JP5258582B2 - トレハロース化合物、その製造方法、及び該化合物を含有する免疫賦活剤 - Google Patents

トレハロース化合物、その製造方法、及び該化合物を含有する免疫賦活剤 Download PDF

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Description

本発明は、トレハロース化合物、その製造方法、及び該化合物を含有する免疫賦活剤に関する。
今日まで、パクリタキセル、マイトマイシンC、フトラフール、イリノテカン、シスプラチン等の制癌剤が、世界中の臨床の第一線で使用されてきた。制癌剤は、細胞毒性物質であり、癌細胞を正常細胞に優先して死滅させる選択性の高い化合物である。
しかしながら、これら制癌剤の選択性は、細胞分裂の激しい免疫細胞には発揮されないので、免疫細胞を著しく損傷させて患者の体調を損なわせるという、制癌剤の副作用の問題を未だ解決できていない。このような背景から、最近、患者自身の免疫力を高めることによって、制癌剤による治療を行わずに癌を治療する試みが数多くなされている。
トレハロースの6,6’位にミコール酸が二分子エステル結合したトレハロース6,6’−ジミコール酸エステル(trehalose 6,6’-dimycolate(TDM)、下記式(A)で表される化合物)が免疫の賦活化による抗腫瘍活性を有することが知られている(非特許文献1及び2)。
Figure 0005258582
しかしながら、TDMは、マウスに対する致死活性が高いので、本質的な毒性の問題を解決できておらず、実用化には至っていない。
本発明者らは、トレハロースの6,6’位にコリノミコール酸が二分子エステル結合したトレハロース6,6’−ジコリノミコール酸エステル(trehalose 6,6’-dicorynomycolate(TDCM)、下記式(B)で表される化合物)のジアステレオマーの合成に成功し、各々のTDCMが、免疫賦活作用による癌細胞溶解活性を示すことを明らかにした(非特許文献3)。
Figure 0005258582
しかしながら、TDCMは、免疫賦活作用を有しているものの、その効果は不十分である。また、TDCMの製造には不斉合成を伴うために、多大な労力を必要とし、大量供給の点で問題を有している。
Chem. Pharm. Bull., 33, 4544 (1985) J. Carbohydr. Chem., 5, 127 (1986) Synlett, 452 (1996)
本発明は、優れた免疫賦活作用を有し、工業的に大量供給が可能な新規トレハロース化合物及び該トレハロース化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、TDCMのエステル結合をアミド結合にし、且つTDCMのコリノミコール酸部に特徴的なβ位水酸基を水素原子に置き換えることにより、免疫賦活作用が飛躍的に向上したトレハロース化合物が得られることを見い出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記項1〜5に示すトレハロース化合物、その製造方法及び該化合物を含有する免疫賦活剤を提供する。
項1. 一般式(1)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C10−16アルキル基を示す。]
で表されるトレハロース化合物。
項2. 一般式(5)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C10−16アルキル基を示す。Rは水酸基の保護基を示す。]
で表されるトレハロース化合物の水酸基の保護基を脱保護反応して一般式(1)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
で表されるトレハロース化合物を製造する、トレハロース化合物の製造方法。
項3. 一般式(2)
Figure 0005258582
[式中、Rは水酸基の保護基を示す。]
で表されるトレハロース化合物に、一般式(3)及び一般式(4)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C10−16アルキル基を示す。X1及びX2は、同一又は異なって、水酸基又はハロゲン原子を示す。]
で表されるカルボニル化合物を同時又は順次に作用させ、次いで得られる一般式(5)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
で表されるトレハロース化合物の水酸基の保護基を脱保護して一般式(1)
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
で表されるトレハロース化合物を製造する、トレハロース化合物の製造方法。
項4. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する免疫賦活剤。
項5. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有するマクロファージ賦活剤。
項6. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する好中球賦活剤。
項7. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する貧食細胞の食菌作用賦活剤。
項8. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する抗細菌感染症剤。
上記一般式(1)において、R、R、R及びRは、それぞれ炭素数10〜16の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは、例えば、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基等の炭素数10〜16の直鎖状のアルキル基を挙げることができる。炭素数11〜15の直鎖状アルキル基が好ましく、炭素数13の直鎖状のアルキル基であるn−トリデシル基及び炭素数14の直鎖状のアルキル基であるn−テトラデシル基が特に好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるトレハロース化合物は、例えば下記合成スキーム1で表されるアミド化反応によって製造することができる。
合成スキーム1
Figure 0005258582
[式中、R、R、R、R、R、X及びXは前記に同じ。]
上記合成スキーム1に示すように、本発明のトレハロース化合物(1)は、一般式(2)で表されるトレハロース化合物と一般式(3)及び一般式(4)で表されるカルボニル化合物とを同時又は順次に作用させ、次いで得られた一般式(5)で表されるトレハロース化合物の水酸基の保護基を脱保護することにより、製造される。
が水酸基を示すカルボニル化合物(3)又はXが水酸基を示すカルボニル化合物(4)の場合、トレハロース化合物(2)からトレハロース化合物(5)に導く反応には、カルボン酸とアミンとのアミド化反応を広く適用でき、例えば、脱水法、混合酸無水物法、活性エステル化法等を挙げることができる。これら方法は、好ましくは縮合剤(脱水剤を含む)を用いて、不活性溶媒中で行われる。
上記アミド化反応で使用される縮合剤は、例えば、塩化水素、硫酸、塩酸等の鉱酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸、フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸等の脱水剤;三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニル等の酸ハロゲン化物生成剤;クロロぎ酸エチル、塩化メタンスルホニル等の混合酸無水物生成剤;N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド等のカルボジイミド;又はその他の縮合剤、例えばN,N−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン−四塩化炭素(錯体)等を挙げることができる。これらの縮合剤は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
不活性溶媒としては、アミド化反応に悪影響を及ぼさない限り公知の溶媒を広く使用でき、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル;アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド 、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等のアミド;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。
上記アミド化反応を促進させるため、ジメチルホルムアミド、ジメチルアミドピリジン、4−ピロリジノピリジン等の触媒、無水硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ(4A,5A)等の乾燥剤を反応系内に添加してもよい。また、アミド化反応には、ディーン−スタークの水分離装置、ソックスレー抽出器等の装置を使用してもよい。
アミド化反応に供される原料化合物の使用量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択される。トレハロース化合物(2)にカルボニル化合物(3)を反応させ、次いで得られるトレハロース化合物(2)とカルボニル化合物(3)との反応生成物にカルボニル化合物(4)を反応させる場合、トレハロース化合物(2)1モルに対して、カルボニル化合物(3)を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用し、縮合剤を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用する。また、トレハロース化合物(2)とカルボニル化合物(3)との反応生成物1モルに対して、カルボニル化合物(4)を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用し、縮合剤を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用する。
反応温度は、特に限定されないが、通常、−10℃から使用する溶媒の沸点温度以下の範囲内とすればよい。また、反応時間は、原料化合物の種類及びその使用量、反応温度等の反応条件によって異なるが、通常3〜10時間の範囲で適宜調節することができる。
がハロゲン原子を示すカルボニル化合物(3)又はXがハロゲン原子を示すカルボニル化合物(4)の場合、この反応は、適当な溶媒中、必要に応じて塩基の存在下で行うことができる。
溶媒は、上記アミド化反応で使用される不活性溶媒と同じものを使用することができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の酢酸塩;酢酸カルシウム等のアルカリ土類金属の酢酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属の水素化物;水素化カルシウム等のアルカリ土類金属の水素化物;水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の第三級アミンを挙げることができる。これら塩基は、1種単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用してもよい。
上記アミド化反応と同様、本反応に供される原料化合物の使用量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択される。トレハロース化合物(2)にカルボニル化合物(3)を反応させ、次いで得られるトレハロース化合物(2)とカルボニル化合物(3)との反応生成物にカルボニル化合物(4)を反応させる場合、トレハロース化合物(2)1モルに対して、カルボニル化合物(3)を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用し、塩基を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用する。また、トレハロース化合物(2)とカルボニル化合物(3)との反応生成物1モルに対して、カルボニル化合物(4)を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用し、塩基を、通常0.5〜1.8モル、好ましくは0.8〜1.2モル使用する。
反応温度は、上記アミド化反応と同様、通常、−10℃から使用する溶媒の沸点温度以下の範囲内とすればよい。反応時間は、上記アミド化反応と同様、前記の濃度、温度等によって変化するが、通常0.1〜10時間の範囲で適宜調整することができる。
トレハロース化合物(2)にカルボニル化合物(3)又は(4)を作用させる際には、カルボニル化合物(3)とカルボニル化合物(4)とを同時に作用させてもよいが、(3)と(4)とが同一化合物である場合を除き、カルボニル化合物(3)を作用させ、次いでカルボニル化合物(4)を作用させるのが、得られるトレハロース化合物(5)を選択的に製造する観点から好ましい。
が水酸基を示すカルボニル化合物とXがハロゲン原子を示す化合物とを使用する場合、及びXがハロゲンを示すカルボニル化合物とXが水酸基原子を示す化合物とを使用する場合にも、上記した反応条件を適宜選択することによって、目的とする一般式(5)で表わされるトレハロース化合物に誘導することができる。
カルボニル化合物(3)とカルボニル化合物(4)とが同一化合物である場合、トレハロース化合物(5)は、下記合成スキーム2に従って製造される。
合成スキーム2
Figure 0005258582
[式中、R、R、R及びXは前記に同じ。]
合成スキーム2に従う場合の反応条件は、カルボニル化合物(3)の使用量を増やす以外は、上記合成スキーム1に従う場合の反応条件と同様でよい。具体的には、トレハロース化合物(2)1モルに対して、カルボニル化合物(3)を通常1.8〜5モル、好ましくは2〜3モル、縮合剤を通常1.8〜5モル、好ましくは2〜4モル、塩基を通常1.8〜8モル、好ましくは2〜6モル使用する。
また、得られたトレハロース化合物(5)又は(5a)は、単離精製せずに次反応に使用することもできるが、アミド化反応に使用した試薬及び副生成物を除去しておくのが好ましい。
トレハロース化合物(2)、(5)及び(5a)におけるRは、水酸基の保護基として公知のものである。例えば、Protecting groups in Organic chemistry(John Wiley & Sons INC., New York 1991, ISBN 0-471-62301-6)に記載の水酸基の保護基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ビフェニルメチル基等のアリールアルキル基;アセチル基等のアシル基;メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等が好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
トレハロース化合物(5)又は(5a)における保護された水酸基から保護基を脱離するには、例えば、前記文献に記載の当該保護基に適した脱保護方法を適宜採用することができる。
例えば、Rの保護基がベンジル基である場合には、接触水素添加反応を適用することができる。接触水素添加反応は、水素雰囲気下、触媒の存在下で行われる。
触媒は、接触水素添加反応に使用されるものである限り公知の触媒を広く使用でき、例えば、酸化白金、白金炭素、水酸化パラジウム、パラジウム炭素、ラネーニッケル等が挙げられる。
触媒の使用量は、トレハロース化合物(5)又は(5a)に対して、通常0.001〜50重量%程度、好ましくは0.01〜10重量%程度である。
水素圧は、特に制限されず、広い範囲内から適宜選択することができる。水素圧は、通常0.8〜100気圧、好ましくは1〜3気圧程度である。
本反応は溶媒中で行うのが好ましい。使用する溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;ギ酸、酢酸等のカルボン酸又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本反応の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜40℃程度である。反応時間は、基質量、温度、触媒の種類等によって異なるが、水素消費の理論量を目安に反応を終結させればよい。
上記反応に原料として使用されるトレハロース化合物(2)、カルボニル化合物(3)及びカルボニル化合物(4)は、いずれも商業的に容易に入手できるか、公知の方法に従って製造することができるものである。
例えば、トレハロース化合物(2)は、例えば、Bioorganic Medical Chemistry, 12, 6397 (2004)に記載の方法に準じて製造することができる。
また、カルボニル化合物(3)及び(4)は例えば、Journal of American Chemical Society, 92, 1397 (1970)に記載の方法を参照し、必要に応じて従来公知の方法を組み合わせることで製造することができる。
斯くして得られるトレハロース化合物(1)は、通常の単離、精製手段、例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶等により反応混合物から容易に単離し、精製することができる。
上記本発明のトレハロース化合物(1)は、後記の試験例で明らかなように優れた免疫賦活作用を有する。従って、上記本発明のトレハロース化合物(1)は、癌治療を目的に使用される医薬組成物(免疫賦活剤)の有効成分として有用である。
本発明は、上記トレハロース化合物(1)を有効成分とする免疫賦活剤を提供する(以下、「製剤」ともいう)。
本発明の製剤は、上記トレハロース化合物(1)だけからなるものであってもよいし、または、任意の担体や添加剤と組み合わせて、公知の方法で所望の用途に適した形態に調製した組成物であってもよい。
本発明の製剤の形態は、制限されないが、例えば錠剤、粉末剤、顆粒剤、丸剤、粉末シロップ剤及びカプセル剤(硬カプセル及び軟カプセル)等の固体状の製剤;クリーム、軟膏及びジェル等のペースト状又はゲル状の製剤;液剤、懸濁剤、乳液剤、シロップ、エリキシル剤等の液体状の製剤等とすることができる。
本発明の製剤中トレハロース化合物(1)の配合量は、免疫賦活作用を発揮する割合であれば特に制限されず、製剤100重量%中、通常0.001〜99重量%、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%の範囲である。
当該製剤は、上記トレハロース化合物(1)を、免疫賦活効果を発揮する割合で含むものであればよく、この効果を妨げない範囲で他成分を配合することもできる。かかる他成分は、薬理学的及び製剤学的に許容されるものであれば制限されないが、例えば、賦形剤、結合剤、分散剤、増粘剤、滑沢剤、pH調整剤、可溶化剤等の一般に製剤の製造に使用される担体のほか、抗生物質、抗菌剤、殺菌剤、防腐剤、ビルダー、漂白剤、酵素、キレート剤、消泡剤、着色料(染料、顔料等)、柔軟剤、保湿剤、界面活性剤、酸化防止剤、香料、矯味剤、矯臭剤、溶媒等が含まれる。
本製剤の使用方法は、本製剤を経口、点滴、注射等により体内に投与する方法、患部に局所投与する方法等を挙げることができる。
本発明の製剤の投与量は、剤形や投与方法等によって異なるため、一概に規定することはできないが、例えば、適当な1日の投与量は、上記本発明のトレハロース化合物の投与量に換算して、通常、成人1kg当たり1ng〜100mg、好ましくは10ng〜50mg程度の範囲で患者の年齢、症状に応じて、適宜設定することができる。これらの製剤は、1日1回〜数回に分けて患部に投与するのがよい。
本発明のトレハロース化合物は、TDCMに比して顕著に優れた免疫賦活作用を有している。本発明のトレハロース化合物は、低毒性である。従って、本発明のトレハロース化合物は、癌の治療に好適に使用できる。
本発明において、免疫賦活とは、マクロファージ賦活、好中球賦活やそれに伴う貪食細胞の食菌作用賦活などを挙げることができる。
マクロファージ賦活とは、マクロファージの組織への付着性、及び運動性が向上し、外部から侵入した細菌や変性した自己成分を貪食する状態を指す。また、マクロファージ活性化は、サイトカインや活性酸素の遊離を指標とすることができる。以下の試験例1では、マクロファージ活性化能の測定は、亜硝酸イオン濃度を指標に解析した。亜硝酸イオン濃度の測定は、マウスの腹腔マクロファージ細胞に試験化合物を作用させ、マクロファージの活性化によって産生された一酸化窒素(NO)の放出量を、培地中亜硝酸イオン濃度として測定することによって行った。
好中球賦活とは、好中球の食作用を亢進させ、細菌などを取り込む状態である。また、好中球活性化は、サイトカインや活性酸素の遊離、さらに、微小顆粒やアズール顆粒の脱顆粒による生理活性物質の遊離が指標となる。以下の試験例3では、好中球の活性化能の測定は、活性酸素に起因する過酸化水素の遊離(試験例3)と大腸菌の貪食能(試験例4)を指標に解析した。過酸化水素の測定は、ウサギ好中球に試験化合物を作用させ、好中球の活性化によって産生された過酸化水素の放出量を測定した(試験例3)。大腸菌の貪食能の測定は、ウサギ好中球に試験化合物を作用させた後、オプソニン化した大腸菌を貪食させ、貪食された大腸菌数を計測した(試験例4)。
また、試験化合物の細菌感染症に対する効果を解析するため、試験化合物をマウスの腹腔に投与後、ウエルシュ菌を感染させたときの、マウスの生存数を計測した(試験例2)。
これらの試験結果から、本発明の化合物は、マクロファージ賦活、好中球賦活およびそれに伴う貪食細胞の食菌作用賦活に優れていることが明らかになり、マクロファージ賦活剤、好中球賦活剤およびそれに伴う貪食細胞の食菌作用賦活剤の用途として好適に使用できる。
本発明の製造方法は、不斉合成を伴わない簡易な反応であるので、工業的な大量供給の点で有利である。
以下に、参考例、本発明のトレハロース化合物(1)の製造例及び試験例を挙げて、本発明を一層明らかにするが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
2−トリデシルペンタデカン酸の製造
Figure 0005258582
乾燥させた二口フラスコに無水THF (11 ml) を加え、そこに水素化ナトリウム (60 w/w%, 397 mg, 9.93 mmol) を加えて、0 °Cに冷却し、マロン酸ジエチル(530 mg, 3.31 mmol) を滴下した。得られる混合物を0 °Cで10分撹拌し、1-ヨードトリデカン (2.56 g, 8.28 mmol) を加えて、室温で6時間撹拌した。この混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過後濃縮した。得られた残渣を10 N水酸化ナトリウム水溶液 (4 ml) 及びn-ブタノール (8 ml) の混合溶媒に溶解し、6時間加熱還流した。その後、反応液を室温まで冷却し、1N 塩酸を加えて、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過後濃縮した。得られた残渣を酢酸(3.3 ml) に溶解し、18時間加熱還流し、次いで冷却後、減圧濃縮して酢酸を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロトマトグラフィー (n−ヘキサン: 酢酸エチル = 7:1) で精製することにより、2−トリデシルペンタデカン酸 (731 mg, 52%) を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3032, 2922, 2851, 2691, 1712 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.25 (44H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.35 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.14, 22.72, 27.40, 29.39, 29.50, 29.60, 29.64, 29.69, 31.96, 32.19, 45.54, 182.79
CIMS m/z(%) 425 (100 M++1), 423 (30), 242 (19)
HRMS (CI+) m/z C28H57O2 (M++1)としての計算値425.4358, 実測値425.4341。
参考例2
2−ウンデシルトリデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−ウンデシルトリデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3028, 2941, 2858, 1712 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.25 (36H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.35 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.17, 22.74, 27.41, 29.40, 29.51, 29.61, 29.65, 29.69, 29.72, 31.97, 32.20, 45.55, 182.81
CIMS m/z(%) 369 (100 M++1), 341 (30), 214 (12)
HRMS (CI+) m/z C24H49O2 (M++1)としての計算値369.3732, 実測値 369.3731。
参考例3
2−ドデシルテトラデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−ドデシルテトラデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3028, 2943, 2860, 2691, 1714 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 7.1Hz), 1.25 (40H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.34 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.16, 22.76, 27.43, 29.43, 29.54, 29.64, 29.68, 29.71, 29.72, 31.99, 32.22, 45.68, 183.46
CIMS m/z(%) 397 (100 M++1), 369 (20), 341 (10), 228 (18)
HRMS (CI+) m/z C26H53O2 (M++1)としての計算値397.4045, 実測値 397.4043。
参考例4
2−テトラデシルヘキサデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−テトラデシルヘキサデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3028, 2928, 2854, 2684, 1706 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 7.2Hz), 1.25 (48H, m), 1.48 (2H, m), 1.60 (2H, m), 2.34 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.13, 22.72, 27.40, 29.40, 29.50, 29.60, 29.64, 29.73, 31.96, 32.19, 45.57, 182.87
CIMS m/z(%) 453 (100 M++1), 452 (45 M+), 256 (27), 58 (28)
HRMS (CI+) m/z C30H61O2 (M++1)としての計算値453.4671, 実測値 453.4677。
参考例5
2−ペンタデシルヘプタデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−ペンタデシルヘプタデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3028, 2911, 2848, 2650, 1703 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.25 (52H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.35 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.05, 22.65, 27.33, 29.33, 29.43, 29.53, 29.57, 29.66, 31.90, 32.14, 45.43, 182.41
CIMS m/z(%) 481 (100 M++1), 480 (40 M+)
HRMS (CI+) m/z C32H65O2 (M++1)としての計算値481.4984, 実測値 481.4977。
参考例6
2−デシルドデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−デシルドデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3041, 2943, 2857, 2689, 1714 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 7.6Hz), 1.21 (32H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.34 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.13, 22.72, 27.40, 29.37, 29.50, 29.64, 31.95, 32.19, 45.61, 183.22
CIMS m/z(%) 341 (100 M++1), 323 (10), 200 (28)
HRMS (CI+) m/z C22H45O2 (M++1)としての計算値341.3420, 実測値 341.3421。
参考例7
2−ヘキサデシルオクタデカン酸の製造
Figure 0005258582
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして2−ヘキサデシルオクタデカン酸を無定形白色粉末として得た。
白色粉末
FT IR (ニート) 3028, 2914, 2848, 2691, 1705 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.25 (56H, m), 1.48 (2H, m), 1.61 (2H, m), 2.35 (1H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.14, 22.72, 27.40, 29.40, 29.50, 29.60, 29.64, 29.73, 31.96, 32.20, 45.51, 182.51
CIMS m/z(%) 509 (100 M++1), 508 (25 M+), 507 (30), 425 (5), 284 (20)
HRMS (CI+) m/z C34H69O2 (M++1)としての計算値509.5297, 実測値 509.5298。
製造例1
(1)6,6’−ビス−N−(2−トリデシルペンタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
2−トリデシルペンタデカン酸 (196 mg, 46.2 μmol)及びジアミノトレハロース (6,6’−ジアミノ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジロキシ−α,α’−トレハロース) (163 mg, 18.5 μmol) を無水ジクロロメタン溶液 (3 ml) に溶かし、粉末モレキュラーシーブス4A(0.3 g)、4-ジメチルアミノピリジン (22.6 mg, 18.5 μmol)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (106 mg, 55.5 μmol) を順次加え、室温で6時間反応した。セライト-535を用いて反応混合物を濾過し、濾液に蒸留水を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過後濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン: 酢酸エチル= 5:1) を用いて精製し、6,6’−ビス−N−(2−トリデシルペンタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロース (282 mg, 90 %) を無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +40.6o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3425, 3331, 3088, 3063, 3031, 2932, 2854, 1946, 1874, 1805, 1732, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J = 6.7Hz), 1.23 (88H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.83 (2H, m), 3.00 (2H, dt, J= 14.0Hz, 3.2Hz), 3.30 (2H, t, J = 9.1Hz), 3.47 (2H, dd, J = 9.1Hz, 3.6Hz), 3.91 (2H, ddd, J = 14.0Hz, 9.1Hz, 3.2Hz), 4.04 (2H, t, J = 9.1Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.3Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.3Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.97 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.09 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.30 (NH, br d, J = 6.0Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.11, 22.68, 27.75, 27.88, 29.36, 29.61, 29.71, 31.91, 32.89, 33.04, 38.55, 48.26, 69.67, 73.21, 75.31, 75.57, 78.37, 79.49, 81.53, 93.95, 127.32, 127.56, 127.79, 127.94, 128.37, 128.49, 128.58, 137.89, 138.05, 138.61, 175.94。
(2)6,6’−ビス−N−(2−トリデシルペンタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
6,6’−ビス−N−(2−トリデシルペンタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロース(170 mg, 10 μmol) をクロロホルム:メタノール:酢酸(1:1:0.1)の混合溶媒 (1.7 ml) に溶かし、水酸化パラジウム (20w/w%, 7.0 mg, 1.0 μmol) を加えて1気圧水素下、6時間撹拌した。反応混合液を濾過後濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン:メタノール= 7:1) で精製して、6,6’−ビス−N−(2−トリデシルペンタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロース (105 mg, 91 %) を無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 19 +38.3o (c 3.1 CHCl3)
FT IR (ニート) 3337, 2931, 2854, 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.88 (12H, t, J = 6.9Hz), 1.25 (80H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.54 (2H, m), 3.91 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.23 (2H, dd, J = 9.4Hz, 3.7Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J = 3.7Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.24, 22.90, 28.06, 28.16, 29.59, 29.82, 29.94, 30.11, 32.09, 33.55, 33.65, 40.96, 47.59, 74.05, 96.46, 177.55
FABMS m/z(%) 1176 (28 M++Na), 1006 (2), 824 (2), 569 (28), 154 (52), 55 (100)
HRMS (FAB+) m/z C68H132O11N2Na (M++Na)としての計算値1175.9729, 実測値 1175.9758。
製造例2
(1)6,6’−ビス−N−(2−ウンデシルトリデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−ウンデシルトリデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +41.8o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3426, 3330, 3088, 3063, 3031, 2934, 2854, 1946, 1868, 1806, 1732, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.87 (6H, t, J = 6.9Hz), 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.23 (72H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.82 (2H, m), 3.00 (2H, dt, J= 14.2Hz, 3.2Hz), 3.30 (2H, t, J = 9.2Hz), 3.47 (2H, dd, J = 9.2Hz, 3.5Hz), 3.92 (2H, ddd, J = 14.2Hz, 9.2Hz, 3.2Hz), 4.04 (2H, t, J = 9.2Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.97 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.5Hz), 5.29 (NH, br d, J = 6.1Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.12, 22.69, 27.76, 27.88, 29.37, 29.61, 29.68, 31.93, 32.89, 33.04, 38.57, 48.26, 69.67, 73.21, 75.31, 75.58, 78.37, 79.49, 81.54, 93.95, 127.34, 127.57, 127.80, 127.95, 128.39, 128.50, 128.59, 137.89, 138.05, 138.62, 175.97。
(2)6,6’−ビス−N−(2−ウンデシルトリデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−ウンデシルトリデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 20 +52.8o (c 0.9 CHCl3)
FT IR (ニート) 3329, 2926, 2853, 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.87 (12H, t, J = 7.2Hz), 1.24 (64H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.54 (2H, m), 3.91 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.5Hz), 4.23 (2H, dd, J = 9.5Hz, 3.8Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 9.5Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J = 3.8Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.21, 22.87, 28.04, 28.14, 29.55, 29.78, 29.88, 29.92, 30.08, 32.06, 33.53, 33.64, 40.94, 47.58, 74.04, 96.49, 177.55; FABMS m/z (%) 1064 (55 M++Na), 922 (5), 908 (3), 513 (20), 136 (75), 77 (100)
HRMS (FAB+) m/z C60H116O11N2Na (M++Na)としての計算値1063.8477, 実測値 1063.8505。
製造例3
(1)6,6’−ビス−N−(2−ドデシルテトラデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−ドデシルテトラデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +41.9o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3426, 3334, 3088, 3063, 3031, 2933, 2855, 1946, 1874, 1805, 1731, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.87 (6H, t, J = 6.9Hz), 0.88 (6H, t, J = 6.9Hz), 1.23 (80H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.82 (2H, m), 3.00 (2H, dt, J= 14.7Hz, 3.2Hz), 3.31 (2H, t, J = 9.4Hz), 3.47 (2H, dd, J = 9.4Hz, 3.6Hz), 3.92 (2H, ddd, J = 14.7Hz, 9.4Hz, 3.2Hz), 4.04 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.98 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.09 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.30 (NH, br d, J = 6.0Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.11, 22.69, 27.75, 27.87, 29.36, 29.60, 29.67, 31.92, 32.89, 30.04, 38.56, 48.26, 69.67, 73.21, 75.31, 75.58, 78.37, 79.49, 81.54, 93.95, 127.33, 127.57, 127.79, 127.95, 128.39, 128.50, 128.59, 137.89, 138.05, 138.62, 175.97。
(2)6,6’−ビス−N−(2−ドデシルテトラデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−ドデシルテトラデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 19 +19.4o (c 1.4 CHCl3)
FT IR (ニート) 3344, 2930, 2854, 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.87 (12H, t, J = 7.4Hz), 1.24 (72H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.54 (2H, m), 3.91 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.3Hz), 4.23 (2H, dd, J = 9.3Hz, 3.9Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 9.3Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J = 3.9Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.21, 22.87, 28.03, 28.14, 29.54, 29.78, 29.86, 30.07, 32.05, 33.54, 33.64, 40.94, 47.57, 74.04, 96.49, 177.55
FABMS m/z(%) 1120 (48 M++Na), 964 (5), 950 (3), 541 (20), 523 (14), 136 (80), 77 (100)
HRMS (FAB+) m/z C64H124O11N2Na (M++Na)としての計算値1119.9103, 実測値1119.9077。
製造例4
(1)6,6’−ビス−N−(2−テトラデシルヘキサデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−テトラデシルヘキサデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +42.6o (c 1.0 CHCl3)
FT IR (ニート) 3425, 3330, 3088, 3063, 3031, 2932, 2854, 1945, 1870, 1805, 1740, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J = 6.9Hz), 1.23 (96H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.83 (2H, m), 2.99 (2H, dt, J= 14.3Hz, 3.0Hz), 3.31 (2H, t, J = 9.3Hz), 3.47 (2H, dd, J = 9.3Hz, 3.6Hz), 3.94 (2H, ddd, J = 14.3Hz, 9.3Hz, 3.0Hz), 4.04 (2H, t, J = 9.3Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.1Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.1Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.90 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.98 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.30 (NH, br d, J = 6.0Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.15, 22.70, 27.76, 27.89, 29.37, 29.62, 29.72, 31.92, 32.90, 33.06, 38.50, 48.26, 69.63, 73.17, 75.32, 75.57, 78.29, 79.43, 81.52, 93.97, 127.28, 127.54, 127.76, 127.94, 128.36, 128.46, 128.59, 137.84, 137.96, 138.55, 175.90。
(2)6,6’−ビス−N−(2−テトラデシルヘキサデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−テトラデシルヘキサデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 19 +36.3o (c 2.1 CHCl3)
FT IR (ニート) 3342, 2937, 2857, 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.87 (6H, t, J = 5.8Hz), 0.88 (6H, t, J = 7.2Hz), 1.27 (88H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.54 (2H, m), 3.93 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.3Hz), 4.23 (2H, dd, J= 9.3Hz, 3.7Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J= 9.3Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J= 3.7Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.22, 22.88, 28.05, 28.15, 29.57, 29.81, 29.94, 30.10, 32.08, 33.54, 33.64, 40.94, 47.58, 74.04, 96.48, 177.53
FABMS m/z(%) 1232 (30 M++Na), 1210 (8), 597 (42), 154 (60), 55 (100)
HRMS (FAB+) m/z C72H140O11N2Na (M++Na)としての計算値1232.0355, 実測値1232.0305。
製造例5
(1)6,6’−ビス−N−(2−ペンタデシルヘプタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−ペンタデシルヘプタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +38.2o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3427, 3333, 3088, 3063, 3031, 2940, 2862, 1945, 1870, 1805, 1740, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J = 7.0Hz), 1.23 (104H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.83 (2H, m), 2.99 (2H, dt, J = 14.4Hz, 3.3Hz), 3.30 (2H, t, J = 9.4Hz), 3.47 (2H, dd, J= 9.4Hz, 3.6Hz), 3.92 (2H, ddd, J = 14.4Hz, 9.4Hz, 3.3Hz), 4.04 (2H, t, J= 9.4Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.98 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.29 (NH, br d, J = 6.0Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.13, 22.70, 27.76, 27.89, 29.37, 29.72, 31.93, 32.90, 33.05, 38.57, 48.27, 69.68, 73.22, 75.32, 75.58, 78.39, 79.50, 81.55, 93.96, 127.34, 127.58, 127.80, 127.95, 128.39, 128.50, 128.59, 137.90, 138.06, 138.63, 175.96。
(2)6,6’−ビス−N−(2−ペンタデシルヘプタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−ペンタデシルヘプタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 19 +32.9o (c 1.2 CHCl3)
FT IR (ニート) 3342, 2928, 2853, 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.87 (6H, t, J = 5.6Hz), 0.88 (6H, t, J = 7.0Hz), 1.28 (96H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.55 (2H, m), 3.92 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.5Hz), 4.23 (2H, dd, J= 9.5Hz, 3.7Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J= 9.5Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J= 3.7Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.0Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.20, 22.87, 28.05, 28.14, 29.55, 29.80, 29.87, 29.94, 30.10, 32.06, 33.53, 33.64, 40.94, 47.58, 74.05, 96.49, 177.52
FABMS m/z(%) 1288 (18 M++Na), 625 (20), 607 (12), 154 (55), 55 (100)
HRMS (FAB+) m/z C76H148O11N2Na (M++Na)としての計算値1288.0980, 実測値1288.1003。
製造例6
(1)6,6’−ビス−N−(2−デシルドデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−デシルドデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 20 +44.6o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3426, 3331, 3088, 3063, 3031, 2930, 2853, 1946, 1874, 1806, 1740, 1679 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.86 (6H, t, J = 7.0Hz), 0.87 (6H, t, J = 7.0Hz), 1.23 (64H, m), 1.34 (4H, m), 1.54 (4H, m), 1.82 (2H, m), 3.00 (2H, dt, J= 14.2Hz, 3.2Hz), 3.30 (2H, t, J = 9.4Hz), 3.47 (2H, dd, J = 9.4Hz, 3.6Hz), 3.93 (2H, ddd, J = 14.2Hz, 9.4Hz, 3.2Hz), 4.04 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.10 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.2Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.97 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.30 (NH, br d, J = 6.1Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.11, 22.68, 27.34, 27.87, 29.35, 29.60, 29.68, 29.70, 31.91, 32.89, 33.03, 38.56, 48.25, 69.67, 73.21, 75.31, 75.58, 78.36, 79.48, 81.54, 93.94, 127.33, 127.57, 127.80, 127.95, 128.39, 128.50, 128.58, 137.89, 138.05, 138.62, 175.97。
(2)6,6’−ビス−N−(2−デシルドデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−デシルドデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 20 +175.7o(c 1.2 CHCl3)
FT IR (ニート) 3346, 2925, 2854, 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.86 (12H, t, J = 7.6Hz), 1.21 (56H, m), 1.52 (12H, m), 1.92 (4H, m), 2.54 (2H, m), 3.91 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.8Hz), 4.23 (2H, dd, J = 9.8Hz, 3.9Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 9.8Hz), 4.92 (2H, m), 5.74 (2H, d, J = 3.9Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.22, 22.86, 28.03, 28.14, 29.52, 29.81, 29.89, 29.95, 30.07, 32.05, 33.54, 33.65, 40.94, 47.57, 74.04, 96.49, 177.56
FABMS m/z(%) 1008 (100 M++Na), 880 (10), 740 (10), 524 (12), 484 (32), 136 (100)
HRMS (FAB+) m/z C56H108O11N2Na (M++Na) としての計算値1007.7851, 実測値1007.7846。
製造例7
(1)6,6’−ビス−N−(2−ヘキサデシルオクタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(1)と同様の方法で6,6’−ビス−N−(2−ヘキサデシルオクタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−2,3,4,2’,3’,4’−ヘキサベンジル−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 21 +36.0o (c 0.5 CHCl3)
FT IR (ニート) 3426, 3330, 3088, 3063, 3031, 2939, 2857, 1945, 1872, 1805, 1732, 1680 cm-1
1H NMR (300 MHz、CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J = 7.0Hz), 1.23 (112H, m), 1.34 (4H, m), 1.53 (4H, m), 1.83 (2H, m), 2.99 (2H, dt, J = 14.7Hz, 3.4Hz), 3.30 (2H, t, J = 9.3Hz), 3.47 (2H, dd, J= 9.3Hz, 3.6Hz), 3.92 (2H, ddd, J = 14.7Hz, 9.3Hz, 3.4Hz), 4.04 (2H, t, J= 9.3Hz), 4.09 (2H, m), 4.62 (2H, d, J= 12.0Hz), 4.64 (2H, d, J = 10.0Hz), 4.73 (2H, d, J = 12.0Hz), 4.81 (2H, d, J = 10.0Hz), 4.89 (2H, d, J = 11.0Hz), 4.97 (2H, d, J = 11.0Hz), 5.08 (2H, d, J = 3.6Hz), 5.30 (NH, br d, J = 6.0Hz), 7.22-7.40 (30H, m)
13C NMR (75 MHz、CDCl3) δ 14.10, 22.67, 27.74, 27.87, 29.35, 29.70, 31.91, 32.89, 33.04, 38.55, 48.24, 69.66, 73.20, 75.29, 75.55, 78.36, 79.49, 81.52, 93.92, 127.31, 127.54, 127.77, 127.92, 128.35, 128.47, 128.56, 137.88, 138.04, 138.60, 175.92。
(2)6,6’−ビス−N−(2−ヘキサデシルオクタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースの製造
Figure 0005258582
上記製造例1の(2)と同様の方法で、6,6’−ビス−N−(2−ヘキサデシルオクタデカノイルアミノ)−6,6’−ジデオキシ−α,α’−トレハロースを無色無定形固体として得た。
無色無定形固体
[α]D 19 +37.4o (c 3.0 CHCl3)
FT IR (ニート) 3339, 2929, 2853, 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz、C5D5N) δ 0.88 (12H, t, J = 7.0Hz), 1.29 (104H, m), 1.52 (12H, m), 1.93 (4H, m), 2.55 (2H, m), 3.92 (2H, m), 3.97 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.23 (2H, dd, J = 9.4Hz, 3.7Hz), 4.36 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 9.4Hz), 4.92 (2H, m), 5.75 (2H, d, J = 3.7Hz), 8.67 (NH, br t, J = 5.1Hz)
13C NMR (75 MHz、C5D5N) δ 14.24, 22.90, 28.06, 28.16, 29.59, 29.90, 29.98, 30.12, 32.09, 33.54, 33.65, 40.95, 47.59, 74.04, 96.48, 177.52
FABMS m/z(%) 1344 (6 M++Na), 653 (12), 537 (8), 154 (59), 55 (100)
HRMS (FAB+) m/zC80H156O11N2Na (M++Na)としての計算値1344.1607, 実測値1344.1633。
試験例1(マクロファージ活性化能の測定)
試験方法
原理:
Sakurai T., Kaise T., Matsubara C. Chem. Res. Toxicol. 1998, 11, 273-283に記載の方法を参考にして、この試験を行った。即ち、ICR系雄マウス(6〜7週齢)を麻酔し、腹腔内に0.05%EDTAを含むリン酸緩衝液を注入して、腹腔内を洗浄し、腹腔マクロファージを無菌的に回収した。RPMI-1640(10%牛胎児血清含有)メディウムで細胞を洗浄後、96穴プレートの各ウェルに1 × 105 cells/100 μlになるようにマクロファージ細胞を播種した。2時間予備培養した後、試験化合物(50 μM)を培地に添加し、48時間培養した。その後、グリース(Griess)試薬を培地に添加し、10分間静置後、マイクロプレートリーダーで吸光度(フィルターは550/630 nm)を測定し、検量線から亜硝酸イオン濃度(NO2 )を求めた。上記試験は、3ウェルで再現性を確認し、かつ、異なるマウスから3回以上実験を繰り返し、その平均値±S.E.を求めた。結果を表1に示す。
なお、亜硝酸イオン濃度の測定は、マウスの腹腔マクロファージ細胞に試験化合物を作用させ、マクロファージの活性化によって産生された一酸化窒素(NO)の放出量を、培地中亜硝酸イオン濃度として測定することによって行った。
Figure 0005258582
試験例2(ウエルシュ菌投与マウスに対する影響)
ウエルシュ菌投与マウスに対する影響を下記の方法により測定した。マウスは、ICRマウス(SPF):Charles River Laboratories,Inc、6週齢を用いた。
(1)ウエルシュ菌(TypeA NTCT8237)の調製
ブレインハートインフュージョン(BHI)(Difco)の粉末7.4 gを蒸留水 200 mlに溶かした。得られた溶液40 mlをメスピペットでとり、200 mlのフラスコに加え、高圧蒸気滅菌(121℃、20分間)を行った。また、ねじ口試験管2本に5 mlのBHI培地をいれ、高圧蒸気滅菌を行った。さらにガラス管付きゴム栓(綿栓付き)及びガラス管を高圧蒸気滅菌した。
クリーンベンチ内で、クックドミート培地に生えた保存用の菌を滅菌したパスツールピペットで適量採取し、滅菌ねじ口試験管内のBHI培地に菌植えした。次いで、37℃で一晩インキュベーションした。
ねじ口試験管内に生えた菌(菌が生えるクリーンベンチ内は濁り、ガスが発生する)をクリーンベンチ内で、40 mlのBHI培地が入った200 mlの三角フラスコに移し、培地内にガラス管を挿入し、10分間窒素置換を行った。次に、ガラス管付きゴム栓(綿栓付き)を三角フラスコに装着後(ウエルシュ菌はガスを産生するため、空気穴が必要である。)、37℃、4-5時間インキュベーションした。培養したウエルシュ菌を遠心用チューブに移し、遠心分離( 9000 rpm、15 分間)を行い、上清を除去した。沈渣に滅菌生理食塩水20 mlを加えて菌を懸濁後、遠心分離( 9000 rpmで15 分間)し、上清を除去した。得られた沈渣を滅菌したねじ口試験管内のBHI培地を加え、ワンセルカウンター(ワンセル社製)で菌数を数えた。
(2)トレハロース化合物及びTDCMのエマルジョン溶液の調製
ホモジナイザー(Weaton社製)をあらかじめ冷却した。トレハロース化合物又はTDCMを1 mg秤量し、ミクロスパーテルを用いてホモジナイザーの底の方に入れた。これに、1滴のミネラルオイル(ナカライテスク社製)を加えた後、ホモジナイザーを用い、トレハロース化合物又はTDCMのエマルジョン溶液が確実に溶けるようにミネラルオイルとトレハロース化合物又はTDCMのエマルジョン溶液を練るようにして混ぜた。さらに、1.1%のTween80と5.6%のマンニトールを含有した生理食塩水 1 mlをホモジナイザーに入れた。3分間氷中でホモジナイズを行い、エッペンドルフチューブに液を移し替えた。次いで、62℃で30分間低温殺菌を行った。
(3)試験方法
以下の手順で、ウエルシュ菌投与マウスに対する影響を測定した。
上記の方法に従い、1 mg/mlの実施例1の化合物、実施例4の化合物、実施例5の化合物、TDCMの各エマルジョン溶液を作成した。実施例1の化合物、実施例4の化合物、実施例5の化合物、TDCMの各エマルジョン溶液、及びコントロールとしてエマルジョン溶液のみを1群4匹の6週齢ICRマウスに100 mg/mouseずつ投与した。3時間後、2.4×107cells/mouseのウエルシュ菌をマウスに投与した。経過観察を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005258582
試験例3(ウサギ好中球H 2 O 2 産生に対する影響)
ウサギ好中球H2O2産生に対する影響を測定するに当たり、下記の材料を使用した。
(1)ウサギ好中球懸濁液の調製
ハンクス平衡化塩溶液(HBS)の調製:
塩化カリウム0.4 g、リン酸二水素カリウム0.06 g、リン酸水素二ナトリウム0.107 g及び塩化ナトリウム8 gを蒸留水(D.W.)で溶解後、1 N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.4に調製し、D.W.で全量1000 mlとした。
5.5 mMグルコース及び0.003%BSAを含むHBS(HBSG-BSA)の調製:
グルコース0.1 g及びBSA[Sigma, A-1498]0.003 gをHBS100 mlに溶解した(用時調製)。
クエン酸−グルコース溶液 (ACD液)の調製:
クエン酸ナトリウム6.25 g、クエン酸3.125 g及びグルコース5 gをD.W.250 mlで溶解し、使用するまで4℃で保存した。
赤血球溶解溶液 (Lysis液)の調製:
EDTA0.037 g、炭酸水素カリウム1 g及び塩化アンモニウム8.3 gを蒸留水1000 mlで溶解し、使用するまで4℃で保存した。
リン酸バッファー(PBS)の調整:
塩化ナトリウム8.0 g、塩化カリウム0.2 g、リン酸水素二ナトリウム1.15 g、リン酸二水素カリウム0.2 gを1000 mlのD.W.で溶解した。
1.2%デキストラン-PBS溶液の調製:
Dextrane T500 [Pharmacia, 17-0320-01]1.2 gをD.W.100 mlで溶解し、オートクレーブ(121℃、20分間)で滅菌し、使用するまで4℃で保存した。
ウサギ好中球懸濁液の調製方法:
5 mlのACD液を20 ml のシリンジ (注射針[Nipro])に取り、シリンジ内を一様にリンスした。ウサギの耳介中心動脈から血液をシリンジで20 ml採取し、静かに転倒混和後、遠沈管 (15 mlタイプ:Falcon)3本に分注し、4 ℃、1,500 rpmで5分間遠心後、上清を遠沈管 (50 mlタイプ:Falcon)に回収した。回収した上清と等量の1.2 % デキストラン-PBS溶液を加えて緩やかに転倒混和した後、室温で30分間以上放置した。境界面を確認し、上清を新しい遠沈管 (50 mlタイプ:Falcon)に入れた。残りの溶液に等量の1.2 % デキストラン-PBS溶液を加え緩やかに転倒混和した後、室温で30分間以上放置した。境界面を確認し、上清を遠沈管 (50 mlタイプ:Falcon)に入れた。回収した上清を4 ℃、2,000 rpmで10分間遠心後、上清を除いた。沈渣にLysis液 15 ml加え、静かに懸濁後、さらに、Lysis液 5 ml加えて転倒混和し、氷中で5 分間放置した。HBSG-BSAで全量を50 mlとし、4 ℃、2,000 rpmで10分間遠心後、上清を除いた。沈渣をHBSG-BSA 2 mlで懸濁し、この細胞懸濁液をLymphoprep [Nycomed, 808068] 2 ml(遠沈管、15 mlタイプ)の上層に静かに重層し、1200 rpmで20分間遠心後(遠心機の条件:accel 0.5、break Off)、上清をアスピレーターで除いた。残存するLyphoprep を除くため、沈渣 (好中球)をHBSG-BSAに懸濁し、再び、1,500 rpmで5分間遠心後、上清を除いた。好中球をHBSG-BSAで懸濁し、細胞数計測装置「celltac」[日本光電]で細胞数を測定した。
(2)トレハロース化合物及びTDCMのエマルジョン溶液の調製:
ポッター型ホモジナイザー(Weaton)を3分間氷中で冷却した。トレハロース化合物又はTDCMを1 mg秤量し、冷却したホモジナイザーの底に入れた。さらに、2%BSA (2 gのBSA(Sigma)を100 mlの生理食塩水で溶解)を500 μl加え、液体が懸濁するまでホモジナイズした(約5分間)。得られた懸濁液をエッペンドルフチューブに移し、3分間超音波(150 W)処理した。
(3)10 mM H 2 DCFDA(2’, 7’-ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(2’, 7’-dichlorodihydrofluorescein diacetate)(Molecular Probes, D399))の調整:
4.86 mgのH2DCFDAを1mlのDMSOで溶解した。
(4)試験方法
ウサギ好中球H2O2産生に対する影響を以下の手順で測定した。
96 wellプレート(Falcon)に好中球(1.0 x 105個/100μl)を播種した。これに10 μM H2DCFDAを1 μl添加し、37℃で1時間インキュベーションした。余分なH2DCFDAを除くため、HBSを300 μl加え懸濁後、8000 rpmで5分間遠心した。上清を除去しHBSで懸濁後、終濃度が50 μMとなるようにHBSを添加した。これを37℃で2時間インキュベーション後、蛍光測定装置でH産生を測定した(Ex: 485 nm, Em: 535 nm)。結果を表3に示す。
なお、好中球の活性化度は、好中球が産生するスーパーオキサイド(O2−)から派生した過酸化水素(H)の量を測定することにより算定できる。この過酸化水素の量は好中球の過酸化水素産生能を示すものであり、活性化指標として好中球の活性化度を表すことができる。
Figure 0005258582
試験例4(好中球貪食作用に対するトレハロース化合物の影響)
好中球貪食作用に対するトレハロース化合物の影響を下記の方法で測定した。
(1)ウサギ好中球懸濁液の調製
ハンクス平衡化塩溶液(HBS)の調製:
塩化カリウム0.4 g、リン酸二水素カリウム0.06 g、リン酸水素二ナトリウム0.107 g及び塩化ナトリウム8 gをD.W.で溶解後、1 N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.4に調製し、D.W.で全量1000 mlとした。
5.5mMグルコース及び0.003%BSAを含むHBS (HBSG-BSA)の調製:
グルコース0.1 g及びBSA [Sigma, A-1498]0.003 gをHBS100 mlに溶解した(用時調製)。
クエン酸−グルコース溶液 (ACD液)の調製:
クエン酸ナトリウム6.25 g、クエン酸3.125 g及びグルコース5 gをD.W.250 mlで溶解し、使用するまで4℃で保存した。
赤血球溶解溶液 (Lysis液)の調製:
EDTA0.037 g、炭酸水素カリウム1 g及び塩化アンモニウム8.3 gを1000 mlで溶解し、使用するまで4℃で保存した。
リン酸バッファー(PBS)の調整:
塩化ナトリウム8.0 g、塩化カリウム0.2 g、リン酸水素二ナトリウム1.15 g及びリン酸二水素カリウム0.2 gを1000 mlのD.W.で溶解した。
1.2%デキストラン-PBS溶液の調製:
Dextrane T500 [Pharmacia, 17-0320-01]1.2 gをD.W.100 mlで溶解し、オートクレーブ(121℃で20分間)で滅菌し、使用するまで4℃で保存した。
ウサギ好中球懸濁液の調製方法:
5 mlのACD液を20 mlのシリンジ(注射針[Nipro])に取り、シリンジ内を一様にリンスした。ウサギの耳介中心動脈から血液をシリンジで20 ml採取し、静かに転倒混和後、遠沈管 (15 mlタイプ:Falcon)3本に分注し、4 ℃、1,500 rpm、5分間遠心後、上清を遠沈管 (50 mlタイプ:Falcon)に回収した。回収した上清と等量の1.2 % デキストラン-PBS溶液を加え緩やかに転倒混和した後、室温で30分間以上放置した。境界面を確認し、上清を新しい遠沈管(50 mlタイプ:Falcon)に入れた。残りの溶液に等量の1.2 % デキストラン-PBS溶液を加え緩やかに転倒混和した後、室温で30分間以上放置した。境界面を確認し、上清を遠沈管 (50 mlタイプ:Falcon)に入れた。回収した上清を4 ℃、2,000 rpmで10分間遠心後、上清を除いた。沈渣にLysis液 15 ml加え、静かに懸濁後、さらに、Lysis液 5 ml加えて転倒混和し、氷中で5 分間放置した。HBSG-BSAで全量を50 mlとし、4 ℃ 、2,000 rpm、10分間遠心後、上清を除いた。沈渣をHBSG-BSA 2 mlで懸濁し、この細胞懸濁液をLymphoprep [Nycomed, 808068] 2 ml(遠沈管、15 mlタイプ)の上層に静かに重層し、1200 rpm、20分間遠心後(遠心機の条件:accel 0.5、break Off)、上清をアスピレーターで除いた。残存するLyphoprep を除くため、沈渣(好中球)をHBSG-BSAに懸濁し、再び、1,500 rpmで5分間遠心後、上清を除いた。好中球をHBSG-BSAで懸濁し、細胞数計測装置「celltac」[日本光電]で細胞数を測定した。
(2)アンピシリン耐性大腸菌及びオプソニン化大腸菌作成法
材料:
アンピシリン耐性プラスミド(pT7Blue, Novagen)
コンピテントセル(JM109、TAKARA)
L-broth(D.W 1Lに対してトリプトファン10g、NaCl5g、Yeast Extract、5g及びMgSO41ml)
オプソニン化剤(BioParticles Opsonizing Reagent(Molucular Probes Lot:25530W))
オプソニン化剤の調整: 10 mgのオプソニン化剤を500 μlの超純水で溶解した。
アンピシリン耐性大腸菌の作成
エレクトロポーレーション用セル(JM109)を氷中で溶解し、アンピ耐性の遺伝子を大腸菌に導入するため、JM109に2 μlのアンピシリン耐性プラスミド (100 ng/μl)を加え懸濁し、その懸濁液をエレクトロポーレーション用キュベットに移しパルス(2.5 kV、200 Ω、25 mF)をかけた。パルスをかけた菌液を、L-broth培地1 mlを入れた5 mlチューブに移し、37℃で3時間培養した。該溶液を0.005%アンピシリンを含むL-brothの寒天培地に塗布し、37℃で一晩培養した(培地に撒く際に、3,500 rpmで5分間遠心を行った後、上清を800 μl除き、沈渣を懸濁後、シャーレに撒く)。翌日シャーレに生えた菌を少量かきとり、2 mlのL-broth培地に溶解し、約4時間攪拌培養を行った。
オプソニン化大腸菌作成法
上記で作成したアンピシリン耐性大腸菌溶液100 μlと溶解したオプソニン化剤100 μlをエッペンドルフチューブ内で懸濁した。得られた懸濁液を37℃で1時間インキュベーションし、該懸濁液を300 μlのPBSで懸濁後、1200 G、15分間遠心し上清を除去した。さらに、得られた液を300 μlのPBSで懸濁後、1200 G、15分間遠心し上清を除去した。2回繰り返した。100 μlのL-brothに1 μlの菌液を加えよく懸濁し100倍希釈した。100倍希釈した菌液を10μlワンセルカウンターに添加し、顕微鏡により菌数をカウントした。
(3)トレハロース化合物又はTDCMのエマルジョン溶液の調製法
ポッター型ホモジナイザー(Weaton)を3分間氷中で冷却した。1 mg秤量したトレハロース化合物を冷却したホモジナイザーの底に入れた。2%BSA (2 gのBSA(Sigma)を100 mlの生理食塩水で溶解)を500 ml加え、液体が懸濁するまホモジナイズした(5分間)。懸濁液をエッペンドルフチューブに移し、3分間超音波(150 W)処理した。
(4)試験方法
好中球採取法に従い、ウサギ血中より好中球を調製し、好中球の細胞数を測定した。1.0×105個の好中球をエッペンに分取し、HBSで懸濁後、50 μMのトレハロース化合物のエマルジョン溶液またはTDCMのエマルジョン溶液で1時間処理を行った(コントロールは2%BSA)。300 μlのHBSを加え懸濁し、1200 Gで10分間遠心後、上清を除去した。さらに、得られた液に300 μlのHBS を加え懸濁し、1200 Gで10分間遠心後、上清を除去した。処理好中球に1.0×107cellsのオプソニン化したアンピシリン耐性大腸菌をよく懸濁後、37℃ で1時間インキュベーションした。余分な大腸菌を除去後、0.5%TritonX-100(生理食塩水中)を100μl加え、よく懸濁し、37℃で30分間インキュベーションを行った。次に、TritonX-100処理溶液全量を0.005%アンピシリン含有普通寒天培地にまき、コンラージ棒で全体に広げた。24時間、37℃でインキュベーションを行い、コロニー数をカウントした。結果を表4に示す。
Figure 0005258582

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C 13―14 アルキル基を示す。]
    で表されるトレハロース化合物。
  2. 一般式(5)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C 13―14 アルキル基を示す。Rは水酸基の保護基を示す。]
    で表されるトレハロース化合物の水酸基の保護基を脱保護反応して一般式(1)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
    で表されるトレハロース化合物を製造する、トレハロース化合物の製造方法。
  3. 一般式(2)
    Figure 0005258582
    [式中、Rは水酸基の保護基を示す。]
    で表されるトレハロース化合物に、一般式(3)及び一般式(4)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、C 13―14 アルキル基を示す。X1及びX2は、同一又は異なって、水酸基又はハロゲン原子を示す。]
    で表されるカルボニル化合物を同時又は順次に作用させ、次いで得られる一般式(5)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
    で表されるトレハロース化合物の水酸基の保護基を脱保護して一般式(1)
    Figure 0005258582
    [式中、R、R、R及びRは、前記に同じ。]
    で表されるトレハロース化合物を製造する、トレハロース化合物の製造方法。
  4. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する免疫賦活剤。
  5. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有するマクロファージ賦活剤。
  6. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する好中球賦活剤。
  7. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する貧食細胞の食菌作用賦活剤。
  8. 請求項1に記載のトレハロース化合物を有効成分として含有する抗細菌感染症剤。
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