JP3342695B2 - 反応性固相担体及びdna断片検出用具 - Google Patents

反応性固相担体及びdna断片検出用具

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JP3342695B2 JP2000371969A JP2000371969A JP3342695B2 JP 3342695 B2 JP3342695 B2 JP 3342695B2 JP 2000371969 A JP2000371969 A JP 2000371969A JP 2000371969 A JP2000371969 A JP 2000371969A JP 3342695 B2 JP3342695 B2 JP 3342695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体高分子物質の
構造の解析に有用な検出用具に関し、特に遺伝子の発
現、変異、多型等の効率的な解析に有用な、多数の生物
起源の高分子物質もしくはその類縁体を固相担体表面に
整列固定させた検出用具に関する。本発明は特に、DN
A断片試料の塩基配列の解析に有用な、多数のヌクレオ
チド誘導体もしくはその類縁体を固相担体表面に高密度
に整列固定させた高密度アレイ型検出用具(DNA検出
チップ)、そしてその高密度アレイ型検出用具の作製に
有利に用いることのできる反応性固相担体に関する。
【0002】
【従来の技術】多彩な生物の遺伝子機能を効率的に解析
するための技術開発が急速に進んでおり、それらのDN
AもしくはDNA断片の塩基配列の解析のために、DN
Aチップとよばれる、多数のDNA断片あるいは合成オ
リゴヌクレオチドなどのヌクレオチド誘導体を固相基板
の表面に固定した検出用具が用いられている。このよう
な固相基板の表面に結合固定されたヌクレオチド誘導体
などの、DNAもしくはその断片あるいは合成オリゴヌ
クレオチドのような検出用分子はプローブ分子とも呼ば
れる。代表的なDNAチップは、スライドガラス等の固
相担体に多数のプローブ分子を整列固定させたマイクロ
アレイである。このDNAチップの製造、そしてその使
用に関するDNAチップ関連技術は、DNA以外の生体
分子の検出にも利用可能であると考えられ、従って、創
薬研究、疾病の診断や予防法の開発等に新しい手段を提
供するものとして期待されている。
【0003】DNAチップ関連技術が具体化してきたの
は、DNAの塩基配列をオリゴヌクレオチドとのハイブ
リダイゼーションによって決定する方法が考案されたこ
とに始まる。この方法は、ゲル電気泳動を用いる塩基配
列決定法の限界を克服できる方法ではあったが、当初は
実用化には至らなかった。
【0004】その後、上記のような構成のDNAチップ
と、その作製技術が開発され、遺伝子の発現、変異、多
型等を短時間で効率よく調べることが可能となった。す
なわち、作製されたDNAチップ上のDNA断片もしく
はオリゴヌクレオチドに相補性を示すDNA断片試料
(標的DNA断片ともいわれる)は、一般的には、DN
Aチップ上のDNA断片もしくはオリゴヌクレオチド
と、標識したDNA断片試料とのハイブリダイゼーショ
ンを利用して検出される。
【0005】DNAチップ作製技術を実用化するために
は、多数のDNA断片やオリゴヌクレオチドを固相担体
表面に高密度に、かつ安定に整列させるための技術が必
要とされる。
【0006】DNAチップの作製方法としては、固相担
体表面で直接オリゴヌクレオチドを合成する方法(「オ
ン・チップ法」という。)と、予め調製用意したDNA
断片あるいはオリゴヌクレオチドを固相担体表面に結合
固定する方法とが知られている。オン・チップ法として
は、光照射で選択的に除去される保護基の使用と、半導
体製造に利用されるフォトリソグラフィー技術および固
相合成技術とを組み合わせ、所定の微少なマトリックス
領域でのオリゴヌクレオチドの選択的な合成を行なう方
法(「マスキング技術」という)が代表的である。
【0007】予め調製用意したDNA断片やオリゴヌク
レオチドを固相担体表面に結合固定する方法としては、
DNA断片の種類や固相担体の種類に応じて下記の方法
が知られている。 (1)固定するDNA断片がcDNA(mRNAを鋳型
にして合成した相補的DNA)やPCR産物(cDNA
をPCR法によって増幅させたDNA断片)である場合
には、cDNAあるいはPCR産物を、DNAチップ作
製装置に備えられたスポッタ装置により、ポリ陽イオン
化合物(ポリリシン、ポリエチレンイミン等)で表面処
理した固相担体の表面に点着し、DNA断片の持つ電荷
を利用して固相担体に静電結合させるのが一般的であ
る。なお、固相担体表面の処理方法としては、アミノ
基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップ
リング剤を用いる方法も利用されている。このシランカ
ップリング剤を用いた表面処理では、アミノ基、アルデ
ヒド基等は、共有結合により固相担体表面に固定される
ため、ポリ陽イオン化合物による表面処理の場合と比較
して、安定に固相担体表面に固定される。
【0008】上記のDNA断片の電荷を利用する方法の
変法として、アミノ基で修飾したPCR産物をSSC
(標準食塩−クエン酸緩衝液)に懸濁させ、これをシリ
ル化したスライドガラス表面に点着し、インキュベート
した後、水素化ホウ素ナトリウムによる処理および加熱
処理を順に行なう方法が報告されている。しかし、この
固定方法では必ずしも充分なDNA断片の固定安定度が
得られ難いという問題がある。DNAチップ技術では、
検出限界が重要となる。そのため、固相担体表面に充分
な量で(すなわち、高密度に)、かつ安定にDNA断片
が結合固定することは、DNA断片プローブと標識した
試料核酸断片とのハイブリダイゼーションの検出限界の
向上に直接影響する。
【0009】(2)固定するオリゴヌクレオチド(プロ
ーブ分子)が合成オリゴヌクレオチドである場合には、
まず反応活性基を導入したオリゴヌクレオチドを合成
し、予め反応性基を形成させるように表面処理した固相
担体表面に該オリゴヌクレオチドを点着して、該オリゴ
ヌクレオチドを固相担体表面に共有結合により結合固定
させる方法も知られている。例えば、表面にアミノ基を
導入したスライドガラスに、PDC(p−フェニレンジ
イソチオシアネート)の存在下、アミノ基導入オリゴヌ
クレオチドを反応させる方法、および該スライドガラス
に、アルデヒド基導入オリゴヌクレオチドを反応させる
方法が知られている。これらの二つの方法は、前記
(1)のDNA断片の電荷を利用して静電結合により固
定する方法と比べると、オリゴヌクレオチドが固相担体
表面に安定に結合固定されるという利点がある。しか
し、PDCを存在させる方法は、PDCとアミノ基導入
オリゴヌクレオチドとの反応が遅く、またアルデヒド基
導入オリゴヌクレオチドを用いる方法では、反応生成物
であるシッフ塩基の安定性が低い(従って、加水分解が
起こり易い)という問題点がある。
【0010】なお、近年、DNAチップのプローブ分子
として、オリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド
(合成されたオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオ
チド及びDNA分子やDNA断片、そしてRNA分子や
RNA断片をも包含する)の代りに、PNA(ペプチド
核酸)と呼ばれるオリゴヌクレオチド類縁体を用いる技
術も提唱されている。このPNAの固相基板へ共有結合
により固定するための方法として、アビジンとビオチン
とを組合わせて用いる方法も知られている(特開平11
−332595号公報)。この公開公報には、固相基板
として、表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサを
利用することの技術も記載されている。表面プラズモン
共鳴バイオセンサ上にプローブ分子が固定されたDNA
チップを用いて、その表面にハイブリダイゼーションを
介して結合固定されたDNA断片は、表面プラズモン共
鳴現象を利用して検出することができる。
【0011】また、DNAチップの基板として、電荷結
合素子(CCD)を用いることも知られている(Nuclei
c Acids Research, 1994, Vol.22, No.11, 2124-212
5)。
【0012】特開平4−228076号公報(米国特許
第5387505号明細書に対応)には、ビオチン分子
を付けた標的DNAを、アビジン分子を表面に固定した
基体に結合させて、標的DNAを分離する技術が記載さ
れている。
【0013】特公平7−43380号公報(米国特許第
5094962号明細書に対応)には、リガンド−受容
体アッセイに用いる検出用具であって、表面に反応活性
基を有する微孔質ポリマー粒子の表面に受容体分子を結
合させた分析用具が記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固相担体表
面に、予め調製した、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド、ペプチド核酸などのヌクレオチド誘導体もしく
はその類縁体を迅速かつ安定に結合固定させるために特
に有利に用いることができる反応性固相担体、そして、
その反応性固相担体に、ヌクレオチド誘導体もしくはそ
の類縁体が結合固定されてなる、特定の塩基配列部分を
有するDNA、RNA、あるいはそれらの断片の検出用
具を提供することを、その課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面処理もし
くはポリマーを用いる被覆処理により表面に一群の反応
性基が導入された固相担体の表面に下記式(2)によ
り表されるジスルホン化合物を接触させて得た、表面に
一群の下記式(1)により表されるビニルスルホニル基
もしくはその反応性前駆体基がそれぞれ連結基を介して
共有結合により固定されてなる反応性固相担体にある。
【0016】
【化4】−L−SO2−X −−− (1)
【0017】[上記の式において、Xは、−CR1=C
23または−CHR1−CR23Yを表わし;R1、R
2及びR3は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数が1
乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリー
ル基、及び炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する
合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル基からなる群
より選ばれる原子もしくは基を表わし;Yは、ハロゲン
原子、−OSO211、−OCOR12、−OSO3M、及
び四級ピリジニウム基からなる群より選ばれる原子もし
くは基を表わし;R11は、炭素原子数が1乃至6のアル
キル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、及び炭
素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子
数が7乃至26のアラルキル基からなる群より選ばれる
基を表わし;R12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル
基および炭素原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基
からなる群より選ばれる基を表わし;Mは、水素原子、
アルカリ金属原子およびアンモニウム基からなる群より
選ばれる原子もしくは基を表わし;そして、Lは連結基
を表わす]。
【0018】上記の式(1)において、Xは、−CH=
CH2で表わされるビニル基であることが望ましく、
【0019】Lは、炭素原子以外の二価以上の原子を含
む連結基であることが望ましい。Lとしては、−NH
−、−S−、もしくは−O−などの連結部位を有する連
結基であることが望ましい。Lの例としては、−
(L1n−NH−(CR122−または−(L1n
S−(CR122−[但し、R1及びR2は前記と同じ
意味を表わし、L1は連結基を表わし、そしてnは0も
しくは1である]で表わされる連結基を挙げることがで
きる。特に、Lが、−(L1n−NHCH2CH2−[但
し、L1は連結基を表わし、そしてnは0もしくは1で
ある]で表わされる連結基あることが望ましい。上記の
1は、−OSi−で表わされる基を含む連結基である
ことが望ましい。
【0020】本発明の反応性固相担体は、表面に反応性
基が導入された固相担体に、下記式(2):
【0021】
【化5】 X1−SO2−L2−SO2−X2 −−− (2)
【0022】[上記の式において、X1およびX2は互い
に独立に、−CR1=CR23、または−CHR1−CR
23Y(反応性前駆体基)を表わし;R1、R2及びR3
は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至6の
アルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、及
び炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素
原子数が7乃至26のアラルキル基からなる群より選ば
れる原子もしくは基を表わし;Yは、ハロゲン原子、−
OSO211、−OCOR12、−OSO3M、及び四級ピ
リジニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を
表わし;R11は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、
炭素原子数が6乃至20のアリール基、及び炭素原子数
が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数が7乃
至26のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表わ
し;R12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基および
炭素原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基からなる
群より選ばれる基を表わし;Mは、水素原子、アルカリ
金属原子およびアンモニウム基からなる群より選ばれる
原子もしくは基を表わし;そして、L2は連結基を表わ
す]で表わされるジスルホン化合物を接触させることに
よって容易に製造することができる。
【0023】上記の式(2)で表わされるジスルホン化
合物の代表的な例としては、1,2−ビス(ビニルスル
ホニルアセトアミド)エタンを挙げることができる。
【0024】上記の固相担体表面に導入されている反応
性基は、アミノ基、メルカプト基もしくはヒドロキシル
基であることが望ましい。
【0025】本発明はまた、一群のビニルスルホニル基
もしくはその反応性前駆体基がそれぞれ共有結合により
固定されてなる前記本発明の反応性固相担体の表面に、
該反応性基と反応して共有結合を形成する反応性基を備
えたヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体を接触させ
ることを特徴とする、スルホニル基を有する連結基を介
してヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体が担体表面
に結合固定された固相担体の製造方法にもある。
【0026】固相担体に固定するヌクレオチド誘導体も
しくはその類縁体の代表的な例としては、オリゴヌクレ
オチド、ポリヌクレオチド、およびペプチド核酸を挙げ
ることができる。これらのヌクレオチド誘導体もしくは
その類縁体としては、その分子の一方の端部もしくは端
部附近に、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、カルバ
モイル基、ヒドラジノカルボニル基、もしくはカルボキ
シイミド基などの、ビニルスルホニル基もしくはその反
応性前駆体基と反応する共有結合を形成する反応性基を
持つものが利用される。
【0027】上記のヌクレオチド誘導体もしくはその類
縁体が固定された固相担体は、水性媒体の存在下、該固
定ヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体に対して相補
性を示すオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド
(DNAもしくはその断片、あるいはRNAもしくはそ
の断片)を接触させて、ハイブリダイゼーションを発生
させることにより、その相補性オリゴヌクレオチドもし
くはポリヌクレオチドを固定することができる。固定す
べき相補性のオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオ
チドは、その固定を外部から検知することが可能なよう
に、検知可能な標識(例、蛍光標識)が結合しているこ
とが望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の反応性固相担体は、固相
担体の表面に、一群のビニルスルホニル基もしくはその
反応性前駆体基がそれぞれ連結基を介して共有結合によ
り結合固定された構成を有している。本発明の反応性固
相担体は、予め表面に反応性基を導入した固相担体を用
意し、この固相担体と、この担体表面に備えられた反応
性基と反応して共有結合を形成する反応性基を一方の端
部もしくは端部附近に有し、かつ他方の端部もしくは端
部附近にビニルスルホニル基もしくはビニルスルホニル
基の反応性前駆体基を有する化合物とを接触させること
により製造することができる。
【0029】固相担体は、特に疎水性、あるいは親水性
の低い、表面が平滑な基板であることが好ましい。ま
た、その表面が凹凸を有する平面性の低い基板も用いる
ことができる。固相担体の材質としては、ガラス、セメ
ント、陶磁器等のセラミックスもしくはニューセラミッ
クス、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、
ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリメチルメタクリレート等のポリマー、シリコン、活
性炭、多孔質ガラス、多孔質セラミックス、多孔質シリ
コン、多孔質活性炭、織編物、不織布、濾紙、短繊維、
メンブレンフィルターなどの各種の多孔質物質を挙げる
ことができる。多孔質物質の細孔の大きさは、2乃至1
000nmの範囲にあることが好ましく、2乃至500
nmの範囲にあることが特に好ましい。固相担体の材質
は、ガラスもしくはシリコンであることが特に好まし
い。これは、表面処理の容易さや電気化学的方法による
解析の容易さによるものである。固相担体の厚さは、1
00乃至2000μmの範囲にあることが好ましい。
【0030】本発明の反応性固相担体の製造に用いる固
相担体としては、従来よりDNAチップの製造に用いら
れているか、あるいはDNAチップの製造用として提案
されている各種の固相担体が好ましく利用することがで
きる。そのような固相担体の例としては、ガラス基板、
樹脂基板、シランカップリング剤で表面処理されたガラ
ス基板もしくは樹脂基板、あるいは表面に被覆層を有す
るガラス基板もしくは樹脂基板などを挙げることができ
る。固相担体としては、特に、ケイ酸ガラス基板、シラ
ンカップリング剤で表面処理されたケイ酸ガラス基板、
あるいは有機質被覆層で被覆されたケイ酸ガラス基板で
あることが好ましい。また、電気化学的な分析方法に用
いるDNAチップの基板として用いられる電極基板であ
ってもよい。また、前述の表面プラズモン共鳴(SP
R)バイオセンサ用基板、電荷結合素子(CCD)など
の各種の機能性基板であってもよい。さらに、これらの
基板以外にも、粒子状の固相担体なども用いることがで
きる。
【0031】固相担体の表面には、ジビニルスルホン化
合物などの二官能反応性化合物を共有結合により結合固
定するために、ポリ陽イオン化合物(例えば、ポリ−L
−リシン、ポリエチレンイミン、ポリアルキルアミン等
であることが好ましく、ポリ−L−リシンであることが
さらに好ましい)などのアミノ基を側鎖に有するポリマ
ーによって被覆処理(この場合、固相担体表面へ導入さ
れる反応性基は、アミノ基である)することが望まし
い。あるいは、固相担体表面は、シランカップリング剤
などの固相担体表面と反応する反応性基と、そして別に
アミノ基などの反応性基を有する表面処理剤によって接
触処理することができる。
【0032】固相担体表面は、ポリ陽イオン化合物によ
る被覆処理の場合には、アミノ基もしくはメルカプト基
がポリマー化合物と固体担体表面との静電結合によって
固相担体表面に導入されるのに対して、シランカップリ
ング剤による表面処理の場合には、固相担体表面に共有
結合によって結合固定されるため、アミノ基もしくはメ
ルカプト基が固相担体表面に安定に存在する。アミノ基
およびメルカプト基の他に、アルデヒド基、エポキシ
基、カルボキシル基、あるいは水酸基も好ましく導入す
ることができる。
【0033】アミノ基を有するシランカップリング剤と
しては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シランあるいはN−β(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシランを用いることが好まし
く、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを用いるこ
とが特に好ましい。
【0034】ポリ陽イオン化合物を用いる処理に、シラ
ンカップリング剤による処理を組み合わせて行ってもよ
い。この方法により、疎水性、あるいは親水性の低い固
相担体とDNA断片との静電的相互作用を促進すること
ができる。ポリ陽イオン化合物による処理がされた固相
担体表面上に、さらに、電荷を有する親水性高分子等か
らなる層や架橋剤からなる層を設けてもよい。このよう
な層を設けることによって、ポリ陽イオン化合物による
処理がされた固相担体の凹凸を軽減することができる。
固相担体の種類によっては、その担体中に親水性高分子
等を含有させることも可能であり、このような処理を施
した固相担体も好ましく用いることができる。
【0035】通常のDNAチップ用の固相担体の表面に
は、予め区画あるいは想定された多数の領域が設定され
ており、各領域毎に上記のように、ジビニルスルホン化
合物などの二官能性反応性化合物と反応することができ
る反応性基が予め導入されている。用いる固相担体の各
領域の表面のそれぞれには、上記のアミノ基、メルカプ
ト基、あるいはヒドロキシル基などの反応性基が備えら
れているが、そのような反応性基を持たない固相担体に
は、前述のように、シランカップリング剤による表面処
理、あるいはアミノ基などの反応性基を側鎖に有するポ
リマーなどを固相担体の表面に塗布被覆する方法を利用
して、反応性基の導入が行なわれる。
【0036】反応性基を備えた固相担体は、ジビニルス
ルホン化合物などの二官能性反応性化合物と接触するこ
とによって、その反応性基と二官能性反応性化合物とが
反応し、共有結合が形成され、固相担体の反応性基部分
が延長され、その先端もしくは先端附近にビニルスルホ
ニル基もしくはその反応性前駆体基を持つ反応性鎖が形
成され、これにより本発明の反応性固相担体が生成す
る。
【0037】本発明の反応性固相担体において、固相担
体表面に導入されるビニルスルホニル基もしくはその反
応性前駆体基と連結基との連結体は、下記の式(1)に
より表わされるものであることが望ましい。
【0038】
【化6】−L−SO2−X −−− (1)
【0039】上記の式(1)において、Xは、−CR1
=CR23または−CHR1−CR23Y(反応性前駆
体基)を表わす。R1、R2およびR3は、それぞれ互い
に独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至6のアルキル
基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、あるいは炭
素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子
数が7乃至26のアラルキル基を表わす。炭素原子数が
1乃至6のアルキル基の例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、及びn−ヘキシル
基を挙げることができ、メチル基であることが特に好ま
しい。アリール基としては、フェニル基及びナフチル基
を挙げることができる。R1、R2及びR3は共に水素原
子であることが好ましい。
【0040】Yは、−OH、−OR0、−SH、NH3
NH20(但し、R0は、水素原子を除く、アルキル基
などの基である)などの求核試薬によって置換される
基、あるいは塩基によって「HY」として脱離する基を
表わし、その例としては、ハロゲン原子、−OSO2
11、−OCOR12、−OSO3M、あるいは四級ピリジ
ニウム基を表わす(R11は、炭素原子数が1乃至6のア
ルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、ある
いは炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭
素原子数が7乃至26のアラルキル基を表わし;R
12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基あるいは炭素
原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基を表わし;M
は、水素原子、アルカリ金属原子あるいはアンモニウム
基を表わす)を挙げることができる。
【0041】Lは、固相担体もしくは固相担体に結合し
ている連結基と、上記−SO2−X基とを連結している
二価もしくはそれ以上の連結基を表わす。ただし、Lは
単結合であってもよい。二価の連結基としては、炭素原
子数が1乃至6のアルキレン基、炭素原子数が3乃至1
6の脂肪族環基、炭素原子数が6乃至20のアリーレン
基、N、SおよびPからなる群より選ばれるヘテロ原子
を1乃至3個含む炭素原子数が2乃至20の複素環基、
−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO3−、−
NR11−、−CO−およびこれらの組み合わせから群よ
り選ばれる基を一つあるいは複数個組み合わせてなる基
であることが好ましい。R11は、水素原子、炭素原子数
が1乃至15のアルキル基、炭素原子数が6乃至20の
アリール基、あるいは炭素原子数が1乃至6のアルキル
基を有する炭素原子数が7乃至21のアラルキル基であ
ることが好ましく、水素原子もしくは炭素原子数が1乃
至6のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原
子、メチル基もしくはエチル基であることが特に好まし
い。Lが−NR11−、−SONR11−、−CONR
11−、−NR11COO−、および−NR11CONR11
からなる群より選ばれる基を二個以上組み合わせてなる
基である場合には、それらのR11同士が結合して環を形
成していてもよい。
【0042】R11のアルキル基、R11のアリール基、お
よびR11のアラルキル基は、置換基を持っていてもよ
い。このような置換基としては、水酸基、炭素原子数が
1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至6のアル
ケニル基、炭素原子数が2乃至7のカルバモイル基、炭
素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が7乃至
16のアラルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリー
ル基、スルファモイル基(もしくはそのNa塩、K塩
等)、スルホ基(もしくはそのNa塩、K塩等)、カル
ボン酸基(もしくはそのNa塩、K塩等)、ハロゲン原
子、炭素原子数が1乃至6のアルケニレン基、炭素原子
数が6乃至20のアリーレン基、スルホニル基、および
これらの組み合わせからなる群より選ばれる原子もしく
は基を挙げることができる。
【0043】上記「−X」基の好ましい具体例を以下に
示す。また、「−L−SO2−X」として使用できる基
の例についても、その後に示す。
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】「−X」は、上記具体例中、(X1)、
(X2)、(X3)、(X4)、(X7)、(X8)、
(X13)あるいは(X14)であることが好ましく、
(X1)あるいは(X2)であることがさらに好まし
い。特に好ましいのは、(X1)で表わされるビニル基
である。
【0047】Lの好ましい具体例を以下に示す。但し、
aは、1乃至6の整数であり、1もしくは2であること
が好ましく、1であることが特に好ましい。bは、0乃
至6の整数であり、2もしくは3であることが好まし
い。
【0048】
【化9】
【0049】Lとしては、上記記載の二価の連結基の他
に、上記式のアルキレン基の水素原子が−SO2CH=
CH2基によって置換されてなる基も好ましい。
【0050】前記の式(1)で表わされるビニルスルホ
ニル基もしくは反応性前駆体基が共有結合により固定さ
れた固相担体を得るために利用される二官能反応性化合
物としては、下記の式(2)で表わされるジスルホン化
合物が有利に利用できる。
【0051】
【化10】 X1−SO2−L2−SO2−X2 −−− (2)
【0052】[上記の式において、X1およびX2は互い
に独立に、−CR1=CR23、または−CHR1−CR
23Y(反応性前駆体基)を表わし;R1、R2及びR3
は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至6の
アルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、及
び炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素
原子数が7乃至26のアラルキル基からなる群より選ば
れる原子もしくは基を表わし;Yは、ハロゲン原子、−
OSO211、−OCOR12、−OSO3M、及び四級ピ
リジニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を
表わし;R11は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、
炭素原子数が6乃至20のアリール基、及び炭素原子数
が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数が7乃
至26のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表わ
し;R12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基および
炭素原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基からなる
群より選ばれる基を表わし;Mは、水素原子、アルカリ
金属原子およびアンモニウム基からなる群より選ばれる
原子もしくは基を表わし;そして、L2は連結基を表わ
す]。
【0053】すなわち、上記の式(2)で表わされるジ
スルホン化合物を、前記の固相担体と、例えば水性雰囲
気にて、接触させることによって、本発明の反応性固相
担体を容易に製造することができる。
【0054】本発明で好ましく用いるジスルホン化合物
の代表例を下記に示す。なお、ジスルホン化合物は、二
種類以上を混合して用いてもよい。
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】上記の式(2)で表されるジスホルン化合
物の代表的な例としては、1,2−ビス(ビニルスルホ
ニルアセトアミド)エタンを挙げることができる。
【0058】本発明で用いるジスルホン化合物の合成法
については、たとえば、特公昭47−2429号、同5
0−35807号、特開昭49−24435号、同53
−41551号、同59−18944号等の各種公報に
詳細が記載されている。
【0059】上記のようにして得られた反応性固相担体
を利用して、DNA、RNA、DNA断片、あるいはR
NA断片などの天然起源のポリヌクレオチドあるいはオ
リゴヌクレオチドの検出固定のための検出具(一般にD
NAチップと呼ばれているもの)を作製するためには、
上記の反応性固相担体を、その担体表面上のビニルスル
ホニル基もしくはその反応性前駆体基と反応して共有結
合を形成するアミノ基などの反応性基を備えたヌクレオ
チド誘導体もしくはその類縁体と接触させる方法が利用
される。すなわち、このようにして所望のヌクレオチド
誘導体もしくはその類縁体からなるプローブ分子を備え
た検出具(いわゆるDNAチップ)を作製することがで
きる。
【0060】本発明の固相基板表面に共有結合を介して
結合されたビニルスルホニル基もしくはその反応性前駆
体基は、加水分解に対して高い抵抗性を有しているた
め、容易に安定に保存することができ、また、アミノ基
を予め備えているか、あるいはアミノ基などの反応性基
が導入されているかヌクレオチド誘導体もしくはその類
縁体の反応性基と迅速に反応して、安定な共有結合を形
成することができる。
【0061】プローブ分子として用いるヌクレオチド誘
導体もしくはその類縁体の代表例としては、オリゴヌク
レオチド、ポリヌクレオチド、そしてペプチド核酸を挙
げることができる。これらのヌクレオチド誘導体もしく
はその類縁体としては、天然起源のもの(DNA、DN
A断片、RNA、あるいはRNA断片など)であっても
よく、あるいは合成化合物であってもよい。また、ヌク
レオチド誘導体もしくはその類縁体としては、その糖単
位部分に架橋基を有するLNAと呼ばれる化合物(J. A
m. Chem. Soc. 1998, 120, 13252-13253に記載)などの
各種の類縁化合物が含まれる。
【0062】プローブ分子としてDNA断片を用いる場
合は、目的によって二通りに分けることができる。遺伝
子の発現を調べるためには、cDNA、cDNAの一
部、EST等のポリヌクレオチドを使用することが好ま
しい。これらのポリヌクレオチドは、その機能が未知で
あってもよいが、一般的にはデータベースに登録された
配列を基にしてcDNAのライブラリー、ゲノムのライ
ブラリーあるいは全ゲノムをテンプレートとしてPCR
法によって増幅して調製する(以下、「PCR産物」と
いう)。PCR法によって増幅しないものも、好ましく
使用することができる。また、遺伝子の変異や多型を調
べるには、標準となる既知の配列をもとにして、変異や
多型に対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成し、こ
れを使用することが好ましい。さらに、塩基配列の分析
を目的とする場合、4n(nは、塩基の長さ)種のオリ
ゴヌクレオチドを合成して、それらを使用することが好
ましい。DNA断片の塩基配列は、一般的な塩基配列決
定法によって予めその配列が決定されていることが好ま
しい。DNA断片は、2乃至50量体であることが好ま
しく、10乃至25量体であることが特に好ましい。
【0063】オリゴヌクレオチドやDNA断片などのヌ
クレオチド誘導体もしくはその類縁体の一方の末端に
は、前記のビニルスルホニル基もしくはその反応性前駆
体基と反応して共有結合を形成する反応性基を導入す
る。このような反応性基は、アミノ基、イミノ基、ヒド
ラジノ基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、
もしくはカルボキシイミド基であることが好ましく、ア
ミノ基であることが特に好ましい。オリゴヌクレオチド
やDNA断片には、通常、クロスリンカーを介してこれ
らの反応性基が結合される。クロスリンカーとしては、
たとえば、アルキレン基あるいはN−アルキルアミノ−
アルキレン基が利用されるが、ヘキシレン基あるいはN
−メチルアミノ−ヘキシレン基であることが好ましく、
ヘキシレン基であることが特に好ましい。なお、ペプチ
ド核酸(PNA)はアミノ基を有しているため、通常
は、改めて別に反応性基を導入する必要はない。
【0064】反応性基を備えたヌクレオチド誘導体もし
くはその類縁体と反応性固相担体との接触は、通常、該
ヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体の水溶液を反応
性固相担体の表面に点着することにより実施される。具
体的には、反応性基を備えたヌクレオチド誘導体もしく
はその類縁体を水性媒体に溶解あるいは分散して水性液
としたのち、その水性液を、96穴もしくは384穴プ
ラスチックプレートに分注し、分注した水性液をスポッ
ター装置等を用いて固相担体表面上に滴下して行うこと
が好ましい。
【0065】点着後のヌクレオチド誘導体もしくはその
類縁体の乾燥を防ぐために、ヌクレオチド誘導体もしく
はその類縁体が溶解あるいは分散してなる水性液中に、
高沸点の物質を添加してもよい。高沸点の物質として
は、点着後のヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体が
溶解あるいは分散してなる水性液に溶解し得るものであ
って、検出対象の核酸断片試料(標的核酸断片)などの
試料とのハイブリダイゼーションを妨げることがなく、
かつ粘性があまり大きくない物質であることが好まし
い。このような物質としては、グリセリン、エチレング
リコール、ジメチルスルホキシドおよび低分子の親水性
ポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーとして
は、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、そ
してポリアクリル酸ナトリウム等を挙げることができ
る。このポリマーの分子量は、103乃至106の範囲に
あることが好ましい。高沸点の物質としては、グリセリ
ンあるいはエチレングリコールを用いることがさらに好
ましく、グリセリンを用いることが特に好ましい。高沸
点の物質の濃度は、ヌクレオチド誘導体もしくはその類
縁体の水性液中、0.1乃至2容量%の範囲にあること
が好ましく、0.5乃至1容量%の範囲にあることが特
に好ましい。
【0066】また、同じ目的のために、ヌクレオチド誘
導体もしくはその類縁体を点着した後の固相担体を、9
0%以上の湿度および25乃至50℃の温度範囲の環境
に置くことも好ましい。
【0067】反応性基を有するヌクレオチド誘導体もし
くはその類縁体を点着後、紫外線、水素化ホウ素ナトリ
ウムあるいはシッフ試薬による後処理を施してもよい。
これらの後処理は、複数の種類を組み合わせて行っても
よく、特に加熱処理と紫外線処理を組み合わせて行うこ
とが好ましい。これらの後処理は、ポリ陽イオン化合物
のみによって固相担体表面を処理した場合には特に有効
である。点着後は、インキュベーションを行うことも好
ましい。インキュベート後は、未反応のヌクレオチド誘
導体もしくはその類縁体を洗浄して除去することが好ま
しい。
【0068】ヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体の
固定量(数)は、固相担体表面に対して、102乃至1
5種類/cm2の範囲にあることが好ましい。ヌクレオ
チド誘導体もしくはその類縁体の量は、1乃至10-15
モルの範囲にあり、重量としては数ng以下であること
が好ましい。点着によって、ヌクレオチド誘導体もしく
はその類縁体の水性液は、固相担体表面にドットの形状
で固定される。ドットの形状は、ほとんど円形である。
形状に変動がないことは、遺伝子発現の定量的解析や一
塩基変異を解析するために重要である。それぞれのドッ
ト間の距離は、0乃至1.5mmの範囲にあることが好
ましく、100乃至300μmの範囲にあることが特に
好ましい。1つのドットの大きさは、直径が50乃至3
00μmの範囲にあることが好ましい。固相担体表面に
点着するヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体の量
は、100pL乃至1μLの範囲にあることが好まし
く、1乃至100nLの範囲にあることが特に好まし
い。
【0069】図1に、本発明の代表的な態様であるオリ
ゴヌクレオチド固定固相担体の製造方法および代表的な
オリゴヌクレオチド固定固相担体の構成を模式的に示
す。本発明のオリゴヌクレオチドが固定された固相担体
の製造方法としては、前記式(2)で表されるジスルホ
ン化合物を用いた場合、そのX1およびX2によって四種
類の製造方法が利用できる。
【0070】図1には、式(2)のジスルホン化合物の
1とX2とが何れも−CHR1−CR23Y(反応性前
駆体基)である場合のオリゴヌクレオチドが固定された
固相担体(C1)の製造方法(a)、およびX1が−C
HR1−CR23Yであって、X2が−CR1=CR23
である場合のオリゴヌクレオチド固定固相担体(C2)
の製造方法(b)を示す。ただし、X1を、固相担体1
の表面に導入された反応性基(R)と最初に反応する基
と仮定して、そのX1を−CR1=CR23とする製造方
法であってもよい。以下、「X1」を、固相担体1の表
面に導入された反応性基(R)と最初に反応する基とし
て説明を行なう。
【0071】製造方法(a)および(b)について説明
する。 工程(1):担体表面に反応活性基(R)が導入された
固相担体1[固相担体(A)]に、式(1)で表わされ
るジスルホン化合物を接触させ、X1の−Y部分に反応
性基(R)を置換させることによって、−(CR12
n−SO2−L−SO2−X2基を固相担体表面に導入す
る。
【0072】工程(2):工程(1)で導入された−
(CR12n−SO2−L−SO2−X2基のX2に、一
方の末端に反応性基(Z)を有するオリゴヌクレオチド
2を接触させることによって反応性基(Z)を付加させ
る、または該X2の−Yに該オリゴヌクレオチド2を接
触させることによって反応性基(Z)を置換させる。
【0073】本発明のプローブ分子固定用担体は、X1
を固相担体1の表面に導入された反応性基(R)と最初
に反応する基とする場合に、そのX1を−CR1=CR2
3とする下記の方法によって製造されるものであって
もよい。
【0074】工程(1):固相担体1の表面に活性基
(R)が導入された固相担体(A)に、式(I)で表さ
れるジスルホン化合物を接触させ、X1の−CR1=CR
23に、反応性基(R)を付加させることによって、−
32C−R1HC−SO2−L−SO2−X2基を固相担
体表面に導入する。
【0075】工程(2):工程(1)において導入され
た−R32C−R1HC−SO2−L−SO2−X2基のX
2に、一方の末端に反応性基(Z)を有するオリゴヌク
レオチドを接触させることによって反応性基(Z)を付
加させるか、あるいは該X2の−Yの部分に、該オリゴ
ヌクレオチドを接触させることによって、この反応性基
(Z)を置換させる。
【0076】一方の末端に反応性基(Z)を有するオリ
ゴヌクレオチドは、図1において、2によって示される
化合物である。クロスリンカー(Q)は、必須ではない
が、反応性のオリゴヌクレオチド2の調製の都合上、反
応性基(Z)とリン酸エステル基との間に存在するのが
一般的である。−リン酸エステル基−NNNN・・・N
Nは、オリゴヌクレオチドを表わす。R4は、反応性基
(R)とX1との反応によって、Z1は、X2と反応性基
(Z)との反応によってそれぞれ決定される基である。
【0077】図1の固相担体(B)の表面に反応性基
(Z)を有するオリゴヌクレオチド2を点着させると、
2またはX2の−Yと該反応性オリゴヌクレオチド片2
との反応が起こるが、固相担体(B)の表面には該オリ
ゴヌクレオチド2が結合していない未反応のX2も存在
する。このようなX2は、後に行なわれる標識された核
酸断片試料とのハイブリダイゼーションにおいて非特異
的な反応を生じる可能性があり、非特異的な結合を測定
してしまうおそれがあるため、予め該X2(即ち、例え
ば、X2のハロゲン原子)をマスク処理しておくことが
好ましい。マスク処理は、固相担体(C1)(もしくは
(C2))の表面に、アミノ基もしくはメルカプト基を
有するアニオン性化合物を接触させることによって行う
ことが好ましい。該オリゴヌクレオチド2は、負の電荷
を有するため、固相担体(C)表面にも負の電荷を発生
させることによって、オリゴヌクレオチド2が未反応の
2と反応するのを防ぐことができる。このようなアニ
オン性化合物としては、X2のハロゲン原子と反応し、
かつ負の電荷(COO-、SO3 -、OSO3 -、PO3 -
もしくはPO2 -)を有するものであれば何れのものも用
いることができるが、アミノ酸であることが好ましく、
グリシンもしくはシステインであることが特に好まし
い。また、タウリンも好ましく用いることができる。
【0078】本発明の方法によって製造されたヌクレオ
チド誘導体もしくはその類縁体が固定された固相担体の
寿命は、cDNAが固定されてなるcDNA固定固相担
体では通常、数週間であり、合成オリゴヌクレオチドが
固定されてなる固相担体ではさらに長期間である。本発
明のヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体が固定され
た固相担体は、遺伝子発現のモニタリング、塩基配列の
決定、変異解析、多型解析等に利用される。検出原理
は、後述する標識した試料核酸断片とのハイブリダイゼ
ーションである。
【0079】標識方法としては、RI法と非RI法(蛍
光法、ビオチン法、化学発光法等)とが知られている
が、本発明では蛍光法を用いることが好ましい。蛍光標
識に利用される蛍光物質としては、核酸の塩基部分と結
合できるものであれば何れも用いることができるが、シ
アニン色素(例えば、市販のCy DyeTMシリーズの
Cy3、Cy5等)、ローダミン6G試薬、N−アセト
キシ−N2−アセチルアミノフルオレン(AAF)ある
いはAAIF(AAFのヨウ素誘導体)を使用すること
ができる。
【0080】試料核酸断片としては、通常、その配列や
機能が未知であるDNA断片試料あるいはRNA断片試
料などの核酸断片試料が用いられる。
【0081】核酸断片試料は、遺伝子発現を調べる目的
では、真核生物の細胞や組織サンプルから単離すること
が好ましい。試料がゲノムならば、赤血球を除く任意の
組織サンプルから単離することが好ましい。赤血球を除
く任意の組織は、抹消血液リンパ球、皮膚、毛髪、精液
等であることが好ましい。試料がmRNAならば、mR
NAが発現される組織サンプルから抽出することが好ま
しい。mRNAは、逆転写反応により標識dNTP
(「dNTP」は、塩基がアデニン(A)、シトシン
(C)、グアニン(G)もしくはチミン(T)であるデ
オキシリボヌクレオチドを意味する。)を取り込ませて
標識cDNAとすることが好ましい。dNTPとして
は、化学的な安定性のため、dCTPを用いることが好
ましい。一回のハイブリダイゼーションに必要なmRN
A量は、点着する液量や標識方法によって異なるが、数
μg以下である。なお、ヌクレオチド誘導体もしくはそ
の類縁体固定固相担体上のDNA断片がオリゴDNAで
ある場合には、核酸断片試料は低分子化しておくことが
望ましい。原核生物の細胞では、mRNAの選択的な抽
出が困難なため、全RNAを標識することが好ましい。
【0082】核酸断片試料は、遺伝子の変異や多型を調
べる目的では、標識プライマーもしくは標識dNTPを
含む反応系において標的領域のPCRを行なって得るこ
とが好ましい。
【0083】ハイブリダイゼーションは、96穴もしく
は384穴プラスチックプレートに分注しておいた、標
識した核酸断片試料が溶解あるいは分散してなる水性液
を、本発明のヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体を
固定した固相担体上に点着することによって実施するこ
とが好ましい。点着の量は、1乃至100nLの範囲に
あることが好ましい。ハイブリダイゼーションは、室温
乃至70℃の温度範囲で、そして6乃至20時間の範囲
で実施することが好ましい。ハイブリダイゼーションの
終了後、界面活性剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄
を行い、未反応の核酸断片試料を除去することが好まし
い。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)を用いることが好ましい。緩衝液としては、クエ
ン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝
液、グッド緩衝液等を用いることができるが、クエン酸
緩衝液を用いることが特に好ましい。
【0084】ヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体を
固定した固相担体を用いるハイブリダイゼーションの特
徴は、標識した核酸断片試料の使用量を非常に少なくで
きることである。そのため、固相担体に固定するヌクレ
オチド誘導体もしくはその類縁体の鎖長や標識した核酸
断片試料の種類により、ハイブリダイゼーションの最適
条件を設定する必要がある。遺伝子発現の解析には、低
発現の遺伝子も十分に検出できるように、長時間のハイ
ブリダイゼーションを行うことが好ましい。一塩基変異
の検出には、短時間のハイブリダイゼーションを行うこ
とが好ましい。また、互いに異なる蛍光物質によって標
識した核酸断片試料を二種類用意し、これらを同時にハ
イブリダイゼーションに用いることにより、同一のDN
A断片固定固相担体上で発現量の比較や定量ができる特
徴もある。
【0085】
【実施例】[実施例1]オリゴヌクレオチド固定スライ
ドの作製、およびオリゴヌクレオチドの固定量の測定 本発明のオリゴヌクレオチドの固定方法を、オリゴヌク
レオチドのの反応経路によって表すこととし、その反応
経路を図2に示す。図中、1は、スライドガラスを表
す。
【0086】(1)ビニルスルホニル基が導入された固
相担体(B)の作成 2重量%アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業
(株)製)のエタノール溶液に、スライドガラス(25
mm×75mm)を10分間浸した後、これを取り出
し、エタノールで洗浄した後、110℃で10分間乾燥
して、シラン化合物被覆スライド(A)を作成した。次
に、このシラン化合物被覆スライド(A)を、5重量%
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
のリン酸緩衝液(pH8.5)溶液に1時間浸した後取
り出し、アセトニトリルで洗浄し、1時間減圧下乾燥
し、表面にビニルスルホニル基が導入された固相担体
(B)を得た。
【0087】(2)オリゴヌクレオチドの点着と蛍光強
度の測定 3’末端および5’末端がそれぞれアミノ基、蛍光標識
試薬(FluoroLink Cy5−dCTP、アマ
シャム・ファルマシア・バイオテック社製)で修飾され
たオリゴヌクレオチド(3’−CTAGTCTGTGA
AGTGTCTGATC−5’)を0.1M炭酸緩衝液
(pH9.3)に分散した水性液(1×10-6M、1μ
L)を、上記(1)で得たスライド(B)に点着した。
直ちに、点着後の固相担体を25℃、湿度90%にて1
時間放置した後、この固相担体を0.1重量%SDS
(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×SS
C:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SSC:標準
食塩−クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.2×
SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄
後のスライドを0.1Mグリシン水溶液(pH10)中
に1時間30分浸積した後、蒸留水で洗浄し、室温で乾
燥させ、DNA断片が固定された固相担体(C)を得
た。この固相担体(C)表面の蛍光強度を蛍光スキャニ
ング装置で測定したところ、2500であり、バックグ
ラウンド蛍光強度より大きく増加した。従って、本発明
の固定化方法により、オリゴヌクレオチドが効率よくス
ライドガラスに固定されたことが分かる。
【0088】[実施例2]相補的な標的オリゴヌクレオ
チド試料の検出 (1)オリゴヌクレオチド固定固相担体の作製 3’末端がアミノ基で修飾された40merのオリゴヌ
クレオチド(3’−TCCTCCATGTCCGGGG
AGGATCTGACACTTCAAGGTCTAG−
5’)を0.1M炭酸緩衝液(pH9.3)に分散して
なる水性液(1×10-6M、1μL)を、実施例の
(1)で得た固相担体(B)に点着した。直ちに、点着
後の固相担体を25℃、湿度90%にて1時間放置した
後、この固相担体を0.1重量%SDS(ドデシル硫酸
ナトリウム)と2×SSC(2×SSC:SSCの原液
を2倍に希釈した溶液、SSC:標準食塩−クエン酸緩
衝液)との混合溶液で2回、0.2×SSC水溶液で1
回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄後のスライドを
0.1Mグリシン水溶液(pH10)中に1時間30分
浸積した後、蒸留水で洗浄し、室温で乾燥させ、オリゴ
ヌクレオチドが固定された固相担体(C’)を得た。
【0089】(2)相補的な標的オリゴヌクレオチド試
料の検出 5’末端にCy5(蛍光標識)が結合した22merの
標的オリゴヌクレオチド試料(CTAGTCTGTGA
AGTTCCAGATC−5’)をハイブリダイゼーシ
ョン用溶液(4×SSCおよび10重量%のSDSの混
合溶液、20μL)に分散させたものを、上記(1)で
得た固相担体(C’)に点着し、表面を顕微鏡用カバー
ガラスで保護した後、モイスチャーチャンバー内にて6
0℃で20時間インキュベートした。次いで、このもの
を0.1重量%SDSと2×SSCとの混合溶液、0.
1重量%SDSと0.2×SSCとの混合溶液、及び
0.2×SSC水溶液で順次洗浄した後、600rpm
で20秒間遠心処理し、室温で乾燥した。スライドガラ
ス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定したと
ころ、1219であり、バックグランンド蛍光強度より
大きく増加した。従って、本発明の固定化方法によって
作製されたオリゴヌクレオチド固定固相担体を用いるこ
とによって、そのオリゴヌクレオチド固定固相担体に固
定されているオリゴヌクレオチドと相補性を有する標的
DNA断片試料などの標的オリゴヌクレオチド試料を効
率的に検出できることが分かる。
【0090】[実施例3]オリゴヌクレオチド固定固相
担体の作製、およびオリゴヌクレオチドの固定量の測定 (1)アミノ基が導入された固相担体(B1)の作製 2重量%アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業
(株)製)のエタノール溶液に、スライドガラス(25
mm×75mm)を10分間浸した後取り出し、エタノ
ールで洗浄後、110℃で10分間乾燥して、シラン化
合物被覆スライド(A)を作成した。次いで、このシラ
ン化合物被覆固相担体(A)を、クロロスルホニルイソ
シアナート(0.5g)をアセトニトリル(1mL)に
溶解したアセトニトリル溶液に2時間浸した後、取り出
し、アセトニトリルで洗浄し、1時間減圧下乾燥し、固
相担体(B1)を得た。
【0091】(2)オリゴヌクレオチドの点着と蛍光強
度の測定 3’末端および5’末端がそれぞれアミノ基、蛍光標識
試薬(FluoroLink Cy5−dCTP、アマ
シャム・ファルマシア・バイオテック社製)で修飾され
たオリゴヌクレオチド(3’−CTAGTCTGTGA
AGTGTCTGATC−5’)を0.1M炭酸緩衝液
(pH8.0)に分散した水性液(1×10-6M、1μ
L)を、上記(1)で得た固相担体(B1)に点着し
た。直ちに、点着後の固相担体を、25℃、湿度90%
にて1時間放置した後、この固相担体を、0.1重量%
SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×
SSC:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SSC:
標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.
2×SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上記の
洗浄後のスライドを0.1Mグリシン水溶液(pH1
0)中に1時間30分浸積した後、蒸留水で洗浄し、室
温で乾燥させ、オリゴヌクレオチドが固定された固相担
体(C1)を得た。この固相担体(C1)表面の蛍光強
度を蛍光スキャニング装置で測定したところ、3210
であり、バックグラウンド蛍光強度より大きく増加し
た。従って、本発明の固定化方法により、標的DNA断
片試料などの標的オリゴヌクレオチド試料が効率よくス
ライドガラスに結合固定されたことが分かる。
【0092】[実施例4]相補的な標的オリゴヌクレオ
チド試料の検出 (1)オリゴヌクレオチド固定固相担体の作製 3’末端が蛍光標識試薬で修飾されていないオリゴヌク
レオチドを用いる以外は実施例1と同様にして、オリゴ
ヌクレオチドが固定された固相担体(C1’)を得た。 (2)相補的な標的オリゴヌクレオチド試料の検出 5’末端にCy5が結合した22merのオリゴヌクレ
オチド試料(CTAGTCTGTGAAGTTCCAG
ATC−5’)をハイブリダイゼーション用溶液(4×
SSCおよび10重量%のSDSの混合溶液)(20μ
L)に分散させたものを、上記(1)で得た固相担体
(C1’)に点着し、表面を顕微鏡用カバーガラスで保
護した後、モイスチャーチャンバー内にて60℃で20
時間インキュベートした。次いで、このものを0.1重
量%SDSと2×SSCとの混合溶液、0.1重量%S
DSと0.2×SSCとの混合溶液、および0.2×S
SC水溶液で順次洗浄した後、600rpmで20秒間
遠心し、室温で乾燥した。スライドガラス表面の蛍光強
度を蛍光スキャニング装置で測定したところ、1078
であり、バックグラウンド蛍光強度より大きく増加し
た。従って、本発明の固定化方法によって作製されたオ
リゴヌクレオチド固定固相担体を用いることによって、
固相担体に固定されているオリゴヌクレオチドと相補性
を有する標的DNA断片試料のような標的オリゴヌクレ
オチド試料を効率良く検出できることが分かる。
【0093】[実施例5]オリゴヌクレオチド固定固相
担体の作製、およびオリゴヌクレオチドの固定量の測定 クロロスルホニルイソシアナートの代わりに、スクシン
イミジル(4−ビニルスルホニル)ベンゾエート(0.
5g)を用いる以外は、実施例3の(1)と同様にして
固相担体(B2)を作製し、これを用いる以外は実施例
3の(2)と同様の操作を行って、オリゴヌクレオチド
が固定された固相担体(C2)を得た。固相担体(C
2)表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定した
ところ、3250であり、バックグラウンド蛍光強度よ
り大きく増加した。本発明の固定化方法により、オリゴ
ヌクレオチドが効率よくスライドガラスに固定されたこ
とが分かる。
【0094】[実施例6]相補的な標的オリゴヌクレオ
チド試料の検出 (1)オリゴヌクレオチド固定固相担体の作製 3’末端が蛍光標識試薬で修飾されていないオリゴヌク
レオチドを用いる以外は実施例3と同様にして、オリゴ
ヌクレオチドが固定された固相担体(C2’)を得た。 (2)標的オリゴヌクレオチド試料の検出 上記(1)で得た固相担体(C2’)を用いる以外は実
施例2と同様にしてスライドガラス表面の蛍光強度を蛍
光スキャニング装置で測定したところ、2325であ
り、バックグラウンド蛍光強度よりも大きく増加した。
従って、本発明の固定化方法によって作製されたオリゴ
ヌクレオチド固定固相担体を用いることによって、オリ
ゴヌクレオチド固定固相担体に固定されているオリゴヌ
クレオチドと相補性を有する標的DNA試料のような標
的オリゴヌクレオチド試料を効率良く検出できることが
分かる。
【0095】[実施例7]オリゴヌクレオチド固定固相
担体の作製、およびオリゴヌクレオチドの固定量の測定 (1)ビニルスルホン化合物−シランカップリング剤結
合体の合成 ビニルスルホニルアセト酢酸1.5gをテトラヒドロフ
ラン75mLに溶解したのち、これに3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン2.2g、次いでN,N−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC、縮合剤)2.1g
を添加して、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合
物を濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により
精製することにより、目的の結合体を得た。
【0096】(2)ビニルスルホン化合物固定基板の製
造 上記の操作により得られたビニルスルホン化合物−シラ
ンカップリング剤結合体の2%水溶液を調製し、その水
溶液にスライドガラス(25mm×75mm)を10分
間浸したのち取り出し、エタノールで洗浄後、110℃
で10分間乾燥して、ビニルスルホン化合物固定基板を
得た。
【0097】(3)オリゴヌクレオチドの点着と蛍光強
度の測定 3’末端および5’末端がそれぞれアミノ基、蛍光標識
試薬(FluoroLink Cy5−dCTP、アマ
シャム・ファルマシア・バイオテック社製)で修飾され
たオリゴヌクレオチド(3’−CTAGTCTGTGA
AGTGTCTGATC−5’)を0.1M炭酸緩衝液
(pH8.0)に分散した水性液(1×10-6M、1μ
L)を、上記(2)で得た固相担体に点着した。点着後
の固相担体を直ちに25℃、湿度90%にて1時間放置
した後、この固相担体を、0.1重量%SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2×SSC:SSC
の原液を2倍に希釈した溶液、SSC:標準食塩−クエ
ン酸緩衝液)との混合溶液で2回、0.2×SSC水溶
液で1回順次洗浄した。次いで、上記の洗浄後のスライ
ドを0.1Mグリシン水溶液(pH10)中に1時間3
0分浸積した後、蒸留水で洗浄し、室温で乾燥させ、オ
リゴヌクレオチドが固定された固相担体を得た。この固
相担体表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定し
たところ、3500であり、バックグラウンド蛍光強度
より大きく増加した。従って、本発明の固定化方法によ
り、オリゴヌクレオチドが効率よくスライドガラスに固
定されたことが分かる。
【0098】[実施例8]オリゴヌクレオチド固定固相
担体の作製、およびオリゴヌクレオチドの固定量の測定 (1)ビニルスルホニル基が表面に固定された金電極の
作成 表面をアセトンで洗浄した金電極(表面積:2.25m
2)の表面に、11−アミノ−1−ウンデカチオール
の水溶液(1mM)を2μL滴下し、室温で水溶液が乾
燥しないようにしながら10時間放置した後、蒸留水と
エタノールとで電極表面を順次洗浄した。次いで、この
金電極の表面に3%の1,2−ビス(ビニルスルホニル
アセトアミド)エタンを含むリン酸緩衝液(pH8.
5)を2μL滴下し、室温で2時間放置した後、蒸留水
とエタノールとで電極表面を順次洗浄した。その後、1
時間減圧下に乾燥することにより、表面にビニルスルホ
ニル基が連結基を介して結合した金電極を得た。
【0099】(2)オリゴヌクレオチドの固定(電気化
学的分析素子の製造) 上記の(1)で得た表面にビニルスルホニル基を有する
金電極に、5’末端にアミノヘキシル基を導入したチミ
ン20量体のオリゴヌクレオチド(T20)の水溶液(1
00ピコモル/1μL)を2μL滴下し、室温で1時間
放置した後、余分なオリゴヌクレオチド(T20)を洗浄
除去し、その後、乾燥することによって電気化学的分析
素子を製造した。
【0100】(3)フェロセンラベル化オリゴヌクレオ
チドの調製 アデニンの20量体(A20)の5’末端にアミノヘキシ
ル基リンカーを結合させて、アミノヘキシル基結合オリ
ゴヌクレオチドを得た。上記で得たアミノヘキシル基結
合オリゴヌクレオチドを用いて、竹中等によるAnalytic
al Biochemistry, 218, 436-443 (1994)に記載されてい
る方法に従い、5’末端がフェロセンで標識されたアデ
ニン20量体のオリゴヌクレオチド(F1−A20)を調
製した。
【0101】(4)相補的な標的オリゴヌクレオチド試
料の検出 上記の(2)で作成した電気化学的分析素子の表面に、
上記の5’末端がフェロセンで標識されたアデニン20
量体のオリゴヌクレオチド(F1−A20)を含む10m
Mトリス緩衝液(pH7.5)溶液の2μLを滴下し、
25℃で30分間インキュベートした。インキュベート
が終了したのち、分析素子の表面を純水にて洗浄し、未
反応の化合物F1−A20を除去した。0.1M塩化カリ
ウム−0.1M酢酸緩衝液(pH5.60)溶液を測定
溶液(38℃)として、100〜700mVの印加電圧
範囲で、ディファレンシャル・パルス・ボルタンメトリ
ー(DVP)を行なったところ、460mVの印加電圧
において、化合物F1−A20に由来する応答電流が得ら
れた。上記の操作と結果によって、オリゴヌクレオチド
が金電極の表面に安定に結合固定され、この電極を用い
て、電気化学的標識物質によって標識された、相補的な
標的ヌクレオチド試料の検出が可能であることが確認さ
れた。
【0102】
【発明の効果】本発明の固定方法を利用することによっ
て、固相担体の表面に、オリゴヌクレオチド、ポリヌク
レオチド、あるいはペプチド核酸などのヌクレオチド誘
導体あるいはその類縁体ヌクレオチドのプローブを安定
かつ迅速に固定することができる。従って、本発明の固
定方法によって作製されたヌクレオチド誘導体もしくは
その類縁体が固定された固相担体は、加水分解によるプ
ローブの離脱が起こりにくい非常に安定な固相担体とな
る。特に、固相担体として、その表面にアミノ基等をシ
ランカップリング剤を用いて導入した場合には、アミノ
基等の固相担体表面への結合も、プローブの結合も共に
共有結合であるため、固相担体上に強固にプローブを固
定することができる。プローブの安定な固定により、遺
伝子解析等に有効に利用することができる高い検出限界
を有する検出用具を得ることができる。
【0103】その一つの例として、本発明によって作製
されたオリゴヌクレオチド固定固相担体を用いて、試料
核酸断片とのハイブリダイゼーションを行なうことによ
り、オリゴヌクレオチド固定固相担体に固定されている
プローブに相補性を有する核酸断片試料を感度よく検出
することができる。また、オリゴヌクレオチドなどのプ
ローブ試料を反応性固相担体の表面に点着後、グリシン
等のアニオン性化合物で固相担体表面を処理することに
よって、試料核酸断片の非特的吸着を防ぐことができ、
このことは相補性を有する核酸断片試料の高感度の検出
に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的なオリゴヌクレオチド固定固相
担体および本発明の代表的なオリゴヌクレオチドの固定
方法を示す模式図である。
【図2】実施例1の固定方法を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/566 G01N 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 A (72)発明者 山之内 淳一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 須藤 幸夫 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 瀬志本 修 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真 フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−211899(JP,A) 特開 平8−50130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 525 C12M 1/00 C12N 15/09 G01N 31/22 121 G01N 33/53 G01N 33/566 G01N 37/00 102

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理もしくはポリマーを用いる被覆
    処理により表面に一群の反応性基が導入された固相担体
    表面に下記式(1)により表されるジスルホン化合
    物を接触させて得た、表面に一群の下記式(2)により
    表されるビニルスルホニル基もしくはその反応性前駆体
    基がそれぞれ連結基を介して共有結合により固定されて
    なる反応性固相担体。 【化1】X1−SO2−L2−SO2−X2 (1) [上記の式において、X1およびX2は互いに独立に、−
    CR1=CR23、または−CHR1−CR23Yを表わ
    し;R1、R2及びR3は、互いに独立に、水素原子、炭
    素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至
    20のアリール基、及び炭素原子数が1乃至6のアルキ
    ル鎖を有する合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル
    基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わし;Y
    は、ハロゲン原子、−OSO211、−OCOR12、−
    OSO3M、及び四級ピリジニウム基からなる群より選
    ばれる原子もしくは基を表わし;R11は、炭素原子数が
    1乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリ
    ール基、及び炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有す
    る合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル基からなる
    群より選ばれる基を表わし;R12は、炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基および炭素原子数が1乃至6のハロゲ
    ン化アルキル基からなる群より選ばれる基を表わし;M
    は、水素原子、アルカリ金属原子およびアンモニウム基
    からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わし;そし
    て、L2は連結基を表わす] 【化2】−L−SO2−X (2) [上記の式において、Xは、−CR1=CR23または
    −CHR1−CR23Yを表わし;R1、R2及びR3は、
    互いに独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至6のアル
    キル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、及び炭
    素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子
    数が7乃至26のアラルキル基からなる群より選ばれる
    原子もしくは基を表わし;Yは、ハロゲン原子、−OS
    211、−OCOR12、−OSO3M、及び四級ピリジ
    ニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わ
    し;R11は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素
    原子数が6乃至20のアリール基、及び炭素原子数が1
    乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数が7乃至2
    6のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表わし;
    12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基および炭素
    原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基からなる群よ
    り選ばれる基を表わし;Mは、水素原子、アルカリ金属
    原子およびアンモニウム基からなる群より選ばれる原子
    もしくは基を表わし;そして、Lは連結基を表わす]。
  2. 【請求項2】 固相担体表面に導入された反応性基が、
    アミノ基、メルカプト基もしくはヒドロキシル基である
    請求項1に記載の反応性固相担体
  3. 【請求項3】 Xが、−CH=CH2で表わされるビニ
    ル基であることを特徴とする請求項に記載の反応性固
    相担体。
  4. 【請求項4】 Lが、炭素原子以外の二価以上の原子を
    含む連結基であることを特徴とする請求項に記載の反
    応性固相担体。
  5. 【請求項5】 Lが、−NH−、−S−、および−O−
    からなる群から選ばれる連結部位を有する連結基である
    ことを特徴とする請求項に記載の反応性固相担体。
  6. 【請求項6】 Lが、−(L1n−NH−(CR12
    2−又は−(L1n−S−(CR122−[但し、R1
    及びR2は前記と同じ意味を表わし、L1は連結基を表わ
    し、そしてnは0もしくは1である]で表わされる連結
    基であることを特徴とする請求項に記載の反応性固相
    担体。
  7. 【請求項7】 Lが、−(L1n−NHCH2CH2
    [但し、L1は連結基を表わし、そしてnは0もしくは
    1である]で表わされる連結基あることを特徴とする
    請求項に記載の反応性固相担体。
  8. 【請求項8】 L1が、−OSi−で表わされる基を含
    む連結基であって、nが1であることを特徴とする請求
    項6もしくは7に記載の反応性固相担体。
  9. 【請求項9】 表面処理もしくはポリマーを用いる被覆
    処理により表面に一群の反応性基が導入された固相担体
    表面に下記式(1)により表されるジス ルホン化合
    物を接触させることにより、表面に一群の下記式(2)
    により表されるビニルスルホニル基もしくはその反応性
    前駆体基がそれぞれ連結基を介して共有結合により固定
    されてなる反応性固相担体を製造する方法。 【化3】X1−SO2−L2−SO2−X2 (1) [上記の式において、X1およびX2は互いに独立に、−
    CR1=CR23、または−CHR1−CR23Yを表わ
    し;R1、R2及びR3は、互いに独立に、水素原子、炭
    素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至
    20のアリール基、及び炭素原子数が1乃至6のアルキ
    ル鎖を有する合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル
    基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わし;Y
    は、ハロゲン原子、−OSO211、−OCOR12、−
    OSO3M、及び四級ピリジニウム基からなる群より選
    ばれる原子もしくは基を表わし;R11は、炭素原子数が
    1乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリ
    ール基、及び炭素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有す
    る合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル基からなる
    群より選ばれる基を表わし;R12は、炭素原子数が1乃
    至6のアルキル基および炭素原子数が1乃至6のハロゲ
    ン化アルキル基からなる群より選ばれる基を表わし;M
    は、水素原子、アルカリ金属原子およびアンモニウム基
    からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わし;そし
    て、L2は連結基を表わす] −L−SO2−X (2) [上記の式において、Xは、−CR1=CR23または
    −CHR1−CR23Yを表わし;R1、R2及びR3は、
    互いに独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至6のアル
    キル基、炭素原子数が6乃至20のアリール基、及び炭
    素原子数が1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子
    数が7乃至26のアラルキル基からなる群より選ばれる
    原子もしくは基を表わし;Yは、ハロゲン原子、−OS
    211、−OCOR12、−OSO3M、及び四級ピリジ
    ニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表わ
    し;R11は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素
    原子数が6乃至20のアリール基、及び炭素原子数が1
    乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数が7乃至2
    6のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表わし;
    12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基および炭素
    原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基からなる群よ
    り選ばれる基を表わし;Mは、水素原子、アルカリ金属
    原子およびアンモニウム基からなる群より選ばれる原子
    もしくは基を表わし;そして、Lは連結基を表わす]。
  10. 【請求項10】 固相担体表面に導入された反応性基
    が、アミノ基、メルカプト基もしくはヒドロキシル基で
    ある請求項に記載の反応性固相担体の製造方法。
  11. 【請求項11】 一群のビニルスルホニル基もしくはそ
    の反応性前駆体基がそれぞれ共有結合により固定されて
    なる請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記載の反応
    性固相担体の表面に、該反応性基と反応して共有結合を
    形成する反応性基を備えたヌクレオチド誘導体もしくは
    その類縁体を接触させることを特徴とする、スルホニル
    基を有する連結基を介してヌクレオチド誘導体もしくは
    その類縁体が担体表面に結合固定された固相担体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 ヌクレオチド誘導体もしくはその類縁
    体が、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、および
    ペプチド核酸からなる群から選ばれるものであることを
    特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11もしくは12に記載の製造
    方法により得られたヌクレオチド誘導体もしくはその類
    縁体が担体表面に結合固定された固相担体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のヌクレオチド誘導
    体もしくはその類縁体が固定された固相担体に、水性媒
    体の存在下、該固定ヌクレオチド誘導体もしくはその類
    縁体に対して相補性を示すオリゴヌクレオチドもしくは
    ポリヌクレオチドを接触させることを特徴とする相補性
    オリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドの結合固
    定方法。
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