JP4576190B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを用いて、例えば、エッチング、スパッタリング、又はCVD(化学気相成長法)等の種々のプラズマ処理を被処理基板に施して製膜するプラズマ処理装置に関する。
従来、半導体や電子部品における薄膜形成やエッチング等は、プラズマを用いて行われることが多く、特に、アモルファス・微結晶太陽電池や薄膜トランジスタ(TFT液晶)等の薄膜形成には、プラズマ処理の代表例であるCVD手法を用いたプラズマCVD装置等が利用されている。
プラズマCVD手法とは、電磁波等のエネルギーを特定物質に加えて放電させることにより、特定物質を化学的に活性なラジカルとし、さらに、このラジカルを処理対象の基板等に接触させることにより、同基板上に薄膜を形成させる手法をいう。
上述した従来のプラズマ処理では、1つのガス供給系統から1種類のガス(原料ガスと水素ガスとの混合ガス)を供給し、プラズマの生成領域を1箇所として薄膜の製膜を行っている。
一方、近年のプラズマ処理においては、例えば太陽電池を大面積化して生産性を向上させるため、大面積の基板上へ均一に製膜する製膜処理が求められている。このような背景から、イオンによるダメージを防止でき、かつ、大面積に均一に製膜することが容易な薄膜形成装置及び半導体薄膜の形成方法を提供する高周波プラズマCVD装置が提案されている。この従来技術では、基板上において複数の短冊状のカソード部とアノード部との各々がプラズマ形成領域を挟んで交互に配置された構成の電極を有している。なお、この従来技術においても、1種類のガスを供給してアノード部/カソード部間の1箇所にプラズマが生成されるようになっている。(たとえば、特許文献1参照)
特開2001−26878号公報
上述したように、近年のプラズマ処理においては、製膜膜質の向上や基板の大面積化が求められている。しかしながら、1種類のガスを供給して1箇所にプラズマを生成するという従来技術では、膜質制御(ラジカル供給方法の調整、可変化など)に大きな制約を受けるため、特に、大面積の基板に高品質の薄膜を均一に形成することは困難であった。このため、膜質の向上や膜質の均一化を可能とし、さらに、基板の大面積化にも対応可能なプラズマ処理技術の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膜質の向上や膜質の均一化を可能とし、さらに、基板の大面積化にも対応可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
請求項1に係るプラズマ処理装置は、内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間にプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記正電極内に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された前記水素ラジカルを生成し、前記原料ガスと前記出口開口から供給される前記水素ラジカルとを前記負電極外のプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするものである。
このようなプラズマ処理装置によれば、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間にプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記正電極内に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された前記水素ラジカルを生成し、前記原料ガスと前記出口開口から供給される前記水素ラジカルとを前記負電極外のプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したので、製膜部とは別空間内で水素ガスの均一プラズマを形成し、水素ラジカルを基板へ供給して製膜することができる。このため、膜質向上に有効な原料ガスのラジカルを選択的に生成して製膜することができるので、高品質の製膜が可能となる。
請求項2に係るプラズマ処理装置は、内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記負電極と前記基板との間に配設され、ガスの流通を可能とした正電極部材と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記負電極内の第1のプラズマ生成領域及び前記正電極部材の周囲に形成される第2のプラズマ生成領域が各々独立したプラズマ生成のON・OFF制御を行って前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするものである。
このようなプラズマ処理装置によれば、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記負電極と前記基板との間に配設され、ガスの流通を可能とした正電極部材と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記負電極内の第1のプラズマ生成領域及び前記正電極部材の周囲に形成される第2のプラズマ生成領域が各々独立したプラズマ生成のON・OFF制御を行って前記基板上に製膜するように構成したので、ふたつのプラズマ生成領域で独立したプラズマ生成ができるようになり、高品質の製膜が可能となる。
請求項3に係るプラズマ処理装置は、内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の負電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記負電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の正電極と、前記正電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記正電極と前記基板との間に第2のプラズマ生成領域を形成して前記基板上に製膜するように構成したプラズマ製膜手段を設けたことを特徴とするものである。
このようなプラズマ処理装置によれば、前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の負電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記負電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の正電極と、前記正電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、前記正電極と前記基板との間に第2のプラズマ生成領域を形成して前記基板上に製膜するように構成したプラズマ製膜手段を設けたので、1組の高周波電源(2台)により同時に2領域でプラズマを生成することができるようになり、電源コストの削減や構造の簡素化が可能になる。
請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記正電極及び負電極に接続される給電系統が位相制御されていることが好ましく、これにより、長手方向における定在波の位置を変化させて膜質を均一化することができる。
また、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記正電極及び前記負電極が中空箱形の長尺方向に複数の給電点を備えていることが好ましく、これにより、正電極及び負電極の長尺方向の長さを大きくしても、各給電点間の位相差がほとんどなくなるので、電圧を略均一にすることができる。
また、請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ処理装置においては、製膜時に前記プラズマ製膜手段と前記基板とを相対移動させる搬送・移動手段を備えていることが好ましく、これにより、基板の大面積化に対応した製膜を行うことができる。
また、請求項1から6のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、前記プラズマ製膜手段は、電気的に並列に接続されて複数設けられていることが好ましく、これにより、基板の大面積化に対応した製膜を行うことができる。
また、請求項1から7のいずれかに記載のプラズマ処理装置においては、前記負電極側にバイアスが印加されていることが好ましく、これにより、プラズマ密度の調整により製膜速度等の膜質制御が可能になる。
プラズマ製膜方法の一例は、プラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するためのプラズマ製膜方法であって、真空中に水素で希釈した第1原料ガスを導入して高周波電界を印加し、前記第1原料ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域と、真空中に水素で希釈した第2原料ガスを導入して高周波電界を印加し、前記第2原料ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域とを設け、前記第1のプラズマ生成領域で生成される前記第1原料ガスの結晶粒を前記第2のプラズマ生成領域へ供給して基板上に製膜することを特徴とするものである。
このようなプラズマ製膜方法によれば、真空中に水素で希釈した第1原料ガスを導入して高周波電界を印加し、前記第1原料ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域と、真空中に水素で希釈した第2原料ガスを導入して高周波電界を印加し、前記第2原料ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域とを設け、前記第1のプラズマ生成領域で生成される前記第1原料ガスの結晶粒を前記第2のプラズマ生成領域へ供給して基板上に製膜するので、劣化率の低い高品質製膜が可能となる。
上記のプラズマ製膜方法においては、前記第1のプラズマ生成領域には真空中に導入した水素ガス及び原料ガスの混合ガスに高周波電界を印加して前記混合ガスのプラズマを生成し、前記第2のプラズマ領域には前記第2原料ガスに代えて真空中に導入したアルゴン(Ar)ガスに高周波電界を印加して前記アルゴンガスのプラズマを生成することにより、前記混合ガスによる製膜とアルゴンイオン処理とを組み合わせて製膜することが好ましく、これにより、膜質に影響を及ぼす膜最表面の水素濃度制御やバンドキャップ制御等が可能になる。
上記のプラズマ製膜方法においては、前記第2のプラズマ生成領域をONとし、前記第1のプラズマ生成領域を交互にON・OFF制御することが好ましく、これにより、例えばアモルファス製膜層と結晶粒を含むアモルファス製膜層とを交互に製膜するなど多層膜の形成が可能となる。
上記のプラズマ製膜方法において、前記高周波電界は、前記第1のプラズマ生成領域側を前記第2のプラズマ生成領域より高周波にすることが好ましく、このような高周波化により、原料ガスの結晶粒を高効率で生成することができる。
上記のプラズマ製膜方法においては、前記原料ガス、前記第1原料ガス及び第2原料ガスをシランガス(SiH)とすれば、基板上に高品質のSi薄膜を生成することができる。
また、上記のプラズマ製膜方法において、前記第1原料ガスがGeHであり、前記第2原料ガスがSiHであれば、プラズマの条件調整(周波数、ON/OFF)により、シリコン及びゲルマニウムのアモルファス製膜層または微結晶製膜層を交互に製膜して多層化することができる。
また、上記のプラズマ製膜方法において、前記基板が500℃〜700℃に加熱されたものを使用することにより、例えば耐熱性のある金属基板に製膜する熱CVD法と水素ラジカル供給との組み合わせにより、金属基板上に対する高品質の製膜が可能になる。
そして、請求項1から8のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いる太陽電池の製造方法は、高品質の薄膜形成を容易にし、大型で高品質の薄膜を備えた太陽電池の製造を容易にする。
上述したように、本発明のプラズマ処理装置は、太陽電池を構成する薄膜を形成するのに好適である。
前記太陽電池としては、例えば、p型シリコン層、n型シリコン層及びi型シリコン層からなるpin構造またはnip構造の多結晶シリコン層を少なくとも1層有する太陽電池、p型シリコン層、n型シリコン層及びi型シリコン層からなるpin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層を少なくとも1層有する太陽電池、pin構造またはnip構造の多結晶シリコン層と、pin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層とを積層して2層構造としたいわゆるタンデム型の太陽電池、pin構造またはnip構造のアモルファスシリコン層、pin構造またはnip構造の多結晶シリコン層、pin構造またはnip構造の別の多結晶シリコン層を積層して3層構造としたいわゆるトリプル型の太陽電池が挙げられる。
また、プラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を生成するためのプラズマ製膜方法には、真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、前記水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成するとともに、前記原料ガスを前記水素ガスとは別系統から供給し、該原料ガスと前記水素ラジカルとをプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するものがある。
このようなプラズマ製膜方法によれば、真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを豊富に生成するとともに、原料ガスを水素ガスとは別系統から供給し、該原料ガスと豊富な水素ラジカルとをプラズマのない空間で反応させて基板上に製膜するようにしたので、製膜領域においては、プラズマがないため膜質悪化に寄与するラジカル(例えばSiHラジカル)の生成を抑え、製膜の高品質化に有効であるとされるラジカル(例えばSiHラジカル)を効率よく生成することができる。
また、プラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するためのプラズマ製膜方法には、真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、前記水素ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域と、真空中に水素ガス及び原料ガスの混合ガスを導入して高周波電界を印加し、前記混合ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域とを設け、前記第1のプラズマ生成領域をON・OFF制御し、前記第1のプラズマ制御領域で生成される水素ラジカルを前記第2のプラズマ生成領域へ間欠供給して製膜するものがある。
このようなプラズマ製膜方法によれば、真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、水素ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域と、真空中に水素ガス及び原料ガスの混合ガスを導入して高周波電界を印加し、混合ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域とを設け、第1のプラズマ生成領域をON・OFF制御し、第1のプラズマ制御領域で生成される水素ラジカルを第2のプラズマ生成領域へ間欠供給して製膜するので、製膜中に水素ラジカルを組み合わせて間欠供給することにより、高品質な製膜を行うことができる。
また、内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置には、前記プラズマ製膜手段が、所定の間隔をもって対向し、前記基板の幅方向と交差して延在する正電極及び負電極と、前記正電極及び負電極を互いに接触しないよう絶縁・被覆する絶縁物と、前記絶縁物の内部に各々独立して形成された水素ガス流路及び原料ガス流路とを備え、前記正電極及び負電極に複数の給電点を設け、かつ、前記正電極及び負電極間に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成し、前記原料ガスと前記水素ラジカルとをプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したものがある。
このようなプラズマ処理装置によれば、プラズマ製膜手段が、所定の間隔をもって対向し、基板の幅方向と交差して延在する正電極及び負電極と、正電極及び負電極を互いに接触しないよう絶縁・被覆する絶縁物と、該絶縁物の内部に各々独立して形成された水素ガス流路及び原料ガス流路とを備え、正電極及び負電極に複数の給電点を設け、かつ、正電極及び負電極間に導入した水素ガスに高周波電界を印加して水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成し、原料ガスと水素ラジカルとをプラズマのない空間で反応させて基板上に製膜するように構成したので、電極を長尺化しても高周波電源による波長の影響を考慮する必要がなく、従って、大面積の基板に対する製膜を大量生産により低コスト化することができる。
この場合、前記絶縁物の位置は、前記正電極及び負電極とともに可変であることが好ましく、これにより、プラズマ生成領域を調整して製膜速度や膜質を調整することが可能になる。
上述した本発明によれば、プラズマ処理を用いて基板上に高品質の薄膜を容易かつ均一に製膜できるようになり、特に、太陽電池等のように大面積化する製膜製品の品質向上や生産性向上に顕著な効果を奏する。
以下、以下に説明するプラズマ処理方法を用いた本発明に係るプラズマ処理装置の一実施形態として、プラズマCVD装置について図面を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るプラズマCVD装置の構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態に係るプラズマCVD装置1は、真空処理可能なチャンバー2を備えている。チャンバー2には、チャンバー2内でプラズマを発生させるプラズマ発生源10が配置されている。このプラズマ発生源10は、例えば基板3の大面積化に対応するため、長手方向が基板3の搬送方向(図中の矢印4)と直交するように設けられている。
基板3の下方には、プラズマ発生源10に対向した状態で基板3を搬送するための搬送・移動手段としてローラ5が設けられている。このローラ5は、基板3を所定の方向へ所定の速度にて搬送する。基板3は、基板キャリア6上に配置され、ローラ5の下部に設置されたヒータ(図示省略)により所定の温度に加熱されて、基板キャリア6と一体となってローラ5上を移動する。また、図5に示すプラズマ発生源10は、搬送方向に所定の間隔をもって電気的に並列に接続されたものが、例えば3列(3組)設けられているので、基板3の大面積化に有効となる。なお、上述した搬送・移動手段及び並列接続は、後述する各実施形態において、少なくともいずれか一方を採用することで基板3の大面積化に対応する有効な手段となる。
<参考例>
ここで、以下に説明するプラズマ処理方法を用いたプラズマ製膜手段の参考例として、プラズマ発生源10の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
最初に、プラズマ化学蒸着により基板3上に原料ガスの薄膜を生成するプラズマ製膜方法について、図1(a)を参照して説明する。このプラズマ製膜方法では、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、この水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成する。この水素ガス供給とともに、水素ガスとは別系統の流路を通って原料ガスが供給される。以下の説明では、基板3の表面上にシリコン(Si)の薄膜を製膜するため、原料ガスとしてシランガス(SiH)を使用するものとする。なお、この場合の原料ガスは、シランガスが単独で、独立して設けた専用の供給系統を通って供給されるものとする。
図1(a)において、水素ガスに高周波電界を印加する電極として、一対の正電極11及び負電極12が、図中に矢印4で示す搬送方向に所定の間隔Wを設けて対向配置されている。正電極11及び負電極12は平板形状とされ、水素ガス流路13及び原料ガス流路14を備えた絶縁物15により、基板3側の先端部を残して互いに接触しないよう絶縁・被覆されている。この絶縁物15には、例えばアルミナ等のセラミック絶縁材料が使用される。
水素ガス及びシランガスは、それぞれ水素ガス流路13及び原料ガス流路14を通り、水素ガスがプラズマ状態に励起されて水素ラジカルを生成するプラズマ生成領域Pの近傍空間まで導入される。水素ガス流路13及び原料ガス流路14には、それぞれ基板3と対向する絶縁物15の面に開口するガス出口13a,14aが設けられている。
一方の正電極11は、給電路16内を通る電線17を介して図示省略の高周波電源に接続されている。他方の負電極17は給電路16に接続され、給電路16の適所で接地されている。このように構成された両電極11,12間に高周波電源を印加するとともに、水素ガス流路13に水素ガスを流し、かつ、原料ガス流路14にシランガスを流して製膜を開始する。
すると、両電極11,12間に高周波電界が形成され、ガス出口13aから高周波電界に供給される水素ガスが高周波電界のエネルギーによりプラズマ状態に励起される。この結果、水素ラジカルが豊富に生成されるので、この水素ラジカルをガス出口14aから供給されるシランガスとプラズマのない空間で反応させることにより、基板3上にシリコンの薄膜を製膜することができる。すなわち、シランガスのガス出口14aは、直接水素ガスのプラズマと接触して反応しないようにするため、水素ガスがプラズマとなる領域の近傍に隣接する空間領域にシランガスを噴出するよう設けられる。
上述したようにして水素ラジカルを豊富に生成し、この水素ラジカルをプラズマのない空間でシランガスと反応させることにより、下記の化学式に示す反応により、膜質によいとされるSiHを選択的に生成することができる。
SiH+H→SiH+H
すなわち、水素ガスとシランガスとを別系統で供給し、水素ガスのみをプラズマ状態に励起して水素ラジカルを豊富に生成するようにしたので、豊富な水素ラジカルの存在により上記化学式の反応が促進される。従って、シランガスがプラズマの影響を受けることによって生成され、しかも膜質の悪化に寄与して良好な膜質形成にとって好ましくないとされるSiHラジカルの生成が抑えられるので、高質な薄膜形成に寄与するSiHラジカルを効率よく生成することが可能になる。
また、上述した図1(a)では、搬送方向に一対の電極11,12を対向配置しているが、例えば図1(b)に示す変形例のように、中央に1枚の正電極11を配置し、その左右両側にそれぞれ所定の間隔Wを設けて負電極12を2枚対向配置した構成のプラズマ発生源10′としてもよい。
この変形例において、図中に矢印4で示す搬送方向に配設された3枚の電極11,12は、水素ガス流路13及び原料ガス流路14を備えた絶縁物15′によって被覆されており、この場合、水素流路13は正電極11の両側に配置され、さらに、原料ガス流路14は負電極12の外側に配置されている。すなわち、正電極11を中心に負電極12、水素ガス流路13及び原料ガス流路14が左右対称の配置となり、中央部に形成される水素ガスプラズマ生成領域Pと隣接する左右両側の空間部に向けて、ガス出口14aからシランガスが供給される。
このような構成としても、正電極11の両側に配設された負電極12との間に高周波電界が形成され、二つのガス出口13aから高周波電界に供給される水素ガスがプラズマ状態に励起されるので、水素ラジカルが豊富に生成されることとなる。そして、この水素ラジカルをプラズマのない空間でガス出口14aから供給されるシランガスと反応させることにより、上述した実施形態と同様に、基板3上に高質なシリコンの薄膜を製膜することができる。このように、搬送方向へ3枚の電極を配列した構成とすることにより、電極形状・極性が基板搬送方向に対して対称となるため、プラズマ対称性・安定性が向上するという利点がある。
ところで、上述した絶縁物15、15′については、電極11,12と一体に、その位置を上下方向(図中の矢印18)へ可変とすることにより、基板3のプラズマ処理面とプラズマ生成領域Pとの距離を適宜調整することができる。このようなプラズマ生成領域Pの調整により、所望の製膜速度を設定することが可能になる。
すなわち、プラズマ生成領域Pを基板3に近づけることにより、製膜速度を増して生産性を向上させることができる。また、プラズマ生成領域Pを基板3から遠ざけることにより、製膜速度は遅くなって生産性の面では不利になるが、製膜がプラズマから受けるダメージの低減により膜質は向上する。従って、生産性と膜質との相関関係を考慮し、最適な距離に調整することができる。
図2は、上述したプラズマ発生源10′を採用し、大面積の基板3に製膜するプラズマCVD装置への適用例を示している。この場合の基板3は、矢印4で示す搬送方向と直交する基板幅が2〜3m程度と従来の1m級より大幅に大型化している。
このような基板3に膜厚を均等に製膜するため、基板幅に合わせて長尺となる正電極11及び負電極12に対して、基板幅方向に等ピッチで複数の給電点を設けてある。すなわち、正電極11及び負電極12の長手方向に複数系統の給電路を設け、各電極の複数箇所に接続して複数(図示の例では8箇所)の給電点を設けてある。なお、正電極11に接続される電線17には、高周波電源19から整合器20を介して周波数fの高周波電圧が印加され、負電極12と接続された給電路16は接地されている。
このような給電構造を採用することにより、正電極11及び負電極12の長手方向Lにおいては、基板3を大面積化する目的でLを大きくしても各給電点間の位相差がほとんどなくなるので、図3に示すように、電圧Vは略均一になる。従って、基板3の基板幅方向においては、プラズマを略均等に発生させることが可能になるので、この方向の膜質についても均一化することができる。さらに、基板3を搬送方向へ移動させて製膜するので、搬送方向についても膜質を均一化することができ、大面積化した基板3の全体に均一で高品質の製膜を行うことができる。
なお、正電極11及び負電極12の長手方向Lについては、複数に分割して全体をカバーする構造としてもよい。
また、上述した図2の適用例では、負電極12と電気的に接続された給電路16を単に接地していたが、例えば図4に示すように、直流電源や低周波電源等のバイアスを印加して基板3側のプラズマ密度を高めて膜質制御を行ってもよい。換言すれば、プラズマ密度の調整により製膜速度の制御が可能になる。
図4(a)の構成例においては、負電極12に接続された給電路16が、結合コンデンサ21及び低周波電源22を介して接地されている。また、図4(b)の構成例においては、負電極12に接続された給電路16が、抵抗23及び直流電源24を介して接地されている。電源極性は通常、基板3への+イオンダメージを低減するために電極性を−にするのが一般的であるため、抵抗を介して負の電圧を印加するがその限りではない。
また、上述したプラズマCVD装置1においては、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。以下、セルフクリーニングの代表例としてNFプラズマによるクリーニングを説明する。
このセルフクリーニングではチャンバー2内にNFガスを供給してプラズマを生成させることにより、下記のような反応が生じてセルフクリーニングが行われる。
2NF+e→N+6F+e(e;プラズマ中の電子)
Si+4F→SiF
すなわち、上段の反応式でFラジカルが生成され、下段の反応式でチャンバー2内のSiがSiFガスとなって自動的に除去されるので、稼働率の上昇により生産性を向上させることができる。
<第1の実施形態>
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第1の実施形態を図6ないし図8に基づいて説明する。なお、上述した参考例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
最初に、本実施形態のプラズマ発生源10Aが採用するプラズマ製膜方法を図6に基づいて説明する。このプラズマ製膜方法は、上述した参考例の形態と同様に、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、この水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを生成する。この水素ガス供給とともに、水素ガスとは別系統の流路を通って原料ガスとしてシランガスが供給される。なお、この場合の原料ガスは、シランガスが単独で、独立して設けた専用の供給系統を通って供給される。
上述したプラズマ製膜方法を実現するため、本実施形態のプラズマ発生源10Aは、内部空間が水素ガス流路30を形成する中空箱形の正電極31と、内部空間にプラズマ生成領域Pを形成する中空箱形の負電極32と、負電極32の外部に形成されて原料ガスを基板3上に供給するガス出口33aを備えている原料ガス流路33とを具備し、負電極32の内部空間内に正電極31を収納設置した構成とされる。
正電極31は直方体形状とされ、その下面には水素ガス流路30を通って導入された水素ガスを放出するガス出口31aが設けられている。
負電極32は、正電極31の外側を囲んでプラズマ生成領域Pを形成する直方体形状とされ、その下面が基板3の製膜面と所定の間隔をもって対向するよう配置される。また、基板3と対向する負電極32の下面には、後述する水素ラジカルの出口開口32aが設けられている。
原料ガス流路33は、出口開口32aを挟み込むようにして、負電極32の外部に左右一対設けられている。この原料ガス流路33は、基板3を搬送してプラズマ処理を行う場合、出口開口32aを挟み込むようにして、搬送方向(図中の矢印4)の前後に配置されている。
一方の正電極31は図示省略の高周波電源に接続され、他方の負電極32は接地されている。このように構成された両電極31,32間に高周波電源を印加するとともに、水素ガス流路30に水素ガスを流し、かつ、原料ガス流路33にシランガスを流して製膜を開始する。
すると、両電極31,32間に高周波電界が形成され、ガス出口31aから高周波電界に供給される水素ガスが高周波電界のエネルギーによりプラズマ状態に励起される。この結果、プラズマ生成領域P内に水素ラジカルが豊富に生成されるので、この水素ラジカルを出口開口32aから流出させ、プラズマのない基板3の上部空間でガス出口33aから供給されるシランガスと反応させることにより、基板3上にシリコンの薄膜を製膜することができる。すなわち、シランガスのガス出口33aは、直接水素ガスのプラズマと接触して反応しないようにするため、プラズマ生成領域Pを画成する負電極32の外側に噴出するよう供給される。
上述したようにして水素ラジカルを豊富に生成し、この水素ラジカルをプラズマのない空間でシランガスと反応させることにより、上述した参考例と同様の反応式により、膜質によいとされるSiHを選択的に生成することができる。
すなわち、水素ガスとシランガスとを別系統で供給し、水素ガスのみを負電極32の内部空間で均一なプラズマ状態に励起して水素ラジカルを豊富に生成するようにしたので、豊富な水素ラジカルの存在により上述した反応が促進される。従って、シランガスがプラズマの影響を受けないので、膜質の悪化に寄与し、良好な膜質形成にとって好ましくないとされるSiHラジカルの生成を抑え、高質な薄膜形成に寄与するSiHラジカルを効率よく生成することが可能になる。
図7及び図8は、上述したプラズマ発生源10Aを採用し、大面積の基板3に製膜するプラズマCVD装置への適用例を示す概略構成図である。
この適用例では、正電極31の両端がそれぞれ第1高周波電源34及び第2高周波電源35に接続され、負電極32は2箇所で接地されている。
このように構成されたプラズマ発生源10Aにおいては、給電方法に位相変調法を適用することにより、基板幅(図8における位置L方向の寸法)が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応した高品質の製膜を行うことができる。
具体的には、高速位相変調(数10KHz程度)を実施した場合には、最大の電圧Vを印加する位置Lが基板幅方向へ高速で移動するので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間に均一なプラズマを生成することができ、従って、基板3の製膜面には均一な製膜が形成される。
また、低速位相変調(例えば1Hz以下)を実施することで、最大の電圧Vを印加する位置Lが基板幅方向へ低速で移動するようになるので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間におけるプラズマ生成を連続的にON・OFFすることができる。このため、定在波が移動してプラズマ生成領域Pを揺動させることができ、ある場所で定点観測すればプラズマの生成がON・OFFするのと同様の状態となるので、基板3の製膜面に均一な製膜を行うことができる。
上述したプラズマ発生源10Aは、基板3を正電極31及び負電極32に対して直角方向へ搬送・移動させながら製膜すれば、製膜可能な基板3の面積を、図中に矢印4で示す搬送方向へ容易に拡大することができる。
また、上述した正電極31及び負電極32を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、上述した図7の適用例では負電極32を単に接地する構成としたが、上述した参考例の形態(図4参照)と同様に、直流電源や低周波電源等のバイアスを印加して基板3側のプラズマ密度を高める製膜制御を行ってもよい。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
また、上述した第1の実施形態は、基板3を500℃〜700℃に加熱する熱CVD方法と水素ラジカル供給との組み合わせにより、高品質の製膜が可能となる。すなわち、高温に耐えうる金属等の基板3に対し、プラズマ領域Pで水素ラジカルを生成し、熱CVD製膜領域へ水素ラジカルを供給することで、製膜中の水素ラジカルによる表面処理(水素の引き抜き反応)が行われるので、製膜の高品質化が可能になる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第2の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態のプラズマ製膜方法は、二つのプラズマ生成領域P1,P2を形成する点が異なっている。すなわち、チャンバー2内の真空中に水素(ガス)で希釈した第1原料ガス(高水素希釈原料ガス)を導入して高周波電界を印加し、高水素希釈原料ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域P1と、チャンバー2内の真空中に水素(ガス)で希釈した第2原料ガス(低水素希釈原料ガス)を導入して高周波電界を印加し、低水素希釈原料ガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域P2とを設け、第1のプラズマ生成領域P1で生成される第1原料ガスの結晶粒を第2のプラズマ生成領域P2へ供給して基板3上に製膜するものである。
上述したプラズマ製膜方法を実現するため、本実施形態のプラズマ発生源10Bは、内部空間が高水素希釈原料ガス流路30′を形成する中空箱形の負電極31′と、内部空間にプラズマ生成領域P1を形成する中空箱形の正電極32′と、正電極32′の外部に形成されて低水素希釈原料ガスを基板3上に供給する低水素希釈原料ガス流路33′と、基板3と正電極32′との間に形成されるプラズマ生成領域P2を形成するため基板キャリア6に設けた接地36とを具備し、正電極32′の内部空間内に負電極31′を収納設置した構成とされる。すなわち、図6に示した第1の実施形態と比較すれば、両電極31′,32′の正負を逆にして接地36を設けた構成とされ、かつ、プラズマ処理に使用するガスが異なっている。
ここで、高水素希釈原料ガス及び低水素希釈原料ガスについて説明する。高水素希釈原料ガス(以下、「高希釈混合ガス」と呼ぶ)は、シランガス(第1原料ガス)と水素ガスとの混合ガスであり、例えばシランガスと水素ガスとの混合比を1:50程度として、水素ガスの割合を非常に高く設定したものである。また、低水素希釈原料ガス(以下、「低希釈混合ガス」と呼ぶ)は、同じくシランガス(第2原料ガス)と水素ガスとの混合ガスであり、例えばシランガスと水素ガスとの混合比を1:5程度として、水素ガスの割合をやや高く設定したものである。
このように構成された両電極31′,32′間及び正電極32′/基板3間に高周波電源を印加するとともに、高水素希釈原料ガス流路30′に高希釈混合ガスを流し、かつ、低水素希釈原料ガス流路33′に低希釈混合ガスを流して製膜を開始する。
すると、両電極31′,32′間に高周波電界が形成され、ガス出口31aから高周波電界に供給される高希釈混合ガスが高周波電界のエネルギーによりプラズマ状態に励起される。この結果、プラズマ生成領域P1内に意図的にSi結晶粒を生成し、このSi結晶粒をガス出口32aからプラズマ生成領域P2に供給して基板3上に製膜を行う。
プラズマ生成領域P2では、正電極32′と基板3及び基板キャリア6との間に高周波電界が形成され、ガス出口33aから供給される低希釈混合ガス及びSi結晶粒がプラズマ状態に励起され、劣化率の低いアモルファス製膜が基板3に製膜される。
また、上述したプラズマ製膜方法においては、第2のプラズマ生成領域P2を常時ONとしてプラズマを励起させ、第1のプラズマ生成領域P1を交互にON・OFF制御することにより、例えば図10に示すような多層膜の形成が可能となる。
すなわち、最初に第1のプラズマ生成領域P1をOFFにしてプラズマの励起を停止すれば、高希釈混合ガスからSi結晶粒が生成されないため、基板3の第1層目S1にはアモルファスシリコン層が製膜される。この後、第1のプラズマ生成領域P1をONにしてプラズマを励起させれば、高希釈混合ガスからSi結晶粒が生成されるため、基板3の第2層目S2にはSi結晶粒を含むアモルファスシリコン層が製膜される。
以下同様にして、第1のプラズマ生成領域P1のOFF及びONを交互に繰り返すことにより、基板3の第3層目S3にはアモルファスシリコン層が製膜され、第4層目にはSi結晶粒を含むアモルファスシリコン層が製膜され、さらに、最上層の第5層目S5にはアモルファスシリコン層が製膜される。なお、図示の例ではS1〜S5まで積層した5層の多層膜としたが、ON・OFFの回数を変更することにより所望の層数を積層することができる。
また、上述したプラズマ製膜方法においては、第1のプラズマ生成領域P1側の高周波電界を第2のプラズマ生成領域P2より高周波に設定して製膜するとよい。具体例をあげると、第1のプラズマ生成領域P1の周波数を100MHzとし、第2のプラズマ生成領域P2の周波数を60MHzに設定することにより、Si結晶粒の高効率生成が可能となるので、より一層劣化率の低い高品質製膜が可能となる。すなわち、このような高周波化により、原料ガスの結晶粒を高効率で生成することができる。
また、上述したプラズマ製膜方法において、高水素希釈原料ガスに含まれる第1原料ガスがGeHとの混合ガスであり、かつ、低水素希釈原料ガスに含まれる第2原料ガスがSiHとの混合ガスであれば、高周波電源の周波数やON・OFFなどプラズマの条件調整により、シリコン及びゲルマニウムのアモルファス製膜層または微結晶製膜層を交互に製膜して多層化することができる。
すなわち、図10における第1層目S1をアモルファスシリコン層、第2層目S2をアモルファスゲルマニウム層、第3層目S3をアモルファスシリコン層、第4層目S4をアモルファスゲルマニウム層、そして、最上層の第5層目S5をアモルファスシリコン層とする多層膜を形成したり、あるいは、第1層目S1を微結晶シリコン層、第2層目S2を微結晶ゲルマニウム層、第3層目S3を微結晶シリコン層、第4層目S4を微結晶ゲルマニウム層、そして、最上層の第5層目S5を微結晶シリコン層とする多層膜を形成することもできる。
上述したような多層膜を基板3に製膜できるようになるので、製膜の組成調整が適宜可能になって新デバイス開発の有効な手段として利用できる。
次に、上述したプラズマ処理方法を採用して基板3の大面積化を実現する具体例を図11及び図12に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11及び図12は、上述したプラズマ発生源10Bを採用し、大面積の基板3に製膜するCVD装置への適用例を示す概略構成図である。
この適用例では、正電極32′の両端がそれぞれ第1高周波電源34及び第2高周波電源35に接続され、負電極32は2箇所で接地されている。
このように構成されたプラズマ発生源10Bにおいては、給電方法に位相変調法を適用することにより、基板幅が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応して高品質の製膜を行うことができる。
具体的には、高速位相変調(数10KHz程度)を実施した場合には、最大の電圧Vを印加する位置Lが高速で基板幅方向へ移動するので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間に均一なプラズマを生成することができ、従って、基板3の製膜面には均一な製膜が形成される。
また、低速位相変調(例えば1Hz以下)を実施することで、最大の電圧Vを印加する位置Lが低速で基板幅方向へ移動するので、プラズマ生成領域Pのプラズマ生成空間におけるプラズマ生成を連続的にON・OFFすることができる。このため、定在波が移動してプラズマ生成領域Pを揺動させることができ、ある場所(定点)で見ればプラズマの生成がON・OFFするのと同様の状態になるので、基板3の製膜面に均一な製膜を行うことができる。
上述したプラズマ発生源10Bは、基板3を正電極32′及び負電極31′に対して直角方向へ搬送・移動させながら製膜すれば、製膜可能な基板3の面積を、図中に矢印4で示す搬送方向へ容易に拡大することができる。
また、上述した正電極32′及び負電極31′を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、上述した適用例では負電極31′を単に接地する構成としたが、上述した参考例の形態(図4参照)と同様に、直流電源や低周波電源等のバイアスを印加して基板3側のプラズマ密度を高める製膜制御を行ってもよい。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
次に、上述したプラズマ処理方法を採用して基板3の大面積化を実現する他の具体例を図13及び図14に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この具体例は、二つのプラズマ生成領域P1,P2を生成することに加え、両プラズマ生成領域を個別のスタブ制御によりON・OFF制御可能としたものである。
この場合の給電系統には、第1の可変スタブ37及び第2の可変スタブ38が設けられており、両可変スタブ37,38の可変コンデンサ37a,38aを操作して静電容量CA,CBを変化させることにより、それぞれのインピーダンスZSが変化する。こうしてインピーダンスZSが変化すると、図14に示すように、インピーダンス(Im)が増加すると高周波電源に位相遅れが生じ、反対にインピーダンスが減少すると高周波電源の位相は進む。
従って、可変スタブ37,38を操作して、第1のプラズマ生成領域P1の電圧1及び第2のプラズマ生成領域P2の電圧2に位相差を発生させれば、両プラズマ生成領域P1,P2を個別にON・OFFさせることができる。
すなわち、1組の高周波電源34,35で2領域のプラズマを個別にスタブ制御し、さらに、ガス供給を個別に行うことができるので、製膜プロセスにあった製膜方法の選択及び実施が可能となる。なお、低速位相変調により、2領域同時にプラズマをON・OFFする断続的な制御も可能になる。
従って、水素プラズマ源を設け、シランガスを非プラズマ空間に供給することで、正電極32′と基板3との間のラジカル濃度制御が可能になるため、高品質の製膜を行うことができる。
なお、この場合の具体例についても、上述した具体例と同様に、基板3の大型化に対応することができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明に係るプラズマ処理方法を用いたプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第3の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態は、上述した第2の実施形態と使用するガスが異なっている。すなわち、高希釈混合ガスに代えて水素ガスを供給し、低希釈混合ガスに代えてシランガスと水素ガスとの混合ガスを使用する。
具体的には、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して高周波電界を印加し、水素ガスのプラズマを第1のプラズマ生成領域P1に生成し、同じくチャンバー2内の真空中に水素ガス及び原料ガスの混合ガスを導入して高周波電界を印加し、混合ガスのプラズマを第2のプラズマ生成領域P2に生成する。そして、第1のプラズマ生成領域P1をON・OFF制御し、第1のプラズマ制御領域P1で生成される水素ラジカルを第2のプラズマ生成領域P2へ間欠供給して製膜する。
このようなプラズマ製膜方法では、製膜中に水素ラジカルを組み合わせて間欠供給することにより、高品質な製膜を行うことができる。すなわち、水素ラジカルを間欠的に供給することで、膜表面の水素の引き抜き反応が生じるので、膜が緻密化されて高品質の製膜を得ることができる。ここで、間欠供給を具体的に説明すると、最初に第1のプラズマ領域P1をONとして水素ガスのプラズマを励起し、第2のプラズマ領域P2をOFFとすれば、第1のプラズマ生成領域P1で大量の水素ラジカルが生成される水素ラジカル処理が行われる。次に、第1のプラズマ領域P1をOFFとし、第2のプラズマ領域P2をONとすれば、水素ラジカルの供給がない状態で混合ガスのプラズマが励起されて製膜が行われる。このとき、膜表面から水素の引き抜きが行われるので、緻密で高品質の製膜が得られる。
<第4の実施形態>
続いて、本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段であるプラズマ発生源について、第4の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態は、上述した第2及び第3の実施形態と使用するガスが異なっている。すなわち、高希釈混合ガスに代えて原料ガス(シランガス)と水素ガスとの混合ガスを供給し、低希釈混合ガスに代えてアルゴンガスを使用する。
具体的には、チャンバー2の真空中に水素ガス及びシランガスの混合ガスを導入して高周波電界を印加し、混合ガスのプラズマを生成する第1のプラズマ生成領域P1と、チャンバー2の真空中にアルゴン(Ar)ガスを導入して高周波電界を印加し、アルゴンガスのプラズマを生成する第2のプラズマ生成領域P2とを設け、シランガスによる製膜とアルゴンイオン処理とを組み合わせて製膜する。
このようなプラズマ製膜方法では、シランガスによる製膜とアルゴンイオン処理とを組み合わせて製膜するので、膜質に影響を及ぼす膜最表面の水素濃度制御やバンドキャップ制御等が可能になる。この場合、第1のプラズマ生成領域P1をON・OFF制御し、第1のプラズマ制御領域P1をONとする製膜処理と、第2のプラズマ生成領域をONとするアルゴン処理とを交互に実施する間欠処理を行ってもよいし、あるいは、ON・OFF制御を行うことなく製膜処理及びアルゴン処理を並行して実施してもよい。
<第5の実施形態>
この実施形態では、上述したプラズマ処理方法を採用して基板3の大面積化を実現する具体例を図15及び図17に基づいて説明する。なお、上述した参考例及び各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここで採用しているプラズマ製膜方法は、図15に示すように、2種類のガスを供給するとともに、二つのプラズマ生成領域を形成するものであるが、第2のプラズマ生成領域P2を形成する電極構造が異なっている。
プラズマ発生源10Cは、水素ガス流路40を形成する中空箱形の正電極41と、内部空間に第1のプラズマ生成領域P1を形成する中空箱形の負電極42と、負電極42の外部に形成されて原料ガスを基板3上に供給するガス出口43aを備えている原料ガス流路43と、基板3と負電極42との間に形成される第2のプラズマ生成領域P2に配設されたメッシュ正電極(正電極部材)44とを具備して構成される。なお、ガスの流通が可能なメッシュ正電極44は、例えばメッシュ状以外にも、第2のプラズマ生成領域P2内でガスが通過できるものであれば採用可能である。なお、正電極42は第1高周波電源45A及び第2高周波電源46Aから給電を受け、メッシュ電極44は第1高周波電源45B及び第2高周波電源46Bから給電を受ける。
このように構成されたプラズマ発生源10Cでは、チャンバー2内の真空中に水素ガスを導入して正電極41に高周波電界を印加し、この水素ガスがプラズマ状態に励起された水素ラジカルを負電極42内の第1のプラズマ生成領域P1に豊富に生成する。また、メッシュ正電極44に高周波電界を印加してプラズマ生成領域P2を形成し、このプラズマ生成領域P2に水素ガスとは別系統の原料ガス流路43を通ってシランガスが導入されるので、上述した豊富な水素ラジカルとの反応により、基板3の製膜面上には高品質の膜が製膜される。
このようにして高質の製膜が可能となるプラズマ発生源10Cは、二つのプラズマ生成領域P1,P2を備え、それぞれが独立した高周波電源45A,46A及び45B,46Bを備えているので、各々独立した電源の操作によりプラズマ生成のON・OFF制御を行うことができる。
また、図17に示すように、両高周波電源45A,46A及び45B,46Bの給電方法に位相変調法を適用し、例えば第2の実施形態で説明した高速位相変調の適用により、電圧V1及びV2の作用する位置が高速で移動するので、第1及び第2のプラズマ生成領域P1,P2のプラズマ生成空間では、位置Lの方向へ均一なプラズマを生成することができる。このため、基板幅が2〜3m級となる大型の基板3に対する高品質の製膜が可能となり、基板3の大面積化にも対応することができる。
上述したプラズマ発生源10Cは、基板3を正電極41及び負電極42に対して直角方向へ搬送・移動させながら製膜すれば、製膜可能な基板3の面積を、図中に矢印4で示す搬送方向へ容易に拡大することができる。
また、上述した正電極41及び負電極42を具備してなる電極ユニットを並列接続することにより、すなわち、上述した搬送方向へ複数を並列に配置することにより、基板3を移動しなくても製膜面積を拡大して大面積化が可能となる。なお、このような電極ユニットの並列配置と、上述した基板3の移動とを組み合わせることで、大面積化への対応はより一層容易になる。
また、上述した適用例では負電極42を単に接地する構成としたが、上述した参考例の形態(図4参照)と同様に、直流電源や低周波電源等のバイアスを印加して基板3側のプラズマ密度を高める製膜制御を行ってもよい。
また、この実施形態においても、上述した参考例の形態と同様に、シリコン膜を除去するチャンバー2内のセルフクリーニングが可能である。
上記の各実施形態で説明したプラズマ処理方法を用いたプラズマCVD装置によれば、プラズマ発生源10から発せられたプラズマが、プラズマ発生源に対向した状態で搬送される基板3に連続的に作用するので、基板3の全面に、エッチング、スパッタリング、薄膜形成等の処理を施すことが可能となる。
これにより、基板3と同等の大きさのプラズマ発生源10を設けることなく、例えば3m角クラスに大面積化した基板3の全面にわたり、均一な製膜処理等を施すことが可能になる。この結果、特に大面積化した大型の太陽電池の製造方法に適用すれば、その生産性を向上し、生産コストの大幅な低減を図ることができ、高品質に製膜された太陽電池を得ることができる。
また、上述した説明では、基板3の搬送方向を1方向としたが、これに限定されず、前後方向に反復して基板3を移動させてもよい。また、基板3とプラズマ発生源10とが相対的に移動すればよいため、基板3を固定してプラズマ発生源10を移動させるような構成としてもよい。さらに、両者が移動するような構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段としてプラズマ発生源の参考例を示す構成図であり、(a)は一対の対向電極を用いた構成例を示し、(b)は3枚の対向電極を用いた変形例を示している。 図1(b)のプラズマ発生源をプラズマCVD装置へ適用した構成例を示す図である。 図2における高周波電源印加時の電圧(V)と位置(L)との関係を示す図である。 バイアスを印加する際の構成例を示す図であり、(a)は低周波電源のバイアス印加、(b)は直流電源のバイアス印加である。 本発明に係るプラズマ処理装置の参考例として、プラズマCVD装置の構成例を示す模式図である。 本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段として、プラズマ発生源の第1の実施形態を示す構成図である。 図6のプラズマ発生源をプラズマCVD装置へ適用した構成例を示す図である。 図7の電極長手方向断面を示す説明図である。 本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段として、プラズマ発生源の第1〜第4の実施形態を示す構成図である。 多層膜を製膜した構成例を示す断面図である。 図10のプラズマ発生源をプラズマCVD装置へ適用した場合の構成例を示す図である。 図11における高周波電源印加時の電圧(V)と位置(L)との関係を示す図である。 図10のプラズマ発生源をプラズマCVD装置へ適用した場合の他の構成例を示す図である。 可変スタブのインピーダンス(Im)と高周波電源の位相との関係を示す説明図である。 本発明に係るプラズマ処理装置のプラズマ製膜手段として、プラズマ発生源の第5の実施形態を示す構成図である。 図15のプラズマ発生源をプラズマCVD装置へ適用した場合の構成例を示す図である。 図16における高周波電源印加時の電圧(V)と位置(L)との関係を示す図である。
1 プラズマCVD装置
2 チャンバー
3 基板
6 基板キャリア
10,10′,10A〜10C プラズマ発生源(プラズマ発生手段)
11,31,41 正電極
12,32,42 負電極
13,30,40 水素ガス流路
14,33,43 原料ガス流路
15,15′ 絶縁物
16 給電路
17 電線
30′ 高水素希釈原料ガス流路
31′ 負電極
32′ 正電極
33′ 低水素希釈原料ガス流路
44 メッシュ正電極
P プラズマ生成領域
P1 第1のプラズマ生成領域
P2 第2のプラズマ生成領域

Claims (8)

  1. 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間にプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
    前記正電極内に導入した前記水素ガスに高周波電界を印加して前記水素ガスがプラズマ状態に励起された前記水素ラジカルを生成し、前記ガス出口から供給される前記原料ガスと前記出口開口から供給される前記水素ラジカルとを前記負電極外のプラズマのない空間で反応させて前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ製膜手段が、内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の正電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記正電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の負電極と、前記負電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記負電極と前記基板との間に配設され、ガスの流通を可能とした正電極部材と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
    前記負電極内の第1のプラズマ生成領域及び前記正電極部材の周囲に形成される第2のプラズマ生成領域が各々独立したプラズマ生成のON・OFF制御を行って前記基板上に製膜するように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 内部圧力を調整可能なチャンバー内にプラズマ製膜手段を設けてプラズマ化学蒸着により基板上に原料ガスの薄膜を形成するプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ製膜手段が、
    内部空間に水素ガスを導入する水素ガス流路が形成されて基板搬送方向と直交する方向に長尺な中空箱形の負電極と、内部空間に第1のプラズマ生成領域を形成するとともに前記負電極を収納設置して前記基板と対向配置された中空箱形の正電極と、前記正電極の外部に形成されて前記原料ガスを前記基板上に供給するガス出口を備えている原料ガス流路と、前記基板と対向する前記負電極の面に設けた前記水素ガスのガス出口と、前記基板と対向する前記正電極の面に設けた水素ラジカルの出口開口とを具備し、
    前記正電極と前記基板との間に第2のプラズマ生成領域を形成して前記基板上に製膜するように構成したプラズマ製膜手段を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 前記正電極及び負電極に接続される給電系統が位相制御されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記正電極及び前記負電極が中空箱形の長尺方向に複数の給電点を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 製膜時に前記プラズマ製膜手段と前記基板とを相対移動させる搬送・移動手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記プラズマ製膜手段は、電気的に並列に接続されて複数設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記負電極側にバイアスが印加されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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