JP2011184738A - ガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、容量結合型プラズマCVDによって、基板に窒化珪素膜を成膜する場合において、基板を搬送する際の基板の変形を低減して、ガスバリア性に優れた窒化珪素膜を、高い生産性で製造することができる、ガスバリアフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】原料ガスとして、少なくともシランガスとアンモニアガスとを用い、シランガスの流量をQ[sccm]、プラズマを生成するために投入する電力をP[W]とした際におけるP/Q[W/sccm]が1以上で、かつ、少なくとも基板に成膜を行なう際の電極対を挟む2つの搬送手段の間で、搬送される基板にかかる張力を100[N/m]以下とすることにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、容量結合型のプラズマCVDを利用するガスバリアフィルムの製造方法に関する。
防湿性を要求される各種の装置や光学素子などに利用されるガス(水蒸気)バリアフィルム膜として、樹脂(プラスチック)フィルムの表面に窒化珪素膜を成膜してなるガスバリアフィルムが知られている。
また、窒化珪素膜の成膜方法として、容量結合型プラズマCVD(CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVD)が知られている。
周知のように、CCP−CVDとは、1対の電極対を用い、両電極間に、原料ガスを供給し、かつ、電圧を印加することにより、プラズマを生成して原料ガスを解離・電離させてラジカルやイオンを生成し、電極間に配置した被処理物の表面にプラズマCVDによる成膜を行なうものである。
このCCP−CVD法は、構成が簡易である、電極から原料ガスを供給することにより、電極を大面積化しても成膜領域の全域に均一にガスを供給でき(ガスの均一化が容易である)、従って、大面積の基板に容易に対応可能である等の利点を有する。
例えば、特許文献1には、窒化珪素膜の成膜に要する高周波電力をP(W)とし、シランガス、アンモニアガスおよび窒素ガスの総流量をQ(sccm)とするとき、高周波電力とガスの総流量との比P/Qが0.4〜40であるガスバリア膜の成膜方法が開示されている。
この特許文献1においては、P/Qを0.4〜40と、ガスの総流量あたりの高周波電力を大きくすることによって、ガスバリア性に優れた窒化珪素膜を、高い成膜レートで形成することができることが開示されている。
特開2009−179874号公報
ガスバリア膜を製造する際に、基板に効率よく高い生産性を確保して成膜を行なう方法として、一般に、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)による成膜方法が知られている。
ロール・ツー・ロールによる成膜装置は、長尺な基板(ウェブ状の基板)をロール状に巻回してなる供給ロールから、基板に成膜を行なう成膜室を通過し、成膜済みの基板をロール状に巻回する巻取りロールまで、所定の経路で挿通し、供給ロールからの基板の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基板の巻取りとを同期して行いつつ、成膜室において、搬送される基板に連続的に成膜を行なう。
しかしながら、特許文献1のように、ガスバリア性に優れた窒化珪素膜を、高い成膜レートで形成するために、ガスの総流量あたりの高周波電力を大きくすると、成膜中に基板に加わる熱量が多くなり、熱により基板が軟化してしまう。そのため、特許文献1に記載の方法のように、大きな電力を投入するガスバリア膜の成膜において、ロール・ツー・ロールによる成膜を行なうと、搬送のために基板にかかる負荷によって、軟化した基板が変形して、基板に成膜された窒化珪素膜が割れてしまい、ガスバリア性が低下してしまう。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、容量結合型プラズマCVDによって、基板に窒化珪素膜を成膜する場合において、ガスバリア性および生産性向上のために、ガスの総流量あたりの高周波電力を大きくした場合でも、基板を搬送する際の基板の変形を低減して、ガスバリア性に優れた窒化珪素膜を、高い生産性で製造することができる、ガスバリアフィルムの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、容量結合型プラズマCVDによって、前記基板に窒化珪素膜を成膜するガスバリアフィルムの製造方法であって、原料ガスとして、少なくともシランガスとアンモニアガスとを用い、前記シランガスの流量をQ[sccm]、プラズマを生成するために投入する電力をP[W]とした際におけるP/Q[W/sccm]が1以上で、かつ、少なくとも前記基板に成膜を行なう際の電極対を挟む2つの搬送手段の間で、搬送される前記基板にかかる張力が100[N/m]以下であることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法を提供する。
このような本発明のガスバリアフィルムの製造方法において、前記基板にバイアス電位を印加して成膜を行なうことが好ましい。
また、前記基板に印加するバイアス電位が−100V以下であることが好ましい。
また、前記基板を円筒状のドラムの周面の所定領域に巻き掛けて搬送するものであり、前記ドラムを成膜の際の電極として用いることが好ましい。
また、前記基板が前記ドラムの周面に巻き掛かる領域で、前記基板にかかる張力が100[N/m]以下であることが好ましい。
また、前記シランガスの流量Q[sccm]と、前記プラズマを生成するために投入する電力P[W]とが、1≦P/Q≦30[W/sccm]を満たすことが好ましい。
また、前記基板の搬送経路の全領域で、前記基板にかかる張力が、100[N/m]以下であることが好ましい。
また、原料ガスとして、さらに、窒素ガスおよび水素ガスの少なくとも一方を用いることが好ましい。
また、前記基板の搬送経路中に、前記基板にかかる張力を測定する張力測定手段を有することが好ましい。
また、前記基板温度を70℃以下とすることが好ましい。
また、前記ドラムの温度調整手段を有することが好ましい。
上記構成を有する本発明によれば、長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、容量結合型プラズマCVDによって、基板に窒化珪素膜を成膜する際に、ガスバリア性および生産性向上のために、ガスの総流量あたりの高周波電力を大きくした場合でも、基板を搬送する際の基板の変形を低減することができ、これに起因するガスバリア性の低下を防止でき、ガスバリア性に優れた窒化珪素膜を、高い成膜レートで、高い生産性で製造することができる。
本発明のガスバリアフィルムの製造方法を実施するプラズマCVD装置の一例の概念図である。
以下、本発明のガスバリアフィルムの製造方法について、添付の図面を基に詳細に説明する。
図1に、本発明のガスバリアフィルムの製造方法を実施するプラズマCVD装置の一例を概念的に示す。
図1に示すプラズマCVD装置10(以下、CVD装置10とする)は、容量結合型プラズマCVD(CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVD)によって、基板Z(被処理物/基材)の表面に、ガスバリア膜として窒化珪素膜(窒化シリコン膜)を成膜(膜を形成)して、ガスバリアフィルムを製造する装置である。
図示例のプラズマCVD装置10は、長尺な基板Z(フィルム原反)を長手方向に搬送しつつ、この基板Zの表面にプラズマCVDによって窒化珪素膜を成膜(製造/形成)して、ガスバリアフィルムを製造するものである。
また、このCVD装置10は、長尺な基板Zをロール状に巻回してなる基板ロール20から基板Zを送り出し、長手方向に搬送しつつ機能膜を成膜して、機能膜を成膜した基板Z(すなわち、機能性フィルム)をロール状に巻き取る、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)による成膜を行なう装置である。
ここで、ロール・ツー・ロールの成膜装置においては、通常、搬送中の基板Zが弛まないように、基板Zに、張力を加えつつ、搬送する。
本発明にかかるCVD装置10においては、この搬送時の張力(搬送張力)は、後述する基板Zを供給する基板ロール20が装填された回転軸24から、成膜後の基板Zを巻き取る巻取り軸30までの搬送系で、100N/m以下の所定の値となるように、各ローラやドラム36のモータの回転速度や、ローラの変位等が制御されている。
前述のように、図1に示すCVD装置10は、CCP−CVD(CCP−CVD法)によって、基板Zの表面に成膜を行なうものであり、長尺な基板Zを巻回してなる基板ロール20から基板Zを送り出し、基板Zを長手方向に搬送しつつ機能膜を成膜して、再度、ロール状に巻き取る、いわゆるロール・ツー・ロールによる成膜を行なう装置である。このCVD装置10は、供給室12と、成膜室14と、巻取り室16と、張力制御手段62とを有する。
なお、CVD装置10は、図示した部材以外にも、各種のセンサ、搬送ローラ対や基板Zの幅方向の位置を規制するガイド部材など、基板Zを所定の経路で搬送するための各種の部材(搬送手段)等、ロール・ツー・ロールによってプラズマCVDによる成膜を行なう装置が有する各種の部材を有してもよい。加えて、プラズマCVDによる成膜室が複数あってもよいし、プラズマCVD以外の蒸着やフラッシュ蒸着、スパッタ等の何らかの成膜を行う成膜室やプラズマ処理等の表面処理室が1つ以上連結されていてもよい。
本発明は、後に詳述する、シランガス流量とプラズマ生成のために印加する主たる電力との関係、および、基板Zを搬送する際に基板Zにかかる搬送張力以外には、このような通常のCVD装置10を用いて、基本的に、少なくともシランガスと、アンモニアガスとを原料ガスとして用いる、一般的なCCP−CVDによって、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜する。
本発明において、基板Z(被処理物)には特に限定はなく、原料ガスとしてシランガスと、アンモニアガスと、水素ガスおよび/または窒素ガスとを用いた、CCP−CVDによる窒化珪素膜の成膜が可能なものであれば、全ての物(物品)が利用可能である。
また、本発明において、基板Zは、上記各種のフィルムを本体(基材)として、その表面(少なくとも成膜面)に、保護層、接着層、光反射層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層等の、各種の機能を得るための有機物や無機物からなる層(膜)が形成されているものであってもよい。
供給室12は、回転軸24と、ガイドローラ26と、真空排気手段28とを有する。
長尺な基板Zを巻回した基板ロール20は、供給室12の回転軸24に装填される。
回転軸24に基板ロール20が装填されると、基板Zは、供給室12から、成膜室14を通り、巻取り室16の巻取り軸30に至る所定の搬送経路を通される(送通される)。
製造装置10においては、基板ロール20からの基板Zの送り出しと、巻取り室16の巻取り軸30における基板Zの巻き取りとを同期して行なって、長尺な基板Zを所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ、成膜室14において、基板Zに、プラズマCVD(CCP−CVD)による機能膜の成膜を連続的に行なう。
供給室12は、図示しない駆動源によって回転軸24を図中時計方向に回転して、基板ロール20から基板Zを送り出し、ガイドローラ26によって所定の経路を案内して、基板Zを、隔壁32に設けられたスリット32aから、成膜室14に送る。
図示例の製造装置10においては、好ましい態様として、供給室12に真空排気手段28を、巻取り室16に真空排気手段60を、それぞれ設けている。これらの室に真空排気手段を設け、成膜中は、後述する成膜室14と同じ真空度(圧力)とすることにより、隣接する室の圧力が、成膜室14の真空度(機能膜の成膜)に影響を与えることを防止している。
真空排気手段28には、特に限定はなく、ターボポンプ、メカニカルブースターポンプ、ドライポンプ、ロータリーポンプなどの真空ポンプ、さらには、クライオコイル等の補助手段、到達真空度や排気量の調整手段等を利用する、真空成膜装置に用いられている公知の(真空)排気手段が、各種、利用可能である。この点に関しては、後述する他の真空排気手段50および60も同様である。
なお、本発明においては、全ての室に真空排気手段を設けるのに限定はされず、処理として真空排気が不要な供給室12および巻取り室16には、真空排気手段は設けなくてもよい。但し、これらの室の圧力が成膜室14の真空度に与える影響を小さくするために、スリット32a等の基板Zが通過する部分を可能な限り小さくし、あるいは、室と室との間にサブチャンバを設け、このサブチャンバ内を減圧してもよい。
また、全室に真空排気手段を有する図示例の製造装置10においても、スリット32a等の基板Zが通過する部分を可能な限り小さくするのが好ましい。
張力制御手段62は、所定の経路を搬送される基板Zにかかる搬送張力を、基板の幅(搬送方向に垂直な方向の長さ)1[m]あたり100[N]以下の、所定の値となるように、成膜室14のテンションピックアップローラ40、42が測定した基板Zにかかる搬送張力を基に、成膜室14のテンションコントロールローラ52(以下、制御ローラ52とする)の変位を制御するものである。
張力制御手段62による制御により、基板Zは、100[N/m]以下の所定の張力で、所定の経路を搬送される。
前述のように、基板Zは、ガイドローラ26によって案内され、成膜室14に搬送される。
成膜室14は、基板Zの表面に、CCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合プラズマ)−CVDによって、機能膜を成膜(形成)するものである。
図示例において、成膜室14は、ドラム36と、シャワー電極38と、テンションピックアップローラ40および42と、バイアス電源44と、ガス供給手段46と、高周波電源48と、真空排気手段50と、制御ローラ52とを有する。また、ピックアップローラ40、42、および、制御ローラ52には、張力制御手段62が接続される。
成膜室14のドラム36は、中心線を中心に図中反時計方向に回転する円筒状の部材で、テンションピックアップローラ40によって所定の経路に案内された基板Zを、周面の所定領域に掛け回して、基板Zを後述するシャワー電極38に対面する所定位置に保持しつつ、長手方向に搬送する。
また、図示は省略するが、図示例のCVD装置10のドラム36は、好ましい態様として、窒化珪素膜の成膜中に、基板Zの温度を調整するための、温度調節手段を内蔵する。
温度調節手段により、基板Zの温度を調整することにより、後述する熱による基板Zの変形を低減することができる。
なお、本発明において、基板Zの温度には特に限定はなく、成膜条件等に応じて、窒化珪素膜が成膜できる温度であればよいが、熱による基板Zの変形を、より好適に低減できる点で、70℃以下がより好ましい。
温度調節手段には、特に限定は無く、温度調節用の液体をドラム36内(ドラム36内の所定流路)に流す温度調節手段、ピエゾ素子を用いる冷却手段等、成膜中に基板Zの温度を調整できるものであれば、公知のものが全て利用可能である。
ここで、図示例においては、ドラム36は、CCP−CVDによる成膜における電極対の一方の電極(プラズマ生成のための主たる電力を供給される電極の対向電極)としても作用するものであり、バイアス電源44に接続される。すなわち、図示例においては、ドラム36は、プラズマ生成のための主たる電力を供給されるシャワー電極38の対向電極としても作用する。
また、バイアス電源44は、ドラム36に、バイアス電圧を印加する高周波電源である。
基板Zにバイアス電圧を印加することにより、成膜される膜が緻密なものとなりガスバリア性が向上する。また、バイアス電圧を印加することにより、基板Zにかかる熱量はより大きなものとなるため、搬送される基板Zにかかる張力を100N/m以下とする本発明が、より好適に利用できる。
なお、バイアス電源44は、図示例の高周波電源に限定はされず、DCパルス電源等、CCP−CVDにおいて、基板Zへのバイアス電位の印加に利用されている各種の電源が、各種、利用可能である。
なお、本発明において、ドラム36に印加するバイアス電圧には、特に限定はないが、膜質向上効果(ガスバリア性向上効果)および生産性の向上効果を十分に得られる点で、バイアス電圧は、−100V以下とするのが好ましい。
また、バイアス電圧の下限にも特に限定はないが、−700V以上とするのが好ましい。
基板Zに印加するバイアス電圧の下限を−700V以上とすることにより、バイアス電圧の作用が強くなり過ぎる(バイアス電圧の絶対値が大きくなり過ぎる)ことに起因する、基板Zへのイオン衝撃によるガスバリア性の低減を確実に防止できる等の点で、より好ましい結果を得ることができる。
なお、必要に応じて、ドラム36には、バイアス電源44のみならず、アース(接地手段)も接続して、バイアス電源44とドラム36との接続と、アースとドラム36との接続とを切り替え可能にしてもよい。またドラム36をフローティング電位(絶縁電位)と切り替え可能にしても良い。
図示例において、シャワー電極38は、一例として中空の直方体であって、最大面を、基板Zを保持する、電極を兼ねるドラム36と対面して配置される。
このシャワー電極38は、プラズマ生成のための主たる電力(メインの電力)を供給される電極であり、前記ドラム36と共に、CCP−CVDを行なうための電極対を形成する。シャワー電極38は、後述する高周波電源48に接続される。
シャワー電極38のドラム36との対向面には、多数の貫通穴が全面的に形成されている。さらに、シャワー電極38は、ガス供給手段46と接続されており、シャワー電極38内に原料ガスが供給される。
すなわち、シャワー電極38は、電極のみならず、原料ガスの導入手段としても作用するものであり、ガス供給手段46からシャワー電極38内に供給された原料ガスは、ドラム36との対向面に形成された貫通穴から、電極としても作用するドラム36と、シャワー電極38との間に供給される。
ガス供給手段46は、プラズマCVD装置やスパッタリング装置等に利用されている公知のガス供給手段である。
本発明において、ガス供給手段46は、少なくともシランガスおよびアンモニアガスを、シャワー電極38に供給する。なお、ガス供給手段46は、必要に応じて、これらのガスに加え、水素ガス、窒素ガス、および、アルゴンガス等の不活性ガスを、補助的なガスとしてシャワー電極38に供給してもよい。
なお、本発明は、原料ガスの導入手段として、シャワー電極を利用する構成に限定はされず、プラズマ生成のための主たる電力を供給される電極には、電極としての作用のみを持たせ、例えば、電極とドラム36との間に、ガスを供給するためのノズルやシャワーノズル等を設けて、此処から原料ガスを供給する方法等、プラズマCVD装置において利用されているガス導入手段が、各種、利用可能である。
前述のように、シャワー電極38には、高周波電源48が接続される。
高周波電源48は、シャワー電極38に、CCP−CVDにおけるプラズマを生成するためのメイン電力を供給するための電源で、プラズマCVD装置に利用されている公知の高周波電源(RF電源)が、各種利用可能である。
また、高周波電源48は、必要に応じて、電力のインピーダンスを整合する公知の整合器(マッチング回路)を介して、シャワー電極38にプラズマ励起電力を供給してもよい。
テンションピックアップローラ40、42は、搬送される基板Zを所定の経路に案内するためのものであると共に、搬送される基板Zにかかる搬送張力を測定するためのものである。
テンションピックアップローラ40は、基板Zの搬送方向において、ドラム36の上流側に配置されている。また、テンションピックアップローラ42は、基板Zの搬送方向において、ドラム36の下流側に配置されている。すなわち、テンションピックアップローラ40および42は、基板Zに成膜を行なう際の電極対となるドラム36およびシャワー電極38が対向する領域(成膜領域)の上流側および下流側で、つまり、成膜の前後で、基板Zにかかっている搬送張力を測定する。
本発明において、基板Zの搬送張力を測定するためのテンションピックアップローラ40、42としては、ロードセルにより張力を検出するものや、ローラの変位を測定して張力を検出するもの等、ロール・ツー・ロールのプラズマCVD装置等に利用されている公知のテンションピックアップローラが、各種利用可能である。
また、図示例のCVD装置10においては、テンションピックアップローラ40、42を2つ配置したが、本発明は、これに限定はされず、テンションピックアップローラを1つ配置する構成としてもよい。なお、テンションピックアップローラを1つとした場合には、必要であれば、基板Zを案内するガイドローラを適宜、配置すればよい。
また、テンションピックアップローラ40、42は、成膜室14内に配置したが、本発明は、これに限定はされず、テンションピックアップローラを供給室、巻取り室等の成膜室以外の室に配置してもよい。
テンションピックアップローラ40、42は、基板Zの搬送張力の測定結果を張力制御手段62に送る。
制御ローラ52は、搬送される基板Zに張力を加えるためのものである。
制御ローラ52は、基板Zの搬送方向において、テンションピックアップローラ42の下流側に配置されている。また、制御ローラ52は、張力制御手段62からの信号に応じて、基板Zの搬送張力が100N/m以下の所定の値となるように、基板面に略垂直な方向に移動して、基板Zに張力を加える。
制御ローラ52で張力が加えられることにより、基板Zにかかる搬送張力は、搬送経路全体にわたって、100N/m以下の所定の値となる。
図示例のCVD装置10においては、制御ローラ52は、成膜室14内に配置したが、本発明は、これに限定はされず、供給室、巻取り室等に配置してもよい。
ここで、CVD装置10における搬送張力の調整の作用について説明する。
CVD装置10においては、張力制御手段62には、搬送張力として、100N/m以下の所定の値が設定されている(あるいは、オペレータが、基板Zの種類や成膜条件等に応じて、100N/m以下で任意に設定可能にしてもよい)。
前述のとおり、CVD装置10において成膜が開始されると、長尺な基板Zは、基板ロール20(回転軸24)から巻取り軸30に至る所定の搬送経路を搬送される。
テンションピックアップローラ40および42は、搬送中の基板Zにかかる搬送張力を測定し、測定結果を張力制御手段62に送る。
張力制御手段62は、テンションピックアップローラ40および42から送られてきた搬送張力の測定結果を基に、基板Zにかかる搬送張力が設定された値(100N/mの所定値)となるように、制御ローラ52の変位量の信号を、制御ローラ52に送る。
制御ローラ52は、張力制御手段62から送られてきた信号に従い、基板面に略垂直な方向に移動して、基板Zに加わる張力を調整して、基板Zにかかる搬送張力が設定された値(100N/mの所定値)となるように制御する。
なお、搬送張力の調整は、基板Zの搬送中(成膜中)、常に行なうものであってもよいし、所定の時間間隔ごとに行なうものであってもよいし、測定した搬送張力と設定された搬送張力との差が所定の値を超えた場合に行なうものであってもよい。
真空排気手段50は、プラズマCVDによる機能膜の成膜のために、成膜室14内を排気して、所定の成膜圧力に保つものであり、前述のように、真空成膜装置に利用されている、公知の真空排気手段である。
本発明は、原料ガスとして、少なくともシランガス(SiH4)と、アンモニアガス(NH3)とを原料ガスとして用い、シランガスの流量をQ[sccm]、プラズマを生成するための主たる投入電力をP[W]とした際におけるP/Qを1[W/sccm]以上とし、少なくとも基板Zに成膜を行なう際の電極対(ドラム36およびシャワー電極38)を挟む2つの搬送手段の間で、搬送される基板Zにかかる搬送張力を100[N/m]以下として、基板Zの表面にCCP−CVDによって窒化珪素膜を成膜する。
すなわち、図示例のCVD装置10においては、制御ローラ52により、供給室12から、成膜室14を通過し、巻取り室16の巻取り軸30に巻回されるまでの所定の経路を搬送される基板Zにかかる搬送張力を100[N/m]以下として、基板Zを搬送し、ガス供給手段46から少なくともシランガスと、アンモニアガスとを供給して、ガス供給手段46から供給するシランガスの流量Qおよび高周波電源48からシャワー電極38への投入電力PをP/Q≧1[W/sccm]として、基板Zの表面にCCP−CVDによって窒化珪素膜を成膜する。
ここで、本発明者らの検討によれば、シランガスの流量Qに対して、CCP−CVDにおけるプラズマ生成のために投入する主たる電力P、すなわち、図1に示すCVD装置10であれば、シャワー電極38に投入する電力Pを大きくすると、基板上に成膜される窒化珪素膜は緻密なものとなり、ガスバリア性は向上する。
しかしながら、プラズマ生成のために投入する主たる電力P(シャワー電極38に投入する電力)を大きくすると、成膜中に基板Zに加わる熱量が多くなり、熱により基板Zが軟化してしまう。ここで、一般に、ロール・ツー・ロールのように長尺な基板Zを長手方向に搬送しつつ成膜を行なう場合には、基板Zには、搬送のための張力がかかっている。そのため、成膜中の熱により軟化した基板Zが、搬送張力により変形して、基板Zに成膜された窒化珪素膜が割れてしまい、ガスバリア性が低下してしまう。
これに対して、本発明においては、シランガスの流量Qに対して、プラズマ生成のために投入する主たる電力Pを、P/Q≧1とし、少なくとも基板Zに成膜を行なう際の電極対を挟む2つの搬送手段の間で、基板Zにかかる搬送張力を100[N/m]以下とすることにより、ガスの総流量あたりの高周波電力を大きくすることにより、ガスバリア性に優れた膜を形成することができ、また、成膜レートを大きくして生産性を向上することができ、その上で、基板の変形に伴う膜の割れを防止し、ガスバリア性の悪化を低減することができる。
本発明において、シランガスの流量Q[sccm]と、プラズマ生成のために電極に供給する主たる電力P[W]との関係P/Q[W/sccm]は、1W/sccm以上である。
P/Qが1W/sccm未満では、基板Z上に成膜される窒化珪素膜が緻密なものとならず、十分なガスバリア性を発現できる膜を形成することができない。
なお、P/Qの上限には、特に限定はないが、P/Qは、30W/sccm以下とするのが好ましい。
P/Qが30W/sccmを超えると、成膜時に、基板に加わるダメージ大きくなり基板の表面が荒れる。このため、緻密な窒化シリコン膜が得られず、成膜された窒化シリコン膜のガスバリア性が低下する。
なお、シランガスおよびアンモニアガスの流量には、特に限定はなく、要求される成膜レート、成膜面積等に応じて、上記条件を満たすように、適宜、決定すればよい。
また、原料ガスは、水素ガスおよび窒素ガスの少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
水素ガスおよび窒素ガスは、いずれも、主に希釈ガスとして作用するものである。水素ガスおよび窒素ガスは、いずれか一方のみを用いてもよく、両者を用いてもよい。
水素ガスを用いることにより、窒化珪素膜内への水素の混入を抑制できる点で有利である。また、窒素ガスを用いることにより、窒化珪素膜の窒素源としての作用も発現するので、成膜レートの点で有利である。
なお、水素ガスおよび窒素ガスの流量にも、特に限定はなく、要求される成膜レート等に応じて、適宜、決定すればよいが、水素ガスおよび窒素ガス共に、シランガス流量の5〜10倍の流量とするのが好ましい。また、水素ガスと窒素ガスとを併用する場合には、両ガスの流量は、合計で、シランガス流量の5〜10倍の流量とするのが好ましい。
また、プラズマ生成のための主となる電力P、すなわち、図示例においては、シャワー電極38に供給する電力Pの強さにも特に限定はなく、要求される成膜レート等に応じて、適宜、設定すればよく、従って、シランガスの流量に応じて、本発明の範囲となる電力を、適宜、設定すればよい。
さらに、この電力の周波数にも、特に限定はなく、CCP−CVDによる窒化珪素膜の成膜で利用されている各種の周波数の電力が、各種、利用可能である。
また、本発明において、成膜圧力には、特に限定はなく、成膜条件等に応じて、窒化珪素膜が成膜できる成膜圧力であればよい。
機能膜を成膜された基板Z(すなわち、機能性フィルム)は、ドラム36からテンションピックアップローラ42に搬送され、テンションピックアップローラ42によって案内されて、成膜室14と巻取り室16とを隔離する隔壁56に形成されたスリット56aから、巻取り室16に搬送される。
図示例において、巻取り室16は、ガイドローラ58と、巻取り軸30と、真空排気手段60とを有する。
巻取り室16に搬送された基板Z(機能性フィルム)は、ガイドローラ58に案内されて巻取り軸30に搬送され、巻取り軸30によってロール状に巻回され機能性フィルムロールとして、次の工程に供される。
また、先の供給室12と同様、巻取り室16にも真空排気手段60が配置され、成膜中は、巻取り室16も、成膜室14における成膜圧力に応じた真空度に減圧される。
図1に示すCVD装置10は、長尺な基板を、基板の長手方向に搬送しつつ、ドラムに巻き掛けて成膜を行なう、いわゆる、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の装置である。しかしながら、本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、これに限定はされず、ロール・ツー・ロールの装置であって、成膜室に、対面して配置される1対の板状の電極対を設け、この電極対の間を、長尺な基板を長手方向に搬送すると共に、基板と電極との間に原料ガスを供給してCCP−CVDによる成膜を行なう装置も好適である。
また、CVD装置10においては、テンションピックアップローラ40、42を配置し、基板Zにかかる搬送張力を測定して、張力の測定結果を基に、基板Zにかかる搬送張力を制御したが、本発明は、これに限定はされず、基板Zにかかる搬送張力が100N/m以下であれば、テンションピックアップローラ等の搬送張力の測定手段を配置しなくても良い。例えば、装置の動作前に予め搬送張力が100N/m以下となるように、ローラ等を駆動するモータの回転数やローラの位置等の設定しておき、装置の動作中には搬送張力を測定しない構成であってもよい。
なお、テンションピックアップローラ(張力測定手段)を配置し、搬送張力の測定結果を基に搬送張力を制御することにより、基板Zにかかる搬送張力が安定するので、好ましい。
また、CVD装置10においては、制御ローラ52を配置することにより、基板Zにかかる搬送張力を調整したが、本発明はこれに限定はされず、基板Zにかかる搬送張力を100N/m以下とすることができればよい。例えば、基板Zを供給する回転軸および基板Zを巻き取る巻取り軸の少なくとも1方のトルクを制御することで、搬送張力が100N/m以下の所定値となるようしてもよい。なお、回転軸および巻取り軸のトルクを制御して搬送張力を調整する際も、基板Zの搬送速度は一定となるように制御する。
また、CVD装置10においては、基板Zの供給ロール20(回転軸24)から巻取り軸30までの全搬送経路で、搬送張力を100N/m以下としたが、本発明は、これに限定はされず、少なくとも成膜を行なう電極対(ドラム36およびシャワー電極38)を挟む2つの搬送手段(ガイドローラ26、58)の間で、基板Zにかかる搬送張力が100N/m以下であればよい。
なお、基板Zの供給ロール20(回転軸24)から巻取り軸30までの全搬送経路で、搬送張力を100N/m以下とするのが好ましい。
以上、本発明のガスバリアフィルムの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示すCVD装置10を用いて、基板Zの表面に厚さ100nmの窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
基板Zは、幅1000mm、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)を用いた。なお、膜を形成する長さは、1000mとした。
また、基板Zにかかる搬送張力を50N/mとした。
また、原料ガスとして、シランガス(SiH)(流量100sccm)、アンモニアガス(NH)(流量300sccm)、窒素ガス(N)(流量500sccm)を用いた。
また、ドラムとして、材質SUS304を母材とし、表面をハードクロムメッキした直径1000mmのドラムを用いた。また、ドラムは内部に温度調整手段を有している。
また、成膜室(真空チャンバ)の圧力は50Paとした。
さらに、成膜中は、ドラムが内蔵する温度調節手段によって、基板温度が70℃となるように調節した。
また、成膜する機能膜の膜厚は100nmとした。
さらに、ドラムに接続されるバイアス電源として、周波数200kHzの電源を用い、ドラムの電位が−100Vとなるように出力を調整した。
また、シャワー電極に接続される高周波電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用い、シャワー電極に500Wの電力を供給した。
すなわち、本例においては、シャワー電極38に供給する電力/シランガス流量=P/Q=500W/100sccm=5W/sccmである。
[実施例2〜4]
高周波電源からシャワー電極に供給する電力を100Wに変更、すなわち、P/Qを1W/sccmに変更し、バイアス電源からドラムに印可するバイアス電位を0V(接地)に変更した以外(実施例2);
バイアス電源からドラムに印可するバイアス電位を0V(接地)に変更した以外(実施例3);
および、基板Zにかかる搬送張力を95N/mに変更した以外(実施例4); は全て、前記実施例1と同様にして、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
[比較例1]
基板Zにかかる搬送張力を120N/mに変更した以外は、全て、前記実施例1と同様にして、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
[比較例2]
基板Zにかかる搬送張力を120N/mに変更した以外は、全て、前記実施例2と同様にして、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
[比較例3]
基板Zにかかる搬送張力を120N/mに変更した以外は、全て、前記実施例3と同様にして、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
[比較例4、5]
高周波電源からシャワー電極に供給する電力を80Wに変更、すなわち、P/Qを0.8W/sccmに変更した以外(比較例4);
および、高周波電源からシャワー電極に供給する電力を80Wに変更、すなわち、P/Qを0.8W/sccmに変更し、基板Zにかかる搬送張力を120N/mに変更した以外(比較例5)は; 全て、前記実施例4と同様にして、基板Zの表面に窒化珪素膜を成膜して、ガスバリアフィルムを製造した。
得られた各ガスバリアフィルムについて、ガスバリア性を調べた。
[ガスバリア性]
MOCON社製の水蒸気透過率測定装置「AQUATRAN」を用いて、水蒸気透過率(WVTR)[g/m2/day]を測定した。
測定結果を、下記表1に示す。
Figure 2011184738
上記表1に示されるように、本発明の製造方法で製造したガスバリアフィルムは、水蒸気透過率(WVTR)は、いずれも0.1[g/m2/day]以下となりガスバリア性に優れた、高品位なガスバリアフィルムである。
これに対し、基板Zにかかる搬送張力が大きすぎる比較例1〜3は、いずれも、成膜の際の熱により基板Zが軟化した時に、搬送のためにかかる大きな搬送張力により、基板Zが変形してしまった。このガスバリアフィルムの水蒸気透過率を測定したところ、いずれも0.1[g/m2/day]以上となり、水蒸気透過率が悪化してしまった。
また、P/Qが小さすぎる、すなわち、プラズマ生成のための電力が小さすぎる比較例4および5は、成膜の際に基板Zにかかる熱負荷は小さいため、搬送のための搬送張力が大きい場合(比較例5)であっても、基板Zはほとんど変形しないものの、成膜された膜が緻密なものとならないため、水蒸気透過率が0.1[g/m2/day]以上の、ガスバリア性が低いものとなってしまった。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
10 (プラズマ)CVD装置
12 供給室
14 成膜室
16 巻取り室
20 基板ロール
24 回転軸
26、58 ガイドローラ
28、50、60 真空排気手段
30 巻取り軸
32、56 隔壁
32a、56a スリット
36 ドラム
38 シャワー電極
40、42 テンションピックアップローラ
44 バイアス電源
46 ガス供給手段
48 高周波電源
52 制御ローラ
62 張力制御手段
Z 基板

Claims (11)

  1. 長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、容量結合型プラズマCVDによって、前記基板に窒化珪素膜を成膜するガスバリアフィルムの製造方法であって、
    原料ガスとして、少なくともシランガスとアンモニアガスとを用い、
    前記シランガスの流量をQ[sccm]、プラズマを生成するために投入する電力をP[W]とした際におけるP/Q[W/sccm]が1以上で、かつ、少なくとも前記基板に成膜を行なう際の電極対を挟む2つの搬送手段の間で、搬送される前記基板にかかる張力が100[N/m]以下であることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 前記基板にバイアス電位を印加して成膜を行なう請求項1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  3. 前記基板に印加するバイアス電位が−100V以下である請求項2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  4. 前記基板を円筒状のドラムの周面の所定領域に巻き掛けて搬送するものであり、前記ドラムを成膜の際の電極として用いる請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  5. 前記基板が前記ドラムの周面に巻き掛かる領域で、前記基板にかかる張力が100[N/m]以下である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  6. 前記シランガスの流量Q[sccm]と、前記プラズマを生成するために投入する電力P[W]とが、1≦P/Q≦30[W/sccm]を満たす請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  7. 前記基板の搬送経路の全領域で、前記基板にかかる張力が、100[N/m]以下である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  8. 原料ガスとして、さらに、窒素ガスおよび水素ガスの少なくとも一方を用いる請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  9. 前記基板の搬送経路中に、前記基板にかかる張力を測定する張力測定手段を有する請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  10. 前記基板温度を70℃以下とする請求項1〜9のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
  11. 前記ドラムの温度調整手段を有する請求項4〜10のいずれかに記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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