤーバー法、米国
特許2681294号、同2761419号、同276
1791号等に記載のスライドホッパー法、エクストル
ージョン法、カーテン法等が好ましい。また、汎用機と
してスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法と
しては凸版、オフセットおよびグラビアの三大印刷法を
はじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。
これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ま
しい製膜方法を選択する。
【0031】本発明で用いる金属酸化物微粒子の分散液
の粘度は、該微粒子の種類や分散性、使用溶媒種、界面
活性剤やバインダー等の添加剤により大きく左右され
る。高粘度液(例えば、0.01乃至500Poise
の範囲)ではエクストルージョン法、キャスト法、スク
リーン印刷法等が好ましい。また、低粘度液(例えば、
0.1Poise以下)では、スライドホッパー法、ワ
イヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にす
ることが可能である。なお、ある程度の塗布量があれ
ば、低粘度液の場合でもエクストルージョン法による塗
布は可能である。このように塗布液の粘度、塗布量、固
体基板種、塗布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を採
用すればよい。
の粘度は、該微粒子の種類や分散性、使用溶媒種、界面
活性剤やバインダー等の添加剤により大きく左右され
る。高粘度液(例えば、0.01乃至500Poise
の範囲)ではエクストルージョン法、キャスト法、スク
リーン印刷法等が好ましい。また、低粘度液(例えば、
0.1Poise以下)では、スライドホッパー法、ワ
イヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にす
ることが可能である。なお、ある程度の塗布量があれ
ば、低粘度液の場合でもエクストルージョン法による塗
布は可能である。このように塗布液の粘度、塗布量、固
体基板種、塗布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を採
用すればよい。
【0032】本発明の金属酸化物微粒子層の厚さは、
0.01乃至100μmの範囲にあることが好ましく、
0.1乃至30μmの範囲にあることがより好ましく、
0.13μmの範囲にあることが特に好ましい。金属微
粒子の1m2当たりの塗布量は、0.01乃至40gの
範囲にあることが好ましく、0.1乃至10gの範囲に
あることが特に好ましい。
0.01乃至100μmの範囲にあることが好ましく、
0.1乃至30μmの範囲にあることがより好ましく、
0.13μmの範囲にあることが特に好ましい。金属微
粒子の1m2当たりの塗布量は、0.01乃至40gの
範囲にあることが好ましく、0.1乃至10gの範囲に
あることが特に好ましい。
【0033】本発明の金属酸化物微粒子を付与した固体
基板は、設置した膜と基板の密着性を向上させるため
に、加熱処理することが好ましい。加熱温度の範囲は、
40乃至400℃の範囲にあることが好ましく、60乃
至300℃の範囲にあることが特に好ましい。また、加
熱時間は、1分乃至10時間の範囲にあることが好まし
い。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い基板
を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため好ま
しくない。また、コストの観点からもできる限り低温で
あるのが好ましい。低温下では、先に述べた5nm以下
の小さい金属酸化物微粒子の併用や鉱酸の存在下での加
熱処理により可能となる。
基板は、設置した膜と基板の密着性を向上させるため
に、加熱処理することが好ましい。加熱温度の範囲は、
40乃至400℃の範囲にあることが好ましく、60乃
至300℃の範囲にあることが特に好ましい。また、加
熱時間は、1分乃至10時間の範囲にあることが好まし
い。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い基板
を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため好ま
しくない。また、コストの観点からもできる限り低温で
あるのが好ましい。低温下では、先に述べた5nm以下
の小さい金属酸化物微粒子の併用や鉱酸の存在下での加
熱処理により可能となる。
【0034】本発明の金属酸化物を用いるDNA断片の
固定方法においては、pKa値が12以下の酸素酸を被
覆剤として用いることが、検出の際のバックグラウンド
を低下させ、好ましい結果を与える。
固定方法においては、pKa値が12以下の酸素酸を被
覆剤として用いることが、検出の際のバックグラウンド
を低下させ、好ましい結果を与える。
【0035】この中で、本発明で特に有効な酸素酸は、
リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ホスホン
酸類、ホスホン酸モノエステル類、カルボン酸類、ホウ
酸モノエステル類、ホウ酸ジエステル類、スクアリン酸
類、カテコール類、ボロン酸類およびボロン酸モノエス
テル類である。
リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類、ホスホン
酸類、ホスホン酸モノエステル類、カルボン酸類、ホウ
酸モノエステル類、ホウ酸ジエステル類、スクアリン酸
類、カテコール類、ボロン酸類およびボロン酸モノエス
テル類である。
【0036】以下、それぞれについて好ましい具体例を
挙げる。リン酸モノエステル類の例としては、リン酸モ
ノオクチルエステルジナトリウム塩、リン酸モノドデシ
ルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノオクタデシル
エステルなどが挙げられる。リン酸ジエステル類として
は、リン酸ジベンジルエステル、リン酸ジブチルエステ
ル、リン酸ジデシルエステル、リン酸ジ−(2−エチル
ヘキシル)エステル、リン酸ジヘキサデシルエステルな
どが挙げられる。ホスホン酸類としては、4−ブトキシ
フェニルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ドデシルホ
スホン酸などが挙げられる。ホスホン酸モノエステル類
としては、ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、エ
トキシカルボニルメチルホスホン酸モノエチルエステル
などが挙げられる。カルボン酸類としては、プロピオン
酸、酪酸、ヘキサン酸、ドデカン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、ヘキサデカン酸、安息香酸、3−クロロ安息香
酸、4−ドデシルオキシ安息香酸、ドデシルコハク酸、
4−ブトキシフタル酸などが挙げられる。ホウ酸モノエ
ステル類としては、ホウ酸モノデシルエステル、ホウ酸
モノオクタデシルエステルなどが挙げられる。ホウ酸ジ
エステル類としては、ホウ酸ジオクチルエステル、ホウ
酸ジヘキサデシルエステルなどが挙げられる。スクアリ
ン酸類としてはスクアリン酸、スクアリン酸ジナトリウ
ム塩、スクアリン酸モノシクロヘキシルエステルなどが
挙げられる。カテコール類としては、4−t−ブチルカ
テコール、4−ヘキサデシルオキシカテコール、3,5
−ジ−t−ブチルカテコール、3,5−ジスルホカテコ
ールジナトリウム塩などが挙げられる。ボロン酸類とし
ては、5−アセチルチオフェン−2−ボロン酸、ベンゾ
[b]フラン−2−ボロン酸、4−ベンジルオキシフェ
ニルボロン酸、4−ビフェニルボロン酸、4−ブチルフ
ェニルボロン酸、フェニルボロン酸ジエチルエステルな
どが挙げられる。
挙げる。リン酸モノエステル類の例としては、リン酸モ
ノオクチルエステルジナトリウム塩、リン酸モノドデシ
ルエステルモノナトリウム塩、リン酸モノオクタデシル
エステルなどが挙げられる。リン酸ジエステル類として
は、リン酸ジベンジルエステル、リン酸ジブチルエステ
ル、リン酸ジデシルエステル、リン酸ジ−(2−エチル
ヘキシル)エステル、リン酸ジヘキサデシルエステルな
どが挙げられる。ホスホン酸類としては、4−ブトキシ
フェニルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ドデシルホ
スホン酸などが挙げられる。ホスホン酸モノエステル類
としては、ベンジルホスホン酸モノエチルエステル、エ
トキシカルボニルメチルホスホン酸モノエチルエステル
などが挙げられる。カルボン酸類としては、プロピオン
酸、酪酸、ヘキサン酸、ドデカン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、ヘキサデカン酸、安息香酸、3−クロロ安息香
酸、4−ドデシルオキシ安息香酸、ドデシルコハク酸、
4−ブトキシフタル酸などが挙げられる。ホウ酸モノエ
ステル類としては、ホウ酸モノデシルエステル、ホウ酸
モノオクタデシルエステルなどが挙げられる。ホウ酸ジ
エステル類としては、ホウ酸ジオクチルエステル、ホウ
酸ジヘキサデシルエステルなどが挙げられる。スクアリ
ン酸類としてはスクアリン酸、スクアリン酸ジナトリウ
ム塩、スクアリン酸モノシクロヘキシルエステルなどが
挙げられる。カテコール類としては、4−t−ブチルカ
テコール、4−ヘキサデシルオキシカテコール、3,5
−ジ−t−ブチルカテコール、3,5−ジスルホカテコ
ールジナトリウム塩などが挙げられる。ボロン酸類とし
ては、5−アセチルチオフェン−2−ボロン酸、ベンゾ
[b]フラン−2−ボロン酸、4−ベンジルオキシフェ
ニルボロン酸、4−ビフェニルボロン酸、4−ブチルフ
ェニルボロン酸、フェニルボロン酸ジエチルエステルな
どが挙げられる。
【0037】これらの被覆剤を固相担体上に付与する場
合には、水あるいは水と混和可能な有機溶媒、またはこ
れらの混合溶媒に溶解して、固相担体上に塗布する方
法、スプレーする方法、あるいはこの溶液に固相担体を
浸漬する方法が好ましく用いられる。
合には、水あるいは水と混和可能な有機溶媒、またはこ
れらの混合溶媒に溶解して、固相担体上に塗布する方
法、スプレーする方法、あるいはこの溶液に固相担体を
浸漬する方法が好ましく用いられる。
【0038】被覆剤の固相担体上へ付与する量に関して
は、本発明の金属酸化物の種類や量、固相担体表面の粗
さによっても異なるが、通常1m2当たり0.01mg
乃至10gの範囲にあることが好ましく、0.1mg乃
至1gの範囲にあることが特に好ましい。
は、本発明の金属酸化物の種類や量、固相担体表面の粗
さによっても異なるが、通常1m2当たり0.01mg
乃至10gの範囲にあることが好ましく、0.1mg乃
至1gの範囲にあることが特に好ましい。
【0039】本発明の金属酸化物を用いるDNA断片の
固定方法においては、DNA断片点着時や被覆剤による
被覆時に、塩基が固定化を促進する場合があり、本発明
においても塩基を好ましく用いることができる。本発明
で用いることができる塩基としては、無機または有機の
塩基であることが好ましく、これらを組み合わせて用い
ることも好ましい。無機塩基の例としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ
る。有機塩基の例としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、ジメチ
ルベンジルアミン、ジエチルアニリン、ピリジン、4−
ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシ
ド、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミ
ド、フッ化テトラブチルアンモニウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウムなどが挙げられる。
固定方法においては、DNA断片点着時や被覆剤による
被覆時に、塩基が固定化を促進する場合があり、本発明
においても塩基を好ましく用いることができる。本発明
で用いることができる塩基としては、無機または有機の
塩基であることが好ましく、これらを組み合わせて用い
ることも好ましい。無機塩基の例としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ
る。有機塩基の例としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、ジメチ
ルベンジルアミン、ジエチルアニリン、ピリジン、4−
ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシ
ド、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミ
ド、フッ化テトラブチルアンモニウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウムなどが挙げられる。
【0040】本発明の金属酸化物を用いる固定方法にお
いては、DNA断片点着時、被覆剤による被覆時に、溶
媒として水の他に種々の有機溶媒を用いることができ
る。有機溶媒としてはトルエン、キシレン、n−ヘキサ
ンのような疎水的な溶媒を用いることもできるが、水と
混和する極性の高い溶媒が好ましい。その例としては、
酢酸エチル、酢酸メチル、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノー
ル、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタ
ミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、グリセリン、2−メトキシエタノ
ール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、酢酸、ピリジン、ギ酸、プロピオン
酸、酪酸などが挙げられる。
いては、DNA断片点着時、被覆剤による被覆時に、溶
媒として水の他に種々の有機溶媒を用いることができ
る。有機溶媒としてはトルエン、キシレン、n−ヘキサ
ンのような疎水的な溶媒を用いることもできるが、水と
混和する極性の高い溶媒が好ましい。その例としては、
酢酸エチル、酢酸メチル、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノー
ル、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタ
ミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、グリセリン、2−メトキシエタノ
ール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、酢酸、ピリジン、ギ酸、プロピオン
酸、酪酸などが挙げられる。
【0041】本発明の金属酸化物を用いる固定方法にお
いては、DNA断片点着時、被覆剤による被覆時に、室
温付近あるいは冷却して反応することができるが、加熱
することも好ましい。冷却する場合はその温度が5乃至
10℃の範囲にあることが好ましく、加熱する場合には
その温度が40乃至150℃の範囲にあることが好まし
く、50乃至130℃の範囲にあることがより好まし
く、50乃至100℃の範囲にあることが特に好まし
い。また、反応の際には、反応溶媒の揮発、揮散を防ぐ
目的、あるいは調湿やガス状の試薬を供給するためにで
周囲を隔壁で覆って行うことも好ましい。圧力をかける
必要がある反応についてはオートクレーブなどの耐圧力
容器中で反応を行うこともできる。
いては、DNA断片点着時、被覆剤による被覆時に、室
温付近あるいは冷却して反応することができるが、加熱
することも好ましい。冷却する場合はその温度が5乃至
10℃の範囲にあることが好ましく、加熱する場合には
その温度が40乃至150℃の範囲にあることが好まし
く、50乃至130℃の範囲にあることがより好まし
く、50乃至100℃の範囲にあることが特に好まし
い。また、反応の際には、反応溶媒の揮発、揮散を防ぐ
目的、あるいは調湿やガス状の試薬を供給するためにで
周囲を隔壁で覆って行うことも好ましい。圧力をかける
必要がある反応についてはオートクレーブなどの耐圧力
容器中で反応を行うこともできる。
【0042】表面処理がされた固相担体表面上には、さ
らに、電荷を有する親水性高分子等からなる層や架橋剤
からなる層を設けてもよい。このような層を設けること
によって表面処理がされた固相担体の凹凸を軽減するこ
とができる。固相担体の種類によっては、その担体中に
親水性高分子等を含有させることも可能であり、このよ
うな処理を施した固相担体も好ましく用いることができ
る。
らに、電荷を有する親水性高分子等からなる層や架橋剤
からなる層を設けてもよい。このような層を設けること
によって表面処理がされた固相担体の凹凸を軽減するこ
とができる。固相担体の種類によっては、その担体中に
親水性高分子等を含有させることも可能であり、このよ
うな処理を施した固相担体も好ましく用いることができ
る。
【0043】DNA断片は、目的によって二通りに分け
ることができる。遺伝子の発現を調べるためには、cD
NA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを
使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチド
は、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデー
タベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブ
ラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテン
プレートとしてPCR法によって増幅して調製する(以
下、「PCR産物」という。)。PCR法によって増幅
しないものも好ましく使用することができる。また、遺
伝子の変異や多型を調べるには、標準となる既知の配列
をもとにして、変異や多型に対応する種々のオリゴヌク
レオチドを合成し、これを使用することが好ましい。さ
らに、塩基配列分析の場合には、4n(nは、塩基の長
さ)種のオリゴヌクレオチドを合成したものを使用する
ことが好ましい。DNA断片の塩基配列は、一般的な塩
基配列決定法によって予めその配列が決定されているこ
とが好ましい。DNA断片は、2乃至50量体であるこ
とが好ましく、10乃至25量体であることが特に好ま
しい。
ることができる。遺伝子の発現を調べるためには、cD
NA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを
使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチド
は、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデー
タベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブ
ラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテン
プレートとしてPCR法によって増幅して調製する(以
下、「PCR産物」という。)。PCR法によって増幅
しないものも好ましく使用することができる。また、遺
伝子の変異や多型を調べるには、標準となる既知の配列
をもとにして、変異や多型に対応する種々のオリゴヌク
レオチドを合成し、これを使用することが好ましい。さ
らに、塩基配列分析の場合には、4n(nは、塩基の長
さ)種のオリゴヌクレオチドを合成したものを使用する
ことが好ましい。DNA断片の塩基配列は、一般的な塩
基配列決定法によって予めその配列が決定されているこ
とが好ましい。DNA断片は、2乃至50量体であるこ
とが好ましく、10乃至25量体であることが特に好ま
しい。
【0044】DNA断片の点着は、DNA断片を水性媒
体に溶解あるいは分散した水性液を、96穴もしくは3
84穴プラスチックプレートに分注し、分注した水性液
をスポッター装置等を用いて固相担体表面上に滴下して
行うことが好ましい。
体に溶解あるいは分散した水性液を、96穴もしくは3
84穴プラスチックプレートに分注し、分注した水性液
をスポッター装置等を用いて固相担体表面上に滴下して
行うことが好ましい。
【0045】点着後のDNA断片の乾燥を防ぐために、
DNA断片が溶解あるいは分散してなる水性液中に、高
沸点の物質を添加してもよい。高沸点の物質としては、
DNA断片が溶解あるいは分散してなる水性液に溶解し
得るものであって、試料核酸断片とのハイブリダイゼー
ションを妨げることがなく、かつ粘性の大きくない物質
であることが好ましい。このような物質としては、グリ
セリン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドお
よび低分子の親水性ポリマーを挙げることができる。親
水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げる
ことができる。ポリマーの分子量は103乃至106の範
囲にあることが好ましい。高沸点の物質としては、グリ
セリンあるいはエチレングリコールを用いることがさら
に好ましく、グリセリンを用いることが特に好ましい。
高沸点の物質の濃度は、DNA断片の水性液中、0.1
乃至2容量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至
1容量%の範囲にあることが特に好ましい。
DNA断片が溶解あるいは分散してなる水性液中に、高
沸点の物質を添加してもよい。高沸点の物質としては、
DNA断片が溶解あるいは分散してなる水性液に溶解し
得るものであって、試料核酸断片とのハイブリダイゼー
ションを妨げることがなく、かつ粘性の大きくない物質
であることが好ましい。このような物質としては、グリ
セリン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドお
よび低分子の親水性ポリマーを挙げることができる。親
水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げる
ことができる。ポリマーの分子量は103乃至106の範
囲にあることが好ましい。高沸点の物質としては、グリ
セリンあるいはエチレングリコールを用いることがさら
に好ましく、グリセリンを用いることが特に好ましい。
高沸点の物質の濃度は、DNA断片の水性液中、0.1
乃至2容量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至
1容量%の範囲にあることが特に好ましい。
【0046】また、同じ目的のために、DNA断片を点
着した後の固相担体を、90%以上の湿度および25乃
至50℃の温度範囲の環境に置くことも好ましい。
着した後の固相担体を、90%以上の湿度および25乃
至50℃の温度範囲の環境に置くことも好ましい。
【0047】DNA断片を点着後、紫外線、水素化ホウ
素ナトリウムあるいはシッフ試薬による後処理を施して
もよい。これらの後処理は、複数の種類を組み合わせて
行ってもよく、加熱処理と紫外線処理を組み合わせて行
うことが特に好ましい。点着後は、インキュベーション
を行うことも好ましい。インキュベート後、未点着のD
NA断片を洗浄して除去することが好ましい。
素ナトリウムあるいはシッフ試薬による後処理を施して
もよい。これらの後処理は、複数の種類を組み合わせて
行ってもよく、加熱処理と紫外線処理を組み合わせて行
うことが特に好ましい。点着後は、インキュベーション
を行うことも好ましい。インキュベート後、未点着のD
NA断片を洗浄して除去することが好ましい。
【0048】DNA断片の固定量は、固相担体表面に対
して、102乃至105種類/cm2の範囲にあることが
好ましい。DNA断片の量は、1乃至1015モルの範囲
にあり、重量としては数ng以下であることが好まし
い。点着によって、DNA断片の水性液は、固相担体表
面にドットの形状で固定される。ドットの形状は、ほと
んど円形である。形状に変動がないことは、遺伝子発現
の定量的解析や一塩基変異を解析するために重要であ
る。ドット間の距離は、0乃至1.5mmの範囲にある
ことが好ましく、100乃至300μmの範囲にあるこ
とが特に好ましい。1つのドットの大きさは、直径が5
0乃至300μmの範囲にあることが好ましい。点着す
る量は、100pL乃至1μLの範囲にあることが好ま
しく、1乃至100nLの範囲にあることが特に好まし
い。
して、102乃至105種類/cm2の範囲にあることが
好ましい。DNA断片の量は、1乃至1015モルの範囲
にあり、重量としては数ng以下であることが好まし
い。点着によって、DNA断片の水性液は、固相担体表
面にドットの形状で固定される。ドットの形状は、ほと
んど円形である。形状に変動がないことは、遺伝子発現
の定量的解析や一塩基変異を解析するために重要であ
る。ドット間の距離は、0乃至1.5mmの範囲にある
ことが好ましく、100乃至300μmの範囲にあるこ
とが特に好ましい。1つのドットの大きさは、直径が5
0乃至300μmの範囲にあることが好ましい。点着す
る量は、100pL乃至1μLの範囲にあることが好ま
しく、1乃至100nLの範囲にあることが特に好まし
い。
【0049】上記の工程によって作製されたDNAチッ
プの寿命は、cDNAが固定されてなるcDNAチップ
で数週間、オリゴDNAが固定されてなるオリゴDNA
チップではさらに長期間である。これらのDNAチップ
は、遺伝子発現のモニタリング、塩基配列の決定、変異
解析、多型解析等に利用される。検出原理は、後述する
標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼーションであ
る。
プの寿命は、cDNAが固定されてなるcDNAチップ
で数週間、オリゴDNAが固定されてなるオリゴDNA
チップではさらに長期間である。これらのDNAチップ
は、遺伝子発現のモニタリング、塩基配列の決定、変異
解析、多型解析等に利用される。検出原理は、後述する
標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼーションであ
る。
【0050】標織方法としては、大別してRI法と非R
I法(蛍光法、ビオチン法、電気化学的方法、化学発光
法等)とが知られているが、本発明のDNAチップは、
蛍光法を用いる際に特に有利である。蛍光物質として
は、核酸の塩基部分と結合できるものであれば何れも用
いることができるが、たとえば、シアニン色素(例え
ば、CyDyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ロー
ダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミ
ノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAFのヨ
ウ素誘導体)を使用することができる。
I法(蛍光法、ビオチン法、電気化学的方法、化学発光
法等)とが知られているが、本発明のDNAチップは、
蛍光法を用いる際に特に有利である。蛍光物質として
は、核酸の塩基部分と結合できるものであれば何れも用
いることができるが、たとえば、シアニン色素(例え
ば、CyDyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ロー
ダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミ
ノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAFのヨ
ウ素誘導体)を使用することができる。
【0051】なお、上記の標識を利用する以外にも、導
電性基を持ち、形成されたハイブリッド構造体に取り込
まれる性質を持つインターカレータを用いる電気化学的
な検出方法を利用する方法も知られており、本発明のD
NAチップは電気化学的な検出方法に利用することもで
きる。あるいは、蛍光発生基を持ち、形成されたハイブ
リッド構造体に取り込まれる性質を持つインターカレー
タを用いて、ハイブリッドの形成を蛍光法により検出方
法を利用する方法も知られており、本発明のDNAチッ
プはこの検出方法に利用することもできる。
電性基を持ち、形成されたハイブリッド構造体に取り込
まれる性質を持つインターカレータを用いる電気化学的
な検出方法を利用する方法も知られており、本発明のD
NAチップは電気化学的な検出方法に利用することもで
きる。あるいは、蛍光発生基を持ち、形成されたハイブ
リッド構造体に取り込まれる性質を持つインターカレー
タを用いて、ハイブリッドの形成を蛍光法により検出方
法を利用する方法も知られており、本発明のDNAチッ
プはこの検出方法に利用することもできる。
【0052】試料として用いる核酸断片としては、その
配列や機能が未知であるDNA断片試料あるいはRNA
断片試料を用いることが好ましい。試料核酸断片は、遺
伝子発現を調べる目的では、真核生物の細胞や組織サン
プルから単離することが好ましい。試料がゲノムなら
ば、赤血球を除く任意の組織サンプルから単離すること
が好ましい。赤血球を除く任意の組織は、末梢血液リン
パ球、皮膚、毛髪、精液等であることが好ましい。試料
がmRNAならば、mRNAが発現される組織サンプル
から抽出することが好ましい。mRNAは、逆転写反応
により標識dNTP(「dNTP」は、塩基がアデニン
(A)、シトシン(C)、グアニン(G)もしくはチミ
ン(T)であるデオキシリボヌクレオチドを意味す
る。)を取り込ませて標識cDNAとすることが好まし
い。dNTPとしては、化学的な安定性のため、dCT
Pを用いることが好ましい。1回のハイブリダイゼーシ
ョンに必要なmRNA量は、液量や標識方法によって異
なるが、数μg以下であることが好ましい。尚、DNA
チップ上のDNA断片がオリゴDNAである場合には、
試料核酸断片は低分子化しておくことが望ましい。原核
生物の細胞では、mRNAの選択的な抽出が困難なた
め、全RNAを標識することが好ましい。
配列や機能が未知であるDNA断片試料あるいはRNA
断片試料を用いることが好ましい。試料核酸断片は、遺
伝子発現を調べる目的では、真核生物の細胞や組織サン
プルから単離することが好ましい。試料がゲノムなら
ば、赤血球を除く任意の組織サンプルから単離すること
が好ましい。赤血球を除く任意の組織は、末梢血液リン
パ球、皮膚、毛髪、精液等であることが好ましい。試料
がmRNAならば、mRNAが発現される組織サンプル
から抽出することが好ましい。mRNAは、逆転写反応
により標識dNTP(「dNTP」は、塩基がアデニン
(A)、シトシン(C)、グアニン(G)もしくはチミ
ン(T)であるデオキシリボヌクレオチドを意味す
る。)を取り込ませて標識cDNAとすることが好まし
い。dNTPとしては、化学的な安定性のため、dCT
Pを用いることが好ましい。1回のハイブリダイゼーシ
ョンに必要なmRNA量は、液量や標識方法によって異
なるが、数μg以下であることが好ましい。尚、DNA
チップ上のDNA断片がオリゴDNAである場合には、
試料核酸断片は低分子化しておくことが望ましい。原核
生物の細胞では、mRNAの選択的な抽出が困難なた
め、全RNAを標識することが好ましい。
【0053】試料核酸断片は、遺伝子の変異や多型を調
べる目的では、標識プライマーもしくは標識dNTPを
含む反応系で標的領域のPCRを行なって調製すること
が好ましい。
べる目的では、標識プライマーもしくは標識dNTPを
含む反応系で標的領域のPCRを行なって調製すること
が好ましい。
【0054】ハイブリダイゼーション操作は、96穴も
しくは384穴プラスチックプレートに分注しておい
た、標識した試料核酸断片が溶解あるいは分散してなる
水性液を、上記で作製したDNAチップ上に点着するこ
とによつて実施することが好ましい。点着の量は、1乃
至100nLの範囲にあることが好ましい。ハイブリダ
イゼーション操作は、室温乃至70℃の温度範囲で、そ
して6乃至20時間の範囲で実施することが好ましい。
ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液と
の混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸断片
を除去することが好ましい。界面活性剤としては、ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが好まし
い。緩衝液としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、
ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いる
ことができるが、クエン酸緩衝液を用いることが特に好
ましい。
しくは384穴プラスチックプレートに分注しておい
た、標識した試料核酸断片が溶解あるいは分散してなる
水性液を、上記で作製したDNAチップ上に点着するこ
とによつて実施することが好ましい。点着の量は、1乃
至100nLの範囲にあることが好ましい。ハイブリダ
イゼーション操作は、室温乃至70℃の温度範囲で、そ
して6乃至20時間の範囲で実施することが好ましい。
ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液と
の混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸断片
を除去することが好ましい。界面活性剤としては、ドデ
シル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが好まし
い。緩衝液としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、
ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いる
ことができるが、クエン酸緩衝液を用いることが特に好
ましい。
【0055】DNAチップを用いるハイブリダイゼーシ
ョンの特徴は、標識した試料核酸断片の使用量が非常に
少ないことである。そのため、固相担体に固定するDN
A断片の鎖長や標識した試料核酸断片の種類により、ハ
イブリダイゼーションの最適条件を設定する必要があ
る。遺伝子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検
出できるように、長時間のハイブリダイゼーションを行
うことが好ましい。一塩基変異の検出には、短時間のハ
イブリダイゼーションを行うことが好ましい。また、互
いに異なる蛍光物質によって標識した試料核酸断片を二
種類用意し、これらを同時にハイブリダイゼーションに
用いることにより、同一のDNAチップ上で発現量の比
較や定量ができる特徴もある。
ョンの特徴は、標識した試料核酸断片の使用量が非常に
少ないことである。そのため、固相担体に固定するDN
A断片の鎖長や標識した試料核酸断片の種類により、ハ
イブリダイゼーションの最適条件を設定する必要があ
る。遺伝子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検
出できるように、長時間のハイブリダイゼーションを行
うことが好ましい。一塩基変異の検出には、短時間のハ
イブリダイゼーションを行うことが好ましい。また、互
いに異なる蛍光物質によって標識した試料核酸断片を二
種類用意し、これらを同時にハイブリダイゼーションに
用いることにより、同一のDNAチップ上で発現量の比
較や定量ができる特徴もある。
【0056】
【実施例】[実施例1]DNA断片固定スライドの作成
及びDNA断片の固定量の測定 (1)金属酸化物が薄膜状に施されたスライド(C)の
作成 スライドガラス(25mm×75mm)上に酸化チタン
を蒸着したものを作製し、スライド(C)とした。
及びDNA断片の固定量の測定 (1)金属酸化物が薄膜状に施されたスライド(C)の
作成 スライドガラス(25mm×75mm)上に酸化チタン
を蒸着したものを作製し、スライド(C)とした。
【0057】(2)DNA断片の点着、被覆剤の付与お
よび蛍光強度の測定 5'未端が蛍光標織試薬(FluoroLink Cy
5dCTP、アマシャム・ファルマシア・バイオテック
社製)で修飾されたDNA断片(CTAGTCTGTGAAGTGTCTGA
TC5')を0.1M炭酸緩衝液(pH9.3)に分散し
てなる水性液(1×10-6M、1μL)とし、上記
(1)で得たスライド(C)にこれを点着した。直ち
に、それぞれの点着後のスライドを60℃、湿度90%
にて1時間放置した後、このスライドを0.1重量%S
DS(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×S
SC:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SSC:標
準食塩クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.2×
SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄
後のスライドを0.1Mスクアリン酸水溶液(pH1
0)中に1時間30分浸漬した後、蒸留水で洗浄し、室
温で乾燥させ、DNA断片が固定されたスライド(D
1)を得た。このスライド表面の蛍光強度を蛍光スキャ
ニング装置で測定したところ、1688であった。本発
明の固定化方法により、DNA断片が効率よくスライド
ガラスに固定されたことが分かる。
よび蛍光強度の測定 5'未端が蛍光標織試薬(FluoroLink Cy
5dCTP、アマシャム・ファルマシア・バイオテック
社製)で修飾されたDNA断片(CTAGTCTGTGAAGTGTCTGA
TC5')を0.1M炭酸緩衝液(pH9.3)に分散し
てなる水性液(1×10-6M、1μL)とし、上記
(1)で得たスライド(C)にこれを点着した。直ち
に、それぞれの点着後のスライドを60℃、湿度90%
にて1時間放置した後、このスライドを0.1重量%S
DS(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×S
SC:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SSC:標
準食塩クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.2×
SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄
後のスライドを0.1Mスクアリン酸水溶液(pH1
0)中に1時間30分浸漬した後、蒸留水で洗浄し、室
温で乾燥させ、DNA断片が固定されたスライド(D
1)を得た。このスライド表面の蛍光強度を蛍光スキャ
ニング装置で測定したところ、1688であった。本発
明の固定化方法により、DNA断片が効率よくスライド
ガラスに固定されたことが分かる。
【0058】[実施例2]試料DNA断片の検出 (1)DNAチップの作成 末端が蛍光標識試薬で修飾されていないDNA断片を用
いる以外は実施例1と同様にして、DNA断片が固定さ
れた(D2)を得た。
いる以外は実施例1と同様にして、DNA断片が固定さ
れた(D2)を得た。
【0059】(2)試料DNA断片の検出 5'末端にCy5が結合した22merの試料オリゴヌ
クレオチド(GATCAGACACTTCACAGACTAG5')をハイブリ
ダイゼーション用溶液(4×SSCおよび10重量%の
SDSの混合溶液)(20μL)に分散させたものを、
上記(1)で得たスライド(D2)に付与し、表面を顕
微鏡用カバーガラスで保護した後、モイスチャンバー内
にて60℃で20時間インキュベートした。次いで、こ
のものを0.1重量%SDSと2×SSCとの混合溶
液、0.1重量%SDSと0.2×SSCとの混合溶
液、および0.2×SSC水溶液で順次洗浄した後、6
00rpmで20秒間遠心し、室温で乾燥した。スライ
ドガラス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定
したところ、670であった。
クレオチド(GATCAGACACTTCACAGACTAG5')をハイブリ
ダイゼーション用溶液(4×SSCおよび10重量%の
SDSの混合溶液)(20μL)に分散させたものを、
上記(1)で得たスライド(D2)に付与し、表面を顕
微鏡用カバーガラスで保護した後、モイスチャンバー内
にて60℃で20時間インキュベートした。次いで、こ
のものを0.1重量%SDSと2×SSCとの混合溶
液、0.1重量%SDSと0.2×SSCとの混合溶
液、および0.2×SSC水溶液で順次洗浄した後、6
00rpmで20秒間遠心し、室温で乾燥した。スライ
ドガラス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定
したところ、670であった。
【0060】本発明の固定化方法によって作成されたD
NAチップを用いることによって、DNAチップに固定
されているDNA断片と相補性を有する試料DNA断片
を検出できることが分かる。
NAチップを用いることによって、DNAチップに固定
されているDNA断片と相補性を有する試料DNA断片
を検出できることが分かる。
【0061】
【発明の効果】本発明によって、固相担体表面にDNA
断片を安定かつ迅速に固定することができる。特に、固
相担体表面に本発明の金属酸化物を薄膜状に施し、被覆
剤を用いた場合には、強固にDNA断片を固定すること
ができるとともに、バックグラウンドを小さく抑制する
ことができる。DNA断片の安定な固定は、遺伝子解析
等に有効に利用することができる高い検出限界を有する
DNAチップの作製を可能にする。その一つの例とし
て、本発明によって作製されたDNAチップを用いて、
試料核酸断片とのハイブリダイゼーションを行うことに
より、DNAチップに固定されているDNA断片に相補
性を有する試料核酸断片を感度よく検出することができ
る。
断片を安定かつ迅速に固定することができる。特に、固
相担体表面に本発明の金属酸化物を薄膜状に施し、被覆
剤を用いた場合には、強固にDNA断片を固定すること
ができるとともに、バックグラウンドを小さく抑制する
ことができる。DNA断片の安定な固定は、遺伝子解析
等に有効に利用することができる高い検出限界を有する
DNAチップの作製を可能にする。その一つの例とし
て、本発明によって作製されたDNAチップを用いて、
試料核酸断片とのハイブリダイゼーションを行うことに
より、DNAチップに固定されているDNA断片に相補
性を有する試料核酸断片を感度よく検出することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 篠木 浩 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 Fターム(参考) 2G054 AB07 BA03 BB05 BB11 BB20 CA22 EA03 GA04 GB02 GE03 4B024 AA20 HA14 HA20 4B029 AA23 BB20 CC03 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ42 QQ52 QR55 QR82 QS34 QX01
Claims (6)
- 【請求項1】 表面に金属酸化膜が形成された固相担体
の表面に、DNA断片を液相にて接触させ、該DNA断
片を金属酸化膜に結合させることを特徴とするDNA断
片の固相担体表面への固定方法。 - 【請求項2】 金属酸化物が、アルミニウム、チタン、
ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、イ
ンジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、
鉄、ニッケルまたは銀の酸化物であることを特徴とする
請求項1に記載のDNA断片の固相担体表面への固定方
法。 - 【請求項3】 固相担体の表面へのDNA断片の液相に
ての接触を行なった後、pKa値が12以下の酸素酸で
処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載のDNA
断片の固相担体表面への固定方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のうちのいずれかの方法
により得られたDNAチップ。 - 【請求項5】 請求項4に記載のDNAチップの表面
に、蛍光物質もしくは放射性物質で標識した核酸断片試
料を含む水性液を付与する工程、DNAチップに固定さ
れているDNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハ
イブリダイゼーションによってDNAチップ上に固定す
る工程、そしてDNAチップ上に固定された標識核酸断
片試料の蛍光標識もしくは放射性標識を検出する工程か
らなる、DNAチップ上のDNA断片に対して相補性を
有する核酸断片の検出方法。 - 【請求項6】 請求項4に記載のDNAチップの表面
に、蛍光発生基もしくは導電性基を有するインターカレ
ータと核酸断片試料とを含む水性液を付与する工程、D
NAチップに固定されているDNA断片と相補性を有す
る核酸断片試料をハイブリダイゼーションによってDN
Aチップ上に固定する工程、そしてDNAチップのDN
A断片と核酸断片試料とから形成されたハイブリッド構
造内に取り込まれたインターカレータの蛍光発生基から
発生する蛍光もしくは導電性基を介して流れる電流を検
出する工程からなる、DNAチップ上のDNA断片に対
して相補性を有する核酸断片の検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37107199A JP2001178470A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37107199A JP2001178470A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001178470A true JP2001178470A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18498095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37107199A Withdrawn JP2001178470A (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001178470A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2842826A1 (fr) * | 2002-07-25 | 2004-01-30 | Centre Nat Rech Scient | Procede de fabrication de puces biologiques |
WO2006070841A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Japan Science And Technology Agency | 自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 |
KR100738086B1 (ko) | 2005-12-21 | 2007-07-12 | 삼성전자주식회사 | 금속 산화물이 증착된 고체 지지체를 이용한 핵산 정제방법 및 장치 |
US8110669B2 (en) * | 2002-08-13 | 2012-02-07 | Hai Kang Life Corporation Limited | Apparatus and methods for detecting DNA in biological samples |
JP2020510420A (ja) * | 2017-02-27 | 2020-04-09 | ミダイアグノスティクス・エヌブイmiDiagnostics NV | 核酸を精製し増幅するためのシステムおよび方法 |
-
1999
- 1999-12-27 JP JP37107199A patent/JP2001178470A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2842826A1 (fr) * | 2002-07-25 | 2004-01-30 | Centre Nat Rech Scient | Procede de fabrication de puces biologiques |
WO2004011401A3 (fr) * | 2002-07-25 | 2004-04-08 | Centre Nat Rech Scient | Procede de fabrication de puces biologiques |
US7795182B2 (en) | 2002-07-25 | 2010-09-14 | Centre National De La Recherche Scientifique (C.N.R.S.) | Method for making biochips |
US9266726B2 (en) | 2002-07-25 | 2016-02-23 | Centre National De La Recherche Scentifique (C.N.R.S) | Method for making biochips |
US8110669B2 (en) * | 2002-08-13 | 2012-02-07 | Hai Kang Life Corporation Limited | Apparatus and methods for detecting DNA in biological samples |
WO2006070841A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Japan Science And Technology Agency | 自己組織化材料または微粒子を基板上に固定化する方法、および当該方法を用いて作製した基板 |
US7829546B2 (en) | 2004-12-28 | 2010-11-09 | Japan Science And Technology Agency | Method for immobilizing self-organizing material or fine particle on substrate, and substrate manufactured by using such method |
US8372785B2 (en) | 2004-12-28 | 2013-02-12 | Japan Science And Technology Agency | Method for immobilizing self-organizing material or fine particle on substrate, and substrate manufactured by using such method |
KR100738086B1 (ko) | 2005-12-21 | 2007-07-12 | 삼성전자주식회사 | 금속 산화물이 증착된 고체 지지체를 이용한 핵산 정제방법 및 장치 |
JP2020510420A (ja) * | 2017-02-27 | 2020-04-09 | ミダイアグノスティクス・エヌブイmiDiagnostics NV | 核酸を精製し増幅するためのシステムおよび方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1998053103A1 (en) | Nucleic acid arrays | |
JP3523188B2 (ja) | プローブ分子が固定された検出具の水性処理液 | |
JP2001108683A (ja) | Dna断片固定固相担体、dna断片の固定方法および核酸断片の検出方法 | |
JP3398366B2 (ja) | Dna分析用マイクロアレイの製造方法 | |
JP3996307B2 (ja) | Dna断片の固定方法、dnaチップおよび核酸断片の検出方法 | |
JP2001178470A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001183378A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001183367A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001178472A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2003329685A (ja) | プローブ分子が固定された検出具の処理方法及び水性処理液 | |
JP2001183368A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP3975042B2 (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP3342695B2 (ja) | 反応性固相担体及びdna断片検出用具 | |
JP3568197B2 (ja) | 反応性固相担体及びdna断片検出用具 | |
JP4106215B2 (ja) | 高分子薄膜、高分子薄膜の製造方法、およびバイオチップ | |
JP4554110B2 (ja) | Dnaチップ用結合剤、dnaチップ、およびdnaチップの製造方法 | |
JP4285875B2 (ja) | Dna断片の固定方法 | |
JP3857075B2 (ja) | 反応性固相担体及びdna断片検出用具 | |
JP2001178474A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP4054499B2 (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001178442A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001178471A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ | |
JP2001128697A (ja) | Dna断片固定固相担体、dna断片の固定方法および核酸断片の検出方法 | |
WO2003022769A1 (en) | Modified substrates for the attachment of biomolecules | |
JP2001178469A (ja) | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |