JP5258430B2 - ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、軸筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを、直接又はチップホルダーを介して装着し、前記軸筒の内部にボールペン用インキと該インキの後部にインキの消費と共に追従するグリース状のインキ追従体を直詰めしたボールペンに関する。
軸筒の内部に低粘度の水性インキや剪断減粘性を付与したインキを直詰めにした従来のボールペンは、ボールペン使用時にペン先部分を上向きにして筆記した場合の空気の呑み込みや重力の作用、あるいは落下させた時の衝撃等により軸筒内に充填されたインキが逆流するという問題があった。
特に、軸筒の内部にボールペン用インキを直詰に充填するボールペンにおいては、インキが逆流した場合には、インキが外部に漏れ出し易く、衣服などを汚損する問題があるため、インキの漏れ出しを防止することが切望されている。
従来のボールペンにおけるインキの逆流を防止するための手段としては、特開平10−258597号公報「ボールペン」や、特開2003−291579号公報「布書き用ボールペン」で、ボールペン用インキの後方部に、グリース状のインキ追従体を充填することが開示されている。
また、特開平6−115291号公報「ボールペン」には、尾栓内にボール弁を搭載することで、インキの外部への漏れだしを防止している。
「特開平10−258597号公報」 「特開2003−291579号公報」 「特開平6−115291号公報」
しかし、特許文献1、2では、衝撃が大きい場合には、インキ追従体を突き抜けて、或いはインキ追従体が崩れて、インキの逆流が発生し、一度、逆流を開始すると、外部への漏れ出しを防止することはできなかった。
また、特許文献3は、ボールと尾栓の内壁とのシール面を完全に密閉することは困難であり、低粘度のインキでは漏れ出しを防止し難い問題があった。また、カバンで持ち運ぶ等、振動や衝撃等によってボールが移動すると、密閉した面が解放されてインキが漏れ出してしまう問題があった。
本発明は上記問題を鑑み、インキが逆流しても外部への漏れ出しを防止することができるボールペンを提供するものである。
前記目的を達成するために本発明では、軸筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを、直接又はチップホルダーを介して装着し、前記軸筒の内部にボールペン用インキと該インキの後部にインキの消費と共に追従するグリース状のインキ追従体を直詰めし、前記軸筒の後端部内に、軸筒の内外を連通する空気流通路を有する尾栓の圧入部を圧入装着してなるボールペンであって、前記尾栓の先端部に、前記軸筒の内径よりも小径で、かつ先端を開口した略有底筒状の保持部を形成し、前記軸筒の内壁と保持部の外壁間に空間部を設けるとともに、前記保持部内に、高分子多孔質体又は繊維収束体からなるインキ逆流防止栓を配設し、前記尾栓の空気流通路が、前記尾栓の保持部の底面近傍に形成した連通孔から、前記尾栓の圧入部に形成した螺旋状の溝を経由し、前記尾栓の圧入部から尾栓内部に通じる通気孔から後端開口部に連通することを特徴とする。
さらにまた、前記保持部の外径が、先端側に向かって徐々に縮径することを特徴とする。
さらにまた、前記尾栓を圧入装着する軸筒の後端部の内径が、前記ボールペン用インキ及びグリース状のインキ追従体の充填する部分の内径よりも大きいことを特徴とする。
本発明は、インキが逆流しても外部への漏れ出しを防止することができるボールペンを提供することができた。
本発明においては、高分子多孔質体又は繊維収束体などのインキ逆流防止栓は、通常時は十分な空気流通量を確保し、良好な筆記追従性を発揮しつつ、一旦インキが逆流した際には高分子多孔質体又は繊維収束体によって、インキの外部への漏れ出しを防止することができるものである。
前述のように、インキ逆流防止栓は、通常時は十分な空気流通量を確保する必要があり、ある程度の隙間を有する。そのため、インキの外部への漏れ出しを防止するには、逆流したインキ等がインキ逆流防止栓に接したとき、インキ逆流防止栓が逆流するインキの抵抗となる構造が必要となる。一例を挙げると、逆流したインキ等がインキ逆流防止栓に接した際、インキ等の逆流速度を鈍らせることにより、ボールペン用インキの溶媒が気化し、固形分濃度が増大する結果、粘度が増し、流動性が低下すること、ボールペン用インキの溶媒がインキ逆流防止栓に吸収されることにより固形分濃度が増大する結果、粘度が増し、流動性が低下すること、ボールペン用インキの溶媒がインキ逆流防止栓に吸収され膨潤し、繊維収束体内部の空隙を閉塞すること、ボールペン用インキに含まれる顔料が、インキ逆流防止栓の内部の空隙を閉塞すること等、インキ逆流防止栓にて液体抵抗を付与することが考えられる。
本発明における高分子多孔質体には、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン等のポリウレタンフォームが例示できる。エステル系ポリウレタンは、ウレタンフォームの主原料であるポリオールの高分子鎖がエステル結合からなるものであり、エーテル系ポリウレタンは、ウレタンフォームの主原料であるポリオールの高分子鎖がエーテル結合からなるものである。一般にエステル結合とエーテル結合は、結合エネルギーの強さ、分子鎖の柔軟性、分子鎖の分子間相互作用等に違いがあり、両者には強度、硬さ、耐水性、耐油性等が相違するため、使用するボールペン用インキに特性に応じて適宜選択して使用することができる。
尚、ポリウレタンフォームには、セル膜を有するものとセル膜を有してないものがあり、セル膜を有するものは、ボールペン用インキが逆流してきた際に、セル膜がインキ流路を阻害するよう働くため、インキの逆流漏れを防止するには、セル膜を有する高分子多孔質体を用いることが好ましい。このセル膜とは、三次元網目構造で形成された高分子多孔質体において、網目の一部に薄膜が張られた部分を確認できることがあり、これをセル膜という。
また、高分子多孔質体には連続気泡を有するものと独立気泡を有するものがあるが、独立気泡を有するものは空気が透過しないため空気交替が妨げられ、筆記できなくなるといった不具合が発生するおそれがある。従って、一定の空気流量が得られる連続気泡を有する高分子多孔質体を用いることが好ましい。
また、繊維収束体には、ナイロン6、ナイロン6,6等のナイロン繊維、ポリアクリロニトリル等のアクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、共重合ポリエステル繊維等のポリエステル繊維、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、塩化ビニル繊維等の合成繊維、レーヨン等の半合成繊維、羊毛、綿等の天然繊維等の単繊維に捲縮加工を施したものを収束し一体化したものを例示でき、これらの繊維を1種もしくは2種以上混合して用いることもできる。上記の中でもナイロン6、ナイロン6,6等のナイロン繊維が特に好ましく用いられ得る。
本発明に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができるが、高分子多孔質体又は繊維収束体の内部の空隙を閉塞しやすく顔料を含有することが最も好ましい。顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられ、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料、マイクロカプセル顔料等が挙げられる。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、顔料の平均粒径が大きい程、高分子多孔質体又は繊維収束体の内部の空隙を閉塞しやすく好ましい。具体的には、平均粒径が1μm未満では、高分子多孔質体又は繊維収束体の内部の空隙を閉塞し難く、平均粒径が20μmを超えると、高分子多孔質体又は繊維収束体の内部の空隙を閉塞しやくなるが、顔料の沈降を抑制し難く、筆記性能やインキの経時安定性が悪化するため、平均粒径は、1μm〜20μmが好ましく、平均粒径が3μm〜10μmとすることが最も好ましい。
本発明において、ボールペン用インキには、油性、水性のいずれも含まれ、ボールペン用インキの溶媒は、水、水溶性有機溶剤及び油性の溶剤が包含される。油性の溶剤としては、2−フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが例示でき、これらを1種もしくは2種以上混合して用いることができる。
また、水と共に使用できる水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3―メトキシブタノール、3―メトキシー3―メチルブタノール等のグリコールエーテル類などが例示でき、これらを1種もしくは2種以上混合して用いることができる。また前記した油性の溶剤と水溶性溶剤を併用してもよい。
前述の通り、本発明のボールペン用インキには、油性、水性のいずれも含まれ、インキ粘度についても、限定されるものではないが、インキ逆流及び追従性などを考慮すると、剪断速度1.92sec−1において、10mPa・s〜5000mPa・sにする方が好ましい。より好ましくは、500Pa・s〜3000mPa・sである。尚、インキ粘度は、ブルックフィールド社製 DVII+Pro型粘度計(CPE−42コーンプレート)を用いて、20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)にて測定することができる。
また、前記したインキ粘度とするため等、インキ粘度調整のため、剪断減粘性付与剤を含有してもよい。剪断減粘性付与剤としては、脂肪酸アマイドワックス、架橋型アクリル酸重合体、キサンタンガム、サクシノグリカン、ガーガム、ウエランガム、ラムザンガム、ローカストビンガム、ダイユータンガム等の剪断減粘性付与剤等が用いられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。また、剪断減粘性付与剤の含有量は、インキ組成物全質量に対し0.1〜2.0質量%にすることが好ましい。より好ましくは、0.1〜1.0質量%である。
その他として、トリエタノールアミン等のpH調整剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤等を添加することができる。また、分散剤も適宜添加可能で、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等や、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を添加することができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明のボールペンは実施の形態に限定されるものではない。尚、図面中同じ部材、同じ部品については同じ番号を付してある。
図1から図5に示すボールペン1は、ボールを回転自在に設けたボールペンチップ4を、チップホルダー3を介して、軸筒2の先端開口部に装着し、軸筒2の後端開口部には、軸筒2の内部と外部を連通する空気流通路を有した尾栓5の圧入部5bを圧入装着してある。
また、軸筒2の内部には、着色剤として、平均粒径が5μmの顔料を含有した、剪断減粘性を有した水性のボールペン用インキ8と該インキの後端に当接しインキの消費と共に追従するグリース状のインキ追従体9が直詰めしてある。また、軸筒2の先端部にはキャップ10を着脱自在に装着することができる。
尾栓5は、軸筒2の後端部の内径よりも小径で、かつ軸筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを、直接又はチップホルダーを介して装着し、前記軸筒の内部にボールペン用インキと該インキの後部にインキの消費と共に追従するグリース状のインキ追従体を直詰めし、前記軸筒の後端部内に、軸筒の内外を連通する空気流通路を有する尾栓の圧入部を圧入装着してなるボールペンであって、前記尾栓の先端部に、前記軸筒の内径よりも小径で、かつ先端を開口した略有底筒状の保持部5aを形成し、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間に空間部7を設けるとともに、保持部5aに、略円柱状の繊維収束体からなるインキ逆流防止栓6を嵌着してある。
また、尾栓5には、保持部5aの底面5g近傍に、圧入部5bに連通する連通孔5cと、圧入部5bに螺旋状の溝5dと、螺旋状の溝から尾栓5の後端開口部5f内に連通する通気孔5eを設けてある。空気流通路は、尾栓5の圧入部5bを軸筒2に圧入装着した状態で、保持部5aの底面5g近傍の連通孔5cから螺旋状の溝5dを経由し、通気孔5eから後端開口部5fに連通して、尾栓5の内部と外部を連通している。
ボールペンチップ4が上向きの状態の時に、インキ追従体9を突き抜けてインキ逆流が発生すると、逆流したボールペン用インキ8は軸筒2の内壁面に沿って流れるため、先ず、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間の空間部7に溜まり、空間部7の体積を超えたインキが、保持部5a内のインキ逆流防止栓6に接触する。ここで、本発明のボールペン用インキが着色剤として顔料を含有するので、インキ中の顔料が、インキ逆流防止栓6の内部の空隙を閉塞することによって、インキの流れを止め、インキの外部への漏れを防止することができる。
また、インキ組成によっても異なるが、インキ中の溶媒がインキ逆流防止栓6に吸収され膨潤し、インキ逆流防止栓6の空隙を閉塞、及び/又はボールペン用インキの溶媒がインキ逆流防止栓6に吸収されることにより固形分濃度が増大する結果、粘度が増し、流動性が低下することによる相乗効果によって、インキの外部への漏れ出しを効果的に防止することができる。
仮に、ボールペン用インキ8が、インキ逆流防止栓6内部の空隙を閉塞しきれない場合であっても、尾栓5に形成した空気流通路が、保持部5aの底面5g近傍の連通孔5cから螺旋状の溝5dを経由し、通気孔5eから後端開口部5fに連通して、尾栓5の内部と外部を連通する迷路状になっていることによって、インキ逆流の流路も空気流通路と同じであるため、容易に外部へ漏れ出さないため、好ましい。
また、保持部5aの外径と軸筒2の内径との径差が大きい程、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間に形成される空間部7の容積が大きくなるので好ましく、尾栓5の装着性も考慮して、保持部5aの外径が、後端側の外径Gから先端側の外径Hに向かって徐々に縮径(G>H)するほうが好ましい。
同様に、ボールペン用インキ8及びグリース状のインキ追従体9が充填してある部分の軸筒の内径Lよりも、尾栓5の圧入部5bが圧入装着している部分の軸筒2の内径Mを大きく(L<M)することで、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間に形成される空間部7の容積を多くすることができるので好ましい。
インキ等の流体が逆流するとき、ボールペン用インキ8とグリース状のインキ追従体9とが同時に逆流する場合と、グリース状のインキ追従体9を構成する組成物中の油分等が離油し、該油分のみが逆流する場合の、大きく二通りの逆流パターンがあり、前者の場合は、筆記不能であるが、後者の場合、ボールペン用インキ等の筆記に要する部分が無事であれば、その後ある程度の筆記を継続することが出来る。
これは、後者の場合、インキ追従体9を構成する組成物中の油分等が離油した場合、該液体は軸筒2の内壁面に沿って流れるため、先ず、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間の空間部7に溜まり、空間部7の体積を液体が超えるまでは空気交替が出来る。すなわち、グリース状のインキ追従体9を構成する組成物中の油分等が離油した場合、ボールペン用インキ等の筆記に要する部分が無事であれば、その後ある程度の筆記を継続することが出来るのである。
その後、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間の空間部7に溜まり、空間部7の体積を超えたとき、インキ追従体9の油分等の流体は保持部5a内のインキ逆流防止栓6に接触する。その結果、インキ追従体9の粘度(稠度)によっても異なるが、筆記具用インキに比べて粘度(稠度)の高いインキ追従体9が到達した場合、インキ逆流防止栓6の内部の空隙を事実上閉塞する。
上述のように、ボールペン用インキ等の筆記に要する部分が無事なときに、離油によって流れ出たインキ追従体9の油分等が、インキ逆流防止栓6に接触すると筆記による空気交替が出来ず、筆記不良の原因となるため、インキ逆流防止栓6を尾栓の保持部に嵌着すること、軸筒2の内壁と保持部5aの外壁間の空間部7を形成することが、特に効果的なのである。
尚、インキ逆流防止栓6の形状は特に限定されるものではなく、略円錐形、略紡錘形、略球形などで形成することができる。本発明においては、尾栓5の保持部5aに嵌着すること等を考慮して略円柱状の形態が特に好ましい。
また、インキ逆流防止栓6としては、略円柱形状のインキ逆流防止栓6の外径が尾栓5の保持部5aの内径よりも約1.01〜1.20倍程度大きいことが好ましい。インキ逆流防止栓6の外径サイズをこの範囲に制御することによって、保持部5a内部へのインキ逆流防止栓6の定着性をすぐれたものとすることができる。さらに、面取り工程等が必要の無い略円柱形状にすることによって、製造コストを低減化することができる。
また、軸筒2や尾栓5等は、金属、樹脂から製造されているため、ある程度の寸法精度を有するが、例えば真円にする等、内壁面の形状を完全にコントロールすることは困難である。そのため、インキ逆流防止栓6を圧縮して装着することで、装着する部材の内壁とインキ逆流防止栓6の隙間の発生を抑制しているが、装着する部材の内径及びインキ逆流防止栓6の外径が小さい方が、より装着する部材の内壁と、インキ逆流防止栓6との隙間の発生を防止することができる。本発明は、軸筒2の内径よりも小径の保持部5aに、インキ逆流防止栓6を配設することにより、軸筒2内に、直にインキ逆流防止栓6を配設する場合に比べ、インキ逆流防止栓6の外径を小さくすることができるため、保持部5aの内壁とインキ逆流防止栓6との隙間の発生を防止することができる。
尚、インキ逆流防止栓6を透過する空気流量が、インキ逆流防止栓6を配設した状態で、20℃、10kPa加圧条件下において、0.5ml/分〜300ml/分の範囲が好ましく、さらに好ましくは5ml/分〜150ml/分である。空気流量が0.5ml/分未満の場合は、インキ後端への空気の供給量が少なくなり、空気交替が妨げられることで、筆跡にカスレが生じ、書き味が悪化し、さらには筆記不能になる恐れがある。一方、前記空気流量が300ml/分を超えると、インキの逆流が発生した場合に、インキの外部への漏れ出しを防止することが困難となる傾向が生じる。尚、空気流量は、デジタルフローメータ((株)コスモ計器製、DF−2800(20℃、10kPa加圧下で測定))で測定することができる。
また、インキ逆流防止栓6の硬度がHsC90を超える場合は、保持部5a内への挿入ならびに配設は困難となるため、当該挿入・配設を容易化するには、インキ逆流防止栓6の外径を小さくせざるを得なくなる。その結果、インキ逆流防止栓6の保持部5a内への定着性は著しく低下し、保持部5aとインキ逆流防止栓6との間に非密着部分が生じ易くなり、この隙間部分からのインキの漏れ出しを防止することが困難となる。以上のことから、インキ逆流防止栓6の硬度はHsC90以下が好ましく、更に好ましくはHsC80〜HsC90である。この硬度条件を具備することによって、一定の弾力性・柔軟性を確保することができるため、インキ逆流防止栓6の保持部5a内への配設を容易化することができ、従来必要とされたような過度の圧縮工程を施すことなく挿入・配設が可能になり、製造工程上も極めて有利である。さらにまた、過度の圧縮工程を行う必要性が無いことは、保持部5a内に配設されたインキ逆流防止栓6の通気性(空気流量)のバラツキをなくすことになるため、筆記性に影響を与える品質のバラツキを極力無くして製品歩留まりを向上させることができる点においてもすぐれている。
本実施の形態では、便宜上、インキ逆流防止栓6として繊維収束体を用いているが、高分子多孔質体であってもよい。但し、ナイロン6、ナイロン6.6等のナイロン繊維は柔軟性及び弾力性に優れているため、尾栓の保持部への配設作業性が容易になるとともに、尾栓の保持部の内壁に密着するため定着性も優れている。そのうえ、尾栓の保持部の内壁と繊維収束体の表面との間に微少な隙間が生じずらく、インキ逆流による外部への漏れ出しを防止する効果が高まるので、ナイロン6、ナイロン6.6等のナイロン繊維を用いることが特に好ましい。
本発明のボールペンの製造方法は、特に限定されるものではないが、予め尾栓5の保持部5aに高分子多孔質体又は繊維収束体からなるインキ逆流防止栓6を配設した後、軸筒2に装着することで、組立性が向上するとともに、組立時等に、インキ逆流防止栓と、ボールペン用インキ及び/又はグリース状のインキ追従体と接触することを防止できる。
また、図示はしてないが、ボールペンチップ内に、直接又は押圧体を介してボールをチップ先端部の内壁に押圧するコイルスプリングを配設し、インキの垂れ下がりを防止するとともに、インキ逆流の原因となる、空気の呑み込みを抑制することが最も好ましい。
本発明のボールペンは、水性、油性などのボールペンとして広く利用でき、とりわけインキの逆流による外部への漏れ出しを防止するために、精密機械周辺での筆記作業等に用いられるボールペンとしてより好適に利用できるものである。
本発明の実施の形態におけるボールペンの縦断面図である。 図1における一部省略した軸筒後端部の拡大縦断面図である。 図2における尾栓のA−A矢視図である。 図1における尾栓の外観図である。 図4における尾栓の180度方向から見た縦断面図である。
符号の説明
1 ボールペン
2 軸筒
3 チップホルダー
4 ボールペンチップ
5 尾栓
5a 保持部
5b 圧入部
5c 連通孔
5d 溝
5e 通気孔
5f 後端開口部
5g 底面
6 インキ逆流防止栓
7 空間部
8 ボールペン用インキ
9 インキ追従体

Claims (3)

  1. 軸筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを、直接又はチップホルダーを介して装着し、前記軸筒の内部にボールペン用インキと該インキの後部にインキの消費と共に追従するグリース状のインキ追従体を直詰めし、前記軸筒の後端部内に、軸筒の内外を連通する空気流通路を有する尾栓の圧入部を圧入装着してなるボールペンであって、前記尾栓の先端部に、前記軸筒の内径よりも小径で、かつ先端を開口した略有底筒状の保持部を形成し、前記軸筒の内壁と保持部の外壁間に空間部を設けるとともに、前記保持部内に、高分子多孔質体又は繊維収束体からなるインキ逆流防止栓を配設し、前記尾栓の空気流通路が、前記尾栓の保持部の底面近傍に形成した連通孔から、前記尾栓の圧入部に形成した螺旋状の溝を経由し、前記尾栓の圧入部から尾栓内部に通じる通気孔から後端開口部に連通することを特徴とするボールペン。
  2. 前記保持部の外径が、先端側に向かって徐々に縮径することを特徴とする請求項1に記載のボールペン。
  3. 前記尾栓を圧入装着する軸筒の後端部の内径が、前記ボールペン用インキ及びグリース状のインキ追従体の充填する部分の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のボールペン。
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