JP4576190B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
プラズマCVD手法とは、電磁波等のエネルギーを特定物質に加えて放電させることにより、特定物質を化学的に活性なラジカルとし、さらに、このラジカルを処理対象の基板等に接触させることにより、同基板上に薄膜を形成させる手法をいう。
一方、近年のプラズマ処理においては、例えば太陽電池を大面積化して生産性を向上させるため、大面積の基板上へ均一に製膜する製膜処理が求められている。このような背景から、イオンによるダメージを防止でき、かつ、大面積に均一に製膜することが容易な薄膜形成装置及び半導体薄膜の形成方法を提供する高周波プラズマCVD装置が提案されている。この従来技術では、基板上において複数の短冊状のカソード部とアノード部との各々がプラズマ形成領域を挟んで交互に配置された構成の電極を有している。なお、この従来技術においても、1種類のガスを供給してアノード部/カソード部間の1箇所にプラズマが生成されるようになっている。(たとえば、特許文献1参照)
請求項1に係るプラズマ処理装置は、内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間にプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記正電極内に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された前記水素ラジカルを生成し、前記原料ガスと前記出口開口から供給される前記水素ラジカルとを前記負電極外のプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記正電極及び前記負電極が中空箱形の長尺方向に複数の給電点を備えていることが好ましく、これにより、正電極及び負電極の長尺方向の長さを大きくしても、各給電点間の位相差がほとんどなくなるので、電圧を略均一にすることができる。
この場合、前記絶縁物の位置は、前記正電極及び負電極とともに可変であることが好ましく、これにより、プラズマ生成領域を調整して製膜速度や膜質を調整することが可能になる。
図5は、本発明の一実施形態に係るプラズマCVD装置の構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態に係るプラズマCVD装置1は、真空処理可能なチャンバー2を備えている。チャンバー2には、チャンバー2内でプラズマを発生させるプラズマ発生源10が配置されている。このプラズマ発生源10は、例えば基板3の大面積化に対応するため、長手方向が基板3の搬送方向(図中の矢印4)と直交するように設けられている。
ここで、以下に説明するプラズマ処理方法を用いたプラズマ製膜手段の参考例として、プラズマ発生源10の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
最初に、プラズマ化学蒸着により基板3上に原料ガスの薄膜を生成するプラズマ製膜方法について、図1(a)を参照して説明する。このプラズマ製膜方法では、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、この水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成する。この水素ガス供給とともに、水素ガスとは別系統の流路を通って原料ガスが供給される。以下の説明では、基板3の表面上にシリコン(Si)の薄膜を製膜するため、原料ガスとしてシランガス(SiH4)を使用するものとする。なお、この場合の原料ガスは、シランガスが単独で、独立して設けた専用の供給系統を通って供給されるものとする。
水素ガス及びシランガスは、それぞれ水素ガス流路13及び原料ガス流路14を通り、水素ガスがプラズマ状態に励起されて水素ラジカルを生成するプラズマ生成領域Pの近傍空間まで導入される。水素ガス流路13及び原料ガス流路14には、それぞれ基板3と対向する絶縁物15の面に開口するガス出口13a,14aが設けられている。
すると、両電極11,12間に高周波電界が形成され、ガス出口13aから高周波電界に供給される水素ガスが高周波電界のエネルギーによりプラズマ状態に励起される。この結果、水素ラジカルが豊富に生成されるので、この水素ラジカルをガス出口14aから供給されるシランガスとプラズマのない空間で反応させることにより、基板3上にシリコンの薄膜を製膜することができる。すなわち、シランガスのガス出口14aは、直接水素ガスのプラズマと接触して反応しないようにするため、水素ガスがプラズマとなる領域の近傍に隣接する空間領域にシランガスを噴出するよう設けられる。
SiH4+H→SiH3+H2
すなわち、水素ガスとシランガスとを別系統で供給し、水素ガスのみをプラズマ状態に励起して水素ラジカルを豊富に生成するようにしたので、豊富な水素ラジカルの存在により上記化学式の反応が促進される。従って、シランガスがプラズマの影響を受けることによって生成され、しかも膜質の悪化に寄与して良好な膜質形成にとって好ましくないとされるSiH2ラジカルの生成が抑えられるので、高質な薄膜形成に寄与するSiH3ラジカルを効率よく生成することが可能になる。
この変形例において、図中に矢印4で示す搬送方向に配設された3枚の電極11,12は、水素ガス流路13及び原料ガス流路14を備えた絶縁物15′によって被覆されており、この場合、水素流路13は正電極11の両側に配置され、さらに、原料ガス流路14は負電極12の外側に配置されている。すなわち、正電極11を中心に負電極12、水素ガス流路13及び原料ガス流路14が左右対称の配置となり、中央部に形成される水素ガスプラズマ生成領域Pと隣接する左右両側の空間部に向けて、ガス出口14aからシランガスが供給される。
すなわち、プラズマ生成領域Pを基板3に近づけることにより、製膜速度を増して生産性を向上させることができる。また、プラズマ生成領域Pを基板3から遠ざけることにより、製膜速度は遅くなって生産性の面では不利になるが、製膜がプラズマから受けるダメージの低減により膜質は向上する。従って、生産性と膜質との相関関係を考慮し、最適な距離に調整することができる。
このような基板3に膜厚を均等に製膜するため、基板幅に合わせて長尺となる正電極11及び負電極12に対して、基板幅方向に等ピッチで複数の給電点を設けてある。すなわち、正電極11及び負電極12の長手方向に複数系統の給電路を設け、各電極の複数箇所に接続して複数(図示の例では8箇所)の給電点を設けてある。なお、正電極11に接続される電線17には、高周波電源19から整合器20を介して周波数fの高周波電圧が印加され、負電極12と接続された給電路16は接地されている。
なお、正電極11及び負電極12の長手方向Lについては、複数に分割して全体をカバーする構造としてもよい。
図4(a)の構成例においては、負電極12に接続された給電路16が、結合コンデンサ21及び低周波電源22を介して接地されている。また、図4(b)の構成例においては、負電極12に接続された給電路16が、抵抗23及び直流電源24を介して接地されている。電源極性は通常、基板3への+イオンダメージを低減するために電極性を−にするのが一般的であるため、抵抗を介して負の電圧を印加するがその限りではない。
このセルフクリーニングではチャンバー2内にNF3ガスを供給してプラズマを生成させることにより、下記のような反応が生じてセルフクリーニングが行われる。
2NF3+e→N2+6F+e(e;プラズマ中の電子)
Si+4F→SiF4
すなわち、上段の反応式でFラジカルが生成され、下段の反応式でチャンバー2内のSiがSiF4ガスとなって自動的に除去されるので、稼働率の上昇により生産性を向上させることができる。
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第1の実施形態を図6ないし図8に基づいて説明する。なお、上述した参考例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
最初に、本実施形態のプラズマ発生源10Aが採用するプラズマ製膜方法を図6に基づいて説明する。このプラズマ製膜方法は、上述した参考例の形態と同様に、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、この水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成する。この水素ガス供給とともに、水素ガスとは別系統の流路を通って原料ガスとしてシランガスが供給される。なお、この場合の原料ガスは、シランガスが単独で、独立して設けた専用の供給系統を通って供給される。
正電極31は直方体形状とされ、その下面には水素ガス流路30を通って導入された水素ガスを放出するガス出口31aが設けられている。
原料ガス流路33は、出口開口32aを挟み込むようにして、負電極32の外部に左右一対設けられている。この原料ガス流路33は、基板3を搬送してプラズマ処理を行う場合、出口開口32aを挟み込むようにして、搬送方向(図中の矢印4)の前後に配置されている。
すると、両電極31,32間に高周波電界が形成され、ガス出口31aから高周波電界に供給される水素ガスが高周波電界のエネルギーによりプラズマ状態に励起される。この結果、プラズマ生成領域P内に水素ラジカルが豊富に生成されるので、この水素ラジカルを出口開口32aから流出させ、プラズマのない基板3の上部空間でガス出口33aから供給されるシランガスと反応させることにより、基板3上にシリコンの薄膜を製膜することができる。すなわち、シランガスのガス出口33aは、直接水素ガスのプラズマと接触して反応しないようにするため、プラズマ生成領域Pを画成する負電極32の外側に噴出するよう供給される。
すなわち、水素ガスとシランガスとを別系統で供給し、水素ガスのみを負電極32の内部空間で均一なプラズマ状態に励起して水素ラジカルを豊富に生成するようにしたので、豊富な水素ラジカルの存在により上述した反応が促進される。従って、シランガスがプラズマの影響を受けないので、膜質の悪化に寄与し、良好な膜質形成にとって好ましくないとされるSiH2ラジカルの生成を抑え、高質な薄膜形成に寄与するSiH3ラジカルを効率よく生成することが可能になる。
この適用例では、正電極31の両端がそれぞれ第1高周波電源34及び第2高周波電源35に接続され、負電極32は2箇所で接地されている。
このように構成されたプラズマ発生源10Aにおいては、給電方法に位相変調法を適用することにより、基板幅(図8における位置L方向の寸法)が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応した高品質の製膜を行うことができる。
また、低速位相変調(例えば1Hz以下)を実施することで、最大の電圧Vを印加する位置Lが基板幅方向へ低速で移動するようになるので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間におけるプラズマ生成を連続的にON・OFFすることができる。このため、定在波が移動してプラズマ生成領域Pを揺動させることができ、ある場所で定点観測すればプラズマの生成がON・OFFするのと同様の状態となるので、基板3の製膜面に均一な製膜を行うことができる。
また、上述した正電極31及び負電極32を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第2の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態のプラズマ製膜方法は、二つのプラズマ生成領域P1,P2を形成する点が異なっている。すなわち、チャンバー2内の真空中に水素(ガス)で希釈した第1原料ガス(高水素希釈原料ガス)を導入して高周波電界を印加し、高水素希釈原料ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域P1と、チャンバー2内の真空中に水素(ガス)で希釈した第2原料ガス(低水素希釈原料ガス)を導入して高周波電界を印加し、低水素希釈原料ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域P2とを設け、第1のプラズマ生成領域P1で生成される第1原料ガスの結晶粒を第2のプラズマ生成領域P2へ供給して基板3上に製膜するものである。
このように構成された両電極31′,32′間及び正電極32′/基板3間に高周波電源を印加するとともに、高水素希釈原料ガス流路30′に高希釈混合ガスを流し、かつ、低水素希釈原料ガス流路33′に低希釈混合ガスを流して製膜を開始する。
プラズマ生成領域P2では、正電極32′と基板3及び基板キャリア6との間に高周波電界が形成され、ガス出口33aから供給される低希釈混合ガス及びSi結晶粒がプラズマ状態に励起され、劣化率の低いアモルファス製膜が基板3に製膜される。
すなわち、最初に第1のプラズマ生成領域P1をOFFにしてプラズマの励起を停止すれば、高希釈混合ガスからSi結晶粒が生成されないため、基板3の第1層目S1にはアモルファスシリコン層が製膜される。この後、第1のプラズマ生成領域P1をONにしてプラズマを励起させれば、高希釈混合ガスからSi結晶粒が生成されるため、基板3の第2層目S2にはSi結晶粒を含むアモルファスシリコン層が製膜される。
すなわち、図10における第1層目S1をアモルファスシリコン層、第2層目S2をアモルファスゲルマニウム層、第3層目S3をアモルファスシリコン層、第4層目S4をアモルファスゲルマニウム層、そして、最上層の第5層目S5をアモルファスシリコン層とする多層膜を形成したり、あるいは、第1層目S1を微結晶シリコン層、第2層目S2を微結晶ゲルマニウム層、第3層目S3を微結晶シリコン層、第4層目S4を微結晶ゲルマニウム層、そして、最上層の第5層目S5を微結晶シリコン層とする多層膜を形成することもできる。
上述したような多層膜を基板3に製膜できるようになるので、製膜の組成調整が適宜可能になって新デバイス開発の有効な手段として利用できる。
図11及び図12は、上述したプラズマ発生源10Bを採用し、大面積の基板3に製膜するCVD装置への適用例を示す概略構成図である。
この適用例では、正電極32′の両端がそれぞれ第1高周波電源34及び第2高周波電源35に接続され、負電極32は2箇所で接地されている。
このように構成されたプラズマ発生源10Bにおいては、給電方法に位相変調法を適用することにより、基板幅が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応して高品質の製膜を行うことができる。
また、低速位相変調(例えば1Hz以下)を実施することで、最大の電圧Vを印加する位置Lが低速で基板幅方向へ移動するので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間におけるプラズマ生成を連続的にON・OFFすることができる。このため、定在波が移動してプラズマ生成領域Pを揺動させることができ、ある場所(定点)で見ればプラズマの生成がON・OFFするのと同様の状態になるので、基板3の製膜面に均一な製膜を行うことができる。
また、上述した正電極32′及び負電極31′を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
この具体例は、二つのプラズマ生成領域P1,P2を生成することに加え、両プラズマ生成領域を個別のスタブ制御によりON・OFF制御可能としたものである。
従って、可変スタブ37,38を操作して、第1のプラズマ生成領域P1の電圧1及び第2のプラズマ生成領域P2の電圧2に位相差を発生させれば、両プラズマ生成領域P1,P2を個別にON・OFFさせることができる。
従って、水素プラズマ源を設け、シランガスを非プラズマ空間に供給することで、正電極32′と基板3との間のラジカル濃度制御が可能になるため、高品質の製膜を行うことができる。
なお、この場合の具体例についても、上述した具体例と同様に、基板3の大型化に対応することができる。
続いて、本発明に係るプラズマ処理方法を用いたプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第3の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態は、上述した第2の実施形態と使用するガスが異なっている。すなわち、高希釈混合ガスに代えて水素ガスを供給し、低希釈混合ガスに代えてシランガスと水素ガスとの混合ガスを使用する。
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第4の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態は、上述した第2及び第3の実施形態と使用するガスが異なっている。すなわち、高希釈混合ガスに代えて原料ガス(シランガス)と水素ガスとの混合ガスを供給し、低希釈混合ガスに代えてアルゴンガスを使用する。
この実施形態では、上述したプラズマ処理方法を採用して基板3の大面積化を実現する具体例を図15及び図17に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここで採用しているプラズマ製膜方法は、図15に示すように、2種類のガスを供給するとともに、二つのプラズマ生成領域を形成するものであるが、第2のプラズマ生成領域P2を形成する電極構造が異なっている。
また、図17に示すように、両高周波電源45A,46A及び45B,46Bの給電方法に位相変調法を適用し、例えば第2の実施形態で説明した高速位相変調の適用により、電圧V1及びV2の作用する位置が高速で移動するので、第1及び第2のプラズマ生成領域P1,P2のプラズマ生成空間では、位置Lの方向へ均一なプラズマを生成することができる。このため、基板幅が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応することができる。
また、上述した正電極41及び負電極42を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
これにより、基板3と同等の大きさのプラズマ発生源10を設けることなく、例えば3m角クラスに大面積化した基板3の全面にわたり、均一な製膜処理等を施すことが可能になる。この結果、特に大面積化した大型の太陽電池の製造方法に適用すれば、その生産性を向上し、生産コストの大幅な低減を図ることができ、高品質に製膜された太陽電池を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 チャンバー
3 基板
6 基板キャリア
10,10′,10A〜10C プラズマ発生源(プラズマ発生手段)
11,31,41 正電極
12,32,42 負電極
13,30,40 水素ガス流路
14,33,43 原料ガス流路
15,15′ 絶縁物
16 給電路
17 電線
30′ 高水素希釈原料ガス流路
31′ 負電極
32′ 正電極
33′ 低水素希釈原料ガス流路
44 メッシュ正電極
P プラズマ生成領域
P1 第1のプラズマ生成領域
P2 第2のプラズマ生成領域
Claims (8)
- 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間にプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
前記正電極内に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された前記水素ラジカルを生成し、前記ガス出口から供給される前記原料ガスと前記出口開口から供給される前記水素ラジカルとを前記負電極外のプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記負電極と前記基板との間に配設され、ガスの流通を可能とした正電極部材と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
前記負電極内の第1のプラズマ生成領域及び前記正電極部材の周囲に形成される第2のプラズマ生成領域が各々独立したプラズマ生成のON・OFF制御を行って前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
前記プラズマ製膜手段が、
内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の負電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記負電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の正電極と、前記正電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
前記正電極と前記基板との間に第2のプラズマ生成領域を形成して前記基板上に製膜するように構成したプラズマ製膜手段を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記正電極及び負電極に接続される給電系統が位相制御されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記正電極及び前記負電極が中空箱形の長尺方向に複数の給電点を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 製膜時に前記プラズマ製膜手段と前記基板とを相対移動させる搬送・移動手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ製膜手段は、電気的に並列に接続されて複数設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記負電極側にバイアスが印加されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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