JP2002031637A - Dna分析素子 - Google Patents

Dna分析素子

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JP2002031637A
JP2002031637A JP2000216031A JP2000216031A JP2002031637A JP 2002031637 A JP2002031637 A JP 2002031637A JP 2000216031 A JP2000216031 A JP 2000216031A JP 2000216031 A JP2000216031 A JP 2000216031A JP 2002031637 A JP2002031637 A JP 2002031637A
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dna analysis
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JP2000216031A
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English (en)
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Yoshihiko Makino
快彦 牧野
Yoshihide Iwaki
義英 岩木
Hiroshi Shinoki
浩 篠木
Osamu Seshimoto
修 瀬志本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料核酸断片を感度および再現性よく検出す
るために特に有効な、試料核酸断片に相補性を有するD
NA断片が試料核酸断片に比較して大過剰量に固定され
てなるDNA分析素子を提供すること。 【解決手段】 固相担体の表面に、一個もしくは複数個
の結合箇所で結合されている連結分子に、該結合箇所よ
りも多数かつ複数個のDNA断片が結合されていること
を特徴とするDNA分析素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料核酸断片を感
度よく検出するために特に有効なDNA分析素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多彩な生物の全遺伝子機能を効率的に解
析するための技術開発が進んでおり、その解析手段とし
て、DNAチップが利用されている。DNAチップは通
常、スライドガラス等の固相担体に多数のDNA断片を
整列固定させたマイクロアレイの形態にあり、DNAチ
ップに固定されているDNA断片と相補性を持つDNA
断片試料をハイブリダイゼーションによってDNAチッ
プ上に固定し、検出する方法に利用される。形成された
ハイブリッドの検出手段としては、DNA断片試料に予
め結合させた蛍光標識あるいは放射性標識を利用する方
法、そしてハイブリッドに取り込まれるインターカレー
タの蛍光発生基もしくは導電性基を検出する方法などが
知られている。
【0003】DNAチップを用いるDNAチップ技術
は、DNA以外の生体分子にも適用可能であり、創薬研
究、疾病の診断や予防法の研究開発に新しい手段を提供
するものとして期待されている。
【0004】DNAの解析手段としてのDNAチップの
利用が具体化してきたのは、DNAの塩基配列をオリゴ
ヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって決定
する方法(SBH, sequencing by hybridization)が考案
されたことに始まる(Drmanac, R.et al., Genomics,
4, page 114(1989))。SBHは、ゲル電気泳動を用い
る塩基配列決定法の限界を克服できる方法ではあった
が、実用化には至っていない。そして、その後、DNA
チップ作製技術が開発され、遺伝子の発現、変異、多型
等を短時間で効率よく調べる、いわゆるHTS(high t
hroughput screening)が可能となった(Fodor, S. P.
A., Science, 251, page 767(1991)およびSchena, M.,
Science, 270, page 467(1995))。
【0005】しかし、DNAチップ技術を実用化するた
めには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチド(本明
細書では、「DNA断片」とは、オリゴヌクレオチドや
ポリヌクレオチドも含めたすべてのDNA断片をい
う。)を固相担体表面に整列固定させるためのDNAチ
ップの作製技術が必要とされる。
【0006】DNAチップの作製方法としては、固相担
体表面で直接DNA断片を合成する方法と、予め別に調
製したDNA断片を固相担体表面に固定する方法とが知
られている。オン・チップ法としては、光照射で選択的
に除去される保護基の使用と、半導体製造に利用される
フォトリソグラフィ技術および固相合成技術とを組み合
わせて、微小なマトリックスの所定の領域での選択的合
成を行う方法が代表的である。
【0007】予め調製したDNA断片を固相担体表面に
固定する方法としては、DNA断片の種類や固相担体の
種類に応じて次の方法が知られている。固定するDNA
断片がcDNAやPCR産物の場合には、これらをポリ
陽イオン(ポリリシン、ポリエチレンイミン等)で表面
処理した固相担体表面に点着して、DNAの荷電を利用
して固相担体にイオン結合させる方法が一般的に利用さ
れる。DNAの荷電を利用する方法の変法として、アミ
ノ基で修飾したPCR産物をSSC(標準食塩クエン酸
緩衝液)に懸濁させ、これをシリル化した表面を持つス
ライドガラスの表面に点着し、インキュベートした後、
水素化ホウ素ナトリウムによる処理および加熱処理を順
に行う方法が報告されている(Schena, M. etal., Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 93, 10614-10619(1996))。
しかし、この固定方法では必ずしも充分な安定度が得ら
れ難いという問題がある。DNAチップ技術では、検出
限界が重要であるため、固相担体表面に充分な量で安定
にDNA断片を固定できる技術の開発が、固定DNA断
片と標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼーション
の検出限界の向上に大きく寄与する。固定するDNA断
片が合成オリゴヌクレオチドの場合には、反応性基を導
入したオリゴヌクレオチドを合成し、表面処理した固相
担体表面に該オリゴヌクレオチドを点着し、共有結合さ
せることもできる(「蛋白質・核酸・酵素」,43巻、
(1998),2004-2011、Lamture, J. B. et al., Nucl .Acid
s Res., 22, 2121-2125, 1994、およびGuo. Z., et al.,
Nucl. Acids Res., 22, 5456-5465, 1994)。例えば、
アミノ基導入スライドガラスに、PDC(p−フェニレ
ンジイソチオシアネート)存在下にて、アミノ基導入オ
リゴヌクレオチドを反応させる方法が知られている。
【0008】しかし、上記の共有結合による方法では、
固相担体表面の反応性基の一つに対してオリゴヌクレオ
チドの反応性基の一つが反応する態様であり、固相担体
表面の反応性基の数によって固定されるDNA断片の数
が決定される。従って、DNA断片の固定量の増大のた
めに、固相担体表面に高密度に反応性基を導入すること
は困難である。上記のイオン結合による方法でも、固相
担体表面に導入される反応性基の数は限定される。ま
た、PDCによる方法では、アミノ基導入オリゴヌクレ
オチドとの反応が遅く、反応生成物の安定性が低いとい
う問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、試料核酸断
片を感度および再現性よく検出するために特に有効な、
DNA分析素子、特に試料核酸断片に相補性を有するD
NA断片が試料核酸断片に比較して大過剰量に固定され
てなるDNA分析素子、および試料核酸断片の検出方法
を提供することを、その課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、固相担体の表
面に、一ないし二以上の結合箇所(結合点)にて結合さ
れている連結分子に、該結合箇所(結合点)の数よりも
多数のDNA断片が結合されていることを特徴とするD
NA分析素子にある。
【0011】本発明のDNA分析素子の好ましい態様は
以下の通りである。 (1)連結分子への複数個のDNA断片の結合が共有結
合によって実現されている。 (2)連結分子への複数個のDNA断片の結合がイオン
結合によって実現されている。 (3)固相担体表面への連結分子の結合が共有結合によ
って実現されている。 (4)連結分子が、固相担体表面側連結分子要素とDN
A断片側連結分子要素とを含む。 (5)固相担体表面への連結分子の結合が、固相担体表
面に予め固定された反応性基と固相担体側連結分子要素
の前駆体が有していた反応性基との反応によって形成さ
れた共有結合である。 (6)固相担体表面への連結分子の結合が、固相担体表
面に予め固定されたアミノ基と固相担体側連結分子要素
の前駆体が有していたビニルスルホニル基のビニル基部
分との反応によって形成された共有結合である。 (7)固相担体側連結分子要素とDNA断片側連結分子
要素とが、固相担体側連結分子要素の前駆体が有してい
たビニルスルホニル基のビニル基部分とDNA断片側連
結分子要素の前駆体が有していたアミノ基との反応によ
って形成された共有結合により結合している。
【0012】本発明はまた、上記の本発明のDNA分析
素子の表面に、蛍光物質、導電性物質もしくは放射性物
質で標識した核酸断片試料を含む水性液を付与する工
程;DNA分析素子に固定されているDNA断片と相補
性を有する核酸断片試料をハイブリダイゼーションによ
ってDNA分析素子上に固定する工程;そして、DNA
分析素子上に固定された標識核酸断片試料の蛍光標識、
導電性標識もしくは放射性標識を検出する工程を含むこ
とを特徴とする、DNA分析素子上のDNA断片に対し
て相補性を有する核酸断片の検出方法にもある。
【0013】本発明は、さらに、上記の本発明のDNA
分析素子の表面に、蛍光発生基もしくは導電性基を有す
るインターカレータと核酸断片試料とを含む水性液を付
与する工程;DNA分析素子に固定されているDNA断
片と相補性を有する核酸断片試料をハイブリダイゼーシ
ョンによってDNA分析素子上に固定する工程;そし
て、DNA分析素子のDNA断片と核酸断片試料とから
形成されたハイブリッド構造内に取り込まれたインター
カレータの蛍光発生基から発生する蛍光もしくは導電性
基を介して流れる電流を検出する工程を含むことを特徴
とする、DNA分析素子上のDNA断片に対して相補性
を有する核酸断片の検出方法にもある。
【0014】
【発明の実施の形態】図1の(A)に、本発明の代表的
なDNA分析素子(1)の模式図、(B)に本発明の代
表的なDNA分析素子(1)を作製する工程を示す。図
1において、DはDNA断片を表す。
【0015】図1のDNA分析素子(1)は、固相担体
1の表面に一個の結合箇所(Y)で結合されている連結
分子(L)に、二個以上のDNA断片が結合された分析
素子である。図1には、結合箇所(Y)が一個の例を示
すが、結合箇所の数は複数であってもよい。連結分子に
結合されるDNA断片の数は、結合箇所の数よりも多数
である。固相担体表面に一定の間隔で配置された複数の
領域のそれぞれに、互いに異なる塩基配列を有する複数
個のDNA断片を固定させる場合には、固相担体表面の
結合箇所とは、一つの領域における結合箇所を意味す
る。
【0016】連結分子(L)は、たとえば、−L1−L2
−L3−で表される原子団または基であって、その分子
中に、固相担体表面との結合に係る「固相担体表面側連
結分子要素」(−L1−)と、DNA断片との結合に係
る「DNA断片側連結分子要素」(−L3−)とを含
む。連結分子(L)は、後述する、複数の反応性基を有
する「反応性化合物」が固相担体表面とDNA断片とに
結合した後の分子の部分を示す。
【0017】連結分子(L)への複数個のDNA断片の
結合は、共有結合もしくはイオン結合であることが好ま
しい。連結分子(L)への複数個のDNA断片の結合
は、連結分子(L)中のDNA断片側連結分子要素を介
して行われることが好ましい。−L1−は、連結分子の
前駆体、即ち、反応性化合物が有していた反応性基と固
相担体との間に新たに形成された要素であることが好ま
しい。固相担体表面への連結分子(L)の結合は、連結
分子(L)中の固相担体表面側連結分子要素を介して行
われることが好ましい。−L3−は、連結分子の前駆
体、即ち、反応性化合物が有していた反応性基とDNA
断片との間に新たに形成された要素であることが好まし
い。−L2−は、連結分子(L)を構成する要素であっ
て、連結分子(L)から固相担体表面側連結分子要素お
よびDNA断片側連結分子要素を除いた要素(以下、必
要に応じて「連結分子の前駆体の主部」あるいは「反応
性化合物の主部」という。)を表す。−L2−は、連結
分子(L)を構成する要素の内で、固相担体表面および
DNA断片との結合に関与しない要素であることが好ま
しく、複数の基からなる複合基であっても、複数の原子
団からなる複合原子団であってもよい。連結分子(L)
の固相担体表面への結合は、共有結合またはイオン結合
であることが好ましい。ただし、結合の安定性の点を考
慮すると、−L1−および−L3−が何れも共有結合型で
あることが特に好ましい。
【0018】DNA分析素子(1)は、次の工程で作製
することができる。まず、固相担体1の表面に結合箇所
(Y)の作製のための反応性基(X)を固定する。反応
性基(X)の固定様式は何れの方法であってもよい。反
応性基(X)が固定された固相担体(2)に、連結分子
の前駆体(3)を接触させることによって、固相担体表
面に固相担体表面側連結分子要素を結合させる。連結分
子の前駆体(3)は、反応性基(X)との結合に係る反
応性基(Q1)、連結分子の前駆体の主部(−L2−)お
よびDNA断片との結合に係る反応性基(Q3)からな
る化合物(Q)であることが好ましい。次いで、固相担
体表面側連結分子要素が結合した固相担体(4)に、D
NA断片(5)を接触させることによって、複数個のD
NA断片(5)をDNA断片側連結分子要素を介して結
合させる。図1では、DNA断片が共有結合によって固
定される態様を示す。Zは、DNA断片が有する反応性
基を表す。図1では、一工程によって複数個のDNA断
片を固定させる方法を示したが、複数個のDNA断片を
固定できる方法であれば、経由する工程数を問わない。
複数個のDNA断片の固定は、連結分子の前駆体を一回
あるいは複数回使用することによって、予め固相担体表
面に固定した一個の反応性基(X)を起点として複数個
の反応性基を固相担体表面に結合させ、それら複数個の
反応性基のそれぞれにDNA断片を結合させる方法によ
って行うことが好ましい。連結分子の前駆体を複数回使
用する場合には、その前駆体の種類は問わない。適当な
前駆体を選択すれば、DNA断片との結合に係る反応性
基の数を、理論上無限に増やすことも可能である。「一
個の反応性基(X)を起点として結合させる複数個の反
応性基」とは、適当な前駆体を選択すれば無限個に増や
すことができる反応性基であり、数工程を用いた複数個
の反応性基の固定では、前工程における反応性基の数に
比較して、後の工程における反応性基の数が同一あるい
は多数であることが必要である。
【0019】以下、本発明のDNA分析素子の各要素に
ついて説明する。DNA分析素子の作製において用いる
イオン結合は、DNA断片の固定にのみ用いる場合を中
心に述べる。
【0020】[固相担体]図1に示す固相担体(2)
は、固相担体1の表面を、ポリ陽イオン(例えば、ポリ
−L−リシン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミ
ン等であることが好ましく、ポリ−L−リシンであるこ
とがさらに好ましい)で被覆処理(この場合、固相担体
表面に導入される反応性基Xは、アミノ基である)する
ことによって、または、反応性基(X)を有するシラン
カップリング剤で接触処理することによって作製するこ
とができるが、反応性基(X)を有するシランカップリ
ング剤によって接触処理することが特に好ましい。反応
性基(X)としては、アミノ基もしくはメルカプト基で
あることが好ましい。ポリ陽イオンによる場合には、反
応性基(X)が物理吸着によって直接、固相担体表面に
導入されるのに対して、シランカップリング剤による場
合には、共有結合によって導入されるため、反応性基
(X)を固相担体表面に安定に固定させることができ
る。アミノ基およびメルカプト基の他に、アルデヒド
基、エポキシ基、カルボキシル基あるいは水酸基も好ま
しく導入することができる。アミノ基を有するシランカ
ップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシランあるいはN−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシランを挙げること
ができるが、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを
用いることが特に好ましい。
【0021】ポリ陽イオン処理がされた固相担体表面上
に、さらに、電荷を有する親水性高分子等からなる層や
架橋剤からなる層を設けてもよい。このような層を設け
ることによって、ポリ陽イオン処理された固相担体の凹
凸を軽減することができる。固相担体の種類によって
は、その担体中に親水性高分子等を含有させることも可
能であり、このような処理を施した固相担体も好ましく
用いることができる。
【0022】固相担体としては、疎水性の担体、あるい
は親水性の低い板状の担体であることが好ましい。ま
た、その表面が凹凸を有する平面性の低いものであって
も好ましく用いることができる。固相担体の材質として
は、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミックスもしく
はニューセラミックス、ポリエチレンテレフタレート、
酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリ
マー、シリコン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質セラミ
ックス、多孔質シリコン、多孔質活性炭、織編物、不織
布、濾紙、短繊維、メンブレンフィルター等の多孔質物
質などを挙げることができる。多孔質物質の細孔の大き
さは、2乃至1000nmの範囲にあることが好まし
く、2乃至500nmの範囲にあることが特に好まし
い。固相担体の材質は、ガラスもしくはシリコンである
ことが特に好ましい。これは、表面処理の容易さや蛍光
法等による解析の容易さによるものである。固相担体の
厚さは、100乃至2000μmの範囲にあることが好
ましい。
【0023】[反応性化合物]連結分子の前駆体を、以
下、「反応性化合物」として説明する。反応性化合物
は、反応性基を二個以上有する化合物であって、それら
の反応性基の内の一つが反応性基(X)と反応する化合
物であることが好ましい。反応性化合物は、モノマーで
あってもポリマーであってもよいが、二以上の工程を経
て、DNA断片と反応する複数の反応性基を固相担体表
面に導入する場合には、モノマーをポリマーと組み合わ
せて使用することが好ましい。反応性基は必ずしも同じ
種類である必要はない。
【0024】二個以上の反応性基を有する反応性化合物
について説明する。 (1)反応性基は、−SO2−CH=CH2基、−NHC
ONHCOCH=CH 2基、−SO2−CH2CH2
1基、−NHCONHCOCH2CH21基、−COA2
基、アミノ基、アルデヒド基、イソシアナト基、炭素原
子数が2乃至6のエポキシ基、活性エステル基、および
下記式(I):
【0025】
【化1】
【0026】で表されるトリアジニル基からなる群より
選ばれる基であることが好ましい。
【0027】A1は、−SO2−CH2CH21基で表わ
される反応性基が求核試薬あるいは塩基(有機塩基もし
くは無機塩基)と反応する際に、置換反応あるいは脱離
反応によって脱離する基である。A1は、ハロゲン原
子、−SO2−(炭素原子数が1乃至6のアルキル
基)、−SO2−(炭素原子数が6乃至20のアリール
基)、−SO2−(炭素原子数が1乃至6のアルキル基
を有する炭素原子数が7乃至26のアラルキル基)、−
OCO−(炭素原子数が1乃至6のアルキル基)、−O
SO3M、および置換基を有していてもよいピリジニウ
ム基からなる群より選ばれる原子もしくは基であること
が好ましい。A1は、−Cl、−OSO2CH3、−OS
264CH3、もしくは−OCOCH3であることが
特に好ましい。
【0028】上記アルキル基、アリール基およびアラル
キル基は、それぞれ、さらに置換されていてもよい。上
記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、n−ブチル基、もしくはn−ヘキシル基である
ことが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
上記アリール基としては、フェニル基もしくはナフチル
基であることが好ましく、フェニル基であることが特に
好ましい。上記アラルキル基としては、メチルフェニル
基であることが好ましい。ピリジニウム基が有していて
もよい置換基としては、−アルキレン基−SO3 -および
−NH−アルキレン基−SO3 - を挙げることができ
る。これらのアルキレン基としては、メチレン基もしく
はエチレン基であることが好ましい。ピリジニウム基
は、ハロゲン化酸塩を形成していてもよく、塩酸塩であ
ることが特に好ましい。
【0029】Mは、水素原子、アルカリ金属原子、もし
くは置換基を有していてもよいアンモニウムカチオンを
表す。置換基を有していてもよいアンモニウムカチオン
の例としては、 NH(C253、NH(CH2CHO
HCH33、NH325、NH3(n−C37)、NH
3(n−C49)、NH2(C22OH)2 、NH2(C 2
52 、NH2(i−C372 、NH2(n−C
372 、NH2CH3(n−C49 、NH2(C
32 、NH2(n−C492 、NHC25(i−C
372、もしくはNHCH3(n−C492 で表され
るそれぞれの基の窒素原子が正電荷を持つものを挙げる
ことができる。Mは、ナトリウム原子もしくはカリウム
原子であることが特に好ましい。
【0030】前記式中、A2は、ハロゲン原子、−O−
(ニトロフェニル基)、−O−(炭素原子数が3乃至1
0のイミド基)、−O−(炭素原子数が1乃至6のアル
キレン基)−CN基、および−O−(置換基を有してい
てもよいピリジニウム基)からなる群より選ばれる原子
もしくは基を表す。A2としては、−Cl、−O−ニト
ロフェニル基、−O−スクシンイミド基、もしくは−O
−CH2CNであることが好ましい。
【0031】前記式(I)中、A5は、単結合、−O−
基および−NR0−基からなる群より選ばれる結合もし
くは基を表す。R0は、水素原子、炭素原子数が1乃至
6のアルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリール
基、および炭素原子数が1乃至6のアルキル基を有する
炭素原子数が7乃至26のアラルキル基からなる群より
選ばれる原子もしくは基を表す。A3およびA4は、互い
に独立に、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至6のアル
コキシ基、−OM基(Mは、A1で説明したMと同様で
ある)、および置換基を有していてもよいアミノ基から
なる群より選ばれる原子もしくは基を表す。但し、A3
およびA4の内少なくとも一つは、ハロゲン原子を表
す。
【0032】炭素原子数が2乃至6のエポキシ基として
は、エチレンエポキシ基であることが好ましい。
【0033】(2)DNA断片をイオン結合によって固
定する場合の、反応性化合物の反応性基は、カチオンを
持つ反応性基(B+)である。カチオンを持つ反応性基
(B+)は、DNA断片との結合力の強さの点から、二
級、三級もしくは四級の基であることが好ましい。カチ
オンを持つ反応性基(B+)は、pHの影響を受けやす
い一級カチオン性反応性基であってもよいが、好ましく
ない。二級、三級および四級のカチオンとしては、アン
モニウムカチオン(N+10112、N+101112
H、N+10111213)、オキソニウムカチオン
(O+1011H、O+101112)、スルホニウムカ
チオン(S+1011H、S+101112)、セレノニ
ウムカチオン(Se+1011H、Se+10
1112)、(P+10112、P+101112H、P+
10111213)、アルソニウムカチオン(As+
1011H、As+101112)、スチボニウムカチオ
ン(Sb+1011H、Sb+101112)、クロロニ
ウムカチオン(Cl+1011)、ブロモニウムカチオ
ン(Br+1011)およびヨードニウムカチオン(I+
101)を挙げることができるが、アンモニウムカチ
オン、オキソニウムカチオン、ホスホニウムカチオンも
しくはスルホニウムカチオンであることがより好まし
く、アンモニウムカチオンであることが特に好ましい。
四級、三級および二級のカチオンは、この順にpHの影
響が少ないため、四級のカチオンであることが特に好ま
しい。
【0034】R10は、反応性化合物をQ1−L2−Q3
表したとき、反応性化合物の要素−L2−Q3あるいは反
応性化合物の要素Q1−L2−をいう。R10と正電荷を有
する原子との間には、直鎖状または環状の基が存在して
いてもよい。R11、R12およびR13は、互いに独立に、
水素原子を除く置換基を表す。具体的には、R11、R12
およびR13は、互いに独立に、炭素原子数が1乃至6の
アルキル基、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基、も
しくは炭素原子数が6乃至20のアリール基、炭素原子
数が1乃至6のアルキル基を有する炭素原子数が7乃至
26のアラルキル基であることが好ましく、炭素原子数
が1乃至6のアルキル基であることが特に好ましい。こ
れらの基は、さらに置換されていてもよい。R 11、R12
およびR13は、共同してそれらが付いているヘテロ原子
等と一緒に環を形成する原子群であってもよい。例え
ば、モルホリニウム基、ピリジニウム基、ピロリウム
基、イミダゾリウム基、ピラゾリウム基、2−ピロリニ
ウム基、ピロリジウム基、2−イミダゾリジニウム基、
ピペリジニウム基およびインドリニウム基を挙げること
ができる。炭素原子数が1乃至6のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル
基もしくはシクロヘキシル基であることが好ましく、メ
チルであることが特に好ましい。
【0035】B+を有する反応性化合物としては、ポリ
アリルアミン、ポリリシン、ポリエチレンイミン、ポリ
トリプトファンやポリヒスチジンのように、酸で処理す
ることによってポリカチオンに誘導される化合物を挙げ
ることができる。
【0036】反応性化合物としてモノマーを用いる場合
には、特願平11−346157号の明細書(ジスルホ
ン化合物)、同11−363795号の明細書(代表
例:クロロスルホニルイソシアナート)、同11−31
6295号の明細書(トリアジン化合物)あるいは同1
1−292141号の明細書(スクシンイミド化合物)
に記載されたモノマーを用いることが好ましく、ジスル
ホン化合物を用いることが特に好ましい。
【0037】反応性化合物としてポリマーを用いる場合
には、そのポリマーは、反応性基を有する一種類のモノ
マーのポリマーであってもよく、あるいは反応性基を有
する一種類のモノマーと反応性基を有しない一種類以上
のモノマーとのコポリマーであってもよい。反応性基
は、ポリマーあるいはコポリマーの側鎖に存在していて
も、主鎖に存在していてもよい。コポリマー中の反応性
基を有するモノマーの割合は、1乃至99質量%の範囲
にあることが好ましく、5乃至95質量%の範囲にある
ことが特に好ましい。
【0038】本発明で用いられる好ましく用いられるポ
リマーは、公知の重合方法によって製造することができ
る。例えば、エチレン系不飽和結合を有する化合物を用
いてラジカル重合、アニオン重合等によって製造するこ
とができる。反応性基は、モノマーの段階で導入して
も、重合後にポリマーに導入してもよく、あるいは、重
合後に反応性基に誘導される反応性基の前駆体をモノマ
ーに導入しておき、対応する反応性基に変換したもので
あってもよい。反応性基を重合後に導入する場合には、
ポリマーとして、セルロース、デキストラン、デンプ
ン、ゼラチン等の天然高分子を用いてもよい。本発明で
は、反応性基(もしくは反応性基の前駆体)を有するモ
ノマーを重合して得られたポリマーを用いることが特に
好ましい。反応性基を有する一種類のモノマーを重合す
る場合、および反応性基を有する一種類のモノマーと反
応性基を有しない一種類以上のモノマーとを共重合する
場合には、重合反応時にこれらの反応性基が反応しない
ように、反応性基を選択することが望ましい。反応性基
を持たないモノマーを共重合する場合にも、そのモノマ
ーが有する官能基が反応性基と反応しないように、該モ
ノマーを選択することが望ましい。
【0039】以下に、好ましいモノマーの例を示す。但
し、反応性基を省略する。アクリル酸、メタクリル酸お
よびそのエステル類としては、例えば、アクリル酸、メ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート、−CH2
CHCOO(CH2CH2O)nR(Rは、水素原子もし
くは炭素原子数が1乃至6のアルキル基を表し;nは、
1以上の整数を表す)、メタクリル酸、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2
−スルホエチルメタクリレート等を挙げることができ
る。エチレン系不飽和カルボン酸のアミド類としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アクリロイル
モルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(もしく
はその塩)等を挙げることができる。芳香族類として
は、スチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレ
ン、p−ビニル安息香酸、ビニルナフタレン等を挙げる
ことができる。その他のビニル系モノマーとしては、エ
チレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ト
リフロロエチレン、トリフロロクロロエチレン、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、アリルアミン、ビニルアル
コール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げる
ことができる。
【0040】[DNA断片]好ましく使用できるDNA
断片は、相補性を有する試料核酸断片の検出の目的によ
って異なる。遺伝子の発現を調べるためには、cDN
A、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを使
用することが好ましい。これらのポリヌクレオチドは、
その機能が未知であってもよいが、一般的にはデータベ
ースに登録された配列を基にしてcDNAのライブラ
リ、ゲノムのライブラリあるいは全ゲノムをテンプレー
トとしてPCR法によって増幅して調製する。PCR法
によって増幅しないものも好ましく使用することができ
る。また、遺伝子の変異や多型を調べるには、標準とな
る既知の配列をもとにして、変異や多型に対応する種々
のオリゴヌクレオチドを合成し、これを使用することが
好ましい。さらに、塩基配列分析の場合には、4n(n
は、塩基の長さ)種のオリゴヌクレオチドを合成したも
のを使用することが好ましい。DNA断片の塩基配列
は、一般的な塩基配列決定法によって予めその配列が決
定されていることが好ましい。DNA断片は、数乃至数
百量体であることが好ましく、十数乃至数十量体である
ことが特に好ましい。
【0041】DNA断片を共有結合によって固定させる
場合には、その一方の末端部に反応性基を導入すること
が好ましい。反応性基としては、アミノ基、メルカプト
基、イミノ基、ヒドラジノ基、カルバモイル基、ヒドラ
ジノカルボニル基、もしくはカルボキシイミド基である
ことが好ましく、アミノ基もしくはメルカプト基である
ことが特に好ましい。DNA断片をイオン結合によって
固定させる場合には、反応性基の導入は不要であり、ま
た、DNA断片としてPCR産物を使用してもプライマ
の除去操作は不要である。
【0042】DNA断片の実際の固定は、DNA断片を
水性媒体に溶解あるいは分散した水性液を複数の反応性
基が導入された固相担体に点着することによって行うこ
とができる。DNA断片を点着後、紫外線、水素化ホウ
素ナトリウムあるいはシッフ試薬による後処理を施して
もよい。これらの後処理は、ポリ陽イオンのみによって
固相担体表面を処理した場合には特に有効である。点着
後は、インキュベーションを行ってもよい。インキュベ
ート後は、未固定のDNA断片を洗浄して除去すること
が好ましい。
【0043】固定後のDNA断片の乾燥を防ぐために、
点着の際に、DNA断片を含む水性液中に、高沸点の物
質を添加してもよい。高沸点の物質としては、該水性液
に溶解し得るものであって、試料核酸断片とのハイブリ
ダイゼーションを妨げることがなく、かつ粘性の大きく
ない物質であることが好ましい。このような物質として
は、グリセリン、エチレングリコール、ジメチルスルホ
キシドおよび低分子の親水性ポリマーを挙げることがで
きる。同じ目的のために、DNA断片を固定後の固相担
体を、90%以上の湿度および25乃至50℃の温度範
囲の環境に置くことも好ましい。
【0044】本発明のDNA分析素子に固定されている
DNA断片は、DNA断片に予め標識した電気化学活性
物質、放射性物質、蛍光物質等の応答信号、あるいはD
NA断片に特異的に結合する電気化学活性物質の応答信
号を測定する一般的な方法によって検出することができ
る。本発明のDNA分析素子の寿命は、何れも、cDN
Aが固定されてなるcDNA分析素子で数週間、オリゴ
DNAが固定されてなるオリゴDNA分析素子ではさら
に長期間である。本発明のDNA分析素子は、遺伝子発
現のモニタリング、塩基配列の決定、変異解析、多型解
析等に有効に利用することができる。本発明のDNA分
析素子を用いる相補性を有する試料核酸断片の検出原理
は、後述する標識した試料核酸断片とのハイブリダーゼ
ーションである。
【0045】[試料核酸断片の検出方法]以下、試料核
酸断片の標識、試料核酸断片とのハイブリダイゼーショ
ン、およびハイブリッドの検出方法について説明する。
【0046】標識方法としては、RI法と非RI法(蛍
光法、酵素法、電気化学的方法、ビオチン−ビオチン結
合を利用する方法、化学発光法等)が挙げられるが、蛍
光法を用いることが特に好ましい。蛍光法に使用する蛍
光物質としては、核酸の塩基部分と結合できるものであ
れば何れも用いることができるが、シアニン色素(例え
ば、Cy DyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、ロ
ーダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−アセチルア
ミノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAFの
ヨウ素誘導体)を使用することができる。
【0047】なお、上記の標識を利用する以外にも、導
電性基を持ち、ハイブリッド構造体に取り込まれる性質
を持つインターカレータ(特開平9−288080号公
報)を用いる電気化学的な検出方法を利用する方法も知
られており、本発明のDNA分析素子を電気化学的な検
出方法に用いることができる。または、蛍光発生基を持
ち、形成されたハイブリッド構造体に取り込まれる性質
を持つインターカレータ(Bull.Chem.Soc.Jpn., 72,327
-337 (1999)、および特願平2000−22181号の
明細書)を用いて、ハイブリッドの形成を蛍光法により
検出方法を利用する方法も知られており、本発明のDN
A分析素子はこの検出方法に用いることもできる。ま
た、互いに異なる蛍光物質によって標識された試料核酸
断片を二種類用意し、これらを同時にハイブリダイゼー
ションに供することにより、同一のDNA分析素子上で
発現量の比較や定量をすることも可能である。
【0048】試料核酸断片としては、その配列や機能が
未知であるDNA断片あるいはRNA断片試料を用いる
ことが好ましい。試料核酸断片は、遺伝子発現を調べる
目的では、真核生物の細胞や組織サンプルから単離する
ことが好ましい。試料がゲノムならば、赤血球を除く任
意の組織サンプルから単離することが好ましい。赤血球
を除く任意の組織は、抹消血液リンパ球、皮膚、毛髪、
精液等であることが好ましい。試料がmRNAならば、
mRNAが発現される組織サンプルから抽出することが
好ましい。一回のハイブリダイゼーションに必要なmR
NA量は、液量や標識方法によって異なるが、数μg以
下であることが好ましい。尚、DNA分析素子上のDN
A断片がオリゴDNAである場合には、試料核酸断片は
低分子化しておくことが望ましい。原核生物の細胞で
は、mRNAの選択的な抽出が困難なため、全RNAを
標識することが好ましい。試料核酸断片は、遺伝子の変
異や多型を調べる目的では、標識プライマまたは標識d
NTPを含む反応系で標的領域のPCRを行って得るこ
とが好ましい。細胞や組織サンプルから単離された試料
核酸断片は、予め、90乃至98℃の温度範囲、好まし
くは98℃の温度で熱変性し、一本鎖断片としておくこ
とが好ましい。
【0049】ハイブリダイゼーションは、標識した試料
核酸断片を含む水性液を、本発明のDNA分析素子上に
点着することによって、あるいは該水性液に本発明のD
NA分析素子を浸漬することによって実施することが好
ましい。蛍光発生基あるいは導電性を有するインターカ
レータを標識として用いる場合には、これらを該水性液
中に予め添加しておくか、またはハイブリダイゼーショ
ン終了後にハイブリッドに接触させてもよい。ハイブリ
ダイゼーションは、室温乃至72℃の温度範囲で、そし
て6乃至20時間の範囲で実施することが好ましい。ハ
イブリダイゼーション終了後、界面活性剤と緩衝液との
混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の試料核酸断片を
除去することが好ましい。
【0050】本発明のDNA分析素子を用いるハイブリ
ダイゼーションの特徴は、試料核酸断片の使用量が非常
に少ないことである。そのため、DNA分析素子上のD
NA断片の鎖長や試料核酸断片の種類により、ハイブリ
ダーゼーションの最適条件を設定する必要がある。遺伝
子発現の解析には、低発現の遺伝子も十分に検出できる
ように、長時間のハイブリダイゼーションを行うことが
好ましい。一塩基変異の検出には、短時間のハイブリダ
イゼーションを行うことが好ましい。
【0051】ハイブリダイゼーションの結果は、蛍光標
識量、導電性標識量もしくは放射性標識量、あるいは蛍
光発生基から発生する蛍光もしくは導電性基を介して流
れる電流を測定することによって検出できる。即ち、標
識に由来する信号である、酸化還元電流、蛍光強度、蛍
光偏光をそれぞれの信号に対応した測定装置を用いて測
定することにより定量が可能である。例えば、蛍光強度
の測定は、蛍光レーザースキャナ法や冷却CCD(電荷
結合素子)法によって行うことが好ましく、酸化還元電
流の測定は、サイクリックボルタモグラフィ、デファレ
ンシャルパルスボルタモグラフィ、ポテンショスタッ
ト、リニアスィープボルタモグラフィ等によって行うこ
とが好ましい。
【0052】
【実施例】図2は、イオン結合によってDNA断片を固
定する場合および共有結合によってDNA断片を固定す
る場合の何れにも共通するDNA断片固定用固相担体の
作製工程を示す図である。
【0053】〈実施例系1〉イオン結合によってDNA
断片を固定する場合 [実施例1]DNA断片固定量の確認 (1)反応性基を固定した固相担体の作製 アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業(株)
製)の2重量%の水溶液に、スライドガラス(25mm
×75mm)を10分間浸漬した後、取り出し、水で洗
浄後、110℃で10分間乾燥させて、アミノシラン化
合物で被覆されたスライドガラス(A−1)を作製し
た。このアミノシラン化合物で被覆されたスライドガラ
ス(A−1)を3重量%1,2−ビス(ビニルスルホニ
ルアセトアミド)エタンのホウ酸緩衝液(pH8.0)
に2時間浸漬後、取り出し、水で洗浄した後、1時間減
圧下で乾燥させ、ビニルスルホニル基が導入されたスラ
イドガラス(A−2)を作製した。次いで、このスライ
ドガラス(A−2)を2重量%ポリアリルアミン(日東
紡績(株)製、分子量10000)のホウ酸緩衝液(p
H8.0)に2時間浸漬した後、取り出し、水で洗浄
後、1時間減圧下で乾燥させ、導入アミノ基の数を増大
させたスライドガラス(A−3)を作製した。次いで、
スライドガラス(A−3)を、3重量%1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタンのリン酸緩衝
液(pH8.0)に2時間浸漬後、取り出し、水で洗浄
した後、1時間減圧下で乾燥させ、導入ビニルスルホニ
ル基の数を増大させたDNA断片固定用固相担体(A−
4)を作製した。
【0054】(2)DNA分析素子の作製 5’末端が蛍光標識試薬(Cy5)で修飾された22量
体のオリゴDNA(5’−CTAGTCTGTGAAG
TGTCTGATC−3’)(以下、「オリゴDNA
(−)」とする。)と、5’末端が蛍光標識試薬(Cy
5)で修飾された100量体のcDNA断片(以下、
「cDNA(−)」という。)を、それぞれ滅菌水に分
散した水溶液(何れも、1×10-6M、500pL)
を、上記(1)で得たスライドガラス(A−3)にそれ
ぞれ点着した。点着後の各スライドガラスの表面を80
℃にて1時間加熱し、120mVで紫外線を照射した。
次いで、照射後の各スライドガラスを、0.1重量%S
DS(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液)と2×SSC
(2×SSC:SSCの原液を2倍に希釈したもの、S
SC:標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合液(室温)
にて2回、0.2×SSC(50℃)にて1回、および
蒸留水(室温)にて1回順次洗浄した。洗浄後の各スラ
イドガラスを室温で乾燥させ、本発明のDNA分析素子
(B1、B2)を作製した。次いで、各分析素子上のD
NA断片固定領域の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で
測定した。蛍光強度の測定は、洗浄前のスライドガラス
についても行なった。結果を第1表に示す。固定率
(%)は、DNA断片の固定化率を示し、洗浄後に測定
した蛍光強度を洗浄前に測定した蛍光強度で除した値で
ある。
【0055】(3)DNA分析素子の作製 5’末端が蛍光標識試薬(Cy5)で修飾された22量
体のオリゴDNA(−)を、滅菌水に分散した水溶液
(1×10-6M、500pL)を、前記(1)で得たス
ライドガラス(A−4)に点着した。点着後のスライド
ガラスを25℃、湿度70%において2時間放置した
後、上記(2)と同様の条件にて洗浄および乾燥を行
い、本発明のDNA分析素子(B3)を作製した。次い
で、上記(2)と同様にして蛍光強度を測定し、固定化
率を求めた(第1表)。*印は、DNA分析素子(B
3)上に固定されているオリゴDNA(−)を表す。
【0056】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── DNA断片 洗浄前 洗浄後 固定化率(%) ──────────────────────────────────── オリゴDNA(−) 34500 7200 20.9 cDNA(−) 46500 26500 60.0 オリゴDNA(−)* 42600 4500 10.6 ────────────────────────────────────
【0057】[比較例1]導入アミノ基の数を増大させ
たスライドガラス(A−3)の代わりに、実施例1で得
たアミノシラン化合物で被覆されたスライドガラス(A
−1)を用いる以外は実施例1の(2)と同様な操作を
行ってDNA分析素子を作製し、蛍光強度を測定し、固
定化率を求めた(第2表)。
【0058】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── DNA断片 洗浄前 洗浄後 固定化率(%) ──────────────────────────────────── オリゴDNA(−) 33200 800 2.4 cDNA(−) 43200 7900 18.3 ────────────────────────────────────
【0059】上記第1表および第2表より、導入アミノ
基の数が増大するように処理したスライドガラス(A−
3)は、アミノシラン化合物による処理のみを施したス
ライドガラスであって、導入アミノ基の数を増大させる
処理を行っていないスライドガラス(A−1)と比較し
て、DNA断片の固定化率が高い。このことは、スライ
ドガラス表面上に、DNA断片が有する負電荷に対して
静電的な相互作用をするための正電荷がより高密度に導
入されたためである。
【0060】[実施例2]試料DNA断片の検出 (1)DNA分析素子の作製 末端を修飾していない500量体のcDNA断片を滅菌
水に分散した水溶液(1×10-6M、500pL)を、
実施例1で得たスライドガラス(A−3)に点着した。
点着後のスライドガラスの表面を80℃にて1時間加熱
し、120mVで紫外線を照射した。次いで、照射後の
スライドガラスを、1−メチル−2−ピロリドン(3
1.5mL)と1Mのホウ酸水溶液(35.0mL)と
の混合溶液に無水コハク酸(5g)を溶解させた溶液に
10分間、沸騰水に3分間順次浸漬した後、エタノール
で洗浄し、室温にて乾燥させ、本発明のDNA分析素子
(B4)を作製した。
【0061】(2)試料DNA断片の検出 上記(1)で用いたcDNA断片に相補性を有する、
5’末端が蛍光標識色素(Cy5)で修飾された500
量体のDNA断片をハイブリダイゼーション用溶液(4
×SSCと10重量%SDSとの混合溶液)(20μ
L)に分散させたものを、上記(1)で得た本発明のD
NA分析素子(B4)に点着し、分析素子の表面を顕微
鏡用カバーガラスで保護した後、モイスチャーチャンバ
内にて60℃で20時間インキュベートした。次いで、
インキュベート後の分析素子を、0.1重量%SDS
(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液)と2×SSC(2×
SSC:SSCの原液を2倍に希釈したもの、SSC:
標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合液(室温)にて2
回、0.2×SSC(50℃)にて1回、および蒸留水
(室温)にて1回順次洗浄した。洗浄後の分析素子を、
600rpmで20秒間遠心した後、室温にて乾燥させ
た。分析素子上のcDNA断片固定領域の蛍光強度を蛍
光スキャニング装置で測定したところ、19300であ
った。
【0062】[比較例2]スライドガラス(A−3)の
代わりに、スライドガラス(A−1)を用いる以外は前
記(1)と同様にして、DNA分析素子を作製し、この
分析素子を用いる以外は上記(2)と同様な操作を行
い、蛍光強度を測定したところ、2520であった。
【0063】本発明のDNA分析素子(B4)は、スラ
イドガラス(A−1)上にDNA断片を点着することに
よって作製されたDNA分析素子と比較して、試料DN
A断片の高い検出能力を有する。これは、本発明のDN
A分析素子(B4)では、より多数のDNA断片が固定
されているためである。
【0064】〈実施例系2〉共有結合によってDNA断
片を固定する場合 [実施例3]DNA断片固定量の確認 (1)反応性基を固定した固相担体の作製 アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業(株)
製)の2重量%の水溶液に、スライドガラス(25mm
×75mm)を10分間浸漬した後、取り出し、水で洗
浄後、110℃で10分間乾燥させて、アミノシラン化
合物で被覆されたスライドガラス(A−1)を作製し
た。このアミノシラン化合物で被覆されたスライドガラ
ス(A−1)を3重量%1,2−ビス(ビニルスルホニ
ルアセトアミド)エタンのホウ酸緩衝液(pH8.0)
に2時間浸漬後、取り出し、水で洗浄した後、1時間減
圧下で乾燥させ、ビニルスルホニル基が導入されたスラ
イドガラス(A−2)を作製した。次いで、このスライ
ドガラス(A−2)を2重量%ポリアリルアミン(日東
紡績(株)製、分子量10000)のホウ酸緩衝液(p
H8.0)に2時間浸漬した後、取り出し、水で洗浄
後、1時間減圧下で乾燥させ、導入アミノ基の数を増大
させたスライドガラス(A−3)を作製した。次いで、
スライドガラス(A−3)を、3重量%1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタンのリン酸緩衝
液(pH8.0)に2時間浸漬後、取り出し、水で洗浄
した後、1時間減圧下で乾燥させ、導入ビニルスルホニ
ル基の数を増大させたDNA断片固定用固相担体(A−
4)を作製した。
【0065】(2)DNA分析素子の作製 3’末端がアミノ基、そして5’末端が蛍光標識試薬
(Cy5)で修飾された22量体のオリゴDNA(5’
−CTAGTCTGTGAAGTGTCTGATC−
3’)(以下、「オリゴDNA(+)」とする。)を滅
菌水に分散した水溶液(1×10-6M、500pL)
を、上記(1)で得たDNA断片固定用固相担体(A−
4)に点着した。点着後のスライドガラスを25℃、湿
度70%において2時間放置した後、0.1重量%SD
S(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液)と2×SSC(2
×SSC:SSCの原液を2倍に希釈したもの、SS
C:標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合液(室温)に
て2回、0.2×SSC(50℃)にて1回、および蒸
留水(室温)にて1回順次洗浄した。洗浄後のスライド
ガラスを室温で乾燥させ、本発明のDNA分析素子(B
5)を作製した。次いで、分析素子上のDNA断片固定
領域の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定した。蛍
光強度の測定は、洗浄前のスライドガラスについても行
った。結果を第3表に示す。固定率(%)は、DNA断
片の固定化率を示し、洗浄後に測定した蛍光強度を洗浄
前に測定した蛍光強度で除した値である。
【0066】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── DNA断片 洗浄前 洗浄後 固定化率(%) ──────────────────────────────────── オリゴDNA(+) 45600 35200 77.2 ────────────────────────────────────
【0067】[実施例4]試料DNA断片の検出 (1)DNA分析素子の作製 5’末端がアミノ基で修飾された40量体のオリゴDN
A(5’−TCCTCCATGTCCGGGGAGGA
TCTGACACTTCAAGGTCTAG−3’)
(以下、「オリゴDNA(++)」とする。)を滅菌水
に分散した水溶液(1×10-6M、500pL)を、実
施例3の(1)で得たスライドガラス(A−4)に点着
した。点着後のスライドガラスを25℃、湿度70%に
おいて2時間放置した後、0.5Mグリシン水溶液(p
H8.5)に1時間浸漬した後、蒸留水、エタノールで
順次洗浄し、室温で乾燥させ、DNA分析素子(B6)
を作製した。
【0068】(2)試料DNA断片の検出 上記(1)で用いたオリゴDNA(++)に相補性を有
する、5’末端が蛍光標識色素(Cy5)で修飾された
20量体のオリゴDNA(5’−CTAGACCTTG
AAGTGTCTGATC−3’)をハイブリダイゼー
ション用溶液(4×SSCと10重量%SDSとの混合
溶液)(20μL)に分散させたものを、上記(1)で
得た本発明のDNA分析素子(B6)に点着し、分析素
子の表面を顕微鏡用カバーガラスで保護した後、モイス
チャーチャンバ内で60℃にて20時間インキュベート
した。次いで、インキュベート後の分析素子を、0.1
重量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液)と2×
SSC(2×SSC:SSCの原液を2倍に希釈したも
の、SSC:標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合液
(室温)にて2回、0.2×SSC(50℃)にて1
回、および蒸留水(室温)にて1回順次洗浄した。洗浄
後の分析素子を、600rpmで20秒間遠心した後、
室温にて乾燥させた。分析素子上のオリゴDNA固定領
域の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定したとこ
ろ、54900であった。
【0069】[実施例5]試料DNA断片の検出 (1)DNA分析素子の作製 5’末端がアミノ基で修飾された40量体のオリゴDN
A(++)の代わりに、5’末端がアミノ基で修飾され
た500量体のcDNA断片を用いる以外は実施例4の
(1)と同様にして、DNA分析素子(B7)を作製し
た。
【0070】(2)試料DNA断片の検出 試料DNA断片として、5’末端が蛍光標識色素(Cy
5)で修飾された20量体のオリゴDNAの代わりに、
上記(1)で用いたcDNA断片に相補性を有する、
5’末端が蛍光標識色素(Cy5)で修飾された500
量体のDNA断片を用いる以外は実施例4の(2)と同
様な操作を行って、蛍光強度を測定したところ、325
00であった。
【0071】実施例系1および実施例系2より、DNA
断片をDNA断片固定用の固相担体に共有結合させる方
法によって作製したDNA分析素子を用いた場合には、
イオン結合させる方法によって作製したDNA分析素子
を用いた場合に比べて、ハイブリダイゼーションの効率
が高くなることが分かる。
【0072】
【発明の効果】従来のDNA分析素子あるいはDNAチ
ップにおける、一つの領域に固定されたDNA断片は、
固相担体表面の一つの結合箇所に結合したDNA断片で
あり、一つの領域に固定された複数個のDNA断片は、
複数個の結合箇所のそれぞれに結合したDNA断片を意
味する。本発明のDNA分析素子は、固相担体表面の一
つの結合箇所に複数個のDNA断片が結合してなる新規
な分析素子である。本発明のDNA分析素子では、反応
性化合物の使用によって、固相担体表面に結合させた、
DNA断片と結合する反応性基の数に応じた数のDNA
断片を固定させることが可能である。従って、反応性化
合物の選択によって、従来のDNA分析素子と比べて、
固相担体表面に、より高密度にDNA断片と結合する反
応性基を導入することが可能で、その結果、より高密度
にDNA断片を固定させることができる。DNA断片を
結合させる前のDNA断片固定用固相担体は、DNA断
片の固定様式を問わず使用することができる。また、本
発明のDNA分析素子によって、従来のDNA分析素子
を用いた場合と比較して、より感度よく、対象とする試
料核酸断片を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表なDNA分析素子の模式図
(A)、および本発明の代表的なDNA分析素子の作製
方法の工程を示す模式図(B)である。
【図2】イオン結合によってDNA断片を固定する場合
および共有結合によってDNA断片を固定する場合の何
れにも共通するDNA断片固定用固相担体の作製工程を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/566 G01N 31/22 121 37/00 102 33/566 C12N 15/00 A 37/00 102 ZNAF (72)発明者 篠木 浩 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 (72)発明者 瀬志本 修 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BD19 FA11 HA02 4B024 AA11 CA09 HA14 4B029 AA07 AA23 BB20 CC03 CC08 FA15 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ42 QR32 QR56 QR84 QS03 QS34 QX02 QX04 QX07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固相担体の表面に、一ないし二以上の結
    合箇所にて結合されている連結分子に、該結合箇所の数
    よりも多数のDNA断片が結合されていることを特徴と
    するDNA分析素子。
  2. 【請求項2】 連結分子へのDNA断片の結合が共有結
    合であることを特徴とする請求項1に記載のDNA分析
    素子。
  3. 【請求項3】 連結分子へのDNA断片の結合がイオン
    結合であることを特徴とする請求項1に記載のDNA分
    析素子。
  4. 【請求項4】 固相担体の表面への連結分子の結合が共
    有結合であることを特徴とする請求項1に記載のDNA
    分析素子。
  5. 【請求項5】 連結分子が、固相担体表面側連結分子要
    素とDNA断片側連結分子要素とを含むことを特徴とす
    る請求項1乃至4の内の何れかの項に記載のDNA分析
    素子。
  6. 【請求項6】 固相担体表面と連結分子との結合が、固
    相担体表面に予め固定された反応性基と固相担体側連結
    分子要素の前駆体が有していた反応性基との反応によっ
    て形成された共有結合であることを特徴とする請求項5
    に記載のDNA分析素子。
  7. 【請求項7】 固相担体表面への連結分子の結合が、固
    相担体表面に予め固定されたアミノ基と固相担体側連結
    分子要素の前駆体が有していたビニルスルホニル基のビ
    ニル基部分との反応によって形成された共有結合である
    ことを特徴とする請求項5に記載のDNA分析素子。
  8. 【請求項8】 固相担体側連結分子要素とDNA断片側
    連結分子要素とが、固相担体側連結分子要素の前駆体が
    有していたビニルスルホニル基のビニル基部分とDNA
    断片側連結分子要素の前駆体が有していたアミノ基との
    反応によって形成された共有結合により結合しているこ
    とを特徴とする請求項5に記載のDNA分析素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の内の何れかの項に記載
    のDNA分析素子の表面に、蛍光物質、導電性物質もし
    くは放射性物質で標識した核酸断片試料を含む水性液を
    付与する工程;DNA分析素子に固定されているDNA
    断片と相補性を有する核酸断片試料をハイブリダイゼー
    ションによってDNA分析素子上に固定する工程;そし
    て、DNA分析素子上に固定された標識核酸断片試料の
    蛍光標識、導電性標識もしくは放射性標識を検出する工
    程を含むことを特徴とする、DNA分析素子上のDNA
    断片に対して相補性を有する核酸断片の検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8の内の何れかの項に記
    載のDNA分析素子の表面に、蛍光発生基もしくは導電
    性基を有するインターカレータと核酸断片試料とを含む
    水性液を付与する工程;DNA分析素子に固定されてい
    るDNA断片と相補性を有する核酸断片試料をハイブリ
    ダイゼーションによってDNA分析素子上に固定する工
    程;そして、DNA分析素子のDNA断片と核酸断片試
    料とから形成されたハイブリッド構造内に取り込まれた
    インターカレータの蛍光発生基から発生する蛍光もしく
    は導電性基を介して流れる電流を検出する工程を含むこ
    とを特徴とする、DNA分析素子上のDNA断片に対し
    て相補性を有する核酸断片の検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022239429A1 (ja) * 2021-05-11 2022-11-17 株式会社村田製作所 センサ、検出方法および検出装置

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