JP4285875B2 - Dna断片の固定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子の発現、変異、多型等の同時解析に非常に有用なDNAチップの作製を用いる、DNAの固相担体表面への固定方法およびDNAチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
多彩な生物の全遺伝子機能を効率的に解析するための技術開発が進んでいる。DNAチップは、スライドガラス等の固相担体に多数のDNA分子を整列させたマイクロアレイであり、遺伝子の発現、変異、多型性等の同時解析に非常に有用である。このDNAチップを用いるDNAチップ技術は、DNA以外の生体分子にも適用可能であり、創薬研究、疾病の診断や予防法の開発、エネルギーや環境問題対策等の研究開発に新しい手段を提供するものとして期待されている。各種チップの作製や解析システムは、米国を中心に極限られた研究機関において開発されている。
【0003】
DNAチップ技術が具体化してきたのは、DNAの塩基配列をオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって決定する方法(SBH:sequencing by hybridization)が考案されたことに始まる(Drmanac,R.et al.,Genomics,4,page 114(1989))。SBHは、ゲル電気泳動を用いる塩基配列決定法の限界を克服できる方法ではあったが、実用化には至らなかった。
【0004】
その後、DNAチップ作製技術が開発され、遺伝子の発現、変異、多型等を短時間で効率よく調べる、いわゆるHTS(high−throughput screeening)が可能となった(Fodor,S.P.A.,Science,251,page 767(1991)およびSchena,M.,Science,270,page 467(1995))。
【0005】
しかし、DNAチップ作製技術を実用化するためには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチドを固相担体表面に整列させるためのDNAチップの作製技術が必要とされる。作製されたDNAチップ上のDNAは、一般的には、標識した標的核酸とのハイブリダイゼーションによって検出される。標識には、ラジオアイソトープ(RI)も用いられるが、現在では蛍光が主流となっている。蛍光による検出には、高性能蛍光スキャナーが用いられる。既に、DNAチップ作製装置(DNAのスポッター装置を含む)、DNAスキャニング装置(蛍光スキャナーを含む)および解析用ソフトを組み込んだ総合システムもいくつか開発されている。
【0006】
DNAチップの作製方法としては、固相担体表面で直接DNAを合成する方法(「オン・チップ法」という。)と、予め調製したDNAを固相担体表面に固定する方法とが知られている。
【0007】
オン・チップ法としては、光照射で選択的に除去される保護基の使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィー技術および固相合成技術とを組み合わせて、微少なマトリックスの所定の領域での選択的合成を行う方法(「マスキング技術」という。)(Fodor,S.P.A.,Science,251,page 767(1991))が代表的である。
【0008】
予め調製したDNAを固相担体表面に固定する方法は、DNAの種類や固相担体の種類に応じて種々の方法がある。
(1)固定するDNAがcDNA(mRNAを鋳型にして合成した相補的DNA)やPCR産物(cDNAをPCR法によって増幅させたDNA断片)の場合には、これらをDNAチップ作製装置を用いて、ポリ陽イオンで表面処理した固相担体表面に点着し、DNAの荷電を利用して、固相担体に静電結合をさせ、次いで余分な陽イオンをブロッキングするのが一般的である。
(2)固定するDNAが合成オリゴヌクレオチドの場合には、官能基を導入したオリゴヌクレオチドを合成し、表面処理した固相担体表面に該オリゴヌクレオチドを点着し、共有結合させる(Lamture,J.B et al.,Nucl.Acids Res.,22,2121−2125,1994およびGuo,Z.,et al.,Nucl.Acids Res.,22,5456−5465,1994)。オリゴヌクレオチドは、一般的には、表面処理した固相担体にスペーサーやクロスリンカーを介して共有結合させる。ガラス表面にポリアクリルアミドゲルの微小片を整列させ、そこに合成オリゴヌクレオチドを共有結合させる方法も知られている(Yershov,G.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94,4913(1996))。また、特殊な方法であるが、シリカDNAチップ上に微小電極のアレイを作製し、電極上にはストレプトアビジンを含むアガロースの浸透層を設けて反応部位とする。この部位をプラスに荷電させることでビオチン化DNAを固定し、部位の荷電を制御することで、高速で厳密なハイブリダイゼーションを可能にする方法がある(Sosnowski,R.G.et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,1119−1123(1997))。
【0009】
予め調製されたDNAを固相担体表面に点着してDNAチップを作製するには、該DNAを該担体表面に安定に固定しなければならない。固定方法は、上記記載のDNAの荷電を利用する方法や共有結合を利用する方法が代表的である。DNAの荷電を利用する方法の変法として、アミノ基で修飾したPCR産物をSSC(標準食塩−クエン酸緩衝液)に懸濁させ、これをシリル化したスライドガラス表面に点着し、インキュベートした後、水素化ホウ素ナトリウムによる処理および加熱処理を順に行う方法が報告されている(Schena,M.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93,10614−10619(1996))が、この固定方法では必ずしも充分な安定度が得られ難いという問題がある。また、DNAチップ技術では、検出限界が重要となる。そのため、固相担体表面に充分な量で安定にDNAが固定されることは、DNAと標識した標的核酸とのハイブリダイゼーションの検出限界の向上に直接繋がると考えられる。従って、DNAの優れた固定方法の開発が必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、固相担体表面に、予め調製したDNA断片を安定に結合させる固定方法、そのDNAチップおよびDNA断片の検出方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、DNA断片と親水性ポリマーとを水性媒体に溶解あるいは分散してなり、親水性ポリマーが、ポリ(1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルメチレン−1,4−フェニレンメチレンクロリド)、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースもしくはアルブミンである水性液を、ポリ−L−リシンで被覆されている固相担体表面に点着し、該担体表面にDNA断片を結合させることを特徴とするDNA断片の固定方法が上記の課題を解決できることが判明した。
【0012】
本発明におけるDNA断片の固定方法の好ましい態様は、DNA断片が、その塩基配列が既知であり、かつその末端にアミノ基が導入されているDNA断片である
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の固定方法は、DNA断片を含む水性液に親水性ポリマーを添加することによって、DNA断片の該担体への結合をさらに安定なものとする方法である。ポリマーの作用機構については、明らかではないが、従来から知られている、DNA断片の固相担体への結合様式としての静電結合を、ポリマーの介在がさらに促進したものと考えられる。また、同時にポリマーの粘性が大きく効を奏しているものと考えられる。
【0016】
遺伝子の解析等には、今日、DNAチップ作製装置(スポッター装置を含む)、DNAスキャニング装置および解析用ソフトを備えたDNA解析総合システムが有用されているが、本発明は、このスポッター装置を用いてDNA断片を点着してDNA断片の固定を行う場合に特に有効である。また、本発明は、その固定方法によって作製されたDNAチップおよびDNA断片の検出にもあるが、これらは、下記記載の模式図に従うDNAチップ技術に属するものである。
【0017】
図1に、DNAチップの製造とDNA断片の探求技術の全体像を、作業の流れに従って模式的に示す。尚、この模式図は、「タンパク質・核酸・酵素」(Vol.43,No.13,1998)から転写したものである。ゲノム配列、cDNA配列、EST(ESTは、3’末端から200〜300bp(bp:base pair)程度のcDNA断片を意味する。)配列等を含むデータベース(11)あるいはクローンの集合体(12)から、PCR法による増幅あるいは化学合成によって、cDNA(21)、EST(21)もしくはオリゴDNA(21)を作成する。(21)を固相担体(31a)表面に固定し、DNAチップ(31)とする。一方、(31)上のDNA断片(31b)とハイブリダイゼーションさせる標識した標的核酸(53)を準備する。該標的核酸(53)は、まず検体(41)からmRNA(51)もしくはゲノムDNA(51)を抽出し、このものよりcDNA(52)もしくは標的DNA(52)を得る。(52)を標識物質(53a)により標識して、標識した標的核酸(53)に誘導する。標的核酸(53)は、DNA断片もしくはRNA断片の何れであってもよい。次いで、DNA断片(31b)と標的核酸(53)とのハイブリダイゼーションを行う。(71)は、ハイブリダイゼーション後のDNAチップ(61)を、解析手段として代表的なDNAスキャニング装置を使って測定した結果であり、その結果は蛍光強度として表される。一般的には、この蛍光強度は、蛍光レーザー顕微鏡、冷却CCDカメラおよびコンピュータを連結した装置で自動的に測定される。(71)より遺伝子発現プロファイルや遺伝子の変異・多型・配列プロファイルを作成し、これを組み込んだ解析用ソフトを使ってデータベース検索を行うこともできる。図2には、ハイブリダイゼーション後のDNAチップを拡大して示す。
【0018】
固相担体としては、疎水性、あるいは親水性に乏しい固相担体であることが好ましい。固相担体の材質は、透明なガラス、シリコンまたはポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリマーであることが好ましい。ガラスもしくはシリコンであることが特に好ましい。これは、表面処理の容易さや蛍光スキャニング装置による解析の容易さによるものである。シリカ表面層を持つガラスも好ましく用いられる。固相担体の厚さは、100〜2000μmの範囲にあることが好ましい。
【0019】
固相担体は、その表面がポリ−L−リシン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミン等で処理されることが好ましい。ポリ−L−リシンを用いることが特に好ましい。アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有する各種シランカップリング剤によってその表面処理を行ってもよい。ポリ−L−リシン等を用いる処理に、シランカップリング剤による処理を組み合わせて行ってもよい。表面処理がされた固相担体上に、さらに、電荷を有する親水性の高分子物質等からなる層や架橋剤からなる層を設けてもよい。また、固相担体によっては、その固相担体中に該高分子等を含ませることも可能であり、このような処理を施した固相担体も好ましく用いることができる。表面処理を行うことによって、疎水性、あるいは親水性に乏しい固相担体とDNA断片との静電的な相互作用を促進することができる。
【0020】
DNA断片の結合は、親水性ポリマーの添加処理によって安定に行うことができるが、さらに安定に行うために、親水性ポリマーの添加処理に、下記に記載する二種類の処理の何れか一方あるいは両方を組み合わせて行うことが好ましい。
【0021】
第一の処理として、DNA断片には、その末端に予め静電的な相互作用に関与しうる官能基を導入することが好ましい。そのような官能基としては、アミノ基、アルデヒド基、チオール基、ビオチン等を挙げることができる。アミノ基であることが好ましい。
【0022】
第二の処理として、DNA断片と親水性ポリマーとの混合溶液を固相担体表面に点着した後、加熱、紫外線(UV)、水素化ホウ素ナトリウムあるいはシッフ試薬による処理を施すことが好ましい。また、これらの処理を複数組み合わせて行ってもよい。加熱処理と紫外線(UV)処理とを組み合わせて行うことが特に好ましい。これらの後処理は、DNA断片の末端に導入した官能基と固相担体との間に架橋を形成し、その結果、DNA断片は固相担体にさらに安定に結合すると考えられる。
【0023】
DNA断片は、目的によって二通りに分けることができる。遺伝子の発現を調べるためには、cDNA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチドは、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデータベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテンプレートとしてPCR法によって増幅して調製する(以下「PCR産物」という。)。PCR法によって増幅しないものも好ましく使用することができる。また、遺伝子の変異や多型を調べるには、標準となる既知の配列をもとにして、変異や多型に対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成し、これを使用することが好ましい。さらに、塩基配列分析の場合には、4n(nは、塩基の長さ)種のオリゴヌクレオチドを合成すし、これを使用することが好ましい。DNA断片の塩基配列は、既知であることが好ましい。
【0024】
DNA断片の点着は、DNA断片と親水性ポリマーとを水性媒体に溶解あるいは分散した水性液を、96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注し、分注された水性液をスポッター装置を用いて固相担体に滴下して行うことが好ましい。
【0025】
親水性ポリマーとしては、カチオン性、アニオン性もしくは両性のイオン性の親水性ポリマーであることが好ましい。ノニオン性ポリマーも好ましく用いることができる。カチオン性ポリマーを用いることが特に好ましい。親水性ポリマーは、DNA断片との静電的な相互作用が強いこと、かつ後述するハイブリダイゼーションに対する阻害作用が少ないことが好ましい。
【0026】
カチオン性ポリマーとしては、四級アミン系ポリマーを用いることが好ましい。具体的には、ポリ(1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルメチレン−1,4−フェニレンメチレンクロリド)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリアクリル酸メチレントリメチルアンモニウムクロリドエステル、ポリアクリル酸エチレントリメチルアンモニウムクロリドエステル等を用いることができる。ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の三級アミン系ポリマーを用いることも好ましい。ポリ(1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルメチレン−1,4−フェニレンメチレンクロリド)を用いることが特に好ましい。
【0027】
ノニオン性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールのアセタール体、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、トレハロース、アルギン酸ナトリウム、でんぷん等の糖誘導体を挙げることができる。ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールもしくはトレハロースを用いることが好ましい。ポリアクリルアミドもしくはポリエチレングリコールを用いることが特に好ましい。
【0028】
アニオン性ポリマーとしては、COO-、SO3 -、OSO3 -、PO3 -、PO2 -等のアニオン含有ポリマーを挙げることができる。カルボキシメチルセルロース、セルロースの硫酸エステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、またはこれらの塩を用いることが好ましい。ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、もしくはカルボキシメチルセルロースを用いることが特に好ましい。
【0029】
両性ポリマーとしては、アルブミン、ゼラチン、ゼラチン誘導体、アルブミン、カゼイン等のタンパク質を用いることが好ましい。アルブミンを用いることが特に好ましい。
【0030】
一般的に、親水性ポリマーのDNA断片の結合に対する効果は、カチオン性、ノニオン性、アニオン性(COO-)、両性、アニオン性(SO3 -)の順に大きい。ポリマーの分子量は、103〜106の範囲にあることが好ましい。分子量がこの範囲を超えると、粘性が大きくなりすぎるため、DNA断片の溶解性や固相担体への結合に影響を及ぼす。親水性ポリマーの濃度は、DNA断片と親水性ポリマーとの水性液中、0.1〜2容量%の範囲にあることが好ましい。0.5〜1容量%の範囲にあることが特に好ましい。
【0031】
点着されるDNA断片は、固相担体表面に対して、102〜105種類/cm2の範囲にあることが好ましい。DNA断片の量は、1〜10-15モルの範囲にあり、重量としては数ng以下であることが好ましい。点着によって、DNA断片と親水性ポリマーとの水性液は、固相担体表面にドットの形状で固定されるが、そのドット間の距離は、0〜1.5mmの範囲にあることが好ましい。100〜300μmの範囲にあることが特に好ましい。1つのドットの大きさは、直径が50〜300μmの範囲にあることが好ましい。点着する量は、100pL〜1μLの範囲にあることが好ましい。1〜100nLの範囲にあることが特に好ましい。
【0032】
点着後は、必要に応じてインキュベーションを行うことが好ましい。インキュベート後、点着されなかったDNA断片を洗浄して除去することが好ましい。
【0033】
前記記載の固相担体表面上のドットの形状は、ほとんど円形である。形状に変動がないことは、遺伝子発現の定量的解析や一塩基変異を解析するために重要である。
【0034】
上記のようにして作製されたDNAチップの寿命は、cDNAが固定されてなるcDNAチップで数週間、オリゴDNAが固定されてなるオリゴDNAチップではさらに長期間である。これらのDNAチップは、遺伝子発現のモニタリング、塩基配列の決定、変異解析、多型解析等に利用される。検出原理は、後述する標識した標的核酸とのハイブリダーゼーションである。
【0035】
標的核酸としては、その配列や機能が未知であるDNA断片試料あるいはRNA断片試料を用いることが好ましい。
【0036】
標的核酸は、遺伝子発現を調べる目的では、真核生物の細胞や組織サンプルから単離することが好ましい。標的がゲノムならば、赤血球を除く任意の組織サンプルから単離することが好ましい。赤血球を除く任意の組織は、抹消血液リンパ球、皮膚、毛髪、精液等であることが好ましい。標的がmRNAならば、mRNAが発現される組織サンプルから抽出することが好ましい。mRNAは、逆転写反応により標識dNTP(「dNTP」は、塩基がアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)もしくはチミン(T)であるデオキシリボヌクレオチドを意味する。)を取り込ませて標識cDNAとすることが好ましい。dNTPとしては、化学的な安定性のため、dCTPを用いることが好ましい。1回のハイブリダイゼーションに必要なmRNA量は、液量や標識方法によって異なるが、数μg以下であることが好ましい。尚、DNAチップ上のDNA断片がオリゴDNAである場合には、標的核酸は低分子化しておくことが望ましい。原核生物の細胞では、mRNAの選択的な抽出が困難なため、全RNAを標識することが好ましい。
【0037】
標的核酸は、遺伝子の変異や多型を調べる目的では、標識プライマーもしくは標識dNTPを含む反応系で標的領域のPCRを行って得ることが好ましい。
【0038】
標識方法としては、RI法と非RI法とがあるが、非RI法を用いることが好ましい。非RI法としては、蛍光標識法、ビオチン標識法、化学発光法等が挙げられるが、蛍光標識法を用いることが好ましい。蛍光物質としては、核酸の塩基部分と結合できるものであれば何れも用いることができるが、シアニン色素(例えば、Cy DyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルアミノフルオレン(AAF)、AAIF(AAFのヨウ素誘導体)などを使用することが好ましい。
【0039】
ハイブリダイゼーションは、96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注しておいた、標識した標的核酸が溶解あるいは分散してなる水性液を、上記で作製したDNAチップ上に点着することによって実施することが好ましい。点着の量は、1〜100nLの範囲にあることが好ましい。ハイブリダイゼーションは、室温〜70℃の温度範囲で、そして6〜20時間の範囲で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の標的核酸を除去することが好ましい。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが好ましい。緩衝液としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を用いることができるが、クエン酸緩衝液を用いることが好ましい。
【0040】
DNAチップを用いるハイブリダイゼーションの特徴は、標識した核酸の使用量が非常に少ないことである。そのため、固相担体に固定するDNA断片の鎖長や標識した標的核酸の種類により、ハイブリダーゼーションの最適条件を設定する必要がある。遺伝子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検出できるように、低い厳密度で長時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。一塩基変異の検出には、高い厳密度で短時間のハイブリダイゼーションを行うことが好ましい。また、互いに異なる蛍光物質によって標識した標的核酸を二種類用意し、これらを同時にハイブリダイゼーションに用いることにより、同一のDNAチップ上で発現量の比較や定量ができる特徴もある。
【0041】
【実施例】
[実施例1]DNA断片の固定
[スライドガラスの調製]
スライドガラス(25mm×75mm)を、水酸化ナトリウム50gを蒸留水150mLおよびエタノール200mLに溶解した溶液に1時間浸水し、洗浄後、10容量%のポリ−L−リシン(シグマ社製)水溶液に1時間浸水した。このものをプレート用遠心機で遠心し、室温にて乾燥した。下記に記載するスライドガラスは、既にこの前処理が行われたスライドガラスを意味する。
【0042】
[DNA断片の調製]
5’位をアミノ基で保護(処理Aとする)し、かつ蛍光標識試薬(FluoroLink Cy5−dCTP、アマシャム・ファルマシア・バイオテック社製)で標識した、酵母由来の特定の配列を有するPCR産物を調製した。
【0043】
[DNA断片の点着]
上記PCR産物(0.5mg/mL)の3×SSC(標準食塩−クエン酸緩衝液)水性液に、CMC(カルボキシメチルセルロース)をその最終濃度が1容量%となるように添加(処理E2とする)した混合溶液1nLを、スライドガラス表面にスポッター装置を用いて点着した。そのスライドガラスを0.2×SSCおよび0.2重量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の混合溶液に10分間浸し、時々振盪した。次いで、エタノールに浸した後、室温で乾燥した。そして、スライドガラス表面の蛍光強度をスキャニング装置を用いて測定した。結果を下記記載の第1表のE2に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004285875
【0045】
上記の処理E2を、下記に記載の処理E3に変える以外は同様な操作を行い、蛍光強度を測定した(第1表)。
処理E3:PCR産物の水溶液に、CMCの最終濃度が0.5容量%となるようにCMCを添加する処理。
【0046】
[実施例2]DNA断片の固定
実施例1の操作に、点着後に、PCR産物を点着したスライドガラスを80℃で1時間加熱する処理(処理Cとする)を加える以外は、実施例1と同様な操作を行い、蛍光強度を測定した(第1表)。
【0047】
[実施例3]DNA断片の固定
実施例2の操作に加えて、処理Cを施した後に、スライドガラス表面に処理B(1−メチル−2−ピロリドン315mLおよび1Mのホウ酸水溶液35mLに無水コハク酸5gを加えた混合溶液で洗浄する)する以外は、実施例2と同様な操作を行い、蛍光強度を測定した(第1表)。尚、実施例2に加えて、下記に記載の処理E1、E4についても同様な操作を行い、それぞれ蛍光強度を測定した(第1表)。
処理E1:PCR産物の水溶液に蒸留水を添加する処理。
処理E4:PCR産物の水溶液に、炭酸水素ナトリウムの最終濃度が0.35Mとなるように炭酸水素ナトリウム水溶液を添加する処理。
表中の*を付した値は、上記のE1あるいはE4を実施して得られた蛍光強度であり、実施例1と実施例2、および下記に記載する実施例4〜6のコントロール値である。
【0048】
[実施例4]DNA断片の固定
実施例2の操作に加えて、処理Cを施した後に、スライドガラス表面を120mJで紫外線(UV)照射(処理Dとする)する以外は、実施例2と同様にして蛍光強度を測定した(第1表)。
【0049】
[実施例5]DNA断片の固定
実施例4の操作に加えて、処理Bを行う以外は実施例4と同様にして蛍光強度を測定した(第1表)。但し、処理Bは、処理Dを施した後に実施した。
【0050】
[実施例6]DNA断片の固定
処理Aを行わない以外は、実施例5と同様にして蛍光強度を測定した(第1表)。第1表には、処理A、B、CおよびDの実施についても併せて記載し、+は実施を、−は非実施を意味する。
【0051】
第1表より、0.5容量%もしくは1容量%のCMCを含むPCR産物の混合溶液を点着した場合に、PCR産物の結合量が多いことが分かった。CMCの濃度が0.5容量%程度である場合が特に優れていることが分かる。また、PCR産物の末端にアミノ基の導入、あるいはPCR産物の混合溶液を点着後に加熱処理や紫外線処理を行うと、さらに結合量が増加することが分かる。特に、実施例4や実施例5では、CMCを全く含有しない場合に比べて10倍以上に結合量が増加した。さらに、ホウ酸水溶液による処理Bは、PCR産物の結合にはほとんど効果がないことが明らかである。
【0052】
[実施例7]相補性を有するDNA断片の検出
[DNAチップの作製]
末端にアミノ基を導入した、約2000塩基対からなる酵母の遺伝子断片であるPCR産物(0.5mg/mL)の3×SSC水性液に、下記第2表に記載の親水性ポリマーを添加した混合溶液1nLを、スライドガラス表面にスポッター装置を用いて点着した。次いで、スライドガラス表面に、前記記載の処理C、DおよびBをこの順で行い、エタノールに浸した後、室温で乾燥した。
【0053】
[標識した標的核酸の調製]
酵母から抽出したmRNAを逆転写反応させたものに、Cy5で標識したdCTPを取り込ませて標識cDNAを調製した。
【0054】
[ハイブリダイーゼーション]
上記標識cDNA(1mM)を、ハイブリダイゼーション用溶液(4×SSCおよび10重量%のSDSの混合溶液)20μLに分散させたものを、前記で得られたDNAチップに重層し、モイスチャーチャンバー内にて、60℃で20時間インキュベートした。次いで、このものを0.1重量%SDSと2×SSCとの混合溶液に浸した。そして、0.1重量%SDSと2×SSCとの混合溶液、0.1重量%SDSと0.2×SSCの混合溶液、および0.2×SSC水溶液で順次洗浄した後、600rpmで20秒間遠心し、室温で乾燥した。スライドガラス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定した。結果を第2表に示す。尚、表中の数値は、親水性ポリマーを使用しない時の蛍光強度の値を1としたときの、親水性ポリマーを使用した時の蛍光強度の比率を示す。これらの蛍光強度の値は、実施例1で得られたスライドガラスに蒸留水のみを点着した時の蛍光強度の値を差し引いたものである。
【0055】
【表2】
【0056】
Figure 0004285875
【0057】
上記第2表より、カチオン性のポリマーであるポリ(1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルメチレン−1,4−フェニレンメチレンクロリド)を用いた場合に、検出されたハイブリッドDNAの濃度が最も高いことが判明した。このことは、DNAチップに結合しているPCR産物の量が高いとは簡単に結論できるものではないが、蒸留水を添加した場合に比較して、約20倍の検出限界の向上に繋がったものといえる。ポリアクリルアミドやポリエチレングリコール(分子量:4000)の場合にも顕著な効果が認めらたが、CMCは、固相担体に安定に結合されるものの、ハイブリダイゼーションの効率は、上記3種のポリマーに比べて低下することが分かった。また、トレハロースような低分子量の化合物は効果が小さいことが分かる。
【0058】
従って、DNA断片の安定な固定に寄与できるポリマーは、適度な分子量を有し、かつDNA断片に対して強い静電的相互作用を有するイオン性の基をその分子中に含むことが必要であると考えられる。本発明における親水性ポリマーの作用機構について、詳細は明らかでないが、親水性ポリマーは、固相担体表面から、DNA断片と固相担体とが静電的相互作用をしている部位までを覆い、静電的な結合に係る役割と接着的な役割とを担っていると考えられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によって、固相担体表面にDNA断片の一端を安定に結合することができる。このことは、遺伝子解析等に有効に利用することができる高い検出限界を有するDNAチップの作製に繋がる。その一つの例として、本発明によって作製されたDNAチップを用いて、DNA断片試料とのハイブリダイゼーションを行うことにより、DNA断片試料の、DNAチップに固定されているDNA断片に対する相補性を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAチップ技術の全体像の模式図である。
【図2】ハイブリダイゼーション後のDNAチップの拡大模式図である。
【符号の説明】
11 ゲノム配列、cDNA配列、EST配列等を含むデータベース
12 クローンの集合体
21 cDNA、ESTもしくはオリゴDNA
31 DNAチップ
31a 固相担体
31b DNA断片
41 検体
51 mRNAもしくはゲノムDNA
52 cDNAもしくは標的DNA
53 標識した標的核酸
53a 標識物質
61 ハイブリダイゼーション後のDNAチップ
71 DNAスキャニング装置を使って測定した結果

Claims (2)

  1. DNA断片と親水性ポリマーとを水性媒体に溶解あるいは分散してなり、親水性ポリマーが、ポリ(1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイルメチレン−1,4−フェニレンメチレンクロリド)、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースもしくはアルブミンである水性液を、ポリ−L−リシンで被覆されている固相担体表面に点着し、該担体表面にDNA断片を結合させることを特徴とするDNA断片の固定方法。
  2. DNA断片が、その塩基配列が既知であり、かつその末端にアミノ基が導入されているDNA断片であることを特徴とする請求項1に記載のDNA断片の固定方法。
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