JP2009076690A - 薄膜製造装置及び薄膜製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性基板の利用率を向上させることができる薄膜製造装置及び薄膜製造方法を提供すること。
【解決手段】長尺の可撓性基板111上の長手方向の複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施して複数の成膜領域を形成することにより、可撓性基板111上に複数の薄膜太陽電池を形成する薄膜製造装置100であって、複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施すことにより、長手方向に同じ長さの成膜領域をそれぞれ形成すると共に、成膜領域の長さL1の整数倍の間隔で配置された複数の成膜室131〜135と、可撓性基板111を成膜室131〜135の配置間隔ごとに順次ステップ送りする駆動手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば薄膜太陽電池に用いられるアモルファスシリコンを製膜する薄膜製造装置及び薄膜製造方法に関する。
アモルファスシリコン(以下a−Siと記す)を主材料とした薄膜太陽電池を高分子材料あるいはステンレス鋼などの金属からなる可撓性基板上に形成して製造する方法は、生産性の点で優れている。長尺の可撓性基板上に複数の層を成膜する方式として、各成膜室内を移動する可撓性基板上に成膜するロールツーロール方式と、成膜室内で停止させた可撓性基板上に成膜した後、成膜の終わった基板部分を成膜室外へ送り出すステッピングロール方式とがある。
ステッピングロール方式薄膜製造装置に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。このステッピングロール方式の薄膜製造装置は、通常の成膜中も搬送を停止しないロールツーロールの薄膜製造装置に比べ以下の点で優れている。
第1に、成膜中は成膜室は閉じられているので、隣接する成膜室とのガス相互拡散がない。第2に、隣接する成膜室間にガス拡散を防止するガスカーテン部を設ける必要がなく、薄膜製造装置がコンパクトである。
図7(A)は、共通真空室内に成膜室を複数有するステッピングロール成膜方式の薄膜製造装置の構成の概略を示す。図7(A)に示す薄膜製造装置1は、可撓性基板11の巻出し用アンワインダー室2と、前記可撓性基板11に金属電極層、光電変換層及び透明電極層などの薄膜を形成するために設けられた複数個の独立した処理空間としてなる成膜室3、4及び5と、巻取り用ワインダー室6とを備え、可撓性基板11はコア12から捲き出されコア13に巻き取られる間に、複数の成膜室3〜5によって成膜されるように構成されている。共通室7は複数の成膜室3〜5を内部に収めている。
成膜室3〜5ではスパッタ成膜またはプラズマ化学気相成長法(以下プラズマCVD法と記す)により成膜が行われる。例えば、プラズマCVD法により成膜するステッピングロール方式成膜では、成膜室開放一基板1フレーム移動一成膜室封止一原料ガス導入一圧力制御一放電開始一放電終了一原料ガス停止−ガス引き一成膜室開放からなる操作が繰り返される。ここで、可撓性基板11の1フレーム移動は、図7(B)に示されるマーカー孔15を用い、光センサーを用いた位置検出法によりステップ搬送する。
特開平6−291349号公報
ところで、従来のステッピングロール方式の成膜装置では、ロールツーロール方式の成膜装置に比べ、必然的に成膜室と成膜室の間は太陽電池とならない非成膜領域AR2が生じ、これが可撓性基板11の利用率を下げ、太陽電池のコストアップとなっていた。
例えば、図7(B)に示すように、従来のステッピングロール方式の薄膜製造装置1のマーカー孔15を基準に設定される1フレーム(成膜間隔L0)が1050mmである場合、成膜領域AR1は成膜間隔L0に対し小さく、基板の利用率は、基板の搬送方向に対して75%程度とあまり高くなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、可撓性基板の利用率を向上させることができる薄膜製造装置及び薄膜製造方法を提供することを目的とする。
本発明の薄膜製造装置は、長尺の可撓性基板上の長手方向の複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施して複数の成膜領域を形成することにより、前記可撓性基板上に複数の薄膜太陽電池を形成する薄膜製造装置であって、前記複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施すことにより、前記長手方向に同じ長さの前記成膜領域をそれぞれ形成すると共に、前記成膜領域の長さの整数倍の間隔で配置された複数の成膜室と、前記可撓性基板を前記成膜室の配置間隔ごとに順次ステップ送りする駆動手段とを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、成膜室がその成膜領域の長さの整数倍の間隔で複数配置されており、この間隔ごとに可撓性基板をステップ送りしながら成膜処理を実行することにより、可撓性基板上に隙間を空けることなく複数の成膜領域を形成することができる。これにより、可撓性基板の利用率を向上させることができる。
また本発明は、上記薄膜製造装置において、前記可撓性基板は、前記成膜領域の長さと同等の間隔で前記長手方向に順次形成された複数のマーカーを備え、前記駆動手段は、前記マーカーの位置を検出し、該検出されたマーカーの位置に基づいて前記可撓性基板の送りを制御することを特徴とする。
この構成によれば、マーカーの位置に基づいて可撓性基板をステップ送りしながら、複数の成膜領域を隙間なく形成することができる。
また本発明は、上記薄膜製造装置において、ロール状に巻き取られた前記可撓性基板を送り出す送り出しコアを内部に有する送り室と、前記複数の成膜室を内部に有し、前記送り室から送り出された前記可撓性基板を前記複数の成膜室に順次受け入れる共通室と、前記成膜処理が終了した可撓性基板を巻き取る巻き取りコアを内部に有する巻き取り室と、前記送り室、前記共通室及び前記巻き取り室の各空間をそれぞれシールして分割するシール機構とを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、1つおきに成膜領域が形成された可撓性基板を巻き取り室から送り室へ移動させて、形成済みの成膜領域間に新たな成膜領域を形成する際に、共通室の環境を保ったまま、可撓性基板の移動を行うことができる。
本発明の薄膜製造方法は、長尺の可撓性基板をステップ送りしながら該可撓性基板上の長手方向の複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施し複数の成膜領域を形成することにより、前記可撓性基板上に複数の薄膜太陽電池を形成する薄膜製造方法であって、前記複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施すことにより、前記長手方向に同じ長さの前記複数の成膜領域を該成膜領域の長さの整数倍の間隔でそれぞれ形成する第1の成膜処理ステップと、前記第1の成膜処理ステップにより形成された前記複数の成膜領域の間の領域に成膜領域をそれぞれ形成する第2の成膜処理ステップとを具備したことを特徴とする。
この方法によれば、第1の成膜処理による成膜領域と第2の成膜処理による成膜領域とを隙間を空けずに連続して形成することができる。これにより、可撓性基板の利用率を向上させることができる。
また本発明は、上記薄膜製造方法において、前記第1の成膜処理ステップでは、前記可撓性基板を送り出す送り室から送り出された前記可撓性基板に対して、前記成膜室を有する共通室で第1の成膜処理が実行された後、該成膜処理後の可撓性基板が前記共通室から前記可撓性基板を巻き取るための巻き取り室に搬送され、前記第2の成膜処理では、前記送り室、前記共通室及び前記巻き取り室の各空間がそれぞれシールされた後、前記巻き取り室側に巻き取られた前記成膜処理済みの可撓性基板が前記共通室内の可撓性基板から切り離されて前記送り室にセットされ、該セットされた可撓性基板が前記共通室内の可撓性基板と接続された後、第2の成膜処理が実行されることを特徴とする。
この方法によれば、1つおきに成膜領域が形成された可撓性基板を巻き取り室から送り室へ移動させて、形成済みの成膜領域間に新たな成膜領域を形成する際に、共通室の環境を保ったまま、可撓性基板の移動を行うことができる。
また本発明は、上記薄膜製造方法において、前記送り室にセットされた前記第1の成膜処理済みの可撓性基板と前記共通室内に残る可撓性基板との接続は、前記可撓性基板に一定間隔で形成されたマーカーの位置に基づいて行われることを特徴とする。
この方法によれば、マーカーの位置に基づいて可撓性基板をステップ送りしながら、複数の成膜領域を隙間なく形成することができる。
本発明によれば、可撓性基板の利用率を向上させることができる薄膜製造装置及び薄膜製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1(A)は、本実施の形態にかかるステッピングロール方式の薄膜製造装置100の構成を示す概略図である。この薄膜製造装置100は、可撓性基板111に金属電極層、光電変換層及び透明電極層等の薄膜を順次成膜することにより、薄膜太陽電池を製造するものである。
図1(A)において、薄膜製造装置100は、可撓性基板111を巻回した送りコア121と、送りコア121から巻き出された可撓性基板111を巻き取る巻き取りコア122と、送りコア121から送り出された可撓性基板111に対して、順次成膜を行うための成膜室131、132、133、134及び135を有する。巻き取りコア122は、図示しない駆動装置によって回転駆動可能となっている。
また、薄膜製造装置100は、送りコア121を内部に設置した送り室201と、成膜部131〜135を内部に設置した共通室202と、巻き取りコア122を内部に設置した巻き取り室203とを有する。
送り室201と共通室202との間には、隔壁211が設けられており、この隔壁211の一部に設けられた連通孔212を介して送り室201から共通室202へ可撓性基板111が送り出されるようになされている。連通孔212には、基板シール機構213が設けられている。この基板シール機構213は、連通孔212に挿通された可撓性基板111を挟むことにより、送り室201の内部空間と共通室202の内部空間とを遮断するものである。この基板シール機構213を開状態とすることにより、送り室201と共通室202とが連通し、これに対して基板シール機構213を閉状態とすることにより、送り室201と共通室202とが遮蔽状態となる。送り室201には、室内を排気するための真空ポンプ221が接続されており、基板シール機構213が開状態である場合において、送り室201を真空状態とすると共通室202も真空状態となり、送り室201を大気圧状態とした場合には共通室202も大気圧状態となる。一方、基板シール機構213を閉状態とした場合には、共通室202を真空状態にしたままで送り室201を大気圧状態にすることができる。
また、共通室202と巻き取り室203の間には、隔壁214が設けられており、この隔壁214の一部に設けられた連通孔215を介して共通室202から巻き取り室203へ可撓性基板111が送り込まれるようになされている。連通孔215には、基板シール機構216が設けられている。この基板シール機構216は、連通孔215に挿通された可撓性基板111を挟むことにより、共通室202の内部空間と巻き取り室203の内部空間とを遮断するものである。この基板シール機構216を開状態とすることにより、共通室202と巻き取り室203とが連通し、これに対して基板シール機構216を閉状態とすることにより、共通室202と巻き取り室203とが遮蔽状態となる。巻き取り室203には、室内を排気するための真空ポンプ222が接続されており、基板シール機構216が開状態である場合において、巻き取り室203を真空状態とすると共通室202も真空状態となり、巻き取り室203を大気圧状態とした場合には共通室202も大気圧状態となる。一方、基板シール機構216を閉状態とした場合には、共通室202を真空状態にしたままで巻き取り室203を大気圧状態にすることができる。
共通室203には、送り室201から送り出されて巻き取り室203に送り込まれる可撓性基板111に対して、その送り室201から巻き取り室203への搬送に伴って順次成膜を行うための成膜室131〜135が、可撓性基板111の搬送の上流側から下流側に成膜順に配置されている。これら複数の成膜室131〜135は、一定の間隔L2で配置されている。具体的には、成膜室131〜135によって形成される薄膜の成膜領域の搬送方向の長さL1が、隣り合う成膜室131〜135の間隔L2となるように設定されている。但し、基板位置ぶれ防止機構217が設けられている成膜室133と134との間隔L3は、基板位置ぶれ防止機構217のアイドルロールによる可撓性基板111の蛇行分を含めた長さがL1となるよう、間隔L2よりも小さい間隔となっている。因みに、基板位置ぶれ防止機構217は、アイドルロールによって可撓性基板111の幅方向の基板位置ずれを防ぐものである。
なお、図1(A)においては、成膜室131〜135の間隔L2が成膜領域の基板搬送方向の長さL1と同じ場合について述べているが、間隔L2が長さL1の整数倍であってもよい。
図2は、成膜室131の構成を示す断面図である。なお、ここでは成膜室131について説明するが、他の成膜室132〜135も成膜室131と同様の構成となっているものとする。
図2(A)は、成膜室131が開放された状態を示す断面図であり、図2(B)は、成膜室131が封止された状態を示す断面図である。成膜室131においては、断続的に搬送されてくる可撓性基板111の両面に函状の第1の成膜室壁体141と第2の成膜室壁体142とが対向配置されている。
第1の成膜室壁体141には、可撓性基板111に対向する位置に高電圧電極144が設けられている。この高電圧電極144は、電源140に接続されている。また、第1の成膜室壁体141には、排気管143が設けられている。一方、第2の成膜室壁体142には、可撓性基板111に対向する位置にヒーター151を内蔵した接地電極152が設けられている。
第2の成膜室壁体142は、駆動手段(図示せず)によって、第1の成膜室壁体141に向かう方向及び第1の成膜室壁体141から離間する方向に移動可能に支持されている。また、第1の成膜室壁体141の可撓性基板111に対向する端部141aには、シール部材145が設けられている。
図2(A)に示す開放された状態から、第2の成膜室壁体142を第1の成膜室壁体141へ向かう方向に移動させることにより、接地電極152が可撓性基板111を抑え、これにより可撓性基板111がシール部材145に接触する。また、第2の成膜室壁体142の端部142aが可撓性基板111に接触し、これにより図2(B)に示すように、可撓性基板111は、第1及び第2の成膜室壁体141、142によって挟み込まれる。この状態において、成膜室131の内部空間は、可撓性基板111が配置された状態で、外部空間から密閉される。この封止状態においては、可撓性基板111と第1の成膜室壁体141とによって成膜処理空間である電極室146が形成され、可撓性基板111と第2の成膜室壁体142とによって形成されるヒーター室147とは、可撓性基板111によって独立した空間となる。
このように、第1の成膜室壁体141と可撓性基板111とによって密閉された電極室146が形成された状態において、高電圧電極144へ高周波電圧を印加することにより、プラズマを電極室146に発生させ、導入管(図示せず)から導入された原料ガスを分解して可撓性基板111の表面に膜を形成することができる。
また、薄膜製造装置100(図1(A))には、共通室202の一部において搬送される可撓性基板111に対向する位置に光センサでなるマーカーセンサ155が設けられている。このマーカーセンサ155は、光発信器155aと光検出器155bとから構成されており、可撓性基板111を挟んでその両側に位置される。このマーカーセンサ155においては、可撓性基板111に形成されているマーカー孔を検出することにより、搬送される可撓性基板111の位置を検出することができる。これによりマーカー穴を検出し、可撓性基板111を一定の距離だけ搬送させてから停止させることにより、ステッピングロール方式搬送の基板位置決めを行うことができる。なお、本実施の形態では、マーカーセンサ155として光透過型センサーを用いたが、光反射型センサーを用いてもよい。
すなわち、図1(B)に示すように、可撓性基板111には、その側縁部に沿って可撓性基板111の搬送方向に複数のマーカー孔159が一定間隔で形成されている。各マーカー孔159の配置間隔は、成膜室133〜135の配置間隔L2と同等となっている。なお、成膜室133〜135の配置間隔L2は、成膜室133〜135によって形成される薄膜の成膜領域AR10の搬送方向の長さL1と同じ長さとなっていることにより、マーカー孔159の配置間隔は、成膜領域の長さL1に対しても同じ長さとなっている。
なお、各成膜室131〜135、マーカーセンサ155、巻き取りコア122は、図示しない制御部によって制御される。
本実施の形態の薄膜製造装置100によるステッピングロール方式成膜では、成膜室開放−基板1フレーム移動−成膜室封止−原料ガス導入−圧力制御−放電開始−放電終了−原料ガス停止−ガス引きー成膜室開放からなる操作が繰り返される。
次に、本実施の形態の薄膜製造装置100によって製造される薄膜太陽電池について説明する。本実施の形態において製造される薄膜太陽電池は、電気絶縁性を有する可撓性基板111上に、第1電極(以下、下電極とも称する)、薄膜半導体層からなる光電変換層および第2電極(以下、透明電極とも称する)が積層されてなる光電変換素子(またはセル)が複数形成されている。ある光電変換素子の第1電極と隣接する光電変換素子の第2電極を電気的に接続することを繰り返すことにより、最初の光電変換素子の第1電極と最後の光電変換素子の第2電極とに必要な電圧を出力させることができる。
このような光電変換素子とその直列接続は、電極層と光電変換層の成膜と各層のパターニングおよびそれらの組み合わせ手順により形成される。すなわち、図3は、薄膜太陽電池の一例を示し、図3(A)は平面図であり、図3(B)は、図3(A)における線ABCDおよびBQCに沿っての断面図であり、図3(C)は図3(A)におけるEE断面図を示す。電気絶縁性でフレキシブルな樹脂からなる長尺の可撓性基板(フィルム基板)上に、順次、第1電極層、光電変換層、第2電極層が積層され、可撓性基板の反対側(裏面)には第3電極層、第4電極層が積層され、裏面電極が形成されている。光電変換層は例えばアモルファスシリコンのpin接合である。可撓性基板用材料としては、ポリイミドのフイルム、例えば厚さ50μmで、幅500mm、長さ200mのフイルムが用いられている。フイルムの材質としては、他に、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはアラミド系のフイルムなどを用いることができる。
可撓性基板には接続孔h1が開いており、この接続孔h1の内壁で第1電極層と第3電極層が重なり、電気的に接続されている。第1電極層は所定の形状に加工され、下電極m1〜m6を形成している。下電極m1〜m6の隣接部は、一本の分離線g3と、二列の直列接続の光電変換素子間および周縁導電部fとの分離として二本の分離線g3が形成され、下電極m1〜m6は分離線により囲まれている。
集電孔h2は下電極m1〜m6内に開けられており、下電極上に光電変換層pが形成されている。また、光電変換層p上には第2電極u1〜u6が幅W2で形成されている。光電変換層p及び第2電極層には、第1電極層と同じ分離線が形成されている。
基板の裏面には、第3電極層上に第4電極層が形成されおり、電気的に接続されている。第3電極層と第4電極層は、隣接電極間では分離線により接続電極e12〜e56、及び電力取り出し電極o1、o2に個別化され、また、基板の周縁部では表側の分離線g3と重なるように分離線g2により分離されている。
集電孔h2の内壁では、第1電極層と第3電極層は重ならず、電気的に導通していない。また、光電変換層pが集電孔h2の内壁を被い、第1電極層と第2電極層を電気的に絶縁している。さらに、第2電極層と第4電極層が集電孔h2の内壁で重なり、電気的に接続されている。
全ての薄膜太陽電池素子を一括して囲う周縁、及び二列の直列接続太陽電池素子の隣接する境界には(周縁導電部fの内側)分離線g3があり、分離線g3の中にはどの層も無い。裏側では、全ての電極を一括して囲う周縁、及び二列の直列接続電極の隣接する境界には(周縁導電部fの内側)分離線g2があり、分離線g2の中にはどの層も無い。
こうして、電力取り出し電極o1−集電孔h2−上電極u1、光電変換層、下電極m1−接続孔h1−接続電極e12−上電極u2、光電変換層、下電極m2−接続電極e23−・・・−上電極u6、光電変換層、下電極m6−接続孔h1−電力取出し電極o2の順の光電変換素子の直列接続が完成する。
なお、第3電極層と第4電極層は電気的には同一の電位であるので、以下の説明においては説明の便宜上、併せて一層の接続電極層として扱うこともある。
次に、本実施の形態のステッピングロール方式の薄膜製造装置100を用いて、上述の薄膜太陽電池を製造する方法について、図4(A)〜図4(G)を参照しながら説明する。可撓性基板111には、厚さ50μm、幅507mm、長さ300mのフィルム基板(ポリイミドフイルム)110を用いる。フィルム基板110の材質としては、他に、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはアラミド系のフイルムなどを用いることができる。また、厚さも25μm〜100μm程度まで適宜使用可能である(図4(A))。
このフィルム基板110に直径1.5mmの貫通孔178を開ける。貫通孔178の開け方は、エネルギービーム照射による方法、パンチ等により機械的に開ける方法があるが、本実施の形態では、パンチにより機械的に開ける。貫通孔178としては、ステッピングロール方式の装置で位置決めを行うための位置決め用のマーカー孔159(図1(B))と、ユニットセルを直列接続するための接続孔である。位置決め用のマーカー孔159は、基板搬送方向に870mm間隔で開ける(工程A:図4(B))。
次に、ロールツーロール方式の成膜装置により、基板の両面にDCスパッタリング法により第1電極層174および第3電極層173として、金属電極層(Ag層)を100nm形成した。形成法はDCスパッタリング法の他に、RFスパッタリング法、蒸着法、スクリーン印刷法などでもよい。金属電極層はAg、Al、Ni、Cr、Ti、Cu等の単体層や、これらのいくつかの合金、あるいは積層膜でもよい。金属電極層の厚さは、50mmから1000nmが適当である。本工程により、基板のそれぞれの面の金属電極層が、貫通孔178を通して電気的に接続される(工程B:図4(C))。
次に、ステッピングロール方式の穴あけ装置により、両面に金属電極層が形成されたフィルム基板110に直径1.5mmの集電孔177を開けた。開け方は、工程Aの方法と同様である。この時のフィルム基板110の位置決めは、工程Aで開けた位置決め用マーカー孔を用いる。(工程C:図4(D))。
次に、光電変換層175を形成する面の金属電極層を、貫通孔178と工程Cで開けた集電孔177を含み、かつ、貫通孔178が両端にくるようにパターニングにより分割した。パターニングラインの加工にはステッピングロール方式のレーザ装置、あるいは、ブラスト装置を用いる(工程D)。
次に、ステッピングロール方式のプラズマCVDならびにスパッタリングを含む薄膜製造装置100(図1(A))で、a−Siを主構成材料とする薄膜光電変換層175(図4(E))、透明電極層176(図4(F))、及び背面の接続電極層179(図4(G))を形成する。この詳細な方法については、後述する(工程E)。
次に、成膜工程(図4(E)〜(G))が終了した後、ステッピングロール方式のパターニング装置にて、基板の両面の積層を適宜分割し、ユニットセルの直列接続からなる太陽電池を形成する。以上の工程により、図3に示した薄膜太陽電池を作製する。なお、パターニングラインの加工には、前記電力の取り出し用の電極層を含み、その加工には、レーザ加工装置、あるいはサンドブラスト装置を用いる(工程F)。
次に、上記工程Eにおけるステッピングロール方式の薄膜製造装置100による光電変換層175、透明電極層176、接続電極層179の形成方法に関する実施の形態の詳細について、以下に述べる。
上記工程Eで形成される薄膜光電変換素子は、a−Siを主構成材料とするnipnipの積層構造を有するタンデム型セルである。工程Eでは、上記工程A〜工程Dによって作製された金属電極層付き基板(可撓性基板111)を、図1(A)に示される薄膜製造装置100に取り付ける。図1(A)に示した送りコア121と巻き取りコア122間の可撓性基板111の張力は、図示されていない張力制御装置により制御する。
次に真空引きをしながら、それぞれの成膜室131〜135(CVD室、スパッタ室)のヒーター温度を薄膜光電変換素子の各成膜層の温度と同じ、あるいは、10℃から50℃程度高い温度に設定して、ヒーターが設定温度に到達した状態で共通室202の圧力が6×10^−3Pa以下の圧力になるまで真空引きを行う(工程1)。なお、本実施の形態では、成膜室131〜135をCVD室及びスパッタ室として使い分けている。
次に、マーカーセンサ155(図1(A))とマーカー孔159を用い、図1(B)に示す成膜位置に可撓性基板111を搬送して停止させた。具体的には、マーカー孔159をマーカーセンサ155で検出後、該可撓性基板111をL1−L4の長さだけ搬送方向aに搬送して停止させる(工程2)。因みに、L4は、図1(A)に示すように、マーカーセンサ155の取り付け位置と、その基板搬送の上流側に配置される成膜室134による成膜位置の下流側の端部との間隔を表す。
次に、各成膜室131〜135のヒータ室147と電極室146(図2)を合致させて各々個別の成膜空間を形成する。そして、このようにして形成された各成膜室131〜135のうちのCVD室では、この状態でH2ガスを導入し、圧力を133Paにして4時間保った。H2ガスの流量はCVD室の大きさにより調整可能で、所定の圧力が維持できれば良い。本実施の形態では10sccmから500sccmとした。また、圧力は各層を形成する圧力と同程度、あるいは高い方が良い。H2ガスを成膜室に導入することにより、H2ガスの熱伝導により、真空である場合よりも効率的に成膜室の各部の温度がヒーターからの熱で上昇する。これにより成膜室壁面や可撓性基板111に表面吸着した水分、二酸化炭素、窒素等の吸着成分が脱離し易くなる。また、H2ガスを導入している間に電極間に高電圧を印加するのも良い。この場合、放電空間にさらされている成膜室壁面や可撓性基板111に吸着しているガスは分解され、いっそう脱離し易くなる。H2を導入している時間は装置の大きさによって異なるが、成膜室131〜135の各部の温度がおおよそ安定する時間が良い。本実施の形態の場合では、約3時間で成膜室131〜135の各部の温度が安定した。本実施の形態では、成膜室131〜135に導入するガスとしてH2ガスを用いたが、H2を主成分とする混合ガスを用いても良い。混合ガスを用いる際には、H2の分圧が15Pa以上であることが有効である。また、H2以外のガスでは、An、He、Ne、Xeなどの不活性ガスでも良い(工程3)。
次に、H2ガスの導入をやめて、各CVD室の真空排気用ポンプ(図示せず)で1×10^−3Paまで真空引きを行う(工程4)。
その後、SiH4とH2の流量を1:1とした混合ガスを成膜室に導入し、圧力27Paで30分間の予備的成膜を行った。予備的成膜終了後、原料ガスの導入をやめ、成膜室を高真空排気用ポンプで8×10^−4Paまで真空排気した。成膜室壁体にa−Si膜を成膜することによりいっそう成膜室壁体141からの不純物の脱雛を抑制できる。このあらかじめ成膜する予備的成膜条件では、圧力と放電パワーの組み合わせで正規の各層の成膜条件よりも放電が広がる条件が良い。このように薄膜光電変換素子の各層を形成する前に、あらかじめ成膜室壁体をa−Si膜でコーティングすることにより、実際に正規に薄膜光電変換素子の各層を成膜する際に炭素、酸素、窒素等の不純物の混入量を少なくすることができる(工程5)。
一方、透明電極層を形成するスパッタ室では、ヒーター室147と電極室146(図2を合致させて個別の成膜空間を作った後、2×10^-4Paまで真空引きを行う。その後、Arガスを導入し、圧力を0.2Paにして10%SnドープされたITOターゲットに高周波電力を印加し、成膜を行う。この時の放電パワーは、光電変換素子を実際に形成するときの放電パワーより高い、あるいは、圧力と放電パワーの組み合わせで放電が広がる条件が良い。これにより、実際の光電変換素子形成時に成膜室壁からの炭素、窒素、酸素等の不純物の脱ガスを減らし、形成した透明電極層への混入を抑えることができる。そして、成膜終了後、Arガスの導入をやめ、成膜室を真空排気用ポンプで2×10^−4Paまで真空排気する(工程6−1)。
接続電極層を形成するスバッタ室でも、ヒーター室147及び電極室146(図2)を合致させて個別の成膜空間を作った後、2×10^-4Paまで真空引きを行う。その後、Arガスを導入し、圧力を2PaにしてAgターゲットに直流電圧を印加し、成膜を行った。この時の放電パワーは、光電変換素子を正規に形成するときの放電パワーより高い、あるいは、圧力と放電パワーの組み合わせで放電が広がる条件が良い。これにより、正規の光電変換素子形成時に成膜室壁からの炭素、窒素、酸素等の不純物の脱ガスを減らし、形成した背面電極層への混入を抑えることができる。そして、成膜終了後、Arガスの導入をやめ、成膜室を高真空排気用ポンプで2×10^-4Paまで真空排気する(工程6−2)。
次に、各成膜室131〜135のヒーター温度を薄膜光電変換素子を形成する各層の成膜温度に設定する。各CVD室では、この状態でH2ガスを導入し、圧力を133Paにして30分間保つ。H2ガスの流量はCVD室の大きさにより調整可能で、所定の圧力が維持できれば良い。本実施の形態では10sccmから500sccmとする。また、圧力は各層を形成する圧力と同程度、あるいは高い方が良い。一方、各スバッタ室では、真空の状態で保持した。この工程により、各CVD室、スバッタ室のヒーター温度をセル試作時の温度に設定する(工程7)。
次に、各CVD室ではH2ガスの導入をやめて、真空排気用ポンプで8×10^−4Paまで真空引きを行う。そして、ヒーター室147と電極室146(図2)とを合致して形成していた成膜室を開放する。その後、可撓性基板111を矢印a(図1(B))で示す搬送方向に1フレーム移動する。この際の基板1フレームの移動方法は、上述の工程2で説明した方法と同様である(工程8)。すなわち、可撓性基板111を矢印a方向に移動開始した後、マーカー孔159をマーカーセンサ155で検出後、該可撓性基板111をL1−L4の長さだけ搬送方向aに搬送して停止させる。なお、1フレームとは、マーカー孔159を基準に設定されている成膜間隔を示すものであり、本実施の形態の場合、成膜室の成膜によって形成される成膜領域AR10の長さL1と一致する。
次に、各成膜室131〜135のヒーター室147と電極室146(図2)とを合致させて各々個別の成膜空間を作った。この状態で、Siを主構成材料とするp型、i型、n型のa−Si膜、または、a−SiGe膜、または、a−SiO膜、または、JLC−Si膜を形成する各CVD室では、前記の所定の膜の原料ガスを導入し、ガス流量が安定した後、圧力コントロールバルブで所定の圧力に調整した。その後、接地電極と高電圧電極の間に13.56MHzの高周波電力を印加し、所定の膜を形成した。成膜終了に際しては、高周波電力の印加停止後に原料ガスの供給を止め、真空排気ポンプにより8×10^−4Paまで真空引きする(工程9−1)。
透明電極層のITO、あるいは、接続電極層のAgを形成するスバッタ室では、2×10^−4Paまで真空引きを行った後、スバッタガスとしてArを成膜室に導入する。ガス流量が安定した後、圧力コントロールバルブで所定の圧力に調整する。その後、接地電極とターゲット間に直流電力を印加し、所定の膜を形成する。成膜終了に際しては、直流電力の印加停止後にスバッタガスの供給を止め、真空排気ポンプにより2×10^-4Paまで真空引きする(工程9−2)。
次に、各層の成膜終了後、ヒーター室147と電極室146(図2)とを移動させて形成していた成膜室を開放して、可撓性基板111を1フレーム移動する。可撓性基板111の搬送方法は、上述の工程2と同様である(工程10)。
次に、上述の工程9から工程10を繰り返して、300個の薄膜光電変換素子の成膜を行う(工程11)。
次に、基板シール機構213、216を閉じて、共通室202、送り室201及び巻き取り室203を分離し、共通室202を真空引きしたままで、送り室201及び巻き取り室203について真空排気ポンプと両室の間のバルブを閉じ、乾燥空気を導入して大気開放する。この際、共通室202内の可撓性基板111は、基板シール機構213及び216で挟んで保持する。一方、送り室201及び巻き取り室203内の可撓性基板111は、送りコア121及び基板シール機構213、並びに巻き取りコア122及び基板シール機構216を支点として張力制御する(工程12)。
次に、送りコア121と基板シール機構213との間、及び、巻き取りコア122と基板シール機構216との間の張力を解放し、送り室201内、及び巻き取り室203内で可撓性基板111を切断して共通室202内に繋がる可撓性基板111と分離する。(工程13)。
巻き取りコア122に巻き取られた成膜後の可撓性基板111は、次工程以降に引き渡して工程Fの処理を行うことにより、基板上に300個の薄膜太陽電池が形成される(工程14)。
また、巻き取り室203では空の巻き取りコア122を新たに取り付け、送り室201では可撓性基板(可撓性基板111)が巻かれた送りコア121を新たに取り付ける。そして、巻き取りコア122には巻き取り室203内の共通室202内に繋がる可撓性基板111の端部をテープで固定し、張力制御を行う。送りコア121に巻かれた可撓性基板111の端部には、送り室201内の共通室202内に繋がる可撓性基板111の端部をテープで接続し、張力制御を行う。可撓性基板111の接続は、マーカー159a(159b)の位置を合わせて行われる。ここで、送りコア121に巻かれた可撓性基板111と共通室202内に繋がる可撓性基板111の接続部は、後工程で成膜室のヒーター加熱部に近接して搬送されるため、この接続部に使用するテープは耐熱性に優れるものが良い(工程15)。
次に、送り室201及び巻き取り室203を所定の圧力まで真空引きし、基板シール機構213及び216を開ける。これにより、送りコア121から巻き取りコア122の間の接続された可撓性基板111が張力制御される。そして、送りコア121側の基板接続部が、基板シール機構213を超えて巻き取り室216内に入るまで、可撓性基板111を連続搬送する。(工程16)。
次に、上述の工程2の基板位置決めを行い、工程9から工程16を繰り返して、可撓性基板111上に300個の薄膜太陽電池が形成されたものを複数作製する(工程17)。
上述の工程1〜17に示したようなステッピングロール方式の薄膜製造装置100による薄膜光電変換層の可撓性の可撓性基板111上への形成は、成膜室131〜135の電極交換などのメンテナンスが必要になるまで、繰り返すことが出来る。
以上説明したように、本実施の形態の薄膜製造装置100においては、複数の成膜室131〜135が一定の間隔で配置されていると共に、各成膜室131〜135によって形成される薄膜の成膜領域の搬送方向の長さL1が、隣り合う成膜室131〜135の間隔L2と等しくなるように設定されている(因みに、間隔L2は、搬送される可撓性基板111が蛇行しないで直線状に搬送される場合の長さとして設定されている値であり、基盤位置ぶれ防止機構217が設けられている成膜室133と成膜室134との間の間隔L2は、アイドルロール218による可撓性基板111の蛇行分だけ短くなっている)。このように、成膜室131〜135の間隔L2と、複数の成膜室131〜135の各成膜室における成膜領域の長さL1とが同じ長さで形成されていることにより、この長さL1(L2)だけ可撓性基板111を移動させて次の成膜処理を実行することにより、可撓性基板111に対しては図1(B)に示すように、可撓性基板111の長手方向に連続して成膜領域AR10を形成することができる。
この場合、成膜室131〜135が同じ間隔L2(成膜領域AR10の長さL1と同じ長さ)で配置されていることに伴って、可撓性基板111においては、その長手方向(搬送方向)に成膜領域AR10の長さL1(隣り合う成膜室の間隔L2)と同じ一定間隔でマーカー孔159が順次配列されており、薄膜製造装置100は、このマーカー孔159を基準に可撓性基板111をステップ送りしながら成膜処理を実行することにより、マーカー孔159の配置間隔で成膜領域AR10が隙間を空けずに形成される。
また、薄膜製造装置100は、搬送開始の後、マーカーセンサ155でマーカー孔159を検出してからL1−L4だけ可撓性基板111を搬送することにより、可撓性基板111の連続した領域に成膜領域を形成することができる。
かくして、本実施の形態の薄膜製造装置100を用いることにより、図1(B)に示したように、可撓性基板111上に各成膜領域AR10を間隔を開けずに連続して形成することができる。かくして、従来のように基板上に形成された各成膜領域AR10間に間隔が開けられている場合に比べて一段と多くの成膜領域AR10を形成することができる。そして、各成膜領域AR10ごとに薄膜太陽電池が作成されることから、本実施の形態の薄膜製造装置100によれば、同じ長さの基板から一段と多くの薄膜太陽電池を形成することができる。
本実施の形態では、可撓性の可撓性基板111上に基板搬送方向の長さL1が870mmの成膜領域を連続的に300個形成可能である。従って、成膜領域の基板搬送方向の基板利用率は、従来の75%程度から100%へと向上する。
また、300mの長さの基板に対し、870mmの成膜長さを持つ薄膜太陽電池を300個形成できるため、全基板長に対する基板搬送方向の利用率を、300m÷(0.87m×300個)×100=87%にすることができた。
なお、上述の実施の形態においては、300mの長さの可撓性基板111を用い、該可撓性基板111に300個の成膜領域を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、可撓性の基板として長さが1500mのものを用い、この基板上に成膜領域(すなわち薄膜太陽電池)を1680個形成するようにすることもできる。この場合、全基板長に対する基板の利用率は、1500m÷(0.87m×1680)×100=97%となり、上述の実施の形態に対して、全基板長に対する基板搬送方向の利用率を更に10%高くすることができる。
なお、上述の第1の実施の形態においては、成膜室131〜135の隣接間隔L2を成膜領域AR10の長さL1と等しくする場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、成膜領域AR10の長さL1の整数倍とすることができる。この場合においても、可撓性基板111を成膜領域AR10の長さL1ごとに進めて順次成膜を行うことにより、可撓性基板111上には、成膜領域AR10が隙間なく連続して形成されることになる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。図5(A)は、図1(A)に示した薄膜製造装置100と同様の構成を有しており、この薄膜製造装置100によって、図5(B)及び(C)に示す手順により、可撓性の可撓性基板111に対して、最終的に連続した領域に成膜領域AR11、AR12を間隔を開けずに形成するようになされている。この実施の形態の場合、上述した第1の実施の形態に比べて、図5(B)に示すように、第1の成膜処理において、1フレームおきに成膜領域AR11を形成した後、図5(C)に示すように、第1の成膜処理に続く第2の成膜処理において、第1の成膜処理で形成された成膜領域AR11の間の空き領域に、成膜領域AR12を形成することにより、最終的に連続した領域に成膜領域AR11、AR12を形成する点が異なる。
以下の本実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の薄膜製造装置100と同様の構成部分については、同一符号を付して、重複した説明を省略する。また、第1の実施の形態において説明した工程と同様の処理については、第1の実施の形態において説明した工程名を引用することにより、その工程の重複した説明を省略する。
本実施の形態の薄膜製造装置100によるステッピングロール方式成膜では、成膜室開放−基板2フレーム移動−成膜室封止−原料ガス導入−圧力制御−放電開始−放電終了−原料ガス停止−ガス引きー成膜室開放からなる操作が繰り返される。なお、各成膜室131〜135、マーカーセンサ155、巻き取りコア122は、図示しない制御部によって制御される。
本実施の形態の薄膜製造装置100においては、上述の第1の実施の形態における工程2(成膜位置への基板搬送方法)、工程10(成膜領域への成膜と、次成膜領域への基板搬送方法)、工程11(薄膜光電変換素子の成膜数)、工程13乃至工程17(工程内容及び工程順)が変更される。
すなわち、工程2において、薄膜製造装置100は、マーカー孔159aと交互に開いているマーカー孔159bを誤って検出しないよう、可撓性基板111の搬送開始から少なくとも長さL4より大きな値を搬送した後に検出したマーカー孔(すなわち、マーカー孔159a)のみを、マーカーセンサ155により検出するようにした。なお、マーカー孔159aと159bとの違いは、成膜領域AR11に対し、送り室201側にある孔がマーカー孔159aであり、巻き取り室203側にある孔がマーカー孔159bである。
これにより、図5(B)に示すように、可撓性基板111上に成膜領域AR11を1フレームおきに成膜することができる。
また、工程10において、薄膜製造装置100は、前記工程2において可撓性基板111を1フレームおきに搬送するため、可撓性基板111を2フレーム移動させる。
また、工程11において、薄膜製造装置100は、前記工程10において可撓性基板111を2フレームずつ移動させるために、図5(B)に示すように、第1の実施の形態と同じ長さの可撓性基板111上の成膜領域AR11を1フレームおきに139個の薄膜光電変換素子を成膜する。
また、工程13以降については、1フレームおきに成膜領域AR11が形成された可撓性基板111に対して、各成膜領域AR11の間の空き領域に成膜領域AR12(図5(C)を形成するため、以下のように変更される。
工程14において、薄膜製造装置100では、成膜領域AR11に薄膜光電変換素子が既に形成されている可撓性の可撓性基板111が巻き取られた巻き取りコア122が送りコア124として取り付けられる。また、巻き取り室203では空の巻き取りコア123が新たに取り付けられる。なお、送り室201に取り付けられた巻き取りコア122を、ここでは説明上送りコア124と称する。巻き取りコア123においては巻き取り室203内の共通室202内に繋がる可撓性基板111の端部がテープで固定され、張力制御が行われる。
一方、送り室201に取り付けられた送りコア124に巻き取られている可撓性基板111(成膜領域AR11が形成されている基板)と共通室202内に繋がる可撓性基板111との接続は、両基板のマーカー孔159aの位置が合わせられて基板同士がテープで接続され、張力制御が行われる。ここで、送り室201に取り付けられた送りコア124に巻かれた可撓性基板111と共通室202内に繋がる可撓性基板111の接続部は、後工程で成膜室131〜135のヒーター加熱部に近接して搬送されるため、この接続部に使用するテープは耐熱性に優れるものが良い。
また、工程15は、第1の実施の形態の工程16と同様であり、この工程により、送りコア124から巻き取りコア123の間の接続された可撓性基板111が張力制御され、送りコア124側の基板接続部が、基板シール機構213を超えて巻き取り室203に入るまで、可撓性基板111が連続搬送される。
また、工程16において、薄膜製造装置100は、マーカーセンサ155とマーカー孔159aを用い、図5(C)の成膜位置に可撓性基板111を搬送する。すなわち、薄膜製造装置100は、第1の成膜処理(図5(B))において成膜領域AR11が形成された可撓性基板111の各成膜領域AR11の間の空き領域に対して、成膜室131〜135による成膜が行われる位置に該可撓性基板111を搬送して停止させる。具体的には、マーカー孔159bをマーカーセンサ155で検出した後、可撓性基板111を矢印aで示す搬送方向にL1−L4の長さだけ搬送して停止させる。なお、薄膜製造装置100は、マーカー孔159bと交互に開いているマーカー孔159aを誤って検出しないよう、搬送開始から少なくともL4より大きな値を搬送した後に検出したマーカー孔のみを、マーカーセンサ155で検出する。
これにより、図5(C)に示すように、可撓性の可撓性基板111上に成膜領域AR12が1フレームおきに成膜される。すなわち、第1の成膜処理(図5(B))において1フレームおきに形成された成膜領域AR11の間の空き領域に、成膜領域AR12が形成される。この場合、薄膜製造装置100は、マーカー孔159aによって可撓性基板111を位置決めすることにより、成膜領域AR12を形成すべき領域(成膜領域AR11の間の空き領域)が正確に成膜室131〜135に位置決めされる。そして、薄膜製造装置100においては、各成膜室131〜135の配置間隔L2が、成膜領域AR11の長さL1と等しくなるように配置されていることにより、成膜領域AR11と成膜領域AR12とは、隙間なく連続して形成される。
また、工程17において、薄膜製造装置100は、マーカー孔159aに基づいて、可撓性基板111を搬送及び位置決めしながら、成膜領域AR12を形成する。この処理は、成膜領域AR11を形成する第1の成膜処理(上述の工程9乃至工程11)と比べて、マーカー孔159bに代えてマーカー孔159aを用いる点が異なり、その他の処理内容は同様である。これにより、この第2の成膜処理において、成膜領域AR12を順次形成することができる。
そして、工程18において、薄膜製造装置100は、上述の工程12と同様の処理により、共通室202を真空引きしたままで、送り室201及び巻き取り室203について真空排気ポンプと良質の間のバルブを閉じ、乾燥空気を導入して大気開放すると共に、送り室201及び巻き取り室203の可撓性基板111を張力制御する。
さらに、工程19において、薄膜製造装置100は、上述の工程13と同様の処理により、送りコア124と基板シール機構213との間、及び、巻き取りコア123と基板シール機構216との間の張力を解放し、送り室201内、及び巻き取り室203内で可撓性基板111を切断して共通室202内に繋がる基板と分離する。
そして、工程20において、薄膜製造装置100は、上述の工程14と同様の処理により、巻き取りコア123に巻き取られた、成膜領域AR11及びAR12が形成された可撓性基板111を、次工程以降に引き渡すことにより、上述の工程Fの処理が実行される。これにより、可撓性基板111上に300個の薄膜太陽電池が形成される。
以上説明したように、本実施の形態の薄膜製造装置100においては、複数の成膜室131〜135が一定の間隔で配置されていると共に、各成膜室131〜135によって形成される薄膜の成膜領域の搬送方向の長さL1が、隣り合う成膜室131〜135の間隔L2と等しくなるように設定されている。このように、成膜室131〜135の間隔L2と、複数の成膜室131〜135の各成膜室における成膜領域の長さL1とが同じ長さで形成されていることにより、第1の成膜処理において、この長さL1(L2)の2倍の長さ(すなわち2フレーム分)だけ可撓性基板111を移動させて次の成膜を実行することにより、可撓性基板111に対しては図5(B)に示すように、可撓性基板111の長手方向に成膜領域AR11を1フレームおきに形成することができる。この場合、上述したように、各成膜室131〜135が1つの成膜領域AR11(1フレーム)の長さL1と同じ間隔L2で配置されていることにより、各成膜領域AR11の間には、第2の成膜処理において各成膜室131〜135により新たに成膜領域AR12を成膜領域AR11に連続して形成し得る間隔が残ることになる。そして、第2の成膜処理において、第1の成膜処理で形成された成膜領域AR11の間に成膜領域AR12が形成されることにより、可撓性基板111上には、第1の成膜処理による成膜領域AR11と、第2の成膜処理による成膜領域AR12とが交互に連続して形成されることになる。
この場合、成膜室131〜135が同じ間隔L2(成膜領域AR11、AR12の長さL1と同じ長さ)で配置されていることに伴って、可撓性基板111においては、その長手方向(搬送方向)に成膜領域AR11、AR12の長さL1(隣り合う成膜室の間隔L2)と同じ一定間隔でマーカー孔159a及び159bが順次配列されており、薄膜製造装置100は、このマーカー孔159a及び159bを基準に可撓性基板111をステップ送りしながら第1及び第2の成膜処理を実行して行くことにより、最終的には、マーカー孔159a、159bの配置間隔で成膜領域AR11、AR12が隙間を空けずに形成される。
また、薄膜製造装置100は、搬送開始から少なくともL4より大きな値を搬送した後に検出したマーカー孔のみを、マーカーセンサ155で検出する。これにより、第1の成膜処理において1フレームおきに成膜領域AR11を形成することができ、また、第2の成膜処理において1フレームおきに成膜領域AR12を形成することができる。
かくして、本実施の形態の薄膜製造装置100を用いることにより、図5(C)に示したように、可撓性基板111上に各フレームを間隔を開けずに連続して形成することができる。かくして、従来のように基板上に形成された各成膜領域AR1(図7)間に非成膜領域AR2(図7)が残る場合に比べて一段と多くの成膜領域を形成することができる。そして、各成膜領域ごとに薄膜太陽電池が作成されることから、本実施の形態の薄膜製造装置100によれば、同じ長さの可撓性基板111から一段と多くの薄膜太陽電池を形成することができる。
本実施の形態では、長さ300mの可挨性基板111上に薄膜光電変換素子を278個形成することができる。従って、成膜部の基板搬送方向の基板利用率は、従来の75%程度から100%へと向上する。
また、300mの長さの基板に対し、870mmの成膜長さを持つ薄膜太陽電池を278個形成できるため、全基板長に対する基板搬送方向の利用率を、300m÷(0.87m×278個)×100=81%、にすることができる。
なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態に比べて次のメリットがある。すなわち、第1の成膜処理における成膜領域AR11の成膜では、それぞれの成膜領域AR11で連続するステップで成膜が行われる。また、同様にして、第2の成膜処理における成膜領域AR12の成膜では、それぞれの成膜領域AR12で連続するステップで成膜が行われる。すなわち、本実施の形態においては、成膜室から成膜室へ可撓性基板111が搬送されるため、その間に基板搬送が停止することはなく、この場合の基板温度は搬送中に下がるのみであり、基板の温度変化(成膜時の温度と搬送終了直後の温度)は、高々50℃である。一方、第1の実施の形態では、前ステップで成膜室外にあった成膜領域AR11が成膜室に搬送されて成膜される。成膜室外での基板温度はほぼ室温になるため、基板温度変化は成膜条件にもよるが100℃程度から200℃以上にも達する。この場合、可撓性基板111は成膜室で熱膨張を起こし成膜室内でたるみが発生する。そして、実効的に接地電極となる可撓性基板111と高電圧電極の距離が変わり、かつ、この距離は基板面内で分布をもつため、成膜した膜の膜厚分布が大きくなる。この結果、形成した光電変換素子の特性の面内分布が生じ、直列接続された薄膜太陽電池の特性が低下する。また、膜厚分布があるため、形成した太陽電池の色むらが発生し、外観が悪くなる。本実施の形態では、これらを回避する効果を有する。
なお、上述の実施の形態においては、300mの長さの可撓性基板111を用い、該可撓性基板111に278個の成膜領域を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、可撓性の基板として長さが1500mのものを用い、この可撓性基板111上に薄膜太陽電池を1658個形成することもできる。この場合、全基板長に対する基板の利用率は、1500m÷(0.87m×1658)×100=96%となり、上述の実施の形態に対して、全基板長に対する基板搬送方向の利用率を更に15%高くすることができる。
なお、上述の第2の実施の形態においては、成膜室131〜135の配置間隔L2を成膜領域AR11(AR12)の長さL1と同じ長さとする場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、成膜室の成膜領域AR11(AR12)の長さの整数倍であればよい。この場合、可撓性基板111の1回の搬送距離を成膜室の間隔L2とすればよい。例えば、図6(A)に示すように、薄膜製造装置の成膜室131〜135の配置間隔L2を成膜領域AR21(AR22、AR23)の長さの2倍に設定した場合には、まず、図6(B)に示すように、成膜領域が形成されていない可撓性基板111に対して、各成膜室131〜135によって成膜領域AR21を形成する(第1の成膜処理)。これにより、2フレームおきに成膜領域AR21が形成される。
そして、図6(C)に示すように、成膜領域AR21が形成された可撓性基板111に対して、成膜領域AR21の隣りに成膜領域AR22を形成する(第2の成膜処理)。これにより、第1の成膜領域AR21と第2の成膜領域AR22とが並んで形成される。さらに、図6(D)に示すように、成膜領域AR21及びAR22が形成された可撓性基板111に対して、成膜領域AR22の隣りに成膜領域AR23を形成する(第3の成膜処理)。これにより、第1の成膜領域AR21、第2の成膜領域AR22及び第3の成膜領域AR23が並んで形成される。
このようにして、各成膜室131〜135隣接間隔L2を成膜領域の長さL1のn倍(nは整数)とした場合に、その隣接間隔L2に応じて第1乃至第nの成膜処理を設定することにより、可撓性基板111上に成膜領域を連続して形成することができる。
本発明は、可撓性基板上に薄膜太陽電池を形成する装置に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態にかかる薄膜製造装置及び可撓性基板を示す構成図 上記実施の形態の薄膜製造装置の成膜室の内部構成を示す断面図 上記実施の形態の薄膜製造装置により製造される太陽電池の構成を示す図 上記実施の形態の薄膜太陽電池の製造工程を示す断面図 本発明の第2の実施の形態にかかる薄膜製造装置及び可撓性基板を示す構成図 本発明の他の実施の形態の薄膜製造方法を示す図 従来の薄膜製造装置及び可撓性基板を示す構成図
符号の説明
100…薄膜製造装置、111…可撓性基板、121…送りコア、122…巻き取りコア、131〜135…成膜室、140…電源、141…第1の成膜室壁体、142…第2の成膜室壁体、143…排気管、144…高電圧電極、145…シール部材、146…電極室、147…ヒーター室、151…ヒーター、152…接地電極、159…マーカー孔、201…送り室、202…共通室、203…巻き取り室、211、214…隔壁、212、215…連通孔、213、216…シール機構、221、222…真空ポンプ、AR10、AR11、AR12、AR21、AR22、AR23…成膜領域

Claims (6)

  1. 長尺の可撓性基板上の長手方向の複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施して複数の成膜領域を形成することにより、前記可撓性基板上に複数の薄膜太陽電池を形成する薄膜製造装置であって、
    前記複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施すことにより、前記長手方向に同じ長さの前記成膜領域をそれぞれ形成すると共に、前記成膜領域の長さの整数倍の間隔で配置された複数の成膜室と、
    前記可撓性基板を前記成膜室の配置間隔ごとに順次ステップ送りする駆動手段と
    を具備したことを特徴とする薄膜製造装置。
  2. 前記可撓性基板は、前記成膜領域の長さと同等の間隔で前記長手方向に順次形成された複数のマーカーを備え、
    前記駆動手段は、前記マーカーの位置を検出し、該検出されたマーカーの位置に基づいて前記可撓性基板の送りを制御することを特徴とする請求項1に記載の薄膜製造装置。
  3. ロール状に巻き取られた前記可撓性基板を送り出す送り出しコアを内部に有する送り室と、
    前記複数の成膜室を内部に有し、前記送り室から送り出された前記可撓性基板を前記複数の成膜室に順次受け入れる共通室と、
    前記成膜処理が終了した可撓性基板を巻き取る巻き取りコアを内部に有する巻き取り室と、
    前記送り室、前記共通室及び前記巻き取り室の各空間をそれぞれシールして分割するシール機構と
    を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜製造装置。
  4. 長尺の可撓性基板をステップ送りしながら該可撓性基板上の長手方向の複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施し複数の成膜領域を形成することにより、前記可撓性基板上に複数の薄膜太陽電池を形成する薄膜製造方法であって、
    前記複数の領域に対してそれぞれ成膜処理を施すことにより、前記長手方向に同じ長さの前記複数の成膜領域を該成膜領域の長さの整数倍の間隔でそれぞれ形成する第1の成膜処理ステップと、
    前記第1の成膜処理ステップにより形成された前記複数の成膜領域の間の領域に成膜領域をそれぞれ形成する第2の成膜処理ステップと
    を具備したことを特徴とする薄膜製造方法。
  5. 前記第1の成膜処理ステップでは、前記可撓性基板を送り出す送り室から送り出された前記可撓性基板に対して、前記成膜室を有する共通室で第1の成膜処理が実行された後、該成膜処理後の可撓性基板が前記共通室から前記可撓性基板を巻き取るための巻き取り室に搬送され、
    前記第2の成膜処理では、前記送り室、前記共通室及び前記巻き取り室の各空間がそれぞれシールされた後、前記巻き取り室側に巻き取られた前記成膜処理済みの可撓性基板が前記共通室内の可撓性基板から切り離されて前記送り室にセットされ、該セットされた可撓性基板が前記共通室内の可撓性基板と接続された後、第2の成膜処理が実行されることを特徴とする請求項4に記載の薄膜製造方法。
  6. 前記送り室にセットされた前記第1の成膜処理済みの可撓性基板と前記共通室内に残る可撓性基板との接続は、前記可撓性基板に一定間隔で形成されたマーカーの位置に基づいて行われることを特徴とする請求項5に記載の薄膜製造方法。
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