JP2005531565A - 抗菌剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗菌作用を有する新規なD−ガラクトフラノースのチオグリコシド類、それらの合成方法、それらを含む医薬組成物、及び細菌感染した患者の治療方法に関する。

Description

本発明は、抗菌作用(antimicrobial action)を有する新規なD−ガラクトフラノースのチオグリコシド類、それらの合成方法、それらを含む医薬組成物、及び細菌感染した患者の治療方法に関する。
衰退したと一旦は考えられていた多くの細菌性疾患が再び出現し始め、毎年多くの国々の人々に被害を与えるようになっている。この問題は、これら疾患を引き起こす多種の新しい薬剤耐性微生物株の出現によって深刻化している。本発明者らはグリコフラノース化学(Owenとvon Itzstein、2000)に関心を抱き、その結果下に記載する新種の抗菌剤を見出すに至った。ガラクトフラノース化学・生物学の分野においては重要な化学的・生物学的報告が既に文献発表されている(例えば、MarinoとLimaら、2002;Marinoら、1998;MarinoとMarinoら、2002;Chiocconiら、2000;Milettiら、1999;Pathakら、2002;Pathakら、2001;ZhangとLiu、2001;Brimacombeら、1971;Brimacombeら、1968;LemieuxとStick、1975;Nam ShinとPerlin、1979;Sznaidmanら、1986;Ciceroら、1990;Ernstら、2000)。しかし現在までに、顕著な抗菌活性を有する化合物を提供した者は誰一人としていない。
本発明は一般に、抗菌作用を有する新規なD−ガラクトフラノースのチオグリコシド類に関する。
本発明は、その第一の様相において、一般式(I):
〔式中、Rは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、及び置換されていてもよいアラルキルからなる群から選択され、前記置換されていてもよいアルキル及び置換されていてもよいアルケニルは、O、S、−N=、NR及び−(Y)C=(Z)(T)−からなる群から選択される1以上のヘテロ原子又は官能基が挿入されていてもよいと共に少なくとも4個の炭素原子を含み、前記置換されていてもよいアラルキルは、そのアルキル基の中に、O、S、−N=、NR及び−(Y)C=(Z)(T)−からなる群から選択される1以上のヘテロ原子又は官能基が挿入されていてもよく;
は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR2及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであると共にX’が存在しないものであり;
或いは、XとXは共同して二重結合を形成しているか、XとX、XとX、XとX、XとX、XとX’、XとX’、XとX’或いはXとX’は共同して環を形成しており;
m及びnは、無関係に、0又は1であり、Y、Z及びTは、無関係に、O、S、及びNR(式中、Rは水素又はアルキルである)からなる群から選択され;
、X’、X’、X’及びX’は同一であるか又は異なっていて、水素、CN、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルアリール(alkaryl)、置換されていてもよいアリール、及び置換されていてもよいアラルキルからなる群から選択され;
、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は同一であるか又は異なっていて、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアシル及び炭水化物基からなる群から選択され;
但し、Rはベンジル以外のものであり、X、X、X及びXの内の少なくとも2個は、水素以外のものであるか又は炭素−炭素結合により環結合された基以外のものである〕
で表される抗菌化合物又は医薬的に許容されるこれらの塩を提供する。
「アルキル基」という語は、単独で使用される場合と「置換されていてもよいアルキル基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、或いはモノ−又はポリ−環状アルキル基を表す。直鎖及び分枝アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル、sec−アミル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、4−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、5−メチルヘキシル、1−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,1,2−トリメチルブチル、ノニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−メチルオクチル、1−、2−、3−、4−又は5−エチルヘプチル、1−、2−又は3−プロピルヘキシル、デシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−メチルノニル、1−、2−、3−、4−、5−又は6−エチルオクチル、1−、2−、3−又は4−プロピルヘプチル、ウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−又は9−メチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−エチルノニル、1−、2−、3−、4−又は5−プロピルオクチル、1−、2−又は3−ブチルヘプチル、1−ペンチルヘキシル、ドデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−又は10−メチルウンデシル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−エチルデシル、1−、2−、3−、4−、5−又は6−プロピルノニル、1−、2−、3−又は4−ブチルオクチル及び1−又は2−ペンチルヘプチル等が挙げられる。シクロアルキルの例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシル等が挙げられる。
「アルケニル基」という語は、単独で使用される場合と「アルケニルオキシ」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、直鎖、分枝、又は環状アルケン(上に定義したエチレン性のモノ−、ジ−又はポリ−不飽和アルキル基又はシクロアルキル基を含む)から生成する基を表す。少なくとも4個の炭素原子を有するアルケニルの例としては、ブテニル、iso−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、シクロペンテニル、1−メチル−シクロペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、シクロヘキセニル、1−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、シクロオクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、3−デセニル、1,3−ブタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1,3−シクロペンタジエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,3,5−シクロヘプタトリエニル及び1,3,5,7−シクロオクタテトラエニルが挙げられる。
「アシル基」という語は、単独で使用される場合と「置換されていてもよいアシル基」、「置換されていてもよいアシルオキシ基」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、脂肪族アシル基、芳香環を含むアシル基(芳香族アシルと称する)、又は複素環を含むアシル基(複素環アシルと称する)を表し、好ましくはC1−30のアシルである。アシルの例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイル及びイコサノイル等の直鎖又は分枝アルカノイル;シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル及びシクロヘキシルカルボニル等のシクロアルキルカルボニル;ベンゾイル、トルオイル及びナフトイル等のアロイル;フェニルアルカノイル(例えばフェニルアセチル、フェニルプロパノイル、フェニルブタノイル、フェニルイソブチル、フェニルペンタノイル及びフェニルヘキサノイル)及びナフチルアルカノイル(例えばナフチルアセチル、ナフチルプロパノイル及びナフチルブタノイル)等のアラルカノイル;フェニルアルケノイル(例えばフェニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタクリリル、フェニルペンテノイル及びフェニルヘキセノイル)及びナフチルアルケノイル(例えばナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイル及びナフチルペンテノイル)等のアラルケノイル;複素環カルボニル;チエニルアセチル、チエニルプロパノイル、チエニルブタノイル、チエニルペンタノイル、チエニルヘキサノイル、チアゾリルアセチル、チアジアゾリルアセチル及びテトラゾリルアセチル等の複素環アルカノイル;及び複素環プロペノイル、複素環ブテノイル、複素環ペンテノイル及び複素環ヘキセノイル等の複素環アルケノイルが挙げられる。
「アリール基」という語は、単独で使用される場合と「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいアリールオキシ基」、又は「置換されていてもよいヘテロアリール基」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、芳香族炭化水素又は芳香族複素環系の単環、多核、共役、及び縮合残基を表す。アリールの例としてはフェニル、ビフェニル、テルフェニル、クアテルフェニル、フェノキシフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、アントラセニル、ジヒドロアントラセニル、ベンズアントラセニル、ジベンズアントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、ピレニル、インデニル、アズレニル、クリセニル、ピリジル、4−フェニルピリジル、3−フェニルピリジル、チエニル、フリル、ピリル、ピロリル、フラニル、イミダゾリル、ピロリジニル、ピリジニル、ピペリジニル、インドリル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、プリニル、キナゾリニル、フェナジニル、アクリジニル、ベンゾキサゾリル及びベンゾチアゾリル等が挙げられる。好ましくは、芳香族複素環系は、環中に、N、O及びSから無関係に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、9個までの炭素原子を含有する。
「ヘテロシクリル基」という語は、単独で使用される場合と「置換されていてもよい飽和又は不飽和置換ヘテロシクリル基」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、窒素、硫黄及び酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する単環又は多環ヘテロシクリル基を表わす。好適なヘテロシクリル基としては、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル等、1〜4個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員環複素単環基;
ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジリニル等、1〜4個の窒素原子を含有する飽和3〜6員環複素単環基;
インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル等、1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基;
ピラニル、フリル等、1個の酸素原子を含有する不飽和3〜6員環複素単環基;
チエニル等、1〜2個の硫黄原子を含有する不飽和3〜6員環複素単環基;
オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル等、1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員環複素単環基;
モルホリニル等、1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員環複素単環基;
ベンゾキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル等、1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基;
チアゾリル、チアジアゾリル等、1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員環複素単環基;
チアゾリジニル等、1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員環複素単環基;及び
ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル等、1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基、等のN含有複素環基が挙げられる。
「炭水化物」という語は、単独で使用される場合と「置換されていてもよい炭水化物」等、複合語の一部として使用される場合があるが、いずれにおいても、アルキル基、アシル基等により置換されていてもよい5員環又は6員環を含有する炭水化物残基又は更に官能基を導入した炭水化物残基を表し、単糖類及びオリゴ糖類を含む。炭水化物の例としてはD−ガラクトフラノース、N−アセチル−D−ガラクトフラノース、D−グルコフラノース、N−アセチル−D−グルコフラノース、D−ガラクトピラノース、N−アセチル−D−ガラクトピラノース、D−グルコピラノース、N−アセチル−D−グルコピラノース、同様にこれらの部分を含むオリゴ糖類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において「置換されていてもよい」とは、ある基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアリールオキシ、ニトロ、ニトロアルキル、ニトロアルケニル、ニトロアルキニル、ニトロアリール、ニトロヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アシル、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、アシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフェニルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアミノ、ハロヘテロシクリル、アルキルスルフェニル、アリールスルフェニル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ベンジルチオ、アシルチオ及びリン含有基等から選択される1種以上の基によって、更に置換されていてもよい、或いは置換されていなくてもよいことを意味する。但し、上に列記したいずれの置換基も本発明化合物の形成を妨げず、該化合物を生物学的に不活性にしない限りにおいてである。
存在する炭素原子数によってその長さが決められる前記の部分(基)はいずれも、特定範囲内の任意数の炭素原子を有することができる。しかしながら、この範囲内ではあっても、前駆体の入手可能性やコスト、合成の容易さ、効率等の要因から、特定の種が好ましいことがある。特に、前駆体のコストや入手可能性、合成の容易さや効率という理由で、4〜30個の炭素原子、より好ましくは6〜16個の炭素原子、更に好ましくは6、8、10又は16個の炭素原子、最も好ましくは10個の炭素原子を含む部分(基)が好ましい。
本発明の一形態においては、Rは、置換されていてもよく、アルキル鎖にヘテロ原子又は官能基、例えばアシル結合等を含むことができるn−アルキルである。好ましくは、RはC4−30アルキル、より好ましくはC6−16アルキル、最も好ましくはC10アルキルである。
或いは、Rは、置換されていてもよく、アルキル鎖にヘテロ原子又は官能基、例えばアシル結合等を含むことができる分枝アルキル基である。本発明の好ましい実施形態においては、Rは、式(II):
(式中、uは、0〜22、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜4、更に好ましくは0〜2、最も好ましくは0であり、ヘテロ原子又はアシル結合は、この基の中の隣接するCH基の間に挿入されていてもよく;
、R及びRの内少なくとも2個はアルキル、通常n−アルキルであり、残りは水素又はアルキル、通常は水素である)
で表される。好ましくは、各アルキル基は、C2−30アルキル、より好ましくはC4−24アルキル、更に好ましくはC6−16アルキル、最も好ましくはC10アルキルであり、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明の特に好ましい実施形態においては、Rは、一般式(III):
(式中、p及びqは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ≧1であり、好ましくは1〜29、より好ましくは3〜23、更に好ましくは5〜15、最も好ましくは9である)
で表される。
ヘテロアルキル鎖の例としては、Rは、一般式(IV):
(式中、v及びwは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ≧1、好ましくは1〜29、より好ましくは3〜23、更に好ましくは5〜15、最も好ましくは9である)
で表される。
、X、X及びXは置換基の任意の組合せとすることができるが、これら基の内の少なくとも2個は、水素以外のものであるか又は炭素−炭素結合により環結合される基以外のものであるのがよい。好ましくは、X、X、X及びXの内の少なくとも2種は、炭素−酸素結合により環に結合した基であり、例えば、Xの場合は、OR、−(Y)C=(Z)(T)(YはOである)、OSO及びOPOR’である。−(Y)C=(Z)(T)は好ましくは−OC(O)Rである。
は、好ましくは、OR又はOC(O)Rである。有利には、Xはヒドロキシル又はアシルオキシ、好ましくはC1−30アシルオキシであり、より好ましくはヒドロキシル、アセチルオキシ又はベンゾイルオキシである。
は、好ましくは、OR又はOC(O)Rである。有利には、Xはヒドロキシル又はアシルオキシ、好ましくはC1−30アシルオキシであり、より好ましくはヒドロキシル、アセチルオキシ又はベンゾイルオキシである。
は、好ましくは、OR又はOC(O)Rである。有利には、Xはヒドロキシル又はアシルオキシ、好ましくはC1−30アシルオキシであり、より好ましくはヒドロキシル、アセチルオキシ又はベンゾイルオキシである。
は、好ましくは、OR又はOC(O)Rである。有利には、Xはヒドロキシル又はアシルオキシ、好ましくはC1−30アシルオキシであり、より好ましくはヒドロキシル、アセチルオキシ又はベンゾイルオキシである。
一般式(I)の化合物は、ヘキサデシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、デシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、オクチル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、ヘキシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、11−ヘンエイコサニル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、ヘキサデシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、デシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、オクチル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、ヘキシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、及び11−ヘンエイコサニル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシドからなる群から選択されるのが有利である。
本発明の特に好ましい実施形態においては、一般式(I)の化合物は、ヘキサデシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、デシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、オクチル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、ヘキシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、又は11−ヘンエイコサニル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、最も好ましくはデシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシドである。
本発明の第二の様相によれば、式(I):
の化合物の製造方法であって、式(V):
(式中、R10は、アシル基、好ましくはアセチルであり、X、X、X及びXは、前述と同様に定義されるが、遊離のヒドロキシル基、チオール基、又はアミン基はいずれも保護基により保護されている)
の化合物を式(VI):
(式中、Rは前述と同様に定義される)
の化合物と、塩基の存在下に反応させ;
そして、任意に
保護基を除去する
ことを含む方法が提供される。
通常、塩基はジエチルアミン(Bennetら、1994)又は酢酸ヒドラジニウム/トリエチルアミン(Parkら、1995)である。一般に、反応は過剰の塩基の存在下に、DMF、THF等の不活性溶媒、或いはこれら溶媒の混合物中、20℃〜60℃、好ましくは25〜40℃の温度で窒素雰囲気下又はアルゴン雰囲気下で行う。単離及び精製、又は脱保護の前に、反応混合物を通常1〜24時間、好ましくは2〜6時間、最も好ましくは4時間攪拌してもよい。好適な保護基は当業者によく知られており、この場合はベンゾイル基が好ましい。ベンゾイル保護基は通常、メタノール中でナトリウムメトキシドによる加水分解によって除去される。また、本発明の化合物は、塩基存在下に、式(V)の化合物を、臭化物(VI)に対応するアルコールのスルホン酸エステルと反応させることによっても合成することができ、又は、R10がHである一般式(V)の化合物を、塩基存在下に、一般式(VI)の化合物又はこれに対応するアルコールのスルホン酸エステルと反応させることによっても合成することができる。
本発明の化合物は、式(VII):
(式中、R11は、アシル基、好ましくはアセチル又はベンゾイルであり、X、X、X及びXは、前述と同様に定義されるが、遊離のヒドロキシル基、チオール基、又はアミン基はいずれも保護基により保護されている)
の化合物を式(VIII):
(式中、Rは、前述と同様に定義される)
の化合物と、触媒、通常ルイス酸の存在下に反応させ;
そして、任意に、
保護基を除去する
ことによっても合成することができる。
通常、ルイス酸は四塩化スズ(Marinoら、1998)である。一般に、反応は、若干過剰量のルイス酸の存在下に、ジクロロメタン等の不活性溶媒中0℃の温度で、窒素雰囲気下又はアルゴン雰囲気下で行う。反応混合物は通常2時間攪拌した後、分離及び精製、又は脱保護を行う。一般式(VI)及び(VIII)の化合物の製造方法は当業者にはよく知られている。ガラクトフラノーステンプレートの各位置を操作するために種々多数の方法が開発されており、例えば、Marinoら、1998;MarinoとMarinoら、2002;Chiocconiら、2000;Milettiら、1999;ZhangとLiu、2001;Brimacombeら、1971;Brimacombeら、1968;LemieuxとStick、1975;Nam ShinとPerlin、1979;Sznaidmanら、1986;Ciceroら、1990;Ernstら、2000に記載されており、これらの内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
本発明の第三の様相によれば、細菌感染症の患者(動物を含む)の治療方法であって、該患者に、治療有効量の一般式(I)の化合物を投与することを含む、治療方法が提供される。
本発明の第四の様相によれば、細菌感染症の治療に使用するための薬物の製造における一般式(I)の化合物の使用が提供される。
本明細書において「治療有効量」とは、所望の治療的応答を得るのに有効な本発明化合物の量、例えば医薬としての活性を有する剤の投与によって疾病を予防又は治療するために有効な本発明化合物の量を意味する。
無論、具体的な「治療有効量」は、治療される特定の状態や、対象(subject)の身体的状態及び臨床履歴、治療対象動物の種類、治療期間、(もし存在すれば)同時進行中の治療の性質、用いられる特定の製剤、化合物やその誘導体の構造等の各種因子によって変化する。
本明細書において「医薬的担体」とは、一般式(I)の化合物を患者に到達させるための医薬的に許容される溶媒、懸濁剤、補形剤又は賦形剤を意味する。この担体は液体でも固体でもよく、計画された投与方法を考慮して選択される。
一般式(I)の化合物は、通常の無毒且つ医薬的に許容される担体、アジュバント、及び賦形剤を含む用量単位調製物として、経口投与、局所投与、又は非経口投与することができる。本明細書において、「非経口」とは皮下、静脈内、筋肉内、髄膜下(intrathecal)、頭蓋内の注射や注入の各手法を含む。
本発明は、本発明の新規治療方法に用いるために適切な局所、経口、エアロゾル、及び非経口の各医薬調製物も提供する。本発明化合物は、錠剤、水性若しくは油性懸濁剤、ドロップ剤、トローチ剤、粉剤、顆粒剤、乳剤、カプセル剤、シロップ剤、又はエリキシル剤として経口投与することができる。経口投与用の組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1種以上の剤を含むことができ、見た目と味のよい医薬製剤とすることができる。錠剤は、錠剤製造に適する無毒の医薬的に許容される補形剤との混合状態で活性成分を含む。
これらの補形剤は、例えば、炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の不活性な希釈剤、コーンスターチ、アルギン酸等の顆粒化剤及び崩壊剤、スターチ、ゼラチン、アカシア等の結合剤、又はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク等の滑沢剤である。錠剤は被覆されていなくてもよいが、公知の技法により被覆されて崩壊や消化管での吸収を遅らせ、もってより長期間に亘る持効性を提供することもできる。例えば、グリセリルモノステアレートやグリセリルジステアレート等の遅延材料を使用することができる。錠剤の被覆は、米国特許第4256108号、同4160452号及び同4265874号に記載の技法を用いて行うことにより、放出性が調節された浸透性治療用錠剤とすることもできる。
本発明の一般式(I)の化合物は、インビボでの使用としては、注射又は経時的に徐々に進行する潅流を、無関係に又は共に行うことによって、非経口で投与することができる。投与形式は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、又は経皮とすることができる。インビトロの研究には、本剤を適切な生物学的に許容されるバッファーに添加又は溶解し、細胞又は組織に添加することができる。
非経口投与製剤は、滅菌された水性又は非水性の液剤、懸濁剤及び乳剤を含む。非水溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、及び、オレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。水性担体としては、生理食塩水や緩衝媒体の他、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョン又は懸濁液が挙げられる。非経口用の賦形剤としては、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸加リンガーが挙げられる。静注用の賦形剤としては、液体栄養補充液、電解質補充液、例えばリンガーのデキストロースを主体とするもの、等が挙げられる。保存剤や他の添加剤、例えば抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、成長因子、不活性ガス等が存在していてもよい。
一般式(I)の化合物は、抗菌剤であって、恥垢菌(Mycobacterium smegmatis)等のマイコバクテリウム属、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等のブドウ球菌属、及び腸球菌種(Enterococci species)に特に活性を示すが、これらに限定されない。一般式(I)の化合物は、これらの生物に関連する感染症の治療に特に有用である。
本明細書において使用される「治療する(treating)」「治療(treatment)」等の用語は、一般に、対象(subject)、組織又は細胞に影響を与えて所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることを意味する。この効果は、感染を完全に又は部分的に防ぐという点において予防的であり得、及び/又は、感染症の部分的又は完全な治癒という点から治療的(therapeutic)であり得る。本明細書で使用される「治療する」とは、脊椎動物、哺乳類(特にヒト)の感染の治療、又は予防の如何なるものをも意味し、感染性の作因に曝露された可能性はあるが、冒されたと診断されていない対象において感染症の発生を予防すること;感染症を阻害する、即ちその進行を阻止すること;又は感染症の影響を緩和又は改善すること、即ち感染症の影響を後退させることを含む。
本発明の第五の様相によれば、一般式(I)の化合物と医薬的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
本発明の一実施形態による医薬組成物は、担体、補形剤、添加剤又は補助剤を用いて一般式(I)の化合物を、対象への投与に適した剤形とすることによって調製される。
通常用いられる担体又は補助剤の例としては、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及び他の糖類、タルク、乳タンパク、ゼラチン、スターチ、ビタミン類、セルロース及びその誘導体、動・植物性油、ポリエチレングリコール及び溶媒(例えば滅菌水、アルコール、グリセロール、多価アルコール等)が挙げられる。静注用賦形剤としては、液体栄養補充液が挙げられる。保存剤としては、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、及び不活性ガスが挙げられる。他の医薬的に許容される担体の例としては水溶液、無毒補形剤(塩類、保存剤、バッファー等を含む)が挙げられ、これらは例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、15th ed. Easton: Mack Publishing Co.、1405〜1412、1461〜1487(1975)及びThe National Formulary XIV.、14th ed. Washington: American Pharmaceutical Association(1975)に記載されている。これら文献の内容を本発明の一部を構成するものとしてここに援用する。本医薬組成物のpHと種々の成分の正確な濃度は、本技術分野における通常の技能に基いて調整される。Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis for Therapeutics(第7版)を参照されたい。
本医薬組成物は、用量単位として調製され投与されることが好ましい。固形の用量単位としては、錠剤、カプセル剤、及び座剤が挙げられる。対象の治療のため、当該化合物の活性、投与形態、疾患の性質と重度、対象の年齢と体重に応じて、種々の日用量を使用することができる。しかしながら、ある条件下においては、より高い又はより低い日用量が適切なこともある。日用量の投与は、一用量単位又は小用量単位数個による単回投与でも、分割用量を一定間隔おいて複数回投与することによっても行うことができる。
本発明の医薬組成物は、治療効果用量を局所的に又は全身に投与することができる。勿論、この使用のための有効量は、細菌感染症の重度及び対象の体重と全体の状態に依存するであろう。通常、インビトロで用いられる用量は、本医薬組成物のin situ 投与に有用な量の良きガイダンスを提供するであろうし、動物モデルを用いて細胞毒性副作用を治療するための有効用量を決定することができる。種々の考慮すべき事柄が、例えばLanger、Science、249: 1527、(1990)に記載されている。経口使用の調製物は、硬質ゼラチンのカプセル剤の形態であってもよく、カプセル中で活性成分は不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合されている。これら調製物は、ソフトゼラチンのカプセル剤の形態であってもよく、カプセル中で活性成分は水又は油性媒体(例えば、ピーナツ油、液状パラフィン又はオリーブ油)と混合されている。
水性懸濁物は通常、活性材料を、水性懸濁物の製造に適した補形剤との混和物として含有する。このような補形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム等の懸濁剤;分散剤又は湿潤剤であることができる。分散剤又は湿潤剤は、(a)レシチン等の天然ホスファチド;(b)アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート);(c)エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール);(d)エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート);又は(e)エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であることができる。
本医薬組成物は、滅菌注射用水性又は油性懸濁物の形態とすることができる。この懸濁物は、上述のような適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いる公知の方法に従って、調製することができる。滅菌注射用製剤は、無毒で非経口投与が許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液又は懸濁物であってもよい(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液)。使用可能な許容される賦形剤及び溶媒としては、水、リンガー溶液、及び塩化ナトリウム等張溶液がある。更に、滅菌不揮発性油が従来通り溶媒や懸濁媒体として用いられる。この目的のためには、合成モノ−又はジグリセリドをはじめとする、無刺激性の(bland)温和な不揮発性油を使用できる。更に、オレイン酸等の脂肪酸は注射製剤に使用される。
一般式(I)の化合物は、小さい単層小胞、大きい単層小胞、多層小胞等のリポソームデリバリーシステムの形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリン等、種々のリン脂質から生成することができる。
本発明の一般式(I)の化合物の用量レベルは、通常体重1kg当たり約0.05mg〜約20mgであり、好ましい日用量範囲は通常体重1kg当たり約0.05mg〜約10mg(患者当たり約0.1g〜約3g/日)である。単一用量を製造するために担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、治療が施されるホストや投与の特定の形式によって変化する。例えば、ヒトに対する経口投与を目的とする調製物は、約1mg〜約1gの活性化合物を適切且つ好都合な量の担体材料と共に含むことができ、担体材料の量は、全組成物中約5%から約95%まで変えることができる。投薬単位形態は、通常、活性成分を約5mg〜約500mg含むであろう。
しかしながら、任意の特定患者に対する具体的な用量レベルは、用いる特定化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康状態、性別、食餌、投与時間、投与経路、代謝時間、薬剤の組み合わせ、治療を受ける特定の疾患の重度等、種々の因子に依存することが理解されよう。
更に、本発明化合物のうちの或るものは水又は通常の有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。このような溶媒和物も本発明の範囲に含まれる。
本発明化合物は、更に他の化合物と組み合わせて有効な組み合わせを提供することができる。組み合わせることによって本発明の一般式(I)の化合物の活性が除去されない限りにおいて、医薬的活性剤のいかなる化学的に適合する組み合わせも含まれることを意図する。
本発明の第六の様相によれば、微生物を死滅させる方法であって、該微生物を、上で定義した一般式(I)の化合物に接触させることを含む方法が提供される。
微生物は、恥垢菌等のマイコバクテリウム属、黄色ブドウ球菌等のブドウ球菌属、及び腸球菌種からなる群より選択されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
本明細書及び特許請求の範囲全体を通じ、「含む」、「含有する」、「含んでなる」等の表現は、文脈から別の解釈が成り立つ場合を除き、非排他的な意味で使用されている。
本明細書において、種々の従来技術に関する刊行物について言及してきたが、これらの文献のどれ一つをとってもオーストラリア又は他のいずれの国において本技術分野における通常の一般知識の一部を構成することをこの言及によって自認するものではないことが明白に理解されよう。
発明を実施するための形態
本発明の好ましい実施形態に従って化合物を製造するために用いる合成スキームを更に詳細に記述する。1−S−アセチル−2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノース(化合物2)を、公知文献の方法(Owenとvon Itzstein、2000)を変更なしに用いて製造した。それをスキーム1に示す。全ての新規化合物は予想通りの分光学的データを示した。保護化されたアルキル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物3)(実施例1、2、3、及び4)及び脱保護されたアルキル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物4)(実施例5、6、及び7)の合成をスキーム1に記述する。
試薬及び条件:a)i)pyr、100°C、1時間、ii)BzCl、60°C、2時間、iii)室温、24時間;b)SnCl、CHCl、HSAc、室温、1時間、N;c)Br(CHCH、DMF、HN(CHCH、室温、4時間、N;d)NaOMe、MeOH、室温、2時間、N
保護化された分枝アルキル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物5)(実施例8)及び脱保護された分枝アルキル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物6)(実施例9)の合成をスキーム2に記述する。
試薬及び条件:a)i)pyr、100°C、1時間、ii)BzCl、60°C、2時間、iii)室温、24時間;b)SnCl、CHCl、HSC[(CHCH、0°C、2時間、N;c)NaOMe、MeOH、室温、2時間、N
実施例1
ヘキサデシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物3、n=15):
1−S−アセチル−2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノース(化合物2)(440mg、0.67mmol)と1−ブロモヘキサデカン(205mL、0.67mmol)とを無水DMF(5mL)に溶解し、この溶液にN雰囲気下に、ジエチルアミン(1.5mL、過剰)を添加した。反応液を室温で4時間攪拌した。その後、ジエチルアミンとDMFを減圧除去した。次いで残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5M HCl(50mL)で1回及び水(50mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をクロマトグラフィーに付し、淡褐色のシロップ(281mg、50%)として化合物3(n=15)を得た。R0.51(ヘキサン−EtOAc 6:1);H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.26−8.10(m、20H、4xOCOPh)、6.08(m、1H,H−5)、5.66(apparent d、1H、J3,4 5.1Hz、H−3)、5.63(broad s、1H、H−1)、5.50(apparent t、1H、J2,3=J2,1 1.4Hz、H−2)、4.83(apparent triplet、1H、J 4.1、4.7Hz、H−4)、4.75(m、2H、H−6a及びH−6b)、2.69(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.65(apparent quintet、2H、J 7.5Hz、S−CH−CHa及びS−CH−CHb)、1.15−1.40(m、26H、13xCH)、0.88(t、3H、J 6.4Hz、CH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 166.0、165.7、165.5、165.4(4xOOPh)、133.5、133.4、133.2、133.0、130.0、130.0、130.0、129.8、129.7、129.5、129.5、129.0、128.9、128.4、128.4、(4xOCOPh)、88.3(C1)、82.9(C2)、81.0(C4)、77.9(C3)、70.3(C5)、63.4(C6)、31.9(S−)、31.2(S−CH)、29.7、29.6、29.6、29.3、29.2、28.9、22.7、(13xCH)、14.1(CH);LRMS(ESI): 859[(M+Na)、(100%)]、875(13)、854(11)。
実施例2
デシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物3、n=9):
1−S−アセチル−2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノース(化合物2)(820mg、1.25mmol)と1−ブロモデカン(260μL、1.25mmol)を無水DMF(8mL)に溶解し、この溶液にN雰囲気下に、ジエチルアミン(3mL、過剰)を添加した。反応液を室温で4時間攪拌した。その後、ジエチルアミンとDMFを減圧除去した。次いで残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5M HCl(50mL)で1回及び水(50mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をクロマトグラフィーに付し、淡褐色のシロップ(409mg、43%)として化合物3(n=9)を得た。R 0.45(ヘキサン−EtOAc 6:1);H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.26−8.12(m、20H、4xOCOPh)、6.11(m、1H、H−5)、5.69(apparent d、1H、J3,4 5.2Hz、H−3)、5.63(broad s、1H、H−1)、5.53(apparent t、1H、J2,3=J2,1 1.4Hz、H−2)、4.85(apparent t、1H、J 4.2、4.6Hz、H−4)、4.78(m、2H、H−6a及びH−6b)、2.70(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.65(apparent quintet、2H、J 7.5Hz、S−CH−CHa及びS−CH−CHb)、1.20−1.42(m、14H、7xCH)、0.89(apparent t、3H、J 6.7Hz、CH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 166.3、166.0、165.8、165.7(4xOOPh)、133.8、133.6、133.5、133.3、130.3、130.2、130.1、130.0、129.8、129.7、129.2、129.2、128.7、128.7、128.6(4xOCOPh)、88.8(C1)、83.1(C2)、81.3(C4)、78.2(C3)、70.5(C5)、63.7(C6)、32.2(S−)、31.5(S−CH)、29.9、29.8、29.8、29.5、29.4、29.1、22.9(7xCH)、14.3(CH)。
実施例3
オクチル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物3、n=7):
1−S−アセチル−2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノース(化合物2)(464mg、0.71mmol)と1−ブロモオクタン(115μL、0.67mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、この溶液にN雰囲気下に、ジエチルアミン(2.0mL、過剰)を添加した。反応液を室温で4時間攪拌した。その後、ジエチルアミンとDMFを減圧除去した。次いで残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5M HCl(50mL)で1回及び水(50mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をクロマトグラフィーに付し、淡褐色のシロップ(159mg、30%)として化合物3(n=7)を得た。R 0.35(ヘキサン−EtOAc 4:1);H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.26−8.10(m、20H、4xOCOPh)、6.10(m、1H、H−5)、5.69(dd、1H、J3,4 4.1、J3,2 0.9Hz、H−3)、5.63(broad s、1H、H−1)、5.57(apparent t、1H、J2,3=J2,1 1.4Hz、H−2)、4.84(dd、1H、J4,5 4.6、J4,3 3.9Hz、H−4)、4.74(m、2H、H−6a及びH−6b)、2.68(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.64(apparent quintet、2H、J 7.5Hz、S−CH−CHa及びS−CH−CHb)、1.15−1.45(m、10H、5xCH)、0.89(apparent t、3H、J 6.9Hz、CH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 166.5、166.1、166.0、165.8(4xOOPh)、133.9、133.8、133.7、133.5、130.4、130.4、130.3、130.1、130.0、129.9、129.4、129.3、128.9、128.8、128.8、128.7、(4xOCOPh)、88.9(C1)、83.3(C2)、81.5(C4)、78.3(C3)、70.7(C5)、63.9(C6)、32.2(S−)、31.6(S−CH)、30.1、29.6、29.5、29.3、23.0(5xCH)、14.5(CH):LRMS(ESI): 747[(M+Na)、(97%)]、763(20)、579(100)。
実施例4
ヘキシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物3、n=5):
1−S−アセチル−2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノース(化合物2)(807mg、1.23mmol)と1−ブロモヘキサン(173μL、1.23mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、この溶液にN雰囲気下に、ジエチルアミン(3.0mL、過剰)を添加した。反応液を室温で4時間攪拌した。その後、ジエチルアミンとDMFを減圧除去した。次いで残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5M HCl(50mL)で1回及び水(50mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残渣をクロマトグラフィーに付し、淡褐色のシロップ(363mg、42%)として化合物3(n=5)を得た。R 0.31(ヘキサン−EtOAc 6:1);H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.26−8.12(m、20H、4xOCOPh)、6.09(m、1H、H−5)、5.67(apparent d、1H、J3,4 5.2Hz、H−3)、5.63(broad s、1H、H−1)、5.55(apparent t、1H、J2,3=J2,1 1.4Hz、H−2)、4.83(apparent t、1H、J 4.6、4.2Hz、H−4)、4.75(m、2H、H−6a及びH−6b)、2.69(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.65(apparent quintet、2H、J 7.5Hz、S−CH−CHa及びS−CH−CHb)、1.15−1.45(m、6H、3xCH)、0.89(apparent t、3H、J 6.7Hz、CH)。13C NMR(75.5MHz、CDCl);δ 166.3、166.0、165.8、165.7(4xOOPh)、133.8、133.6、133.5、133.3、130.3、130.3、130.2、130.2、130.1、130.0、129.9、129.8、129.7、129.2、129.2、128.9、128.7、128.7、128.6、128.6、128.5、128.5(4xOCOPh)、88.7(C1)、83.1(C2)、81.3(C4)、78.2(C3)、70.5(C5)、63.7(C6)、31.6(S−)、31.5(S−CH)、29.9、28.8、22.8、(3xCH)、14.2(CH);LRMS(ESI):719[(M+Na)、(60%)]、735(7)、579(100)。
ベンゾエート保護基の除去のための一般的手順:
保護されたアルキル1−チオグリコシド(0.45mmol)を乾燥脱気メタノール(20mL)に溶解し、この溶液にN雰囲気下に、1当量のナトリウムメトキシド(1Mの乾燥脱気メタノール溶液)を添加した。反応液を室温で2時間攪拌した。その後、反応液をアンバライト(H)樹脂で中和した。樹脂を濾過により除去し、溶媒を減圧下に蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーに付し、所望の脱保護された化合物を得た。
実施例5
ヘキサデシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物4、n=15):
収率:81%。R 0.50(EtOAc);H NMR(300MHz、CDOD):δ 4.99(d、1H、J1,2 4.5Hz、H−1)、4.01(dd、1H、J3,4 7.4、J3,2 4.8Hz、H−3)、3.88(dd、1H、J4,5 3.2、J4,3 7.4Hz、H−4)、3.84(apparent t、1H、J2,3=J2,1 4.7Hz、H−2)、3.69(m、1H、H−5)、3.57(d、2H、J 6.2Hz、H−6a及びH−6b)、2.60(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.60(apparent quintet、2H、J 7.4Hz、SCHCHa及びSCHCHb)、1.18−1.42(m、26H、3xCH)、0.86(t、3H、J 6.8Hz、CH)。
実施例6
デシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物4、n=9):
収率:74%。R 0.73(EtOAc−EtOH 7:2)H NMR(300MHz、CDOD):δ 5.02(d、1H、J1,2 4.6Hz、H−1)、4.03(dd、1H、J3,4 7.6、J3,2 5.0Hz、H−3)、3.90(dd、1H、J4,5 2.9、J4,3 7.6Hz、H−4)、3.87(app t、1H、J2,3=2,1 4.8Hz、H−2)、3.72(m、1H、H−5)、3.60(d、2H、J 6.5Hz、H−6及びH−6’)、2.63(m、2H、SCH)、1.62(m、2H、J 7.4Hz、SCH )、1.22−1.46(m、14H、7xCH、デシル鎖)、0.89(app t、3H、J 6.5、7.0Hz、CH);13C NMR(75.5MHz、CDOD):δ 90.7(C−1)、83.9(C−2)、82.8(C−4)、78.3(C−3)、72.1(C−5)、64.6(C−6)、33.1、32.0、31.1、30.7、30.5、30.4、30.0(9xCH、デシル鎖)、14.5(2xCH);LRMS(ESI)359[(M+Na)33%]242(100)。
実施例7
ヘキシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物4、n=5):
収率:97%。R 0.38(EtOAc);H NMR(300MHz、CDOD):δ 4.99(d、1H、J1,2 4.5Hz、H−1)、4.01(dd、1H、J3,4 7.5、J3,2 4.9Hz、H−3)、3.88(dd、1H、J4,5 4.9、J4,3 7.5Hz、H−4)、3.85(apparent t、1H、J2,3=J2,1 4.7Hz、H−2)、3.69(m、1H、H−5)、3.57(d、2H、J 6.2Hz、H−6a及びH−6b)、2.60(m、2H、SCHa及びSCHb)、1.59(apparent quintet、2H、J 7.6Hz、SCHCHa及びSCHCHb)、1.20−1.43(m、6H、3xCH)、0.87(t、3H、J 6.8Hz、CH)。
実施例8
アルキルチオール(HS−R)の製造方法は、当業者によく知られている。この場合、11−ヘンエイコサノールを、スルホン酸エステル(11−ヘンエイコサニルp−トルエンスルホネート)を経由して対応する臭化物(11ーブロモヘンエイコサン)に変換し、次いで、チオアセテートアニオンによる置換によって11−アセチルチオヘンエイコサンを得た。該チオアセテートを脱−S−アセチル化し、所望のチオール(11−ヘンエイコサニルチオール)を得た。
11−ヘンエイコサノール:
削り状マグネシウム(705mg、28.9mmol)とヨウ素(10mg、触媒)を合一し、N雰囲気下に、ブンゼンフレームでIガスが発生するまで加熱した。フラスコを放冷し、次いで無水THF(100mL)を添加した。ブロモデカン(5.0mL、24.1mmol)を添加し、混合物をN雰囲気下に、40℃で2時間攪拌した。その後、ウンデシルアルデヒド(5.0mL、24.1mmol)を添加し、反応液をN雰囲気下に、55℃で更に1時間攪拌した。反応液を飽和NHCl水溶液で急冷し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣をCHCl(300mL)で希釈し、NaCl水溶液(200mL)で抽出後、水(200mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過した後、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカと結合させ(EtOAcに溶解し、シリカの存在下に蒸発させた)、クロマトグラフィー(ヘキサン−DCM 2:1、TLC;R 0.57、Hex−EtOAc 6:1)に付し、白色粉末として11−ヘンエイコサノール(3.44g、46%)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ 3.58(m、1H、OC)、1.26−1.48(m、36H、18xCH)、0.88(app t、6H、J 6.9Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 72.0(CH)、37.5、31.9、29.7、29.6、29.3、25.7、22.7(18xCH)、14.1(2xCH);LRMS(ESI) 335[(M+Na)8%]413(100)489(11)。
11−ヘンエイコサニルp−トルエンスルホネート:
11−ヘンエイコサノール(2.54g、8.14mmol)と塩化トシル(4.65g、24.4mmol、3当量)をN雰囲気下に、0°Cで無水ピリジン(40mL)に溶解した。4−ジメチルアミノピリジン(10mg、触媒)を添加し、混合物をN雰囲気下に、0°Cで10分間攪拌した。その後、氷浴を除去し、混合物をN雰囲気下に、室温で更に7時間攪拌した。次いで溶媒を減圧除去し、残渣をCHClに溶解した。この溶液を1M HCl(100mL)で洗浄し、次いで飽和NaHCO水溶液(100mL)で洗浄し中和した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過した後、溶媒を減圧除去した。残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc 20:1、TLC;R 0.63、ヘキサン−EtOAc 12:1)に付し、透明な油状物として11−ヘンエイコサニルp−トルエンスルホネート(3.2g、88%)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.79(d、2H、J 8.3Hz、SPhCH)、7.32(d、2H、J 8.0Hz、SPhCH)、4.54(quintet、1H、J 6.0Hz、CH)、2.44(s、3H、SPhC )、1.49−1.62(m、4H、2xCH)、1.09−1.37(m、32H、16xCH)、0.88(app t、6H、J 6.8Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 144.2、134.8、129.6、127.7(SPhCH)、84.6(CH)、34.1、31.9、29.6、29.5、29.4、29.3、29.3、24.7、22.7(18xCH)、21.6(SPhC )、14.1(2xCH);LRMS(ESI) 489[(M+Na)100%]。
11−ブロモヘンエイコサン:
リチウムブロマイド(2.91g、33.5mmol)と11−ヘンエイコサニルp−トルエンスルホネート(2.20g、4.7mmol)を無水アセトン(75mL)に溶解し、N雰囲気下に、3時間還流下で攪拌した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAc(100mL)に溶解した。この溶液を、NaCl水溶液(100mL)で1回及び水(100mL)で1回洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去し透明な油状物として11−ブロモヘンエイコサン(1.27g、72%)を得た。臭化物は更なる精製をすることなく用いられた。(TLC;R 0.87、ヘキサン)H NMR(300MHz、CDCl):δ 4.03(tt、1H、JA,B1=A,B'1 5.7Hz、JA,B2=A,B'2 7.3Hz、CH)、1.19−1.89(m、36H、18xCH)、0.88(app t、6H、J 6.9Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 59.1(CH)、39.2、31.9、29.6、29.5、29.3、29.1、27.6、26.5、22.7(18xCH)、14.1(2xCH);LRMS(EI)294[(M−HBr)100%](HBr 減算)。
11−アセチルチオヘンエイコサン:
11−ブロモヘンエイコサン(1.00g、2.67mmol)とチオ酢酸カリウム(0.64g、5.80mmol)を無水アセトン(50mL)に溶解し、N雰囲気下に、20時間還流した。その後、溶媒を減圧除去し、残渣をEtOAc(100mL)に溶解した。この溶液を、NaCl水溶液(100mL)で1回及び水(100mL)で1回洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン、TLC;R 0.33、ヘキサン)に付し、桃色油状物として11−ヘンエイコサニルチオアセテート(880mg、89%)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ 3.50(tt、1H、JA,B1=A,B'1 5.7Hz、JA,B2=A,B'2 7.6Hz、CH)、2.31(s、3H、SAc)、1.15−1.65(m、36H、18xCH)、0.87(app t、6H、J 6.7Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 196.1(OCH)、44.7(CH)、34.8、31.9(2xCH)、30.8(CO)、29.6、29.5、29.5、29.3、26.8、22.7(16xCH)、14.1(2xCH);LRMS(ESI) 393[(M+Na)42%]413(100)357(42)。
11−ヘンエイコサニルチオール:
11−ヘンエイコサニルチオアセテート(500mg、1.35mmol)を無水MeOH(30ml)に溶解し、この溶液に1当量のNaOMe(1.35mL、1M 無水MeOH溶液)を添加した。反応液をN雰囲気下に、室温で70分間攪拌した。その後、溶液をアンバライトIR120(H)樹脂で中和し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、NaCl水溶液(100mL)で1回洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去し淡黄色の油状物として11−ヘンエイコサニルチオール(330mg、75%)を得た。該脱−S−アセチル化物は更なる精製をすることなく用いられた。(TLC;R 0.70、ヘキサン)。H NMR(300MHz、CDCl):δ 2.78(m、1H、CH)、1.19−1.70(m、36H、18xCH)、0.88(app t、6H、J 6.9Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 41.2(CH)、39.0、31.9、29.6、29.6、29.4、29.3、27.1、22.7(18xCH)、14.1(2xCH)。
11−ヘンエイコサニル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物5、n=9):
1,2,3,5,6−ペンタ−O−ベンゾイル−α/β−D−ガラクトフラノース(化合物1)(178mg、0.25mmol)を無水CHCl(4mL)に溶解し、この溶液に塩化スズ(IV)(32μL、0.28mmol、1.1モル当量)を添加した。この溶液をN雰囲気下に、0°Cで10分間攪拌した。次いで11−ヘンエイコサニルチオール(100mg、0.305mmol、1.2モル当量)を添加し、反応液をN雰囲気下、0°Cで2時間攪拌した。その後、溶媒を減圧除去した。次いで残渣をCHCl(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(100mL)で抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカと結合させ(EtOAcに溶解し、シリカの存在下に蒸発させた)、クロマトグラフィーに付し透明なシロップとして化合物5(n=9)を得た(183mg、80%)。R 0.60(ヘキサン−EtOAc 9:1);H NMR(300MHz、CDCl):δ 7.26−8.12(m、20H、4xCO Ph)、6.10(m、1H、H−5)、5.65(s、1H、H−1)5.64(broad d、1H、H−3(H−1と重なり))、5.52(app t、1H、J2,3=2,1 1.5Hz、H−2)、4.83(app t、1H、J 4.6、J 4.1Hz、H−4)、4.72(m、2H、H−6及びH−6’)、2.88(m、1H、SC)、1.62(m、4H、SCH(C )、1.15−1.51(m、32H、8xCH、ジデシル鎖)、0.87(m、6H、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDCl):δ 166.0、165.7、165.6、165.4(4xPh)、133.5、133.3、133.2、133.1、130.1、130.0、130.0、129.9、129.7、129.6、129.5、129.0、129.0、128.5、128.4、128.3、128.3(CO Ph)、87.8(C−1)、83.1(C−2)、81.1(C−4)、78.0(C−3)、70.4(C−5)、63.5(C−6)、46.7(SHR)、35.4、34.8、31.9、29.6、29.6、29.3、26.9、26.7、22.7(18xCH、ジデシル鎖)、14.1(2xCH);LRMS(ESI) 930[(M+Na)100%]。
実施例9
11−ヘンエイコサニル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物6、n=9):
11−ヘンエイコサニル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド(化合物5、n=9)を一般的手順に従って脱保護した。収率:74%。R 0.62(EtOAc);H NMR(300MHz、CDOD):δ 5.02(d、1H、J 4.4Hz、H−1)、3.99(dd、1H、J3,2 4.8、J3,4 7.5Hz、H−3)、3.84(dd、1H、J4,3 7.5、J4,5 2.7Hz、H−4)、3.82(app t、1H、J 4.4、J 4.7Hz、H−2)、3.68(dt、1H、J5,4 2.7、J5,6 6.2、J5,6' 6.2Hz、H−5)、3.55(m、2H、H−6及びH−6’)、2.72(m、1H、2xSC)、1.53(m、4H、SCH(C )、1.17−1.47(m、32H、8xCH、ジデシル鎖)、0.84(t、6H、J 6.6Hz、2xCH);13C NMR(75.5MHz、CDOD):δ 90.3(C−1)、84.4(C−2)、82.8(C−4)、77.8(C−3)、72.0(C−5)、65.1(C−6)、47.3(SHR)、36.6、36.2、33.1、30.8、30.7、30.7、30.5、27.8、23.8(18xCH、ジデシル鎖)、14.5(2xCH);LRMS(ESI) 513[(M+Na)100%]。
生物学的データ
実施例10
化合物4(n=9)及び化合物6(n=9)による各種バクテリアの阻止を表1に示す。生物学的データは、最小阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration、MIC)アッセイによって決定した。各化合物を、LB培養液(4mL)に初期濃度200μg/mLとなるように添加した。次いで段階希釈を行った(各段階において2倍、最終的な濃度は0.2μg/mL)。飽和培養液(5μL)を各段階希釈液に添加し、37℃で振とうしながら6時間インキュベートした。次いで、バクテリアの成長が阻止される最も低い濃度をMICとした。
実施例11
化合物4(n=9)による各種バクテリアの阻止を表2に示す。生物学的データはゾーン阻止アッセイ法により決定した。化合物4(n=9)は、10μg/mLの溶液3μLを、LB寒天プレート表面のバクテリア叢上に置かれたフィルタディスクにスポッティングして試験した。37℃で3日間(恥垢菌)又は一晩(他の種)インキュベートした後、阻止ゾーンを、任意スケールを用いて測定した(任意スケール:+++=大きい阻止ゾーン、−=阻止ゾーン無)。
一般式(I)の化合物は抗菌剤である。
参考文献
以下の文献の開示を、本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
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Claims (23)

  1. 一般式(I):
    〔式中、Rは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、及び置換されていてもよいアラルキルからなる群から選択され、前記置換されていてもよいアルキル及び置換されていてもよいアルケニルは、O、S、−N=、NR及び−(Y)C=(Z)(T)−からなる群から選択される1以上のヘテロ原子又は官能基が挿入されていてもよいと共に少なくとも4個の炭素原子を含み、前記置換されていてもよいアラルキルは、そのアルキル基の中に、O、S、−N=、NR及び−(Y)C=(Z)(T)−からなる群から選択される1以上のヘテロ原子又は官能基が挿入されていてもよく;
    は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR2及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
    は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
    は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
    は、OR、SR、NRR’、ハロゲン、−(Y)C=(Z)(T)、−N(C=(Z)(T)、N、CN、OCN、SCN、OSO、OSO、OPOR’、OPOR’、S(O)R、S(O)、S(O)OR、POR’、NNRR’、SNRR’、NHSR、SSR及びRからなる群から選択されるものであるか、又はオキソ基、=S、=NOR若しくは=CHRであり且つX’が存在しないものであり;
    或いは、XとXは共同して二重結合を形成しているか、XとX、XとX、XとX、XとX、XとX’、XとX’、XとX’或いはXとX’は共同して環を形成しており;
    m及びnは、無関係に、0又は1であり、Y、Z及びTは、無関係に、O、S、及びNR(式中、Rは水素又はアルキルである)からなる群から選択され;
    、X’、X’、X’及びX’は同一であるか又は異なっていて、水素、CN、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリール、及び置換されていてもよいアラルキルからなる群から選択され;
    、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は同一であるか又は異なっていて、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアシル及び炭水化物基からなる群から選択され;
    但し、Rはベンジル以外のものであり、X、X、X及びXの内の少なくとも2個は、水素以外のものであるか又は炭素−炭素結合により環結合された基以外のものである〕
    で表される抗菌化合物又は医薬に許容されるこれらの塩。
  2. が、直鎖アルキルであり、該鎖の中にヘテロ原子又はアシル結合が挿入されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
  3. が、C4−30アルキル、好ましくはC6−16アルキルである、請求項2に記載の化合物。
  4. が、分枝鎖アルキルであり、該鎖の中にヘテロ原子又はアシル結合が挿入されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
  5. が、一般式(II):
    (式中、uは、0〜22、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜4、更に好ましくは0〜2、最も好ましくは0であり、ヘテロ原子又はアシル結合は、この基の中の隣接するCH基の間に挿入されていてもよく、R、R及びRの内少なくとも2個は、アルキルであり、残りは水素又はアルキル、好ましくは、C2−30アルキル、より好ましくはC4−24アルキル、更に好ましくはC6−16アルキル、最も好ましくはC10アルキルであり、同一であっても異なっていてもよい)
    で表される、請求項4に記載の化合物。
  6. 請求項5に記載の化合物であって、Rが、一般式(III):
    (式中、p及びqは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ≧1であり、好ましくは1〜29、より好ましくは3〜23、更に好ましくは5〜15、最も好ましくは9である)
    の分枝アルキル基である、化合物。
  7. 請求項1に記載の化合物であって、Rが、一般式(IV):
    (式中、v及びwは、同一であるか又は異なっていて、それぞれ≧1、好ましくは1〜29、より好ましくは3〜23、更に好ましくは5〜15、最も好ましくは9である)
    で表される、化合物。
  8. 、X、X及びXの内の少なくとも2個が、炭素−酸素結合により環に結合した基である、請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物。
  9. が、OR、−(Y)C=(Z)(T)(YはOである)(好ましくは−OC(O)R)、OSO及びOPO’からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  10. が、ヒドロキシル又はアシルオキシである、請求項9に記載の化合物。
  11. が、OR、−(Y)C=(Z)(T)(YはOである)(好ましくは−OC(O)R)、OSO及びOPO’からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  12. が、ヒドロキシル又はアシルオキシである、請求項11に記載の化合物。
  13. が、OR、−(Y)C=(Z)(T)(YはOである)(好ましくは−OC(O)R)、OSO及びOPO’からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  14. が、ヒドロキシル又はアシルオキシである、請求項13に記載の化合物。
  15. が、OR、−(Y)C=(Z)(T)(YはOである)(好ましくは−OC(O)R)、OSO及びOPO’からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
  16. が、ヒドロキシル又はアシルオキシである、請求項15に記載の化合物。
  17. ヘキサデシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    デシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    オクチル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    ヘキシル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    11−ヘンエイコサニル2,3,5,6−テトラ−O−ベンゾイル−1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    ヘキサデシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    デシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    オクチル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、
    ヘキシル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド、及び
    11−ヘンエイコサニル1−チオ−β−D−ガラクトフラノシド
    からなる群から選択される化合物。
  18. 一般式(I):
    の化合物の製造方法であって、一般式(V):
    (式中、R10は、アシル基、好ましくはアセチルであり、X、X、X及びXは、前述と同様に定義されるが、遊離のヒドロキシル基、チオール基、又はアミン基はいずれも保護基により保護されている)
    の化合物を、一般式(VI):
    (式中、Rは、前述と同様に定義される)
    の化合物と、塩基の存在下に反応させ;
    そして、任意に
    保護基を除去する
    ことを含む、方法。
  19. 一般式(I):
    の化合物の製造方法であって、一般式(VII):
    (式中、R11は、アシル基、好ましくはアセチル又はベンゾイルであり、X、X、X及びXは、前述と同様に定義されるが、遊離のヒドロキシル基、チオール基、又はアミン基はいずれも保護基により保護されている)
    の化合物を、一般式(VIII):
    (式中、Rは、前述と同様に定義される)
    の化合物と、触媒、通常ルイス酸の存在下に反応させ;
    そして、任意に
    保護基を除去する
    ことを含む、方法。
  20. 細菌感染症の患者(動物を含む)の治療方法であって、該患者に、治療有効量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の一般式(I)の抗菌化合物を投与することを含む方法。
  21. 細菌感染症の治療に使用するための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の一般式(I)の抗菌化合物の使用。
  22. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の一般式(I)の抗菌化合物及び医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  23. 微生物を死滅させる方法であって、前記微生物を、請求項1〜17のいずれか1項に記載の一般式(I)の抗菌化合物に接触させることを含む方法。
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