JP5259482B2 - シール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置 - Google Patents

シール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、シール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置に関し、特に、複数のロールで仕切られる二つの空間を通気不能にシールするシール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置に関する。
帯状に形成されたPET等の樹脂フィルムや金属薄膜などの基材に、インジウムなどの金属や非金属を連続して成膜させる装置として、基材を大気圧力下から成膜処理を行う真空処理室内に搬入させるとともに、成膜処理された基材を大気圧力下に搬出させる連続成膜装置がある。
このような連続成膜装置では、真空処理室の前後に大気圧力より減圧された少なくとも一の予備室を設け、大気圧力から徐々に減圧することで、成膜処理を行う真空処理室を真空状態に保持している。
そのため、連続成膜装置では、真空処理室を含め、装置内を複数の空間に区画するとともに、真空処理室に近づくにつれて真空度が高まるよう、それぞれの空間を異なる圧力に保つ必要がある。
複数の空間をそれぞれの圧力に保つためには、各空間の気密性を高めるとともに、排気ポンプで各空間を異なる圧力となるように排気しなければならない。
しかしながら、基材は帯状に連なることから、装置全体として繋がる一つの空間を、少なくとも基材が通過する領域を確保しつつ、複数の空間に区画するとともに、区画された各空間を可能な限り気密状態にする必要がある。
連続成膜装置内を区画するとともに、区画された各空間を気密にするシール手段として、シールブロックを用いる方法と、基材を搬送するロールを用いる方法がある。
例えば、特許文献1には、シールブロックを用いた連続成膜装置が提案されている。
この連続成膜装置では、基材が通過可能な隙間を有して対向配置されたシールブロックで装置内を仕切り、複数の予備室に区画するとともに、このシールブロックにより各予備室の気密性が保たれるようになっている。
また、特許文献2には、複数のロールを利用して装置内を区画するとともに、ロールの周囲をシールして、気密にするシール装置が提案されている。
このシール装置では、相対する二つのロールで装置内を仕切り、複数の予備室に区画するとともに、シール部材を各ロールに接するようにロールの周囲に配置して、各予備室の気密性を保持するように構成されている。
特開平1−298163号公報 特開昭61−124571号公報
しかしながら、これらの特許文献に記載されたシール手段では、以下のような問題が指摘されていた。
例えば、特許文献1記載の発明では、対向配置されたシールブロック間の隙間により、各予備室が連通することから、この隙間を介して、隣り合う予備室間で空気が流通することになり、圧力差を減少させる要因となっていた。その結果、圧力差を保持するために、保持する圧力より多めに排気しなければならないことから、排気容量の大きい排気ポンプを使用せざるを得ず、燃料コストを増大させていた。
一方、装置内を複数のロールにより複数の空間に仕切る連続成膜装置では、ロールは帯状の基材を搬送するために必要不可欠なものであることから、その機能を発揮しつつ、その物理的存在を、いわゆるロールシール方式と称される、シール手段の一部として有効に活用したものといえる。
ところが、特許文献2に記載のシール装置では、ロールの周囲を全てシールする構成になっているため、以下のような弊害が生じていた。
例えば、特許文献2に記載のシール装置では、ロール周面に接する舌状の弾性シールは、ロールの軸方向に全て接するとともに、ロール端面に接するサイドピースは、各々のロール端面に接することで、相対する二つのロールを四方から囲んでシールする構成となっている。
このように、ロールを四方から囲む構成では、シールする範囲も自ずと広くなり、その分、空気漏れを生じさせる可能性も増大し、気密性の確保が困難となっていた。
また、ロール端面をシールする構成において、ロールは温度や湿度の変化に伴い特に軸方向に大きく伸縮することから、ロールが縮むことにより、空気漏れが生じるおそれがあった。
以上のような現状のシール装置が有する問題を解決すべく、本願発明者らは、鋭意研究の結果、基材が送入出可能な最小限の大きさの開口を確保したシール範囲を有するとともに、ロール周面に接することで、ロール軸方向の伸縮による影響を受けることなく、近接する複数のロールで仕切られる二つの空間を通気不能にシールする従来には存在しない画期的なシール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置を実現し得る本発明に想到するに至ったものである。
すなわち、本発明は、上述したような現状の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、最小限のシール範囲で、複数のロールで仕切られる空間の気密性を高めるロール用のシール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のシール装置は、帯状の基材を、近接して配置された複数のロールの間に通して、圧力の異なる複数の空間に亘って搬送しつつ、この基材に所定の成膜処理を行う成膜装置内に取付けられ、前記複数のロールで仕切られる送入側の空間と送出側の空間を、通気不能にシールするシール装置であって、前記複数のロールの間と通じて、前記基材を送入出可能に開口させた開口部と、前記ロールの軸方向に延びるとともに、前記開口部を挟んで平行に設けられ、ロール周面に接する軸方向シール部と、前記ロールの軸方向とほぼ直交する方向に延びるとともに、前記開口部を挟んで平行に設けられ、各ロール周面に連続して接する連続シール部と、を備え、前記軸方向シール部と前記連続シール部とが環状に繋げられて、一体に形成されるとともに、前記送入側の空間又は前記送出側の空間のいずれか一方の空間を前記開口部と連通させ、他方の空間を当該装置外部に連通させて取付けられ、前記送入側の空間と前記送出側の空間をシールする構成としてある。
このような構成とすることにより、複数のロールで仕切られる送入側の空間と送出側の空間を、それぞれシール装置の開口部又はシール装置外部と連通させて、通気不能にシールすることができる。
具体的には、軸方向シール部と連続シール部は、各々ロール周面に接するとともに、環状に繋げられて、一体に形成されるため、開口部とシール装置外部を、シール装置本体で隔てて、通気不能にシールすることができる。
そこで、本発明のシール装置を、例えば、送出側の空間を開口部に連通させ、送入側の空間をシール装置外部と連通させて取付けた場合には、開口部と連通する送出側の空間は、シール装置の内周面と複数のロールとで塞ぐことができるため、送入側の空間と送出側の空間を、通気不能とすることができる。
また、軸方向シール部と連続シール部は、各々ロール周面に接している。
これにより、軸方向シール部と連続シール部は、温度や湿度の変化によりロールが軸方向に伸縮したときでも、常にロール周面に接しているため、安定したシール性能を発揮することができる。
また、軸方向シール部と連続シール部は、複数のロールの間と通じて、基材を送入出可能に開口させた開口部を挟んでそれぞれ平行に設けられることから、シール装置をコンパクトな大きさにすることができる。
すなわち、連続シール部は、基材の幅が確保されるように、平行に配置されるとともに、各ロール周面に連続して接し、また、軸方向シール部は、基材の厚みを確保しつつ、ロール周面に接する間隔を設けて平行に配置されれば足りることから、四方からロールを囲んでシールする従来のシール構造と比べると、シール範囲を狭くすることができ、その分、空気漏れの発生を低減させることができる。つまり、外形をコンパクトにしつつ、シール性能を向上させることができる。
また、一体型であることから、取付けも容易となり、かつ、汎用性も向上する。
また、本発明のシール装置は、前記ロールと接する面側において、前記各シール部に沿って凹設され、前記ロールとの間に連続した帯状の閉空間を形成させる溝部と、前記閉空間を排気可能に外部と連通させる排気孔と、を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、送入側の空間と送出側の空間との間に、さらにもう一つの閉空間を設けることができ、この閉空間を、送入側の空間と送出側の空間との圧力差を緩和させる緩衝空間として利用することができる。
すなわち、この閉空間が、送入側の空間と送出側の空間のほぼ中間の圧力となるように排気孔から排気することで、送入側の空間と送出側の空間との空気の流通がこの閉空間により緩和され、送入側の空間と送出側の空間においてそれぞれ保持される圧力の安定性を増大させることができる。
また、この閉空間は、容積が小さいことから、排気容量の小さい排気ポンプを用いて排気することができ、省力化を図りつつ、かつ装置全体において各室の圧力を効率よく保持できる。
また、本発明の連続成膜装置は、帯状の基材を、近接して配置された複数のロールの間に通して、大気圧力下から少なくとも一の減圧された予備室を介して所定の成膜処理を行う真空処理室内に搬入させるとともに、成膜処理された基材を少なくとも一の減圧された予備室を介して大気圧力下に搬出させる連続成膜装置であって、前記複数のロールで仕切られる送入側の空間と送出側の空間を、通気不能にシールするシール装置を備え、前記シール装置が、本発明のシール装置である構成としてある。
このような構成とすることにより、大気圧力下と予備室、予備室と真空処理室とを、それぞれ本発明のシール装置で高気密状態にシールすることから、成膜処理を行う真空処理室の真空状態を良好に保つことができ、製造効率を向上させることができる。
また、本発明の連続成膜装置は、前記複数のロールのうち少なくとも一のロールを弾性ロールとし、前記弾性ロールを他のロールに接するように配置した構成とすることができる。
このような構成とすることにより、複数のロールを干渉するように接して配置しても、弾性ロールが弾性変形するため、それぞれのロールが回動不能となることもなく、また、ロールの間に挟まれる基材の幅方向に隙間が形成されず、ロール間が弾性体で閉ざされてシールされるため、各室の気密性を向上させることができる。
また、本発明の連続成膜装置は、前記弾性ロールと前記他のロールとの距離を調整可能な調整手段を備える構成とすることができる。
これにより、弾性ロールと他のロールとの距離を調整することで、弾性ロールと他のロールとの密着度を調整でき、各室の気密性を増大させる調整を行うことができる。
以上、本発明のシール装置と、これを備える連続成膜装置によれば、最小限のシール範囲で、ロールで仕切られる空間の気密性を高めて、効率的に成膜処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る連続成膜装置を示す概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る連続成膜装置の予備室を拡大した拡大正面図である。 本発明の一実施形態に係るシール装置を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシール装置とロールとの関係を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシール装置によるシール原理を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係るシール装置と、これを備える連続成膜装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[連続成膜装置]
本実施形態に係る連続成膜装置は、図1に示すように、帯状の基材Bを、装置内に近接して配置された複数のロールの間に通して、大気圧力下から減圧された複数の予備室11a〜11cを介して所定の成膜処理を行う真空処理室内10a,10bに搬入させるとともに、成膜処理された基材Bを減圧された複数の予備室11d〜11fを介して大気圧力下に搬出させる連続成膜装置1である。
具体的には、連続成膜装置1は、大気圧力下に設置され、巻回された基材Bを装置内に巻き出す巻出ロール12aと、真空状態に減圧され、基材Bに各々異なる成膜処理を行う真空処理室10a,10bと、成膜処理された基材Bを巻き取る巻取ロール12bとを備えている。
また、巻出ロール12aと真空処理室10aとの間であって、基材Bを真空処理室10に搬入する側には、予備室11a〜11cが設けられ、真空処理室10bと巻取ロール12bとの間であって、基材Bを真空処理室10から搬出する側には、予備室11d〜11fが設けられている。
真空処理室10と、予備室11a〜11fは、図示しない排気ポンプとそれぞれ接続され、各室がそれぞれ異なる圧力となるように排気されている。
具体的には、真空処理室10は、高真空度(例えば、0.1torr)に保持されるように排気され、予備室11a〜11cは、真空処理室10に近づくにつれ、低圧になるように段階的に減圧され、予備室11d〜11fは、反対に、真空処理室10から遠ざかるにつれ、段階的に増圧するように差動排気される。
このように本発明の連続成膜装置1は、基材Bを、大気圧力下から徐々に減圧させて真空処理室内10a,10bに搬入させるとともに、成膜処理された基材Bを徐々に増圧させて大気圧力下に搬出させる、いわゆるAir−to−Air方式の連続成膜装置として構成されている。
真空処理室10では、真空状態で、基材Bにスパッタリング法又は蒸着法により所定の成膜処理を行う。
具体的には、本実施形態の真空処理室10は、例えば、プラスチック(PET)からなる基材Bに、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)などの化合物からなる光吸収層を形成し、CIS系、CIGS系の光電変換セル(太陽電池)を製造する真空チャンバーとして構成され、複数の真空処理室10a,10bを設けることで、光吸収層に加え、窓層(ZnO:Al)、バッファ層、電極層(Mo)などを室別に積層させ、基材Bに多層膜を形成できるようになっている。
なお、真空処理室10は、二室に限られず、成膜処理を行う工程に対応させて一室でもよく、また、三室以上設けることもできる。
予備室11a〜11fは、個別の圧力に減圧されるとともに、基材Bを搬送する複数のロールが各々設けられている。予備室11の具体的な構成を、図2に示す。
同図は予備室11を拡大した図であり、真空処理室10に対して搬送側に設置された予備室11a〜11cを示している。なお、予備室11a〜11cと予備室11d〜11fは、真空処理室10を挟んで左右対称に形成され、ほぼ同じように構成されている。
各予備室11は、基材Bが挿通可能な挿通孔16を介して連通されるとともに、基材Bを搬送するステンレス等の鋼材で形成された二つの金属ロール13a,13bと、金属ロールにシリコンやゴムなどの弾性部材がロール周面に巻回された弾性ロール14と、を備えている。
各金属ロール13は、所定の間隔をおいて、平行に配置されるとともに、図示しないモータにより駆動され、軸17を中心に回動するように構成されている。
弾性ロール14は、各金属ロール13それぞれに隙間なく接し、各金属ロール13が回動することで、これに伴い、軸17を中心に従動する。
本実施形態では、基材Bは、金属ロール13aと弾性ロール14との間を通して搬送するようになっている。
そして、このように構成されたロール13,14により、以下のように各予備室11a〜11fと、真空処理室10が区画されている。
例えば、予備室11aに設けられた各金属ロール13及び弾性ロール14と、予備室11bに設けられた各金属ロール13及び弾性ロール14との間の空間を予備室11bとし、この空間を排気ポンプで排気して、予備室11a及び予備室11cと異なる圧力に保持する。
このように、本実施形態では、各予備室11a〜11fに設けられた各金属ロール13及び弾性ロール14と、これと隣接する予備室11に設けられた各金属ロール13及び弾性ロール14とで、各予備室11と真空処理室10とに区画されている。
すなわち、本実施形態の連続成膜装置1は、図1に示すように、基材Bが連続して搬送される一つの空間として形成された装置内が、各金属ロール13及び弾性ロール14で順次仕切られ、複数の予備室11と真空処理室10とが形成されている。
そして、各予備室11と真空処理室10を各々異なる圧力に保持しなければならないことから、本実施形態の連続成膜装置1は、各室を気密にするシール手段を備えている。
各室を気密にするシール手段として、各金属ロール13と弾性ロール14との間をシールするシール構造(ロールシール方式)と、これらのロール周面に接する本発明のシール装置20とが設けられている。
各金属ロール13と弾性ロール14との間をシールするシール構造は、図2に示すように、金属ロール13a,13bと弾性ロール14とが隙間なく接するように設置するだけでなく、弾性ロール14を弾性部材で形成することで、弾性ロール14が弾性変形して、金属ロール13a,13bと弾性ロール14との密着度を高めるように構成してある。
その結果、金属ロール13aと弾性ロール14との間において、基材Bの幅方向に形成される隙間が弾性ロール14で閉ざされ、各室間をシールすることができる。
また、弾性ロール14は、空気により可動するエアシリンダ15に直結され、各金属ロール13との距離を調整できるように構成されている(調整手段)。
これにより、金属ロール13a,13bと弾性ロール14との距離を変化させることで、これらのロール間の密着度を調整できるようになっている。
なお、調整手段は、空気により可動するエアシリンダ15に限られず、油圧により可動させる油圧シリンダを用いてもよい。また、弾性ロール14を、電気を動力とするモータにより可動させ、各金属ロール13との距離を調整することもできる。
[シール装置]
次に、本発明のシール装置20は、金属ロール13a,13bと弾性ロール14の各ロール周面に接することで、各ロール13,14と各予備室11の壁面との間に形成される隙間をシールするように構成されている。以下に、シール装置20について図面を参照しつつ、詳述する。
図3は、本実施形態のシール装置20を示す概略斜視図であり、図4は、シール装置20と各ロール13,14との関係を示す概略斜視図であり、図5は、シール装置20によるシール原理を模式的に示す説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態のシール装置20は、基材Bを送入出可能に開口させた開口部24を囲む、軸方向シール部21と連続シール部22とが環状に繋げられて、一体に形成されている。
具体的には、軸方向シール部21は、ロール13,14の軸方向Xに延びるとともに、開口部24を挟んで平行に設けられる、金属ロール13aに接する軸方向シール部21aと、金属ロール13bに接する軸方向シール部21bと、を備えている(図4参照)。
このように、軸方向シール部21は、各金属ロール13の軸方向Xをシールするように構成されている。
一方、連続シール部22は、ロール13,14の軸方向Xと直交する方向Yに延びるとともに、開口部24を挟んで平行に設けられ、金属ロール13aに接する連続シール部22aと、金属ロール13bに接する連続シール部22bと、弾性ロール14に接する連続シール部22cと、をそれぞれ備えている(図4参照)。
各連続シール部22a〜22cは、各々接するロール13,14と同じ曲率を有する円弧状に形成されるとともに、各連続シール部22a〜22cが連続して連なることで、ロール13,14の軸方向Xと直交する方向Yをシールするように構成されている。
そして、シール装置20は、このように構成された軸方向シール部21と連続シール部22とが環状に繋げられたものであり、各ロール13,14の回動に伴い、摺接面20a,20bが各ロール周面に摺接しながら、ロール13,14との間に隙間を生じさせることなく密着するようになっている。
摺接面20a,20bの背面側となる底面20eは、平面状に形成され、シール装置20は、この底面20eが予備室11の壁面に接して、ボルト等で固着される。
また、環状に繋げられた軸方向シール部21と連続シール部22とで囲まれる開口部24は、金属ロール13aと弾性ロール14、及び金属ロール13bと弾性ロール14のそれぞれの間に通じ、金属ロール13aと弾性ロール14との間に挟まれる基材Bが送入出可能に開口されている。
さらに、シール装置20は、ロール13,14と接する摺接面20a,20b側において、各シール部21,22に沿って凹設され、接したロール周面との間に連続した帯状の閉空間23bを形成させる溝部23と、この閉空間23bを排気可能に外部と連通させる複数の排気孔23aと、を備えている(図3、図5参照)。
そして、以上のような構成からなるシール装置20のシール原理について、図5を参照して説明する。
図5の例では、基材Bは、予備室11aから予備室11bに向かって搬送されるものとする。その結果、金属ロール13a,13bと弾性ロール14とで仕切られる予備室11aは基材Bの送入側の空間となり、予備室11bは基材Bの送出側の空間となる。
そして、シール装置20は、その底面20eが送出側の空間(予備室11aにおける予備室11b側の壁面)に固着され、その摺接面20a,20bが金属ロール13a,13bと弾性ロール14の回動に伴って各ロール周面に摺接するように取付けられている。
シール装置20をこのように取付けることで、予備室11aはシール装置20の外周面20dと連通し、予備室11bはシール装置20の内周面20c、つまり、開口部24と連通することになる。
その結果、送入側の空間(予備室11a)と送出側の空間(予備室11b)は、環状に形成されたシール装置20によって隔てられ、空気の流通ができない状態、すなわち、通気不能となる。
このように、シール装置20は、摺接面20a,20bがロール周面に接してシールするため、温度や湿度の変化によるロール13,14の軸方向Xに対する伸縮の影響を受けずにシールすることができ、安定したシール性能を発揮することができる。
また、軸方向シール部21と連続シール部22は、金属ロール13a,13bと弾性ロール14の間に通じ、基材Bを送入出可能に開口させた開口部24を挟んでそれぞれ平行に設けてあるため、四方からロール13,14をシールする従来のシール構造と比べると、シール範囲を狭くすることができ、その分、空気漏れの発生を低減させることができる。すなわち、外形をコンパクトにしつつ、シール性能を向上させることができる。
なお、本実施形態のシール装置20は、軸方向シール部21が、金属ロール13a,13bに接するとともに、連続シール部22が、金属ロール13a,13bと弾性ロール14に接するように構成したが、軸方向シール部21と連続シール部22が、基材Bを挟む金属ロール13aと弾性ロール14からなる二つのロールのみに接するように構成することもできる。
このように構成することで、開口部24が小さくなり、シール範囲をさらに狭小化させることもできる。
また、シール装置20は、このようにコンパクトで、一体に形成されるため、取付けも容易であり、汎用性も向上する。
さらに、図5に示すように、シール装置20は、溝部23により各ロール周面との間に閉空間23bが形成されるとともに、この閉空間23bを所定の圧力に保つため、排気ポンプと接続可能に外部と連通する複数の排気孔23aを設けてある。
これにより、この閉空間23bを、送入側の空間(予備室11a)と送出側の空間(予備室11b)との圧力差を緩和させる緩衝空間として利用することができる。
すなわち、この閉空間23bを予備室11aと予備室11bのほぼ中間の圧力となるように排気孔23aを介して排気することで、予備室11aと予備室11bとの間における空気の流通がこの閉空間23bにより緩和され、予備室11aと予備室11bにおいてそれぞれ保持される圧力の安定性を増大させることができる。
また、この閉空間23bは、容積が小さいことから、排気容量の小さい排気ポンプを用いて排気することができ、省力化を図りつつ、かつ装置全体において各室の圧力を効率よく保持できる。
さらに、前述したように、弾性ロール14が弾性変形して、基材Bを隙間なく挟み込むことで、ロール13,14との間がシールされるため、送入側の空間(予備室11a)と送出側の空間(予備室11b)は、ロール面においても通気不能にシールされる。
このように本実施形態の連続成膜装置1は、各予備室11と真空処理室10を通気不能にシールするシール手段を備えていることから、各室を排気する排気ポンプに過度な負荷を与えることなく適正に排気させることができるとともに、高いシール性能を発揮する各予備室11に挟まれる真空処理室10を高真空度に保持できることから、基材Bに対して連続して行われる成膜処理の効率化が図られる。
以上説明したように、本実施形態のシール装置20と、このシール装置20を備える連続成膜装置1は、最小限のシール範囲で、ロール13、14で仕切られる空間の気密性を高めて、効率的に成膜処理を行うことができる。
以上、本発明のシール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るシール装置と、このシール装置を備える連続成膜装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態の連続成膜装置1では、シール装置20がロール13,14に対して基材Bの送出側に取付けてある予備室11a〜11cを用いて説明したが、予備室11d〜11fは、真空処理室10を挟んで予備室11a〜11cと左右対称に構成されているため、これらの予備室11d〜11fでは、シール装置20はロール13,14に対して基材Bの送入側に取付けられている。そして、このようにシール装置20を送入側に取付けても、送出側に取付けてある場合と同様なシール効果を発揮できることはいうまでもない。
さらに、シール装置20を送入側と送出側の両方に取付けることもできる。
また、上述した実施形態の連続成膜装置1では、ロール13,14を利用して、各室を区画するとともに、通気不能にシールしたが、シールブロックを併設して、気密性をさらに高めることもできる。
また、上述した実施形態では、各空間を仕切るロールの数を三つとしたが、二つ以上であればロールの数はいくつでもよい。
本発明は、複数のロールの間に帯状の基材を通して、基材を大気圧力下から徐々に減圧させて真空処理室に搬入させるとともに、成膜処理された基材を徐々に増圧させて大気圧力下に搬出させる連続成膜装置に広く利用することができる。
1 連続成膜装置
10 真空処理室
11 予備室
12a 巻出ロール
12b 巻取ロール
13 金属ロール
14 弾性ロール
15 エアシリンダ
17 軸
20 シール装置
21 軸方向シール部
22 連続シール部
23 溝部
24 開口部

Claims (4)

  1. 帯状の基材を、近接して配置された複数のロールの間に通して、圧力の異なる複数の空間に亘って搬送しつつ、この基材に所定の成膜処理を行う成膜装置内に取付けられ、前記複数のロールで仕切られる送入側の空間と送出側の空間を、通気不能にシールするシール装置であって、
    前記複数のロールの間と通じて、前記基材を送入出可能に開口させた開口部と、
    前記ロールの軸方向に延びるとともに、前記開口部を挟んで平行に設けられ、ロール周面に接する軸方向シール部と、
    前記ロールの軸方向とほぼ直交する方向に延びるとともに、前記開口部を挟んで平行に設けられ、各ロール周面に連続して接する連続シール部と、
    前記ロールと接する面側において、前記各シール部に沿って凹設され、前記ロールとの間に連続した帯状の閉空間を形成させる溝部と、
    前記閉空間を排気可能に外部と連通させる排気孔と、を備え、
    前記軸方向シール部と前記連続シール部とが環状に繋げられて、一体に形成されるとともに、
    前記送入側の空間又は前記送出側の空間のいずれか一方の空間を前記開口部と連通させ、他方の空間を当該装置外部に連通させて取付けられ、前記送入側の空間と前記送出側の空間をシールすることを特徴とするシール装置。
  2. 帯状の基材を、近接して配置された複数のロールの間に通して、大気圧力下から少なくとも一の減圧された予備室を介して所定の成膜処理を行う真空処理室内に搬入させるとともに、成膜処理された基材を少なくとも一の減圧された予備室を介して大気圧力下に搬出させる連続成膜装置であって、
    前記複数のロールで仕切られる送入側の空間と送出側の空間を、通気不能にシールするシール装置を備え、
    前記シール装置が、請求項1記載のシール装置であることを特徴とする連続成膜装置。
  3. 前記複数のロールのうち少なくとも一のロールを弾性ロールとし、前記弾性ロールを他のロールに接するように配置した請求項2記載の連続成膜装置。
  4. 前記弾性ロールと前記他のロールとの距離を調整可能な調整手段を備える請求項3記載の連続成膜装置。
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